JP2021089419A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速応答性と高い電圧保持率(VHR)とを達成可能な液晶表示素子を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、第一の基板及び第二の基板が対向して設けられる一対の基板と、上記第一の基板と第二の基板との間に挟持された液晶層と、上記第一の基板の上記液晶層側及び上記第二の基板の上記液晶層側にそれぞれ配置された一対の配向膜と、を備え、上記液晶層は、少なくとも1つのアルケニル部分構造を有するアルケニル系液晶化合物を1種または2種以上と、第一の重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方を1種又は2種以上と、を含有する液晶組成物により形成され、上記第一の重合性化合物は、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する化合物である液晶表示素子を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、配向膜を有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものとして、TN(ツイステッド・ネマチック)型、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた垂直配向型(バーチカル・アライメント;VA)やIPS(イン・プレーン・スイッチング)型等が挙げられる。これらの液晶表示素子に用いられる液晶組成物は、水分、空気、熱、光などの外的要因に対して安定であること、また、室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相を示し、低粘性であり、かつ駆動電圧が低いことが求められる。さらに、液晶組成物は、個々の液晶表示素子に対して、誘電率異方性(Δε)や屈折率異方性(Δn)等を最適な値とするために、数種類から数十種類の化合物から構成されている。
VA型ディスプレイでは、Δεが負の液晶組成物が用いられており、液晶TV等に広く用いられている。中でもPSA(高分子支持配向)モードは、液晶中に溶解させたモノマーを重合させ垂直配向している液晶分子に所望のプレチルト角を付与するモードであり、視野角の拡大や高速応答及び高透過率を得られるため、現在のTVの主流となっている。また近年では、液晶表示素子の更なる高速応答化が検討されており、かかる技術としてアルケニル基等のアルケニル部分構造を有する液晶化合物(アルケニル系液晶化合物)を含む液晶組成物を用いて液晶層を形成する試みがなされている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2014−112192号公報 特開2010−285499号公報
しかし、アルケニル系液晶化合物を含む液晶組成物は、バックライトから放射される光や液晶表示素子の製造過程において照射される紫外線等の活性エネルギー線によって劣化しやすく、液晶組成物の光劣化により生じた不純物が液晶パネルの電圧保持率(VHR)の低下を引き起こすという問題がある。そのため、高速応答と高VHRとの両方の特性を達成可能な液晶表示素子が求められる。
本発明が解決しようとする課題は、高速応答性と高い電圧保持率(VHR)とを達成可能な液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、配向膜を有する液晶表示素子において、液晶層を形成する液晶組成物が、アルケニル系液晶化合物と、重合性基及び極性基を有する重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方と、を含むことで、上記課題を解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第一の基板及び第二の基板が対向して設けられる一対の基板と、前記第一の基板と第二の基板との間に挟持された液晶層と、前記第一の基板の前記液晶層側及び前記第二の基板の前記液晶層側にそれぞれ配置された一対の配向膜と、を備え、前記液晶層は、少なくとも1つのアルケニル部分構造を有するアルケニル系液晶化合物を1種または2種以上と、第一の重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方を1種又は2種以上と、を含有する液晶組成物により形成され、前記第一の重合性化合物は、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する化合物である液晶表示素子を提供する。
本発明の液晶表示素子によれば、一対の配向膜に挟持される液晶層が、アルケニル系液晶化合物と、極性基を有する重合性化合物およびその重合体の少なくとも一方とを含む液晶組成物により形成されていることにより、高速応答性と高い電圧保持率(VHR)とを達成することができる。
本発明の液晶表示素子の一例を示す分解斜視図である。
本発明の液晶表示素子は、第一の基板及び第二の基板が対向して設けられる一対の基板と、前記第一の基板と第二の基板との間に挟持された液晶層と、前記第一の基板の前記液晶層側及び前記第二の基板の前記液晶層側にそれぞれ配置された一対の配向膜と、を備える。本発明の液晶表示素子は、前記液晶層が、少なくとも1つのアルケニル部分構造を有するアルケニル系液晶化合物を1種または2種以上と、第一の重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方を1種又は2種以上と、を含有する液晶組成物により形成され、前記第一の重合性化合物は、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する化合物であることを特徴とする。
図1は、本発明の液晶表示素子の一例を示す模式図である。なお、本発明の液晶表示素子の構造はこの例に限定されるものではない。また、図1では、説明のために便宜上、各構成要素を離間させて示している。図1に示す液晶表示素子1は、第一の基板2及び第二の基板3が対向して設けられる一対の基板と、第一の基板2と第二の基板3との間に挟持された液晶層4と、第一の基板2の液晶層4側及び第二の基板3の液晶層4側にそれぞれ配置された一対の配向膜(図示せず)と、を備える。すなわち、液晶層4は、第一の基板2の液晶層4側に配置された第一の配向膜(図示せず)と、第二の基板3の液晶層4側に配置された第二の配向膜(図示せず)に挟持される。
液晶層4は、アルケニル系液晶化合物を1種または2種以上と、第一の重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方を1種又は2種以上と、を含有する液晶組成物により形成されている。ここで前記アルケニル系液晶化合物は、少なくとも1つのアルケニル部分構造を有する液晶化合物であり、また、前記第一の重合性化合物は、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する化合物である。液晶層4は、第一の基板2側の界面及び第二の基板3側の界面に、それぞれ第一の重合性化合物の重合体(ポリマー)が偏在する。また、液晶層4は、未重合の第一の重合性化合物を含んでいてもよい。さらに、液晶層が後述する第二の重合性化合物を含む液晶組成物により構成される場合は、第一の基板2側の界面及び第二の基板3側の界面に、第一の重合性化合物及び第二の重合性化合物の重合体、ならびに第一の重合性化合物と第二の重合性化合物との共重合体が偏在していてもよい。
図1に示す例では、第一の基板2の液晶層4側には画素電極層5が形成されている。第二の基板3の液晶層4側には共通電極層6が形成されている。さらに図1に示す例では、第一の基板2及び第二の基板3は、一対の偏光板(第一の偏光板7及び第二の偏光板8)により挟持されており、第二の基板3の液晶層4側にはカラーフィルタ9が更に設けられている。
すなわち、本発明の液晶表示素子の1つの実施態様としては、第一の偏光板7と、第一の基板2と、第一の配向膜と、画素電極層5と、液晶層4と、共通電極層6と、カラーフィルタ9と、第二の配向膜と、第二の基板3と、第二の偏光板8と、がこの順に積層された構成とすることができる。
