JP2021091641A - 液体皮膚洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、吐出性、低温安定性、及び製剤の透明性に優れる液体皮膚洗浄剤組成物の提供。【解決手段】(A)アニオン性界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマーと、(C)多価アルコールと、(D−1)分岐鎖状の高級アルコールと、(D−2)直鎖状の高級アルコールと、を含有し、前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が40モル%以上であり、質量比[(D−1)/(D−2)]が0.5〜40であり、フォーマー容器に充填してなる液体皮膚洗浄剤組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、液体皮膚洗浄剤組成物に関する。
ハンドソープ、ボディソープ等の液体皮膚洗浄剤組成物には、泡に関する性質、洗浄時の感触、及び製品としての性質の全てに優れていることが求められている。前記泡に関する性質とは、例えば、泡のきめ細かさなどが挙げられる。前記洗浄時の感触とは、例えば、すすぎ時のなめらかさなどが挙げられる。また製品としての性質とは、例えば、製剤の透明性や、低温保存した際に前記液体皮膚洗浄剤組成物の成分の析出を防止できる低温安定性などが挙げられる。更に、最近では、これらに加えて、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与できるほどの高い保湿性及びその持続性を有する液体皮膚洗浄剤組成物の提供が強く要望されている。また、近年、泡で吐出することができるフォーマー容器に充填された液体皮膚洗浄剤組成物が用いられるようになってきており、ポンプが押しやすく吐出しやすいことも強く望まれている。
これまでに、脂肪酸塩とカチオン性高分子とを含有させることで、洗浄後の皮膚に組成物中の保湿成分複合体を残留させ、しっとりとした良好な肌感触を付与することができ、かつ良好な泡性能を有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、前記提案の液体皮膚洗浄剤組成物は、保湿実感に寄与するタオルドライ後の肌のしっとり感及びその持続性が不十分であるという課題があった。
したがって、泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、良好な吐出性、低温安定性、及び製剤の透明性のすべてを満たす液体皮膚洗浄剤組成物は未だ提供されておらず、その速やかな開発が強く望まれているのが現状である。
特開2017−214326号公報 国際公開第2019/097950号明細書 国際公開第2017/208541号明細書
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、吐出性、低温安定性、及び製剤の透明性に優れる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、(A)アニオン性界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマーと、(C)多価アルコールと、(D−1)分岐鎖状の高級アルコールと、(D−2)直鎖状の高級アルコールと、を含有し、前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が40モル%以上であり、前記(D−1)分岐鎖状の高級アルコールの含有量と、前記(D−2)直鎖状の高級アルコールの含有量との質量比[(D−1)/(D−2)]が0.5〜40であり、フォーマー容器に充填してなる液体皮膚洗浄剤組成物が、泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、吐出性、低温安定性、及び製剤の透明性に優れることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (A)アニオン性界面活性剤と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマーと、
(C)多価アルコールと、
(D−1)分岐鎖状の高級アルコールと、
(D−2)直鎖状の高級アルコールと、
を含有し、
前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が40モル%以上であり、
前記(D−1)分岐鎖状の高級アルコールの含有量と、前記(D−2)直鎖状の高級アルコールの含有量との質量比[(D−1)/(D−2)]が0.5〜40であり、
フォーマー容器に充填してなることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2> (D−1)分岐鎖状の高級アルコールが、下記一般式(1)で表される分岐鎖状の高級アルコールである前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
Figure 2021091641
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数が8〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、Rは炭素数が8〜10のアルキル基若しくはアルケニル基を示す。
<3> (A)アニオン性界面活性剤の含有量が1質量%以上10質量%未満であり、
(B)カチオン性ポリマーの含有量が0.2質量%以上3質量%以下であり、
(C)多価アルコールの含有量が1質量%以上20質量%以下であり、
(D−1)分岐鎖状の高級アルコールの含有量が0.05質量%以上3質量%以下であり、
(D−2)直鎖状の高級アルコールの含有量が0.05質量%以上0.5質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<4> pHが9.5〜11.0である前記<1>から<3>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、吐出性、低温安定性、及び製剤の透明性に優れる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
(液体皮膚洗浄剤組成物)
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)アニオン性界面活性剤と、(B)カチオン性ポリマーと、(C)多価アルコールと、(D−1)分岐鎖状の高級アルコールと、(D−2)直鎖状の高級アルコールと、を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマー容器に充填してなるものである。
<(A)アニオン性界面活性剤>
前記(A)成分としてのアニオン性界面活性剤は、主に、泡のきめ細かさを向上させるために含有される。
前記(A)成分のアニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤、アシルタウリン系界面活性剤、スルホサクシネート系界面活性剤、アルキルリン酸系界面活性剤、オレフィンスルホン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡のきめ細かさの点から、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤が好ましく、高級脂肪酸塩がより好ましい。
−高級脂肪酸塩−
