JP2021090895A - ガス分離装置およびガス分離装置の制御方法 - Google Patents

ガス分離装置およびガス分離装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各吸着塔に残留する熱量を有効に利用できる。【解決手段】ガス分離装置は、混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着材を有する3つ以上の吸着塔と、各吸着塔に接続され、各吸着塔間において熱媒を流通させる熱媒流路と、熱媒流路の流通を制御する制御部と、を備え、3つ以上の吸着塔は、それぞれ、吸着材が特定のガスを吸着する吸着工程を行う吸着工程塔と、熱媒による熱交換によって、吸着材に吸着された特定のガスを脱離する脱離工程を行う脱離工程塔と、吸着材を冷却する冷却工程を行う冷却工程塔と、として順次機能し、制御部は、冷却工程塔から流出した熱媒であって、冷却工程において昇温された昇温後の熱媒を、脱離工程塔と、吸着工程終了後かつ脱離工程開始前の吸着塔との少なくとも一方へと流入させる【選択図】図1

Description

本発明は、ガス分離装置およびガス分離装置の制御方法に関する。
従来、複数の種類のガスを含む混合ガスから特定のガスを分離するガス分離装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、熱スイング吸着法(温度スイング吸着法:Tempurature Swing Adsorption)を実施するために、特定のガスを吸着可能な吸着材を内蔵する3つの吸着器を備えるシステムが開示されている。各吸着器内には、吸着器の温度を昇降させるための熱媒体(以降、単に「熱媒」とも言う)が流通している。特定のガスを吸着する吸着塔には、冷却された熱媒が供給される。一方で、特定のガスを吸着した吸着材を内蔵する吸着器には、加熱された熱媒が供給される。
特開2003−175311号公報
特許文献1に記載された装置では、熱媒を使って吸着器内の温度を昇降させる。そのため、吸着器内に供給する分離ガスを加熱源および冷却源として用いる場合と比較して、特許文献1の各吸着器内には十分な熱量が供給される。これにより、回収されるガスの純度および装置のガス回収率が向上する。しかしながら、特定のガスを吸着した吸着材を加熱して脱離する場合に、吸着器に供給する熱量が多いほど、装置全体に必要なエネルギーが増加する。そのため、特許文献1に記載された装置では、工程切替時の各吸着塔に残留する熱量が無駄であり、必要なエネルギーを増加させている。すなわち、各工程が行われる吸着器内に残留する熱量を有効に利用したいという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、各吸着塔に残留する熱量を有効に利用できるガス分離装置を提供する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、ガス分離装置が提供される。このガス分離装置は、混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着材を有する3つ以上の吸着塔と、各前記吸着塔に接続され、各前記吸着塔間において熱媒を流通させる熱媒流路と、前記熱媒流路の流通を制御する制御部と、を備え、前記3つ以上の吸着塔は、それぞれ、前記吸着材が前記特定のガスを吸着する吸着工程を行う吸着工程塔と、前記熱媒による熱交換によって、前記吸着材に吸着された前記特定のガスを脱離する脱離工程を行う脱離工程塔と、前記吸着材を冷却する冷却工程を行う冷却工程塔と、として順次機能し、前記制御部は、前記冷却工程塔から流出した前記熱媒であって、前記冷却工程において昇温された昇温後の前記熱媒を、前記脱離工程塔と、前記吸着工程終了後かつ前記脱離工程開始前の前記吸着塔との少なくとも一方へと流入させる。
この構成によれば、各吸着塔は、吸着工程で特定のガスを吸着し、脱離工程で吸着材が吸着した特定のガスを脱離し、脱離工程後に冷却工程で冷却される、一連の工程を繰り返す。この温度スイングにより、各吸着塔は、混合ガスから特定のガスを分離する。冷却工程では、熱媒流路を流通する熱媒が冷却工程塔内の吸着材から熱を奪うことにより昇温し、一方で、吸着材が冷却される。冷却工程塔から流出した昇温後の熱媒は、制御部によって脱離工程塔に流入することにより、脱離工程塔内の吸着材を昇温させる。すなわち、本構成によれば、各吸着塔間を流通する熱媒を介して、冷却工程塔が冷却される際に生じた熱量が利用されて、脱離工程塔が昇温される。そのため、温度スイングを行うガス分離装置が、混合ガスから特定のガスを吸着してから分離するまでの一連の工程で必要なエネルギーを低減できる。
(2)上記形態のガス分離装置において、さらに、前記熱媒を加熱する加熱部を備え、前記制御部は、前記昇温後の熱媒に加えてさらに、前記加熱部による加熱後の前記熱媒を、前記脱離工程塔へと流入させてもよい。
この構成によれば、脱離工程塔には、昇温後の熱媒に加えて、さらに、加熱部によって加熱された熱媒が流入する。そのため、脱離工程塔の吸着材がより昇温し、特定のガスの吸着時と脱離時とにおける温度スイング幅が向上する。その結果、ガス分離装置における特定のガスの回収率および回収された特定のガスの純度が向上する。
(3)上記形態のガス分離装置において、さらに、各前記吸着塔に流入する前記熱媒の温度である入口温度を取得する入口温度取得部と、各前記吸着塔から流出する前記熱媒の温度である出口温度を取得する出口温度取得部と、を備え、前記制御部は、前記脱離工程塔における前記出口温度が前記入口温度以上の場合に、前記吸着塔への前記昇温後の熱媒の流入を停止して前記加熱後の熱媒のみを流入させてもよい。
