JP2021093046A - 運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行状態(例えば、車速)に応じて車両から比較的遠距離にある物体を検出する必要があるか否かを推定し、ライダー装置の照射光の強度を変更することが可能な運転支援装置を提供する。【解決手段】車両に搭載された光学センサは、車両の周辺における所定の放射範囲に照射光を放射するとともに当該照射光が物体に反射した光を受光することにより、放射範囲内に存在する物体に関する情報である物標情報を取得する。制御装置は、運転支援制御の実行が要求されている状況において、車速SPDが閾値Vthより小さい場合、光学センサにおける照射光の強度を、車速が閾値以上である場合に比べて低くなるように設定する。【選択図】図2
Description
本発明は、運転支援装置に関する。
従来から、車両周辺センサを用いて車両の周辺の状況に関する情報(車両周辺情報)を取得し、当該車両周辺情報に基いて車両の運転を支援する運転支援制御を実行する制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。例えば、車両周辺センサとして、ライダー装置(LiDAR:Light Detection and Ranging)等の光学センサが用いられる。
ライダー装置は、光(以下、「照射光」と称呼する。)を照射し、その照射光が物体にて反射した光(以下、「反射光」と称呼する。)を受け取り、その物体についての各種情報(例えば、ライダー装置と物体との間の距離及びライダー装置に対する物体の位置等)を演算する。ライダー装置によって遠距離にある物体を検出するためには、照射光の強度を強くする必要がある。しかし、照射光の強度を強くした場合、その照射光を受ける物体(被照射体)に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、本発明の目的の一つは、車両の走行状態(例えば、車速)に応じて車両から比較的遠距離にある物体を検出する必要があるか否かを推定し、ライダー装置の照射光の強度を変更することが可能な運転支援装置を提供することである。
本発明の運転支援装置は、
車両に搭載された光学センサであって、前記車両の周辺における所定の放射範囲に照射光を放射するとともに当該照射光が物体に反射した光を受光することにより、前記放射範囲内に存在する前記物体に関する情報である物標情報を取得する光学センサ(41)と、
前記物標情報に基いて前記車両の運転を支援する運転支援制御を実行する運転支援制御部(10)と、
前記車両の車速(SPD)を検出する車速センサ(51)と、
前記運転支援制御の実行が要求されている状況において前記車速(SPD)が所定の閾値(Vth)より小さいか否かを判定し(ステップ204)、前記車速が前記閾値より小さい場合、前記照射光の強度を、前記車速が前記閾値以上である場合に比べて低くなるように設定する(ステップ207)制御装置(41c、10)と、
を備える。
車両に搭載された光学センサであって、前記車両の周辺における所定の放射範囲に照射光を放射するとともに当該照射光が物体に反射した光を受光することにより、前記放射範囲内に存在する前記物体に関する情報である物標情報を取得する光学センサ(41)と、
前記物標情報に基いて前記車両の運転を支援する運転支援制御を実行する運転支援制御部(10)と、
前記車両の車速(SPD)を検出する車速センサ(51)と、
前記運転支援制御の実行が要求されている状況において前記車速(SPD)が所定の閾値(Vth)より小さいか否かを判定し(ステップ204)、前記車速が前記閾値より小さい場合、前記照射光の強度を、前記車速が前記閾値以上である場合に比べて低くなるように設定する(ステップ207)制御装置(41c、10)と、
を備える。
例えば、車両が低速で走行している或いは停止している状況では、車両の近傍に存在する物体が検出されればよく、車両から遠くに離れた物体を検出する必要性が低い。上記の構成によれば、運転支援装置は、車速が閾値より小さい場合、光学センサにおける照射光の強度を、車速が閾値以上である場合に比べて低くなるように設定する。このように、運転支援装置は、車両の走行状態(車速)に応じて車両から比較的遠距離にある物体を検出する必要があるか否かを推定し、光学センサにおける照射光の強度を変更できる。これにより、照射光を受ける物体(被照射体)に悪影響を及ぼす可能性を低減できる。
<構成>