前記(A)成分の中の前記高級脂肪酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられる。前記高級脂肪酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡のきめ細かさの点から、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、及びステアリン酸塩の少なくともいずれか含む高級脂肪酸塩が好ましく、ラウリン酸塩及びリスチン酸塩の少なくともいずれか含む高級脂肪酸塩がより好ましい。
前記高級脂肪酸塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、塩基性アミノ酸などが挙げられる。
前記アルカリ金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。
前記塩基性アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リジン、アルギニンなどが挙げられる。
これらの中でも、泡のきめ細かさの点から、カリウムイオンが好ましい。
前記高級脂肪酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、NIKKOL ラウリン酸カリLK−120(ラウリン酸カリウム)、NIKKOL ミリスチン酸カリMK−140(ミリスチン酸カリウム)、タイソープ MNK−40(ヤシ油脂肪酸カリウム)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記高級脂肪酸塩は、高級脂肪酸塩として配合することも可能であるが、高級脂肪酸と、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等の塩とを別々に、配合槽中に添加して中和反応させて高級脂肪酸塩としてもよい。
前記ラウリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡のきめ細かさの点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.5質量%以上8質量%以下が好ましく、2質量%以上6質量%以下がより好ましい。前記ラウリン酸塩の含有量が、0.5質量%以上又は8質量%以下であると、泡のきめ細かさが良好である。
前記ミリスチン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡のきめ細かさの点から、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.5質量%以上6質量%以下が好ましく、1質量%以上3質量%以下がより好ましい。前記ミリスチン酸塩の含有量が、0.5質量%以上又は6質量%以下であると、泡のきめ細かさが良好である。
−ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩−
前記(A)成分の中の前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物などが挙げられる。前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021091641
前記一般式(A1)中、Rは、アルキル基を示し、前記アルキル基部分の炭素数としては、10〜14が好ましい。
前記一般式(A1)中、nはエチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数を示し、前記エチレンオキサイドの平均付加モル数としては、1〜5が好ましい。
前記一般式(A1)中、Xは、アルカリ金属、又はアンモニウムを示す。
前記アルカリ金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(2)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(3)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数(n)を表す。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の市販品としては、例えば、Texapon(テキサポン)(登録商標) N703(BASF社製、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、エマール 270J(花王株式会社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、シノリン SPE−1250(新日本理化株式会社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)などが挙げられる。
−エーテルカルボン酸系界面活性剤−
前記(A)成分の中の前記エーテルカルボン酸系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A2)又は(A3)で表される化合物などが挙げられる。前記エーテルカルボン酸系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021091641
前記一般式(A2)及び(A3)中、Rは、炭素数10〜14の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数10〜14の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示す。
前記一般式(A2)中、Rは同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、炭素数2が好ましい。
前記一般式(A2)中、oは1〜20のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、前記アルキレンオキサイドの平均付加モル数としては、1〜5が好ましい。
前記一般式(A2)及び(A3)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
前記一般式(A2)又は(A3)で表されるエーテルカルボン酸系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
前記エーテルカルボン酸系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記エーテルカルボン酸系界面活性剤の市販品としては、例えば、エナジコールEC−30(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA−25F(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA−30D(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA−H(ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸)、ビューライト LCA−25NH(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸)、ビューライト SHAA(ラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム)(以上、三洋化成工業株式会社製)、カオーアキポ RLM−45NV(ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、カオーアキポ RLM−100NV(ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、花王株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
