JP2021091236A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被噴射媒体への液滴の噴射を停止することなく、吐出不良の悪化を防止することができる液体噴射装置を提供する。【解決手段】 液体を吐出する複数のノズル開口と、該ノズル開口にそれぞれ連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段300と、を具備する液体噴射ヘッドIIと、該液体噴射ヘッドIIの液滴の吐出不良を前記ノズル開口毎に検出する検出手段210と、前記圧力発生手段を制御する制御手段116と、を具備し、前記制御手段116は、印刷動作中に前記吐出不良を検知した場合、当該吐出不良を検知したノズル開口に対応する前記圧力発生手段300による吐出動作や微振動動作のための駆動を禁止し、前記吐出不良を検知したノズル開口以外のノズル開口を用いて前記印刷動作を続行する吐出禁止モードで前記圧力発生手段300を制御し、前記制御手段116は、前記印刷動作が終了したと判断されるまで前記吐出禁止モードでの前記圧力発生手段300の制御を継続する。【選択図】 図5

Description

本発明は、ノズル開口から液体を吐出する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置、液体噴射装置に接続可能な制御装置、制御装置を備えた記録システム、及び制御装置を制御するためのプログラムに関する。
液滴を吐出する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置としては、圧力発生手段によって圧力発生室内に圧力を発生させ、圧力発生室に連通するノズルからインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置が挙げられる。
このようなインクジェット式記録装置に搭載されるインクジェット式記録ヘッドは、インク滴の吐出不良が発生する場合があり、吐出不良を防止するためのフラッシング動作やクリーニング動作が行われ、また、不良印刷を検出する技術も開発されている。
さらに、印刷中に不吐出ノズルが発生し、画像不良が生じた場合、印刷を中止せずに、画像データを補正して印刷を完了する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、圧電アクチュエーターを用いたインクジェット式記録ヘッドとしては、ノズル開口が設けられたノズルプレートと、ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板とが接着剤等で接着されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−172966号公報
しかしながら、ドット抜け等の吐出不良が発生した場合、その後、印刷を継続していると、クリーニング等で復旧できなくなる問題がある。これは不吐出となった状態でホットプラテンに温められた状態を継続する結果、インクが固まり、復旧が不可能になることが考えられる。
特に、粘度の高いインク、顔料インク、水溶性ポリマーを含有したラテックスインク、紫外線硬化型インクなどを用いた場合に、復旧が不可能な吐出不良が生じる可能性が高い。
なお、このような問題は、インクジェット式記録装置に限定されず、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。さらに、制御装置(ホスト装置)と、記録装置(プリンター)とが、有線又は無線で接続された状態で記録を行う記録システムにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、被噴射媒体への液滴の噴射を停止することなく、吐出不良の悪化を防止することができる液体噴射装置、制御装置、記録システム及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出する複数のノズル開口と、該ノズル開口にそれぞれ連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液滴の吐出不良を前記ノズル開口毎に検出する検出手段と、前記圧力発生手段を制御する制御手段と、を具備し、前記制御手段は、印刷動作中に前記吐出不良を検知した場合、当該吐出不良を検知したノズル開口に対応する前記圧力発生手段による吐出動作や微振動動作のための駆動を禁止し、前記吐出不良を検知したノズル開口以外のノズル開口を用いて前記印刷動作を続行する吐出禁止モードで前記圧力発生手段を制御し、前記制御手段は、前記印刷動作が終了したと判断されるまで前記吐出禁止モードでの前記圧力発生手段の制御を継続することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、印刷途中で吐出不良を検出した場合、吐出不良のノズル開口に対応する圧力発生手段の駆動を一切禁止するので、吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
ここで、前記制御手段は、前記印刷動作が終了したと判断した後に、回復処理を実施することが好ましい。これによれば、印刷の途中中断を回避することができ、且つ吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
