JP2021091848A - 無溶剤系制振性塗料、塗装方法及び塗工物 - Google Patents

無溶剤系制振性塗料、塗装方法及び塗工物 Download PDF

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Abstract

【課題】例えばパラフィン等の添加剤に起因する表面の汚染を生じることなく、従来と同等以上の制振性を付与可能な技術を提供すること。【解決手段】ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分と、少なくとも2種の無機物の微粒子とを含む無溶剤系制振性塗料、及び、該無溶剤系制振性塗料を用いた塗装方法であって、前記硬化性成分が、液状のイソシアネート基を有する化合物と、ポリオール又はアミンとを含み、液状のイソシアネート基を有する化合物を含むA液と、少なくとも2種の無機物の微粒子及び液状のポリオール又はアミンを含むB液との混合物を、基材の表面に塗布し、ポリウレタン又はポリウレアをマトリックス樹脂として形成させ塗膜を形成する、塗装方法。【選択図】なし

Description

本発明は、無溶剤系制振性塗料、該塗料を用いる塗装方法及び前記塗料により塗膜が表面に形成されている塗工物に関するものである。
従来、産業用機械、自動車、鉄道、船舶、家庭用電気機器、事務用電気機器、建築用部材等では、モーターやエンジン等、あるいはその他の可動部分において振動が発生し、その振動に起因する騒音が生じたり、それらの振動発生源或いはその周辺を構成する部材の損傷を生じたりする場合があった。このような振動を抑制する観点から、振動発生源やその周辺を構成する部材にウレタン系樹脂を含む樹脂組成物を適用することが提案されている(特許文献1、2)。また、その振動をより抑制する観点から、ウレタン系樹脂と相変化物質を内包する無機粒子とを含有する樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。
特開平7−90046号公報 特開2017−197773号公報 特許第6253790号公報
特許文献1、2に記載のようなウレタン系樹脂組成物を用いることで、振動発生源やその周辺を構成する部材の振動はある程度抑制されるが、改善の余地がある。特許文献3に記載のような相変化物質を内包する無機粒子を用いることで特許文献1、2に記載の技術と比べると振動抑制効果は得られるが、パラフィン等の添加剤が振動エネルギーを吸収する等して液化すると表面が汚染される可能性がある。
そこで、本発明の目的は、例えばパラフィン等の添加剤に起因する表面の汚染を生じることなく、従来と同等以上の制振性を付与可能な技術を提供することにある。
本発明者は、前述の課題解決のために鋭意検討を行った。その結果、所定の硬化性成分と、少なくとも2種の無機物の微粒子とを含む無溶剤で厚さ1mm以上の塗膜を、液垂れを抑制しつつ膜厚を確保して形成可能な塗料を用いることで、前述の課題が解決可能であること見出した。
本発明の第一は、ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分と、少なくとも2種の無機物の微粒子とを含む、厚さ1mm以上の塗膜が形成可能な無溶剤系制振性塗料に関する。
本発明の実施形態では、前記の少なくとも2種の無機物が、層状無機物と、層状無機物以外の無機物とを含んでもよい。
本発明の実施形態では、前記層状無機物の微粒子のアスペクト比が20〜120であってもよい。
本発明の実施形態では、前記層状無機物の微粒子が、塗料全体中5〜10重量%含まれていてもよい。
本発明の実施形態では、前記硬化性成分が、ポリウレタンを生成する成分であってもよい。
本発明の実施形態では、前記ポリウレタンを生成する硬化性成分が、ひまし油由来ポリオールを含んでもよい。
本発明の実施形態では、スプレー塗布可能な二液混合塗料であってもよい。また、この場合、前記二液混合塗料を構成する一方の液が、前記ポリウレタンを生成する硬化性成分のポリオールを含む液であり、該ポリオールを含む液の25℃における粘度が3000〜8000mPa・sであってもよい。
本発明の第二は、前記無溶剤系制振性塗料により形成された塗膜が表面に形成されている塗工物に関する。
本発明の実施形態では、塗膜の厚みが1mm以上であってもよい。
本発明の第三は、ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分と、少なくとも2種の無機物の微粒子とを含む無溶剤系制振性塗料を用いた塗装方法であって、前記硬化性成分が、液状のイソシアネート基を有する化合物と、液状のポリオール又はアミンとを含み、液状のイソシアネート基を有する化合物を含むA液と、少なくとも2種の無機物の微粒子及び液状のポリオール又はアミンを含むB液との混合物を、基材の表面に塗布し、ポリウレタン又はポリウレアをマトリックス樹脂として形成させ塗膜を形成する、塗装方法に関する。