−アミノ酸系界面活性剤−
前記(A)成分の中の前記アミノ酸系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A4)で表される化合物などが挙げられる。前記アミノ酸系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021091641
前記一般式(A4)中、R10は炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示す。
前記一般式(A4)中、R11は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。
前記一般式(A4)中、R12及びR13は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は−(CH−COOMを示す。
前記一般式(A4)中、m及びnは同一でも異なっていてもよく、0〜20の数を示す。
前記一般式(A4)中、M及びMは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
前記アミノ酸系界面活性剤の親水部のアミノ酸構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、グリシン、グルタミン酸、メチルアラニンが好ましい。
前記一般式(A4)で表されるアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N−ココイル−グリシンカリウム(N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)等のN−アシル−グリシン及びその塩;N−ミリストイル−N−カルボキシエチル−グリシンナトリウム等のN−アシル−N−カルボキシエチル−グリシン及びその塩;N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−パーム脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸及びその塩;N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンカリウムなどが挙げられる。
前記アミノ酸系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記アミノ酸系界面活性剤の市販品としては、例えば、アミライト(登録商標)GCK−11(N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液)、アミライト(登録商標)GCK−12K(N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液)、アミライト(登録商標)GCS−12K(N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム液)、アミライト(登録商標)GCS−11(N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS−11(N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)LS−11(N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)MS−11(N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS−11P(N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS−11P(F)(N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム)、アミライト(登録商標)ACS−12(N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンナトリウム液)(以上、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)、アミノサーファクト(登録商標)AMMS−P1(N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム)(旭化成ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL サルコシネート MN(ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム)、NIKKOL アラニネート LN−30(ラウロイルメチルアラニンナトリウム水溶液)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、アラノンACE(ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム液)、アラノンAME(N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム)、アラノンALE(ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム液)(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、エナジコール L−30AN(ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム液)(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ソフティルトAT−L(N−ラウロイルN−メチル−β−アラニントリエタノールアミン液)(日油株式会社製)などが挙げられる。
前記(A)成分のアニオン性界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、及び吐出性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、1質量%以上10質量%未満が好ましく、3質量%以上7質量%以下がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、1質量%以上であると、泡のきめ細かさ及び吐出性が良好であり、10質量%未満であると、すすぎ時のなめらかさが良好である。
<(B)カチオン性ポリマー>
前記(B)成分としてのカチオン性ポリマーは、主に、タオルドライ後の肌のしっとり感を向上させるために含有される。
前記(B)カチオン性ポリマーは、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマーである。
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体は、下記一般式(B1)で表される。
Figure 2021091641
ただし、前記一般式(B1)中、n、及びmは各構造単位の全構造単位に対するモル比を示し、n+m=100であり、前記mは40以上である。
