JP2021097073A - レーザ発振器 - Google Patents

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加藤 直也
Naoya Kato
直也 加藤
山下 隆之
Takayuki Yamashita
隆之 山下
諒 石川
Ryo Ishikawa
諒 石川
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Abstract

【課題】折り返しミラーの反射面の傾斜角の変化を検出する。【解決手段】折り返しミラー(200)は、レーザ光源(101)から出射されるレーザ光(LB)を進行方向とは異なる方向に反射することでレーザ光(LB)を被照射物へ導く第1反射面(200a)と、参照光源(102)から出射される参照光(RL)を進行方向とは異なる方向に反射する第2反射面(200b)とを有する。第1反射面(200a)に入射するレーザ光(LB)の光路に対する第1反射面(200a)の傾斜角が変化すると第2反射面(200b)に入射する参照光(RL)の光路に対する第2反射面(200b)の傾斜角が変化する。参照受光器(300)は、第2反射面(200b)で反射された参照光(RL)を受光する。【選択図】図2

Description

ここに開示する技術は、レーザ発振器に関する。
特許文献1には、レーザ加工装置が開示されている。このレーザ加工装置は、ワークを保持する保持手段と、ワークにレーザ光を照射して所定の加工処理を施すレーザ光照射手段と、レーザ光を反射させてレーザ光照射手段まで導入するミラー手段と、レーザ光の光路中にレーザ光の一部を分岐抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出されたレーザ光を受光する受光手段と、受光手段からの信号に基づいてレーザ光の光軸のずれを検出する検出手段と、検出手段の検出結果に応じて抽出手段よりも前に位置するミラー手段のレーザ光の反射方向を制御する制御手段とを備える。
特開2010−264461号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、ミラー手段の反射面の傾斜角(反射面に入射するレーザ光の光路に対する傾斜角)の変化を検出することが困難である。
そこで、ここに開示する技術は、ミラーの反射面の傾斜角(反射面に入射するレーザ光の光路に対する反射面の傾斜角)の変化を検出することが可能なレーザ発振器を提供することを目的とする。
ここに開示する技術は、被照射物にレーザ光を照射するレーザ発振器に関し、このレーザ発振器は、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、参照光を出射する参照光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を進行方向とは異なる方向に反射することで前記レーザ光を前記被照射物へ導く第1反射面と、前記参照光源から出射される参照光を進行方向とは異なる方向に反射する第2反射面とを有し、前記第1反射面に入射するレーザ光の光路に対する前記第1反射面の傾斜角が変化すると前記第2反射面に入射する参照光の光路に対する前記第2反射面の傾斜角が変化する折り返しミラーと、前記折り返しミラーの第2反射面で反射された参照光を受光する参照受光器とを備える。
ここに開示する技術によれば、参照受光器における参照光の受光状態に基づいて、折り返しミラーの第1反射面の傾斜角(第1反射面に入射するレーザ光の光路に対する傾斜角)の変化を検出することができる。
実施形態によるレーザ加工システムの構成を例示する概略図である。 レーザ装置の構成を例示する概略図である。 参照受光器の構成を例示する概略平面図である。 折り返しミラーの位置の変化に伴う光路の変化を例示する概略図である。 参照光の受光位置と参照受光器の出力とレーザスポットの位置との関係を例示する図である。 対応関係情報を例示する図である。 基本処理について説明するためのタイミングチャートである。 異常検出処理について説明するためのフローチャートである。 レーザスポットの異常判定について説明するための図である。 キャリブレーション処理について説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(レーザ加工システム)
図1は、実施形態によるレーザ加工システム1の構成を例示する。レーザ加工システム1は、レーザ光LBを用いてワーク(図示省略)の加工を行う。具体的には、レーザ加工システム1は、レーザ光LBをワークに照射することでワークを切断する。この例では、レーザ加工システム1は、レーザ装置10と、光ファイバ20と、出射ヘッド25とを備える。レーザ装置10は、光ファイバ20の端部(端面)にレーザ光LBを照射する。なお、光ファイバ20の端部は、被照射物の一例である。
〔光ファイバ〕
光ファイバ20の一端部は、レーザ装置10に接続され、光ファイバ20の他端部は、出射ヘッド25に接続される。光ファイバ20は、レーザ装置10から出射されたレーザ光LBを出射ヘッド25に導く。
図2に示すように、この例では、光ファイバ20は、第1コア20aと、第1コア20aの周囲を囲う第2コア20bと、第2コア20bの周囲を囲う皮膜20cとを有する。第1コア20aの断面形状は、円形状である。第2コア20bの断面形状は、円環状である。第2コア20bと皮膜20cとの間には、第1クラッドが設けられ、第1コア20aと第2コア20bとの間には、第2クラッドが設けられる。第1クラッドおよび第2クラッドの屈折率は、第1コア20aおよび第2コア20bの屈折率よりも低い。なお、第2クラッドを省略し、第1コア20aの屈折率を第2コア20bの屈折率よりも高くしてもよい。
〔出射ヘッド〕
出射ヘッド25は、光ファイバ20により導かれたレーザ光LBをワーク(図示省略)に照射する。
〔レーザ装置〕
この例では、レーザ装置10は、レーザ発振器11と、操作部12と、表示部13と、制御部14とを備える。
〔レーザ発振器〕
レーザ発振器11は、光ファイバ20の端部にレーザ光LBを照射する。レーザ発振器11は、筐体15と、複数のレーザモジュール16と、結合ユニット17と、集光ユニット18とを備える。この例では、レーザ発振器11は、DDL(Direct Diode Laser)発振器である。
筐体15は、複数のレーザモジュール16と、結合ユニット17と、集光ユニット18とを収納する。複数のレーザモジュール16の各々は、レーザ光を出射する。例えば、レーザモジュール16は、それぞれが異なる波長のレーザビームを出射する複数のレーザダイオードにより構成されたレーザアレイを有する。そして、レーザモジュール16は、複数のレーザダイオードから出射されたレーザビームを波長合成し、波長合成されたレーザビームをレーザ光として出射する。なお、レーザモジュール16の出力は、可変であってもよい。レーザモジュール16の出力制御は、制御部14により行われてもよい。
図2に示すように、結合ユニット17は、レーザ光源101と、参照光源102と、第1折り返しミラー201と、第2折り返しミラー202と、参照受光器300とを有し、集光ユニット18は、集光レンズ400と、部分反射ミラー500と、部分受光器600と、シャッタ700と、ビームダンパ800と、検出器900とを有する。
〈レーザ光源〉
レーザ光源101は、レーザ光LBを出射する。この例では、レーザ光源101は、複数のレーザモジュール16から出射されたレーザ光を結合する結合器である。結合器は、結合されたレーザ光をレーザ光LBとして出射する。例えば、結合器は、ミラーやレンズやビームスプリッタなどの複数の光学部品により構成される。なお、レーザ光源101の出力は、可変であってもよい。レーザ光源101の出力制御は、制御部14により行われてもよい。
〈参照光源〉
参照光源102は、参照光RLを出射する。この例では、図5に示すように、参照光源102は、参照光RLが所定の拡散角で拡散するように参照光RLを出射する。言い換えると、参照光源102は、参照光RLが進行方向へ向けて次第に広がるように参照光RLを出射する。
〈折り返しミラー〉
第1折り返しミラー201は、レーザ光源101から出射されたレーザ光LBを進行方向とは異なる方向に反射することでレーザ光LBを第2折り返しミラー202へ導く。第2折り返しミラー202は、第1折り返しミラー201で反射されたレーザ光LBを進行方向とは異なる方向に反射することでレーザ光LBを光ファイバ20の端部へ導く。
この例では、第2折り返しミラー202は、第1反射面200aおよび第2反射面200bを有する折り返しミラー200により構成される。
折り返しミラー200の第1反射面200aは、レーザ光源101から出射されるレーザ光LB(この例では第1折り返しミラー201で反射されたレーザ光LB)を進行方向とは異なる方向に反射することでレーザ光LBを光ファイバ20の端部へ導く。折り返しミラー200の第2反射面200bは、参照光源102から出射される参照光RLを進行方向とは異なる方向に反射する。
また、折り返しミラー200は、第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する第1反射面200aの傾斜角が変化すると、第2反射面200bに入射する参照光RLの光路に対する第2反射面200bの傾斜角が変化するように構成されている。この例では、折り返しミラー200は、板状に形成され、折り返しミラー200の一方面が第1反射面200aとなり、折り返しミラー200の他方面が第2反射面200bとなる。
また、この例では、折り返しミラー200は、第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する第1反射面200aの傾斜角が変化するように、揺動可能である。具体的には、結合ユニット17は、ミラー駆動機構250を有する。ミラー駆動機構250は、予め定められた揺動軸線を中心として折り返しミラー200を揺動させる。この例では、揺動軸線は、折り返しミラー200の第1反射面200aに入射するレーザ光LBの進行方向と直交する方向(図2の例では紙面と直交する方向)に延びる。なお、折り返しミラー200の揺動制御(具体的にはミラー駆動機構250の制御)は、制御部14により行われる。
