以下、図面に基づいて第1の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態における機器管理システム1の構成例を示す図である。
図1に示される機器管理システム1において、機器管理装置10は、インターネット等のネットワークを介して複数の画像形成装置20(画像形成装置20−1、画像形成装置20−2、・・・、画像形成装置20−N)、及び保守システム30接続される。各画像形成装置20は、例えば、5G等の高速な無線通信の基地局を介して機器管理装置10に接続されてもよい。
各画像形成装置20は、例えば、複合機である。本実施の形態において、各画像形成装置20は、予め設定されている、故障のリスク(故障の可能性)が有ることを示す条件が充足したことを検知すると、当該条件の充足を検知したことの通知(以下、「検知通知」という。)を機器管理装置10に送信する。
機器管理装置10は、画像形成装置20を監視する1以上のコンピュータである。例えば、機器管理装置10は、クラウドシステムの形態で構成されてもよい。機器管理装置10は、いずれかの画像形成装置20から検知通知を受信すると、当該画像形成装置20と使用態様が類似する他の画像形成装置20群を特定し、検知通知の送信元の画像形成装置20と、特定された他の画像形成装置20に対して、故障のリスク(可能性)がより高い状態を示す条件の充足の有無についての監視を要求する。
保守システム30は、各画像形成装置20の保守サービスに関する処理を実行する1以上のコンピュータである。
図2は、第1の実施の形態における機器管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。図2の機器管理装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
機器管理装置10での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って機器管理装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
図3は、第1の実施の形態における画像形成装置20のハードウェア構成例を示す図である。図3において、画像形成装置20は、コントローラ21、スキャナ22、プリンタ23、モデム24、操作パネル25、ネットワークインタフェース26、及びSDカードスロット27等のハードウェアを有する。
コントローラ21は、CPU211、RAM212、ROM213、HDD214、及びNVRAM215等を有する。ROM213には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM212は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU211は、RAM212にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD214には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM215には、各種の設定情報等が記憶される。
スキャナ22は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ23は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム24は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル25は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。液晶パネルは、タッチパネル機能を有していてもよい。この場合、当該液晶パネルは、入力手段の機能をも兼ねる。但し、画像形成装置20には専用の操作パネル25が設置されなくてもよい。この場合、PC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末等が、操作パネル25として利用されてもよい。
ネットワークインタフェース26は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット27は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置20では、ROM213に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM212にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット27は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
図4は、第1の実施の形態における機器管理装置10及び画像形成装置20のソフトウェアアーキテクチャを説明するための図である。図4において、操作部40は、操作パネル25、又は操作パネル25の代わりに利用されるPC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末等である。