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率は、40モル%以上であるが、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のしっとり感の持続性の点から、65モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましい。前記モル比率が、40モル%未満であると、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のしっとり感の持続性が不十分となることがある。
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における構造単位のモル比率は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(DO)
測定器:JNM−LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、10,000〜1,000,000が好ましく、15,000〜450,000がより好ましい。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、SEC−MALLS−RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α−Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記(B)成分の市販品としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
マーコート100(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%〜44質量%の25℃での粘度:8,000mPa・s〜12,000mPa・s、重量平均分子量:150,000)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、6回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート106(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分30質量%〜36質量%の25℃での粘度:20mPa・s〜65mPa・s、重量平均分子量:15,000)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート280(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%〜43質量%の25℃での粘度:3,000mPa・s〜6,000mPa・s、重量平均分子量:450,000、前記一般式(B1)におけるn:m=35:65(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート295(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分35質量%〜40質量%の25℃での粘度:3,500mPa・s〜9,000mPa・s、重量平均分子量:190,000、前記一般式(B1)におけるn:m=5:95(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が95モル%)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件において測定することができる。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、及びすすぎ時のなめらかさの点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.2質量%以上3質量%以下が好ましく、0.3質量%以上2質量%以下がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.2質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のしっとり感の持続性が良好であり、3質量%以下であると、すすぎ時のなめらかさが良好である。
<(C)多価アルコール>
前記(C)成分としての多価アルコールは、主に、吐出性を向上させるために含有される。
前記多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。前記多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、吐出性の点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンが好ましい。
前記(C)成分の多価アルコールとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分の市販品としては、例えば、化粧用プロピレングリコール(株式会社アデカ製、プロピレングリコール)、DPG−RF(株式会社アデカ製、ジプロピレングリコール)、化粧用グリセリン85%(阪本薬品工業株式会社製、グリセリン)、1,3−ブチレングリコール−P(KHネオケム株式会社製、1,3−ブチレングリコール)などが挙げられる。
前記(C)成分の多価アルコールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出性及び泡のきめ細かさの点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、1質量%以上であると、吐出性が良好であり、20質量%以下であると、泡のきめ細かさが良好である。
<(D−1)分岐鎖状の高級アルコール>
前記(D−1)分岐鎖状の高級アルコールは、主に、タオルドライ後の肌のしっとり感を向上させるために含有される。
前記(D−1)成分の分岐鎖状の高級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、炭素数が18〜24の分岐鎖状の高級アルコールが好ましく、炭素数が18〜22の分岐鎖状の高級アルコールがより好ましく、下記一般式(1)で表される分岐鎖状の高級アルコールであることが特に好ましい。前記分岐鎖状の高級アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021091641
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数が8〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、Rは炭素数が8〜10のアルキル基若しくはアルケニル基を示す。
前記一般式(1)中、Rは炭素数が8〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を示すが、炭素数が9〜11のアルキル基若しくはアルケニル基がより好ましい。
前記一般式(1)中、Rは炭素数が8〜10のアルキル基若しくはアルケニル基を示すが、炭素数が7〜9のアルキル基若しくはアルケニル基がより好ましい。
これらの中でも、前記(D−1)成分の分岐鎖状の高級アルコールは、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のしっとり感の持続性の点から、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールが好ましく、オクチルドデカノールがより好ましい。
