以下、本発明の第一の実施形態にかかる管継手について図1乃至図3を用いて説明する。
本発明にかかる管継手1は、図1に示すように、筒状で、軸線方向手前側から奥側(図2では紙面上側から下側)へ樹脂管7を挿入可能な継手本体2と、樹脂管7の管端部分に内嵌めされる筒状のインナーコア3と、ナット4と、樹脂管7に外嵌め可能な締付部材5と、インナーコア3に備えられる一旦規制部6と、を備える。
継手本体2は、筒状で、外周面にナット4と螺合可能な雄ねじ部213が形成されており、手前側の端面に締付が完了したナット4と当接可能なナット受部214を備える。具体的に、図2に示すように、継手本体2は、樹脂管挿入部20と、樹脂管挿入部20の奥側に連結される継手接続部23と、継手操作部24と、を備える。また、このような継手本体2は、例えば金属や、樹脂で構成される。
樹脂管挿入部20は、挿入された樹脂管7の外面と対向する内周面210を有する環状の外壁21と、外壁21の奥側の端部から径内側に向かって伸び、手前側に奥面221を有する奥壁22と、を備える。
外壁21は、管継手1の軸線まわりに形成される環状壁であり、挿入される樹脂管7の外径よりも大きい内径で形成されている。具体的に外壁21は、外周面に形成される雄ねじ部213と、手前側の端面に平坦面に形成されるナット受部214と、内周面210と、を備え、内周面210は、テーパ形状の締付部材当接面211と、締付部材当接面211の奥側に軸線と略平行に伸びる奥側内周面212と、を備える。また、図2に記載のように、外壁21の内周面210は、管継手1に挿入される樹脂管7の外周面と対向するように構成されている。
締付部材当接面211は、内周面210の手前側から中途部までを構成する。具体的に、締付部材当接面211は、径が手前側から奥側に向かうにつれて小さくなるテーパ形状であり、最小径部分で奥側内周面212と連結する。
奥側内周面212は、継手本体2の軸線と略平行に伸びる面であり、手前側が締付部材当接面211と連結し、奥側が奥面221と連結している。図3に示すように、奥側内周面212の径は、後述する拡径された樹脂管7(拡径部分72)の外径よりも大きい。さらに、本第一の実施形態で、締付部材当接面211の最小径と略同一である。
図2に示すように、奥壁22は、外壁21の奥側の端部から径内側に向かって伸びる壁である。具体的に、奥壁22は、奥側内周面212よりも径内方向に向かって伸びる環状の壁である。また、奥壁22は、手前側で、外壁21及びインナーコア3と連結しており、奥側で、継手接続部23と連結している。
継手接続部23は、筒状で、樹脂管挿入部20の奥側に連結されており、管継手1を他の管継手と接続することができる。具体的に、継手接続部23は、奥壁22から奥側に向かって伸びるよう連結されている。本第一の実施形態で、継手接続部23は、外周面に雄ねじ部231が形成されており、例えば、雌ねじ部が形成された他の管継手に螺合することで管継手1同士を接続することができる。なお、管継手1同士の接続は、継手接続部23同士の螺合に限らず、凹凸嵌合や圧着など他の接合方法を用いてもよい。
図1に示すように、継手操作部24は、外周面が多角形の筒状であり、樹脂管挿入部20の外周面と連結している。即ち、継手操作部24は、樹脂管挿入部20を介して継手接続部23に連結されている。そのため、例えば六角スパナなどを用いて継手操作部24を周方向に回動させることで、継手接続部23が回動し、他の管継手に継手接続部23を螺合することができる。
図2に示すように、インナーコア3は、手前側の外径が奥側の外径よりも小さく、樹脂管7の管端部分に内嵌め可能な筒状である。また、インナーコア3は、樹脂管7の内面と対向するインナーコア外周面30を有する。具体的に、インナーコア3は、奥壁22から手前側に向かって伸びるように設けられた筒であり、手前側から奥側にかけて大径となるテーパ外面31を有するコア本体3Aと、コア本体3Aの奥側に連続する一旦規制部6と、一旦規制部6の奥側に連続するストレート部3Bと、を備える。また、このようなインナーコア3は、後述する締付けに耐えうる強度がある材料、例えば金属で構成される。さらに、本第一の実施形態で、インナーコア3は、継手本体2と一体とされている。そのため、部品点数を減らすことができる。
コア本体3Aは、全体として、手前側から奥側に向けて外径が大きくなるテーパ形状であり、挿入される樹脂管7の内径よりも外径が小さい。また、コア本体3Aは、テーパ外面31を有する。即ち、テーパ外面31は、インナーコア3の手前側の外周面であり、一旦規制部6の後述する規制面6Aよりも手前側の外周面である。また、テーパ外面31には、周方向にわたって径外側に出ている突起310が形成されている。本第一の実施形態で、突起310は2か所に形成されており、一の突起310は、手前側の端部に設けられる手前側突起311であり、他の突起310は、テーパ外面31の中途部に設けられる中途部突起312である。また、両突起310の間のテーパ外面31は、突起間外面313である。
