JP2021095199A - 吐出容器 - Google Patents

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知美 相川
大西 洋
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Abstract

【課題】ノズル部分の清掃効率を向上させることが可能な吐出容器に関する。【解決手段】液体を収容する容器部と、容器部内の液体を被吐出体に向けて吐出するノズルを有する吐出部と、少なくとも吐出部のノズルを覆うキャップとを備える吐出容器であって、吐出部は、キャップに対向する底面と、底面から液体の吐出方向に沿って延び、容器部内の液体を吐出可能なノズルと、底面に形成された溝部と、ノズルと被吐出体との間に所定の間隔を形成するスペーサとを備え、キャップは、ノズルを覆う閉状態において吐出部の底面に向けて突出する凸部を有し、凸部及び底面は、閉じ状態において底面又はノズルに付着した液体を溝部に向けて移動させることが可能な形状を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、液体等を吐出させる吐出容器に関する。
従来、ハンドソープ等の液体を泡状又は非泡状にして吐出させる吐出容器が知られている。また、近年、このような吐出容器として、ノズルの形状や配置等を工夫することにより、動植物やキャラクタ等の所定の目的形状となるように液体を泡状又は非泡状にして吐出させる所謂スタンプ式吐出容器が提案されている(特許文献1)。
このようなスタンプ式吐出容器においては、吐出した液体の形崩れを防ぐために、ノズルが吐出方向に突出して設けられると共に、ノズルよりも吐出方向に高い押圧壁(スペーサ)が設けられている。
特開2018−193128号公報
従来のスタンプ式吐出容器では、ノズルが吐出方向に突出して形成されているため、ノズルが立設されている底面に液体が付着すると、この付着した液体が滞留するおそれがある。このような液体の滞留は、新たに吐出される液体の形崩れを招くおそれがあると共に、衛生的にも望ましくないため、適宜拭き取る等の清掃が行われることが望ましい。
本発明は、ノズル部分の清掃効率を向上させることが可能な吐出容器に関する。
本発明は、液体を収容する容器部と、前記容器部内の液体を被吐出体に向けて吐出するノズルを有する吐出部と、少なくとも前記吐出部の前記ノズルを覆うキャップとを備える吐出容器であって、前記吐出部は、前記キャップに対向する底面と、前記底面から液体の吐出方向に沿って延び、前記容器部内の液体を吐出可能な前記ノズルと、前記底面に形成された溝部と、前記ノズルと被吐出体との間に所定の間隔を形成するスペーサとを備え、前記キャップは、前記ノズルを覆う閉状態において前記吐出部の前記底面に向けて突出する凸部を有し、前記凸部は、前記底面又は前記ノズルに付着した液体を前記溝部に向けて移動させるよう構成されている吐出容器に関する。
本発明に係る吐出容器は、ノズル部分の清掃効率を向上させることが可能である。
本発明の一実施形態に係る吐出容器を示す斜視図である。 図1のA−A´線に沿った概略断面図である。 図3(a)は、吐出部近傍を示す概略斜視図であり、図3(b)は、蓋部を示す概略斜視図である。 被吐出体(手の平)に吐出された液体の形状を示す図である。 図5(a)は、蓋部を開けた状態における吐出部近傍を示す概略断面図であり、図5(b)は、蓋部を閉じた状態における吐出部近傍を示す概略断面図である。 本実施形態におけるオーバーキャップの変形例を示す図である。 吐出容器本体及びオーバーキャップの変形例を示す斜視図である。 図7に示す変形例の概略断面図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[吐出容器の全体構成]
本実施形態に係る吐出容器1は、図1及び図2に示すように、被吐出体に対して非泡状の液体を吐出可能な吐出容器本体2と、該吐出容器本体2に装着されるオーバーキャップ100とを備えている。液体を受け取る被吐出体としては、手、洗浄用又は塗布用のスポンジ、クリーム等が塗布されるパン等の食品等が例示される。なお、以下の説明では、液体を吐出させる液体吐出容器であるものとして説明するが、これに限定されず、泡を吐出する泡吐出容器とすることも可能である。
本実施形態に係る吐出容器1は、吐出容器本体2にオーバーキャップ100を装着させた状態において、図1に示すように、径方向の最大幅よりも高さ方向(軸方向)の長さの方が長い円柱状に形成されている。ここで、「高さ方向の長さ」とは、吐出容器1の長手方向の一端から他端までの直線長さをいい、「径方向の最大幅」とは、吐出容器1の中で最も径が太い部分における、該高さ方向と直交する断面の直径をいう。
吐出容器1の径方向の最大幅は、持ちやすさ、および押圧しやすさの観点から、1cm以上であることが好ましく、2cm以上であることが更に好ましく、また、片手での持ちやすさ、および持ち運びのしやすさの観点から、5cm以下であることが好ましく、10cm以下であることが更に好ましい。また、吐出容器1の高さ方向の長さは、持ちやすさ、および押圧しやすさの観点から、3cm以上であることが好ましく、5cm以上であることが更に好ましく、また、押圧しやすさ、及び持ち運びのしやすさの観点から、20cm以下であることが好ましく、15cm以下であることが更に好ましい。そして、これら径方向の最大幅と高さ方向の長さとの比(アスペクト比)は、持ちやすさ、使いやすさの観点から、吐出容器1の正面視において、1:1以上であることが好ましく、1:2以上であることが更に好ましい。本実施形態に係る吐出容器1は、このような寸法を有することにより、かばん等に入れて持ち運ぶことが可能である。