本発明によれば、例えばパラフィン等の添加剤に起因する表面の汚染を生じることなく、厚さ1mm以上の塗膜を、液垂れを抑制しつつ膜厚を確保して形成可能で、従来と同等以上の制振性を付与可能な無溶剤系制振性塗料を提供することができる。また、当該無溶剤系制振性塗料により形成された塗膜が表面に形成された塗工物は、従来と同等以上に振動が抑制され、例えば相変化物質に起因して表面が汚染されることがない。
制振性評価を行う際に用いた評価装置を模式的に示した図である。 実施例2、3の周波数応答関数を示した図である。 実施例2、比較例2の周波数応答関数を示した図である。 実施例3、比較例3の周波数応答関数を示した図である。 液垂れ評価を行う際の試験片である塗工物の厚みの測定位置を模式的に示した図である。
本発明の実施形態に係る無溶剤系制振性塗料は、ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分と、少なくとも2種の無機物の微粒子とを含む。また、厚さ1mm以上の塗膜を形成可能である。無溶剤系とは、塗料として一般に用いられる無溶剤を意味し、塗料を構成する成分を希釈するための溶剤を含まないことを意味する。もっとも、溶剤が一切含まれないことを意図するものではない。各成分の製造段階で不可避的に含まれるものは許容される。
このように、特許文献3に記載の発明のようなパラフィン等の添加剤を含むことなく、少なくとも2種の無機物の微粒子をそのまま組み合わせて用い、それらと所定の硬化性成分とを組み合わせ無溶剤にて塗料を構成することにより、制振性を付与可能であることは従来全く認識されていなかったことである。本発明者の検討の結果初めて明らかになったことである。
無溶剤系制振性塗料に適用可能な硬化性成分は、ポリウレタン又はポリウレアを生成するものであれば特に限定はない。このような硬化性成分は従来公知のものを採用することができ、例えば、イソシアネート基を有する化合物及び活性水素を有する化合物等が挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネート、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネートの水添物等が挙げられる。より具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI;2,4−TDI、2,6−TDI、これらの混合物)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI;4,4’−
MDI、2,4’−MDI、2,2’−MDI、ポリメリックMDI)、ナフタレンジイ
ソシアネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のジイソシアネー
ト、多価アルコールとジイソシアネートとの付加体(アダクト)、ウレタン変性TDI(
プレポリマー)、アロファネート変性TDI(プレポリマー)、ウレタン変性MDI(プ
レポリマー)、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
また、イソシアネート基を有する化合物は、イソシアネート基を一次的に保護基で保護して不活性にしたブロック化イソシアネートであってもよい。保護基は熱等によって除去され、イソシアネート基を再生させて使用することができる。保護基となり得る保護剤は、例えば、フェノール、カプロラクタム、オキシム、アルコール等が挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物は、前述の化合物のうちの1種又は2種以上含まれていてもよい。また、無溶剤とすることで、無機物の微粒子の増粘作用という副次的効果と相俟って、得られる塗膜の液垂れを抑制しつつ膜厚を確保する観点から、常温で液体であるものが好ましい。常温で固体のものでも、他の液状のイソシアネート基を有する化合物に可溶なものであれば、それと組み合わせて用いることができる。
活性水素を有する化合物としては、耐衝撃性の観点からは、ポリオール、アミンが好ましく、ポリオールが特に好ましい。尚、イソシアネート類とポリオールとの反応生成物がポリウレタン、イソシアネート類とアミンとの反応生成物がポリウレアである。
ポリオールとしては、例えば、特許文献1に記載のもの等を用いることができる。具体的には、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油由来ポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、例えば、ジカルボン酸、そのエステル、酸無水物等と、二価又は三価以上のアルコールとのエステル化反応で得られるもの、ラクトン等の環状エステルの開環重合で得られるもの、等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、二価以上の多価アルコールを用い、三員環の環状エーテルを開環重合させて得られるもの等が挙げられる。