突起310は、挿入される樹脂管7の内径よりも小さい外径となるように、テーパ外面31に周方向に一周にわたって設けられる。具体的に、一の突起310である手前側突起311は、手前から奥側に向かって外径が大きくなるテーパ形状であり、最大径部分が樹脂管7の内径よりもわずかに小さな外径となっている。そのため、樹脂管7の軸心が、継手本体2の軸心とずれた場合には、樹脂管7の管端71をテーパ形状で同心状にスムーズにガイドできるため、軸心を合わせやすい。また、本第一の実施形態で、手前側突起311は、樹脂管7の内径よりも小さい外径であるため、樹脂管7を継手本体2に挿入する際に、抵抗になりづらく、かつ、継手本体2と樹脂管7との軸心を合わせることができる。また、中途部突起312は、円弧形状を描くように径外側に盛り上がっている。そのため、後述する締付けで、樹脂管7が押し当てられた際に、樹脂管7に食い込み易い。
ストレート部3Bは、一旦規制部6の奥側に連続しており、一旦規制部6の規制を超えて挿入が許容された樹脂管7の挿入をガイドする挿入ガイド部である。具体的に、ストレート部3Bは、一旦規制部6の規制面6Aから奥側に連続する軸線方向に平行なストレート外面32を備える。このストレート外面32は、手前側から奥側にかけて、略一定の外径であり、本第一の実施形態では、奥面221に連続している。
図1に示すように、継手本体2の内周面210及び奥面221と、インナーコア3の外周面に囲まれる空間によって、樹脂管7を挿入可能な挿入空間11が画定される。
図2に示すように、ナット4は、継手本体2の雄ねじ部213に螺合可能である。具体的に、ナット4は、奥側の内周面に雌ねじ部41と、雌ねじ部41よりも手前側に設けられ、継手本体2への螺合により締付部材5を径内方向へ押圧可能な締付部材押圧部42と、を備える。さらに、本第一の実施形態では、締付部材押圧部42は、雌ねじ部41よりも手前側に備えられており、雌ねじ部41と締付部材押圧部42との間に、ナットの締め付けが完了した際に、ナット受部214と当接可能な継手当接部43を備える。また、ナット4の最小内径は、樹脂管7の外径よりも大きくなっている。さらに、図1に示すように、ナット4の外周面には、外面が多角形状に形成されたナット操作部44が備えられている。ナット操作部44により、ナット4を手や締付工具で把持しやすくなるため、ナット4を継手本体2に螺合しやすくなる。
締付部材押圧部42は、ナット4の手前側部分を構成し、内面が手前に向かうほど径が小さくなるテーパ形状に構成されている。即ち、締付部材押圧部42の内面は、奥側が締付部材当接面211に当接した状態の締付部材5を径内方向へ押圧可能な形状となっている。また、ナット4は、締付部材押圧部42のテーパによって、締付部材5を縮径するように径内方向に押圧しつつ奥側へ押し込む。
図1及び図2に示すように、締付部材5は、樹脂管7に外嵌め可能な部材であり、締付部材当接面211と締付部材押圧部42との間に配置される環状の部材である。具体的に、締付部材5は、径内方向に押圧されることで縮径可能な形状であり、内周面51に、径外側に向かって湾曲する湾曲部511が備えられる。本第一の実施形態で、締付部材5には、軸線方向一方側から中途部まで及び軸線方向他方側から中途部まで伸びるスリット52が周方向に間隔をあけて複数形成されている。このような構成の締付部材5は、湾曲部511とスリット52とによって両端部(手前側端部及び奥側端部)が径内側に曲がるような変形をすることができるようになる。
また、締付部材5は、軸線方向中央部分の外径が軸線方向両端部分の外径よりも大きい。さらに、締付部材5は、軸線方向の中心部分から手前側と奥側で、スリット52を除き対称の形状となっている。また、締付部材5の軸線方向の端部は、奥側が締付部材当接面211に当接し、手前側が、締付部材押圧部42に当接するよう配置される。
一旦規制部6は、挿入空間11の軸線方向の中途部分で、樹脂管7の管端71に接触して樹脂管7の軸線方向奥側への挿入を一旦規制可能に設けられる。具体的に、一旦規制部6は、コア本体3Aの奥側に連続し、テーパ外面31に対して径外側へ段付き形成された段部であり、テーパ外面31から径外方向へ拡径する規制面6Aを備える。規制面6Aは、インナーコア3の外周面に、一周にわたって設けられている。
規制面6Aは、樹脂管7の管端71、具体的には内径縁部71Aに当接することで、樹脂管7の挿入を一旦規制するよう構成され、本第一の実施形態では、径内側が手前側にあり、径外側が奥側にある傾斜面として周方向に一周にわたって形成される。また、一旦規制部6のうち、手前側は、樹脂管7の内径より外径が小さく、奥側は樹脂管7の内径よりも外径が大きくなるように形成される。そのため、挿入された樹脂管7の管端71が規制面6Aに当接し、係止するため、挿入が一旦規制される。
また、一旦規制部6の段差は、作業者が手挿しした樹脂管7の挿入は規制し、ナット4を締付けた場合には、奥側への力により樹脂管7の内径が拡径して、段差を乗り越えて奥側への進入を許容する程度の段差に構成されている。即ち、本第一の実施形態の一旦規制部6の最大径は、樹脂管7を一旦規制可能かつナット4の締付けによる奥側の力で乗越可能な分だけ樹脂管7の内径より大きく、さらに、一旦規制部6は、一旦規制部6を超えた樹脂管7が拡径するように構成される。即ち、一旦規制部6は、樹脂管7を変形させることができる硬さで構成される。