昇温後の熱媒および加熱後の熱媒が流入している吸着塔(例えば、脱離工程塔を含む複数の塔)における出口温度が入口温度以上の場合は、脱離工程塔を昇温させずに冷却している状態である。そのような状態において、本構成によれば、昇温後の熱媒を流入させずに、冷却工程塔から流出した熱媒よりもより高温の加熱後の熱媒のみを流入させている。これにより、加熱部の消費電力を減らすことができる又は同じ消費電力であっても脱離工程塔が到達する温度を高めることができる。
(4)上記形態のガス分離装置において、4つ以上の前記吸着塔を備え、前記4つ以上の吸着塔は、それぞれ、前記吸着工程塔と、前記吸着材を予熱する予熱工程を行う予熱工程塔と、前記脱離工塔程と、前記冷却工程塔と、として順次機能し、前記制御部は、前記脱離工程塔から流出した前記熱媒を、前記予熱工程塔に流入させてもよい。
この構成によれば、各吸着塔は、吸着工程を行った後に、かつ、脱離工程を行う前に、吸着材を予熱する予熱工程を行う。予熱工程時の吸着塔に、温度の高い脱離工程塔から流出した熱媒が流入するため、予熱工程塔が加熱される。すなわち、脱離工程が行われる前の予熱工程塔の昇温に、脱離工程塔からの流出する熱媒の熱量が利用される。そのため、混合ガスから特定のガスを分離するまでに必要なエネルギーが低減する。
(5)上記形態のガス分離装置において、さらに、各前記吸着塔に流入する前記熱媒の温度である入口温度を取得する入口温度取得部と、各前記吸着塔から流出する前記熱媒の温度である出口温度を取得する出口温度取得部と、前記熱媒を加熱する加熱部と、を備え、前記制御部は、前記脱離工程塔に、前記加熱部による加熱後の前記熱媒を流入させ、前記予熱工程塔に、前記昇温後の熱媒を流入させた後に、前記予熱工程塔における前記出口温度が前記入口温度以上の場合に、前記昇温後の熱媒の流入を停止し、かつ、前記脱離工程塔から流出する前記熱媒を流入させてもよい。
この構成によれば、昇温後の熱媒が流入する予熱工程塔は徐々に昇温し、予熱工程塔における出口温度が入口温度に達したときに、予熱工程塔への昇温後の熱媒の流入が停止する。すなわち、予熱工程塔を昇温できるまで昇温後の熱媒が予熱工程塔に流入する。その後、加熱後の熱媒が流入して加熱された脱離工程塔から流出する、昇温後の熱媒よりも高温の熱媒が予熱工程塔へと流入する。そのため、冷却工程塔および脱離工程塔から流出する熱媒を介した熱量を、効率的に予熱工程塔の昇温に利用できる。
(6)上記形態のガス分離装置において、さらに、前記予熱工程塔に前記昇温後の熱媒が流入している状態で、前記予熱工程塔における前記出口温度が前記入口温度と同じになった際の温度を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記予熱工程塔への前記昇温後の熱媒の流入を停止している状態で、前記脱離工程塔における前記出口温度が、前記記憶部に記憶された温度よりも高い場合に、前記脱離工程塔から流出される前記熱媒を、前記予熱工程塔に流入させてもよい。
この構成によれば、予熱工程塔に昇温後の熱媒が流入している状態で、予熱工程塔における入口温度と出口温度とが同じになった際の温度が、記憶部に記憶される。予熱工程塔に熱媒が供給されていない状態で、脱離工程塔における出口温度が記憶部に記憶された温度に達した場合に、当該温度よりも高温である脱離工程塔から流出する熱媒が予熱工程塔に流入する。記憶部に記憶される温度は、繰り返し行われるサイクルで変化する温度である。制御部は、変化に対応した温度に応じて、予熱工程塔に流入する熱媒を切り替える。そのため、より効率的に熱媒を介した熱量が予熱工程塔の昇温に利用される。
(7)本発明の他の一形態によれば、混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着材を有する3つ以上の前記吸着塔と、各前記吸着塔に接続され、各前記吸着塔間において熱媒を流通させる熱媒流路と、を備えるガス分離装置の制御方法が提供される。この制御方法は、一の前記吸着塔が有する前記吸着材が前記特定のガスを吸着する吸着工程と、前記熱媒による熱交換によって、他の前記吸着塔が有する前記吸着材に吸着された前記特定のガスを脱離する脱離工程と、前記吸着工程が行われている前記吸着塔と、前記脱離工程が行われている前記吸着塔とのいずれとも異なる前記吸着塔が冷却される冷却工程と、を備え、前記冷却工程が行われている前記吸着塔から流出した前記熱媒であって、前記冷却工程において昇温された昇温後の前記熱媒は、前記他の吸着塔に流入される。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、ガス分離装置、メタン製造装置、ガス分離装置の制御装置、ガス分離方法、メタン製造方法、ガス分離装置およびメタン製造装置の制御方法、これら装置や方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのガス分離装置の概略ブロック図である。 本発明の一実施形態としてのガス分離装置の概略ブロック図である。 本発明の一実施形態としてのガス分離装置の概略ブロック図である。 第1実施形態におけるガス分離装置の制御方法のフローの説明図である。 第2実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。 第2実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。 第2実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。 第2実施形態の各吸着塔における入口温度および出口温度の時間推移の一例を示すグラフである。 第2実施形態における脱離工程のフローチャートである。 第3実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。 第3実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。 第3実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。 第3実施形態における各吸着塔の入口温度および出口温度の時間推移の一例を示すグラフである。 第3実施形態におけるガス分離装置の制御方法のフローの説明図である。 第3実施形態における予熱工程のフローチャートである。 第3実施形態のガス分離装置における効果の説明図である。 第3実施形態のガス分離装置における効果の説明図である。 第3実施形態のガス分離装置における効果の説明図である。