運転支援装置は、車両に適用される。図1に示すように、運転支援装置は、運転支援ECU10、エンジンECU20、及び、ブレーキECU30を備えている。これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、CAN(Controller Area Network)90を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。なお、上述のECUのうちの2以上のECUが、1つのECUに統合されてもよい。
運転支援装置は、車両に適用される。図1に示すように、運転支援装置は、運転支援ECU10、エンジンECU20、及び、ブレーキECU30を備えている。これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、CAN(Controller Area Network)90を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。なお、上述のECUのうちの2以上のECUが、1つのECUに統合されてもよい。
本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、RAM、ROM及びインターフェース(I/F)等を含む。例えば、運転支援ECU10は、CPU10a、RAM10b、ROM10c及びインターフェース(I/F)10d等を含む。CPU10aは、ROM10cに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。
運転支援ECU10は、以下に列挙するスイッチ及びセンサと接続されていて、それらのセンサの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。なお、各センサは、運転支援ECU10以外のECUに接続されていてもよい。その場合、運転支援ECU10は、センサが接続されたECUからCAN90を介してそのセンサの検出信号又は出力信号を受信する。
運転支援スイッチ41は、追従車間距離制御を開始/終了させるときに運転者によって操作されるスイッチである。追従車間距離制御は、「アダプティブ・クルーズ・コントロール(Adaptive Cruise Control)」と称呼される場合がある。以降において、追従車間距離制御を単に「ACC」と称呼する。
車速センサ42は、車両の走行速度(車速)を検出し、車速SPDを表す信号を出力する。
車両周辺センサ50は、車両の周辺の状況を検出するセンサである。車両周辺センサ50は、車両の周囲の道路(例えば、車両が走行している走行レーン)に関する情報、及び、その道路に存在する立体物に関する情報を取得するようになっている。立体物は、例えば、自動車、歩行者及び自転車などの移動物、並びに、ガードレール及びフェンスなどの固定物を表す。以下、これらの立体物は「物標」と称呼される。車両周辺センサ50は、ライダー装置(光学センサ)51及びカメラセンサ52を備えている。
ライダー装置51は、光学モジュール51a、ヒータ51b、及び、制御部51cを備えている。光学モジュール51aは、照射光(レーザ光)を所定の放射範囲に放射する光放射部、及び、放射範囲内に存在する物標により反射された反射光を受光する受光部を備えている。ヒータ51bは、照射光及び反射光が透過する光学面を加熱する。更に、ヒータ51bは、光学面割れを検出するためにも用いられる。
制御部51cは、上述のマイクロコンピュータを含む。制御部51cは、物標の有無及び車両と物標との関係を表す情報(即ち、車両と物標との距離、車両に対する物標の位置(方向)、及び、車両に対する物標の相対速度等)を演算する。なお、ライダー装置51によって取得された「車両と物標との関係を表す情報」は「物標情報」と称呼される。
更に、制御部51cは、ヒータ51bを制御するとともに、ヒータ51bの故障検出によって光学面割れを検出することができる。加えて、制御部51cは、光学モジュール51aを制御することにより、照射光の強度を制御(調整)できる。制御部51cは、照射光の強度を、第1モード及び第2モードの何れかに設定する。第1モードは、照射光の強度が高いモードであり、「高出力モード」とも称呼される。第2モードは、第1モードに比べて照射光の強度が低いモードであり、「低出力モード」とも称呼される。
カメラセンサ52は、車両の前方の風景を撮影して画像データを取得する。カメラセンサ52は、その画像データに基いて、道路(車両が走行している走行レーン)の左右の区画線を認識し、道路の形状(例えば、道路の曲率)、及び、車両と道路との位置関係(例えば、左側の区画線又は右側の区画線から車両の車幅方向の中心位置までの距離)を演算する。道路の形状及び車両と道路との位置関係等を含む情報は「車線情報」と称呼される。更に、カメラセンサ52は、画像データに基いて、物標の有無を判定し、物標情報を演算するように構成される。