さらに、一旦規制部6は、軸線方向で、締付部材5よりも奥側に設けられている。具体的には、締付部材5の奥側の端部よりも奥側に、一旦規制部6が設けられている。また、一旦規制部6は、樹脂管7が、ナット4の締付けによって軸線方向に進む距離以上に奥面221から離隔した位置に設けられる。さらに、一旦規制部6から奥面221までの樹脂管7を挿入可能な領域である追加挿入可能領域12は、径方向の幅が、後述する締付けによって、拡径した樹脂管7(拡径部分72)の肉厚以上の幅となるよう形成される。
このような管継手1の使用方法について説明する。図2に示すように、挿入空間11に樹脂管7を挿入したうえで、ナット4を締め付けることで、図3に示すように、樹脂管7を管継手1に取り付けることができる。
具体的には、図2に示すように一旦規制部6に管端71が当接するまで樹脂管7を継手本体2に挿入し、ナット4を継手本体2に螺合する。すると、ナット4の螺合にともない、締付部材押圧部42が軸線方向奥側に進出し、奥側が締付部材当接面211に当接している締付部材5の手前側部分を、締付部材押圧部42の内面のテーパ面で径内側に押圧するとともに、奥側へ押し込む。締付部材5は、径内方向に押圧されると同時に、ナット4の軸線方向奥側への力を受け、奥側へも移動する。そして、図3に示すように継手当接部43がナット受部214に当接することで、締付けは完了し、樹脂管7は、管継手1に取り付けられる。このとき、締付部材5は、手前側部分が奥側部分よりも樹脂管7に食い込むような形に変形し、また、奥側は、締付け前よりも径内かつ奥へ移動している。
このとき樹脂管7は、図3に示すように、樹脂管7の内面がインナーコア3の外周面に密着する様に変形する。具体的には、ナット4の螺合による締付部材5の縮径に伴い、締付部材5が、樹脂管7の外面に密着する。ここからさらに締付部材5が縮径することで、締付部材5は、樹脂管7を締付け、樹脂管7の内面をインナーコア外周面30に押し付ける。そのため、樹脂管7の内面は、テーパ外面31に密着し、テーパ外面31に設けられる突起310が、樹脂管7の内面に食い込む。さらに、締付部材5が、ナット4から軸線方向奥側への力を受けることで、締付部材5に締め付けられる樹脂管7も、同様に軸線方向奥側への力を受ける。この軸線方向奥側への力により、樹脂管7は、一旦規制部6を超えて、奥側への進入を許容され、一旦規制部6より奥側まで管端71が移動する。また、樹脂管7のうち、一旦規制部6を超えて奥まで進入した部分(拡径部分72)は、一旦規制部6によって拡径がされる。即ち、樹脂管7の内径縁部71Aが、奥側への力を受けることで、規制面6Aに沿って径外側に移動することで、内径縁部71Aが拡径される。続いて、内径縁部71Aよりも手前側の部分も、規制面6Aによって径外側に沿って移動し、拡径される。さらに、一旦規制部6を超えた管端71(内径縁部71A)は、規制面6Aから奥側に連続するストレート外面32にガイドされて、奥側までスムーズに進入する。そして、締付けが完了した時点で、管端71は、奥面221まで到達しておらず、管端71と奥面221との間には隙間13がある状態となる。なお、管端71の移動距離と、ナット4の進出距離は一致するものではなく、例えばナット4の進出距離の3分の1だけ管端71が奥側に移動するというような関係となる。この移動距離と進出距離との関係は、締付部材押圧部42の形状などによって異なるものである。
このとき、締付部材5は、樹脂管7を突起間外面313に押し付けるように樹脂管7を変形させているので、突起間外面313に入り込むように変形した樹脂管7が、手前側突起311に係止して、樹脂管7の抜け止めがされる。また、締付部材5の手前側が、径内に入り込むように変形しているため、樹脂管7が強固に径内側に締め付けられることで、抜け止めがされている。さらに、中途部突起312によって突起間外面313よりも奥側で樹脂管7が係止されることで、抜け止めがされている。
このような構成の管継手1によれば、管端71が一旦規制部6に接触し、挿入が一旦規制されるまで樹脂管7を挿入空間11に挿入し、ナット4を継手本体2に螺合させると、締付部材押圧部42が締付部材5を径内方向に押圧するので、締付部材5が縮径し、樹脂管7を締め付ける。ここで、さらにナット4を奥側に進出させると、ナット4の締付けによる軸線方向奥側への力が、樹脂管7を締め付ける締付部材5を介して樹脂管7に作用するので、一旦規制部6は、樹脂管7の奥側への挿入を許容し、樹脂管7はさらに奥側へと挿入される。具体的には、ナット4を締め付けた際の奥側への力によって、樹脂管7の内径縁部71Aが規制面6Aに沿って奥側へ移動しながら、樹脂管7の内径が拡径されて、段差を乗り越えることで、樹脂管7の奥側への進入が許容される。一旦規制部6を超えた樹脂管7は、追加挿入可能領域12を奥側へ進入する。よって、ナット4の締付けにより樹脂管7にかかる軸線方向奥側への力を、樹脂管7の奥側への移動によって吸収できるため、ナット4の締付けに必要なトルクの増大を抑制できる。