<第1実施形態>
図1ないし図3は、本発明の一実施形態としてのガス分離装置100の概略ブロック図である。ガス分離装置100は、複数種類のガスを含む混合ガスから特定のガスを分離する装置である。本実施形態のガス分離装置100は、窒素や二酸化炭素を含む混合ガスから、特定のガスとしての二酸化炭素を分離する。ガス分離装置100に供給される混合ガスは、工場から排出される排出ガスである。
図1ないし図3に示されるように、ガス分離装置100は、二酸化炭素(特定のガス)を吸着する吸着材(不図示)を有する3つの吸着塔51〜53と、各前記吸着塔に接続され、各前記吸着塔内において昇降温媒体(以降、単に「熱媒」や「冷媒」とも言う)を流通させる熱媒流路4と、前記熱媒流路を流通する熱媒を加熱する加熱部3と、前記熱媒流路を流通する熱媒を冷却する排熱部6と、各前記吸着塔51〜53に流入する熱媒の温度である入口温度を検出する入口温度センサ(入口温度取得部)S1〜S3と、各前記吸着塔51〜53から流出する熱媒の温度である出口温度を検出する出口温度センサ(出口温度取得部)S5〜S7と、熱媒流路4における各部を開閉する複数のバルブV1,V2,V11〜V13,V21〜V23,V31〜V33と、各バルブの開閉を制御する制御部2と、を備えている。図1ないし図3に示される、丸で囲まれたアルファベットの「A」および「F」は、互いに接続していることを表している。例えば、図1における上部の「F」に流入した熱媒は、下部の「F」から流出する。また、排熱部6を通って冷却された冷媒は、各吸着塔51〜53に、バルブV12,V22,V32および熱媒流路4を介して導かれる。
各吸着塔51〜53は、同じ吸着塔である。各吸着塔51〜53が有する吸着材としては、例えば、ゼオライトおよび多孔体にアミンを担持させた個体吸収材を採用できる。本実施形態における各吸着塔51〜53は、二重管であるが、他の実施形態では、シェルアンドチューブタイプの熱交換器であってもよい。吸着塔51〜53のそれぞれは、吸着材が二酸化炭素を吸着する吸着工程と、熱媒による熱交換によって、吸着材に吸着された二酸化炭素を脱離する脱離工程と、脱離工程後の吸着材を冷却する冷却工程と、を順次実行する。本実施形態では、各工程の切り替えは、予め設定された切替時間が経過する毎に行われている。入口温度センサS1〜S3および出口温度センサS5〜S7は、同じ温度センサである。
図1ないし図3には、各吸着塔51〜53が異なる工程を実行している状態が示されている。例えば、吸着塔53は、図1において吸着工程を実行する吸着工程塔として機能し、図2において脱離工程を行う脱離工程塔として機能し、図3において吸着工程を行う吸着工程塔として機能している。図1に示されるように、吸着工程塔として機能する吸着塔53には、混合ガスが供給される。脱離工程塔として機能する吸着塔52では、吸着材から脱離した二酸化炭素が排出される。排出された二酸化炭素は、図示されていないタンク内に貯蔵される。制御部2は、各バルブの開閉を制御することにより、熱媒流路4内の熱媒の流通を制御する。
図1ないし図3には、ガス分離装置100が備える各構成に加え、太い実線および矢印によって、熱媒流路4内を流通する熱媒の流れが示されている。例えば、図1には、制御部2がバルブV1,V2,V12,V14,V21,V23,V32,V33を開き、かつ、バルブV11,V13,V22,V24,V31,V34を閉じた状態での熱媒の流れが示されている。なお、図1ないし図3には、各吸着塔51〜53が実行する工程が切り替わった直後における熱媒の流れが示されている。本実施形態の熱媒は、オイルであるが、他の実施形態では、水、スチーム、およびガスなどが用いられてもよい。加熱部3は、熱媒流路4を加熱するヒータである。排熱部6は、熱媒流路4を冷却するクーラである。
図1に示されるように、吸着工程塔の吸着塔53には、熱媒流路4を介して冷媒が供給される。供給された冷媒は、吸着材が二酸化炭素を吸着する際の発熱による昇温を抑制する。脱離工程塔の吸着塔52には、冷却工程塔の吸着塔51から流出した熱媒と、加熱部3により加熱された加熱後の熱媒とが流入している。なお、加熱後の媒体の温度は、吸着工程塔から流出する熱媒の温度よりも高い。脱離工程塔では、温度スイングによって、吸着材に吸着されている二酸化炭素が分離される。脱離工程塔内の吸着材は、熱媒により加熱される。熱媒を介した熱量は、二酸化炭素の脱離時に必要な熱源として利用される。冷却工程塔の吸着塔51には、冷媒が流入する。流入した冷媒は、脱離工程によって昇温した吸着材を冷却する。なお、冷却工程塔から流出する熱媒は、吸着材の熱によって昇温された昇温後の熱媒である。すなわち、制御部2は、各バルブの開閉を制御することにより、冷却工程塔から流出した昇温後の熱媒と、加熱部3による加熱後の熱媒を、脱離工程塔の吸着塔52に流入させている。
図4は、第1実施形態におけるガス分離装置100の制御方法のフローの説明図である。図4には、時間の経過に伴って各吸着塔51〜53で行われる工程が表として示されている。制御部2が工場等から供給される混合ガスに応じて各バルブの開閉を制御することにより、3つの吸着塔51〜53で行われる工程を切り替えている。図4に示されるように、初めに、制御部2は、各バルブの開閉を制御することにより、図1に示される状態として、吸着塔51で冷却工程が行われ、吸着塔52で脱離工程が行われ、吸着塔53で吸着工程が行われる。前工程で吸着塔52の吸着材に二酸化炭素が吸着されていない場合には、吸着塔52に脱離工程を行わなくてもよい。