車両周辺センサ50は、「物標情報」及び「車線情報」を含む車両の周辺状況に関する情報を、「車両周辺情報」として運転支援ECU10に出力する。
エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21に接続されている。エンジンアクチュエータ21は、内燃機関22のスロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を駆動することによって、内燃機関22が発生する駆動力(駆動トルク)を変更することができる。内燃機関22が発生する駆動力は、図示しない駆動力伝達機構を介して駆動輪に伝達される。従って、エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を制御することによって、車両の駆動力を制御し加速状態(加速度)を変更することができる。なお、内燃機関22に代えて又は加えて、車両駆動源として電動機が使用されてもよい。
ブレーキECU30は、油圧制御アクチュエータであるブレーキアクチュエータ31に接続されている。ブレーキアクチュエータ31は、油圧回路を含む。油圧回路は、マスタシリンダ、制動液が流れる流路、複数の弁、ポンプ及びポンプを駆動するモータ等を含む。車輪に対する制動力(制動トルク)は、ブレーキアクチュエータ31によって制御される。ブレーキアクチュエータ31は、ブレーキECU30からの指示に応じて、ブレーキ機構32に内蔵されたホイールシリンダに供給する油圧を調整する。その油圧により、ホイールシリンダは、車輪に対する摩擦制動力を発生させる。従って、ブレーキECU30は、ブレーキアクチュエータ31を制御することによって、車両の制動力を制御し加速状態(減速度、即ち、負の加速度)を変更することができる。
<ACCの概要>
運転支援ECU10は、運転支援制御としてACCを実行できるようになっている。ACC自体は周知である(例えば、特開2014−148293号公報、特開2006−315491号公報、及び、特許第4172434号明細書等を参照。)。
運転支援ECU10は、運転支援制御としてACCを実行できるようになっている。ACC自体は周知である(例えば、特開2014−148293号公報、特開2006−315491号公報、及び、特許第4172434号明細書等を参照。)。
ACCは、定速走行制御と先行車追従制御の2種類の制御を含む。定速走行制御は、アクセルペダル及びブレーキペダルの操作を要することなく、車両の走行速度を目標速度(設定速度)Vsetと一致させるように車両の加速度を調整する制御である。先行車追従制御は、物標情報に基いて、車両の直前を走行している先行車と車両との車間距離を目標車間距離Dsetに維持しながら先行車に対して車両を追従させる制御である。
運転支援ECU10は、運転支援スイッチ41がオフ状態からオン状態に切り替えられると、ACCを開始する(制御オン状態にする)。運転支援ECU10は、運転支援スイッチ41がオン状態からオフ状態に切り替えられると、ACCを終了させる(制御オフ状態にする)。なお、運転支援ECU10は、ACCの継続が困難であるシステム異常を検知した場合にも、ACCを終了させる(制御オフ状態にする)。
なお、運転支援ECU10は、運転支援スイッチ41がオフ状態に切り替えられた場合、又は、ACCの継続が困難であるシステム異常を検知したことによって制御オフ状態に移行する場合において、運転操作を運転支援制御(ACC)から運転者の手動運転へ移行させるための移行期間を設ける。移行期間は、運転操作を運転者へ引き継ぐのに十分な時間に設定される。運転支援ECU10は、移行期間において物標情報に基いて車両の周辺の物標を検出する。運転支援ECU10は、移行期間においてACCを継続し、移行期間が終了した時点にてACCを終了させる。なお、運転支援ECU10は、移行期間において物標の存在を図示しない報知装置(ディスプレイ及びスピーカ等)を介して通知してもよい。
運転支援ECU10がACCを開始すると(運転支援スイッチ41がオン状態になると)、運転支援ECU10は、物標情報に基いて、車両の前方(直前)を走行し且つ車両が追従するべき車両(即ち、追従対象車両)が存在しているか否かを判定する。
運転支援ECU10は、追従対象車両が存在しない場合、定速走行制御を実行する。運転支援ECU10は、車両の車速SPDが目標速度Vsetに一致するように、エンジンECU20を用いてエンジンアクチュエータ21を制御して駆動力を制御するとともに、必要に応じてブレーキECU30を用いてブレーキアクチュエータ31を制御して制動力を制御する。