ポリエステルポリエーテルポリオールは、例えば、ポリエーテルポリオールとジカルボン酸又は酸無水物とのエステル化反応で得られるもの等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、多価アルコールと炭酸エステルとの反応で得られるもの、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステルを開環させたもの等が挙げられる。
ひまし油由来ポリオールは、例えば、ひまし油、ひまし油誘導体等が挙げられる。ひまし油誘導体は、例えば、特許文献3に記載のもの等が挙げられる。例えば、ひまし油のアルキレンオキサイド付加物のうちの少なくとも1種と、アルコール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールのうちの少なくとも1種とのエステル交換物;ひまし油脂肪酸と、アルコール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールのうちの少なくとも1種とのエステル化合物;ひまし油のジオール型の部分脱水化物または部分アシル化物;前記エステル交換物、前記エステル化合物および前記部分脱水化物または部分アシル化物の各々の化合物の水添物;ひまし油を重合し、重合ひまし油を得た後、得られた重合ひまし油のエステル交換反応物とカプロラクトンとを反応させることで得られる化合物等が挙げられる。
以上のようなポリオールのうち、後述する無機物との組み合わせることでより良好な制振性、耐衝撃性や耐溶剤性を付与する観点、バイオマス原料であるという観点からは、ひまし油由来ポリオールが好ましく、ひまし油が特に好ましい。
アミンとしては、ポリアミン等が挙げられる。ポリアミンは、アミノ基を2つ以上有する化合物であればよい。例えば、単分子ジアミン、トリアミン、芳香族ジアミン、ポリエーテルの末端がアミノ基であるポリエーテルポリアミン等が挙げられる。
無溶剤系制振性塗料に適用可能な硬化性成分は、耐摩耗、施工性の観点から、ポリウレタンを生成する硬化性成分が好ましい。即ち、イソシアネート基を有する化合物と、活性水素を有する化合物としてポリオールとを含むものが好ましい。また、このポリオールとして、ひまし油由来ポリオールを含むのがより好ましい。このひまし油由来ポリオールはひまし油がさらに好ましい。
また、硬化性成分は、イソシアネート基を有する化合物とポリオールとを含む場合、さらに、硬化剤として、芳香族ジアミン等を含むことができる。芳香族ジアミンは従来公知のものを用いることができる。例えば、ビス(メチルチオ)トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、特開平09−278858号公報や特開2011−202017号公報等に記載の特定の芳香族ポリアミンの混合物等が挙げられる。
硬化性成分は、スプレー施工の流動性確保の観点から、無溶剤系制振性塗料全体中、40〜80重量%含まれるのが好ましく、50〜70重量%含まれるのがより好ましい。また、硬化性成分がイソシアネート基を有する化合物と活性水素を有する化合物を含む場合、両者の混合比は、イソシアネート基と活性水素のモル比が1:1になるように調整するのが一般的であるが、必要に応じて何れかが過剰になるように調整してもよい。また、前述の芳香族ジアミン等の硬化剤を含む場合は、硬化剤に含まれる活性水素を考慮して調整する。
無溶剤系制振性塗料に適用可能な無機物は、少なくとも2種組み合わせることで振動を減衰する機能を付与可能なものである。このような無機物としては、例えば、層状無機物、層状無機物以外の無機物が挙げられる。また、このような制振性以外に、無機物の微粒子の副次的効果として、耐摩耗性、及び/又は、ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分が液状である場合に増粘性を有するものがより好ましい。
層状無機物としては、例えば、層状ケイ酸塩鉱物、グラファイト等が挙げられる。層状ケイ酸塩鉱物としては、例えば、蛇紋岩−カオリン族、タルク−パイロフィライト族、スメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族、層間欠損型雲母、脆雲母族、緑泥石族、混合層鉱物等が挙げられる。
蛇紋岩−カオリン族としては、例えば、リザーダイト、バーチェリン、アメサイト、クロンステダイト、ネポーアイト、ケリアイト、フレイポナイト、ブリンドリアイト、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト(板状)、オーディナイト等が挙げら
れる。
タルク−パイロフィライト族としては、例えば、タルク、ウィレムサイト、パイロフィライト等が挙げられる。
