JP2021092493A - エンコーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】位置を検出する対象の移動速度が高い場合であっても、単純な構成で、その位置を高い精度で検出する手段を提供する。【解決手段】A相、B相の信号はそれぞれコンパレータ12A、12Bにも入力する。コンパレータ12A、12Bは、A相の信号、B相の信号を2値化したA’相の信号、B’相の信号をそれぞれ出力する。サイクルカウンタ132は、A’相の信号、B’相の信号に基づき、このように回転角度の変化に伴う象限間の移動が正方向であった場合にはインクリメント、負方向の場合にデクリメントするカウント数として、CCを算出する。演算部20は、A相の信号とB相の信号の比によって、一つ目のサイクルにおける変動量に対応する量を算出すると共に、CCによって、変動量CC中に含まれる周期2πの整数倍の変化を示すサイクル数を認識することができる。演算部20は、変動量を算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、測定対象となる物体の位置あるいは角度等の変動を高速に検出するエンコーダに関する。
モータ等によって駆動される回転体の回転位置(角度)を正確に認識するために、エンコーダが使用されている。エンコーダの構成は、例えば特許文献1に記載されている。ここでは、回転体の外周において磁極が周期的に変化するように磁石が周期的に配置される。回転体に近接して設けられた磁気センサがこの磁石による磁場の変化を検出し、この検出結果(磁気センサの出力)から回転角度が算出される。しかしながら、この磁場は回転体の回転角度θに伴って正弦波(sin)的に変化し、その1周期内においても同一の値をもつ点が複数存在するため、単一の検出結果のみから一義的に回転位置を決定することは困難である。
このため、特許文献1に記載の技術においては、上記の周期を2πとした場合に、位相がπ/2だけずれた2つの検出結果(A相、B相)が得られるように磁気センサが設定される。これによれば、例えばA相の出力とB相の出力を同時に認識し、かつθ=tan−1((A相の出力)/(B相の出力))とすることによって、上記のような不定性を排除することができる。これによって、θに対応する回転角度を正確に算出することができる。
ただし、上記のように算出されるθは0〜2πの間の値となり、その周期は2πである一方、実際の回転角度θはこの範囲に限定されない任意の値をとる。このため、上記のように算出されたθは0≦θ<2πの範囲内のものとして算出されるが、実際にはθとθ+2πm(mは整数)の区別はできない。このため、θが0≦θ<2πの範囲内で変化した場合には正確なθの算出が可能であるが、θが0〜2πの範囲を超えて変化した場合には、その旨を認識する(上記のmを認識する)ことが必要となり、例えば、前回θが算出されたまでの間におけるθの変化の状況によって、このようにθが1周期分を超えて変化した旨を推定することができる。
実際には上記のようなθの算出は一定のサンプリング時間毎に離散的に行われる場合が多いのに対し、回転体の回転速度は様々とされる。この場合、特に回転体の回転速度が高く高分解能の(極数が多く高分解能の)場合には、算出(測定)タイミングの間のθの変化量が大きくなるために、上記のようにθが実際に何サイクル分の変化をしたかを認識することが困難となった。このようなθの1周期分を超えた変化を検出するための機構を前記のようなエンコーダとは別に設けることも可能であるが、その場合には装置の構成が複雑となった。
このため、位置を検出する対象の移動速度が高い場合であっても、単純な構成で、その位置を高い精度で検出できることが望まれた。
とが望まれた。
とが望まれた。
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、位置を検出する対象の移動速度が高い場合であっても、単純な構成で、その位置を高い精度で検出できることを目的とする。
本発明に係るエンコーダは、測定対象となる位置に応じて周期的に変化する信号である第1信号と、前記位置に応じて前記第1信号と一定位相だけずれて同一の周期で発せられる第2信号と、を用いて前記位置の変動量を認識するエンコーダであって、前記第1信号、前記第2信号を、それぞれ信号の大小に応じて二値化したパルス信号とした第1パルス信号、第2パルス信号を出力するパルス信号生成部と、前記位置の変動に応じた前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の状態の遷移に応じ、前記周期内が前記周期の1/4毎に区分された領域である4つの象限間の移動が正方向の場合にインクリメント、負方向の場合にデクリメントされるようにカウント数を計数するカウンタと、前記第1信号と前記第2信号によって、一つ目のサイクルにおける前記変動量に対応する量となるθcを算出し、前記変動量に含まれる前記周期の整数倍の変化を示すサイクル数を前記カウント数から認識し、前記サイクル数と前記θcによって前記変動量を算出する演算部と、を具備する。
