JP2021092181A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常燃焼の発生を抑制する内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関1は、吸気通路3における過給機50のコンプレッサハウジング51よりも上流側の部分とクランクケース12とを連通する第1通路91及び吸気通路3におけるスロットルバルブ29よりも下流側の部分とクランクケース12とを連通する第2通路92を備えるブローバイガス処理機構を有する。制御装置100は、内燃機関1の暖機中においてオイルパン13に貯留された潤滑油の油温が機関燃料の沸点以上であるか否かを判定する判定処理と、この判定処理にて油温が沸点以上であると判定される場合には、吸気通路3に設けられたスロットルバルブ29の開度を制限する制限処理と、過給機50のウェイストゲートバルブ81を開く開弁処理とを実行する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関は、クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に戻すブローバイガス処理機構を備えている。例えば特許文献1に記載されている内燃機関は、過給機と、この過給機を通過した空気を冷やすインタークーラとを備えている。また、当該内燃機関のブローバイガス処理機構は、過給機のコンプレッサハウジングよりも上流側の吸気通路にブローバイガスを排出する第1通路と、スロットルバルブよりも下流側の吸気通路にブローバイガスを排出する第2通路とを有している。そして、非過給状態では第2通路を介してブローバイガスを吸気通路に排出する一方、過給状態では第1通路を介してブローバイガスを吸気通路に排出するようにしている。
ところで、内燃機関の暖機中において、オイルパンに貯留された潤滑油の温度が徐々に上昇していくと、その潤滑油に溶け込んでいる燃料が気化するため、そうした燃料の気化が終わるまでは、吸気通路に排出されるブローバイガスに含まれる気化燃料の量が一時的に増加する。このようにしてブローバイガス中の気化燃料量が増加する暖機中において、ブローバイガスが上記第1通路を介して吸気通路に排出される運転状態になると、この第1通路を介して吸気通路に排出されたブローバイガスは、その後、インタークーラを通過する際に冷却されるため、ブローバイガスに含まれる気化燃料が液化する。この液化した燃料には、インタークーラや吸気通路に付着したオイル成分が溶け込み、そのオイル成分を含んだ燃料は、ブローバイガスとともに内燃機関の燃焼室に流れ込む。燃焼室に流れ込んだ燃料の一部は燃焼室の壁面に付着し、同燃料に溶け込んだオイル成分は同壁面でデポジット化する。こうして生成されるデポジットの量が多くなると、プレイグニッションなどの異常燃焼が起きやすくなるおそれがある。
上記課題を解決する内燃機関の制御装置は、吸気通路に設けられた過給機のコンプレッサハウジングと、吸気通路における前記コンプレッサハウジングよりも下流側の部分に配設されるインタークーラと、吸気通路における前記インタークーラよりも下流側の部分に配設されるスロットルバルブと、排気通路に設けられた前記過給機のタービンハウジングの上流側と下流側とを連通するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、吸気通路における前記コンプレッサハウジングよりも上流側の部分とクランクケースとを連通する第1通路及び吸気通路における前記スロットルバルブよりも下流側の部分とクランクケースとを連通する第2通路を有するブローバイガス処理機構と、を備える内燃機関に適用される。この制御装置は、内燃機関の暖機中においてオイルパンに貯留された潤滑油の油温が機関燃料の沸点以上であるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理にて前記油温が前記沸点以上であると判定される場合には、前記スロットルバルブの開度を制限する制限処理と、前記ウェイストゲートバルブを開く開弁処理とを実行する。
同構成によれば、暖機中において、オイルパンに貯留された潤滑油の油温が機関燃料の沸点以上になり、これによりオイルパンの潤滑油に溶け込んでいる燃料が気化して、ブローバイガスに含まれる気化燃料の量が一時的に増大する場合には、スロットルバルブの開度を制限する制限処理が実行される。この制限処理が実行されると、スロットルバルブよりも下流側の吸気圧は低下した状態になるため、上記第2通路を介して吸気通路に排出されるブローバイガスの量は増えるようになる。そのため、ブローバイガスが第1通路を介して吸気通路に排出される運転状態でも、同第1通路を介して吸気通路に排出されるブローバイガスの量は相対的に少なくなる。このように第1通路を介して吸気通路に排出されるブローバイガスの量が少なくなると、インタークーラを通過するブローバイガスの量が少なくなるため、インタークーラにて液化する燃料の量が少なくなる。このようにして液化する燃料の量が少なくなると、ブローバイガス中の燃料に溶け込むオイル成分の量も少なくなるため、燃焼室の壁面に生成されるデポジットの量が減少する。従って、そうしたデポジットに起因する異常燃焼の発生を抑えることができる。