また、この例では、ミラー駆動機構250は、揺動モータ251と、エンコーダ252とを有する。揺動モータ251の回転軸には、折り返しミラー200が固定される。揺動モータ251の回転軸線は、折り返しミラー200の揺動軸線を構成する。このような構成により、揺動モータ251が駆動すると、揺動モータ251の回転角の変化に応じて折り返しミラー200の揺動角が変化し、その結果、折り返しミラー200に入射するレーザ光LBの光路に対する第1反射面200aの傾斜角が変化する。エンコーダ252は、揺動モータ251の回転角を検出する。エンコーダ252の出力は、制御部14に送信される。
〈参照受光器〉
参照受光器300は、折り返しミラー200の第2反射面200bで反射された参照光RLを受光する。そして、参照受光器300は、参照光RLの受光状態(受光位置および受光強度)に応じた電気信号を出力する。参照受光器300の出力は、制御部14に送信される。
この例では、参照受光器300は、折り返しミラー200の第2反射面200bで反射された参照光RLを受光する受光面301を有する。受光面301は、マトリクス状に配置される複数の単位領域に区分される。そして、参照受光器300は、受光面301の単位領域毎の参照光RLの受光強度に応じた電気信号を出力する。この例では、受光面301の単位領域における参照光RLの受光強度が高くなるほど、その単位領域に対応する電気信号のレベルが高くなる。
具体的には、図3に示すように、参照受光器300は、受光面301と、複数の受光素子302とを有する。複数の受光素子302は、受光面301においてマトリクス状に配置される。言い換えると、複数の受光素子302は、受光面301のマトリクス状に配置される複数の単位領域にそれぞれ設けられる。図3の例では、参照受光器300の受光面301に、5行5列のマトリクス状に配置された25個の受光素子302が設けられている。また、受光素子302は、参照光RLの受光強度に応じた電気信号を出力する。この例では、受光素子302で受光される参照光RLの強度が高くなるほど、その受光素子302から出力される電気信号のレベルが高くなる。例えば、受光素子302は、CCD(Charge Coupled Device)であってもよいし、フォトダイオードであってもよい。複数の受光素子302の出力は、制御部14に送信される。
なお、この例では、参照受光器300の受光素子302の行方向および列方向の一方(具体的にはA〜Eのアルファベッドが並ぶ方向)は、折り返しミラー200の揺動角の変化に応じて参照受光器300における参照光RLの受光位置が変化する方向に沿う方向である。
〈集光レンズ〉
集光レンズ400は、折り返しミラー200の第1反射面200aから光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの光路に配置されてレーザ光LBを集光する。この例では、集光レンズ400は、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットの径が光ファイバ20の第1コア20aの径よりも小さくなるように、レーザ光LBを集光する。
また、この例では、集光レンズ400は、折り返しミラー200から光ファイバ20の端部へ向かう方向(以下「第1方向」と記載)において移動可能である。具体的には、集光ユニット18は、レンズ駆動機構450を有する。レンズ駆動機構450は、集光レンズ400を支持し、集光レンズ400を第1方向に移動させる。例えば、レンズ駆動機構450は、第1方向にスライド可能であり集光レンズ400を支持する支持台と、第1方向に延伸し支持台と螺合するボールネジと、ボールネジを回転させることで支持台を第1方向に移動させるモータとにより構成される。なお、集光レンズ400の位置制御(具体的にはレンズ駆動機構450の制御)は、制御部14により行われる。
〈部分反射ミラー〉
部分反射ミラー500は、集光レンズ400から光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの一部を反射する。なお、集光レンズ400から光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの残部は、部分反射ミラー500を透過する。例えば、集光レンズ400から光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの0.01%が部分反射ミラー500で反射され、集光レンズ400から光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの99.99%が部分反射ミラー500を透過する。
〈部分受光器〉
部分受光器600は、部分反射ミラー500で反射されたレーザ光LBの一部(以下では「部分光LBa」と記載)を受光する。そして、部分受光器600は、部分光LBaの受光状態(受光位置および受光強度)に応じた電気信号を出力する。部分受光器600の出力は、制御部14に送信される。
この例では、部分受光器600は、部分光LBaを受光する受光面601を有する。受光面601は、マトリクス状に配置される複数の単位領域に区分される。そして、部分受光器600は、受光面601の単位領域毎の部分光LBaの受光強度に応じた電気信号を出力する。
具体的には、参照受光器300と同様に、部分受光器600は、受光面601と、複数の受光素子(図示省略)とを有する。複数の受光素子は、受光面601においてマトリクス状に配置される。言い換えると、部分受光器600の複数の受光素子は、受光面601の複数の単位領域にそれぞれ設けられる。部分受光器600の複数の受光素子の出力は、制御部14に送信される。
〈シャッタ〉
シャッタ700は、開状態と閉状態とに切り換え可能である。開状態では、シャッタ700は、折り返しミラー200の第1反射面200aから光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LB(この例では折り返しミラー200の第1反射面200aから集光レンズ400と部分反射ミラー500とを経由して光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LB)の光ファイバ20の端部への入射を許容する。閉状態では、シャッタ700は、折り返しミラー200の第1反射面200aから光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの光ファイバ20の端部への入射を禁止する。
この例では、シャッタ700は、光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの光路と交差する方向(以下では「第2方向」と記載)に移動可能であり、開位置(図2の実線で示す位置)と閉位置(図2の二点鎖線で示す位置)とに配置可能である。開位置は、光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの光路から離れた位置である。閉位置は、光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの光路に存在する位置である。シャッタ700が開位置に配置されると、光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBが光ファイバ20の端部に入射する。シャッタ700が閉位置に配置されると、シャッタ700が光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBをビームダンパ800へ向けて反射する。具体的には、集光ユニット18は、シャッタ駆動機構750を有する。シャッタ駆動機構750は、シャッタ700を支持し、シャッタ700を第2方向に移動させる。例えば、シャッタ700は、第2方向にスライド可能でありシャッタ700を支持する支持台と、第2方向に延伸し支持台と螺合するボールネジと、ボールネジを回転させることで支持台を第2方向に移動させるモータとにより構成される。なお、シャッタ700の開閉制御(具体的にはシャッタ駆動機構750の制御)は、制御部14により行われる。
〈ビームダンパ〉
ビームダンパ800は、閉状態のシャッタ700で反射されたレーザ光LBを受光し、レーザ光LBを熱に変換することでレーザ光LBを消費する。
〈検出器〉
検出器900は、レーザ光LBの強度を検出する。この例では、検出器900は、光ファイバ20の端部(入射端)の近傍に設けられ、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBの強度を検出する。例えば、検出器900は、パワーメータであってもよい。なお、検出器900は、出射ヘッド25に設けられてもよい。検出器900の出力は、制御部14に送信される。
〈レーザ発振器の構成部品の配置〉
この例では、図2の紙面における上下方向を「X軸方向」とし、図2の紙面における左右方向をX軸方向と直交する「Y軸方向」とし、図2の紙面と直交する方向をX軸方向およびY軸方向の両方と直交する「Z軸方向」とすると、折り返しミラー200の第1反射面200aに入射するレーザ光LBの進行方向は、X軸方向である。折り返しミラー200から光ファイバ20の端部へ向かう方向は、Y軸方向である。集光レンズ400と部分反射ミラー500と閉状態のシャッタ700は、折り返しミラー200と光ファイバ20の端部との間においてY軸方向に一直線に並ぶ。折り返しミラー200の第2反射面200bに入射する参照光RLの進行方向は、Y軸方向である。折り返しミラー200から参照受光器300へ向かう方向は、X軸方向である。折り返しミラー200の揺動軸線の方向は、Z軸方向である。
〔操作部と表示部〕
操作部12は、操作者による操作が与えられ、操作者により与えられた操作に応じた信号を出力する。このような構成により、操作者は、操作部12を操作して情報を入力することができる。操作部12の出力は、制御部14に送信される。例えば、操作部12は、操作者により押下される操作ボタンであってもよいし、タッチパネルの操作部であってもよい。表示部13は、情報を表示する。例えば、表示部13は、タッチパネルの表示部であってもよい。