スメクタイト族としては、例えば、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、スインホルダイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ボルコンスコアイト等が挙げられる。
バーミキュライト族としては、例えば、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライト等が挙げられる。
雲母族としては、例えば、黒雲母、金雲母、鉄雲母、イーストナイト、シデロフィライト、テトラフェリ鉄雲母、鱗雲母ポリリシオナイト、白雲母、セラドン石、鉄セラドン石、鉄アルミノセラドン石、アルミノセラドン石、砥部雲母、ソーダ雲母等が挙げられる。
層間欠損型雲母としては、例えば、イライト、海緑石、ブラマーライト、ウォンネサイト等が挙げられる。
脆雲母族としては、例えば、クリントナイト、木下石、ビティ雲母、アナンダ石、真珠雲母等が挙げられる。
緑泥石族としては、例えば、クリノクロア、シャモサイト、ペナンタイト、ニマイト、ベイリクロア、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイト等が挙げられる。
混合層鉱物としては、例えば、コレンサイト、ハイドロバイオタイト、アリエッタイト、クルケアイト、レクトライト、レスダイト、ドジライト、ルニジャンライト、サライオタイト等が挙げられる。
層状無機物は、制振性並びに耐摩耗性及び増粘性の観点から、層状ケイ酸塩鉱物が好ましい。層状ケイ酸塩鉱物としては、タルク−パイロフィライト族、雲母族が好ましい。タルク−パイロフィライト族としては、タルクが特に好ましい。雲母族としては、白雲母が特に好ましい。
層状無機物以外の無機物の微粒子の構造は、層状以外の多孔質体、中空体、中実体であれるのが好ましい。このうち、より良好な制振性並びに耐摩耗性及び増粘性を付与する観点からは、層状以外の多孔質体及び中実体から選択される少なくとも一種の構造を有するのがより好ましい。
層状無機物以外の無機物としては、例えば、層状ケイ酸塩鉱物以外の粘土鉱物、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、チタン酸カルシウム、二硫化モリブデン、フェライト等が挙げられる。層状ケイ酸塩鉱物以外の粘土鉱物としては、例えば、アロフェン、ヒシンゲライト、イモゴライト、フェリハイドライト、オパール等の非結晶質及び準結晶質粘土、沸石、セピオライト、カーロスターナイト等の層状ケイ酸塩鉱物以外の結晶質粘土鉱物等が挙げられる。二酸化ケイ素は、結晶性、非晶性いずれでもよい。結晶性二酸化ケイ素としては、例えば、石英、クリストバライト等が挙げられる。また、結晶性二酸化ケイ素の構造は中実体が好ましい。非晶性二酸化ケイ素としては、例えば、シリカゲル、シリカガラス、珪藻土等が挙げられる。シリカガラスは、ガラスビーズ等の中空球状粒子でもよいし、中実の粒子でもよい。非晶性二酸化ケイ素の構造は多孔質体が好ましい。
以上のような無機物は、2種以上組み合わせればよく、層状無機物同士、層状無機物以外の無機物同士、層状無機物と層状無機物以外の無機物同士のいずれでもよいが、より良好な制振性並びに耐摩耗性及び増粘性を付与する観点からは、層状無機物と層状無機物以外の無機物とを組み合わせて用いるのが好ましい。また、層状無機物及び層状無機物以外の無機物はそれぞれ1種でもよいし2種以上用いてもよい。また、層状無機物と層状無機物以外の無機物とを組み合わせとしては、層状ケイ酸塩鉱物と二酸化ケイ素との組み合わせがより好ましい。また、両者はそれぞれ2種以上含まれるのが好ましい。このようの組み合わせとしては、例えば、タルク−パイロフィライト族、雲母族、二酸化ケイ素が好ましく、タルク、白雲母並びに結晶性及び非晶性二酸化ケイ素がより好ましい。
層状無機物の微粒子の形状は特に限定はないが、より良好な制振性並びに耐摩耗性及び増粘性を付与する観点からは、層状無機物の微粒子のアスペクト比が20〜120であるのが好ましい。このアスペクト比は、例えば以下のようにして算出することができる。SEMまたはTEM画像より、任意の少なくとも20個の微粒子の長軸長と短軸長をそれぞれ測定してアスペクト比を算出し、それらを算術平均して算出する。ここで、アスペクト比は長軸長/短軸長とする。
前記層状無機物の微粒子の含量は特に限定はないが、より良好な制振性並びに耐摩耗性及び増粘性を付与する観点からは、塗料全体中5〜10重量%含まれるのが好ましい。また、前述の少なくとも2種の無機物の微粒子の含量は特に限定はないが、より良好な制振性並びに耐摩耗性及び増粘性を付与する観点からは、塗料全体中5〜20重量%含まれるのが好ましい。
無溶剤系制振性塗料には、必要に応じて、前述の成分以外の他の添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、例えば、顔料、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤等が挙げられる。但し、無機物の微粒子の分散を阻害しないものが望ましい。