図4において、機器管理装置10は、コピーアプリ11a、プリントアプリ11b及びスキャンアプリ11c等の1以上の機器アプリ11、並びにプラットフォーム部12等を有する。これらは、機器管理装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
各機器アプリ11は、画像形成装置20に関するアプリケーションプログラムである。例えば、コピーアプリ11aは、コピーを画像形成装置20に実行させる機器アプリ11である。プリントアプリ11bは、印刷を画像形成装置20に実行させる機器アプリ11である。スキャンアプリ11cは、スキャンを画像形成装置20に実行させるアプリである。
プラットフォーム部12は、機器アプリ11のアプリケーションプラットフォームとして機能する。例えば、プラットフォーム部12は、機器アプリ11に対してAPI(Application Program Interface)を提供し、機器アプリ11による当該APIの呼び出しに応じた処理を実行する。また、プラットフォーム部12は、操作部40からのいずれかの機器アプリ11に対する画面の表示要求を受信すると、当該機器アプリ11に対して当該表示要求を通知する。プラットフォーム部12は、当該表示要求に応じて当該機器アプリ11から応答される、当該機器アプリ11の操作画面の画面データ(例えば、Webページ)を当該操作部40へ送信する。当該操作部40は、当該画面データに基づいて当該操作画面を表示する。当該操作画面では、当該機器アプリ11の実行条件(使用できる画像形成装置20本体の一覧、印刷枚数、モノクロ・カラー、読取り条件等)が指定可能である。利用者によって当該操作画面に対して実行条件が入力されると、操作部40は、当該実行条件をプラットフォーム部12へ送信する。プラットフォーム部12は、当該実行条件を当該機器アプリ11へ通知する。プラットフォーム部12は、当該実行条件が指定されたジョブの実行要求を当該機器アプリ11から受け付けると、当該ジョブに関する処理の実行命令を当該ジョブの実行先として指定された画像形成装置20に要求するとともに、画像形成装置20との通信を介して当該ジョブの進捗を管理する。
一方、画像形成装置20は、機器制御部221を有する。機器制御部221は、スキャナ22及びプリンタ23等のハードウェアの制御に関するAPIを公開し、機器管理装置10のプラットフォーム部12から送信される実行命令を当該APIを介して受け付ける。機器制御部221は、受け付けた実行命令に応じた処理を実行し、実行結果をプラットフォーム部12へ送信する。
なお、図4からも明らかなように、本実施の形態では、従来であれば、画像形成装置20に実装されていた機器アプリ11及びプラットフォーム部12が、機器管理装置10に実装される。例えば、各機器アプリ11は、Webアプリとして実装されてもよい。そうすることで、各画像形成装置20に対する機器アプリ11又はプラットフォーム部12のバージョンアップ等を機器管理装置10の更新によって実現することができ、画像形成装置20の保守作業の負担を軽減することができる。
但し、機器管理装置10は、一元的なサーバ群によって構成されなくてもよい。例えば、オフィッスごとや地域ごとに等に分散された各サーバが、図4の機器管理装置10と同様の構成を有するエッジコンピューティングが導入されてもよい。そうすることで、画像形成装置20の各機能について高い応答性(リアルタイム性)を確保し易くすることができる。
図5は、第1の実施の形態における機器管理装置10及び画像形成装置20の機能構成例を説明するための図である。
図5において、画像形成装置20の機器制御部221は、定着ユニット、作像ユニット、紙ユニットといった制御ユニットごとに故障リスク検知部231a、故障リスク検知部231b又は故障リスク検知部231c(以下、それぞれを区別しない場合、単に「故障リスク検知部231」という。)を含む。各故障リスク検知部231は、それぞれに対して設定された故障検知レベルに応じた故障リスク検知条件が満たされるか否かについて監視を行う。故障検知レベルとは、故障の可能性が有る状態を示す条件(以下、「故障リスク検知条件」という。)に対するレベル(当該可能性の高さ)を示す概念であり、レベル1、レベル2等、レベルN(Nは、1以上の整数)の形式によって表現される。本実施の形態では、Nの値が大きくなるほど、故障のリスク(可能性)が高いことを示す。すなわち、本実施の形態において、複数段階の故障検知レベルが定義され、各段階の故障検知レベルに対応する故障リスク検知条件が定義される。