本発明の液晶表示素子によれば、液晶層がアルケニル系液晶化合物を含むことで高速応答が可能となり、また、第一の重合性化合物およびその重合体が有する極性基が、上記アルケニル系化合物の光劣化により生じた不純物をトラップすることで、上記不純物によるVHRの低下を抑制することができる。さらに、第一の重合性化合物が重合化(ポリマー化)する際に、トラップした不純物が重合体中に取り込まれることで、不純物を固定することができる。これにより、不純物が液晶層の全域に分散せず、液晶分子と分離させることができ、その結果、液晶層の比抵抗及びVHRが高くなる。よって、本発明の液晶表示素子は、高い信頼性を有することができる。
以下、本発明の液晶表示素子について、構成ごとに説明する。
1.液晶層
本発明における液晶層は、アルケニル系液晶化合物を1種または2種以上と、第一の重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方を1種又は2種以上と、を含有する液晶組成物により形成される層である。上記アルケニル系液晶化合物は、少なくとも1つのアルケニル部分構造を有する液晶化合物であり、上記第一の重合性化合物は、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する化合物である。
以下、本発明における液晶層を形成する液晶組成物(以下、本発明における液晶組成物とする場合がある。)の構成成分および物性、並びに本発明における液晶層の詳細について説明する。
[1]液晶化合物
本発明における液晶組成物は、液晶化合物を1種または2種以上含む。本発明においては、上記液晶組成物がアルケニル系液晶化合物を1種または2種以上含むことを必須とする。
本発明におけるアルケニル系液晶化合物は、側鎖に少なくとも1つのアルケニル部分構造を有する基を1個以上有する液晶化合物である。アルケニル部分構造を有する基としては、飽和脂肪族炭化水素から水素2原子が失われて生じる1価の炭化水素基(アルケニル基)、当該炭化水素基の−CH−が酸素原子に置換された基(アルケニルオキシ基)、又は当該炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された基(フルオロアルケニル基)等が挙げられる。
また、本発明におけるアルケニル系液晶化合物は、アルケニル部分構造に加えて分子構造内にメソゲン構造を有し、重合性基を有さない化合物をいう。メソゲン構造とは、液晶性を示す分子の構造中で、液晶性の誘因となる剛直性の高い部分構造をいい、例えば、2個以上の環構造、好ましくは3個以上の環構造を有し、環構造同士が直接結合により連結しているか、又は、連結基を介して連結している部分構造をいう。よって、本発明におけるアルケニル系液晶化合物には、後述する第一の重合性化合物および第二の重合性化合物、ならびに、添加剤等のアルケニル部分構造を有するが液晶性を有しない他の化合物は含まれないものとする。
アルケニル部分構造を有する基は、基中にアルケニル部分構造を少なくとも1つ有し、2以上有していてもよい。中でも、該基中のアルケニル部分構造の数は、1つ又は2つであることが好ましい。
アルケニル部分構造を有する基は、例えば下記式(1)または式(2)で表される基が挙げられる。
Figure 2021089419
(式中、m1は0から6の整数を表し、m2及びm3は、それぞれ独立して0から5の整数を表すが、m2+m3は0から5の整数を表し、式中の1個または2個以上の−CH−は酸素原子に置換されていてもよく、1個または2個以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
アルケニル部分構造を有する基として、より具体的には下記式(R1)から(R5)で表される基からなる群から選択される基が好ましく、式(R1)又は式(R2)で表される基がより好ましい。
Figure 2021089419
(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
アルケニル系液晶化合物は、誘電的にほぼ中性、換言すれば非極性のアルケニル系液晶化合物であってもよく、負の誘電率異方性(Δε)を有するアルケニル系液晶化合物であってもよい。
本発明における液晶組成物は、アルケニル系液晶化合物として、非極性のアルケニル系液晶化合物及び負の誘電率異方性(Δε)を有するアルケニル系液晶化合物の少なくとも一方を1種又は2種以上含んでいてもよく、非極性のアルケニル系液晶化合物を1種又は2種以上と、負の誘電率異方性(Δε)を有するアルケニル系液晶化合物を1種又は2種以上含んでいてもよい。中でも本発明における液晶組成物は、アルケニル系液晶化合物として、少なくとも非極性のアルケニル系液晶化合物を1種又は2種以上含むことが好ましい。非極性のアルケニル系液晶化合物は、高速応答性に寄与する一方で、光劣化が生じやすい化合物であるため、後述する第一の重合性液晶化合物及びその重合体との併用による本発明の効果をより顕著に発揮することができるからである。
なお、本明細書において対象の化合物の誘電率異方性(Δε)とは、25℃において誘電的にほぼ中性(Δεが−2以上2以下の範囲内)のベース組成物に、対象の化合物を添加したときの誘電率異方性の測定値から、ベース組成物の誘電率異方性の値を引いた値である。
アルケニル部分構造を有する化合物は、下記一般式(I)で表す化合物とすることができる。
Figure 2021089419
(式中、RI1及びRI2は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基を表すが、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して酸素原子が隣り合わない限りにおいて−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていても良い。
ただし、RI1及びRI2のうち少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表し、該基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていても良く、また、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。
I1は、0、1、2又は3を表す。
I1、AI2及びAI3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−O−で置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する任意の1個又は2個以上の−CH=は−N=で置換されていてもよい。)、及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(該基中に存在する任意の1個又は2個以上の−CH=は−N=で置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
I1及びZI2は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。
I1が2又は3であってAI2が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
I1が2又は3であってZi2が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(I)中、RI1及びRI2のうち少なくとも一方は、アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表す。また、該基中の1個または2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていてもよく、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。換言すれば、一般式(I)中、RI1及びRI2のうち少なくとも一方は、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数2から8のハロゲン化アルケニル基を表す。水素原子を置換するハロゲン原子は、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、中でもフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルケニル基は、フルオロアルケニル基であることが好ましい。