無溶剤系制振性塗料の形態は無溶剤塗料とすることができれば、特に限定はないが、立体構造物に均一に塗布しやすい、より効率的に塗装ができるという観点から、スプレー塗布可能なものが好ましく、スプレー塗布可能な二液混合型であるのがより好ましい。ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分が、例えば、液状のイソシアネート基を有する化合物と液状のポリオール又はアミンとを含む場合は、無溶剤系制振性塗料は、イソシアネート基を有する化合物を含むA液と、活性水素を有する化合物を含むB液との組み合わせにより構成されるのが好ましい。もっとも、A液とB液との混合物も無溶剤系制振性塗料である。また、二液混合型の場合、無機物の微粒子及び任意の添加剤は、保存安定性の観点から、B液に含まれるのが好ましい。さらに、イソシアネート基を有する化合物及びポリオール又はアミンは、両者の反応促進の観点から、無溶媒において相互に溶解性があるものが好ましい。
また、B液の粘度は3000〜8000mPa・sであるのが好ましい。また、B液が、ポリオールを含む場合、特に、ポリオールと前述の無機物の微粒子を含む場合に、B液の粘度が当該範囲であるのが好ましい。B液がこのような粘度範囲であることで、A液と混合して形成される塗膜の液垂れを抑制しつつ膜厚を大きくすることがより容易になり、制振性をより良好に付与可能になる。ここで、無溶剤系では、イソシアネート基を有する化合物を含むA液は、ポリオールよりも粘度が低い。また、A液とB液とを混合すると硬化反応が速やかに進み、A液とB液の混合物は速やかに粘稠な特性を有することになる。これらの点から、B液の粘度を調整することで、塗膜液垂れを抑制しつつ膜厚を調整し得る。
尚、例えば、硬化性成分がポリウレタンを生成するものである場合、湿度硬化可能な一液型の無溶剤系制振性塗料とすることも可能である。このような硬化性成分は、従来公知のものを採用することができる。例えば、TDI、MDI、NDI、その他ポリイソシアネート化合物の一種又は二種以上の混合物と多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールの一種又は二種以上の混合物とを反応させて得られるインシアネートプレポリマーを主成分として用い空気中の湿気により硬化するもの等が挙げられる。
以上のような無溶剤系制振性塗料は、各種の基材の表面に塗布して、ポリウレタン又はポリウレアをマトリクス樹脂とし、当該マトリクス樹脂中に無機粒子が分散している塗膜を形成することができる。このような塗膜が表面に形成された基材は、制振性が付与された塗工物となる。
塗膜の厚みは、より良好な制振性を付与する観点から、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。言い換えると、前述の塗料は、厚みが、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは2.0mm以上の塗膜を形成可能である。塗料において、このような膜厚を可能にするには、前述のようにB液の粘度を所定の範囲にすればよい。このような粘度を調整するには、例えば、アスペクト比が高い扁平状の無機物の微粒子を用い、チクソトロピーを付与することにより可能となる。膜厚が大きいほど制振性は大きいため、膜厚の上限は特に限定はないが、適用基材の条件等に応じて適宜決定することができる。
無溶剤系制振性塗料を適用可能な基材の材質は、特に限定はなく、例えば、鉄、鋼、アルミニウム、銅、金、銀、各種の金属合金等の金属、セラミック、コンクリート、ガラス、ダイヤモンド、合成樹脂、天然樹脂、木材、紙等が挙げられる。
基材は、前述の材質で構成された各種の部材等が挙げられる。これらの部材は、各種の部品、装置等を構成するものであり、例えば、(i)産業機械における、各種配管、ハウジング、支持柱、(ii)電気電子機器における、モーター、プリンタなどの駆動部、半導体製造装置(例えば、部品実装用装置、検査装置、CVD装置、ドライエッチング装置、露光装置、蒸着装置、ドライ洗浄装置、ウェハー洗浄装置、熱処理装置、コータ、成膜装置、搬送装置、イオン注入装置等のケーシング、支持柱、アーム、固定台等)や各種測定装置、スピーカー、音響板、ケーシング(例えば、複写機、プリンタ、パソコン、タブレット端末、エアコン、エアコンの室外機、洗濯機、乾燥機、扇風機、掃除機、冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、調理器具等)、ファン(例えば、エアコンの室外機、乾燥機、扇風機、冷蔵庫、パソコン等)、各種配管(例えば、エアコン、洗濯機等)、(iii)自動車における、エンジン、エンジン周辺部品(例えば、オイルバン、シリンダーヘッドカバー、タイミングベルトカバー等)、車体、ホイール、ドア、ルーフ、フロアー材料、(iv)船舶における、壁材、エンジンルーム、空調管、パーティション、機械のケーシング、(v)鉄道における、車輪、パンタグラフ、ルーフ、車両側板、フロアー、ドア、(vi)建築における、外壁、シャッター、パーティション、船舶・鉄道の内装用壁材、建築・住宅設備(例えば、給排気ダクト、給排気ファン、階段、シンク等)、(vii)航空機における、主翼、水平翼、プロペラ、脱気リング、(viii)産業用ロボット、(ix)フォークリフト、クレーン、油圧ショベル、高所作業車、道路機械、砕石機等の建設機械、(x)釣り竿、ゴルフシャフト、テニスラケット等のスポーツ用品等が挙げられる。