図6は、故障検知レベル及び故障リスク検知条件の一例を示す図である。図6には、制御ユニットごとに、各故障検知レベル(レベル1、レベル2、レベル3)に応じた故障リスク検知条件が示されている。各故障リスク検知条件の内容は、一例に過ぎないが、レベルNにおけるNの値が大きくなるほど、故障の可能性が高い状態を示す内容となっている。例えば、定着ユニットについて、レベル1の故障リスク検知条件(a)は、「定着レディ時間が定着エラー条件の70%以上であること」であるが、レベル2の故障リスク検知条件(a)は、「定着レディ時間が定着エラー条件の90%以上であること」である。すなわち、同じパラメータ(定着レディ時間)に対して、レベル1では、70%以上という条件が、レベル2では、90%以上に引き上げられている。他の故障リスク検知条件についても同様である。
なお、図6に示される情報は、例えば、各画像形成装置20のHDD214等に記憶されている。
一方、図5において、機器管理装置10のプラットフォーム部12は、監視条件制御部121及び特定部122等を含む。
監視条件制御部121は、各画像形成装置20に対して故障検知レベルの変更を要求する。監視条件制御部121は、いずれかの画像形成装置20のいずれかの制御ユニットの故障リスク検知部231から、当該故障リスク検知部231に対して設定されている故障検知レベルに対応する故障リスク検知条件が満たされたこと(当該故障検知レベルに応じた故障リスクが検知されたこと)の通知(以下、「検知通知」という。)が送信されると、当該画像形成装置20に対して、故障検知レベルの変更を指示する。すなわち、当該画像形成装置20等の監視対象の故障リスク検知条件が、より故障の可能性の高い状態を示す故障リスク検知条件に変更される。なお、故障検知レベルは、レベル1→レベル2→レベル3のように遷移する。
特定部122は、検知通知の送信元の画像形成装置20と他の画像形成装置20との使用態様の類似性に基づいて、検知通知の送信元の画像形成装置20と同じ故障リスク検知条件を監視させる(同じ故障検知レベルに変更させる)他の画像形成装置20群(以下、「監視範囲」という。)を特定する。使用態様の類似性が利用されるのは、同様の使い方がされている画像形成装置20は、同様の故障が発生しやすいという経験則に基づく。
使用態様の類似性は、各画像形成装置20について機器管理装置10に記憶されている情報に基づいて判定される。すなわち、監視範囲は、各画像形成装置20について機器管理装置10に記憶されている情報の類似性に基づいて特定される。例えば、各画像形成装置20の使用履歴情報の類似性に基づいて監視範囲が特定される(以下、斯かる監視範囲の特定方式を「特定方式1」という。)。使用履歴情報には、例えば、各ジョブの実行条件の履歴が含まれる。当該実行条件に基づいて、各ジョブにおいて使用された紙種、紙厚、用紙サイズ、用紙枚数、印字対象の画像種別(ベタ画像等)等のパラメータの値を導出することができる。例えば、過去の一定期間(例えば、過去1ヶ月等)において、これらのパラメータの値が類似している画像形成装置20同士が、使用態様が類似している画像形成装置20であるとして特定される。なお、使用履歴情報は、例えば、補助記憶装置102に記憶される。すなわち、機器管理装置10のプラットフォーム部12は、各画像形成装置20のジョブの管理も行うため、各画像形成装置20においてどのような実行条件でどのようなジョブが実行されているのかをリアルタイムで把握している。したがって、プラットフォーム部12は、いずれかの画像形成装置20に関してジョブが実行されると、当該画像形成装置20の使用履歴情報を更新する。
又は、「監視範囲」は、各画像形成装置20の設置場所を示す情報の類似性に基づいて特定されてもよい(以下、斯かる監視範囲の特定方式を「特定方式2」という。)。同じ職場(同じ業種)に設置されている画像形成装置20は、同様の使い方がされる可能性が高いと考えられるからである。補助記憶装置102には、画像形成装置20ごとに属性情報(以下、「機器情報」という。)が記憶されており、各機器情報は、当該機器情報に係る対象画像形成装置20の設置場所を示す情報(以下、単に「設置場所」という。)を含む。設置場所の類似性は、例えば、会社名によって判定されてもよいし、会社名と建物(ビル、事業所等)によって判定されてもよいし、フロア単位で判定されてもよい。なお、設置場所が同じである画像形成装置20群が同様の使い方がされる画像形成装置20群として、故障検知レベルが同じにされる場合、保守作業者が画像形成装置20の設置場所に訪問して行うメンテナンス作業を効率化できるというメリットが有る。
なお、特定方式1と特定方式2とが組み合わされて監視範囲が特定されてもよい。この場合、設置場所が類似しており、かつ、使用履歴情報が類似していることが、使用態様が類似していることの条件とされる。