また、前記制御手段は、前記吐出禁止モードで前記吐出不良を検出したノズル開口以外のノズル開口を用いて記録を続行する際に、前記吐出不良を検出したノズル開口からの吐出を他のノズル開口からの吐出で補完する記録データで記録を続行することが好ましい。これによれば、吐出不良が生じても、印刷品質の低下を防止することができる。
また、前記検出手段は、前記圧力発生手段を駆動した後に、当該圧力発生手段に発生する過剰電圧を検出し、その振動の状態で吐出不良を検出することが好ましい。これによれば、印刷中にほぼ同時に吐出不良を検出することができる。
本発明の別の態様は、液体を吐出する複数のノズル開口と、該ノズル開口にそれぞれ連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液滴の吐出不良を前記ノズル開口毎に検出する検出手段と、前記圧力発生手段を制御する制御手段と、を具備し、前記制御手段は、記録途中で前記吐出不良を検知した後、当該吐出不良を検知したノズル開口に対応する前記圧力発生手段の駆動を禁止する吐出禁止モードを有することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、印刷途中で吐出不良を検出した場合、吐出不良のノズル開口に対応する圧力発生手段の駆動を一切禁止するので、吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
ここで、前記制御手段は、前記吐出禁止モードでは、前記吐出不良を検出したノズル開口以外のノズル開口を用いて記録を続行することが好ましい。これによれば、印刷の途中中断を回避することができ、且つ吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
また、前記制御手段は、前記吐出禁止モードで前記吐出不良を検出したノズル開口以外のノズル開口を用いて記録を続行する際に、前記吐出不良を検出したノズル開口からの吐出を他のノズル開口からの吐出で補完する記録データで記録を続行することが好ましい。これによれば、吐出不良が生じても、印刷品質の低下を防止することができる。
また、前記検出手段は、前記圧力発生手段を駆動した後に、当該圧力発生手段に発生する過剰電圧を検出し、その振動の状態で吐出不良を検出することが好ましい。これによれば、印刷中にほぼ同時に吐出不良を検出することができる。
また、本発明の別の態様は、液体を吐出する複数のノズル開口と、該ノズル開口にそれぞれ連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置と接続可能な制御装置であって、前記液体噴射装置に記録を実行させる情報を含む制御コマンドを生成して送信する制御部を備え、前記制御部は、前記記録装置の前記液体噴射ヘッドの液滴の吐出不良を前記ノズル開口毎に検出し、記録途中で前記吐出不良を検知した際には、当該吐出不良を検知したノズル開口に対応する前記圧力発生手段のその後の駆動を禁止する吐出禁止モードを有することを特徴とする制御装置にある。
かかる態様では、印刷途中で吐出不良を検出した場合、吐出不良のノズル開口に対応する圧力発生手段の駆動を一切禁止するように制御するので、吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
ここで、前記制御部は、前記吐出禁止モードでは、前記吐出不良を検出したノズル開口以外のノズル開口を用いて記録を続行させることが好ましい。これによれば、印刷の途中中断を回避することができ、且つ吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
また、前記制御部は、前記吐出禁止モードで前記吐出不良を検出したノズル開口以外のノズル開口を用いて記録を続行する際に、前記吐出不良を検出したノズル開口からの吐出を他のノズル開口からの吐出で補完する記録データを用いて記録を続行させることが好ましい。これによれば、吐出不良が生じても、印刷品質の低下を防止することができる。
また、前記吐出不良の検出は、前記圧力発生手段を駆動した後に、当該圧力発生手段に発生する過剰電圧を検出し、その振動の状態により行うことが好ましい。これによれば、印刷中にほぼ同時に吐出不良を検出することができる。
また、本発明の別の態様は、上述した制御装置と、前記制御装置と接続可能な液体噴射装置であって、液体を吐出する複数のノズル開口と、該ノズル開口にそれぞれ連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置とを具備することを特徴とする記録システムにある。
かかる態様では、印刷途中で吐出不良を検出した場合、吐出不良のノズル開口に対応する圧力発生手段の駆動を一切禁止するように記録装置を制御するので、吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
また、本発明の別の態様は、液体を吐出する複数のノズル開口と、該ノズル開口にそれぞれ連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置と接続可能な制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部に、前記液体噴射装置の前記液体噴射ヘッドの液滴の吐出不良を前記ノズル開口毎に検出し、記録途中で前記吐出不良を検知した際には、当該吐出不良を検知したノズル開口に連通する前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる前記圧力発生手段のその後の駆動を禁止する吐出禁止モードを実行させることを特徴とするプログラムにある。