本実施形態において、吐出容器1は、高さ方向と直交する方向の断面形状が円形(すなわち、円柱状)であるが、これに限定されず、種々の形状を採用可能である。また、吐出容器1の大きさは、図示の例に限定されず、任意に設定することが可能である。
なお、以下の説明では、オーバーキャップ100が吐出容器本体2よりも下方側に位置する状態(図1の状態)を「倒立状態」といい、オーバーキャップ100が吐出容器本体2よりも上方側に位置するように逆さまにした状態を「正立状態」という。また、以下の説明では、「倒立状態」において吐出容器本体2からオーバーキャップ100に向かう方向(吐出容器本体2から見た場合における、オーバーキャップ100側)を「下方」とし、その反対方向(吐出容器本体2から見た場合における、オーバーキャップ100とは反対側)を「上方」として説明する。ただし、ここでいう上下方向は、説明の便宜上定めた方向に過ぎず、実際の使用状況における上下方向とは限らない。本実施形態に係る吐出容器1は、様々な向きで使用することが可能である。
[吐出容器本体の構成]
吐出容器本体2は、図2に示すように、吐出対象となる液体を収容する容器部10と、容器部10内の液体を被吐出体に向けて吐出する吐出部20とを備えている。吐出容器本体2は、吐出部20を容器部10に対して接近させる押圧操作により、被吐出体に向けて液体を吐出させるよう構成された液体吐出容器である。ここでいう「押圧操作」には、吐出部20を被吐出体に対して押し付けることで生じた反力により吐出部20を容器部10に対して接近させる操作と、被吐出体によって吐出部20が押し付けられることにより吐出部20を容器部10に対して接近させる操作との双方が含まれる。
なお、以下の説明では、倒立状態(図2参照)において容器部10から吐出部20に向かう方向(吐出部20から見た場合における、容器部10とは反対側)を「吐出方向」とし、その反対方向(吐出部20から見た場合における、容器部10側)を「圧縮方向」として説明する。ここで、「吐出方向」とは、被吐出体に向けて液体が吐出される方向をいい、後述するノズル44の吐出口の中心軸(図心軸)に沿う方向をいうものとする。「圧縮方向」とは、押圧操作によって吐出部20が容器部10に向けて接近する方向をいうものとする。
また、以下の説明において、「吐出方向に沿って延びる」とは、液体の吐出方向と完全に一致する方向(傾きが0度の方向)に延びる構成に限定されず、該吐出方向に対して僅かに傾いて延びる構成(例えば、吐出方向と延在方向とのズレが10度以内の構成)を含んでいる。さらに、「圧縮方向」と「吐出方向」は、必ずしも、同一直線上で180度異なる方向でなくてもよく、およそ反対方向であればよい。例えば、「圧縮方向」と「吐出方向」との間には、ある程度の軸ズレ(例えば、10度以内の軸ズレ)が許容される。
[容器部の構成]
容器部10は、収容する液体の減少に応じて内袋10Bが収縮して内袋10Bが外殻10Aから離間するいわゆるデラミ(デラミネーション)容器であり、図2に示すように、例えばブロー成形等によって形成された硬質合成樹脂製の外殻10Aと、外殻10Aの内側に収容された薄膜状の内袋10Bとを備えている。
外殻10Aは、図2に示すように、円筒状の胴部12と、胴部12の下端に立設された小径円筒状の口部14と、胴部12の上端を閉塞する上面部16とを有する有頂筒状に形成されている。本実施形態において、これら胴部12、口部14及び上面部16は、いずれも、容器部10の上下方向と直交する方向の断面形状が円形(すなわち、円筒状)であるが、これに限定されず、種々の形状を採用可能である。
容器部10の胴部12は、手で把持可能な外径及び軸方向の長さを有しており、被吐出体に対する押圧操作の際に使用者に把持及び押圧される操作部として機能する。胴部12は、圧搾(スクイズ)により変形しない程度の剛性を有することが好ましい。口部14は、外周面にねじ山が設けられており、吐出部20の後述する装着部22が螺合可能に構成されている。上面部16には、内袋10Bの収縮に伴って、外殻10Aと内袋10Bとの間に空気を導入する空気導入孔18(図2参照)が形成されている。
内袋10Bは、吐出対象となる液体の収容空間を有しており、膨張状態において、外殻10Aの内部形状及び容積と略同じ形状及び容積を有する袋状に形成されている。また、内袋10Bは、収容する液体の量の減少に伴い収縮する(萎む)ことが可能な可撓性を有している。
容器部10に収容される液体は、目的に応じた任意の液剤とすることが可能であり、例えば、スキンケアクリーム等の美容剤、コンディショナー、洗浄剤、ジェル除菌剤、トイレ用のジェルスタンプ、毛髪用化粧料、各種食品(例えば、マヨネーズやマーガリンのような食用油脂や、クリーム等)等、液状(流動体の状態)で用いられる種々のものを例示することができる。
また、容器部10に収容される液体の粘度は、20℃において1000mPa・s以上100000mPa・s以下であることが好ましい。20℃における液体の粘度は、より好ましくは5000mPa・s以上80000mPa・s以下であり、さらに好ましくは10000mPa・s以上60000mPa・s以下である。液体の粘度は、B型粘度計により測定することができる。B型粘度計の測定は、例えば、液体の剤型及び粘度に応じて適切なローターまたはスピンドルを選択し、それに応じた回転数(50〜60回転/分)の回転数でローターまたはスピンドルを回転させ、回転時間が60秒となった時点の粘度を測定することができる。液体の粘度が20℃において1000mPa・s以上100000mPa・s以下であることによって、ノズル44の吐出口より吐出された液体を好適に所定の目的形状に形成することができる。
[吐出部の構成]
吐出部20は、図2に示すように、オーバーキャップ100に対向する底面40aと、底面40aから液体の吐出方向に沿って延び、容器部10内の液体を吐出可能な1又は複数のノズル44と、底面40aに形成された溝部48と、ノズル44と被吐出体との間に所定の間隔を形成するスペーサ46とを備えている。