以下、機器管理システム1において実行される処理手順について説明する。図7は、第1の実施の形態における故障検知レベルの変更処理の第1の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図7においては、各画像形成装置20のそれぞれの定着ユニットの故障リスク検知部231aが、故障検知レベルの初期値である「故障検知レベル1」で故障リスクを監視中である状況を想定する(S101、S102、S103)。なお、他の制御ユニットの故障リスク検知部231も同様に故障リスクを監視中である。この状況において、画像形成装置20−1(以下、「対象画像形成装置20」という。)の故障リスク検知部231aが、故障検知レベル1の故障リスク検知条件が満たされたことを検知(故障検知レベル1を検知)すると(S104)、当該故障リスク検知部231aは、検知通知を機器管理装置10の監視条件制御部121へ送信する(S105)。当該検知通知には、対象画像形成装置20の識別情報(以下、「機器ID」という。)と、制御ユニットの種別(定着ユニット)を示す情報(以下、「ユニット種別」という。)と、現在の故障検知レベル(故障検知レベル1)とが含まれる。
監視条件制御部121は、当該検知通知を受信すると、当該検知通知に含まれている機器IDを指定して、監視範囲の特定要求を特定部122へ送信する(S106)。特定部122は、当該特定要求に応じ、当該特定要求に指定されている機器IDに係る画像形成装置20(すなわち、対象画像形成装置20)に対応する監視範囲を特定する(S107)。
例えば、特定方式1が採用される場合、特定部122は、対象画像形成装置20の使用履歴情報と、他の各画像形成装置20の使用履歴情報とに基づいて、監視範囲を特定する。例えば、特定部122は、対象画像形成装置20について、紙種、紙厚、用紙サイズ、用紙枚数、印字対象の画像種別等のパラメータの値別に、過去の所定期間の割合を求める。具体的には、紙種であれば、普通紙、光沢紙等の紙種別に、所定期間におけるジョブ数に対する紙種別のジョブ数の割合を求める。他のパラメータについても同様に、値別の割合を求める。対象画像形成装置20について、各パラメータの値別に求められた各割合のそれぞれを、以下「基準値」という。特定部122は、他の各画像形成装置20についても同様に、所定期間におけるパラメータの値別の割合を求める。特定部122は、各画像形成装置20のパラメータの値別の割合を基準値と比較することにより、監視範囲を特定する。例えば、いずれか1つの割合が基準値以上である画像形成装置20が監視範囲に含まれてもよい。又は、全ての割合が基準値以上である画像形成装置20が監視範囲に含まれてもよい。又は、所定数以上の割合が基準値以上である画像形成装置20が監視範囲に含まれてもよい。
又は、特定方式1の別の例として、対象画像形成装置20の使用履歴情報と、他の画像形成装置20の各使用履歴情報とについて類似度が算出されてもよい。類似度の算出方法は、適宜決定されればよい。この場合、類似度が上位M番目まで、又は類似度が閾値以上(但し、ここでの類似度はその値が大きい程、類似性が高いとする。)である画像形成装置20群が、監視範囲として特定されてもよい。
一方、特定方式2が採用される場合、特定部122は、対象画像形成装置20の機器情報に含まれる設置場所と同じ設置場所を含む機器情報に係る画像形成装置20を監視範囲として特定する。
更に、特定方式1及び2が組み合わされる場合、特定方式2によって監視範囲として特定された画像形成装置20の中から、特定方式1によって監視範囲が特定される。
続いて、特定部122は、監視範囲の特定結果を監視条件制御部121へ送信する(S108)。具体的には、監視範囲として特定された各画像形成装置20の機器IDの一覧が監視条件制御部121へ送信される。
続いて、監視条件制御部121は、ステップS105において通知された故障検知レベルから1段階上の故障検知レベルを新たな故障検知レベルとする(S109)。ここでは、レベル1から1段階上のレベル2が新たな故障検知レベルとされる。続いて、監視条件制御部121は、対象画像形成装置20及び監視範囲に含まれる各画像形成装置20に対して、故障検知レベルの変更要求を送信する(S110、S111)。ここでは、画像形成装置20−2が監視範囲に含まれた例が示されている。したがって、画像形成装置20−1及び画像形成装置20−2のそれぞれに対して故障検知レベルの変更要求が送信される。当該変更要求には、故障検知レベルの変更対象のユニット種別(定着ユニット)及び変更後の故障検知レベル(レベル2)が含まれる。
当該変更要求を受信した各画像形成装置20の故障リスク検知部231aは、定着ユニットに対する故障検知レベルをレベル2に変更し、レベル2に対応する故障リスク検知条件の充足の有無について監視を開始する。
続いて、最高レベルの故障リスクが検知された場合に実行される処理手順について説明する。
図8は、第1の実施の形態において最高レベルの故障リスクが検知された場合に実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。なお、図6では、レベル3が最高レベルである例を示したが、図8では、便宜上、レベル2が最高レベルであるとする。
また、図8においては、図7の実行により、画像形成装置20−1及び画像形成装置20−2のそれぞれの定着ユニットの故障リスク検知部231aが、故障検知レベル2で故障リスクを監視中である状況を想定する(S201、S202)。この状況において、画像形成装置20−2の故障リスク検知部231aが、故障検知レベル2の故障リスク検知条件が満たされたことを検知(故障検知レベル2を検知)すると(S203)、当該故障リスク検知部231aは、検知通知を機器管理装置10の監視条件制御部121へ送信する(S204)。