これに対し、追従対象車両が存在する場合、運転支援ECU10は、先行車追従制御を実行する。運転支援ECU10は、目標車間時間Ttgtに車速SPDを乗じることにより、目標車間距離Dsetを演算する。目標車間時間Ttgtは、図示省略の車間時間スイッチを用いて設定される。運転支援ECU10は、車両と追従対象車両との間の車間距離が目標車間距離Dsetに一致するように、エンジンECU20を用いてエンジンアクチュエータ21を制御して駆動力を制御するとともに、必要に応じてブレーキECU30を用いてブレーキアクチュエータ31を制御して制動力を制御する。
<作動の概要>
上述したようにライダー装置51の照射光の強度を強くした場合、その照射光を受ける物体(被照射体)に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、ライダー装置51の制御部51cは、ACCの実行が要求されている(即ち、運転支援スイッチ41がオン状態である)状況において、車速SPDが所定の閾値Vthより小さいか否かを判定する。車速SPDが閾値Vthより小さい場合、例えば、車両が停止している又は渋滞等により低速で走行していると考えられる。このような状況では、車両の近傍の物標(例えば、車両の直前の追従対象車両)が検出されればよく、車両から遠くに離れた物標を検出する必要性が低い。従って、照射光の強度を低く設定したとしても、運転支援制御(ACC)への影響は小さいと考えられる。
上述したようにライダー装置51の照射光の強度を強くした場合、その照射光を受ける物体(被照射体)に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、ライダー装置51の制御部51cは、ACCの実行が要求されている(即ち、運転支援スイッチ41がオン状態である)状況において、車速SPDが所定の閾値Vthより小さいか否かを判定する。車速SPDが閾値Vthより小さい場合、例えば、車両が停止している又は渋滞等により低速で走行していると考えられる。このような状況では、車両の近傍の物標(例えば、車両の直前の追従対象車両)が検出されればよく、車両から遠くに離れた物標を検出する必要性が低い。従って、照射光の強度を低く設定したとしても、運転支援制御(ACC)への影響は小さいと考えられる。
従って、制御部51cは、車速SPDが所定の閾値Vthより小さい場合、照射光の強度を第2モード(低出力モード)に設定する。これにより、照射光を受ける物体(被照射体)に悪影響を及ぼす可能性を低減できる。
一方で、制御部51cは、車速SPDが所定の閾値Vth以上である場合、照射光の強度を第1モード(高出力モード)に設定する。このように、本実施形態によれば、車両から比較的遠距離にある物標の物標情報が必要であると考えられる状況でのみ照射光の強度を強くすることができる。
<具体的作動>
次に、制御部51cのマイクロコンピュータのCPU(単に「CPU」と称呼する。)の作動について説明する。CPUは、所定時間が経過する毎に図2にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
次に、制御部51cのマイクロコンピュータのCPU(単に「CPU」と称呼する。)の作動について説明する。CPUは、所定時間が経過する毎に図2にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
なお、CPUは、図示しないルーチンを所定時間が経過する毎に実行することにより、運転支援ECU10と通信するとともに、運転支援ECU10から車速センサフラグX1及び車速SPDに関する情報を取得するようになっている。車速センサフラグX1は、その値が「1」であるとき現時点にて運転支援ECU10が車速センサ42から車速SPDの情報を取得できていることを示し、その値が「0」であるとき現時点にて運転支援ECU10が車速センサ42から車速SPDの情報を取得できなかったことを示す。
所定のタイミングになると、CPUは、ステップ200から図2のルーチンを開始してステップ201に進み、現時点においてACCの実行が要求されているか否かを判定する。本例において、CPUは、運転支援スイッチ41がオン状態であり、且つ、ACCの継続が困難であるシステム異常が発生していないかを判定する。いま、運転支援スイッチ41がオン状態であり、運転者がACCの実行を要求していると仮定する。更に、システム異常が発生していないと仮定する。この場合、CPUは、ステップ201にて「Yes」と判定してステップ202に進み、ヒータ51bが正常に動作しているが否かを判定する。