この構成において、カウント数CCは、第1パルス信号、第2パルス信号によって、位置の変動に際しての象限間の遷移がある毎にカウンタによって計数される。演算部は、第1信号と第2信号からθcを算出すると共に、サイクル数をCCから認識することができる。この際、CCの係数は、第1パルス信号、第2パルス信号のみによって高速かつ容易に行われる。また、CCが適正か否かは、θcによって認識される象限と、CCによって認識される象限との整合性によって容易に認識できる。このため、高速かつ正確に位置の変動量を算出することができる。
また、初期化動作において、前記演算部は、初期状態において認識された前記θcが属する前記象限を認識すると共に、前記初期状態において認識された前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の状態に応じても前記象限を認識し、前記θcが属する前記象限と、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の状態によって認識された前記象限とが異なる場合に、前記初期状態における前記カウント数を、前記θcが属する前記象限と整合するように設定してもよい。
この構成においては、初期化動作時において、CCの初期値が、θcによって認識された象限と整合するように設定される。このため、初期化以降に行われる位置の算出において、CCによってサイクル数を適正に認識することができ、変動量を特に正確に算出することができる。
この構成においては、初期化動作時において、CCの初期値が、θcによって認識された象限と整合するように設定される。このため、初期化以降に行われる位置の算出において、CCによってサイクル数を適正に認識することができ、変動量を特に正確に算出することができる。
また、前記演算部は、前記変動量を認識する際に、前記θcが属する前記象限を認識すると共に、前記カウント数によっても前記象限を認識し、前記θcが属する前記象限と、前記カウント数によって認識された前記象限とが異なる場合に、前記θcが属する前記象限と整合するように前記カウント数を±1の範囲で補正し、補正後の前記カウント数を用いて前記変動量を算出してもよい。
この構成においては、第1パルス信号、第2パルス信号における2値化が適正に行われなかった場合において、演算部は、θcから認識される象限とCCから認識される象限の整合性によってこの旨を認識する。この場合において、演算部は、この状況を認識し、変動量算出のために用いるCCを±1の範囲で補正することで、適正に変動量を算出することができる。
この構成においては、第1パルス信号、第2パルス信号における2値化が適正に行われなかった場合において、演算部は、θcから認識される象限とCCから認識される象限の整合性によってこの旨を認識する。この場合において、演算部は、この状況を認識し、変動量算出のために用いるCCを±1の範囲で補正することで、適正に変動量を算出することができる。
また、前記パルス信号生成部は、予め設定された基準レベルと前記第1信号、前記第2信号との大小関係に応じて、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号をそれぞれ出力するコンパレータを具備してもよい。
この構成によれば、コンパレータを用いて、第1信号、第2信号から第1パルス信号、第2パルス信号を容易に生成することができる。
この構成によれば、コンパレータを用いて、第1信号、第2信号から第1パルス信号、第2パルス信号を容易に生成することができる。
本発明によれば、位置を検出する対象の移動速度が高い場合であっても、単純な構成で、その位置を高い精度で検出することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態に係るエンコーダ1の構成を示す図である。ここでは、回転体及び信号検出のための磁気センサ、及びこれを用いて位置(変動量)検出のための出力を得るための構成は、特許文献1に記載のものと同様であるため、ここでは、これらの記載については省略されており、本願発明における特徴的な構成要素のみが記載されている。ここで、磁気センサからの信号は前記のように回転角度θに対して周期的に変化し、その周期は適宜設定されるが、ここでは、この周期を2πとする。このため、以下に説明する回転角度は実際の回転角度とは異なるが、実際の回転角度の周期をTとすると、以下の説明におけるθ→T/2π×θと換算することによって、実際の回転角度が算出される。