監視条件制御部121は、当該検知通知を受信し、当該検知通知に含まれている故障検知レベルが最高レベルである場合、当該検知通知を保守システム30へ送信する(S205)。この際、保守システム30へ送信される検知通知には、故障検知レベルは含まれなくてもよい。保守システム30への検知通知の送信は、故障の可能性が極めて高い場合に行われるからである。
当該検知通知を受信した保守システム30は、例えば、当該検知通知に含まれる機器IDに対応するサービスマンの端末へ当該故障リスクを示す情報を送信してもよい。
なお、画像形成装置20−2は、実際には定着ユニットで故障が発生していない場合には、通常動作を継続する。
続いて、検知通知を契機としない故障検知レベルの変更処理について説明する。図9は、第1の実施の形態における故障検知レベルの変更処理の第2の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
監視条件制御部121は、検知通知の受信を待機している(S301)。ここで、監視条件制御部121は、画像形成装置20ごと、かつ、制御ユニットごとに、最後に故障検知レベルを変更した日時(最終変更日時)及び変更後の故障検知レベル(すなわち、現在の故障検知レベル)を管理している。例えば、各画像形成装置20の各制御ユニットの最終変更日時及び故障検知レベルは、メモリ装置103又は補助記憶装置102等に記憶されてもよい。監視条件制御部121は、検知通知の受信の待機と共に、最終変更日時からの経過時間が所定時間に達したか否かを各画像形成装置20の各制御ユニットについて監視する。斯かる監視は、例えば、最終変更日時の古い順に画像形成装置20及び制御ユニットの組をソートし、現時点より後の最終変更日時の中で先頭の最終変更日時を監視対象とすることで、処理を効率化することができる。なお、所定時間は、例えば、1ヶ月等、閾値として予め設定された期間である。
ここでは、図7の処理手順の実行後に、画像形成装置20−1及び画像形成装置20−2のそれぞれの定着ユニットについての検知通知を監視条件制御部121が受信しないで所定時間が経過したとする。この場合、監視条件制御部121は、画像形成装置20−1及び画像形成装置20−2のそれぞれの定着ユニットについて、最終変更日時からの経過時間が所定時間に達したことを検知する。斯かる検知に応じ、監視条件制御部121は、画像形成装置20−1及び画像形成装置20−2に対し、現在の故障検知レベル(ここでは、レベル2)よりも1段階低い故障検知レベル(ここでは、レベル1)への変更要求を送信する(S302、S303)。当該変更要求には、故障検知レベルの変更対象とする制御ユニットの種別(ここでは、定着ユニット)及び変更後の故障検知レベル(ここでは、レベル1)が含まれる。
画像形成装置20−1及び画像形成装置20−2のそれぞれの故障リスク検知部231aは、当該変更要求を受信すると、定着ユニットに対する故障検知レベルをレベル1に変更し、レベル1に対応する故障リスク検知条件の充足の有無について監視を開始する。
図9の処理手順が実行されることにより、故障リスクが低下したにも拘わらず、故障検知レベルが高いままに維持されるのを回避することができる。
上述したように、第1の実施の形態によれば、故障検知レベル(故障リスク検知条件)が段階的に定義され、或る故障検知レベルに対応する故障リスク検知条件が満たされた画像形成装置20については、監視対象とする故障リスク検知条件が、故障の可能性が相対的に高い状態を示す故障リスク検知条件に変更される。また、当該画像形成装置20について故障リスク検知条件が変更される際に、使用態様の類似性に基づいて当該画像形成装置20と同じ故障リスク検知条件を監視させる画像形成装置20が特定され、特定された画像形成装置20についても故障リスク検知条件が変更される。したがって、相対的に高い故障検知レベルに対応した検知通知を送信する画像形成装置20、相対的に故障リスクが高いことが推定される画像形成装置20に限定することができる。その結果、例えば、画像形成装置20と機器管理装置10との間の通信量を低減させることができ、画像形成装置20を効率的に監視可能とすることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
図10は、第2の実施の形態における機器管理装置10及び画像形成装置20のソフトウェアアーキテクチャを説明するための図である。図10中、図4又は図10と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。但し、各画像形成装置20のプラットフォーム部12は、監視条件制御部121及び特定部122を含まなくてよい。