中でもRI1が炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、RI1が炭素原子数2から8のアルケニル基を表すことがより好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物として下記一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、RI1及びRI2は、それぞれ独立して一般式(I)中のRI1及びRI2と同じ定義を表す。
ただし各式中、RI1及びRI2のうち少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表し、該基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていても良く、また、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。
I11は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。
I1は、それぞれ独立して、1又は2を表す。)
一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)で表される化合物は、負の誘電率異方性(Δε)を有するアルケニル系液晶化合物であり、誘電率異方性(Δε)の符号が負で、その絶対値が2より大きい値を示す。中でも一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)で表される化合物は、Δεの絶対値が3以上であることが好ましい。
一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)中、RI1及びRI2のうち少なくとも一方は、アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表す。また、該基中の1個または2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていてもよく、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。換言すれば、一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)中、RI1及びRI2のうち少なくとも一方は、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数2から8のハロゲン化アルケニル基を表す。水素原子を置換するハロゲン原子は、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、中でもフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルケニル基は、フルオロアルケニル基であることが好ましい。
中でも一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)中、少なくともRI1が、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数2から8のハロゲン化アルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数2から8のアルケニル基を表すことがさらに好ましく、式(R1)から式(R5)で表される基からなる群から選択されるアルケニル基を表すことがより好ましく、式(R1)又は式(R2)で表されるアルケニル基であることが特に好ましい。
Figure 2021089419
(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
I1がアルケニル基、アルケニルオキシ基又はハロゲン化アルケニル基を表す場合、RI2は、炭素原子数1から8のアルキル基又は炭素原子数1から8のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基を表すことがより好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表すことが更に好ましい。
また、Δεの絶対値をより大きくするためには、RI2は、炭素原子数1から8のアルコキシ基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
I11は、単結合、−CHCH−、−OCH−、−CHO−が好ましく、単結合又は−CHO−がより好ましい。mI1が1のとき、ZI11は単結合であることが好ましい。mI1が2のとき、ZI11は−CHCH−又は−CHO−であることが好ましい。
一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)で表される化合物中のフッ素原子は、同じハロゲン族である塩素原子で置換されていても良い。但し、塩素原子で置換された化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)で表される化合物中の環上に存在する1個又は2個以上の水素原子は、更にフッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。但し、塩素原子で置換された化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(I−N−01)で表される化合物を1種又は2種以上含むことが好ましい。中でも本発明における液晶組成物は、一般式(I−N−01)で表される化合物として、下記一般式(I−N−01−1)から一般式(I−N−01−4)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、RI1及びRI2は、それぞれ独立して一般式(I)中のRI1及びRI2と同じ定義を表す。
ただし各式中、RI1及びRI2のうち少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表し、該基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていても良く、また、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。)
一般式(I−N−01−1)から一般式(I−N−01−4)中、RI1は、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数2から8のハロゲン化アルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数2から8のアルケニル基を表すことがさらに好ましく、上述した式(R1)から式(R5)で表される基からなる群から選択されるアルケニル基を表すことがより好ましく、式(R1)又は式(R2)で表されるアルケニル基であることが特に好ましい。
また、一般式(I−N−01−1)から一般式(I−N−01−4)中、RI2は、炭素原子数1から8のアルキル基又は炭素原子数1から8のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基を表すことがより好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表すことが更に好ましい。
中でも、本発明における液晶組成物は、一般式(I−N−01−3)又は一般式(I−N−01−4)で表される化合物を1種又は2種以上含むことが好ましい。
一般式(I−N−01−3)で表される化合物として、具体的に下記式(I−N−01−3a)から式(I−N−01−3d)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