〔制御部〕
制御部14は、レーザ装置10の各部と電気的に接続され、レーザ装置10の各部との間において信号を伝送可能である。この例では、制御部14は、レーザ発振器11の各部(例えばレーザ光源101など)、操作部12、表示部13と電気的に接続される。そして、制御部14は、レーザ装置10の各部を制御する。例えば、制御部14は、折り返しミラー200の揺動制御、集光レンズ400の位置制御、シャッタ700の開閉制御などを行う。なお、この例では、制御部14は、レーザ加工システム1の各部(例えば出射ヘッド25など)と電気的に接続され、レーザ加工システム1の各部を制御する。例えば、制御部14は、プロセッサと、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリとにより構成される。制御部14の動作については、後で詳しく説明する。
〔折り返しミラーの位置の変化に伴う光路の変化〕
次に、図4を参照して、折り返しミラー200の位置(具体的には揺動角)の変化に伴う光路の変化について説明する。以下では、折り返しミラー200の第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する折り返しミラー200の第1反射面200aの傾斜角を「折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角」と記載し、折り返しミラー200の第2反射面200bに入射する参照光RLの光路に対する折り返しミラー200の第2反射面200bの傾斜角を「折り返しミラー200の第2反射面200bの主傾斜角」と記載し、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットを「レーザスポット」と記載する。
図4に示すように、折り返しミラー200の位置が第1位置(図4の実線で示す位置)から第2位置(図4の破線で示す位置)に変化すると、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角が変化し、折り返しミラー200の第1反射面200aにおけるレーザ光LBの反射方向が変化する。これにより、折り返しミラー200の第1反射面200aから集光レンズ400と部分反射ミラー500(図4では図示省略)とを順に経由して光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの進行方向が変化し、レーザスポットの位置(入射位置)が変化する。
このように、レーザスポットの位置を変化させることにより、光ファイバ20を経由して出射ヘッド25に導かれて出射ヘッド25から出射されるレーザ光LBのプロファイルを変化させることができる。具体的には、レーザスポットの位置を第1コア20aの位置にすることにより、レーザ光LBのプロファイルを薄板(例えば1〜3mmの厚みを有する板)の切断に適したプロファイルにすることができる。また、レーザスポットの位置を第1コア20aの端面と第2コア20bの端面の両方に跨がる位置にすることにより、レーザ光LBのプロファイルを中厚板(例えば4〜16mmの厚みを有する板)の切断に適したプロファイルにすることができる。また、レーザスポットの位置を第2コア20bの位置にすることにより、レーザ光LBのプロファイルを厚板(例えば18〜25mmの厚みを有する板)の切断に適したプロファイルにすることができる。
また、図4に示すように、折り返しミラー200の位置が第1位置から第2位置に変化すると、折り返しミラー200の第2反射面200bの主傾斜角が変化し、折り返しミラー200の第2反射面200bにおける参照光RLの反射方向が変化する。これにより、折り返しミラー200の第2反射面200bから参照受光器300の受光面601へ向かう参照光RLの進行方向が変化し、参照受光器300の受光面301における参照光RLの受光位置が変化する。
〔参照光の受光位置と参照受光器の出力とレーザスポットの位置との関係〕
次に、図5を参照して、参照受光器300の受光面301における参照光RLの受光位置と、参照受光器300の出力と、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の位置との関係について説明する。なお、この例では、参照受光器300の受光素子302の行方向および列方向の一方(具体的にはA〜Eのアルファベッドが並ぶ方向)は、折り返しミラー200の揺動角の変化に応じて参照受光器300における参照光RLの受光位置が変化する方向に沿う方向である。
図5の上欄は、参照受光器300の受光面301における参照光RLの受光位置を例示する。図5の中欄は、参照受光器300の出力を例示する。例えば、図5の中欄における「A」の長方形は、参照受光器300の複数の受光素子302のうち「A」の列に属する受光素子302(例えば「A」の列に属する5つの受光素子302のうち中央に位置する3行目の受光素子302)の出力を示す。言い換えると、図5の中欄における「A」の長方形は、「A」の列に属する受光素子302が配置された単位領域における参照光RLの受光強度を示す。図5の下欄は、レーザスポット位置を例示する。
図5に示すように、折り返しミラー200が正回転方向(図5の上欄では時計回り方向)に揺動すると、レーザスポットの位置がX軸方向の一端側から他端側(図5の下欄では上側から下側)へ向けて移動する一方で、参照受光器300の受光面301における参照光RLの受光位置がY軸方向の一端側から他端側(図5の上欄では左側から右側)へ向けて移動する。参照受光器300の出力は、「A」の受光素子302の出力が最大となる第1状態、「B」の受光素子302の出力が最大となる第2状態、「C」の受光素子302の出力が最大となる第3状態、「D」の受光素子302の出力が最大となる第4状態、「E」の受光素子302の出力が最大となる第5状態の順で変化する。
〔レーザ光のスポットの状態と部分受光器の出力との関係〕
次に、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットの状態(位置および形状)と部分受光器の出力との関係について説明する。
上述のとおり、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角が変化すると、折り返しミラー200の第1反射面200aから集光レンズ400と部分反射ミラー500とを順に経由して光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの進行方向が変化し、レーザスポットの位置が変化する。このとき、部分反射ミラー500に入射するレーザ光LBの進行方向の変化により、部分反射ミラー500における部分光LBa(レーザ光LBの一部)の反射方向が変化する。これにより、部分反射ミラー500から部分受光器600の受光面601へ向かう部分光LBaの進行方向が変化し、部分受光器600の受光面601における部分光LBaの受光位置が変化する。
また、集光レンズ400の位置が変化すると、集光レンズ400から部分反射ミラー500を経由して光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBの焦点距離が変化し、レーザスポットの形状が変化する。このとき、部分反射ミラー500に入射するレーザ光LBの焦点距離の変化により、部分反射ミラー500から部分受光器600へ向かう部分光LBaの焦点距離が変化する。これにより、部分受光器600の受光面601における部分光LBaのスポットの形状が変化する。
この例では、制御部14は、部分受光器600の出力に基づいて、部分受光器600の受光面601における部分光LBaのスポットを示すスポット画像(画像データ)を生成する。図6に示すように、スポット画像には、部分受光器600の受光面601に形成される部分光LBaのスポットが含まれる。スポット画像における受光面601の第1領域611は、光ファイバ20の第1コア20aに対応し、スポット画像における受光面601の第2領域612は、光ファイバ20の第2コア20bに対応する。スポット画像における部分光LBaのスポットの状態(位置および形状)は、レーザスポットの状態に対応している。例えば、スポット画像において部分光LBaのスポットが第1領域611に位置する場合、レーザスポットが第1コア20aに位置する。
〔対応関係情報〕
次に、図6を参照して、対応関係情報について説明する。制御部14は、対応関係情報を記憶する。この例では、対応関係情報は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態と、参照受光器300の目標出力と、部分受光器600の目標出力との対応関係を示す。
以下では、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態を単に「目標状態」と記載し、参照受光器300の目標出力を「目標参照出力」と記載し、部分受光器600の目標出力を「目標部分出力」と記載する。
図6の左欄に示すように、対応関係情報には、5つの目標状態が登録されている。第1番目の目標状態は、レーザスポットが第2コア20bの第1領域に位置する状態に対応する。第2コア20bの第1領域は、第1コア20aのX軸方向における一端側(図6の例では上側)に位置する第2コア20bの領域である。第2番目の目標状態は、レーザスポットが第1コア20aと第2コア20bの第1領域とに跨がる状態に対応する。第3番目の目標状態は、レーザスポットが第1コア20aに位置する状態に対応する。第4番目の目標状態は、レーザスポットが第1コア20aと第2コア20bの第2領域とに跨がる状態に対応する。第2コア20bの第2領域は、第1コア20aのX軸方向における他端側(図6の例では下側)に位置する第2コア20bの領域である。第5番目の目標状態は、レーザスポットが第2コア20bの第2領域に位置する状態に対応する。