特許文献1に記載の具術と同様に、この場合、磁気センサ(感磁素子)からは、位相がπ/2だけずれたA相(正弦波)、B相(余弦波)の2つの信号が同時に磁気センサ側から出力され、エンコーダ1に入力する。上記の算出を行うために、A相の信号(第1信号)、B相の信号(第2信号)は、それぞれA/Dコンバータ11A、11Bに入力して上記の計算を行う演算部20で認識可能な形に変換されてから、演算部20に入力する。図2はθが0〜2πの間におけるθの変化をA相の出力を横軸、B相の出力を縦軸として示すリサージュ図である。このリサージュ図においては、θが属するのは、周期2πの1/4毎に区分された4つの象限(第1象限(0〜π/2の範囲)、第2象限(π/2〜πの範囲)、第3象限(π〜3/2πの範囲)、第4象限(3/2π〜2πの範囲))に区分される。前記のように0≦θ<2πの範囲内のものとして以下の(1)式で算出される角度を以下ではθcとする。なお、実際にはA相の出力とB相の出力の比率だけでなく、更にA相の出力とB相の出力自身を考慮することによって、θcを0≦θ<2πの範囲内のものとして一義的に定めることができる。この点についても特許文献1に記載の技術と同様である。また、以下では、このように定義されたθ=0の点が位置の原点とされる。このため、以下で算出される変動量は位置自身に対応し、変動量を算出することは位置を算出することと等価である。
ここでは、A相、B相の信号はそれぞれコンパレータ(パルス信号生成部)12A、12Bにも入力し、コンパレータ12A、12Bは、A相の信号、B相の信号を2値化したA’相の信号、B’相の信号をそれぞれ出力する。このため、コンパレータ12A、12Bでは、各信号と基準レベル(ここでは零レベル)との大小関係を判定し、各信号が基準レベルよりも大きければHigh(1)を出力し、小さければLow(0)を出力する。このため、コンパレータ12A、12Bの出力は、A相、B相の出力(正弦波、余弦波)に応じた矩形波となる。A相の出力(正弦波)とこれに応じたコンパレータ12Aの出力(A’相の出力:第1パルス信号)を重複させて図3に示す。図3においては、横軸は動作角度θであり、ここではθ>2πの部分も示されているため、各信号は2πの周期で周期的に変化する。また、A相の出力とA’相の出力の絶対値はそれぞれ適宜設定されるが、ここでは便宜上これらのピーク値は一致して示されている。B相の出力に応じて、コンパレータ12Bによって同様にB’相の出力(第2パルス信号)も生成される。
また、A相、B相、A’相、B’相の出力を時間的に整合させ、単純化してそれぞれ図4に示す。ここでは、上記のように算出されるθcの遷移も同時に示されている。前記のように、θcは0〜2πの値をとり、2πの周期で変動する。このため、1サイクル目においてはθc=θとなる。
図1において、A’相の出力とB’相の出力は、アップダウンカウンタ131に入力する。アップダウンカウンタ131は、A’相の出力、B’相の出力における遷移(Low(”0”)→High(”1”)の場合:UP、High(”1”)→Low(”0”)の場合:DOWN)を認識する。ここで、図4のA相の初めの1周期内において、図2における第1象限〜第4象限の区分が示されている。これに対応したA’相、B’相の状況は、(A’相、B’相)と記載した場合、第1象限:(1、1)、第2象限:(1、0)、第3象限:(0、0)、第4象限(0、1)となる。このため、例えば(A’相、B’相)が(1、0)から(0、0)に変化した場合には、θが第2象限から第3象限に変化した場合に対応し、(1、0)から(1、1)に変化した場合にはθが第4象限から次のサイクルの第1象限に変化した場合に対応する。これらの場合にはθが図2における正方向に変化した(増大した)と認識することができる。また、(A’相、B’相)が(0、1)から(0、0)に変化した場合には、θが第4象限から第3象限に変化した場合に対応し、(1、1)から(0、1)に変化した場合にはθが第1象限から前のサイクルの第4象限に変化した場合に対応する。これらの場合にはθが負方向に変化した(減少した)と認識することができる。
このため、図1におけるサイクルカウンタ132は、A’相の信号、B’相の信号に基づき、このようにθの変化に伴う象限間の移動が正方向であった場合にはインクリメント、負方向の場合にデクリメントするカウント数として、CCを算出する。すなわち、アップダウンカウンタ131、サイクルカウンタ132は、このようなCCを算出するカウンタ13として機能する。図4においては、このCCの変化も同時に示されている。θの増大に際して図4におけるCC以外は周期的な変化をするのに対して、CCはθの増大に際して単調増加をする。ここで、CCの初期値は、θ=0の時((1サイクル目の第1象限の場合)に0となるように設定とされる。
この場合、象限番号(1〜4)は、CCの値において、周期4毎に同一となり、図4のA相の初めの1周期内において、図2における第1象限〜第4象限の区分が示されている。このため、演算部20は、θを認識しなくとも、現在のCCを認識することによって現在のθが属する象限を認識することができる。図4におけるCCの遷移においては、この場合におけるCCの値(初期値0から始まる整数)と、これに対応した象限番号として第1象限:1、第2象限:2、第3象限:3、第4象限:4の数字が括弧内に記載されている。象限番号としては1〜4がサイクリックに変動する。この場合、一般式としては、θがnサイクル目の第k象限(k:1〜4)にある場合は、初期値を零とした場合には、CC=(n−1)×4+(k−1)となる。演算部20は、このCCの値及びこれに対応した象限番号を認識する。CCを用いることによって、前記のように、第4象限から第1象限、あるいは第1象限から第4象限のように、θがサイクル間にわたる変化をした場合でも、その旨を適切に認識することができる。