図10では、各画像形成装置20が、機器アプリ11及びプラットフォーム部12を有する例が示されている。この場合、ジョブの管理等は各画像形成装置20において実行されるため、使用履歴情報は各画像形成装置20において記憶される。したがって、この場合、各画像形成装置20は、逐次的(例えば、ジョブが実行されるたび)、又は周期的に機器管理装置10に対して使用履歴情報を送信すればよい。
その他の処理については、図7〜図9において説明した処理手順と同様でよい。
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では上記各実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、上記各実施の形態と同様でもよい。
上記各実施の形態において、故障リスク検知条件は、全ての画像形成装置20について共通である。したがって、故障リスク検知条件における監視対象も全ての画像形成装置20について共通である。一方で、各画像形成装置20に対して設定される故障リスク検知条件の中には、詳細なデータ分析が必要とされるものも有りうる。
しかし、例えば、安価で処理能力が相対的に低い画像形成装置20は、詳細なデータ分析を常時実行するための処理能力を備えていない可能性が有る。したがって、上記各実施の形態を全ての画像形成装置20について完全に実施しようとした場合、高価で処理能力が相対的に高い画像形成装置20が必要とされ、ユーザの経済的負担が増加する可能性が有る。
一方で、画像形成装置20において発生する故障の内容は、図11に示されるように、ユーザが使用する用紙や、ユーザが印刷対象とする画像によって異なる傾向に有る。
図11は、ユーザによる画像形成装置20の使い方の傾向に応じた発生リスクの高い異常等を示す図である。図11には、ユーザが使用する用紙、及び印刷画像のそれぞれの観点において、発生リスクが高い異常及び当該異常の原因が示されている。
具体的には、用紙に関しては、薄紙印刷を行う場合が有るユーザについては、用紙の皺が発生するリスクが高くなり、その原因は、定着ローラのゴム層の劣化による定着ニップ幅の増減である。また、厚紙印刷を行う場合があるユーザについては、両面印刷時の表裏位置のズレが発生するリスクが高くなり、その原因は、用紙搬送ローラの劣化による用紙送り速度の変動である。
また、印刷画像に関しては、カラー印刷が多いユーザについては、定着での用紙巻き付き(ジャム)が発生するリスクが高くなり、その原因は、定着ベルト表面の摩耗による定着ベルトと用紙の分離性能の変動である。また、モノクロ印刷が主だが、カラー印刷を行う場合もあるユーザについては、カラー印刷時において異常画像が形成されるリスクが高くなり、その原因は、C,M,Yのドラム表面劣化による潜像や、ブレードの部材劣化によるトナー像の品質低下である。
このように、ユーザによる使い方の傾向に応じて、発生リスクが高い故障は異なる。したがって、薄紙印刷を行うことがないユーザの画像形成装置20が、用紙の皺の原因を検知するための監視を行う必要性は低いと考えられる。同様に、厚紙印刷を行うことがないユーザの画像形成装置20が両面印刷時の表裏位置のズレの原因を検知するための監視を行う必要性は低いと考えられる。また、カラー印刷が少ないユーザの画像形成装置20が、ジャムの原因を検知するための監視を行う必要性は低いと考えられる。同様に、モノクロ印刷を行わないユーザの画像形成装置20が、異常画像の原因を検知するための監視を行う必要性は低いと考えられる。
そこで、第3の実施の形態では、各画像形成装置20の使われ方に応じて、各画像形成装置20の監視対象を異ならせる例について説明する。
図12は、第3の実施の形態における機器管理装置10及び画像形成装置20の機能構成例を説明するための図である。図12中、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図12において、故障リスク検知部231aは、用紙異常検知部241及び画像異常検知部242を含む。用紙異常検知部241は、用紙の異常に関する故障リスクについて監視を行う。画像異常検知部242は、印刷画像の異常に関する故障リスクについて監視を行う。
なお、第3の実施の形態において、特定部122は、各画像形成装置20の各種用紙の使用比率や、カラー印刷またはモノクロ印刷の比率等を分析し、画像形成装置20ごとに監視対象を特定する。
図13は、第3の実施の形態における故障検知レベルの変更処理の第1の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
例えば、一定期間Tごとに到来するステップS401において、特定部122は、画像形成装置20ごとに、当該画像形成装置20の使用履歴情報に基づいて、当該画像形成装置20のユーザの使い方の傾向(以下、「使用態様」という。)を分析する。例えば、特定部122は、一定期間Tにおける各種用紙(薄紙、普通紙、厚紙)の使用比率や、一定期間Tにおけるカラー印刷の各色の比率等を算出する。