また、スロットル開度の制限処理を実行しても、仮に過給機による吸気の過給が行われてしまうと、スロットルバルブよりも下流側の吸気圧は十分に低下しなくなる。この点、同構成では、スロットル開度の制限処理とともに、ウェイストゲートバルブの開弁処理も併用されるため、そうしたウェイストゲートバルブの開弁により、過給機による吸気の過給も抑えられる。従って、スロットル開度の制限処理を通じた上記吸気圧の低下を十分に行うことができる。
以下、内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態の制御装置が適用される内燃機関1の構成を説明する。なお、内燃機関1は、アルコール燃料やガソリン燃料を燃料として使用可能なフレキシブル燃料エンジンとして構成されている。
まず、図1を参照して、本実施形態の制御装置が適用される内燃機関1の構成を説明する。なお、内燃機関1は、アルコール燃料やガソリン燃料を燃料として使用可能なフレキシブル燃料エンジンとして構成されている。
図1に示すように、内燃機関1は、クランクシャフト7が収納されたクランクケース12を有しており、そのクランクケース12の下方には潤滑油を貯留するオイルパン13が設けられている。内燃機関1の燃焼室2には、吸気通路3を通じて空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁4から噴射された燃料が燃焼室2に供給される。空気及び燃料で構成される混合気に対して点火プラグ5による点火が行われると、混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。燃焼後の混合気は排気として燃焼室2から排気通路8に排出される。
吸気通路3には、エアクリーナ21が設けられている。吸気通路3においてエアクリーナ21よりも下流側の部分には、吸入空気を過給する過給機50のコンプレッサハウジング51が配置されており、そのコンプレッサハウジング51より下流側の部分には、過給により温度上昇した空気を冷却するインタークーラ60が配置されている。吸気通路3においてインタークーラ60よりも下流側の部分には、吸入空気量を調量するスロットルバルブ29が設けられている。このスロットルバルブ29の開度は、機関運転状態に基づいて算出される目標値となるように電動モータの駆動を通じて調整される。
排気通路8には、燃焼室2から排出される排気を浄化する触媒70が設けられている。排気通路8において触媒70よりも下流側の部分には、過給機50のタービンハウジング52が配置されている。また、タービンハウジング52の上流側の部分とタービンハウジング52の下流側の部分とは、バイパス通路80を介して連通されており、そのバイパス通路80の途中には、同バイパス通路80を開閉するウェイストゲートバルブ(以下、WGVという)81が設けられている。このWGV81の開度が大きくなるほど、タービンハウジング52の内部に設けられたタービンホイールを迂回してバイパス通路80を通過する排気の量が多くなるため、過給機50によって高められる吸気の過給圧は低くなる。
内燃機関1は、クランクケース12内のブローバイガスを吸気通路3に戻して燃焼室2で燃焼処理するためのブローバイガス処理機構を備えている。ブローバイガス処理機構は、吸気通路3におけるコンプレッサハウジング51よりも上流側の部分とクランクケース12とを連通する第1通路91を備えている。また、ブローバイガス処理機構は、吸気通路3におけるスロットルバルブ29よりも下流側の部分とクランクケース12とを連通する第2通路92と、この第2通路92に設置されており同第2通路92を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量を調整するPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ93とを備えている。
機関負荷が低いときには、吸気通路3におけるスロットルバルブ29の下流側の吸気圧が低くなるため、クランクケース12内のブローバイガスBGは上記第2通路92を通じて吸気通路3に排出される。また、このときには吸気通路3内の新気FAが第1通路91を通じてクランクケース12内に導入され、これによりクランクケース12内の掃気が図られる。一方、機関負荷が高負荷や中負荷であるときには、クランクケース12内の圧力は、吸気通路3におけるコンプレッサハウジング51よりも上流側の部分の圧力よりも高くなるため、クランクケース12内のブローバイガスBGは上記第1通路91を通じて吸気通路3に排出されるようになる。