次に、吸着塔51で吸着工程が行われ、吸着塔52で冷却工程を行われ、吸着塔53で脱離工程を行われる。次に、吸着塔51で脱離工程を行われ、吸着塔52で吸着工程が行われ、吸着塔53で冷却工程が行われる。制御部2は、図4に示されるAの区間を1サイクルとして、各吸着塔51〜53での運転を繰り返し行う。
以上説明したように、第1実施形態のガス分離装置100は、吸着工程塔と、脱離工程塔と、冷却工程塔と、として順次機能する3つの吸着塔51〜53を備えている。制御部2は、各バルブの開閉を制御することにより、冷却工程塔から流出した昇温後の熱媒を、脱離工程塔へと流入させている。そのため、第1実施形態のガス分離装置100では、各吸着塔51〜53管を流通する熱媒を介して、冷却工程塔を冷却される際に生じた熱量が利用されて、脱離工程塔が昇温される。これにより、温度スイングを行うガス分離装置100が、混合ガスから二酸化炭素を吸着してから分離するまでの一連の工程で必要なエネルギーを低減できる。
また、第1実施形態の制御部2は、図1ないし図3に示されるように、脱離工程塔に、冷却工程塔から流出する昇温後の媒体に加えて、加熱部3によって加熱された加熱後の熱媒も流入させる。すなわち、脱離工程塔に加熱後の熱媒が流入することにより、脱離工程塔の吸着材がより昇温し、二酸化炭素の吸着時と脱離時とにおける温度スイング幅が向上する。その結果、ガス分離装置100における二酸化炭素の回収率および回収された二酸化炭素のガスの純度が向上する。
<第2実施形態>
図5ないし図7は、第2実施形態のガス分離装置100aの概略ブロック図である。第2実施形態のガス分離装置100aでは、第1実施形態のガス分離装置100と比較して、脱離工程塔に流入する熱媒が、脱離工程塔における入口温度および出口温度とに応じて変化する点が異なる。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる制御について説明し、第1実施形態と同じ構成および制御についての説明を省略する。第2実施形態の制御部2aは、各入口温度センサS1〜S3および各出口温度センサS5〜S7により検出された温度を取得する。制御部2aは、取得した温度を用いて、各バルブの開閉を制御する。
図5ないし図7には、吸着塔51で冷却工程が行われ、吸着塔52で脱離工程が行われ、吸着塔53で吸着工程が行われている状態で、脱離工程塔の吸着塔52に流入する熱媒の変化が示されている。図5には、吸着塔52で行われる工程が脱離工程に切り替わった直後の状態が示されている。この状態では、熱媒を介して脱離工程塔に流入する熱量が、吸着材から二酸化炭素を脱離するための熱量として利用される。そのため、脱離工程塔における出口温度Tout_52が入口温度Tin_52よりも低い状態である。なお、図5ないし図7では、図1ないし図3と同じように、熱媒の流れが太い実線によって示されている。
図6には、図5に示される状態から、脱離工程塔の吸着塔52における出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上に変化した状態が示されている。制御部2aは、図5の状態で、脱離工程塔における出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上に変化すると、図6に示されるように、各バルブの開閉を制御し、脱離工程塔への熱媒の流通を停止する。
図7には、図6に示される状態に変化してから、予め設定された所定の時間が経過した後の状態が示されている。制御部2aは、図6の状態に変化してから所定の時間が経過すると、図7に示されるように、加熱部3による加熱後の媒体のみを、脱離工程塔へと流入させる。
図8は、第2実施形態における各吸着塔51,52の入口温度および出口温度の時間推移の一例を示すグラフである。図8には、吸着塔52が脱離工程塔として機能している図5ないし図7に示される状態において、吸着塔51の出口温度Tout_51(一点鎖線)と、吸着塔52の入口温度Tin_52(実線)および出口温度Tout_52(破線)の時間推移が示されている。
図8に示されるように、冷却工程塔の吸着塔51の出口温度Tout_51は、最初に高い温度の熱媒が流出するため上昇し、徐々に低下してくる。また、脱離工程塔の吸着塔52の入口温度Tin_52は、昇温後の熱媒および加熱後の熱媒が流入することにより上昇し、吸着塔51の出口温度Tout_51の低下に伴って低下する。脱離工程塔の吸着塔52の出口温度Tout_52は、吸着材と熱交換できなかった熱量が徐々に流出するため、徐々に上昇する。
図8における時刻t1は、脱離工程が行われている吸着塔52における出口温度Tout_52と、入口温度Tin_52との高低が逆転する時刻である。すなわち、仮に、時刻t1以降の脱離工程塔の吸着塔52に、昇温後の熱媒が供給され続けると、流入する熱媒によって昇温されるのではなく、冷却されることになってしまう。
図9は、第2実施形態における脱離工程のフローチャートである。図9には、吸着塔52で脱離工程が行われている場合(図5ないし図7の状態)の脱離工程のフローチャートが示されている。図9に示される脱離工程では、初めに、図5に示されるように、制御部2aは、各バルブの開閉を制御することにより、冷却工程塔の吸着塔51から流出する昇温後の熱媒を脱離工程塔の吸着塔52に流入させる(ステップS101)。この状態で、制御部2aは、脱離工程塔の出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上に変化したか否かを判定する(ステップS102)。制御部2aは、脱離工程塔の出口温度Tout_52が入口温度Tin_52未満であると判定した場合には(ステップS102:NO)、引き続き、出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上に変化することを監視する。