ヒータ51bが正常に動作していない(即ち、ヒータ51bが故障した)ことを検出した場合、CPUは、光学面割れが生じたと判定する。従って、CPUは、ステップ202にて「No」と判定してステップ210に進み、光学モジュール51aからの照射光の出力を停止する。その後、CPUは、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。このように、ヒータ51bの故障により光学面割れを検知したときは、照射光の出力が停止される。
ヒータ51bが正常に動作している場合、CPUは、ステップ202にて「Yes」と判定してステップ203に進み、以下の条件A1及び条件A2の両方が成立するか否かを判定する。
(条件A1):CPUが運転支援ECU10と通信できている。
(条件A2):車速センサフラグX1の値が「1」である。
(条件A1):CPUが運転支援ECU10と通信できている。
(条件A2):車速センサフラグX1の値が「1」である。
いま、条件A1及び条件A2の両方が成立するすると仮定すると、CPUは、ステップ203にて「Yes」と判定してステップ204に進み、車速SPDが閾値Vth以上であるか否かを判定する。車速SPDが閾値Vth以上である場合、CPUは、ステップ204にて「Yes」と判定してステップ205に進み、照射光の強度を第1モード(高出力モード)に設定する。その後、CPUは、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、車速SPDが閾値Vthよりも小さい場合、CPUは、ステップ204にて「No」と判定してステップ207に進み、照射光の強度を第2モード(低出力モード)に設定する。その後、CPUは、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
なお、ステップ203にて条件A1及び条件A2の少なくとも一方が成立しない場合、CPUは、ステップ203にて「No」と判定してステップ207に進み、照射光の強度を第2モード(低出力モード)に設定する。その後、CPUは、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
運転者が運転支援スイッチ41をオン状態からオフ状態に切り替えたと仮定する。この場合、CPUが再び図2のルーチンをステップ200から開始すると、ステップ201にて「No」と判定してステップ206に進む。なお、CPUは、システム異常を検知した場合においても、ステップ201にて「No」と判定してステップ206に進む。この際、CPUは、ACCの継続が困難であることから、運転支援スイッチ41をオン状態からオフ状態に切り替える。
ステップ206にて、CPUは、所定の条件が成立するか否かを判定する。所定の条件は、以下の条件B1及び条件B2の両方が成立したときに成立する。
(条件B1):現在、移行期間中である(即ち、現時点が、運転者が運転支援スイッチ41をオン状態からオフ状態に変更した直後の時点、又は、ACCの継続が困難であるシステム異常を検知した直後の時点であり、ACCから手動運転への移行期間中である)。
(条件B2):運転者が運転支援スイッチ41をオン状態からオフ状態に切り替えた時点又はシステム異常を検知した時点にて、照射光の強度が第1モード(高出力モード)であった。
(条件B1):現在、移行期間中である(即ち、現時点が、運転者が運転支援スイッチ41をオン状態からオフ状態に変更した直後の時点、又は、ACCの継続が困難であるシステム異常を検知した直後の時点であり、ACCから手動運転への移行期間中である)。
(条件B2):運転者が運転支援スイッチ41をオン状態からオフ状態に切り替えた時点又はシステム異常を検知した時点にて、照射光の強度が第1モード(高出力モード)であった。
条件B1及び条件B2の両方が成立する場合、CPUは、ステップ206にて「Yes」と判定してステップ205に進み、照射光の強度を第1モード(高出力モード)に設定する。その後、CPUは、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。この構成によれば、運転者の手動運転への移行が完了するまでの期間(即ち、移行期間中)においては、照射光の強度が第1モードに維持される。従って、移行期間中においては、車両から比較的遠距離にある物標をも検出できる。その結果、移行期間中の安全性を高めることができる。
条件B1及び条件B2の少なくとも一方が成立しない場合、CPUは、ステップ206にて「No」と判定してステップ207に進み、照射光の強度を第2モード(低出力モード)に設定する。その後、CPUは、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