また、上記(i)の具体例としては、例えば、(i−1)各種の真空ポンプ:各種真空ポンプのケーシング、ファン、装置に接続される配管等の付帯設備、(i−2)コンプレッサー:ターボ圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機のケーシング、装置に接続される配管等の付帯設備、(i−3)コンベア:ベルトコンベア、スクリューコンベア、振動コンベア、チェーンコンベア等、(i−4)加工機:旋盤、フライス盤、ボール盤、研削盤、マシニングセンタの駆動部、ケーシング、固定台等が挙げられる。前記各種の真空ポンプとしては、例えば、気体輸送式真空ポンプ、気体ため込み式真空ポンプ(例えば、ゲッターポンプ、クライオポンプ等)等が挙げられる。また、気体輸送式真空ポンプとしては、例えば、容積移送式真空ポンプ、運動量輸送式真空ポンプ等が挙げれる。容積移送式真空ポンプとしては、例えば、油封(液封)ポンプ等の回転式容積移送式真空ポンプ、ピストン真空ポンプ等の往復動式容積移送式真空ポンプ等が挙げられる。運動量輸送式真空ポンプとしては、液体ジェット真空ポンプ、気体ジェット真空ポンプ、蒸気ジェット真空ポンプ等のエジェクタ真空ポンプ、自己浄化形拡散ポンプ、分留形油拡散ポンプ等の拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ等の分子ポンプ、イオン輸送ポンプ等が挙げられる。
基材の表面は、塗膜と基材との固着強度を確保、向上する観点から、必要に応じて、予め研磨処理や、洗浄処理、プライマー処理が行われたものであってもよい。
無溶剤系制振性塗料は、これらの適用基材のうち、無機粒子の副次的効果の一つである耐摩耗性の観点からは、摩耗性部品へ適用されるのが好ましく、例えば、(a)機械設備周辺の部材としての配管、ダクト等、(b)自動車部品としてのダッシュボード、フロアー、ドア、ルーフ、パネル、ホイルハウス、ホイール、エンジン周辺部品(オイルバン、シリンダーヘッドカバー、タイミングベルトカバー等)等、(c)建築部材としてのルーフ材、床材、パーティション、ドア等、(d)鉄道車両用部品としてルーフ、パンタグラフ、車輌側板、ドア等、(e)船舶部品としての制御室内壁、機械のケーシング等、(f)航空機部品としての主翼、水平翼、プロペラ、脱気リング等、(g)産業機械(例えば、前述の各種の真空ポンプ、コンプレッサー、コンベア、加工機等)の各種部品、(h)建設機械(例えば、フォークリフト、クレーン、油圧ショベル、高所作業車、道路機械、砕石機等)の各種部品、(i)産業用ロボットの各種部品、(j)半導体製造装置を構成する各種装置(例えば、部品実装用装置、検査装置、CVD装置、ドライエッチング装置、露光装置、蒸着装置、ドライ洗浄装置、ウェハー洗浄装置、熱処理装置、コータ、成膜装置、搬送装置、イオン注入装置等)の各種部品(例えば、ケーシング、支持柱、アーム、固定台等)、(k)エアコン及び室外機の各種部品(例えば、各ケーシング、室外機のファン、配管等)、各種家電(例えば、洗濯機、乾燥機、扇風機、掃除機、冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、調理器具等)のケーシング、ファン等、(l)各種電子機器(例えば、プリンタ、パソコン、タブレット端末等)のケーシング、スピーカー、音響板等、(m)建築・住宅設備の各種部品(例えば、給排気ダクト、給排気ファン、階段、シンク等)、(n)釣り竿のロッド、ゴルフクラブのシャフト、テニスラケットのフレーム等のスポーツ用品の各種部品、(o)その他のモーター、軸受、ハウジング等への適用がより効果的である。
前述の無溶剤系制振性塗料を用いた基材の表面への塗装は、例えば以下のような塗装方法により行うことができる。尚、以下では、ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分が、液状のイソシアネート基を有する化合物と液状のポリオール又はアミンとを含む場合を例に説明する。
本発明の実施形態に係る塗装方法では、液状のイソシアネート基を有する化合物を含むA液と、少なくとも2種の無機物の微粒子及びポリオール又はアミン含むB液との混合物を、基材の表面に塗布し、ポリウレタン又はポリウレアをマトリックス樹脂として形成させ塗膜を形成する。この場合、無溶剤系制振性塗料はA液とB液とで構成される。また、A液とB液との混合物も無溶剤系制振性塗料である。