内燃機関1の各種制御は、制御装置100によって行われる。制御装置100は、中央処理装置(以下、CPUという)110や、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリ120などを備えている。そして、制御装置100は、メモリ120に記憶されたプログラムをCPU110が実行することにより各種制御に関する処理を実行する。
制御装置100には、アクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPを検出するアクセルポジジョンセンサ28、スロットルバルブ29の開度であるスロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ30、内燃機関1の吸入空気量GAを検出するエアフロメータ31、内燃機関1の冷却水の温度である冷却水温THWを検出する水温センサ33、オイルパン13に貯留された潤滑油の温度である油温THOを検出する油温センサ34、クランクシャフト7のクランク角を検出するクランク角センサ35、排気通路8における触媒70よりも上流側の部分に設けられて燃焼室2で燃焼された混合気の空燃比を検出する空燃比センサ36などが接続されている。そして、それら各種センサからの信号が制御装置100に入力される。なお、制御装置100は、クランク角センサ35の出力信号に基づいて機関回転速度NEを算出する。また、機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づいて機関負荷率KLを算出する。
そして、制御装置100は、上記各種センサの検出信号に基づいて機関運転状態を把握し、その把握した機関運転状態に応じて燃料噴射弁4の燃料噴射制御、点火プラグ5の点火時期制御、スロットルバルブ29の開度制御、WGV81の開度制御、PCVバルブ93の開度制御等といった各種の機関制御を実施する。
制御装置100は、そうした機関制御の一環として、燃焼室2内で燃焼する混合気の空燃比を目標値AFTとするように、燃料噴射弁4から噴射する燃料の量である燃料噴射量を制御している。本実施形態では、ガソリン燃料の理論空燃比である「14.7」を空燃比の目標値AFTとして設定している。
フレキシブル燃料エンジンの場合、理論空燃比、すなわち燃料が過不足なく完全燃焼するだけの酸素を含む混合気の空燃比は、使用中の燃料のアルコール濃度により変化する。例えば使用中の燃料のアルコール濃度が「85%」のときの理論空燃比は「10.0」となる。よって、筒内空気量MCが一定の状態で理論空燃比を得るために必要な燃料噴射量は、使用中の燃料のアルコール濃度が「85%」の場合には、アルコール濃度が「0%」の場合の「1.47」倍となる。
一方、厳密には、空燃比センサ36の出力値は、燃焼室2内で燃焼された混合気の空気過剰率λを、すなわち混合気中の燃料が過不足なく完全燃焼するだけの酸素を含む空気の質量に対しての混合気中の実際の空気の質量の比率を示している。そして、本実施形態では、空燃比センサ36の出力値が示す空気過剰率λにガソリン燃料の理論空燃比である「14.7」を乗算した積を空燃比センサ36による空燃比の検出値AFとしている(AF=λ×14.7)。さらに本実施形態では、燃料噴射量制御において、空燃比の検出値AFが目標値AFTとするように燃料噴射量を制御している。すなわち、厳密に言えば、本実施形態の燃料噴射量制御では、燃焼室2内で燃焼する混合気の空気過剰率λが「1」となるように燃料噴射量を制御していることになる。
燃料噴射量の制御に際して制御装置100は、まず、燃焼室2に導入される空気の質量である筒内空気量MCを上記エアフロメータ31の検出値から算出するとともに、その筒内空気量MCを空燃比の目標値AFTで除算した商を基本噴射量QBSEの値として算出する。続いて、制御装置100は、基本噴射量QBSEに対して、空燃比フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGなどの各種値に基づく補正を施した値を指令噴射量QINJの値として算出する。そして、制御装置100は、指令噴射量QINJの値が示す量の燃料噴射を燃料噴射弁4に指令する。
こうした燃料噴射量の制御に際して制御装置100は、空燃比フィードバック制御を行う。また、制御装置100は、空燃比フィードバック制御による燃料噴射量の補正値である空燃比フィードバック補正値FAFに基づき、上述の空燃比学習値KGの学習を行う。
まず、空燃比フィードバック制御について説明する。制御装置100は、空燃比の目標値AFTに対する空燃比センサ36による空燃比の検出値AFの偏差ΔAF(=AFT−AF)に基づき空燃比フィードバック補正値FAFの値を更新することで、空燃比フィードバック制御を行っている。具体的には、制御装置100は、上記偏差ΔAFに既定の比例ゲインKPを乗算した積を比例項の値として、上記偏差ΔAFの時間微分値に既定の微分ゲインKDを乗算した積を微分項の値として、上記偏差ΔAFの時間積分値に既定の積分ゲインKIを乗算した積を積分項の値としてそれぞれ算出する。そして、制御装置100は、算出した比例項、微分項、積分項の各値を足し合わせた和を空燃比フィードバック補正値FAFの値として設定する。