前記(D−1)成分の分岐鎖状の高級アルコールとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(D−1)成分の市販品としては、例えば、リソノール 18SP(イソステアリルアルコール)、リソノール 20SP(オクチルドデカノール)、リソノール 24SP(デシルテトラデカノール)(以上、高級アルコール工業株式会社製)、Eutanol G(BASF社製、オクチルドデカノール)などが挙げられる。
前記(D−1)成分の分岐鎖状の高級アルコールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のしっとり感の持続性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.05質量%以上3質量%以下が好ましく、0.3質量%以上1質量%以下がより好ましい。前記(D−1)成分の含有量が、0.05質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のしっとり感の持続性が良好であり、3質量%以下であると、すすぎ時のなめらかさが良好である。
<(D−2)直鎖状の高級アルコール>
前記(D−2)直鎖状の高級アルコールは、主に、タオルドライ後の肌のしっとり感を向上させるために含有される。
前記(D−2)成分の直鎖状の高級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温安定性の点から、炭素数が12〜18の直鎖状の高級アルコールが好ましく、炭素数が14〜16の直鎖状の高級アルコールがより好ましい。前記直鎖状の高級アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記(D−2)成分の直鎖状の高級アルコールは、低温安定性の点から、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましく、ミリスチルアルコール、セチルアルコールがより好ましい。
前記(D−2)成分の直鎖状の高級アルコールとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(D−2)成分の市販品としては、例えば、NAA−43(日油株式会社製、ミリスチルアルコール)、セチルアルコール NX(セチルアルコール)、ステアリルアルコール NX(ステアリルアルコール)(以上、高級アルコール工業株式会社製)などが挙げられる。
前記(D−2)成分の直鎖状の高級アルコールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、及び低温安定性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.05質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.3質量%以下がより好ましい。前記(D−2)成分の含有量が、0.05質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のしっとり感の持続性が良好であり、0.5質量%以下であると、低温安定性が良好である。
<質量比[(D−1)/(D−2)]>
前記(D−1)分岐鎖状の高級アルコールの含有量(質量%)と、前記(D−2)直鎖状の高級アルコールの含有量(質量%)との質量比[(D−1)/(D−2)]は、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、及びすすぎ時のなめらかさの点から、0.5〜40であるが、1〜10が好ましい。前記質量比[(D−1)/(D−2)]が、0.5未満であると、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性が不十分であり、40を超えると、すすぎ時のなめらかさ及びタオルドライ後の肌のしっとり感が不十分である。
<その他の成分>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D−1)成分、及び前記(D−2)成分の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他の成分を配合することができる。
前記その他の成分としては、例えば、精製水、前記(A)成分のアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤、前記(B)成分のカチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマー、粘度調整剤、油分、シリコーン類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アクリル樹脂分散液、ビタミン等の薬剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、動植物抽出物又はその誘導体、色素、香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物、ナイロン、ポリエチレン等の水不溶性ポリマー粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対する含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<フォーマー容器>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマー容器に充填してなる。
前記フォーマー容器としては、例えば、ノンガス型の泡吐出容器が挙げられる。前記ノンガス型の泡吐出容器としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物と空気とを混合して発泡状態で吐出できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器などが挙げられる。このようなフォーマー容器としては、例えば、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製などを使用することができる。
前記ノンガス型の泡吐出容器は、通常、泡を形成するための多孔質膜体(材質はナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい)を有し、前記液体皮膚洗浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。
前記多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、100メッシュ以上が好ましく、100メッシュ〜400メッシュがより好ましく、200メッシュ〜350メッシュが更に好ましい。
前記多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から2枚〜4枚が好ましい。より具体的には、特開平7−315463号公報、特開平8−230961号公報、及び特開2005−193972号公報に記載されたフォーマー容器を好適に使用することができる。
−pH−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡のきめ細かさ、吐出性、及び製剤の透明性の点から、9.5〜11.0が好ましく、9.8〜10.6がより好ましい。前記pHが、9.5以上であると、吐出性及び製剤の透明性が良好であり、11.0以下であると、泡のきめ細かさが良好である。
前記pHは、例えば、pHメーター(HM−30R型、TOA DKK社製)を使用して測定することができる。