以下、このような吐出部20の詳細な構成について、詳述する。
吐出部20は、図2に示すように、容器部10に対して固定的に取り付けられる装着機構20Aと、該装着機構20Aに対して相対移動可能に取り付けられる吐出ヘッド機構20Bとを備え、装着機構20Aに向けて吐出ヘッド機構20Bを相対移動させることで、吐出ヘッド機構20Bから液体が吐出されるよう構成されている。
[装着機構の構成]
装着機構20Aは、図2に示すように、容器部10の口部14に装着可能に構成された装着部22と、該装着部22に支持された筒状ガイド24と、容器部10内の液体を吸い上げるためのディップチューブ26とを備えている。
装着部22は、図2に示すように、容器部10の口部14に装着可能に構成された円筒状のねじ溝形成壁22aと、オーバーキャップ100が装着可能に構成されたオーバーキャップ装着壁22bと、吐出ヘッド機構20Bの後述するベース部材50をガイドするガイド壁22cと、筒状ガイド24を支持可能に構成された筒状ガイド支持部22dとを備えている。
ねじ溝形成壁22aは、その内面に、容器部10の口部14に形成されたねじ山と螺合可能なねじ溝が形成されており、容器部10の口部14に着脱可能に構成されている。オーバーキャップ装着壁22bは、ねじ溝形成壁22aよりも大径の円筒状に形成されており、ねじ溝形成壁22aの径方向外側において、ねじ溝形成壁22aと同軸となるよう配されている。オーバーキャップ装着壁22bは、その外面が、オーバーキャップ100の開放側端部100a内に嵌入可能に構成されている。
ガイド壁22cは、ねじ溝形成壁22aの下端から更に下方に向けて延出した円筒状部位であり、ベース部材50の外側筒壁50bが僅かな隙間をおいて挿脱可能な径からなる円筒状に形成されている。筒状ガイド支持部22dは、ねじ溝形成壁22aとガイド壁22cとの境界部分に設けられており、筒状ガイド24を支持可能に構成されている。筒状ガイド支持部22dには、吐出ヘッド機構20Bの後述するピストン60が僅かな隙間をおいて挿脱可能な径からなるピストン挿通孔23が形成されている。
筒状ガイド24は、吐出ヘッド機構20Bの後述するピストン60が挿通可能な内径を有する円筒部材からなり、上端部が口部14を介して容器部10の収容空間内に位置するよう、その下端部が筒状ガイド支持部22dに支持されている。
筒状ガイド24の内部には、吐出ヘッド機構20Bの後述するピストン60を下方(吐出方向)に向けて付勢するピストン付勢手段25が配されている。ピストン付勢手段25は、本実施形態ではコイルばねであるが、これに限定されず、例えば、板ばね、皿ばね、ゴム、シリコン等の種々の弾性部材を用いることが可能である。筒状ガイド24には、上端方向に向けて縮径する段差部24aが形成されており、該段差部24aにより、ピストン付勢手段25の抜け出しを防止している。
ピストン付勢手段25は、その上端が筒状ガイド24の段差部24aに係止し、その下端が吐出ヘッド機構20Bの後述するピストン60の上端に係止することで、筒状ガイド24の内部においてピストン60を吐出方向(下方)に向けて常時付勢している。また、ピストン付勢手段25は、被吐出体に対する押圧操作により自己の付勢力を超える外力(押圧力)が付与された際に圧縮し、吐出ヘッド機構20Bを圧縮方向(上方)に向けて移動させるよう構成されている。
[吐出ヘッド機構の構成]
吐出ヘッド機構20Bは、図2に示すように、装着機構20Aの筒状ガイド24内に挿通可能に配された円筒状のピストン60と、該ピストン60の下端に結合されたヘッドキャップ30とを備えている。本実施形態において、ヘッドキャップ30は、ピストン60の下端に結合されたベース部材50と、該ベース部材50の下端に組み付けられるノズル部材40とにより構成されている。
ノズル部材40は、図2及び図3(a)に示すように、吐出方向に臨む底面40aと、底面40aから吐出方向に向けて(下方)に沿って延びる1又は複数(本実施形態では5つ)のノズル44と、底面40aの外縁全域から下方(吐出方向)に向けて延びるスペーサ46と、底面40aに形成された溝部48とを有している。また、ノズル部材40は、図2に示すように、ベース部材50に向かって延びる外側係合壁45a及び内側係合壁45bを有している。
ノズル部材40の底面40aは、吐出方向と交差する方向に沿って広がる面であり、液体をスムーズに移動させる観点から、吐出方向に対して傾斜する傾斜面を有することが好ましい。また、傾斜面は、底面40aの径方向中心から径方向外側に向けて傾斜していることが好ましい。本実施形態において、傾斜面は、径方向中心から径方向外側に向けて圧縮方向に漸次傾斜する傾斜面であるが、これに限定されず、径方向中心から径方向外側に向けて吐出方向に漸次傾斜する傾斜面であっても良い。該傾斜面は、本実施形態では湾曲面であり、これにより、底面40aは、吐出方向に凸となるドーム状に形成されている(図5(a)参照)。本実施形態に係る底面40aは、このような傾斜面を形成することにより、溝部48に液体が流れ込みやすいという利点がある。
底面40aの傾斜面は、吐出液の目的形状となる形崩れを防ぐ観点から、ノズル44の吐出口を隠さぬよう、該傾斜面の吐出方向側の端部(下端)がノズル44の吐出口よりも圧縮方向側(上方側)に位置することが好ましい。
溝部48は、図2及び図3(a)に示すように、底面40aに形成された筋状の凹部である。溝部48は、底面40aの傾斜面の下端(吐出方向側の端部)よりも上方側(吐出方向の反対方向側、すなわち圧縮方向側)に位置することが好ましく、本実施形態では、底面40aの径方向外側の縁部(外周縁部)に形成されている。なお、底面40aの傾斜面が圧縮方向に凹となる凹面の場合には、溝部48は、底面40aの径方向中心に形成されることが好ましい。また、オーバーキャップ100を閉じた状態において、後述する凸部150の対向面150aとの間に空間を形成し、オーバーキャップ100の後述する凸部150により押し出された液体を受け入れるよう構成されている。溝部48は、傾斜面に沿って移動する液体をスムーズに受け入れる観点から、傾斜面の径方向外側の縁部(外周縁部)と直接連続していることが好ましい。