また、一旦規制部6が締付部材5と奥面221との間に配置されているため、締付部材5よりも奥側まで樹脂管7が挿入されてから、挿入が一旦規制されるので、締付部材5よりも奥側に管端71が位置することができ、ナット4によって径内方向に押圧され縮径する締付部材5が確実に樹脂管7を締め付けることができるため、樹脂管7を管継手1に確実に取り付けることができる。
さらに、樹脂管7に内嵌めされる部材であるインナーコア3に一旦規制部6が設けられるので、確実に樹脂管7の挿入を一旦規制することができる。
また、一旦規制部6は、奥面221よりも、締付けによる樹脂管7の進出距離以上手前側に設けられるので、締付け完了まで管端71と奥面221との間に隙間13があるため、管端71と奥面221との当接によりナット4の締付けに必要なトルクが上昇することを抑制できる。
さらに、追加挿入可能領域12は、一旦規制部6によって拡径された樹脂管7の肉厚以上の幅に形成されるので、一旦規制部6より奥側で、樹脂管7が抵抗を受けづらく、進入がスムーズになるため、ナット4の締付けに必要なトルクが上昇することを抑制できる。
また、インナーコア3の一旦規制部6が設けられる部分よりも奥側の外周面である、ストレート外面32は、一旦規制部6の最大径部分と略同一径の外径で手前側から奥側にかけて略均一の径で形成されるので、一旦規制部6を超えて進入する樹脂管7が奥側への進入に際して抵抗を受けづらくなり、ナット4の締付けに必要なトルクが上昇することを抑制できる。
さらに、一旦規制部6は、樹脂管7に内嵌めされるインナーコア3に樹脂管7を拡径可能に設けられるので、樹脂管7の拡径部分72が、縮径した締付部材5の奥側端部に係止可能となるため、樹脂管7が抜け止めされる。
また、一旦規制部6は、規制面6Aがテーパ面となっているので、管端71が傾斜に沿って滑らかに移動(拡径)でき、樹脂管7が一旦規制部6から受ける抵抗を抑制できるため、ナット4を締め付けるために必要なトルクの増大を抑制できる。
また、インナーコア3の一旦規制部6が設けられる部分よりも手前側は、樹脂管7の内径よりも外径が小さいため、樹脂管7を管端71が一旦規制部6に当接するまで継手本体2に容易に挿入することができる。
以上、本発明の第一の実施形態について説明したが、本発明は、前記第一の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
例えば、一旦規制部6は、樹脂管7に乗り越えられる構成であるとして説明したが、この構成に限らず、弾性で樹脂管7の規制が解除される構成や、軸方向にかかる力で一旦規制部6が壊れ、規制を解除する構成としてもよい。また、一旦規制部6は一周にわたって備えられる構成としたがこれに限らず、周方向において部分的に設けられる突起であってもよいし、また、一旦規制部6が複数設けられてもよい。さらに、一旦規制部6は、軸線方向の位置が変わらない構成として説明したが、これに限らず、管端71の進入と同期して軸線方向奥側へ移動する構成としてもよい。
また、一旦規制部6は、インナーコア3に設けられる構成であるとして説明したが、これに限らず、継手本体2の内周面210に設けられてもよいし、奥面221から手前側に延びる弾性体として構成されてもよい。さらに、一旦規制される位置は、締付部材5よりも奥側として説明したが、この構成に限らず、締付部材5よりも手前側で規制される構成としてもよい。
さらに、締付部材5は、環状であるとして説明したが、この構成に限らず、C字型など環状でない締付部材5を採用することができる。
また、継手接続部23には、雄ねじ部231が形成されるとして説明したが、雌ねじが形成されていてもよいし、溶接など螺合以外の方法で他の管継手1と接続可能とされていてもよい。
さらに、インナーコア外周面30に突起310が2つ備えられるとして説明したが、この構成に限らず、突起310がない構成としてもよいし、1つ又は3つ以上の突起310を備える構成としてもよいし、複数の段部を備えるタケノコ状の外周面としてもよい。また、テーパ外面31は、テーパ形状に限らず、例えば軸線と平行に伸びる構成であってもよい。
また、インナーコア3のうち、一旦規制部6より奥側を構成するストレート部3Bの外面であるストレート外面32は、手前側から奥側にかけて略均一の径であるとして説明したが、この構成に限らず、手前側から奥側にかけて縮径する構成や、拡径する構成であってもよい。なお、ストレート外面32は、手前側から奥側にかけて縮径する構成であっても、ストレート外面32が樹脂管7の進入を阻害することがないため、一旦規制部6を超えて進入する樹脂管7が奥側への進入に際して抵抗を受けづらくなり、ナット4の締付けに必要なトルクが上昇することを抑制できる。
次に本発明の第二の実施形態として、図4及び図5に示すような管継手1について説明する。ここでは、図1乃至図3の第一の実施形態と異なる構成について説明し、共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第二の実施形態にかかる管継手1は、インナーコア3と継手本体2とが別体となっている。即ち、第二の実施形態にかかる管継手1は、図4に記載のようなインナーコア3を、図5に記載のように、継手本体2に取り付けて使用する。