また、図6の中欄に示すように、対応関係情報には、5つの目標状態にそれぞれ対応する5つの目標参照出力が登録されている。第1番目の目標状態に対応する第1番目の目標参照出力は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBが第1番目の目標状態であるときの参照受光器300の出力に設定される。これと同様に、第2〜第5番目の目標状態に対応する第2〜第5番目の目標参照出力は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBが第2〜第5番目の目標状態であるときの参照受光器300の出力にそれぞれ設定される。なお、目標参照出力の設定は、実験またはシミュレーションに基づいて行われてもよいし、後述するキャリブレーション処理と同様の処理により行われてもよい。
また、図6の右欄に示すように、対応関係情報には、5つの目標状態にそれぞれ対応する5つの目標参照出力が登録されている。第1番目の目標状態に対応する第1番目の目標部分出力は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBが第1番目の目標状態であるときの部分受光器600の出力(この例では部分受光器600の出力に基づいて生成されるスポット画像)に設定される。これと同様に、第2〜第5番目の目標状態に対応する第2〜第5番目の目標部分出力は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBが第2〜第5番目の目標状態であるときの部分受光器600の出力にそれぞれ設定される。なお、目標部分出力の設定は、実験またはシミュレーションに基づいて行われてもよい。
〔基本処理〕
次に、制御部14の動作について説明する。制御部14は、基本処理を行う。基本処理は、光ファイバ20の端部にレーザ光LBを照射するために行われる処理である。なお、基本処理は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態を対応関係情報に示された目標状態にする場合の一例である。例えば、制御部14は、レーザ装置10の運転開始前に基本処理を行う。
基本処理において、制御部14は、目標設定動作と、調節動作と、シャッタ制御動作とを行う。
〈目標設定動作〉
目標設定動作において、制御部14は、対応関係情報の中から1つの目標状態を選出する。例えば、制御部14は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態を指定するための目標指定操作が操作部12に与えられると、その目標指定操作に応答して目標設定動作を行う。これにより、対応関係情報の中から操作者により指定された目標状態が選出される。なお、制御部14は、レーザ加工システム1における加工条件に関する情報(例えばワークの厚みを示す情報)などの他の情報に基づいて目標設定動作を自動的に行うように構成されてもよい。
〈調節動作〉
調節動作において、制御部14は、レーザ光源101および参照光源102を起動させる。なお、調節動作において、シャッタ700は、閉状態に維持される。そして、調節動作において、制御部14は、参照受光器300の出力が予め定められた目標参照出力(参照受光器300の目標出力)に近づくように、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)を調節する。この例では、調節動作において、制御部14は、参照受光器300の出力が予め定められた目標参照出力に近づき、且つ、部分受光器600の出力が予め定められた目標部分出力(部分受光器600の目標出力)に近づくように、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角を調節し、且つ、集光レンズの位置を調節する。
なお、この例では、調節動作における目標参照出力は、対応関係情報に示された目標参照出力であり、具体的には、目標設定動作において選出された目標状態に対応する目標参照出力である。また、調節動作における目標部分出力は、対応関係情報に示された目標部分出力であり、具体的には、目標設定動作において選出された目標状態に対応する目標部分出力である。
〈シャッタ制御動作〉
シャッタ制御動作において、制御部14は、参照受光器300の出力が予め定められた目標参照出力(参照受光器300の目標出力)となり、部分受光器600の出力が予め定められた目標部分出力(部分受光器600の目標出力)となり、レーザ出力(すなわち光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)が予め定められた目標出力となることを条件として、シャッタ700を閉状態から開状態にする。
なお、この例では、シャッタ制御動作における目標参照出力は、対応関係情報に示された目標参照出力であり、具体的には、目標設定動作において選出された目標状態(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態)に対応する目標参照出力である。また、シャッタ制御動作における目標部分出力は、対応関係情報に示された目標部分出力であり、具体的には、目標設定動作において選出された目標状態に対応する目標部分出力である。
また、上記の「参照受光器300の出力が目標参照出力となる」という状態には、参照受光器300の出力と目標参照出力とが完全に一致する状態だけでなく、参照受光器300の出力と目標参照出力とが一致するとみなされる状態も含まれる。この例では、制御部14は、参照受光器300の出力と目標参照出力との一致度が予め定められた閾値を上回る状態の継続時間が予め定められた基準時間を上回る場合に、参照受光器300の出力が目標参照出力になったとみなす。
また、上記の「部分受光器600の出力が目標部分出力となる」という状態には、部分受光器600の出力と目標部分出力とが完全に一致する状態だけでなく、部分受光器600の出力と目標部分出力とが一致するとみなされる状態も含まれる。この例では、制御部14は、部分受光器600の出力と目標部分出力との一致度が予め定められた閾値を上回る場合に、部分受光器600の出力が目標部分出力になったとみなす。なお、制御部14は、部分受光器600の出力と目標部分出力との一致度が閾値を上回る状態の継続時間が予め定められた基準時間を上回る場合に、参照受光器300の出力が目標参照出力になったとみなすように構成されてもよい。
また、上記の「レーザ出力が目標出力となる」という状態には、レーザ出力と目標出力とが完全に一致する状態だけでなく、レーザ出力と目標出力とが一致するとみなされる状態も含まれる。この例では、制御部14は、検出器900により検出されたレーザ光LBの強度が予め定められた許容範囲内に収まる場合に、レーザ出力が目標出力となったとみなす。なお、制御部14は、検出器900により検出されたレーザ光LBの強度が許容範囲内に収まる状態の継続時間が予め定められた基準時間を上回る場合に、レーザ出力が目標出力となったとみなすように構成されてもよい。
〔基本処理における動作〕
次に、図7を参照して、基本処理における制御部14の動作について説明する。なお、以下では、参照受光器300の出力と目標参照出力との一致度の変化を説明するために、参照受光器300の出力から推定される折り返しミラー200の位置(揺動角)と目標参照出力から推定される折り返しミラー200の目標位置(目標揺動角)との差である折り返しミラー200の位置ずれの変化を例に挙げている。参照受光器300の出力と目標参照出力との一致度が高くなるほど、折り返しミラー200の位置ずれの量(絶対値)が小さくなる。
時刻t0になると、目標参照出力と目標部分出力とが設定される。例えば、対応関係情報の中から目標状態が選出される。時刻t0以降、制御部14は、参照受光器300の出力が目標参照出力に近づくように、折り返しミラー200の位置(具体的には揺動角)を調節する。これにより、折り返しミラー200の位置ずれの量が次第に小さくなる。
時刻t1になると、レーザ出力が目標出力になったとみなされる。例えば、検出器900により検出されるレーザ光LBの強度が許容範囲内に収まる。
時刻t2になると、折り返しミラー200の位置ずれの量が許容範囲RR内になる。言い換えると、参照受光器300の出力と目標参照出力との一致度が閾値を上回る。
時刻t3になると、折り返しミラー200の位置ずれの量が許容範囲RR内に収まる状態の継続時間が基準時間TTを上回る。言い換えると、参照受光器300の出力と目標参照出力との一致度が閾値を上回る状態の継続時間が基準時間を上回る。これにより、参照受光器300の出力が目標参照出力になったとみなされる。そして、折り返しミラー200の位置の位置決めが完了したとみなされる。
時刻t3から時刻t4までの期間では、制御部14は、部分受光器600の出力が目標部分出力に近づくように、集光レンズ400の位置を調節する。これにより、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態(スポットの形状および位置)が目標状態に次第に近づく。なお、集光レンズ400の位置制御は、参照受光器300の出力が目標参照出力になったとみなされる前(図7の例では時刻t3よりも前)に行われてもよい。
時刻t4になると、部分受光器600の出力が目標部分出力になったとみなされる。例えば、部分受光器600の出力(具体的にはスポット画像)と目標部分出力との一致度が閾値を上回る。これにより、シャッタ700を閉状態から開状態にするための条件が成立し、制御部14は、シャッタ700を閉状態から開状態にする。その結果、光ファイバ20の端部へ向かうレーザ光LBは、光ファイバ20の端部に入射し、光ファイバ20を経由して出射ヘッド25に導かれ、出射ヘッド25からワーク(図示省略)に出射される。
時刻t5以降では、時刻t0から時刻t5までの期間における動作と同様の動作が行われる。
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態のレーザ装置10では、第1反射面200aと第2反射面200bとを有する折り返しミラー200と、折り返しミラー200の第2反射面200bで反射した参照光RLを受光する参照受光器300とが設けられる。参照受光器300における参照光RLの受光状態(受光位置および受光強度)と、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)との間には、相関がある。したがって、参照受光器300における参照光RLの受光状態に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の変化を検出することができる。これにより、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常を検出することができる。