本実施形態において、溝部48は、半円弧状の第1溝部48aと、該第1溝部48aに対して対称に配された半円弧状の第2溝部48bとを有しており、全体として、底面40aの外周縁部に沿った略円環状に形成されている。第1溝部48a及び第2溝部48bは、概ね同形同大に形成されており、底面40aの外周縁部に沿って180°位相をずらして形成されている。なお、溝部48は、周方向に2つに分割された溝(第1溝部48a及び第2溝部48b)の構成に限定されず、周方向に連続する単一の溝であっても良いし、周方向に3つ以上に分割された溝の構成であっても良い。また、溝部48は、蓋部120に局所的(例えば指掛け部140側のみ)に設けられても良いし、種々の任意の形状(例えば周方向に円弧状となる形状ではなく、直線状の形状等)を採用しても良い。
溝部48の溝幅は、溝部48に流れ込んだ液体をふき取りやすくする観点から、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましく、また、吐出部20の全体サイズの観点から、10mm以下であることが好ましい。ここで、「溝部48の溝幅」とは、溝部48の延在方向と直交かつ水平な方向(溝幅方向)の長さ(幅)であり、溝部48が底面40aの外周縁と同じ曲率半径で延在する場合には、底面40aの径方向に沿う溝部48の長さ(幅)をいう。
溝部48の溝深さは、液体を流し込みやすくする観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましく、1.5mm以上であることが更に好ましく、また、溝部48に流れ込んだ液体をふき取りやすくする観点から、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることが更に好ましい。ここで、「溝部48の溝深さ」とは、溝部48の延在方向及び溝幅方向の双方と直交する方向(溝の深さ方向)の長さ(深さ)をいう。
溝部48(第1溝部48a及び第2溝部48b)は、径方向内側(ノズル44側)の壁面(内周面)が、径方向外側に向けて溝深さ方向に傾斜するテーパー状に形成されている。このように、溝部48の内周面がテーパー状に形成されることにより、溝部48内に向けた液体の移動を促進させることができるという利点を有する。
ノズル44は、底面40aから吐出方向(下方)に向けて延出する円筒状に形成されており、下端部に形成された円形の吐出口と、上端部から吐出口に亘って延びる内部空間とを有している。各ノズル44の内部空間は、それぞれ、後述する前室40bに連通している。すなわち、本実施形態では、5つのノズル44の内部空間がいずれも、共通の前室40bに連通している。このような構成により、複数のノズル44から液体を吐出することが可能となる。
本実施形態において、ノズル44は、図3(a)に示すように、底面40aの周方向に沿って等間隔に5つ配されており、各ノズル44から同時に容器部10内の液体を吐出可能に構成されている。これにより、ノズル44は、被吐出体上において動植物やキャラクタ等の所定の目的形状(図示の例では花状)となるよう、液体を吐出させることが可能に構成されている。すなわち、このように配置された5つのノズル44によれば、図4に示すように、被吐出体上において液体が花状となるよう、被吐出体に対して液体を吐出することができる。なお、後述するように、ノズル44の数及び配置並びに吐出口の形状は、目的とする液体の形状に応じて任意に変更することが可能である。
ノズル44は、該ノズル44に付着した液体の清掃効率の観点から、平面視(液体の吐出方向と直交する面で見た場合)において、スペーサ46の内面から径方向内側に離間して配置されていることが好ましい。また、ノズル44が複数設けられる場合には、複数のノズル44は、同観点から液体の吐出方向に沿う高さが同じであることが好ましい。ここでいう「同じ」には、完全に同一である場合の他に、全てのノズル44の平均高さに対して各ノズル44の高さが±10%以内である場合も含まれる。
スペーサ46は、図2及び図3(a)に示すように、吐出ヘッド機構20Bが装着機構20Aに最接近した状態(吐出が完了した状態)において、ノズル44と被吐出体との間に所定の間隔を形成するよう構成されている。詳細には、スペーサ46は、液体の吐出時、すなわち、押圧操作によってピストン60が筒状ガイド24内に押し込められ、後述するポンプ機能が作動する際に、ノズル44と被吐出体との間に所定の間隔を形成するよう構成されている。本実施形態において、スペーサ46は、吐出方向に向けて徐々に拡径した裾広がりの形状を有している。なお、本実施形態において、スペーサ46は、ノズル部材40と一体として形成されているが、これに限定されず、ノズル部材40とスペーサ46とは互いに別部材であっても良い。
スペーサ46の吐出方向の高さは、被吐出体上における液体の形崩れを防ぐ観点から、ノズル44の吐出方向の高さの1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、また、10倍以下であることが好ましく、8倍以下であることがより好ましい。また、スペーサ46とノズル44との高低差は、被吐出体上における液体の形崩れを防ぐ観点から、1mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることがより好ましく、2mm以上であることが更に好ましく、また、被吐出体上における液体の形崩れを防ぐこと、及び底面40a及びノズル44に付着した液体をふき取りやすくする観点から、20mm以下であることが好ましく、18mm以下であることがより好ましい。ここで、「スペーサ46の吐出方向の高さ」とは、スペーサ46の基端における底面40aの高さを基準として、該基準からスペーサ46の開放端(下端)までの寸法をいう。また、「ノズル44の吐出方向の高さ」とは、スペーサ46の吐出方向の高さと同じ基準からノズル44の吐出口までの寸法をいう。