図5は、この場合において演算部20がある時点におけるθの値を算出する動作を悦明する図である。ここで、算出すべきθは図5におけるθ1であるものとする。演算部20は、A相の信号とB相の信号の比によって、一つ目のサイクルにおける変動量θ1に対応する量となるθc1を算出すると共に、CCによって、変動量CC中に含まれる周期2πの整数倍の変化を示すサイクル数nを認識することができる。演算部20は、θc1とnを用いてθ1を算出する。
図5において、θ1は実際には原点から5サイクル目における値であり、これによって演算部20によってθc1は(1)式で算出され、θc1は前記のように0〜2πの間の値となるため、1サイクル目において対応する値となる(θc算出工程)。
θ1がnサイクル目に属する場合、θ1=(n−1)×2π+θc1となる。一方、サイクル数nは、θ1の時点のCC(=17)より、INT(CC/4)+1=5として認識することができる。ここで、INTは小数点以下を切り捨てて整数化する関数である。このため、θcが(1)式で与えられる場合に、θ1は、(2)式で定まる(位置算出工程)。
上記のようなθ1の算出は、各時点でA相、B相の出力が認識でき、かつ各時点におけるCCの値を演算部20が認識できる限りにおいて、実行することができる。この際、カウンタ13によるCCの認識は、単純な矩形波を用いた演算動作であるため、適正かつ高速で行うことができる。このため、上記の動作は、回転速度が大きい(θの時間的変化が大きい)場合であっても、適切に行うことができる。この際、A’相、B’相の出力は、コンパレータ12A、12Bを用いて得られ、新たな機械的機構等は不要である。なお、θ1はθ=0の点からの変動量であるが、演算部20は、原点の位置を認識すれば、θ1により、実際の位置(角度)を認識することができる。
次に、θ1の算出精度を更に向上させるための動作について説明する。この動作には、電源オン時(初期状態)における動作と、通常の動作時(回転体の回転時)における動作がある。どちらの場合においても、この動作においては、算出されたθcと、CCとの間の整合が行われる。
このような動作が必要となる理由について以下に説明する。まず、図5の例で(1)(2)式によってθを定める場合において、前記の例においては、1サイクル目の第1象限の場合にCCの初期値が零となるように設定された。このため、エンコーダ1あるいはこれが用いられた回転体の起動時において、このように適切な設定がなされていることが要求される。起動時において正確にθ=0となっているとは限らないが、θ1を適正に算出するためには、少なくとも起動時のθにおいてθとCCの関係が前記の整合されている必要がある。また、動作時においても、この関係は適切であることが維持される必要があるが、この関係を適切に維持することは実際には容易ではない。
前記の通り、A’相、B’相の出力は、A相、B相の出力をコンパレータ12A、12Bに通過させることによって得られる。コンパレータ12A、12Bにおいては、入力信号と基準レベルとの比較によって、その出力の”0”レベルと”1”レベルが設定される。この際、コンパレータ12A、12Bにおける基準レベルは安定しているとは限らない。この基準レベルがずれた場合には、このずれに応じてA’相、B’相における”0”→”1”、”1”→”0”の遷移のタイミングがずれる場合がある。図6は、このような場合におけるA相の出力とA’相の出力の関係を示す。ここで、A相の出力(破線)に対してコンパレータ12Aにおける適正な基準レベルOを用いて生成された場合のA’相の出力(A’0)点線)に対して、下方にずれた基準レベルO’を用いて生成された場合のA’相の出力A’1が実線で示されている。A’0とA’1における周期は変わらないが、A’0における”1”と”0”のデューティ比は50%(1:1)であるのに対し、A’1においては、”1”の時間が長く、その分”0”の時間が短くなる。こうした状況はB相、B’相においても同様に発生する。
図7は、A’相の出力において、このように”1”のデューティ比が高くなるずれが生じた場合におけるCCの状況を示す。ここでは、このようなA’相の出力(ずれのある場合の出力)と、ずれのないB’相の出力とが用いられた場合に、前記のようにこれらの出力を用いて算出されたCCがCC1として示されている。一方、CC0は、このようなずれのない場合の本来のCCを示す。ここで、Xはサイクルの切り替わり時であり、Xの前ではnサイクルの信号が存在するものとし、本来はXの前(図中左側)では象限番号はXから左に向かい順に4、3、2となるように変化し、Xの後(図中右側)では象限番号はXから右に向かい順に1、2、3となるように変化する。このため、本来のCC(CC0)においては、nサイクル目の第4象限(CC=4n−1)は図中の領域Cとなり、n+1サイクル目の第1象限(CC=4n)は領域Dとなる。これに対して、A’相に上記のようなずれが生じた場合のCC1においては、nサイクル目の第4象限と認識されるのは図中の領域Eとなり、n+1サイクル目の第1象限と認識されるのは領域Fとなる。