なお、エンコーダ252の出力(すなわち揺動モータ251の回転角)に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)を検出することが考えられる。しかしながら、エンコーダ252の出力には、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角(基準となる姿勢における傾斜角)のずれが反映されない。そのため、エンコーダ252の出力に基づく第1反射面200aの主傾斜角の検出では、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角のずれに起因する第1反射面200aの主傾斜角の変化を検出することができない。なお、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角のずれは、折り返しミラー200の設置ずれ、折り返しミラー200の歪みなどにより発生する。
一方、実施形態のレーザ装置10では、参照受光器300における参照光RLの受光状態(受光位置および受光強度)に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)を検出することができる。参照受光器300における参照光RLの受光状態には、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角のずれが反映される。したがって、参照受光器300における参照光RLの受光状態に基づく第1反射面200aの主傾斜角の検出では、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角のずれに起因する第1反射面200aの主傾斜角の変化を検出することができる。これにより、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角のずれを検出することが可能である。
なお、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角のずれは、折り返しミラー200の揺動方向における第1反射面200aの傾斜角の変化(すなわち主傾斜角の変化)だけでなく、折り返しミラー200の揺動方向とは異なる方向における第1反射面200aの傾斜角の変化を引き起こす可能性がある。
実施形態のレーザ装置10では、参照受光器300の受光面301に、複数の受光素子302がマトリクス状に配置される。すなわち、参照受光器300の受光面301は、マトリクス状に配置される複数の単位領域に区分され、参照受光器300は、受光面301の単位領域毎の受光強度を検出する。このような構成により、参照受光器300の受光面301に入射する参照光RLの受光状態の変化を二次元的に検出することができる。これにより、折り返しミラー200の第1反射面200aの傾斜角の変化を二次元的に検出することができるので、参照受光器300の出力に基づいて検出することができる第1反射面200aの傾斜角の変化の方向の数を増加させることができる。例えば、折り返しミラー200の揺動方向における第1反射面200aの傾斜角の変化(すなわち主傾斜角の変化)だけでなく、折り返しミラー200の揺動方向とは異なる方向における第1反射面200aの傾斜角の変化(例えば第1反射面200aの基準角のずれに起因する変化)も検出することができる。このように、参照受光器300の出力に基づいて検出することができる第1反射面200aの傾斜角の変化の方向の数を増加させることができるので、参照受光器300の出力に基づいて検出することができる第1反射面200aの傾斜角の異常の種類を増加させることができる。例えば、参照受光器300の出力に基づいて、折り返しミラー200の揺動方向とは異なる方向における第1反射面200aの傾斜角の異常(第1反射面200aの基準角のずれに起因する異常)を検出することができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、折り返しミラー200が揺動可能である。折り返しミラー200を揺動させることにより、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)を調節することができる。また、参照受光器300における参照光RLの受光状態に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角を適切に調節することができる。これにより、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットの位置(入射位置)を適切に調節することができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、集光レンズ400と部分反射ミラー500とが設けられ、部分反射ミラー500で反射された部分光LBa(レーザ光LBの一部)を受光する部分受光器600が設けられる。部分受光器600における部分光LBaの受光状態(受光位置および受光強度)と、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットの状態との間には、相関がある。したがって、部分受光器600における部分光LBaの受光状態に基づいて、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットの状態を検出することができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、参照受光器300における参照光RLの受光状態に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)の異常を検出することができ、部分受光器600における部分光LBaの受光状態に基づいて、光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットの異常を検出することができる。そして、参照受光器300における参照光RLの受光状態に基づく異常検出の結果と、部分受光器600における部分光LBaの受光状態に基づく異常検出の結果とに基づいて、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの異常の原因を判別することができる。これにより、レーザ光LBの異常の原因となる箇所の特定を容易にすることができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、レーザ光LBの強度を検出する検出器900が設けられる。このような構成により、検出器900の出力に基づいて、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度を検出することができる。これにより、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度の異常を検出することができる。
なお、参照受光器300の出力を用いずにエンコーダ252の出力(揺動モータ251の回転角)に基づいて折り返しミラー200の位置(揺動角)の制御を行う場合、折り返しミラー200の位置の制御の開始から予め定められた待機時間が経過すると、折り返しミラー200の位置決めが完了したとみなされる。この待機時間は、折り返しミラー200の位置を確実に目標位置にするために要する時間に設定される。そのため、折り返しミラー200の位置の制御の開始から折り返しミラー200の位置決めが完了したとみなされるまでの時間(整定時間)を短縮することが困難である。
一方、実施形態のレーザ装置10では、参照受光器300の出力に基づいて折り返しミラー200の位置をリアルタイムで確認することができるので、折り返しミラー200の位置決めを素早く完了させることができる。これにより、整定時間を短縮することができる。
〔異常検出処理〕
次に、制御部14の別の動作について説明する。制御部14は、異常検出処理を行う。異常検出処理は、レーザ光LBの異常を検出するために行われる処理である。例えば、制御部14は、レーザ装置10の運転中に異常検出処理を行う。なお、制御部14は、異常検出処理の実行が指示された場合(例えば異常検出処理の実行を指示するための操作が操作部12に与えられた場合)に異常検出処理を行うように構成されてもよい。また、異常検出処理は、工場出荷前、設置時、保守点検時、設置後(または保守点検後)のレーザ装置10の累積稼働時間が所定時間(例えば1000時間)に到達した場合などに行われてもよい。
なお、レーザ装置10が運転中ではない場合、制御部14は、レーザ装置10を起動させた後に異常検出処理を行う。このとき、シャッタ700が閉状態に維持された状態でレーザ装置10を起動させることが望ましい。具体的には、制御部14は、レーザ光源101および参照光源102を起動させ、折り返しミラー200の位置と集光レンズ400の位置を適宜調節した後に、異常検出処理を開始する。例えば、制御部14は、異常検出処理の前に基本処理の目標設定動作と調節動作を行うように構成されてもよい。
異常検出処理において、制御部14は、参照受光器300の出力に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)の異常を検出する。この例では、制御部14は、参照受光器300の出力に基づいて、折り返しミラー200の位置(具体的には揺動角)の異常を検出する。なお、折り返しミラー200の位置の異常は、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常に対応している。したがって、折り返しミラー200の位置の異常を検出することにより、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常を検出することができる。