スペーサ46には、該スペーサ46の内側の領域と外側の領域とを相互に連通させる連通孔(図示せず)が形成されていても良い。このような連通孔が形成されることにより、押圧操作時に被吐出体によってスペーサ46の開放端全域が密閉された場合であっても、該連通孔を介してスペーサ46の内側の空気を外側に排出することが可能となる。
ベース部材50は、図2に示すように、装着機構20Aのガイド壁22cよりも大きく、かつ、オーバーキャップ装着壁22bよりも小さい径からなる有底筒状に形成されており、その軸方向が液体の吐出方向と略一致するよう配されている。ベース部材50は、装着機構20Aに最接近した状態(吐出が完了した状態)において、装着機構20Aに接触しない程度の軸方向の長さを有している。なお、本実施形態において、ベース部材50は、軸方向と直交する方向の断面形状が円形(すなわち、円筒状)であるが、これに限定されず、種々の形状を採用可能である。
ベース部材50は、径方向の中央部から装着機構20A側に向けて延びる内側筒壁50aと、内側筒壁50aよりも径方向外側において装着機構20A側に向けて延びる外側筒壁50bと、内側筒壁50aの内側領域に形成された貫通孔50cとを有している。
内側筒壁50aは、ピストン60の下端が嵌合可能に構成されている。外側筒壁50bは、吐出ヘッド機構20Bが装着機構20Aに最接近した状態(吐出が完了した状態)において、装着機構20Aのガイド壁22c内に挿入されるよう構成されており、内側筒壁50aの軸方向の長さよりも長く形成されている。貫通孔50cは、ピストン60の内部空間と後述する前室40bとを連通させるよう構成されている。
ベース部材50は、図2に示すように、その下端外周縁がノズル部材40の外側係合壁45a内に嵌入されている。これにより、ノズル部材40は、ベース部材50を介して吐出容器本体2に取り付けられている。ノズル部材40とベース部材50とが相互に結合されている状態では、ノズル部材40の内側係合壁45bの上端がベース部材50の下面に対して当接又は近接しており、これにより、ノズル部材40の上面とベース部材50の下面との間には、内側係合壁45bによって囲まれた前室40bが形成されている。
[オーバーキャップの構成]
オーバーキャップ100は、図1及び図2に示すように、円筒状に形成されたキャップ本体110と、キャップ本体110に対して開閉可能な蓋部120と、キャップ本体110に対して蓋部120を開閉可能に接続するヒンジ部130とを備えており、全体として、上端が開放された有底筒状に形成されている。
オーバーキャップ100の開放側端部100a(キャップ本体110の上端部)は、吐出容器本体2のオーバーキャップ装着壁22bに嵌合可能な形状及び寸法を有している。また、オーバーキャップ100は、吐出容器本体2に装着された状態において、吐出容器本体2の吐出部20全体を覆うことが可能な形状及び内部容積を有し、かつ、蓋部120が吐出部20に接触しない程度の軸方向の長さを有している。オーバーキャップ100の閉塞側端部100b(蓋部120の底面)は、軸方向に直交する方向に延びる平坦面を有しており、該平坦面によって吐出容器1を倒立状態で自立させることが可能に構成されている。
キャップ本体110は、開放側端部100aが吐出容器本体2のオーバーキャップ装着壁22bに対して外嵌することにより装着可能に構成されている。キャップ本体110は、吐出ヘッド機構20Bを上死点まで押し上げることが可能な軸方向の長さを有している。具体的には、キャップ本体110は、吐出ヘッド機構20Bが装着機構20Aに最接近した状態(吐出が完了した状態)において、その下端がスペーサ46の下端縁よりも上方(圧縮方向側)に位置するような軸方向の長さを有している。
蓋部120は、図3(b)及び図5に示すように、キャップ本体110の下端を閉塞可能な略円盤状に形成されており、ヒンジ部130により、キャップ本体110に連結されている。そして、蓋部120は、該ヒンジ部130を中心としてキャップ本体110に対して回動することで、オーバーキャップ100を開閉させるよう構成されている。このように、本実施形態に係るオーバーキャップ100は、キャップ本体110と蓋部120とがヒンジ部130を介して連結されているため、蓋部120の落下や紛失を防ぐことができる。
蓋部120は、ノズル44を覆うようキャップ本体110に対して閉じられた閉じ状態において、ノズル部材40の底面40aに向けて突出する円柱状の凸部150を有している。蓋部120の凸部150及びノズル部材40の底面40aは、オーバーキャップ100の閉じ状態において底面40a又はノズル44に付着した液体を溝部48に向けて移動させることが可能な形状を有している。
具体的には、凸部150は、ノズル部材40の底面40aと対向する対向面150aを有しており、該対向面150aは、ノズル部材40の底面40aに沿った形状を有している。より具体的には、凸部150の対向面150aは、ノズル部材40の底面40aが平坦面である場合には平坦な形状に形成され、ノズル部材40の底面40aが吐出方向に凸となる形状である場合には該凸に対応する凹状に形成され、ノズル部材40の底面40aが圧縮方向に凹となる形状である場合には該凹に対応する凸状に形成される。本実施形態では、ノズル部材40の底面40aが吐出方向に凸となるドーム状に形成されているため、凸部150の対向面150aは、吐出方向に凹となる湾曲凹状(すり鉢状)に形成されている。対向面150aは、底面40aの溝部48を覆うことが可能な大きさを有することが好ましく、底面40aに比べて大きく形成されることがより好ましい。これにより、液体が溝部48に移動しやすくなるという利点がある。