一般式(I−N−01−4)で表される化合物として、具体的に下記式(I−N−01−4a)から式(I−N−01−4d)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
また本発明における液晶組成物は、更に、一般式(I−N−06)で表される化合物を1種又は2種以上含有しても良い。
Figure 2021089419
(式中、RI1及びRI2は先述と同じ意味を表す。)
本発明における液晶組成物の総量に対する一般式(I−N−01)から一般式(I−N−06)で表される化合物の総含有量の上限は、好ましくは60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、33質量%であり、一方、上記総含有量の下限は、好ましくは1質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、12質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%である。
また、本発明における液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物として、下記一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(上記各式中、RINU11及びRINU12は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていても良く、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていても良い。
ただし、各式中、RINU11及びRINU12の少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表し、該基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていても良く、また、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。)
一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)で表される化合物は、非極性のアルケニル系液晶化合物であり、25℃において誘電的にほぼ中性、具体的には25℃における誘電率異方性(Δε)が−2以上2以下を示す化合物である。
一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)の各式中、RINU11及びRINU12の少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表す。また、該基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていても良く、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。換言すれば、RINU11及びRINU12の少なくとも一方は、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数2から8のハロゲン化アルケニル基を表す。水素原子を置換するハロゲン原子は、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、中でもフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルケニル基は、フルオロアルケニル基であることが好ましい。
中でもRINU11が、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数2から3のアルケニル基又は炭素原子数2から3のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数2から3のアルケニル基であることがより好ましい。
また、RINU12は炭素原子数1から8のアルキル基又は炭素原子数1から8のアルコキシ基を表すことが好ましく、中でも炭素原子数1から5のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1から3のアルキル基を表すことがより好ましい。
本発明における液晶組成物は、アルケニル系液晶化合物として、下記一般式(i−1)から一般式(i−5)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種または2種以上含有することがより好ましい。
Figure 2021089419
(上記各式中、RからRは、それぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基を表し、
該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、
該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、
n1からn5は、それぞれ独立して0から6の整数を表す。)
一般式(i−1)から一般式(i−5)で表される化合物は、それぞれ一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)中のRINU11が炭素原子数2から8のアルケニル基を表す化合物に相当する。
一般式(i−1)から一般式(i−5)中、n1からn5は、それぞれ独立して0から6の整数を表すが、中でもn1からn5は、それぞれ独立して0、1、2、3、4のいずれかの整数を表すことが好ましく、0、1、2のいずれかの整数を表すことがさらに好ましい。応答速度の高速化を重視する場合、n1からn5は、それぞれ独立して0であることが特に好ましい。
また、一般式(i−1)から一般式(i−5)中、RからRは、それぞれ独立して炭素原子数1から5のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1から3のアルキル基を表すことがより好ましい。アルキル基を他方の末端基に有することで、高速応答に有利な化合物となるからである。
一般式(i−1)から一般式(i−5)で表される化合物の総含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対して5〜60質量%の範囲内であることが好ましく、10〜50質量%の範囲内であることがより好ましく、25〜45質量%の範囲内であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物は、高速速度と高信頼性を両立する観点から、一般式(i−1)及び一般式(i−4)で表される化合物の少なくとも一方を1種または2種以上含むことが好ましく、中でも一般式(i−1)で表される化合物を1種または2種以上含むことが好ましい。また、一般式(i−1)で表される化合物の中でも、一般式(i−1−0)で表される化合物を1種または2種以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、Rは、一般式(i−1)のRと同じ定義を表す。)
一般式(i−1−0)で表される化合物の含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対して5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、25〜45質量%であることが更に好ましい。上記範囲内とすることで、液晶組成物のγを低くすることができ、ネマチック相を呈する温度範囲を広域にすることができ、低温保存性を良好とすることができるからである。
一般式(i−1)で表される化合物として、下記式(i−1−1)から式(i−1−16)で表される化合物が挙げられる。なお、式(i−1−1)から式(i−1−4)で表される化合物は、式(i−1−0)で表される具体的な化合物にも相当する。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
一般式(i−3)で表される化合物として、下記一般式(i−3−1)又は一般式(i−3−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