次に空燃比学習について説明する。制御装置100は、空燃比学習により、空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの定常的な偏差分を空燃比学習値KGの値として学習している。この空燃比学習では、既定の制御周期毎に、空燃比フィードバック補正値FAFの移動平均値FAFSMの絶対値が既定の値「F0」以上であるか否かが確認される。そして、移動平均値FAFSMが「F0」以上の値であった場合には、既定の値「K0」を更新前の値に加えた和を更新後の値とするように空燃比学習値KGの値が更新される。これに対して、移動平均値FAFSMが「−F0」以下の値であった場合には、更新前の値から「K0」を引いた差を更新後の値とするように空燃比学習値KGの値が更新される。なお、「K0」の値としては、「0」を超過し、かつ「F0」未満の値が設定されている。こうして更新される空燃比学習値KGの最新値は、機関停止後も上記メモリ120に保持される。また、周知のように、こうした空燃比学習値KGには、燃料中のアルコール濃度が反映される。すなわち、燃料中のアルコール濃度が高くなるほど、この空燃比学習値KGの値は大きくなる傾向があるため、制御装置100は、使用されている燃料のアルコール濃度を空燃比学習値KGに基づいて検出する。
ところで、内燃機関1の暖機中において、オイルパン13に貯留された潤滑油の温度が徐々に上昇していくと、その潤滑油に溶け込んでいる燃料が気化するため、そうした燃料の気化が終わるまでは、吸気通路3に排出されるブローバイガスに含まれる気化燃料の量が一時的に増加する。特に、本実施形態の内燃機関1で使用可能なアルコール燃料などの低沸点燃料は、ガソリン燃料と比較して低い温度から大量に気化するため、暖機中では吸気通路3に排出されるブローバイガス中の気化燃料量が急激に増加する傾向がある。
このようにしてブローバイガス中の気化燃料量が増加する暖機中において、ブローバイガスが第1通路91を介して吸気通路3に排出される運転状態になると、第1通路91を介して吸気通路3に排出されたブローバイガスは、その後、インタークーラ60を通過する際に冷却されるため、ブローバイガスに含まれる気化燃料が液化する。この液化した燃料には、インタークーラ60や吸気通路3に付着したオイル成分が溶け込み、そのオイル成分を含んだ燃料は、ブローバイガスとともに燃焼室2に流れ込む。燃焼室2に流れ込んだ燃料の一部は燃焼室2の壁面に付着し、同燃料に溶け込んだオイル成分が同壁面でデポジット化する。こうして生成されるデポジットの量が多くなると、プレイグニッションなどの異常燃焼が起きやすくなる。
こうした異常燃焼の発生を抑えるために、制御装置100は、図2に示す処理を実行する。なお、この処理は、制御装置100のメモリ120に記憶されたプログラムをCPU110が実行することにより実現される処理である。また、制御装置100は、機関始動が開始されると図2に示す処理の実行を開始して、機関暖機が完了すると同処理の実行を終了する。ちなみに、制御装置100は、たとえば冷却水温THWが規定の温度以上である場合に、機関暖機が完了したと判定する。また、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理に示す手順のステップ番号を表現する。
図2に示す処理を開始すると、制御装置100は、低沸点燃料が使用されているか否かを判定する(S100)。S100において制御装置100は、現状の空燃比学習値KGが規定値以上であり、燃料のアルコール濃度が高いと判断できる場合に低沸点燃料が使用されていると判定する。
そして、低沸点燃料が使用されていないと判定する場合(S100:NO)、制御装置100は、本処理を終了する。
一方、低沸点燃料が使用されていると判定する場合(S100:YES)、制御装置100は、暖機中の積算噴射量QSが閾値QSref以上であるか否かを判定する(S110)。積算噴射量QSは、機関始動を開始した時点から現在までの間に燃料噴射弁4から噴射された燃料噴射量の総量であり、上記指令噴射量QINJの時間積算値である。なお、暖機が完了する前に機関停止された場合には、積算噴射量QSの算出は一旦停止されて機関停止された時点での積算噴射量QSの値が保持される。そして、再び機関始動が開始されると、保持されていた積算噴射量QSを起点として同積算噴射量QSの算出が再開される。従って、この積算噴射量QSの値は、機関始動が開始された以降に潤滑油に溶け込んだ燃料の量に相関する値となっている。また、上記閾値QSrefとしては、上述した異常燃焼が起きやすくなる程度に上記気化燃料の量が多くなる積算噴射量QSの値が予め設定されている。