また、凸部150の対向面150aには、図3(b)に示すように、ノズル44と整合する位置に、該ノズル44に付着した液体を移動させるためのノズル収納空間152が形成されている。ノズル収納空間152は、ノズル44を挿脱可能な大きさ及び形状を有している。本実施形態では、ノズル44は5つ配されているため、これに対応させてノズル収納空間152も5つ形成されている。これにより、ノズル44周りについた液体を掻き取って底面40aに移動させることができる。
ノズル収納空間152は、ノズル44の外径よりも僅かに大きい内径を有している。ノズル44の外径とノズル収納空間152の内径との差(クリアランス)は、ノズル収納空間152に対するノズル44の挿脱をスムーズにする観点から、0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上が更に好ましく、また、ノズル44の周面に付着した液体を溝部48に向けて押し流し易くする観点から、2mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1mm以下が更に好ましい
凸部150は、キャップ本体110に対して閉じられた閉じ状態において、対向面150aがノズル部材40の底面40aに対して略密着するような突出方向の長さを有している。ここで、略密着とは、隙間無く完全に密着している状態だけではなく、液体を押し流せる程度の隙間(クリアランス)が形成された状態を含むことを意味している。
閉じ状態における凸部150の対向面150aとノズル部材40の底面40aとの隙間(クリアランス)は、液体を流し込みやすくする観点から、0mm以上が好ましく、0.01mm以上がより好ましく、0.02mm以上が更に好ましく、また、液体の残存を少なくする観点から、1.5mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましく、0.5mm以下が更に好ましい。
このように、本実施形態に係る凸部150は、ノズル部材40の底面40aに対応した形状を有する対向面150aを該底面40aに対して略密着させることにより、キャップ本体110に対して蓋部120を閉じる度に、底面40aに付着した液体を溝部48に向けて移動させる(押し流す)ことができる。また、本実施形態に係る凸部150は、ノズル44を収納可能なノズル収納空間152を有することにより、キャップ本体110に対して蓋部120を閉じる度に、ノズル44に付着した液体についても溝部48に向けて移動させる(押し流す)ことができる。
また、蓋部120は、その周縁の一部に、径方向外側に突出する指掛け部140を有している。この指掛け部140は、キャップ本体110に対して蓋部120を開閉させる際の操作部として機能し、これにより、例えば片手で蓋部120の開閉を行うことが可能となる。
ヒンジ部130は、図2に示すように、キャップ本体110の下端における周方向の一部設けられている。ヒンジ部130は、キャップ本体110及び蓋部120よりも肉薄に形成された肉薄部であり、押圧操作を干渉しない角度まで蓋部120を回動させることが可能な可撓性を有している。なお、ヒンジ部130は、周方向に沿って複数に分断されていても良い。また、ヒンジ部130は、肉薄部の構成に限定されず、キャップ本体110と蓋部120とを回転軸を介して連結させる構成等の種々の構成を採用可能である。さらに、オーバーキャップ100は、蓋部120が開いた状態を維持するための構造を有することが好ましく、例えば、押圧操作を干渉しない角度まで蓋部120を回動させた際にキャップ本体110に係合し、該蓋部120の閉じ方向の回動を規制する係合手段等の種々の構成を採用可能である。
[吐出容器の使用方法]
次に、本実施形態に係る吐出容器1の使用方法について、説明する。
まず、使用者は、吐出容器本体2を正立状態で把持した状態において、蓋部120の指掛け部140に指を引っ掛ける等して蓋部120をキャップ本体110に対して回動させることで、オーバーキャップ100を開き状態とし、図5(a)に示すように、吐出容器本体2の吐出部20を露出させる。この蓋部120の開閉操作は、片手で行っても良いし、両手で行っても良い。
そして、このように吐出部20が露出された状態において、吐出容器1を倒立状態にし、ヘッドキャップ30を被吐出体(例えば手の平6)に押し付ける押圧操作が行われる。この押圧操作は、片手で行うことができる。なお、押圧操作は、吐出容器本体2を倒立状態にして行っても良いし、正立状態や横向き状態等の他の向きで行っても良い。
ヘッドキャップ30の押圧操作は、ノズル44の吐出口から液体をスムーズに吐出させ、被吐出体(手の平6)上に安定して特定形状の液体を好適に形成する観点から、30mm/sの速度でヘッドキャップ30を押し付ける際の押圧力が、1N以上であることが好ましく、5N以上であることが更に好ましく、また、40N以下であることが好ましく、35N以下であることが更に好ましい。
そして、このような押圧操作により、ピストン付勢手段25が圧縮され、ピストン60が筒状ガイド24内に押し込められるため、既知のポンプ機能により、容器部10内の液体が、ディップチューブ26、筒状ガイド24、ピストン60、ベース部材50の貫通孔50c、前室40b及び各ノズル44の内部空間を介して、複数のノズル44の各吐出口から同時に吐出される。この際、各ノズル44の吐出口が底面40aから離れた位置にあり、かつ、スペーサ46によって各ノズル44の吐出口と被吐出体(手の平6)との間に所定の間隔が形成されているため、吐出された液体の形崩れを防ぐことができる。このようにして、吐出容器本体2によれば、図4に示すように、被吐出体(手の平6)上において動植物やキャラクタ等の所定の目的形状(図示の例では花状)となるよう、液体(花状の液体8)を吐出させることが可能となる。