制御部2aは、脱離工程塔の出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上に変化したと判定した場合には(ステップS102:NO)、各バルブの開閉を制御し、昇温後の熱媒の脱離工程塔への流入を停止する(ステップS103)。次に、制御部2aは、脱離工程開始からの出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上に変化してから、脱離工程開始から予め設定された所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS104)。制御部2aは、脱離工程開始から所定時間が経過していないと判定した場合には(ステップS104:NO)、引き続き、所定時間が経過するまで待機する。制御部2aは、所定時間が経過したと判定した場合には(ステップS104:YES)、加熱部3による加熱後の媒体のみを脱離工程塔の吸着塔52へと流入させる。その後、所定の工程切替時間が経過すると、脱離工程が終了する。
以上説明したように、第2実施形態の制御部2aは、図7に示されるように、脱離工程塔の吸着塔52における出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上の場合に、脱離工程塔に流入させていた昇温後の熱媒の流入を停止し、加熱後の熱媒のみを脱離工程塔へと流入させる。脱離工程塔における出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上の場合は、脱離工程塔を昇温させずに冷却している状態である。すなわち、第2実施形態のガス分離装置100aでは、このような状態において、脱離工程塔に対して、昇温後の熱媒を流入させずに、昇温後の熱媒よりも高温の加熱後の熱媒のみを流入させている。そのため、加熱部3の消費電力を減らすことができる又は同じ消費電力であっても脱離工程塔が到達する温度を高めることができる。
<第3実施形態>
図10ないし図12は、第3実施形態のガス分離装置100bの概略ブロック図である。第3実施形態のガス分離装置100bは、第1実施形態のガス分離装置100と比較して、4つの吸着塔51〜54を備える点と、各吸着塔51〜54において予熱工程を加えた4つの工程が順次行われる点と、各吸着塔51〜54の出口温度を記憶する記憶部7を備える点とが大きく異なる。そのため、第3実施形態では、第1実施形態と異なる構成および制御について説明し、第1実施形態と同じ構成および制御について説明を省略する。
図10に示されるように、ガス分離装置100bは、4つの吸着塔51〜54と、各吸着塔51〜54における入口温度を検出する入口温度センサS1〜S4および出口温度を検出する出口温度センサS5〜S8と、各出口温度センサS5〜S8によって検出された各吸着塔51〜54の出口温度を記憶する記憶部7と、制御部2bによって開閉が制御される複数のバルブV1,V2,V11〜V16,V21〜V26,V31〜V36,V41〜V46と、を備えている。図10ないし図12に示される丸で囲まれたアルファベットの「B」〜「E」は、図1ないし図3と、図5ないし図7とに示される「A」および「F」と同じように、互いに接続していることを表している。
吸着塔54は、他の3つの吸着塔51〜53と同じ吸着塔である。第3実施形態の各吸着塔51〜54は、吸着工程と、脱離工程前に加熱される予熱工程と、脱離工程と、冷却工程と、を順次実行する。入口温度センサS4および出口温度センサS8は、入口温度センサS1〜S3および出口温度センサS5〜S7と同じでセンサある。制御部2bは、記憶部7に記憶された出口温度と、各吸着塔51〜54における入口温度および出口温度とを用いることによって、各バルブの開閉を制御する。
図10には、各吸着塔51〜54の工程が切り替わった直後で、吸着塔51で冷却工程が行われ、吸着塔52で脱離工程が行われ、吸着塔53で予熱工程が行われ、吸着塔54で吸着工程が行われている状態が示されている。図11および図12に示される状態は、図11の状態で各吸着塔51〜54が実行する工程が同じ状態で、制御部2bによって、予熱工程が実行されている予熱工程塔に流入する熱媒の流れが変化した状態である。なお、図11および図12の状態の詳細については、後述する。
図10に示される状態では、冷却工程塔の吸着塔51に冷媒が供給され、吸着塔51から流出した昇温後の熱媒は、脱離工程塔の吸着塔52には供給されずに、予熱工程を実行する予熱工程塔の吸着塔53に流入する。予熱工程塔は、吸着塔51から流入する昇温後の熱媒によって昇温する。脱離工程塔の吸着塔52には、加熱部3による加熱後の熱媒のみが流入する。冷却工程塔の吸着塔54には、冷媒が供給される。
図13は、第3実施形態における各吸着塔52,53の入口温度Tin_53および出口温度Tout_52,Tout_53の時間推移の一例を示すグラフである。図13には、図10に示される状態の脱離工程塔の吸着塔52の出口温度Tout_52(一点鎖線)と、予熱工程塔の吸着塔53の入口温度Tin_53(実線)および出口温度Tout_53(破線)の時間推移が示されている。
予熱工程塔には、図5に示される第2実施形態の脱離工程塔と同じように、冷却工程塔の吸着塔51から流出した昇温後の熱媒が流入する。そのため、図8および図13に示されるように、予熱工程塔の入口温度Tin_53および出口温度Tout_53は、図8に示される第2実施形態の脱離工程塔の入口温度Tin_52および出口温度Tout_52のような挙動を示す。第3実施形態における脱離工程塔の吸着塔52では、加熱部3による加熱後の媒体によって供給される熱量が、吸着材と熱交換する。一定時間経過後、熱交換しきれなくなった熱量が脱離工程塔から流出する。これにより、脱離工程塔の出口温度Tout_52は、徐々に上昇する。