かかる態様では、印刷途中で吐出不良を検出した場合、吐出不良のノズル開口に対応する圧力発生手段の駆動を一切禁止するように制御装置を機能させ得ることができるので、吐出不良が生じたノズル開口について吐出不良が悪化することなく、所定の回復処理により確実に回復させることができる。
本発明の実施形態1に係る記録装置の概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る記録装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る記録システムの概略構成図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
本実施形態の液体噴射装置は、例えば、インクジェット式記録装置であり、図1に示すように、詳しくは後述するインクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1は、インク供給手段を構成するインクカートリッジ2が着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1は、ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
また、キャリッジ軸5の一端部近傍には、駆動モーター6が設けられており、駆動モーター6の軸の先端部には外周に溝を有する第1のプーリー6aが設けられている。さらに、キャリッジ軸5の他端部近傍には、駆動モーター6の第1のプーリー6aに対応する第2のプーリー6bが回転自在に設けられており、これら第1のプーリー6aと第2のプーリー6bとの間には環状でゴム等の弾性部材からなるタイミングベルト7が掛けられている。
そして、駆動モーター6の駆動力がタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
このようなインクジェット式記録装置に搭載されるインクジェット式記録装置について説明する。なお、図2は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図3は、インクジェット式記録ヘッドの平面図、図4は、図3のA−A′線断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIIが備える流路形成基板10には、圧力発生室12が形成されている。そして、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、この第1の方向Xと直交する方向を、以降、第2の方向Yと称する。
また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向の一端部側、すなわち第1の方向Xに直交する第2の方向Yの一端部側には、インク供給路14と連通路15とが複数の隔壁11によって区画されている。連通路15の外側(第2の方向Yにおいて圧力発生室12とは反対側)には、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるマニホールド100の一部を構成する連通部13が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、インク供給路14、連通路15及び連通部13からなる液体流路が設けられている。
流路形成基板10の一方面側、すなわち圧力発生室12等の液体流路が開口する面には、各圧力発生室12に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって接合されている。すなわち、ノズルプレート20には、第1の方向Xにノズル開口21が並設されている。
流路形成基板10の他方面側には、弾性膜50と、弾性膜50上に形成された絶縁体膜55とが積層されている。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、弾性膜50で構成されている。
絶縁体膜55上には、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とを有する圧電アクチュエーター300(圧力発生手段)が形成されている。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。ただし、流路形成基板10上に直接第1電極60を設ける場合には、第1電極60とインクとが導通しないように第1電極60を絶縁性の保護膜等で保護するのが好ましい。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、Aは、鉛を含み、Bは、ジルコニウムおよびチタンのうちの少なくとも一方を含むことができる。前記Bは、例えば、さらに、ニオブを含むことができる。具体的には、圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、シリコンを含むニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTNS)などを用いることができる。
また、圧電体層70は、鉛を含まない非鉛系圧電材料、例えば、鉄酸ビスマスや鉄酸マンガン酸ビスマスと、チタン酸バリウムやチタン酸ビスマスカリウムとを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物などとしてもよい。