−粘度−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4mPa・s〜50mPa・sが好ましく、8mPa・s〜20mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃、回転数60rpm、No.1のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定することができる。
−製造方法−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D−1)成分、及び前記(D−2)成分、必要に応じて、前記その他の成分、及び前記精製水(前記液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残量分を配合)を混合して得ることができる。
具体的には、以下のようにして製造することができる。70℃〜80℃に加温した精製水に、前記(A)成分のアニオン性界面活性剤、前記(C)成分の多価アルコール、前記(D−1)成分の分岐鎖状の高級アルコール、及び前記(D−2)成分の直鎖状の高級アルコールを溶解し、40℃以下に冷却してから、前記(B)成分のカチオン性ポリマーを添加して製造することができる。
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
−用途−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、吐出性、低温安定性、及び製剤の透明性に優れるため、例えば、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いられ、特にボディソープに好適に用いられる。
以下に、本発明を実施例及び比較例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例に記載の各成分の含有量は「質量%」で示し、全て純分換算した値である。また、前記(D−1)分岐鎖状の高級アルコールの含有量と、前記(D−2)直鎖状の高級アルコールの含有量との質量比[(D−1)/(D−2)]は、小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで求め、記載した。
(実施例1〜39及び比較例1〜4)
下記表1〜表7に示す組成及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物(以下、「製剤」と称することがある)を常法により調製した。具体的には、以下の方法により調製した。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全体量の75質量%とするために必要となる量の精製水を、70℃〜80℃に加温し、(A)成分のアニオン性界面活性剤及び(C)成分の多価アルコール、(D−1)成分の分岐鎖状の高級アルコール、及び(D−2)成分の直鎖状の高級アルコールを溶解し、40℃以下に冷却してから、(B)成分又は(B)成分の比較成分のカチオン性ポリマーを添加した。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、所定のpHに調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、目的とする実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を得た。この際、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。また、pHは、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。また、得られた実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプディスペンサー付き容器(吐出量3mL、株式会社吉野工業所製)に充填した。
調製した実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「泡のきめ細かさ」、「すすぎ時のなめらかさ」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性」、「吐出性」、「低温安定性」、及び「製剤の透明性」を評価した。結果を下記表1〜表7に示した。
<泡のきめ細かさ>
専門評価者が、実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を、1プッシュ分(約3g)片手に出したときの泡のきめ細かさを観察し、下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準に基づく点数が3点以上であれば、「泡のきめ細かさ」は良好である。
[評価基準]
−「泡のきめ細かさ」の評価基準−
5点:泡が細かく均一で、大きな泡が全く含まれていない
4点:細かい泡の中に大きな泡が1割未満含まれる
3点:細かい泡の中に大きな泡が1割以上2割未満含まれる
2点:細かい泡の中に大きな泡が2割以上5割未満含まれる
1点:細かい泡の中に大きな泡が5割以上含まれる
<すすぎ時のなめらかさ>
専門評価者が、実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を、1プッシュ分(約3g)取り、前腕内側部を4回擦った後、前記液体皮膚洗浄剤組成物を40℃の温水ですすぎ流す際に、すすぎ時のなめらかさについて下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準に基づく点数が3点以上であれば、「すすぎ時のなめらかさ」は良好である。
[評価基準]
−「すすぎ時のなめらかさ」の評価基準−
4点:非常になめらかである
3点:かなりなめらかである
2点:ややなめらかである
1点:なめらかではない
<タオルドライ後の肌のしっとり感>
専門評価者が、実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を、6プッシュ分(約18g)使用し、全身を洗浄した後、前記液体皮膚洗浄剤組成物を40℃の温水ですすぎ流し、タオルで水滴を拭き取った。このときの、タオルドライ後の肌のしっとり感について下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準に基づく点数が3点以上であれば、「タオルドライ後の肌のしっとり感」は良好である。
[評価基準]
−「タオルドライ後の肌のしっとり感」の評価基準−
5点:しっとり感を強く感じる
4点:しっとり感を感じる
3点:しっとり感をやや感じる
2点:しっとり感をあまり感じない
1点:しっとり感を全く感じない
<タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性>
専門評価者が、実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を、1プッシュ分(約3g)前腕内側部に取り、1分間静置後、前記液体皮膚洗浄剤組成物を40℃の温水ですすぎ流し、タオルで水滴を拭き取った。タオルドライから8時間後に肌のしっとり感について下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準に基づく点数が3点以上であれば、「タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性」は良好である。
[評価基準]
−「タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性」の評価基準−
4点:しっとり感を感じる
3点:しっとり感をやや感じる