制御部2bは、図10に示される状態で熱媒の流れを制御した後、予熱工程塔の出口温度Tout_53が入口温度Tin_53と同じになった場合に、各バルブの開閉を制御し、図11に示されるように、予熱工程塔への昇温後の熱媒の流入を停止する。このとき、記憶部7は、予熱工程塔の吸着塔53における出口温度Tout_53が入口温度Tin_53と同じになった際の温度Tcrfを記憶する。なお、図13に示されるように、この時の時刻をtcrfとする。
制御部2bは、時刻tcrf以降、図11に示される状態を維持し、脱離工程塔における出口温度Tout_53が記憶部7に記憶された温度Tcrfよりも高い場合に、各バルブの開閉を制御し、図12に示されるように、脱離工程塔から流出する熱媒を予熱工程塔に流入させる。なお、図13に示されるように、脱離工程塔から流出する熱媒が予熱工程塔に流入し始める時刻をt2とする。
図14は、第3実施形態におけるガス分離装置100bの制御方法のフローの説明図である。図14には、時間の経過に伴って各吸着塔51〜54で行われる工程が表として示されている。制御部2bが各バルブの開閉を制御することにより、吸着塔51で冷却工程が行われ、吸着塔52で脱離工程が行われ、吸着塔53で予熱工程が行われ、吸着塔54で吸着工程が行われる。以降、図14に示されるように、制御部2bが各バルブの開閉を制御することにより、各吸着塔51〜54で各工程が順次行われる。第3実施形態では、制御部2bは、図14に示されるBの区間を1サイクルとして、各吸着塔51〜54での運転を繰り返し行う。
図15は、第3実施形態における予熱工程のフローチャートである。図15には、吸着塔53で予熱工程が行われている場合の予熱工程のフローチャートが示されている。図15に示されるように、予熱工程では、制御部2bが各バルブの開閉を制御することにより、初めに、図10に示されるように、冷却工程塔の吸着塔51から流出する昇温後の熱媒が、予熱工程塔の吸着塔53に流入する(ステップS151)。この状態で、制御部2bは、予熱工程塔における出口温度Tout_53が入口温度Tin_53と同じになったか否かを判定する(ステップS152)。制御部2bは、予熱工程塔における出口温度Tout_53が入口温度Tin_53と同じにはなっていないと判定した場合には(ステップS152:NO)、引き続き、出口温度Tout_53と入口温度Tin_53の値を監視する。
制御部2bは、予熱工程塔における出口温度Tout_53が入口温度Tin_53と同じになったと判定した場合には(ステップS152:Yes)、図11に示されるように、予熱工程塔に流入させていた昇温後の熱媒の流入を停止する(ステップS153)。記憶部7は、予熱工程塔の出口温度Tout_53が入口温度Tin_53と同じになった温度Tcrfを記憶する(ステップS154)。
制御部2bは、予熱工程塔への熱媒の流入を停止している状態で、脱離工程塔の吸着塔52の出口温度Tout_52が記憶部7に記憶された温度Tcrfよりも大きいか否かを判定する(ステップS155)。制御部2bは、脱離工程塔の出口温度Tout_52が温度Tcrf以下であると判定した場合には(ステップS155:NO)、引き続き、脱離工程塔の出口温度Tout_52が温度Tcrfよりも高くなるまで監視する(ステップS155)。制御部2bは、脱離工程塔の出口温度Tout_52が温度Tcrfよりも高くなったと判定した場合には(ステップS155:YES)、脱離工程塔から流出する熱媒を予熱工程塔へと流入させる(ステップS156)。その後、所定の工程切替時間が経過すると、脱離工程のフローが終了する。
図16ないし図18は、第3実施形態のガス分離装置100bにおける効果の説明図である。図16には、第3実施形態における予熱工程塔の出口温度Tout_53の時間推移が実線で示されている。また、図16には、比較例のガス分離装置100xにおける予熱工程塔の出口温度Tout_cm(比較例)が破線で示されている。比較例のガス分離装置100xは、第3実施形態のガス分離装置100bと比較して、吸着工程塔および脱離工程塔から流出する熱媒が予熱工程塔に流入していない(再利用されない)点が異なり、その他の構成および制御は同じである。
図16には、吸着塔53で行われる工程が予熱工程から脱離工程へと切り替わる時刻tch前後の出口温度の温度推移が示されている。図16に示されるように、冷却工程塔から流出する昇温後の熱媒および脱離工程塔から流出する熱媒の熱量が、予熱工程塔の昇温に利用されることにより、第3実施形態における予熱工程塔の出口温度Tout_53の温度推移は、比較例の出口温度Tout_cmの温度推移よりも常に高くなっている。
図17には、脱離工程が始まってから脱離工程塔で回収される第3実施形態の二酸化炭素の流量推移Q53が実線で示され、脱離工程塔から回収される比較例の二酸化炭素の流量推移Qcmが破線で示されている。図18には、脱離工程が始まってから脱離工程塔で回収される二酸化炭素の総量推移V53が実線で示され、脱離工程塔から回収される比較例の二酸化炭素の総量推移Vcmが破線で示されている。図17および図18に示されるように、第3実施形態における脱離工程塔は、比較例よりも短時間でより多くの二酸化炭素を回収できる。
以上説明したように、第3実施形態の各吸着塔51〜54では、吸着工程と、予熱工程と、脱離工程と、冷却工程とが順次行われる。制御部2bは、各バルブの開閉を制御することにより、図12に示されるように、脱離工程塔から流出した熱媒を予熱工程塔へと流入させる。すなわち、脱離工程が行われる前の予熱工程塔の昇温に、脱離工程塔から流出する熱媒の熱量が利用される。そのため、ガス分離装置100bが混合ガスから二酸化炭素を分離するために必要なエネルギーが低減する。
また、第3実施形態のガス分離装置100bでは、冷却工程塔の吸着塔51から流出する昇温後の熱媒が予熱工程塔の吸着塔53に流入している状態(図10)で、予熱工程塔における出口温度Tout_53と入口温度Tin_53とが同じになると(図13の温度Tcrf)、制御部2bは、予熱工程塔に流入する昇温後の熱媒を停止する(図11)。その後、制御部2bは、図12に示されるように、脱離工程塔の吸着塔52から流出する高温の熱媒を予熱工程塔に流入させる。すなわち、予熱工程塔には、昇温後の熱媒が予熱工程塔を昇温できるまで流入し、その後に、脱離工程塔から流出する高温の熱媒が流入する。そのため、冷却工程塔および脱離工程塔から流出する熱媒を介した熱量を、効率的に予熱工程塔の昇温に利用できる。