さらに、このような圧電アクチュエーター300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電アクチュエーター300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、マニホールド100の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にマニホールドと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
保護基板30には、圧電アクチュエーター300に対向する領域に、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電アクチュエーター保持部32が設けられている。なお、圧電アクチュエーター保持部32は、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、信号処理部として機能する駆動回路95が固定されている。駆動回路95としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路95とリード電極90とは、貫通孔33を挿通させたボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線96を介して電気的に接続されている。
保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料の面方位(110)のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムからなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料、例えば、ステンレス鋼(SUS)等で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIIでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路95からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
そして、本実施形態では、繰り返し駆動してもクラック等の破壊を抑制した圧電体層70を有する圧電アクチュエーター300を有するインクジェット式記録ヘッドIIとすることで、耐久性が高く信頼性の高いインクジェット式記録ヘッドIIを実現することができる。
図5は、インクジェット式記録装置の制御構成を示すブロック図である。ここで、図5を参照して、本実施形態のインクジェット式記録装置の制御について説明する。本実施形態のインクジェット式記録装置は、図5に示すように、プリンターコントローラー111とプリントエンジン112とから概略構成されている。プリンターコントローラー111は、外部インターフェース113(以下、外部I/F113という)と、各種データを一時的に記憶するRAM114と、制御プログラム等を記憶したROM115と、CPU等を含んで構成した制御部116と、クロック信号を発生する発振回路117と、液体噴射ヘッドIIへ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路119と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン112に送信する内部インターフェース120(以下、内部I/F120という)とを備えている。
外部I/F113は、例えば、キャラクターコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピューター等から受信する。また、この外部I/F113を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピューター等に対して出力される。RAM114は、受信バッファー121、中間バッファー122、出力バッファー123、及び、図示しないワークメモリーとして機能する。そして、受信バッファー121は外部I/F113によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファー122は制御部116が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファー123はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印字データによって構成してある。
また、ROM115には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。制御部116は、受信バッファー121内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファー122に記憶させる。また、中間バッファー122から読み出した中間コードデータを解析し、ROM115に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部116は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファー123に記憶させる。