また、異常検出処理において、制御部14は、部分受光器600の出力に基づいて、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の異常を検出する。
また、異常検出処理において、制御部14は、検出器900の出力に基づいて、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)の異常を検出する。
この例では、制御部14は、異常検出処理において、第1情報と、第2情報と、第3情報とを出力可能である。そして、制御部14は、第3情報よりも第2情報を優先的に出力し、第2情報よりも第1情報を優先的に出力する。なお、第1情報、第2情報、第3情報については、後で詳しく説明する。
また、制御部14は、レーザ装置10の運転中に行われる異常検出処理において、折り返しミラー200の位置の異常、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の異常、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)の異常のうち少なくとも1つを検出すると、シャッタ700を開状態から閉状態にする。なお、制御部14は、異常検出処理において、折り返しミラー200の位置の異常、レーザスポットの異常、レーザ出力の異常のうち少なくとも1つを検出すると、レーザ装置10を停止させるように構成されてもよい。
〔異常検出処理における動作〕
次に、図8を参照して、異常検出処理における制御部14の動作について説明する。
〈ステップST11〉
制御部14は、参照受光器300の出力に基づいて、折り返しミラー200の位置に異常があるか否かを判定する。折り返しミラー200の位置に異常がある場合(すなわち折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角に異常がある場合)には、ステップST14の処理が行われ、そうでない場合には、ステップST12の処理が行われる。
この例では、制御部14は、参照受光器300の出力と予め定められた目標参照出力(参照受光器300の目標出力)との一致度が予め定められた閾値を上回る場合に、折り返しミラーの位置が正常であると判定し、参照受光器300の出力と目標参照出力との一致度が閾値を上回らない場合に、折り返しミラーの位置が異常であると判定する。なお、この例では、上記の目標参照出力は、対応関係情報に示された目標参照出力であり、具体的には、目標設定動作において選出された目標状態に対応する目標参照出力である。
〈ステップST12〉
制御部14は、部分受光器600の出力に基づいて、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)が異常であるか否かを判定する。レーザスポットに異常がある場合には、ステップST15の処理が行われ、そうでない場合には、ステップST13の処理が行われる。
この例では、制御部14は、部分受光器600の出力と予め定められた目標部分出力(部分受光器600の目標出力)との一致度が予め定められた閾値を上回る場合に、レーザスポットが正常であると判定し、部分受光器600の出力と目標部分出力との一致度が閾値を上回らない場合に、レーザスポットが異常であると判定する。なお、この例では、上記の目標部分出力は、対応関係情報に示された目標部分出力であり、具体的には、目標設定動作において選出された目標状態に対応する目標部分出力である。
具体的には、制御部14は、部分受光器600の出力に基づいて、スポット画像(部分受光器600の受光面601に形成される部分光LBaのスポットを含む画像)を生成する。そして、制御部14は、スポット画像に基づいて、レーザスポットが異常であるか否かを判定する。例えば、部分受光器600の目標出力が図6の対応関係情報の第3番目の目標状態に対応する目標参照出力(レーザスポットが第1コア20aに位置するときの部分受光器600の出力)であるとすると、スポット画像における部分光LBaのスポットの状態(位置および形状)が図9の左上欄に示した状態である場合、制御部14は、レーザスポットが正常であると判定する。一方、スポット画像における部分光LBaのスポットの状態が図9の左上欄に示した状態ではない場合、制御部14は、レーザスポットが異常であると判定する。
〈ステップST13〉
制御部14は、検出器900の出力に基づいて、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)が異常であるか否かを判定する。レーザ出力に異常がある場合には、ステップST16の処理が行われ、そうでない場合には、異常検出処理を終了する。
この例では、制御部14は、検出器900により検出されるレーザ光LBの強度が予め定められた許容範囲内である場合に、レーザ出力が正常であると判定し、検出器900により検出されるレーザ光LBの強度が許容範囲内ではない場合に、レーザ出力が異常であると判定する。
〈ステップST14〉
折り返しミラー200の位置に異常がある場合、制御部14は、第1情報を出力する。第1情報は、折り返しミラー200の位置の異常を通知する情報である。すなわち、第1情報は、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)の異常を通知するための情報である。例えば、第1情報は、折り返しミラー200の点検実施を促すための情報であってもよい。
この例では、制御部14は、第1情報を表示部13に出力し、表示部13は、第1情報を表示する。これにより、折り返しミラー200の位置の異常(すなわち折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常)を操作者に通知することができる。
〈ステップST15〉
また、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)に異常がある場合、制御部14は、第2情報を出力する。第2情報は、レーザスポットの異常を通知するための情報である。例えば、第2情報は、レーザスポットの状態(位置および形状)に影響を及ぼす可能性がある部品(集光レンズ400や部分反射ミラー500など)の点検実施を促すための情報であってもよい。
この例では、制御部14は、第2情報を表示部13に出力し、表示部13は、第2情報を表示する。これにより、レーザスポットの異常を操作者に通知することができる。
〈ステップST16〉
また、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)に異常がある場合、制御部14は、第3情報を出力する。第3情報は、レーザ出力の異常を通知するための情報である。例えば、第3情報は、レーザ出力に影響を及ぼす可能性がある部品(レーザ光源101など)の点検実施を促すための情報であってもよい。
この例では、制御部14は、第3情報を表示部13に出力し、表示部13は、第3情報を表示する。これにより、レーザ出力の異常を操作者に通知することができる。
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態のレーザ装置10では、異常検出処理において、参照受光器300の出力に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)の異常を検出することができる。また、部分受光器600の出力に基づいて、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の異常を検出することができる。そして、参照受光器300の出力に基づく異常検出の結果と、部分受光器600の出力に基づく異常検出の結果とに基づいて、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの異常の原因を判別することができる。これにより、レーザ光LBの異常の原因となる箇所の特定を容易にすることができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、異常検出処理において、検出器900の出力に基づいて、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)の異常を検出することができる。これにより、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの異常の原因がレーザ出力の異常であるのか否かを判別することができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、制御部14は、異常検出処理において、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の異常を通知するための第2情報よりも、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)の異常を通知するための第1情報を優先的に出力する。なお、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常を解消するために、折り返しミラー200の揺動角(傾斜角)が調節され、レーザスポットの異常を解消するために、集光レンズ400の位置が調節される。また、レーザ光LBの光路において集光レンズ400の上流側に位置する折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常が解消されることで、折り返しミラー200の第1反射面200aから集光レンズ400へ向かうレーザ光LBの進行方向が正常となり、その結果、集光レンズ400の位置の調節によりレーザスポットの状態を適切に制御することが可能となる。したがって、第2情報よりも第1情報を優先的に出力することにより、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常を優先的に解消させることができるので、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの異常を効率よく解消することができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、制御部14は、異常検出処理において、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光の強度)の異常を通知するための第3情報よりも、第1情報および第2情報を優先的に出力する。このような構成により、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)の異常と、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の異常とを優先的に解消させることができるので、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角およびレーザスポットの両方に異常がない状態で、レーザ出力を適切に調節することができる。