また、第3実施形態の記憶部7は、予熱工程塔における出口温度Tout_53が入口温度Tin_53に達したときの温度Tcrfを記憶する。制御部2bは、予熱工程塔への熱媒の流入が停止している状態で(図11)、脱離工程塔の出口温度Tout_52が温度Tcrfよりも高くなった場合に、脱離工程塔から流出する熱媒を予熱工程塔へと流入させる。記憶部7に記憶された温度Tcrfは、繰り返し行われるサイクルで変化する温度である。制御部2bは、変化に対応した温度Tcrfに応じて、予熱工程塔に流入する熱媒を切り替える。そのため、第3実施形態のガス分離装置100bでは、熱媒を介した熱量がより効率的に予熱工程塔の昇温に利用される。
<上記実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記実施形態のガス分離装置100,100a,100bは一例であり、ガス分離装置100,100a,100bが備える構成および実行する制御については、種々変形可能である。例えば、第1実施形態および第2実施形態のガス分離装置100,100aは、3つよりも多い吸着塔を備えていてもよいし、第3実施形態のガス分離装置100bは、4つよりも多い吸着塔を備えていてもよい。例えば、ガス分離装置が5つの吸着塔を備える場合に、4つの各吸着塔で吸着工程、予熱工程、脱離工程、および冷却工程が行われ、残りの1つの吸着塔でさらに冷却工程が行われてもよい。この場合に、冷却工程の工程時間が、他の工程の工程時間の2倍であるとも換言できる。また、残り1つの工程では、冷却工程後に、熱媒(冷媒)が流入しない工程が行われてもよい。各吸着塔51〜54が、吸着工程塔、予熱工程塔、脱離工程塔、および吸着工程塔として順次機能するとは、この順番で各工程が行われることを意味し、各工程間に別の工程、例えば、吸着塔に何ら熱媒(冷媒)が流入しない工程などが含まれている場合も包含する。そのため、吸着工程終了後かつ脱離工程開始前の吸着塔は、予熱工程塔以外の工程が行われる吸着塔を含んでいてもよい。
各吸着塔は、同じ吸着塔で構成される必要はなく、異なる吸着塔であってもよい。例えば、吸着塔の形状が異なっていてもよいし、吸着塔内の吸着材の種類や量が異なっていてもよく、吸着塔は、複数種類の吸着材を有していてもよい。吸着塔の形状は、熱媒によって熱交換しやすい形状が好ましい。ガス分離装置は、吸着塔の形状等に応じて、各吸着塔で行われる工程の工程時間を変えてもよい。各吸着塔に流入する熱媒(冷媒)の量や時間は、異なるように制御されてもよい。
ガス分離装置100,100a,100bが分離する特定のガスは、二酸化炭素以外のガスであってもよく、例えば、空気の除湿のために水蒸気を分離する装置であってもよい。吸着塔が有する吸着材は、特定のガスに応じて適宜材料が選択されればよい。各吸着塔51〜54に接続される熱媒流路4は、熱媒流路4内を流通する熱媒が各吸着塔51〜54と熱交換可能な範囲で変形可能である。例えば、円筒状の吸着塔51〜54に対して中心軸に沿って混合ガスが流通される場合に、熱媒流路4は、同じ中心軸に沿って各吸着塔51〜54内に配置されていてもよいし、円筒の任意の側面から入って出るように出入口が形成されてもよい。
加熱部3および排熱部6は、熱媒流路4内を流通する熱媒を昇温または降温できればよく、周知の技術を適用できる。加熱部3および排熱部6は、熱媒流路4および熱媒に応じて、選択されればよい。また、第1実施形態のガス分離装置100は、各吸着塔51〜53に流出入する熱媒の温度を検出する入口温度センサS1〜S3および出口温度センサS5〜S8を備えていなくてもよい。また、第2実施形態および第3実施形態のガス分離装置100a,100bの入口温度センサS1〜S4および出口温度センサS5〜S8は、各吸着塔51〜54に流出入する熱媒の温度を取得できる範囲で変形可能である。
[変形例2]
上記第2実施形態では、脱離工程塔の吸着塔52に熱媒が供給されていない状態(図6)があるが、制御部2aは、脱離工程塔における出口温度Tout_52が入口温度Tin_52以上になった場合に、脱離工程塔に昇温後の熱媒が流入している図5の状態から、図6の状態を介さずに、脱離工程塔に加熱後の熱媒を流入させる図7の状態に変化してもよい。換言すると、この変形例では、図9に示される脱離工程のフローチャートにおけるステップS103,104の処理が省略されている。また、制御部2aは、脱離工程に切り替わった直後の脱離工程塔に、昇温後の熱媒に加えて、さらに、加熱後の熱媒を流入させてもよい。
[変形例3]
第3実施形態のガス分離装置100bでは、図10ないし図12に示されるように、予熱工程塔には、冷却工程塔から流出した昇温後の熱媒または脱離工程塔から流出した熱媒が流入したが、予熱工程塔に流入する熱媒については、種々変形可能である。例えば、図10に示される状態で、制御部2bは、昇温後の熱媒に加えて、脱離工程塔から流出する熱媒も予熱工程塔に流入させてもよい。また、図12に示される状態で、制御部2bは、脱離工程塔から流出する熱媒に加えて、加熱部3による加熱後の熱媒も予熱工程塔に流入させてもよい。
第3実施形態では、図11に示される予熱工程塔に熱媒が流入しない状態があるが、制御部2bは、常に、予熱工程塔に何らかの熱媒を流入させてもよい。例えば、制御部2bは、予熱工程塔の吸着塔53における入口温度Tin_53と出口温度Tout_53とが同じになった時刻tcrf(図13)に、昇温後の熱媒の流入を停止させ、かつ、脱離工程塔から流出する熱媒を予熱工程塔に流入させてもよい。上記第2実施形態および第3実施形態における同じ温度とは、全く同じ温度に加えて、所定の温度範囲を含む温度を含んでいてもよい。例えば、同じ温度±2℃の範囲も、同じ温度とみなされてもよい。