特に、n+1サイクル目の第1象限と認識された領域Fが始まるのは、本来の領域である領域Dよりも前になる。このため、θ1が図中の領域G内にある場合には、本来はnサイクル目の第4象限(CC=4n−1)となるのに対して、CC1を用いた判定によれば、n+1サイクル目の第1象限(CC=4n)であるとみなされる。このため、前記のINT(CC1/4)を用いた算出方式では、サイクル数が1だけ大きくなり、θcは同一であるが、算出されるθは1サイクル(2π)分だけ大きくなる。
この状況は、上記のようなサイクルの切り替わり時以外でも同様である。例えば図7における領域Hは、CCで示されるように本来はnサイクル目の第3象限であるが、CC1によれば第2象限であるとみなされる。
図8は、図7とは逆にA’相の出力において、”0”のデューティ比が高くなるずれが生じた場合におけるCCの状況を図7と同様に示す。ここでは、このようなずれが生じたA’相の出力と、ずれのないB’相の出力とが用いられた場合に、前記のようにこれらの出力を用いて算出されたCCがCC2として示されている。CC0、領域C、Dについては図7と同様である。これに対して、CC2においては、nサイクル目の第4象限(CC=4n−1)は図中の領域Iとなり、n+1サイクル目の第1象限(CC=4n)は領域Jとなる。
この場合、n+1サイクル目の第1象限と認識された領域Jが始まるのは、本来の領域である領域Dよりも後になる。このため、θ1が図中の領域K内にある場合には、本来はn+1サイクル目の第1象限となるのに対して、CC2を用いた判定によれば、nサイクル目の第4象限であるとみなされる。このため、前記の(2)式による算出では、サイクル数が1だけ小さくなり、θcは同一であるが、算出されるθ1は1サイクル(2π)分だけ小さくなる。また、図7における領域Lは、CCで示されるように本来はnサイクル目の第2象限であるが、CC2によれば第3象限であるとみなされる。
図7、8においては、A’相の出力が適正でない場合が示されたが、B’相の出力が適正でない場合、あるいはA’相、B’相の出力が共に適正でない場合においても、同様である。すなわち、A’相、B’相の出力が適正でない場合には、サイクルの切り替わり時、象限の切り替わり時の前後で、サイクル、象限番号の認識が不適正となる場合が生ずる。ただし、A’相、B’相の出力はそれぞれA相、B相の出力からコンパレータ12A、12Bによって直接作成されるため、このようなずれが発生しても、A’相、B’相の出力の周期はA相、B相の周期と等しい。また、上記のようにA’相、B’相の出力が基準レベルとの比較で設定される限りにおいて、CC(あるいはサイクル、象限番号)の誤差は±1の範囲内であり、これらに2以上のずれが生ずることはない。
図9は、上記の点を考慮して、電源オン時(初期状態)においてCCの初期値を自動的に適正に設定するための演算部20の動作を示すフローチャートである。ここでは、予め図4に示されたようにθ=0で第1象限にあるという設定がなされている場合を対象とし、この状況が、例えば前記のようなコンパレータ12A、12Bの変動によって図7、8に示されたように変化した場合を想定している。
ここでは、まず、電源オン(S1)とされた後で、この時点におけるA相、A’相、B相、B’相の出力が認識される(S2)。次に、演算部20は、A相、B相の出力によって、(1)式によりθcを算出する(S3)ことによって、θcに応じた象限番号kを認識すると共に、A’相、B’相の出力(”1”、”0”の状態)によっても象限番号kを認識する(S4)。演算部20は、この結果に応じて、CCのこの時点での値(初期値)を、この時点での実際の象限番号kと整合するように設定する(初期化工程)。
ここで、演算部20は、各象限番号が一致している場合(S5:Yes)には、現在のθは図7における領域G、H、図8における領域K、L以外の領域(θcによる象限番号とA’相、B’相の出力による象限番号とが一致している領域)にあると推定され、この時点において用いられたCC(初期値)は適正であると認識される。このため、CC(初期値)はそのまま維持される(S6)。一方、各象限番号が一致しなかった場合(S5:No)には、象限番号の相違(絶対値)が2以上であるか否かが判定される(S7)。ただし、ここでの差分は、図2の状況を考慮し、第4象限と第1象限の差分は1として換算する。
この相違が2未満(±1)であった場合(S7:No)には、θは図7における領域G、H、図8における領域K、Lのいずれか(θcによる象限番号とA’相、B’相の出力による象限番号とが一致しない領域)にあると推定される。この場合においては、結果に応じて、CC(初期値)の値が、+1、又は−1とされる(S8)。例えば、現在のθが図7における領域G(θcによってk=4、A’相、B’相によってk=1)の場合には、実際の値よりも象限番号が1だけ多く換算されているため、CC(初期値)は1だけ減算される。また、現在のθが図8における領域K(θcによってk=3、A’相、B’相によってk=2)の場合には、実際の値よりも象限番号が1だけ少なく換算されているため、CC(初期値)は1だけ加算される。