そして、インクジェット式記録ヘッドIIの1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F120を通じて圧電アクチュエーター300に出力される。また、出力バッファー123から1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファー122から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
プリントエンジン112は、インクジェット式記録ヘッドIIと、紙送り機構124と、キャリッジ機構125とを含んで構成してある。紙送り機構124は、搬送モーターと搬送ローラー8等から構成してあり、記録紙等の印刷記憶媒体をインクジェット式記録ヘッドIIの記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構124は、印刷記憶媒体を副走査方向に相対移動させる。
キャリッジ機構125は、インクジェット式記録ヘッドIIを搭載可能なキャリッジ軸5と、このキャリッジ軸5を主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してあり、キャリッジ軸5を走行させることによりインクジェット式記録ヘッドIIを主走査方向に移動させる。なお、キャリッジ駆動部は、上述したように駆動モーター6及びタイミングベルト7等で構成されている。
インクジェット式記録ヘッドIIは、副走査方向に沿って多数のノズル開口21を有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズル開口21から液滴を吐出する。そして、このようなインクジェット式記録ヘッドIIの圧電アクチュエーター300には、図示しない外部配線を介して電気信号、例えば、後述する駆動信号(COM)や印字データ(SI)等が供給される。なお、このように構成されるプリンターコントローラー111及びプリントエンジン112では、プリンターコントローラー111と、駆動信号発生回路119から出力された所定の駆動波形を有する駆動信号を選択的に圧電アクチュエーター300に入力するラッチ132、レベルシフター133及びスイッチ134等を有する駆動回路(図示なし)とが圧電アクチュエーター300に所定の駆動信号を印加する駆動手段となる。
なお、これらのシフトレジスター131、ラッチ132、レベルシフター133、スイッチ134及び圧電アクチュエーター300は、それぞれ、インクジェット式記録ヘッドIIの各ノズル開口21毎に設けられており、これらのシフトレジスター131、ラッチ132、レベルシフター133及びスイッチ134は、駆動信号発生回路119が発生した吐出駆動信号や緩和駆動信号から駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルスとは実際に圧電アクチュエーター300に印加される印加パルスのことである。
このようなインクジェット式記録ヘッドIIでは、最初に発振回路117からのクロック信号(CK)に同期して、ドットパターンデータを構成する印字データ(SI)が出力バッファー123からシフトレジスター131へシリアル伝送され、順次セットされる。この場合、まず、全ノズル開口21の印字データにおける最上位ビットのデータがシリアル伝送され、この最上位ビットのデータシリアル伝送が終了したならば、上位から2番目のビットのデータがシリアル伝送される。以下同様に、下位ビットのデータが順次シリアル伝送される。
そして、当該ビットの印字データの全ノズル分が各シフトレジスター131にセットされたならば、制御部116は、所定のタイミングでラッチ132へラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、ラッチ132は、シフトレジスター131にセットされた印字データをラッチする。このラッチ132がラッチした印字データ(LATout)は、電圧増幅器であるレベルシフター133に印加される。このレベルシフター133は、印字データが例えば「1」の場合に、スイッチ134が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまでこの印字データを昇圧する。そして、この昇圧された印字データは各スイッチ134に印加され、各スイッチ134は、当該印字データにより接続状態になる。
そして、各スイッチ134には、駆動信号発生回路119が発生した駆動信号(COM)も印加されており、スイッチ134が選択的に接続状態になると、このスイッチ134に接続された圧電アクチュエーター300に選択的に駆動信号が印加される。このように、例示したインクジェット式記録ヘッドIIでは、印字データによって圧電アクチュエーター300に吐出駆動信号を印加するか否かを制御することができる。例えば、印字データが「1」の期間においてはラッチ信号(LAT)によりスイッチ134が接続状態となるので、駆動信号(COMout)を圧電素子18に供給することができ、この供給された駆動信号(COMout)により圧電素子18が変位(変形)する。また、印字データが「0」の期間においてはスイッチ134が非接続状態となるので、圧電アクチュエーター300への駆動信号の供給は遮断される。なお、この印字データが「0」の期間において、各圧電アクチュエーター300は直前の電位を保持するので、直前の変位状態が維持される。
また、本実施形態のインクジェット式記録装置Iには、ノズル開口21からインク滴の吐出不良を検出する検出手段210が設けられている。