一方、低沸点燃料が使用されていると判定する場合(S100:YES)、制御装置100は、暖機中の積算噴射量QSが閾値QSref以上であるか否かを判定する(S110)。積算噴射量QSは、機関始動を開始した時点から現在までの間に燃料噴射弁4から噴射された燃料噴射量の総量であり、上記指令噴射量QINJの時間積算値である。なお、暖機が完了する前に機関停止された場合には、積算噴射量QSの算出は一旦停止されて機関停止された時点での積算噴射量QSの値が保持される。そして、再び機関始動が開始されると、保持されていた積算噴射量QSを起点として同積算噴射量QSの算出が再開される。従って、この積算噴射量QSの値は、機関始動が開始された以降に潤滑油に溶け込んだ燃料の量に相関する値となっている。また、上記閾値QSrefとしては、上述した異常燃焼が起きやすくなる程度に上記気化燃料の量が多くなる積算噴射量QSの値が予め設定されている。
そして、積算噴射量QSが閾値QSref未満であると判定する場合(S110:NO)、制御装置100は、積算噴射量QSが閾値QSref以上になるまでS110の処理を繰り返し実行する。
S110において、積算噴射量QSが閾値QSref以上であると判定する場合(S110:YES)、次に、制御装置100は、現在の油温THOが閾値THOref以上であるか否かを判定する判定処理を実行する(S120)。閾値THOrefは、オイルパン13に貯留された潤滑油に溶け込んでいる燃料が急激に気化する温度、つまり内燃機関1の使用燃料の沸点が予め設定されている。なお、この閾値THOrefの設定に際して想定している使用燃料は、空燃比学習値KGが上記規定値以上となるアルコール濃度の燃料である。
そして、油温THOが閾値THOref未満であると判定する場合(S120:NO)、制御装置100は、油温THOが閾値THOref以上になるまでS120の処理を繰り返し実行する。
S120において、油温THOが閾値THOref以上であると判定する場合(S120:YES)、次に、制御装置100は、スロットル開度の制限処理及びWGV81を開弁状態にする開弁処理を規定時間TEだけ実行して(S130)、本処理を終了する。
スロットル開度の制限処理は、スロットルバルブ29の開度が規定値以下となるように制限する処理であり、この制限処理として、制御装置100は以下の処理を実行する。すなわち、スロットルバルブ29よりも下流側の吸気圧を規定圧P以下とするために必要なスロットル開度TAの上限値TAmaxを吸入空気量GAや機関回転速度NE等に基づいて算出する。なお、規定圧Pとしては、次の値が予め設定されている。すなわち、上述した異常燃焼の発生は、インタークーラ60を通過するブローバイガスの量を少なくすること、つまり第1通路91を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量を少なくすることで、インタークーラ60にて液化する燃料の量を減らすことにより抑えることができる。そこで、スロットルバルブ29よりも下流側の吸気圧を十分に小さくすることにより、第2通路92を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量が増えるようにすれば、相対的に第1通路91を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量は少なくなる。従って、上記規定圧Pは、第1通路91を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量を少なくする上で必要な圧力であり、そうした圧力を確保するために必要なスロットル開度TAの最大値が上記上限値TAmaxである。そして、機関運転状態に基づいて設定されるスロットル開度TAの目標値が上限値TAmaxを超える場合には、スロットル開度TAの目標値として上限値TAmaxを設定することにより、スロットル開度は、規定値である上限値TAmax以下となるように制限される。
また、規定時間TEとしては、次の時間が予め設定されている。すなわち、上述したように、オイルパン13に貯留された潤滑油の温度が徐々に上昇していくと、その潤滑油に溶け込んでいる燃料が気化するため、そうした燃料の気化が終わるまでは、吸気通路3に排出されるブローバイガスに含まれる気化燃料の量が一時的に増加する。このようにして気化燃料の量が一時的に増加する時間が予め求められており、その求められた時間が上記規定時間TEに設定されている。
以上説明した本実施形態では、以下の作用効果を得ることができる。