図4に示すように、インナーコア3は、筒状で樹脂管7に内嵌め可能なインナーコア本体35と、インナーコア本体35の奥側に連結される奥面当接部36と、を備える。また、インナーコア本体35には一旦規制部6が設けられる。
インナーコア本体35は、手前側から奥側にかけて大径となるテーパ外面31を有するコア本体3Aと、コア本体3Aの奥側に連続する一旦規制部6と、一旦規制部6の奥側に連続するストレート部3Bと、を備える。コア本体3Aは、全体として、手前側ほど径が小さいテーパ形状であり、樹脂管7の内径よりも外径が小さくなるように構成される。また、コア本体3Aは、テーパ外面31を有する。さらに、テーパ外面31は、周方向にわたって径外側に出る突起310を備える。突起310の構成は、第一の実施形態と同様である。
ストレート部3Bは、一旦規制部6の奥側に連続しており、一旦規制部6の規制を超えて挿入が許容された樹脂管7の挿入をガイドする挿入ガイド部である。具体的に、ストレート部3Bは、一旦規制部6の後述する規制面6Aから奥側に連続する軸線方向に平行なストレート外面32を備える。このストレート外面32は、手前側から奥側にかけて、略一定の外径であり、本第二の実施形態では、奥面当接部36に連続している。
奥面当接部36は、インナーコア3の奥側に備えられ、奥面221に当接可能に構成される。本第二の実施形態で、奥面当接部36は、インナーコア本体35から径外側に突出するよう設けられている。
図5に示すように、本第二の実施形態において、追加挿入可能領域12は、インナーコア3の外周面及び奥面当接部36の手前側面と継手本体2の奥面221及び内周面210とによって画定される空間である。
一旦規制部6は、樹脂管7の管端71に接触して樹脂管7の軸線方向奥側への挿入を一旦規制可能に設けられる。具体的に、一旦規制部6は、コア本体3Aの奥側に連続し、テーパ外面31に対して径外側へ段付き形成された段部であり、テーパ外面31から径外方向へ拡径する規制面6Aを備える。規制面6Aは、インナーコア本体35の外周面に、一周にわたって設けられている。
規制面6Aは、樹脂管7の管端71、具体的には内径縁部71Aに当接することで、樹脂管7の挿入を一旦規制するよう構成される。規制面6Aの具体的な構成は、第一の実施形態の規制面6Aと同様である。
一旦規制部6は、奥面当接部36を奥面221に当接させたときに、軸線方向で、締付部材5よりも奥側になるよう設けられている。具体的には、奥面当接部36を奥面221に当接させたときに、締付部材5の奥側の端部よりも奥側に、一旦規制部6が設けられている。また、一旦規制部6は、樹脂管7が、奥面当接部36を奥面221に当接させたときに、ナット4の締付けによって軸線方向に進む距離以上に奥面221から離隔した位置に設けられる。
インナーコア3は、ナット4及び締付部材5を樹脂管7に外嵌めしたうえで、樹脂管7に一旦規制部6まで内嵌めされる。そして、インナーコア3が内嵌めされた状態の樹脂管7は継手本体2に挿入される。継手本体2に挿入された状態において、インナーコア3は、奥面当接部36を介して、インナーコア本体35が奥壁22から手前側に向かって伸びるように設けられている。
樹脂管7が継手本体2に挿入された後は、第一の実施形態と同じように、ナット4を継手本体2に螺合することで、締付部材5が樹脂管7を締付け、樹脂管7の管継手1への取付けが完了する。このとき、樹脂管7が管継手1に固定されるのに伴って、樹脂管7に内嵌めされるインナーコア3も継手本体2に固定される。具体的に、ナットの締め付けによって、締付部材5が、軸線方向奥側への力を受けることで、締付部材5に締め付けられる樹脂管7も、同様に軸線方向奥側への力を受ける。この軸線方向奥側への力により、樹脂管7は、一旦規制部6を超えて、奥側への進入を許容され、一旦規制部6より奥側まで管端71が移動する。また、樹脂管7のうち、一旦規制部6を超えて奥側まで進入した部分(拡径部分72)は、一旦規制部6によって拡径される。即ち、樹脂管7の内径縁部71Aが、奥側への力を受けることで、規制面6Aに沿って移動することで、内径縁部71Aが拡径される。続いて、樹脂管7の内径縁部71Aよりも手前側の部分も、規制面6Aによって径外側に沿って移動し、拡径される。さらに、一旦規制部6を超えた管端71(内径縁部71A)は、規制面6Aから奥側に連続するストレート外面32にガイドされて、奥側までスムーズに進入する。そして、締付けが完了した時点で、管端71は、奥面221及び奥面当接部36の手前側面まで到達しておらず、管端71と奥面221及び奥面当接部36の手前側面との間には隙間13がある状態となる。
また、締付け完了時の管端71は、奥面221及び奥面当接部36と隙間13をあけた位置に位置する。即ち、樹脂管7の進出距離は、一旦規制部6から、奥面当接部36までの距離よりも短い。
このような構成のインナーコア3によれば、樹脂管7に先にインナーコア3を取り付けたうえで、継手本体2に樹脂管7を挿入する場合であっても、樹脂管7を一旦規制することができるので、ナット4の締め付けトルクの増大を抑制できる。