〔異常検出処理の変形例1〕
なお、制御部14は、異常検出処理において、部分受光器600により受光されるレーザ光(部分光LBa)の強度に基づいて、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)の異常を検出するように構成されてもよい。具体的には、制御部14は、部分受光器600により受光される部分光LBaの強度が予め定められた許容範囲内である場合に、レーザ出力が正常であると判定し、部分受光器600により受光される部分光LBaの強度が許容範囲内ではない場合に、レーザ出力が異常であると判定してもよい。
以上のような構成により、検出器900を省略することができる。また、部分受光器600により受光される部分光LBa(レーザ光LBの一部)の強度に基づいて、レーザ出力(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの強度)を検出することができる。これにより、レーザ出力の異常を検出することができるので、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの異常の原因がレーザ出力の異常であるのか否かを判別することができる。
〔異常検出処理の変形例2〕
また、制御部14は、異常検出処理において、エンコーダ252の出力に基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)の異常を検出するように構成されてもよい。例えば、制御部14は、エンコーダ252の出力と予め定められたエンコーダ252の目標出力(折り返しミラー200の目標位置に対応するエンコーダ252の出力)との一致度が予め定められた閾値を上回る場合に、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角が正常であると判定し、エンコーダ252の出力とエンコーダ252の目標出力との一致度が閾値を上回らない場合に、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角が異常であると判定する。
〔異常検出処理の変形例3〕
また、制御部14は、異常検出処理において、参照受光器300の出力に基づく異常検出の結果と、エンコーダ252の出力に基づく異常検出の結果とに基づいて、折り返しミラー200の第1反射面200aの傾斜角の異常の種類を判別するように構成されてもよい。例えば、参照受光器300の出力に基づいて異常が検出され、且つ、エンコーダ252の出力に基づいて異常が検出された場合に、制御部14は、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)に異常があると判定する。また、参照受光器300の出力に基づいて異常が検出されず、且つ、エンコーダ252の出力に基づいて異常が検出された場合に、制御部14は、折り返しミラー200の第1反射面200aの基準角のずれ(例えば折り返しミラー200の歪み)があると判定する。また、制御部14は、異常検出処理において、折り返しミラー200の第1反射面200aの傾斜角の異常の種類を通知するための情報を出力するように構成されてもよい。
〔キャリブレーション処理〕
次に、制御部14の別の動作について説明する。制御部14は、キャリブレーション処理を行う。キャリブレーション処理は、対応関係情報を更新するために行われる処理である。
この例では、制御部14は、参照受光器300の出力が対応関係情報に示された目標参照出力(参照受光器300の目標出力)となるときのレーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の位置が異常である場合に、キャリブレーション処理を行う。具体的には、制御部14は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態が対応関係情報に示された目標状態であるときに観測されるレーザスポットの位置(理想位置)と、参照受光器300の出力が対応関係情報において上記の目標状態に対応する目標参照出力であるときに観測されるレーザスポットの位置(実位置)との差が予め定められた許容値を上回る場合に、キャリブレーション処理を行う。
なお、制御部14は、異常検出処理において折り返しミラー200の位置の異常(すなわち折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角の異常)が検出された場合にキャリブレーション処理を行うように構成されてもよい。また、制御部14は、キャリブレーション処理の実行が指示された場合(例えばキャリブレーション処理の実行を指示するための操作が操作部12に与えられた場合)にキャリブレーション処理を行うように構成されてもよい。また、キャリブレーション処理は、工場出荷前、設置時、保守点検時、設置後(または保守点検後)のレーザ装置10の累積稼働時間が所定時間(例えば1000時間)に到達した場合などに行われてもよい。
キャリブレーション処理において、制御部14は、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)を順次変更しながら、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態と参照受光器300の出力とを観測し、観測結果に基づいて対応関係情報(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態と参照受光器300の目標出力との対応関係を示す情報)を更新する。
この例では、制御部14は、部分受光器600の出力に基づいて、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態を観測する。部分受光器600の出力は、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態に対応している。したがって、部分受光器600の出力を観測することにより、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態を観測することができる。具体的には、制御部14は、部分受光器600の出力に基づいてスポット画像を生成し、スポット画像における部分光LBaの状態に基づいて、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態を決定(推定)する。例えば、制御部14は、スポット画像において部分光LBaのスポットが第1領域611に位置する場合に、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)が第1コア20aに位置する状態であると決定(推定)する。
また、制御部14は、キャリブレーション処理において、対応関係情報を更新することができない場合に、対応関係情報を更新することができないことを通知するための情報を出力する。
〔キャリブレーション処理における動作〕
次に、図10を参照して、キャリブレーション処理における制御部14の動作について説明する。
〈ステップST21〉
制御部14は、折り返しミラー200の位置(具体的には揺動角)を予め定められた観測位置に設定する。この観測位置は、折り返しミラー200の可動範囲内において折り返しミラー200の位置が段階的に変化するように定められる。例えば、第1回目の観測位置は、折り返しミラー200の可動範囲の下限の揺動角に設定され、第2回目の観測位置は、折り返しミラー200の可動範囲の下限の揺動角の次に小さい揺動角(下限の揺動角よりも予め定められた単位角だけ大きい揺動角)に設定され、最後の観測位置は、折り返しミラー200の可動範囲の上限の揺動角に設定される。
〈ステップST22〉
次に、制御部14は、参照受光器300の出力と部分受光器600の出力(すなわち光ファイバ20の端部に入射されるレーザ光LBの状態)を観測し、参照受光器300の出力と部分受光器600の出力とを対応付けて記憶する。
〈ステップST23〉
次に、制御部14は、参照受光器300の出力と部分受光器600の出力の観測を完了するか否かを判定する。参照受光器300の出力と部分受光器600の出力の観測を完了場合には、ステップST24の処理が行われる。そうでない場合には、ステップST21の処理が行われ、折り返しミラー200の位置が次の観測位置に設定される。
この例では、制御部14は、参照受光器300の出力および部分受光器600の出力の観測回数が予め定められた回数に到達している場合に、参照受光器300の出力と部分受光器600の出力の観測を完了する。例えば、制御部14は、折り返しミラー200の位置が最後の観測位置に設定されている場合に、参照受光器300の出力と部分受光器600の出力の観測を完了する。
〈ステップST24〉
制御部14は、対応関係情報の中から目標状態(光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態)を選択する。この選択は、対応関係情報に示された目標状態が順に選択されるように行われる。例えば、第1回目の選択では、対応関係情報の中から第1番目の目標状態が選択され、第2回目の選択では、対応関係情報の中から第2番目の目標状態が選択される。