(1)図2に示した上記S100、S110、S120の各処理にて肯定判定されることにより、暖機中においてオイルパン13の潤滑油に溶け込んでいる燃料が大量に気化し、これによりブローバイガスに含まれる気化燃料の量が一時的に増大する場合には、S130にてスロットル開度の制限処理が実行される。この制限処理が実行されると、スロットルバルブ29よりも下流側の吸気圧は低下した状態になるため、第2通路92を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量が増えるようになる。そのため、ブローバイガスが第1通路91を介して吸気通路3に排出される運転状態であったとしても、その第1通路91を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量は相対的に少なくなる。このように第1通路91を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量が少なくなると、インタークーラ60を通過するブローバイガスの量が少なくなるため、インタークーラ60にて液化する燃料の量が少なくなる。このようにして液化する燃料の量が少なくなると、ブローバイガス中の燃料に溶け込むオイル成分の量も少なくなるため、燃焼室2の壁面に生成されるデポジットの量が減少する。従って、そうしたデポジットに起因する異常燃焼の発生を抑えることができる。
(1)図2に示した上記S100、S110、S120の各処理にて肯定判定されることにより、暖機中においてオイルパン13の潤滑油に溶け込んでいる燃料が大量に気化し、これによりブローバイガスに含まれる気化燃料の量が一時的に増大する場合には、S130にてスロットル開度の制限処理が実行される。この制限処理が実行されると、スロットルバルブ29よりも下流側の吸気圧は低下した状態になるため、第2通路92を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量が増えるようになる。そのため、ブローバイガスが第1通路91を介して吸気通路3に排出される運転状態であったとしても、その第1通路91を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量は相対的に少なくなる。このように第1通路91を介して吸気通路3に排出されるブローバイガスの量が少なくなると、インタークーラ60を通過するブローバイガスの量が少なくなるため、インタークーラ60にて液化する燃料の量が少なくなる。このようにして液化する燃料の量が少なくなると、ブローバイガス中の燃料に溶け込むオイル成分の量も少なくなるため、燃焼室2の壁面に生成されるデポジットの量が減少する。従って、そうしたデポジットに起因する異常燃焼の発生を抑えることができる。
また、スロットル開度の制限処理を実行しても、仮に過給機50による吸気の過給が行われてしまうと、スロットルバルブ29よりも下流側の吸気圧は十分に低下しなくなる。この点、本実施形態では、スロットル開度の制限処理とともに、WGV81の開弁処理も併用されるため、そうしたWGV81の開弁により、過給機50による吸気の過給も抑えられる。従って、スロットル開度の制限処理を通じた上記吸気圧の低下を十分に行うことができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・油温THOを冷却水温THW等に基づいて推定してもよい。
・油温THOを冷却水温THW等に基づいて推定してもよい。
・図2に示したS110の処理を省略してもよい。この場合でも、少なくともオイルパン13の潤滑油に溶け込んでいる燃料が、暖機中において気化する状態にあるか否かを判定することができる。
・使用燃料がガソリン燃料に限定されている内燃機関でも、暖機中にはオイルパン13の潤滑油に溶け込んでいる燃料が少なからず気化するため、アルコール燃料を使用する内燃機関ほどではないにせよ、上述したデポジットによる異常燃焼は起きるおそれはある。そこで、使用燃料がガソリン燃料に限定されている内燃機関の場合には、上記図2に示したS100の処理を省略するとともに、S120の判定処理における閾値THOrefをガソリン燃料の沸点に合わせた適合値とすることにより、そうした内燃機関でも上記実施形態に準じた作用効果を得ることができる。
・空燃比学習における学習値の更新に係る具体的な処理の内容は、適宜に変更してもよい。
・制御装置100は、自身が実行する全ての処理についてソフトウェア処理を行うものに限られない。例えば、制御装置100は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路、例えば特定用途向け集積回路を備えてもよい。すなわち、制御装置100は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、演算処理装置、並びに記憶装置を含み、記憶装置は、処理を演算処理装置に実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。記憶装置、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