一般式(i−4)で表される化合物として、下記一般式(i−4−1)から一般式(i−3−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
一般式(i−5)で表される化合物として、下記一般式(i−5−1)又は一般式(i−5−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
また、本発明における液晶組成物は、下記一般式(I−NU−07)で表される化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。
Figure 2021089419
(式中、RIL71及びRIL72はそれぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていても良い。
ただし、各式中、RIL71及びRIL72の少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は2個以上の−CH−が−CH=CH−で置換されている基を表し、該基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいてさらに酸素原子に置換されていても良く、また、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。
IL71及びAIL72はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−O−で置換されていてもよい。)、及び
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。
IL71は単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。
IL71及びXIL72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(I−NU−07)で表される化合物を含むことで、より高いTniを有することができる。
本発明における液晶組成物の総量に対する一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)で表される化合物の総含有量の上限は、好ましくは60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、33質量%であり、一方、上記総含有量の下限は、好ましくは1質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、12質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%である。
一般式(I)で表される化合物の好ましい総含有量の下限値は、本発明における液晶層を形成する液晶組成物の総量に対して、1質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、12質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%である。また、一般式(I)で表される化合物の好ましい総含有量の上限値は、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%である。上記範囲内とすることで、液晶組成物のγを低くすることができ、ネマチック相を呈する温度範囲を広域にすることができ、低温保存性を良好とすることができるからである。
また、本発明における液晶組成物は、さらに非アルケニル系液晶化合物を1種又は2種以上含有することができる。
本発明における液晶組成物は、非アルケニル系液晶化合物として、一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(上記各式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、また、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていても良い。
は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。
mは、それぞれ独立して、1又は2を表す。)
一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物は、25℃における誘電率異方性(Δε)の符号が負で、その絶対値が2より大きい値を示す非アルケニル化合物である。中でも一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物は、Δεの絶対値が3以上であることが好ましい。
21は、炭素原子数1から8のアルキル基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1から4のアルキル基が更に好ましい。但し、Zが単結合以外を表す場合は、R21は、炭素原子数1から3のアルキル基が好ましい。該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。上記ハロゲン原子はフッ素原子であることが好ましい。
22は、炭素原子数1から8のアルキル基又は炭素原子数1から8のアルコキシ基が好ましく、中でもΔεの絶対値を大きくできることから、R22は、炭素原子数1から8のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシ基がより好ましい。該アルキル基及びアルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。上記ハロゲン原子はフッ素原子であることが好ましい。
は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表すが、単結合、−CHCH−、−OCH−、−CHO−が好ましく、単結合又は−CHO−がより好ましい。mが1のとき、Zは単結合であることが好ましい。mが2のとき、Zは−CHCH−又は−CHO−であることが好ましい。
一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物中のフッ素原子は、同じハロゲン族である塩素原子で置換されていても良い。但し、塩素原子で置換された化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物の環上に存在する1個又は2個以上の水素原子は、更にフッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。但し、塩素原子で置換された化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N−01)で表される化合物として、下記一般式(N−01−1)又は一般式(N−01−2)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。ただし該アルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていても良い。)
また、本発明における液晶組成物は、一般式(N−01)で表される化合物として、下記一般式(N−01−3)又は一般式(N−01−4)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。ただし該アルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていても良い。)
本発明における液晶組成物は、中でも一般式(N−01−3)及び一般式(N−01−4)で表される化合物の少なくとも一方を1種又は2種以上含有することが好ましい。液晶組成物のΔεを高くすることができるからである。
上記一般式(N−01−3)で表される化合物として、具体的に下記式(N−01−3a)から式(N−01−3e)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
上記一般式(N−01−4)で表される化合物として、具体的に下記式(N−01−4a)から式(N−01−4f)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