検出手段210としては、例えば、インクジェット式記録装置Iにテストパターンを印刷させて、この印刷パターンを画像として読み込み吐出不良(ドット抜け)を検出するスキャナー等の光学系センサー等を用いることができる。また、検出手段210としては、例えば、液体吸収体からなる検査領域とノズルプレート20(ノズル開口21)との間に電圧を印加することによりインクを帯電させ、帯電したインクをインク滴として吐出させることで、検査領域とノズルプレート20との間の電位の変化を表す電位信号を出力させることにより、この電位信号の振幅に基づき吐出不良を検出する方法を用いるようにしてもよい。さらに、検出手段210としては、圧電アクチュエーター300を駆動した後に、圧電アクチュエーター300に発生する過剰電圧(起電圧)を検出し、その振動(残留振動)の状態、例えば、残留振動の周期や振幅から吐出不良を検出するものであってもよい。もちろん、検出手段は、上述したものに限定されず、従来周知のものを用いることができる。
検出手段210としては、印刷中に、ほぼ印刷と同時に行うことができる方式が好ましく、圧電アクチュエーター300に発生する過剰電圧を検出して残留振動を観測し、吐出不良を検出するものが特に好ましく、本実施形態では、これを採用した。なお、残留振動による吐出不良の検出、判定手法は、特許第3794431号公報に詳細に開示されたものを用いればよい。
また、制御部116には、上述したように印刷データを作成する印刷制御手段201のほか、切替手段220が設けられている。切替手段220は、検出手段210の検出結果に基づいて、印刷制御手段201に行わせる印刷動作を通常モードと、吐出禁止モードとに切り替えるように印刷制御手段201を制御するものである。
ここで、通常モードとは、検出手段210が吐出不良(ドット抜け)を検出していない際に実行される通常の印刷であり、印刷信号に基づいて、1つの圧力発生室12に対応する圧電アクチュエーター300を駆動して、1つの圧力発生室12に対応するノズル開口21から吐出されるインク滴によって、記録シートSの1ドット分の領域を埋めるように印刷を実行する。
これに対して、吐出禁止モードとは、検出手段210が吐出不良(ドット抜け)を検出した際に実行される印刷であり、印刷中に吐出不良が生じた場合、その後、吐出不良が生じたノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300の駆動を一切禁止するものである。ここで、圧電アクチュエーター300の駆動を一切禁止するとは、吐出不良が生じたノズル開口21について、印刷データに基づく吐出のための駆動は勿論、フラッシング動作のための駆動やインク増粘防止のための吐出をさせないで微振動を与える微振動動作のための駆動も一切禁止するものであり、吸引回復動作などの回復動作が行われるまで継続される。
かかる吐出禁止モードは、吐出不良が生じたノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300の駆動を一切禁止して、吐出不良の悪化、例えば、回復不可能な状態になることを防止するものである。吐出不良が生じたノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300に吐出動作のための駆動や微振動動作のための駆動を継続すると、ノズル開口21の開口近傍に存在する増粘インクが攪拌されて内方に移動し、これが長時間継続すると、増粘状態が内部に進行した状態となり、回復不可能な状態になる可能性があるので、これを防止するものである。吐出禁止モードを実行すると、ノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300が一切駆動されないので、ノズル開口21の開口近傍の増粘インクはそのままの位置に留まり、長時間が経過しても膜化して増粘が内方に進行するのを防止し、次の回復動作で回復し易い状態を維持することができる。
吐出禁止モードでも原則的には印刷を継続するが、不良吐出が検出されたノズル開口21の数が著しく多い場合などには、印刷を中止して直ぐに回復処理に移行してもよい。
また、吐出禁止モードで印刷を継続する場合には吐出不良が検出されたノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300の駆動は禁止されるので、これ以外のノズル開口21での印刷が継続される。なお、吐出不良が検出されたノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300の駆動の禁止は、かかる圧電アクチュエーター300への駆動信号をカットすることにより容易に行うことができる。例えば、吐出不良が検出された圧電アクチュエーター300に対応するスイッチ134の接続状態への切替を禁止するようにすればよい。
さらに、吐出禁止モードで印刷を継続する場合、吐出不良を検出したノズル開口21からの吐出を他のノズル開口21からの吐出で補完する記録データで記録を続行する補完印刷を実行するようにしてもよい。
このような補完印刷は、従来から公知の手法を用いればよいが、吐出不良が発生したノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300への駆動データを一切切断して実施する必要がある。