続いて、特定部122は、各画像形成装置20の使用態様の分析結果に基づいて、画像形成装置20ごとに監視対象を特定する(S402)。例えば、特定部122は、図14に示されるような監視対象分類情報を参照して、監視対象を特定してもよい。
図14は、監視対象分類情報の一例を示す図である。図14に示されるように、監視対象分類情報は、分類条件ごとに監視対象を示す情報である。分類条件とは、監視対象を分類するための使用態様に関する条件である。図14においては、一例として、使用した印刷用紙の中で薄紙の比率がα%以上である場合の監視対象は、用紙の皺であることが示されている。また、使用した印刷用紙の中で厚紙の比率がβ%以上である場合の監視対象は、両面印刷時の表裏位置ズレであることが示されている。また、印刷した画像の中でYMCKの比率がγ%以上である場合の監視対象が、定着での用紙巻き付きであることが示されている。更に、印刷した画像の中でKの比率がΔ%以上である場合の監視対象は、ドラム画像異常であることが示されている。
なお、上記閾値α、β、γ、Δは、市場の故障状況に応じて変化する可能性が高い。したがって、これらの閾値は、定数として監視対象分類情報に含まれているのではなく、別途設定可能なパラメータとされてもよい。また、監視対象分類情報は、例えば、補助記憶装置102に記憶されていてもよい。
したがって、特定部122は、各画像形成装置20の使用態様を監視対象分類情報に当てはめることで、各画像形成装置20の監視対象を特定する。なお、複数の分類条件に該当する画像形成装置20については、複数の監視対象が特定されてもよい。
続いて、特定部122は、監視対象が特定された各画像形成装置20の監視対象を監視条件制御部121へ通知する(S403)。具体的には、特定部122は、監視対象が特定された各画像形成装置20の機器IDと、当該画像形成装置20について特定された監視対象とを特定部122へ通知する。
続いて、監視条件制御部121は、特定部122からの通知に応じ、当該通知に係る各画像形成装置20に対して故障検知レベルの変更要求を送信する。図13では、当該変更要求の一例として、ステップS405及びS406が示されている。
ステップS405は、画像形成装置20−1における薄紙の比率がα%以上であるために、画像形成装置20−1の監視対象として用紙皺が特定された場合の変更要求の例である。この場合、監視条件制御部121は、画像形成装置20−1の故障リスク検知部231aに対して、用紙皺を監視対象とし、故障検知レベルが1であることを示す故障検知レベルの変更要求を送信する。
ステップS406は、画像形成装置20−2におけるYMCKの比率がγ%以上であるために、画像形成装置20−2の監視対象として定着での用紙巻き付きが特定された場合の変更要求の例である。この場合、監視条件制御部121は、画像形成装置20−2の故障リスク検知部231aに対して、定着での用紙巻き付きを監視対象とし、故障検知レベルが1であることを示す故障検知レベルの変更要求を送信する。
その後、故障検知レベルの変更要求を受信した各画像形成装置20の故障リスク検知部231aは、当該変更要求において指定された監視対象及び故障検知レベルに対応した故障リスク検知条件の充足の有無について監視を開始する。
例えば、用紙皺が監視対象として指定された画像形成装置20の故障リスク検知部231aの用紙異常検知部241は、用紙が定着ユニット前後の搬送センサを通過する時間を常時監視して、複数枚の通過時間の傾向を分析する。当該通過時間が閾値A以上になった場合、用紙異常検知部241は、故障リスク検知条件が満たされたと判定する。
また、両面印刷時の表裏位置ズレが監視対象として指定された画像形成装置20の故障リスク検知部231aの用紙異常検知部241は、用紙が二次転写ローラ前後の搬送センサを通過する時間を常時監視して、複数枚の通過時間の傾向を分析する。当該通過時間が閾値B以上になった場合、用紙異常検知部241は、故障リスク検知条件が満たされたと判定する。
また、定着での用紙巻き付きが監視対象として指定された画像形成装置20の故障リスク検知部231aの画像異常検知部242は、定着通過時間のばらつきを常時監視して、複数枚の通過時間の傾向を画像形成装置20内で分析する。当該通過時間が閾値C以上になった場合、画像異常検知部242は、故障リスク検知条件が満たされたと判定する。
また、ドラム画像異常が監視対象として指定された画像形成装置20の故障リスク検知部231aの画像異常検知部242は、ドラム表面、ブレードの劣化によるドラム負荷の変動を常時監視する。YMCのドラムモータの電流が閾値D以上になった場合、画像異常検知部242は、故障リスク検知条件が満たされたと判定する。
なお、上記閾値A〜Dは、故障検知レベルに応じて異なる。例えば、閾値A〜Dは、故障検知レベルの増加に応じて大きくされてもよい。
その後、例えば、画像形成装置20−1の故障リスク検知部231aが、故障リスク検知条件が満たされたことを検知(上記の通過時間が閾値A以上になったことを検知)すると、当該故障リスク検知部231aは、検知通知を機器管理装置10の監視条件制御部121へ送信する(S406)。当該検知通知は、画像形成装置20−1の機器IDと、満たされた故障リスク検知条件に係る監視対象と、現在の故障検知レベル(故障検知レベル1)とを含む。