本発明における液晶組成物は、一般式(N−02)で表される化合物として、下記一般式(N−02−1)から一般式(N−02−3)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。ただし該アルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていても良い。)
本発明における液晶組成物は、一般式(N−02−1)および一般式(N−02−3)で表される化合物の少なくとも一方を含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N−03)で表される化合物として、下記一般式(N−03−1)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。ただし該アルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていても良い。)
本発明における液晶組成物は、一般式(N−04)で表される化合物として、下記一般式(N−04−1)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。ただし該アルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていても良い。)
本発明における液晶組成物は、一般式(N−05)で表される化合物として、下記式(N−05−1)から式(N−05−3)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
本発明における液晶組成物は、一般式(N−01−1)で表される化合物、一般式(N−01−4)で表される化合物及び一般式(N−02−1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N−01−1)で表される化合物、一般式(N−01−4)で表される化合物及び一般式(N−02−3)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N−01−1)で表される化合物、一般式(N−01−4)で表される化合物及び一般式(N−03−1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N−01−1)で表される化合物、一般式(N−01−4)で表される化合物及び一般式(N−04−1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N−01−1)で表される化合物を1質量%から20質量%含有し、一般式(N−01−4)で表される化合物を1質量%から30質量%含有し、一般式(N−04−1)で表される化合物を1質量%から20質量%含有することが特に好ましい。
また本発明における液晶組成物は、更に、一般式(N−06)で表される化合物を1種又は2種以上含有しても良い。
Figure 2021089419
(式中、R21及びR22は先述と同じ意味を表す。)
一般式(N−06)で表される化合物は、種々の物性を調整したい場合に有効であり、中でも大きな屈折率異方性(Δn)、高いTni、大きなΔεを得るために使用することができる。
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N−06)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
本発明における液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する液晶化合物として、一般式(N−01)で表される化合物及び一般式(I−N−01)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N−01)で表される化合物及び一般式(I−N−01)で表される化合物の総含有量の下限値は、好ましくは0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。上記総含有量の上限値は、好ましくは95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する液晶化合物として、一般式(N−02)で表される化合物及び一般式(I−N−02)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N−02)で表される化合物及び一般式(I−N−02)で表される化合物の総含有量の下限値は、0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。上記総含有量の上限値は、好ましくは95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する液晶化合物として、一般式(N−03)で表される化合物及び一般式(I−N−03)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N−03)で表される化合物及び一般式(I−N−03)で表される化合物の総含有量の下限値は、好ましくは0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。上記総含有量の上限値は、好ましくは95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する液晶化合物として、一般式(N−04)で表される化合物及び一般式(I−N−04)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N−04)で表される化合物及び一般式(I−N−04)で表される化合物の総含有量の下限値は、好ましくは0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。上記総含有量の上限値は、好ましくは95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する液晶化合物として、一般式(N−05)で表される化合物及び一般式(I−N−05)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。本発明における液晶組成物の総量に対して、式(N−05)で表される化合物及び一般式(I−N−05)で表される化合物の総含有量の下限値は、好ましくは0質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記総含有量の上限値は、好ましくは30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−01)から一般式(N−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物、及び一般式(I−N−01)から一般式(I−N−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物の総含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。また、上記総含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
また、本発明における液晶組成物は、非アルケニル系液晶化合物として、一般式(NU−01)から一般式(NU−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61及びRNU62は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基を表し、該基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−はそれぞれ独立して酸素原子が隣り合わない限りにおいて−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていても良く、また、該基中の1個又は2個以上の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていても良い。)