このような通常モードでの印刷と、吐出禁止モードでの印刷との切り換え動作につて、図6のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1で所定時間印刷を行った後、ステップS2でノズル開口が正常吐出をしているか否かを判断する。全てのノズル開口で正常吐出をされておらず、吐出不良のノズル開口が存在する場合には(ステップS2、No)、ステップS3で吐出禁止モードに設定を行い、全てのノズル開口で正常吐出をしている場合には(ステップS2、Yes)、そのまま、ステップS4に移行する。ステップS4では印刷終了か否かを判断し、終了でない場合には(ステップS4、No)ステップS1に戻って印刷を継続する。この際、ステップS3で吐出禁止モードに設定されている場合には、吐出禁止モードでの印刷が継続され、ステップS3で吐出禁止モードに設定されていない場合には、通常モードでの印刷が継続される。そして、ステップS4で印刷が終了と判断された場合には(ステップS4、Yes)、ステップS5で全ノズル開口が正常か否かを判断し、吐出不良のノズル開口が存在する場合には(ステップS5、No)、ステップS6で回復処理を実行し、その後、次の印刷に移行する(ステップS7)。この際、印刷途中で吐出不良のノズル開口が発生し、その後、印刷が継続されても、吐出不良が発生した以降、吐出禁止モードで印刷が継続されているので、吐出不良のノズル開口については、その後の駆動が一切禁止されているので、ステップS6での回復処理で確実に回復することができる。なお、ステップS5で全ノズル開口が正常の場合には(ステップS5、Yes)、そのまま次の印刷に移行する(ステップS7)。
以上説明した実施形態では、印刷途中で吐出不良を検出した場合、吐出不良のノズル開口に対応する圧電アクチュエーター300の駆動を一切禁止して印刷を続行するので、印刷の失敗を回避でき、且つ吐出不良が生じたノズル開口については、吐出不良が悪化することなく、印刷終了後の回復処理により確実に回復させることができる。
(実施形態2)
図7には、制御装置であるホストコンピューターと、これに接続される記録装置からなる記録システムの概略構成を示す。
図7に示すように、ホストコンピューター250は、ホスト側の制御部260と、記憶部270と、を備えている。
制御部260は、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備え、ホストコンピューター250の各部を中枢的に制御するものであり、制御コマンド生成部261を具備する。また、記憶部270は、各種データを不揮発的に記憶するメモリーを備え、少なくとも、アプリケーションプログラム271と、デバイスドライバー272と、が記憶されている。
アプリケーションプログラム271は、記録装置280による記録に際し、記録データに関する情報を生成し、デバイスドライバー272に出力する。
また、デバイスドライバー272は、記録装置280を制御するためのプログラムである。アプリケーションプログラム271から記録データの情報が入力されると、デバイスドライバー272は、制御コマンドを生成して、記録装置280に出力する。記録装置280は、制御コマンドに基づいて、記録を実行する。
記録装置280は、カラー印刷が可能なインクジェットヘッド(記録ヘッド)、セットされたラベル用紙を搬送する搬送機構を有する記録ユニットを備え、この記録ユニットにより、記録を実行するものであり、検出手段210や切替手段220を具備しない以外は実施形態1で説明した構造を有するものでもよい。
記録装置280は、プリンター側の制御部290と、実施形態1と同様なインクジェット式記録ヘッドIIとを具備する。
制御部290は、CPUや、ROM、RAM等を有し、記録装置280の各部を中枢的に制御する。プリンター側の制御部290は、ホストコンピューター250から制御コマンドを受信した場合に、制御コマンドを解釈して、インクジェット式記録ヘッドIIに記録を実行させる印刷制御手段291を備える。
本実施形態では、ホスト側の制御部260は、検出手段210Aと切替手段220Aとを具備する。検出手段210と切替手段220とは基本的には、実施形態1のものと同じであるので、簡略に説明する。
検出手段210Aは、ノズル開口21からインク滴の吐出不良を検出するものであり、具体的には、圧電アクチュエーター300を駆動した後に、圧電アクチュエーター300に発生する過剰電圧(起電圧)を検出し、その振動(残留振動)の状態、例えば、残留振動の周期や振幅から吐出不良を検出するものである。
また、切替手段220Aは、検出手段210Aの検出結果に基づいて、制御コマンド生成部261が生成する制御コマンドを通常モード用の制御コマンドと、吐出禁止モード用の制御コマンドとに切り替えるものである。
ここで、通常モードとは、検出手段210Aが吐出不良(ドット抜け)を検出していない際に実行される通常の印刷であり、印刷信号に基づいて、1つの圧力発生室12に対応する圧電アクチュエーター300を駆動して、1つの圧力発生室12に対応するノズル開口21から吐出されるインク滴によって、記録シートSの1ドット分の領域を埋めるように印刷を実行する制御コマンドを生成する。
これに対して、吐出禁止モードとは、検出手段210Aが吐出不良(ドット抜け)を検出した際に実行される印刷であり、印刷中に吐出不良が生じた場合、その後、吐出不良が生じたノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300の駆動を一切禁止するものである。ここで、圧電アクチュエーター300の駆動を一切禁止するとは、吐出不良が生じたノズル開口21について、印刷データに基づく吐出のための駆動は勿論、フラッシング動作のための駆動やインク増粘防止のための吐出をさせないで微振動を与える微振動動作のための駆動も一切禁止するものであり、吸引回復動作などの回復動作が行われるまで継続される。