第3実施形態では、制御部2bは、記憶部7に記憶された温度Tcrfを用いて、予熱工程塔に、脱離工程塔から流出する熱媒の流入開始を制御したが、当該流入開始の制御については種々変形可能である。例えば、制御部2bは、時刻tcrfから、予め設定された所定の時間が経過した場合に。脱離工程塔から流出する熱媒を予熱工程塔に流入させてもよい。また、制御部2bは、所定の時間の代わりに、脱離工程塔の出口温度が温度Tcrfを基準として設定された所定温度(例えば、Tcrf+5℃)以上になった場合に、脱離工程塔から流出する熱媒を予熱工程塔に流入させてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
2,2a,2b…制御部
3…加熱部
4…熱媒流路
6…排熱部
7…記憶部
51〜54…吸着塔
100,100a,100b,100x…ガス分離装置
53,Qcm…流量推移
S1〜S4…入口温度センサ(入口温度取得部)
S5〜S8…出口温度センサ(出口温度取得部)
crf…記憶部に記憶された温度
in_52,Tin_53…入口温度
out_51,Tout_52,Tout_53…出口温度
V1,V2,V11〜V16,V21〜V26,V31〜V36,V41〜V46…バルブ
53,Vcm…総量推移
t1,t2,tcrf,tch…時刻

Claims (7)

  1. ガス分離装置であって、
    混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着材を有する3つ以上の吸着塔と、
    各前記吸着塔に接続され、各前記吸着塔間において熱媒を流通させる熱媒流路と、
    前記熱媒流路の流通を制御する制御部と、
    を備え、
    前記3つ以上の吸着塔は、それぞれ、
    前記吸着材が前記特定のガスを吸着する吸着工程を行う吸着工程塔と、
    前記熱媒による熱交換によって、前記吸着材に吸着された前記特定のガスを脱離する脱離工程を行う脱離工程塔と、
    前記吸着材を冷却する冷却工程を行う冷却工程塔と、
    として順次機能し、
    前記制御部は、前記冷却工程塔から流出した前記熱媒であって、前記冷却工程において昇温された昇温後の前記熱媒を、前記脱離工程塔と、前記吸着工程終了後かつ前記脱離工程開始前の前記吸着塔との少なくとも一方へと流入させる、ガス分離装置。
  2. 請求項1に記載のガス分離装置であって、さらに、
    前記熱媒を加熱する加熱部を備え、
    前記制御部は、前記昇温後の熱媒に加えてさらに、前記加熱部による加熱後の前記熱媒を、前記脱離工程塔へと流入させる、ガス分離装置。
  3. 請求項2に記載のガス分離装置であって、さらに、
    各前記吸着塔に流入する前記熱媒の温度である入口温度を取得する入口温度取得部と、
    各前記吸着塔から流出する前記熱媒の温度である出口温度を取得する出口温度取得部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記脱離工程塔における前記出口温度が前記入口温度以上の場合に、前記吸着塔への前記昇温後の熱媒の流入を停止して前記加熱後の熱媒のみを流入させる、ガス分離装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガス分離装置であって、
    4つ以上の前記吸着塔を備え、
    前記4つ以上の吸着塔は、それぞれ、
    前記吸着工程塔と、前記吸着材を予熱する予熱工程を行う予熱工程塔と、前記脱離工塔程と、前記冷却工程塔と、として順次機能し、
    前記制御部は、前記脱離工程塔から流出した前記熱媒を、前記予熱工程塔に流入させる、ガス分離装置。
  5. 請求項4に記載のガス分離装置であって、さらに、
    各前記吸着塔に流入する前記熱媒の温度である入口温度を取得する入口温度取得部と、
    各前記吸着塔から流出する前記熱媒の温度である出口温度を取得する出口温度取得部と、
    前記熱媒を加熱する加熱部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記脱離工程塔に、前記加熱部による加熱後の前記熱媒を流入させ、
    前記予熱工程塔に、前記昇温後の熱媒を流入させた後に、前記予熱工程塔における前記出口温度が前記入口温度以上の場合に、前記昇温後の熱媒の流入を停止し、かつ、前記脱離工程塔から流出する前記熱媒を流入させる、ガス分離装置。
  6. 請求項5に記載のガス分離装置であって、さらに、
    前記予熱工程塔に前記昇温後の熱媒が流入している状態で、前記予熱工程塔における前記出口温度が前記入口温度と同じになった際の温度を記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記予熱工程塔への前記昇温後の熱媒の流入を停止している状態で、前記脱離工程塔における前記出口温度が、前記記憶部に記憶された温度よりも高い場合に、前記脱離工程塔から流出される前記熱媒を、前記予熱工程塔に流入させる、ガス分離装置。
  7. ガス分離装置の制御方法であって、
    一の吸着塔が有する吸着材が、混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着する吸着工程と、
    熱媒による熱交換によって、他の吸着塔が有する吸着材に吸着された前記特定のガスを脱離する脱離工程と、
    前記吸着工程が行われている前記吸着塔と、前記脱離工程が行われている前記吸着塔とのいずれとも異なる吸着塔が冷却される冷却工程と、
    を備え、
    前記冷却工程が行われている前記吸着塔から流出した前記熱媒であって、前記冷却工程において昇温された前記熱媒は、前記他の吸着塔に流入される、制御方法。
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