〈ステップST25〉
次に、制御部14は、対応関係情報の中からステップST24において選択された目標状態に対応する目標部分出力(部分受光器600の目標出力)を選出する。次に、制御部14は、ステップST21〜ST23の処理により観測された部分受光器600の出力の中から上記の目標部分出力に対応する部分受光器600の出力(すなわち目標状態に対応する「光ファイバ20の端部に入射されるレーザ光LBの状態」)を検出する。そして、制御部14は、ステップST21〜ST23の処理により観測された参照受光器300の出力の中から上記の検出された部分受光器600の出力に対応付けられた参照受光器300の出力を検出する。このような参照受光器300の出力が検出された場合には、ステップST26の処理が行われ、そうでない場合には、ステップST28の処理が行われる。
〈ステップST26〉
制御部14は、対応関係情報において上記の目標状態(ステップST24において選択された目標状態)に対応する参照受光器300の目標出力を、ステップST25において検出された参照受光器300の出力に更新する。
〈ステップST27〉
次に、制御部14は、対応関係情報の更新を完了するか否かを判定する。対応関係情報の更新を完了する場合には、キャリブレーション処理を終了する。そうでない場合には、ステップST24の処理が行われ、対応関係情報の中から次の目標状態が選択される。
この例では、制御部14は、対応関係情報に示された目標状態の全部に対して参照受光器300の出力が完了している場合に、対応関係情報の更新を完了する。例えば、制御部14は、ステップST24において対応関係情報の中から選択された目標状態が最後の目標状態である場合に、対応関係情報の更新を完了する。
〈ステップST28〉
制御部14は、対応関係情報を更新することができないことを通知するための情報(更新不可通知情報)を出力する。また、制御部14は、対応関係情報を元の状態(キャリブレーション処理が行われる前の状態)に戻す。
例えば、制御部14は、更新不可通知情報を表示部13に出力し、表示部13は、更新不可通知情報を表示する。これにより、対応関係情報を更新することができないことを操作者に通知することができる。
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態のレーザ装置10では、キャリブレーション処理を行うことにより、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態と参照受光器300の目標出力(折り返しミラー200の第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する第1反射面200aの傾斜角に関連する情報)との対応関係を示す対応関係情報を適切に更新することができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、基本処理(すなわち光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態を対応関係情報に示された目標状態にする場合)において、参照受光器の出力が対応関係情報において目標状態に対応する参照受光器300の目標出力に近づくように、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角(第1反射面200aに入射するレーザ光LBの光路に対する傾斜角)を調節する。この制御では、キャリブレーション処理により適切に更新された対応関係情報を用いることができるので、折り返しミラー200の第1反射面200aの主傾斜角を適切に調節することができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、集光レンズ400と部分反射ミラー500とが設けられ、部分反射ミラー500で反射された部分光LBa(レーザ光LBの一部)を受光する部分受光器600が設けられる。そして、キャリブレーション処理において、部分受光器600の出力に基づいて、光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの状態を観測する。このような構成により、部分受光器600の出力に基づいてキャリブレーション処理を適切に行うことができる。
また、実施形態のレーザ装置10では、制御部14は、キャリブレーション処理において、対応関係情報を更新することができない場合に、対応関係情報を更新することができないことを通知するための情報を出力する。このような構成により、対応関係情報を更新することができないことを通知することができる。
また、実施形態によるレーザ装置10では、制御部14は、参照受光器300の出力が対応関係情報に示された参照受光器300の目標出力であるときの光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポットの位置が異常である場合に、キャリブレーション処理を行う。このような構成により、対応関係情報において光ファイバ20の端部に入射するレーザ光LBの目標状態と参照受光器300の目標出力との対応関係が適切でない場合に、キャリブレーション処理を行うことができる。
(その他の実施形態)
以上の説明では、対応関係情報に登録される部分受光器600の目標出力の例としてスポット画像を挙げたが、これに限定されない。例えば、対応関係情報には、部分受光器600の目標出力として、スポット画像における部分光LBaのスポットの目標条件であってもよい。例えば、図6に示した第3番目の部分受光器600の目標出力として「部分光LBaのスポットが第1領域611に収まる」という目標条件が登録されてもよい。この場合、目標条件が成立すると、レーザスポット(光ファイバ20の端部におけるレーザ光LBのスポット)の状態が目標条件に対応する目標状態になっているとみなされる。
また、以上の説明では、折り返しミラー200が板状である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、折り返しミラー200は、揺動軸線に延びる多角柱状に形成されてもよい。
また、以上の説明では、折り返しミラー200が揺動可能である場合を例に挙げたが、折り返しミラー200は、揺動不可に固定されてもよい。言い換えると、折り返しミラー200の傾斜角は、可変であってもよいし、固定であってもよい。
また、以上の説明では、集光レンズ400が移動可能である場合を例に挙げたが、集光レンズ400は、移動不可に固定されてもよい。言い換えると、集光レンズ400の位置は、可変であってもよいし、固定であってもよい。
また、以上の説明では、被照射物の一例として光ファイバ20の端部を挙げたが、被照射物は、これに限定されない。
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、ここに開示する技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、ここに開示する技術は、レーザ発振器として有用である。
1 レーザ加工システム
10 レーザ装置
11 レーザ発振器
12 操作部
13 表示部
14 制御部
20 光ファイバ
25 出射ヘッド
101 レーザ光源
102 参照光源
200 折り返しミラー
300 参照受光器
301 受光面
302 受光素子
400 集光レンズ
500 部分反射ミラー
600 部分受光器
700 シャッタ
800 ビームダンパ
900 検出器
LB レーザ光
RL 参照光

Claims (5)

  1. 被照射物にレーザ光を照射するレーザ発振器であって、
    前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
    参照光を出射する参照光源と、
    前記レーザ光源から出射されるレーザ光を進行方向とは異なる方向に反射することで前記レーザ光を前記被照射物へ導く第1反射面と、前記参照光源から出射される参照光を進行方向とは異なる方向に反射する第2反射面とを有し、前記第1反射面に入射するレーザ光の光路に対する前記第1反射面の傾斜角が変化すると前記第2反射面に入射する参照光の光路に対する前記第2反射面の傾斜角が変化する折り返しミラーと、
    前記折り返しミラーの第2反射面で反射された参照光を受光する参照受光器とを備える
    ことを特徴とするレーザ発振器。
  2. 請求項1において、
    前記折り返しミラーは、前記第1反射面に入射するレーザ光の光路に対する前記第1反射面の傾斜角が変化するように揺動可能である
    ことを特徴とするレーザ発振器。
  3. 請求項1または2において、
    前記参照受光器は、前記折り返しミラーの第2反射面で反射された参照光を受光する受光面と、前記受光面においてマトリクス状に配置される複数の受光素子とを有する
    ことを特徴とするレーザ発振器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    前記折り返しミラーの第1反射面から前記被照射物へ向かうレーザ光の光路に配置されて前記レーザ光を集光する集光レンズと、
    前記集光レンズから前記被照射物へ向かうレーザ光の一部を反射する部分反射ミラーと、
    前記部分反射ミラーで反射されたレーザ光の一部を受光する部分受光器とを備える
    ことを特徴とするレーザ発振器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
    前記レーザ光の強度を検出する検出器を備える
    ことを特徴とするレーザ発振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023013162A1 (ja) * 2021-08-05 2023-02-09 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 光源駆動装置、発光装置及び測距装置

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