吐出禁止モードでも原則的には印刷を継続するが、不良吐出が検出されたノズル開口21の数が著しく多い場合などには、印刷を中止して直ぐに回復処理に移行してもよい。
そして、吐出禁止モードで印刷を継続する場合の制御コマンドは、吐出不良が検出されたノズル開口21に対応する圧電アクチュエーター300の駆動は禁止して、これ以外のノズル開口21での印刷を継続する制御コマンドである。
本実施形態では、ホストコンピューター250側で吐出不良のノズル開口21を検出し、吐出不良のノズル開口21が検出された場合には、吐出禁止モード用の制御コマンドを記録装置280に送信するので、吐出不良が悪化せず、回復不可能な状態になることが防止される。
また、上述したように、ホストコンピューター250の制御部260に上述したような検出手段210Aと切替手段220Aとを備えるためには、検出手段210A及び切替手段220Aとして制御部260を機能させるプログラムを実行すればよい。
以上説明した実施形態でも、印刷途中で吐出不良を検出した場合、吐出不良のノズル開口に対応する圧電アクチュエーター300の駆動を一切禁止して印刷を続行するので、印刷の失敗を回避でき、且つ吐出不良が生じたノズル開口については、吐出不良が悪化することなく、印刷終了後の回復処理により確実に回復させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
上述した実施形態1では、1つの圧力発生室12に対して1つのノズル開口21が設けられた例を示したが、特にこれに限定されず、1つの圧力発生室12に対して2つ以上のノズル開口が設けられていてもよい。このように1つの圧力発生室に連通するノズル開口が複数の場合であっても、1つの圧力発生室に連通する複数のノズル開口を1つのノズル開口21とみなして、複数のノズル開口21でノズル群を構成すればよい。
さらに、上述した実施形態1では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電体層70を有する圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電体層を有する圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置Iは、液体貯留手段であるインクカートリッジ2がキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、貯留手段とインクジェット式記録ヘッドIIとをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置に搭載されていなくてもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に適用できる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 II インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 マニホールド部、 32 圧電アクチュエーター保持部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 116 制御部(制御手段)、 210、210A 検出手段、 220、220A 切替手段、 250 ホストコンピューター、 280 記録装置、 290 制御部、 300 圧電アクチュエーター

Claims (4)

  1. 液体を吐出する複数のノズル開口と、該ノズル開口にそれぞれ連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドと、
    該液体噴射ヘッドの液滴の吐出不良を前記ノズル開口毎に検出する検出手段と、
    前記圧力発生手段を制御する制御手段と、を具備し、
    前記制御手段は、印刷動作中に前記吐出不良を検知した場合、当該吐出不良を検知したノズル開口に対応する前記圧力発生手段による吐出動作や微振動動作のための駆動を禁止し、前記吐出不良を検知したノズル開口以外のノズル開口を用いて前記印刷動作を続行する吐出禁止モードで前記圧力発生手段を制御し、
    前記制御手段は、前記印刷動作が終了したと判断されるまで前記吐出禁止モードでの前記圧力発生手段の制御を継続する
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記制御手段は、前記印刷動作が終了したと判断した後に、回復処理を実施する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記制御手段は、前記吐出禁止モードで前記吐出不良を検出したノズル開口以外のノズル開口を用いて記録を続行する際に、前記吐出不良を検出したノズル開口からの吐出を他のノズル開口からの吐出で補完する記録データで記録を続行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記検出手段は、前記圧力発生手段を駆動した後に、当該圧力発生手段に発生する過剰電圧を検出し、その振動の状態で吐出不良を検出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
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