一方、象限番号の相違が2であった場合(S7:Yes)には、θとCC(初期値)における図7、8に示された関係が成立していないと認識することができる。このため、演算部20は、この場合には、異常が発生した旨の表示(エラー表示)が行われる(S9)。これは、CC(初期値)の自動調整ができない場合に対応するため、各部を確認、調整する作業が必要となる。
少なくとも初期状態におけるθの値が零近傍であれば、以降の動作においては、(2)式によってその後のθ1を正確に算出することができる。
次に、初期化後においてθ1を算出する動作について説明する。この場合にも、図7、8のような状況を考慮することによって、θ1をより正確に算出することができる。図10は、この場合における演算部20の動作を示すフローチャートである。
まず、演算部20は、この時点におけるA相、B相の出力と、サイクルカウンタ132によってCCを認識する(S11)。次に、演算部20は、初期化動作におけるS3と同様に、A相、B相の出力によって、(1)式によりθ1に対応するθc(θc1)を算出することによって、θc1が属する象限番号kを認識する(S12)。次に、制御部20は、CCによっても象限番号kを認識する(S13)。
演算部20は、各象限番号が一致している場合(S14:Yes)には、現在のθは図7における領域G、H、図8における領域K、L以外の領域(θc1による象限番号とA’相、B’相の出力による象限番号とが一致している領域)にあると推定されるため、θc1とCCに応じて(2)式によってθ1を算出する(S15)。
一方、演算部20は、各象限番号が一致しなかった場合(S14:No)には、この差が2以上であるか否か(あるいは1であるか否か)を判定する(S16)。この差が1であった場合には、θ1は図7における領域G、H、図8における領域K、Lのいずれか(θc1による象限番号とA’相、B’相の出力による象限番号とが一致しない領域)にあると推定される。この場合においては、θc1による象限番号に応じてCCの値が±1の範囲で補正される(S17:補正工程)。この補正の内容は、θ1が図7、8におけるCC1、CC2におけるどの領域にあるかに応じて定まる。どの領域にあるかは、初期化の場合と同様に、θc1が属する象限番号とCCによって認識された象限番号の関係によって認識することができる。
まず、θ1が図7における領域H、図8における領域Lにあると認識された場合(認識された象限番号kが2、3である場合)には、サイクル数nはどちらにおいても同じ値となるため、補正値は零となる。すなわち、この場合には実質的には補正は行われない。
一方、演算部20は、θ1が図7における領域G(θcによってk=4、CCによってk=1)の場合には、図7においてはCCは本来4n−1であるところ、CCが4nとされているため、θ1の算出に用いるCCとして、この時点のCCを1だけ減算したものを用いる。θ1が図8における領域K(θcによってk=1、CCによってk=4)の場合には、図8においてはCCは本来4nであるところ、CCが4n−1とされているため、θ1の算出に用いるCCとして、この時点のCCを1だけ加算したものを用いる。
このように状況に応じて±1の範囲で補正されたCCを用いて、前記と同様にθ1が算出される(S15:位置算出工程)。これによって、θ1が図7、8におけるどの範囲にあっても、θ1が正確に算出される。
一方、前記の通り、図7、8に示された場合には、θc1による象限番号とCCによる象限番号の差(S14)は、±1の範囲内である。このため、この差が2以上であった場合(S16:Yes)には、θ1を算出する代わりに、異常が発生した旨の表示(エラー表示)が行われる(S18)。
このように、上記のエンコーダ1においては、コンパレータ12A、12Bの基準レベルに変動が生じた場合でも、正確にθ1を算出することができる。A’相、B’相の出力(第1パルス信号、第2パルス信号)がコンパレータ以外の構成要素によって作成される場合においても、A相、B相、A’相、B’相の間で同一の周期性が維持されている場合においては、同様である。
また、上記のような動作をするエンコーダとしては、図1以外の構成のものを用いることができる。図11は、このような変形例となるエンコーダ2の構成を示す図である。ここで、A/Dコンバータ11A、11B、カウンタ13、演算部20については、前記のエンコーダ1におけるものと同様であり、入力の態様がエンコーダ1とは異なる。
前記のようなA相、B相の出力は、磁気センサから得られるが、この際に、各出力として、同時に出力される極性の逆転した2信号を用いることもでき、ここでは、A相に対応して正側のA+相、この反転成分のA−相を、B相に対応して正側のB+相、この反転成分のB−相が出力される。この場合、A+相とA−相の信号を計装アンプ31Aに、B+相とB−相の信号を計装アンプ31Bに入力させることによって、より高精度の信号となるA相の信号(第1信号)、B相の信号(第2信号)を得ることができる。同様に、このように極性の逆転した2信号を同時に用い、A相の信号(第1信号)、B相の信号(第2信号)をそれぞれ2値化するコンパレータ(パルス信号生成部)32A、32Bを用いることによって、A’相の信号(第1パルス信号)、B’相の信号(第2パルス信号)の精度を高めることもできる。これによって、演算部20は、θc、CCをより高精度で算出することができる。