一般式(NU−01)から一般式(NU−06)で表される化合物は、非アルケニル系の非極性液晶化合物であり、25℃において誘電的にほぼ中性を示す。一般式(NU−01)から一般式(NU−06)で表される化合物は、具体的には25℃における誘電率異方性(Δε)が−2以上2以下を示す。
一般式(NU−01)から一般式(NU−06)中、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61及びRNU62は、それぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基又は炭素原子数1から8のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基であることが更に好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基であることがより好ましい。アルキル基及びアルコキシ基は、基中の1個又は2個以上の水素原子が、ハロゲン原子で置換されていても良い。上記ハロゲン原子は、フッ素原子が好ましい。
本発明における液晶組成物は、少なくとも一般式(NU−01)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、少なくとも一般式(NU−04)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、少なくとも一般式(NU−06)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(NU−01)及び一般式(NU−02)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(NU−01)及び一般式(NU−03)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(NU−01)及び一般式(NU−06)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(NU−01)で表される化合物および一般式(NU−02)で表される化合物および一般式(NU−04)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(NU−01)で表される化合物および一般式(NU−03)で表される化合物および一般式(NU−05)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(NU−01)で表される化合物および一般式(NU−02)で表される化合物および一般式(NU−03)で表される化合物および一般式(NU−05)で表される化合物を含有することが好ましい。
一般式(NU−01)で表される化合物として、具体的に下記一般式(NU−01−1)から一般式(NU−01−13)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
一般式(NU−02)で表される化合物として、具体的に下記式(NU−02−1)から式(NU−02−6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
一般式(NU−03)で表される化合物として、具体的に下記式(NU−03−1)から式(NU−03−7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
一般式(NU−04)で表される化合物として、具体的に下記式(NU−04−4)から式(NU−04−10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
一般式(NU−05)で表される化合物として、具体的に下記式(NU−05−1)から式(NU−05−7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
また、本発明における液晶組成物は、下記一般式(NU−07)で表される化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。
Figure 2021089419
(式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−はそれぞれ独立して、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
L71及びAL72はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L71は単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
L71及びXL72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。
ただし一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物は除く。)
本発明における液晶組成物は、一般式(NU−07)で表される化合物を含むことで、より高いTniを有することができる。
一般式(NU−07)中、AL71及びAL72はそれぞれ独立して1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことが好ましい。
一般式(NU−07)中、ZL71は単結合または−COO−を表すことが好ましい。
一般式(NU−07)中、XL71及びXL72は共に水素原子を表すことが好ましい。また、XL71及びXL72のうち一方がフッ素原子を表し、他方が水素原子を表すことが好ましい。
一般式(NU−07)中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数2から5のアルキル基を表すことが好ましい。
一般式(NU−07)で表される化合物の総含有量は、本発明における液晶組成物に要求される物性に応じて上記上限値および下限値を適宜組み合わせて設定することができる。例えば液晶組成物のTniを高くする場合は、一般式(NU−07)で表される化合物の含有量は多いこと好ましい、一方、液晶組成物の粘度を低くする場合は、一般式(NU−07)で表される化合物の含有量を少ないことが好ましい。
一般式(NU−07)で表される化合物の総含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%である。また一般式(NU−07)で表される化合物の総含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、10%であり、5%である。
本発明における液晶組成物は、誘電的にほぼ中性の液晶化合物として、一般式(I−NU−01)で表される化合物及び一般式(NU−01)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。一般式(I−NU−01)で表される化合物及び一般式(NU−01)で表される化合物の含有量の合計は、本発明における液晶組成物の総量に対して、5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、25〜45質量%であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物は、誘電的にほぼ中性の液晶化合物として、一般式(I−NU−02)で表される化合物及び一般式(NU−02)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。一般式(I−NU−02)で表される化合物及び一般式(NU−02)で表される化合物の含有量の合計は、本発明における液晶組成物の総量に対して、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物は、誘電的にほぼ中性の液晶化合物として、一般式(I−NU−03)で表される化合物及び一般式(NU−03)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。