A液は、前述のイソシアネート基を有する化合物を含むのが好ましく、イソシアネート基を有する化合物であるのが好ましい。また、イソシアネート基を有する化合物は常温で液状のものを含み、A液は無溶剤である。B液は、前述のポリオール又はアミンを含むのが好ましい。また、ポリオール又はアミンは常温で液状のものを含み、B液は無溶剤である。また、B液は、前述の少なくとも2種の無機物の微粒子を含む。B液の粘度は、前述のように、3000〜8000mPa・sであるのが好ましい。
基材表面への無溶剤系制振性塗料の塗布は、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、両液の混合液をスキージや刷毛等により塗布する方法、両液の混合液に浸漬する方法、A液及びB液をスプレーガンにより混合してスプレー塗布する方法等が挙げられる。このうち、適用基材の表面形状を問わず、また、既設の設備等への塗布が容易である等の観点から、スプレー塗布が好ましい。
A液とB液とを混合し、イソシアネート基を有する化合物とポリオール又はアミンとを反応させ、ポリウレタン又はポリウレアをマトリックス樹脂として生成させ塗膜を基材の表面に形成させることで、塗工物が形成される。イソシアネート基を有する化合物とポリオール又はアミンとの反応は、各成分の特性に応じ、温度条件等を設定することができる。2液を同等の粘度にして、スプレー装置にて所定の混合比率に揃えるために、温度条件は、イソシアネート基を有する化合物は常温とし、ポリオール又アミンは50℃〜60℃に加温してから混合することが好ましい。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態について説明する。
(実施例1)
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート38重量%、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート62重量%のA液と、ひまし油45〜50重量%、マイカ10〜15重量%、タルク1〜5重量%、クリストバライト(結晶質シリカ)15〜20重量%、石英(結晶質シリカ)1〜5重量%、非晶質シリカ0.1〜1重量%、酸化チタン0.1〜1重量%、カーボンブラック1〜5重量%、ビス(メチルチオ)トルエンジアミン1〜5重量%のB液とを用意し、二液混合型の無溶剤系制振性塗料を得た。B液を60℃で2時間静置した後、A液とB液を重量比(A/B)が1/3.12となるように脱泡混合装置により混合し、A液とB液の混合液である無溶剤系制振性塗料を得た。A液とB液の混合液である塗料を後述する評価に供した。
(比較例1)
株式会社枚方技研製、無溶剤のウレタン系塗料であるノンブレンコートを用いた。ノンブレンコートはA’液とB’液の二液混合型の制振性塗料である。A’液は、ウレタンプレポリマー56重量%、MDI44重量%であり、B’液は、ひまし油95.2重量%、ゼオライト4.8重量%である。両液を加熱せず常温で、A’液とB’液を重量比(A/B)が1/1となるように脱泡混合装置により混合し、A’液とB’液の混合液である無溶剤系制振性塗料を得た。A液とB液の混合液である塗料を後述する評価に供した。
(評価)
<制振性評価>
<<塗膜の形成>>
実施例1及び比較例1で得られた混合液である無溶剤系制振性塗料を、平面に設置したステンレス鋼(SUS304)製の平板状の基材(100mm×100mm×0.5mm
)の表面に、バーコーター(株式会社井元製作所製、塗工機III IMC−70F0−C
)にて塗布し、塗膜を形成した。バーコーダーのギャップ幅を、実施例1については2.0mm、2.8mmとし、比較例1については1.5mm、3.8mmとして、膜厚の異なる塗膜を形成した。ブレードは10mm/秒の速度で移動させた。その後、常温で硬化させ、基材に塗膜(硬化物)が形成された塗工物1、2(実施例)、塗工物3、4(比較
例)を得た。塗工物1〜4を試験片として用い、下記の試験を行った。塗工物1〜4の膜厚は以下のとおりである。塗工物1(実施例2):0.8mm、塗工物2(実施例3):
1.8mm、塗工物3(比較例2):0.8mm、塗工物4(比較例3):1.6mm。
<<周波数応答関数の算出>>
図1に示すように、インパルスハンマ(株式会社東陽テクニカ、モーダルチューンICP(登録商標)インパクトハンマー 086C03型)1を用いて、試験片2に対する打点から所定の場所に設置した加速度ピックアップセンサー3を介してFFT(高速フーリエ変換)アナライザー(株式会社小野測器製、DS−2100)4で伝達関数(周波数応答関数)を算出し、得られた伝達関数から共振周波数を求め、この周波数における損失係数を求めた。具体的には、以下のとおりである。共振周波数、損失係数は、FTTアナライザー4に配線を介して接続されたパーソナルコンピュータ9に格納された専用のソフトウェア(小野測器社製「汎用FFT解析DS−0221」)を用いて算出した。