・制御装置100は、自身が実行する全ての処理についてソフトウェア処理を行うものに限られない。例えば、制御装置100は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路、例えば特定用途向け集積回路を備えてもよい。すなわち、制御装置100は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、演算処理装置、並びに記憶装置を含み、記憶装置は、処理を演算処理装置に実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。記憶装置、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
1…内燃機関
3…吸気通路
12…クランクケース
13…オイルパン
29…スロットルバルブ
50…過給機
51…コンプレッサハウジング
81…ウェイストゲートバルブ
91…第1通路
92…第2通路
100…制御装置
3…吸気通路
12…クランクケース
13…オイルパン
29…スロットルバルブ
50…過給機
51…コンプレッサハウジング
81…ウェイストゲートバルブ
91…第1通路
92…第2通路
100…制御装置
Claims (1)
- 吸気通路に設けられた過給機のコンプレッサハウジングと、吸気通路における前記コンプレッサハウジングよりも下流側の部分に配設されるインタークーラと、吸気通路における前記インタークーラよりも下流側の部分に配設されるスロットルバルブと、排気通路に設けられた前記過給機のタービンハウジングの上流側と下流側とを連通するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、吸気通路における前記コンプレッサハウジングよりも上流側の部分とクランクケースとを連通する第1通路及び吸気通路における前記スロットルバルブよりも下流側の部分とクランクケースとを連通する第2通路を有するブローバイガス処理機構と、を備える内燃機関に適用される制御装置であって、
内燃機関の暖機中においてオイルパンに貯留された潤滑油の油温が機関燃料の沸点以上であるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理にて前記油温が前記沸点以上であると判定される場合には、前記スロットルバルブの開度を制限する制限処理と、前記ウェイストゲートバルブを開く開弁処理とを実行する
内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019222899A JP2021092181A (ja) | 2019-12-10 | 2019-12-10 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019222899A JP2021092181A (ja) | 2019-12-10 | 2019-12-10 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021092181A true JP2021092181A (ja) | 2021-06-17 |
Family
ID=76312026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019222899A Pending JP2021092181A (ja) | 2019-12-10 | 2019-12-10 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021092181A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20230374948A1 (en) * | 2022-05-22 | 2023-11-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Engine control system, engine control method, and engine control program |
-
2019
- 2019-12-10 JP JP2019222899A patent/JP2021092181A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20230374948A1 (en) * | 2022-05-22 | 2023-11-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Engine control system, engine control method, and engine control program |
US11885272B2 (en) * | 2022-05-25 | 2024-01-30 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Engine control system, engine control method, and engine control program |
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