上記の例においては、θが回転体の回転角度に対応するものとした。前記の通り、この際にA相、B相の信号の周期を2πとしたため、上記のように算出されるθ1はA相、B相の信号の周期を2πとした場合に回転角度として換算される角度である。このため、実際の回転角度とθ1は定数倍の関係となり、この関係を用いて実際の回転角度が算出される。
更に、上記の例では回転体の回転角度が算出されるものとしたが、上記と同様に位置の変化に際して周期的な変動をするA相、B相の信号(第1信号、第2信号)が用いられる限りにおいて、直線的な位置の変化をする場合等、任意の形態における位置検出に上記の構成を用いることができる。
(本形態の主な特徴)
本実施形態の特徴を簡単に纏めると次の通りである。
(1)このエンコーダ1は、測定対象となる位置に応じて周期2πで周期的に変化する信号であるA相の信号(第1信号)と、位置に応じてA相の信号と一定位相(π/2)だけずれて同一の周期で発せられるB相の信号(第2信号)と、を用いて位置の変動量θ1を認識し、A相の信号、B相の信号を、それぞれ信号の大小に応じて二値化したパルス信号としたA’相の信号(第1パルス信号)、B’相の信号(第2パルス信号)を出力するパルス信号生成部12A、12Bと、位置の変動に応じたA’相の信号及びB’相の信号の状態の遷移に応じ、周期内が周期の1/4(π/2)毎に区分された領域である4つの象限間の移動が正方向の場合にインクリメント、負方向の場合にデクリメントされるようにカウント数CCを計数するカウンタ13と、A相の信号とB相の信号の比によって、一つ目のサイクルにおける変動量θ1に対応する量となるθc1を算出し、変動量θ1に含まれる周期2πの整数倍の変化を示すサイクル数nをカウント数CCから認識し、サイクル数nとθc1によって変動量θ1を算出する演算部20と、を具備する。
本実施形態の特徴を簡単に纏めると次の通りである。
(1)このエンコーダ1は、測定対象となる位置に応じて周期2πで周期的に変化する信号であるA相の信号(第1信号)と、位置に応じてA相の信号と一定位相(π/2)だけずれて同一の周期で発せられるB相の信号(第2信号)と、を用いて位置の変動量θ1を認識し、A相の信号、B相の信号を、それぞれ信号の大小に応じて二値化したパルス信号としたA’相の信号(第1パルス信号)、B’相の信号(第2パルス信号)を出力するパルス信号生成部12A、12Bと、位置の変動に応じたA’相の信号及びB’相の信号の状態の遷移に応じ、周期内が周期の1/4(π/2)毎に区分された領域である4つの象限間の移動が正方向の場合にインクリメント、負方向の場合にデクリメントされるようにカウント数CCを計数するカウンタ13と、A相の信号とB相の信号の比によって、一つ目のサイクルにおける変動量θ1に対応する量となるθc1を算出し、変動量θ1に含まれる周期2πの整数倍の変化を示すサイクル数nをカウント数CCから認識し、サイクル数nとθc1によって変動量θ1を算出する演算部20と、を具備する。
この構成において、カウント数CCは、A’相の信号、B’相の信号によって、位置の変動に際しての象限間の遷移がある毎にカウンタ13によって計数される。演算部20は、A相の信号とB相の信号からθcを算出すると共に、サイクル数nをCCから認識することができる。この際、CCの係数は、A’相の信号、B’相の信号のみによって高速かつ容易に行われる。また、CCが適正か否かは、θc1によって認識される象限と、CCによって認識される象限との整合性によって容易に認識できる。このため、高速かつ正確に位置の変動量θ1を算出することができる。
(2)初期化動作において、演算部20は、初期状態において認識されたθcが属する象限を認識すると共に、初期状態において認識されたA’相の信号、B’相の信号の状態に応じても象限を認識し、θcが属する象限と、A’相の信号、B’相の信号の状態によって認識された象限とが異なる場合に、初期状態におけるカウント数CCを、θcが属する象限と整合するように設定する。
この構成においては、初期化動作時において、CCの初期値が、θcによって認識された象限と整合するように設定される。このため、初期化以降に行われる位置の算出において、CCによってサイクル数nを適正に認識することができ、変動量θ1を特に正確に算出することができる。
この構成においては、初期化動作時において、CCの初期値が、θcによって認識された象限と整合するように設定される。このため、初期化以降に行われる位置の算出において、CCによってサイクル数nを適正に認識することができ、変動量θ1を特に正確に算出することができる。
(3)演算部20は、変動量θ1を認識する際に、これに対応するθcであるθc1が属する象限を認識すると共に、カウント数CCによっても象限を認識し、θc1が属する象限と、カウント数CCによって認識された象限とが異なる場合に、θc1が属する象限と整合するようにカウント数CCを±1の範囲で補正し、補正後のカウント数CCを用いて変動量θ1を算出する。