吐出容器本体2による液体の吐出が完了した後、押圧操作を解除すると、吐出部20は、図5(a)に示すように、ピストン付勢手段25の付勢力によって上死点位置に復帰する。そして、吐出容器1を正立状態に戻し、図5(b)に示すように、オーバーキャップ100の蓋部120を閉じることで、ノズル44や底面40aに付着している液体が、蓋部120の凸部150の対向面150aにより、溝部48に押し込まれる。なお、蓋部120の閉じ操作は、倒立状態において行っても良いが、正立状態において行う方が液体の流れ易さの観点から好ましい。
以上説明したとおり、本実施形態に係る吐出容器1は、吐出部20が、オーバーキャップ100に対向する底面40aと、底面40aから液体の吐出方向に沿って延び、容器部10内の液体を吐出可能なノズル44と、底面40aに形成された溝部48と、ノズル44と被吐出体との間に所定の間隔を形成するスペーサ46とを備え、オーバーキャップ100が、ノズル44を覆う閉じ状態において吐出部20の底面40aに向けて突出する凸部150を有し、凸部150及び底面40aが、閉じ状態において底面40a又はノズル44に付着した液体を溝部48に向けて移動させることが可能な形状を有している。
このような本実施形態に係る吐出容器1によれば、上述したとおり、吐出容器本体2の使用後に蓋部120を閉じるだけで、底面40aやノズル44に付着した液体を溝部48に移動させることができる。特に、本実施形態に係る溝部48は、ノズル44側の壁面がテーパー状に形成されているため、液体が溝部48に流れ込みやすい。そして、この状態において溝部48に溜まった液体を、綿棒やティッシュ等によって容易に拭き取ることができる。なお、溝部48に溜まった液体を拭き取るタイミングについては、特に制限は無く、例えば、使用後に蓋部120を閉じた直後に再度開けて拭く場合や、次回の使用時に拭く場合や、液体の付着が気になった場合等の任意のタイミングで行うことが可能である。
このように、本実施形態に係る吐出容器1によれば、底面40aやノズル44に付着した液体の清掃効率を向上させることが可能となり、これにより、新たに吐出される液体の形崩れを抑制することが可能となると共に、衛生的にも望ましいものとなる。また、オーバーキャップ100を外した状態おいて、ポンプの付け替えや、液体の詰め替えが容易となるという利点もある。
以上、本発明の好適な実施形態を例示して説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
[変形例1]
例えば、上述した実施形態では、オーバーキャップ100がヒンジ部130により蓋部120を開閉させることが可能なヒンジ付きキャップであるものとして説明したが、これに限定されるものではない。オーバーキャップ100は、例えば図6に示すように、吐出容器本体2に対して全体が着脱される有底円筒状の着脱式オーバーキャップ200としても良い。
[変形例2]
また、上述した実施形態では、吐出容器本体2が、被吐出体に対して押し付ける押圧操作に応じて液体を吐出するポンプ式の液体吐出容器であるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、使用者の圧搾操作により液体を吐出する圧搾式の液体吐出容器等、種々の態様の液体吐出容器を採用することが可能である。このような圧搾式の液吐出容器としては、例えば図7及び図8に示すように、圧搾可能な可撓性を有する袋状の容器部310を有するチューブ容器300が例示される。このような圧搾式の液吐出容器によれば、構造を簡素化することが可能となるため、製造コストを抑えることできるという利点がある。
なお、このような圧搾式の液吐出容器においては、上述した吐出ヘッド機構20Bのような可動部を設ける必要がないため、ヒンジ付きオーバーキャップ320のキャップ本体322に、ノズル324を一体として設けてもよい。このように、キャップ本体322にノズル324を一体として設ける構成とすることで、部材点数を削減することが可能となるため、製造コストを抑えることできるという利点がある。
[変形例3]
さらに、上述した実施形態では、底面40aが傾斜面を形成するものとして説明したが、これに限定されず、例えば図8に示すように、底面320aは、吐出方向に直交する方向に延びる平坦面であっても良い。
[他の代替例]
例えば、上述した実施形態では、吐出容器本体2から非泡状の液体が吐出されるものとして説明したが、これに限定されず、泡が吐出される構成としても良い。このような構成は、吐出部20に種々の公知のフォーマー機構を採用することで実現することが可能である。この場合において、液体は、目的に応じた任意の液体とすることが可能であり、例えば、ハンドソープ、洗顔料、クレンジング剤、食器用洗剤、整髪料、ボディソープ、髭剃り用クリーム、ファンデーションや美容液等の肌用化粧料、染毛剤、消毒薬、パン等の食品に塗布するクリーム、住居用洗剤、除菌剤、部分洗い用等の衣料用洗剤等、泡状で用いられる種々のものを例示することができる。
上述した実施形態では、閉塞側端部100b(蓋部120の底面)が平坦面であり、吐出容器1を倒立状態で自立可能な構成としたが、これに限定されず、容器部10の上面部16が平坦面に形成され、吐出容器1を正立状態で自立可能な構成としても良いし、これら双方の構成を採用し、倒立状態及び正立状態のいずれでも自立可能な構成としても良い。また、自立する構成に限定されず、自立しない構成(例えば底面が下方に向かう半円球状に形成される構成、チューブ状の構成等)であっても良い。