本実施形態によれば、車速SPDが低いことから、車両から遠くに離れた物標を検出する必要性が低い状況においては、照射光の強度が第2モード(低出力モード)に設定される。これにより、車両の周囲の物標に対する検出能力を維持しながらも、照射光を受ける物体(被照射体)に悪影響を及ぼす可能性を低減できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
(変形例1)
本発明は、物標情報に基いて車両の運転を支援する他の運転支援制御に適用されてもよい。例えば、運転支援ECU10は、運転支援制御の一態様として「車線維持制御」を実行可能に構成されてもよい。車線維持制御は、「レーン・キーピング・アシスト(Lane Keeping Assist)」又は「レーン・トレーシング・アシスト(Lane Tracing Assist)」と称呼される場合がある。車線維持制御は、追従対象車両の走行軌跡及び/又は白線を活用して、車両を走行レーン内の目標ラインに沿って走行させるように操舵角を変更する制御である。
本発明は、物標情報に基いて車両の運転を支援する他の運転支援制御に適用されてもよい。例えば、運転支援ECU10は、運転支援制御の一態様として「車線維持制御」を実行可能に構成されてもよい。車線維持制御は、「レーン・キーピング・アシスト(Lane Keeping Assist)」又は「レーン・トレーシング・アシスト(Lane Tracing Assist)」と称呼される場合がある。車線維持制御は、追従対象車両の走行軌跡及び/又は白線を活用して、車両を走行レーン内の目標ラインに沿って走行させるように操舵角を変更する制御である。
更に、運転支援ECU10は、運転支援制御の一態様として、後方車両通知制御(BSM:Blind Spot Monitor)を実行可能に構成されてもよい。BSMは、物標情報に基いて、車両(自車両)が走行しているレーンの隣接レーンを走行する他車両を検出し、車両の斜め後方を走行している他車両を運転者に対して報知する制御である。加えて、運転支援ECU10は、運転支援制御の一態様として「衝突回避制御」を実行可能に構成されてもよい。衝突回避制御は、物標情報に基いて、車両と衝突する可能性が高い立体物(障害物)を検出し、車両と当該立体物との衝突を回避する制御である。このような制御は、プリクラッシュセーフティー制御(Pre Crash Safety Control)とも称呼される。
(変形例2)
上述の実施形態では、ライダー装置51の制御部51cが図2のルーチンを実行して照射光の強度を変更したが、これに限定されない。ライダー装置51の外に搭載された制御装置が、図2のルーチンを実行して照射光の強度を変更してもよい。例えば、運転支援ECU10が図2のルーチンを実行してもよい。
上述の実施形態では、ライダー装置51の制御部51cが図2のルーチンを実行して照射光の強度を変更したが、これに限定されない。ライダー装置51の外に搭載された制御装置が、図2のルーチンを実行して照射光の強度を変更してもよい。例えば、運転支援ECU10が図2のルーチンを実行してもよい。
(変形例3)
本発明は、ライダー装置以外の光学センサに適用されてもよい。光学センサは、所定の放射範囲に照射光を放射して物標情報を取得するものである限り、特に限定されない。
本発明は、ライダー装置以外の光学センサに適用されてもよい。光学センサは、所定の放射範囲に照射光を放射して物標情報を取得するものである限り、特に限定されない。
10…運転支援ECU、20…エンジンECU、30…ブレーキECU、41…運転支援スイッチ、42…車速センサ、50…車両周辺センサ、51…ライダー装置、52…カメラセンサ。
Claims (1)
- 車両に搭載された光学センサであって、前記車両の周辺における所定の放射範囲に照射光を放射するとともに当該照射光が物体に反射した光を受光することにより、前記放射範囲内に存在する前記物体に関する情報である物標情報を取得する光学センサと、
前記物標情報に基いて前記車両の運転を支援する運転支援制御を実行する運転支援制御部と、
前記車両の車速を検出する車速センサと、
前記運転支援制御の実行が要求されている状況において前記車速が所定の閾値より小さいか否かを判定し、前記車速が前記閾値より小さい場合、前記照射光の強度を、前記車速が前記閾値以上である場合に比べて低くなるように設定する制御装置と、
を備える運転支援装置。
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