この構成においては、、A’相の信号、B’相の信号における2値化が適正に行われなかった場合において、演算部20は、θc1から認識される象限とCCから認識される象限の整合性によってこの旨を認識する。この場合において、演算部20は、この状況を認識し、変動量θ1算出のために用いるCCを±1の範囲で補正することで、適正に変動量θ1を算出することができる。
この構成においては、、A’相の信号、B’相の信号における2値化が適正に行われなかった場合において、演算部20は、θc1から認識される象限とCCから認識される象限の整合性によってこの旨を認識する。この場合において、演算部20は、この状況を認識し、変動量θ1算出のために用いるCCを±1の範囲で補正することで、適正に変動量θ1を算出することができる。
(4)パルス信号生成部12A、12Bは、予め設定された基準レベルとA相の信号、B相の信号との大小関係に応じて、A’相の信号、B’相の信号をそれぞれ出力するコンパレータである。
この構成によれば、コンパレータ12A、12Bを用いて、A相の信号、B相の信号からA’相の信号、B’相の信号を容易に生成することができる。
この構成によれば、コンパレータ12A、12Bを用いて、A相の信号、B相の信号からA’相の信号、B’相の信号を容易に生成することができる。
本発明を、実施形態及びその変形例をもとに説明したが、この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1、2 エンコーダ
11A、11B A/Dコンバータ
12A、12B、32A、32B コンパレータ(パルス信号生成部)
13 カウンタ
20 演算部
31A、31B 計装アンプ
131 アップダウンカウンタ
132 サイクルカウンタ
11A、11B A/Dコンバータ
12A、12B、32A、32B コンパレータ(パルス信号生成部)
13 カウンタ
20 演算部
31A、31B 計装アンプ
131 アップダウンカウンタ
132 サイクルカウンタ
Claims (4)
- 測定対象となる位置に応じて周期的に変化する信号である第1信号と、前記位置に応じて前記第1信号と一定位相だけずれて同一の周期で発せられる第2信号と、を用いて前記位置の変動量を認識するエンコーダであって、
前記第1信号、前記第2信号を、それぞれ信号の大小に応じて二値化したパルス信号とした第1パルス信号、第2パルス信号を出力するパルス信号生成部と、
前記位置の変動に応じた前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の状態の遷移に応じ、前記周期内が前記周期の1/4毎に区分された領域である4つの象限間の移動が正方向の場合にインクリメント、負方向の場合にデクリメントされるようにカウント数を計数するカウンタと、
前記第1信号と前記第2信号によって、一つ目のサイクルにおける前記変動量に対応する量となるθcを算出し、
前記変動量に含まれる前記周期の整数倍の変化を示すサイクル数を前記カウント数から認識し、前記サイクル数と前記θcによって前記変動量を算出する演算部と、
を具備することを特徴とするエンコーダ。 - 初期化動作において、前記演算部は、
初期状態において認識された前記θcが属する前記象限を認識すると共に、
前記初期状態において認識された前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の状態に応じても前記象限を認識し、
前記θcが属する前記象限と、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の状態によって認識された前記象限とが異なる場合に、前記初期状態における前記カウント数を、前記θcが属する前記象限と整合するように設定することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。 - 前記演算部は、前記変動量を認識する際に、
前記θcが属する前記象限を認識すると共に、前記カウント数によっても前記象限を認識し、
前記θcが属する前記象限と、前記カウント数によって認識された前記象限とが異なる場合に、前記θcが属する前記象限と整合するように前記カウント数を±1の範囲で補正し、補正後の前記カウント数を用いて前記変動量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンコーダ。 - 前記パルス信号生成部は、予め設定された基準レベルと前記第1信号、前記第2信号との大小関係に応じて、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号をそれぞれ出力するコンパレータを具備することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエンコーダ。
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