上述した実施形態では、容器部10がデラミ容器であるものとして説明したが、これに限定されず、容器部10は、単層構造の容器や所謂ポップル容器等の種々の構成を採用可能である。
上述した実施形態では、円形の吐出口を有するノズル44が複数設けられるものとして説明したが、これに限定されず、ノズル44の数及び配置並びに吐出口の形状は、目的とする液体の形状に応じて任意に変更することが可能である。例えば、特定の形状からなる吐出口を有する単数のノズルであっても良い。また、例えば、ノズル44の吐出口の形状を、被吐出体上において目的形状(例えば花状)となるよう液体を吐出可能な一続きの孔形状とし、一つのノズル44から液体を吐出する構成としても良い。
上述した実施形態では、ヘッドキャップ30がベース部材50及びノズル部材40の二部材から構成されるものとして説明したが、これに限定されず、前室40b内部に形成された単一部材であっても良い。
上述した実施形態では、オーバーキャップ100が吐出容器本体2のオーバーキャップ装着壁22bに取り付けられるものとして説明したが、これに限定されず、吐出部20の他の部位に取り付けられる構成や、容器部10に取り付けられる構成等、種々の構成を採用可能である。また、オーバーキャップ100によって吐出部20全体を覆う構成に限定されず、例えば皿状に形成されたキャップとし、該キャップをノズル部材40の底面40aにのみ取り付ける構成とすることも可能である。なお、この場合には、皿状のキャップの内面に、上述した凸部150を形成することができる。
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 :吐出容器
2 :吐出容器本体
6 :手の平(被吐出体)
8 :液体
10 :容器部
10A :外殻
10B :内袋
12 :胴部
14 :口部
16 :上面部
18 :空気導入孔
20 :吐出部
20A :装着機構
20B :吐出ヘッド機構
22 :装着部
22a :ねじ溝形成壁
22b :オーバーキャップ装着壁
22c :ガイド壁
22d :筒状ガイド支持部
23 :ピストン挿通孔
24 :筒状ガイド
24a :段差部
25 :ピストン付勢手段
26 :ディップチューブ
30 :ヘッドキャップ
40 :ノズル部材
40a :底面
40b :前室
44 :ノズル
45a :外側係合壁
45b :内側係合壁
46 :スペーサ
48 :溝部
48a :第1溝部
48b :第2溝部
50 :ベース部材
50a :内側筒壁
50b :外側筒壁
50c :貫通孔
60 :ピストン
100 :オーバーキャップ
100a :開放側端部
100b :閉塞側端部
110 :キャップ本体
120 :蓋部
130 :ヒンジ部
140 :指掛け部
150 :凸部
150a :対向面
152 :ノズル収納空間
200 :着脱式オーバーキャップ
300 :チューブ容器
310 :容器部
320 :ヒンジ付きオーバーキャップ
320a :底面
322 :キャップ本体
324 :ノズル

Claims (11)

  1. 液体を収容する容器部と、前記容器部内の液体を被吐出体に向けて吐出するノズルを有する吐出部と、少なくとも前記吐出部の前記ノズルを覆うキャップとを備える吐出容器であって、
    前記吐出部は、前記キャップに対向する底面と、前記底面から液体の吐出方向に沿って延び、前記容器部内の液体を吐出可能な前記ノズルと、前記底面に形成された溝部と、前記ノズルと被吐出体との間に所定の間隔を形成するスペーサとを備え、
    前記キャップは、前記ノズルを覆う閉じ状態において前記吐出部の前記底面に向けて突出する凸部を有し、
    前記凸部及び前記底面は、前記閉じ状態において前記底面又は前記ノズルに付着した液体を前記溝部に向けて移動させることが可能な形状を有している、吐出容器。
  2. 前記底面は、前記吐出方向に対して傾斜する傾斜面を有する、請求項1に記載の吐出容器。
  3. 前記傾斜面は、前記底面の径方向中心から径方向外側に向けて傾斜している、請求項2に記載の吐出容器。
  4. 前記溝部は、前記傾斜面の前記吐出方向側の端部よりも該吐出方向の反対方向側に位置している、請求項3に記載の吐出容器。
  5. 前記溝部は、前記底面の外周縁部に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吐出容器。
  6. 前記凸部は、前記底面と対向する対向面を有しており、該対向面は、前記底面に沿った形状を有している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吐出容器。
  7. 前記凸部の前記対向面には、前記ノズルと整合する位置にノズル収納空間が形成されている、請求項6に記載の吐出容器。
  8. 前記ノズルは、複数設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吐出容器。
  9. 前記ノズルは、所定の形状に形成された吐出口を有している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吐出容器。
  10. 前記キャップは、前記容器部又は前記吐出部に取り付けられるキャップ本体と、前記凸部を有する蓋部と、前記キャップ本体に対して前記蓋部を開閉可能に接続するヒンジ部とを備えている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吐出容器。
  11. 前記吐出部は、被吐出体に対して非泡状の液体を吐出するよう構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吐出容器。
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