また、インナーコア3が継手本体2と別体となっているので、あらかじめ、管端部分にインナーコア3を取付け、管端71が一旦規制部6に当接したことを確認したうえで、樹脂管7を継手本体2に挿入できるため、樹脂管7を確実に一旦規制することができる。
さらに、一旦規制部6は、奥面221に当接する奥面当接部36よりも、締付けによる樹脂管7の進出距離以上手前側に設けられるので、締付け完了まで管端71と奥面221に当接する部材との間に隙間13があるため、管端71と奥側の部材との当接によりナット4の締め付けトルクが上昇することを抑制できる。
また、一旦規制部6は、樹脂管7を拡径可能に構成されるので、ナット4を締め付けることで、樹脂管7を拡径して、確実に管継手1に取り付けることができるため、インナーコア3を樹脂管7にハンマーなどで打ち込む必要がなくなる。
なお、第二の実施形態において、インナーコア3は、インナーコア本体35から径外側に突出している奥面当接部36を備えているとして説明したが、この構成に限らず、奥面当接部36を備えずに、インナーコア本体35の奥側の端部が奥面221に当接するように構成されていてもよいし、奥面当接部36がインナーコア本体35から径内側に向かって伸びていてもよい。
また、インナーコア3とナット4と締付部材5とをあらかじめ樹脂管7に取り付けたうえで継手本体2に挿入するとして説明したが、インナーコア3をあらかじめ継手本体2に設置してから、インナーコア3が設置された継手本体2に樹脂管7を挿入してもよい。
さらに、コア本体3Aの外径が、テーパの途中部分から樹脂管7の外径よりも太くなるテーパとなるように構成してもよい。このような構成の場合には、樹脂管7の管端71が一旦規制部6に当接するまでインナーコア3をハンマー等で樹脂管7に打ち込むことで、インナーコア3が樹脂管7に内嵌めされる。また、このような構成の場合には、樹脂管7は、インナーコア3が打ち込まれる際に、コア本体3Aのテーパによって拡径され、ナットの締め付けによって、一旦規制部6によってさらに拡径されるため、ハンマーなどの打ち込みによる樹脂管7の拡径幅以上に一旦規制部6によって樹脂管7を拡径することができるので、ハンマーの打ち込みによる拡径幅を小さくすることができる。よって、ハンマーなどによるインナーコア3の打ち込みに必要な荷重を減らすことができる。
次に、本発明の第三の実施形態にかかる管継手1について、図6及び図7を参照して説明する。図1乃至図3の第一の実施形態と異なる構成について説明し、共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第三の実施形態にかかる管継手1は、一旦規制部6が、継手本体2に設けられており、樹脂管7の管端71の外周側に接する様に設けられる。
第三の実施形態で、継手本体2の外壁21は、継手本体2の手前側の端部を構成し、外周に雄ねじ部213が形成される手前側外壁21Aと、奥壁22に連結する奥側外壁21Bと、を備え、手前側外壁21Aと奥側外壁21Bとの間に、一旦規制部6が設けられる。具体的に、手前側外壁21Aの奥側に、段部である一旦規制部6が連結され、一旦規制部6の奥側に、奥側外壁21Bが連結される。また、手前側外壁21Aは、内径が、手前側ほど大きく、奥側ほど小さいテーパ形状に形成されている。
手前側外壁21Aの内周面は、締付部材の奥側が当接可能な締付部材当接面211である。具体的に、締付部材当接面211は、内周面210の手前側から中途部までを構成し、径が手前側から奥側に向かうにつれて小さくなるテーパ形状である。また締付部材当接面211は、最小径部分で一旦規制部6の規制面6Aの手前側と連結する。
奥側外壁21Bの内周面は、奥面221と連結する奥側内周面212であり、本第三の実施形態で、奥側内周面212は、軸線と平行に伸びるストレート内面である。さらに、奥側内周面212は、一旦規制部6の規制を超えて挿入許容された樹脂管7の挿入をガイドする挿入ガイド部である。具体的に、奥側内周面212は、一旦規制部6の規制面6Aから奥側に連続する軸線方向に平行なストレート内面である。また、奥側内周面212は、手前側から奥側にかけて略一定の内径であり、奥側が奥面221に連結している。
一旦規制部6は、手前側外壁21Aの奥側に連続し、締付部材当接面211に対して径内側へ段付き形成された段部であり、締付部材当接面211から径内方向へ縮径する規制面6Aを備える。規制面6Aは、樹脂管7の外径縁部71Bに当接することで、樹脂管7の挿入を一旦規制するよう構成され、本第三の実施形態では、手前側から奥側に向けて径内方向に傾斜するテーパ面となっている。
また、一旦規制部6の段差は、作業者が手挿しした樹脂管7の挿入は規制し、ナット4を締付けた場合には、奥側への力により樹脂管7の外径が縮径して、段差を乗り越えて奥側への進入を許容する程度の段差に形成されている。即ち、本第三の実施形態の一旦規制部6の最小径は、樹脂管7を一旦規制可能かつナット4の締付けによる奥側の力で乗越可能な分だけ樹脂管7の外径よりも小さい。さらに、一旦規制部6は、一旦規制部6を超えた樹脂管7が縮径するように構成される。即ち、一旦規制部6は、樹脂管7を変形させることができる硬さで構成される。