2点:しっとり感をあまり感じない
1点:しっとり感を全く感じない
<吐出性>
専門評価者が、実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を1プッシュすることで、ポンプ内に通液させた後、40℃の条件下で1週間保管したものを、1プッシュ分(約3g)吐出させたときの吐出性について下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準に基づく点数が3点以上であれば、「吐出性」は良好である。
[評価基準]
−「吐出性」の評価基準−
5点:ポンプがとても押しやすい
4点:ポンプが押しやすい
3点:ポンプがやや押しやすい
2点:ポンプがやや押しづらい
1点:ポンプがとても押しづらい
<低温安定性>
実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を、直径4cm、高さ7.5cmの円柱型の透明ガラス瓶に入れ、−5℃及び−2℃の恒温槽で2週間保管した時の析出物の生成状態(液体皮膚洗浄剤組成物の外観)を専門評価者が目視にて観察し、低温安定性を下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準に基づく点数が3点以上であれば、「低温安定性」は良好である。
[評価基準]
−「低温安定性」の評価基準−
5点:−5℃、−2℃共に2週間以内に結晶又は固体の析出を全く認めない
4点:−2℃では2週間以内に結晶又は固体の析出を全く認めず、−5℃では2週間以内に結晶又は固体の析出をほとんど認めない
3点:−5℃、−2℃共に2週間以内に結晶又は固体の析出をほとんど認めない
2点:−5℃、−2℃共に2週間以内に少量の結晶又は固体の析出を認める
1点:−5℃、−2℃共に2週間以内に多量の結晶又は固体の析出を認める
<製剤の透明性>
実施例1〜39及び比較例1〜4の液体皮膚洗浄剤組成物を、直径4cm、高さ7.5cmの円柱型の透明ガラス瓶の口まで入れた。前記透明ガラス瓶の側面を評価者が観察する観察面とし、前記透明ガラス瓶の背面(前記観察面とは反対側の面)にポケットサイズ近見視力カード40cm(株式会社テイエムアイ製)を置き、前記カードの中のマークを、専門評価者が前記透明ガラス瓶及びこれに入れた前記液体皮膚洗浄剤組成物を通して目視にて観察し、製剤の透明性を下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準に基づく点数が3点以上であれば、「製剤の透明性」は良好である。
[評価基準]
−「製剤の透明性」の評価基準−
5点:透明であり、マークがはっきり確認できる
4点:やや濁っているが、マークが確認できる
3点:やや濁っており、マークが確認しづらい
2点:濁っており、マークがほぼ確認できない
1点:濁っており、マークが全く確認できない
Figure 2021091641
Figure 2021091641
Figure 2021091641
Figure 2021091641
Figure 2021091641
Figure 2021091641
Figure 2021091641
前記実施例及び比較例で使用した各種成分の詳細は、下記表8に記載の通りである。
Figure 2021091641
※1:ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA−122、日油株式会社製)を水酸化カリウム(AGC株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※2:ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA−142、日油株式会社製)を水酸化カリウム(AGC株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※3:塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550PR、日本ルーブリゾール株式会社製)は、下記一般式(2)で表される構造を有する高分子化合物であり、下記一般式(2)中のnが0であり、mが30であり、zが70である。
※4:アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート3330PR、日本ルーブリゾール株式会社製)は、下記一般式(2)で表される構造を有する高分子化合物であり、下記一般式(2)中のnが34であり、mが31であり、zが35である。
Figure 2021091641
ただし、前記一般式(2)中、n、m、及びzはモル比を示す。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、泡のきめ細かさ、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のしっとり感の持続性、吐出性、低温安定性、及び製剤の透明性に優れるため、例えば、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができ、特にボディソープに好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)アニオン性界面活性剤と、
    (B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマーと、
    (C)多価アルコールと、
    (D−1)分岐鎖状の高級アルコールと、
    (D−2)直鎖状の高級アルコールと、
    を含有し、
    前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が40モル%以上であり、
    前記(D−1)分岐鎖状の高級アルコールの含有量と、前記(D−2)直鎖状の高級アルコールの含有量との質量比[(D−1)/(D−2)]が0.5〜40であり、
    フォーマー容器に充填してなることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物。
  2. (D−1)分岐鎖状の高級アルコールが、下記一般式(1)で表される分岐鎖状の高級アルコールである請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
    Figure 2021091641
    ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数が8〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、Rは炭素数が8〜10のアルキル基若しくはアルケニル基を示す。
  3. (A)アニオン性界面活性剤の含有量が1質量%以上10質量%未満であり、
    (B)カチオン性ポリマーの含有量が0.2質量%以上3質量%以下であり、
    (C)多価アルコールの含有量が1質量%以上20質量%以下であり、
    (D−1)分岐鎖状の高級アルコールの含有量が0.05質量%以上3質量%以下であり、
    (D−2)直鎖状の高級アルコールの含有量が0.05質量%以上0.5質量%以下である請求項1から2のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
  4. pHが9.5〜11.0である請求項1から3のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
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