図1に示すように、ダブルクリップにより糸5を、正方形の試験片2の一辺の中央端部5mmの位置に取り付け、吊り下げ台6に吊るした。試験片2の塗膜を形成させていない側の面には、試験片2の中央部に加速度ピックアップセンサー3をワックスにより貼り付けた。インパルスハンマ1によって、試験片2の塗膜を形成させた側の面の中央部を叩き振動を加え、インパルスハンマ1および加速度ピックアップセンサー3において受信された信号が配線7、8を介してFFTアナライザー4に入力され、伝達関数(周波数応答関数)を算出した。算出結果を図2〜4に示す。図2は、実施例2、実施例3、図3は、実施例2、比較例2、図4は、実施例3、比較例3の伝達関数を示したものである。図2より、膜厚が増えるにつれ、振動による加速度が減衰していることが分かる。
図3、4に示す伝達関数から、実施例2、3及び比較例2、3について、半値幅法によって一次固有振動数での損失係数を求めた。結果を表1に示す。表1に示すように、従来材と同等の制振性を確保していることが分かる。
Figure 2021091848
<液垂れ評価>
<<塗膜の形成>>
実施例1及び比較例1で得られた混合液である無溶剤系制振性塗料を、平面に設置したステンレス鋼(SUS304)製の平板状の基材(100mm×100mm×0.5mm
)の表面に、バーコーター(株式会社井元製作所製、塗工機III IMC−70F0−C
)にて塗布し、塗膜を形成した。バーコーダーのギャップ幅を、2.0mm、3.0mm、4.0mmに設定し、膜厚の異なる塗膜を形成した。ブレードは10mm/秒の速度で移動させた。その後、常温で硬化させ、基材に塗膜が形成された塗工物5〜7(実施例)、塗工物8〜10(比較例)を得た。塗工物5〜10を試験片として用い、下記の測定を行った。
<<膜厚の測定>>
図6に示すように、各試験片の所定の9か所(図6中符号a〜iで示した点線円弧部分)の厚みをマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製、MDC−25M)にて測定した。基材の厚みとの差から塗膜の厚みを算出した。測定結果を表2に示す。
Figure 2021091848
表2に示すように、実施例の塗料を用いた場合、比較例の場合に比べて、ギャップ幅の設定値が大きくなるほど、液垂れが抑制され、膜厚が確保可能であることが分かる。
1 インパルスハンマ;2 試験片;3 加速度ピックアップセンサー;4 FFTアナライザー;5 糸;6 吊り下げ台;7、8 配線;9 パーソナルコンピュータ

Claims (11)

  1. ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分と、少なくとも2種の無機物の微粒子とを含む、厚さ1mm以上の塗膜が形成可能な無溶剤系制振性塗料。
  2. 前記の少なくとも2種の無機物が、層状無機物と、層状無機物以外の無機物とを含む請求項1記載の無溶剤系制振性塗料。
  3. 前記層状無機物の微粒子のアスペクト比が20〜120である請求項1又は2記載の無溶剤系制振性塗料。
  4. 前記層状無機物の微粒子が、塗料全体中5〜10重量%含まれる請求項1〜3の何れか一項に記載の無溶剤系制振性塗料。
  5. 前記硬化性成分が、ポリウレタンを生成する成分である請求項1〜4の何れか一項に記載の無溶剤系制振性塗料。
  6. 前記ポリウレタンを生成する硬化性成分が、ひまし油由来ポリオールを含む請求項1〜5の何れか一項に記載の無溶剤系制振性塗料。
  7. スプレー塗布可能な二液混合塗料である、請求項1〜6の何れか一項に記載の無溶剤系制振性塗料。
  8. 前記二液混合塗料を構成する一方の液が、前記ポリウレタンを生成する硬化性成分のポリオールを含む液であり、該ポリオールを含む液の25℃における粘度が3000〜8000mPa・sである請求項7に記載の無溶剤系制振性塗料。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の無溶剤系制振性塗料により形成された塗膜が表面に形成されている塗工物。
  10. 塗膜の厚みが1mm以上である請求項9記載の塗工物。
  11. ポリウレタン又はポリウレアを生成する硬化性成分と、少なくとも2種の無機物の微粒子とを含む無溶剤系制振性塗料を用いた塗装方法であって、
    前記硬化性成分が、液状のイソシアネート基を有する化合物と、液状のポリオール又はアミンとを含み、液状のイソシアネート基を有する化合物を含むA液と、少なくとも2種の無機物の微粒子及び液状のポリオール又はアミンを含むB液との混合物を、基材の表面に塗布し、ポリウレタン又はポリウレアをマトリックス樹脂として形成させ塗膜を形成する、塗装方法。
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