インナーコア外周面30には、テーパ外面31とストレート外面32とが備えられる。ストレート外面32は、樹脂管7の管端71が、軸線方向で一旦規制部6に当接する位置よりも手前側から奥面221に連結するまで、軸線と略平行に伸びる。また、テーパ外面31は、インナーコア外周面30の手前側から、ストレート外面32までの間を構成する。
また、追加挿入可能領域12の径方向の幅は、後述する締付けによって、樹脂管7が縮径した際の樹脂管7の縮径した部分の肉厚と略同一の幅に形成される。
このような構成の管継手1に樹脂管7を取り付ける場合には、図6に示すように、樹脂管7を、管端71が一旦規制部6に接触するまで挿入し、ナット4を継手本体2に螺合させる。すると、図7に示すように、ナット4の螺合に伴い、ナット4が締付部材5を径内方向へ押圧し、締付部材5が縮径するので、締付部材5が外嵌めされる樹脂管7が締付けられ、樹脂管7の内面と、インナーコア3の外周面とが密着するように変形する。
さらに、このとき、樹脂管7は、ナット4の締め付けによる軸線方向奥側への力を、締付部材5を介して受ける。そのため、樹脂管7は、一旦規制部6を超えてさらに奥側へと進入する。具体的には、一旦規制部6の傾斜に沿って、管端71が移動し、樹脂管7は縮径されながら奥側へと進み、一旦規制部6を超える。一旦規制部6を超えた樹脂管7は、追加挿入可能領域12の奥側に進入する。一旦規制部6を超えた管端71(外径縁部71B)は、規制面6Aから奥側に連続するストレート内面である奥側内周面212にガイドされて、奥側までスムーズに進入する。そして、締付けが完了した時点で、管端71と奥面221との間には隙間13がある状態となる。
このような構成の管継手1によれば、一旦規制部6が継手本体2に設けられるので、樹脂管7を継手本体2に挿入するだけで確実に一旦規制をすることができる。
また、インナーコア外周面30は、一旦規制部6よりも手前側から奥面221まで軸線と平行に伸びるストレート外面32を備えているので、一旦規制部6により径内側へ移動する管端71がインナーコア外周面30のテーパ部分に係止することを防止でき、ナット4の締め付けトルクが上昇することを抑制できる。
さらに、追加挿入可能領域12の幅は、一旦規制部6によって縮径された樹脂管7の肉厚と略同一に形成されるので、縮径した樹脂管7が追加挿入可能領域12を奥側に進入する際に、抵抗を少なくすることができるため、ナット4の締め付けトルクが上昇することを抑制できる。
なお、第三の実施形態では、一旦規制部6は、締付部材当接面211と奥側内周面212との間に段部として設けられる場合について説明したが、この構成に限らず、例えば、締付部材当接面211と同じテーパ面となるように規制面6Aを備える一旦規制部6として設けられてもよい。
次に、本発明の第四の実施形態にかかる管継手1について図8及び図9を参照して説明する。図1乃至図3の第一の実施形態と異なる構成について説明し、共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、第四の実施形態にかかる管継手1は、締付部材5に一旦規制部6が設けられている。具体的に、一旦規制部6は、締付部材5の奥側に設けられている。
第四の実施形態において、一旦規制部6は、締付部材5に設けられている環状の部材である。具体的に、一旦規制部6は、爪状であり、締付部材5の奥側の端部から、奥側に延出している。第四の実施形態で、一旦規制部6は、手前側が締付部材5に連結されている延出部61と、延出部61の奥側から径内側に向かって伸びる係止部62と、を備える。また、延出部61には、切断手段として肉厚が薄くなる肉薄部分が形成されており、手前側が締付部材5と連結している連結部611と、連結部611から奥側へ伸びる接続部612と、を備える。具体的に、連結部611は、ナット4を締め付けて、一旦規制部6による規制を解除する際に、一旦規制部6を締付部材5から切断して分離するよう構成され、締付部材5に近づくほど肉厚が薄くなるように構成される。また、係止部62は、先端部分621が樹脂管7の外径よりも小さい径となるように構成される。そのため、管端71が係止部62に接触可能となる。
第四の実施形態にかかる管継手1に樹脂管7を取り付ける場合には、図8に示すように、樹脂管7を、管端71が一旦規制部6の係止部62に接触するまで挿入し、ナット4を継手本体2に螺合させる。すると、図9に示すように、ナット4の螺合に伴い、ナット4が締付部材5を径内方向へ押圧し、締付部材5が縮径するので、締付部材5が外嵌めされる樹脂管7が締付けられ、樹脂管7の内面と、インナーコア3の外周面とが密着するように変形する。
ここで、樹脂管7は、締付部材5に締め付けられ、軸線方向奥側への力を受けるので、軸線方向奥側へ進入しようとする。一方、締付部材5の奥側は、締付部材当接面211に当接しているため奥側へ進むことが規制されており、一方で締付部材5の手前側部分は、径内側かつ奥側へ入り込むように変形して、樹脂管7を奥側に押す。そのため、一旦規制部6の係止部62を樹脂管7が奥側へ向かって押すように力が作用する。この力により、締付部材5と一旦規制部6との連結が外れ、図9に示すように、一旦規制部6は締付部材5から切断されて脱落する。これにより、樹脂管7はさらに奥側へと進入することが許容される。