監視条件制御部121は、当該検知通知を受信すると、当該検知通知に含まれる監視対象と、当該検知通知に含まれる故障検知レベルから1段階上の故障検知レベルである故障検知レベル2とを含む故障検知レベルの変更要求を画像形成装置20−1へ送信する(S407)。すなわち、故障検知レベルは、上記各実施の形態と同様に段階的に更新される。
次に、最高レベルの故障リスクが検知された場合に実行される処理手順について説明する。当該処理手順は、基本的には、図8と同様である。但し、上記したように、画像形成装置20ごとに監視対象が設定され、検知通知には監視対象が含まれる。監視条件制御部121は、最高レベルの故障検知レベルを含む検知通知を受信すると、当該検知通知を保守システム30へ送信する。
次に、監視対象の監視を停止させるための処理手順について説明する。図15は、第3の実施の形態における故障検知レベルの変更処理の第2の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図15において、図13と同一ステップには同一ステップ番号が付されている。
定期的に(一定期間Tごとに)実行されるステップS401及びS402において、特定部122が、既に監視対象を特定したいずれかの画像形成装置20について当該監視対象が特定されなかった場合に、ステップS501以降が実行される。すなわち、当該画像形成装置20について、当該監視対象に対応する分類条件が満たされなくなった場合に、ステップS501以降が実行される。なお、図15には、当該画像形成装置20が画像形成装置20−1であり、当該監視対象が用紙皺である例が示されている。
ステップS501において、特定部122は、画像形成装置20−1の機器IDと、用紙皺を示す監視対象とを含む監視対象除外要求を監視条件制御部121へ送信する。監視条件制御部121は、当該監視対象除外要求を受信すると、当該監視対象除外要求に含まれている機器IDに係る画像形成装置20−1に対して、当該監視対象除外要求に含まれている監視対象に関する故障リスク検知条件の監視の停止を要求する。具体的には、監視条件制御部121は、画像形成装置20−1の故障リスク検知部231aに対して、用紙皺を監視対象とし、故障検知レベルが0であることを示す故障検知レベルの変更要求を送信する(S502)。本実施の形態において、故障検知レベルが0であることは、故障リスク検知条件の監視を行わないことを示す。したがって、当該変更要求を受信した画像形成装置20−1の故障リスク検知部231aは、用紙皺に関する故障リスク検知条件の監視を停止する。その結果、画像形成装置20−1の処理負荷を軽減することができる。
上述したように、第3の実施の形態によれば、画像形成装置20ごとに監視対象を変えることができる。換言すれば、各画像形成装置20は、当該画像形成装置20の使われ方に応じた故障リスクに絞って、監視を行えばよい。具体的には、各画像形成装置20は、当該画像形成装置20が使用する用紙(厚紙、薄紙)、各画像形成装置20における印刷画像(カラー、モノクロ)に対応する故障リスクについて監視を行えばよいため、不要な処理の実行を抑制することができる。したがって、安価で処理能力が相対的に低い画像形成装置20に対して、高価で処理能力が相対的に高い画像形成装置20でないと困難な監視が要求される可能性を低下させることができる。その結果、故障リスクの監視を正常に稼働させるためだけに高価な画像形成装置20を導入する必要性を低下させることができ、ユーザの経済的負担の増加を抑制することができる。
また、各画像形成装置20の使われ方に応じた故障リスクが各画像形成装置20の監視対象とされるため、故障の検知精度の向上を期待することができる。
また、使用態様の分析(S401)及び画像形成装置20ごとの監視対象の特定(S402)は、定期的に実行される。その結果、各画像形成装置20の使用態様の変化に応じて、各画像形成装置20の監視対象を見直すことができる。
なお、上記各実施の形態では、画像形成装置20を機器の一例として説明したが、ネットワークを介して監視可能な機器であれば、他の機器(例えば、プロジェクタ、テレビ会議システム、電子黒板等)について上記各実施の形態が適用されてもよい。
なお、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
ある実施形態では、機器管理装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、画像形成装置20は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
さらに、機器管理装置10および画像形成装置20は、開示された処理ステップを様々な組み合わせで共有するように構成できる。
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。