このような構成の管継手1によれば、樹脂管7に外嵌めされて締め付ける部材である締付部材5に一旦規制部6が設けられるので、確実に樹脂管7の挿入を一旦規制することができる。
また、締付部材5から奥側に向かって伸びるように一旦規制部6が設けられるので、確実に締付部材5よりも奥側で一旦規制をすることができるため、締付部材5が樹脂管7を確実に締め付けることができる。
さらに、一旦規制部6には切断手段としての肉薄部分が形成されるため、一旦規制部6が脱落するために必要な力が少なくなり、ナット4の締め付けトルクの増大を抑制することができる。
なお、第四の実施形態において、一旦規制部6の切断手段として肉薄部分が形成される場合について説明したが、この構成に限らず、例えば、ミシン目の切込みやハーフカットなどによって切断しやすくしてもよい。また、一旦規制部6は締付部材5から奥側へ伸びる延出部61と係止部62とを備えるとして説明したが、この構成に限らず、締付部材5から径内方向に伸びる係止部62のみを備える構成としてもよい。
また、一旦規制部6は、切断手段により締付部材5から脱落する構成として説明したが、これに限らず、ナット4の締め付けによる軸線方向奥側への力により、樹脂管7の進入を許容する構成であればよい。例えば、締付部材5との連結部分を中心に係止部62が径外方向に回動する(たわむ)ことで係止を解除する構成としてもよいし、延出部61を伸縮可能として、奥側への力により、延出部61が樹脂管7の進入とともに伸び、樹脂管7の進入を許容する構成としてもよい。さらに、延出部61は、樹脂管7が奥側へ移動する力により、軸線方向に伸びるように変形することとしてもよいし、樹脂管7の進入と一緒に一旦規制部6が奥側へ進入する構成としてもよい。
次に本発明の第五の実施形態にかかる管継手1について図10,11を用いて説明する。図1乃至図3の第一の実施形態と異なる構成について説明し、共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、第五の実施形態にかかる管継手1は、奥面221から手前側に向かって一旦規制部6が設けられている。
本第五の実施形態における一旦規制部6は、奥面221から手前側に向かって設けられる弾性体である。具体的に、一旦規制部6は、奥面221よりも手前側から軸線方向に圧縮及び復元可能な弾性体であり、本第五の実施形態ではばねである。
一旦規制部6は、奥面221よりも手前側から軸線方向に圧縮可能及び復元可能な弾性体を備えている。具体的には、2つのばねが、周方向に略180度離れて奥壁22に設けられている。また、一旦規制部6は、奥面221よりも手前側から奥側に向けて圧縮可能に設けられている。この弾性体であるばねは、樹脂管7が挿入された際に、軸線方向手前側に反発することで、樹脂管7の挿入を一旦規制可能に構成されている。また、ナット4の締め付けによる軸線方向奥側への力が作用した際には、軸線方向奥側に圧縮されることで、樹脂管7の奥側への進入を許容する。
本第五の実施形態にかかる管継手1に樹脂管7を取り付ける場合には、図10に示すように、樹脂管7を、管端71が一旦規制部6に接触するまで挿入し、ナット4を継手本体2に螺合させる。すると、図11に示すように、ナット4の螺合に伴い、ナット4が締付部材5を径内方向へ押圧し、締付部材5が縮径するので、締付部材5が外嵌めされる樹脂管7が締付けられ、樹脂管7の内面と、インナーコア外周面30とが密着するように変形する。
ここで、樹脂管7は、軸線方向奥側への力を受けるので、一旦規制部6は、圧縮され、奥側へ沈み込むように変形する。即ち、図10に示すような一旦規制状態のばね長が、図11に示すような圧縮状態のばね長に短くなる。この短くなった距離だけ、樹脂管7は奥側へ進入することができる。
このような構成の管継手1によれば、ナット4の締め付けによる軸線方向奥側への力により、奥壁22に設けられた弾性体が圧縮されるので、圧縮された距離を樹脂管7が進入することができ、ナット4の締め付けによる力を樹脂管7の移動によって吸収することができるため、ナット4の締め付けトルクの増大を抑制することができる。
また、一旦規制部6が、軸線方向に圧縮及び復元可能な弾性体で構成されるので、樹脂管7を挿入する際に軸線方向奥側にかかる力が強かったとしても、ナット4の締付け前に弾性体が一度復元することができる。そのため、ナット4の締め付けによる軸線方向奥側への力を、樹脂管7の移動で確実に吸収することができるので、確実にナット4の締め付けトルクの増大を抑制できる。
なお、第五の実施形態において、弾性体はばねであるとして説明したが、これに限らず、ゴムや、スポンジなど圧縮及び復元可能な種々の弾性体を採用することができる。
また、一旦規制部6である弾性体は、あらかじめ奥壁22に設けられているものに限らず、管端71に取り付けられていてもよいし、継手本体2に別途挿入されるものとしてもよい。
また、ばねは、インナーコア3のまわりに複数個配置する場合に限らず、インナーコア3の周囲に巻回されたコイルバネであってもよい。