一般式(I−NU−03)で表される化合物及び一般式(NU−03)で表される化合物の含有量の合計は、本発明における液晶組成物の総量に対して、0〜20質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることがより好ましく、0〜10質量%であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物は、誘電的にほぼ中性の液晶化合物として、一般式(I−NU−04)で表される化合物及び一般式(NU−04)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。一般式(I−NU−04)で表される化合物及び一般式(NU−04)で表される化合物の含有量の合計は、本発明における液晶組成物の総量に対して、3〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物は、誘電的にほぼ中性の液晶化合物として、一般式(I−NU−05)で表される化合物及び一般式(NU−05)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。一般式(I−NU−05)で表される化合物及び一般式(NU−05)で表される化合物の含有量の合計は、本発明における液晶組成物の総量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、3〜20質量%であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物は、誘電的にほぼ中性の液晶化合物として、一般式(I−NU−06)で表される化合物及び一般式(NU−06)で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。一般式(I−NU−06)で表される化合物及び一般式(NU−06)で表される化合物の含有量の合計は、本発明における液晶組成物の総量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが更に好ましい。
一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物、及び一般式(NU−01)から一般式(NU−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物の総含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%、85質量%、90質量%である。また、上記総含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、50質量%、40質量%、30質量%、20質量%である。
本発明における液晶組成物、すなわち本発明における液晶層は、上述した化合物の中でも、下記一般式(A)で表される化合物を1種又は2種以上含むことが好ましい。
Figure 2021089419
(式中RA1及びRA2は互いに独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
該アルキル基中1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、
該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、
は0または1を表す。)
一般式(A)で表される化合物は、負の誘電率異方性を有し、その絶対値が大きい化合物であり、液晶組成物のΔεを高めることができる。このため一般式(A)で表される化合物は、特定の負のΔεを有する液晶組成物に適用することにより、液晶組成物に含有される粘性の低いΔεが小さな化合物の量を増やすことができるため有用である。また、特に粘度の低いアルケニル系化合物と併用することで、アルケニル系化合物不使用の場合よりも高速応答性を達成することができる。よって、本発明における液晶組成物は、一般式(A)で表される化合物を含むことで、第一の重合性化合物及びその重合体を含むことによる液晶組成物の劣化抑制及びVHRの向上、アルケニル系化合物を含むことによる高速応答性、ならびに一般式(A)で表される化合物を含むことによる液晶組成物のΔεの向上を達成することができる。
上記一般式(A)中、RA1は炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基が好ましい。また、RA2は炭素原子数1から4のアルキル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(A)で表される化合物の含有量の上限は、好ましくは30質量%、25質量%、20質量%、18質量%であり、一方、上記含有量の下限は、好ましくは1質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、12質量%、15質量%である。一般式(A)で表される化合物の含有量を上記の範囲内で設定することで、液晶組成物のΔεの絶対値の向上と、ネマチック相を呈する温度範囲の広域化と、良好な低温保存性と、を両立することが可能となる。
一般式(A)で表される化合物は、アルケニル系化合物であってもよく、非アルケニル系化合物であってもよい。一般式(A)で表される化合物として具体的には、上述の一般式(I−N−01−3)及び一般式(I−N−01−4)中のRI2がアルコキシ基を表す化合物、ならびに一般式(N−01−3)及び一般式(N−01−4)中のR23がアルコキシ基を表す化合物が挙げられる。より具体的には、一般式(I−N−01−3a)から(I−N−01−3d)で表される化合物、及び一般式(I−N−01−4a)から(I−N−01−4d)で表される化合物、ならびに一般式(N−01−3a)から一般式(N−01−3e)で表される化合物及び一般式(N−01−4a)から一般式(N−01−4f)で表される化合物が挙げられる。
本発明における液晶組成物、すなわち本発明における液晶層は、一般式(I)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有し、一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有し、更に一般式(NU−01)から(NU−06)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
一般式(I)で表される化合物、一般式(N−01)から一般式(N−05)で表される化合物群から選ばれる化合物、及び一般式(NU−01)から(NU−06)で表される化合物群から選ばれる化合物の含有量の合計の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、99.99質量%、99質量%、98質量%、97質量%、96質量%、95質量%、94質量%、93質量%、92質量%、91質量%、90質量%、89質量%、88質量%、87質量%、86質量%、85質量%、84質量%であることが好ましい。、またこれらの含有量の合計の下限値が、78質量%、80質量%、81質量%、83質量%、85質量%、86質量%、87質量%、88質量%、89質量%、90質量%、91質量%、92質量%、93質量%、94質量%、95質量%、96質量%、97質量%、98質量%、99質量%であることが好ましい。
[2]第一の重合性化合物及びその重合体
本発明における第一の重合性化合物は、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する。また、本発明における第一の重合性化合物の重合体は、第一の重合性化合物が重合してなるものであり、繰り返し(構成)単位内に1つ以上の極性基を有する。また、上記第一の重合性化合物の重合体は、繰り返し(構成)単位内に重合性基を有していてもよい。
第一の重合性化合物は、少なくとも1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する構造であればよく、中でもメソゲン基と、1つ以上の重合性基と、1つ以上の極性基と、を有する構造であることが好ましい。
[重合性基]
第一の重合性化合物及びその重合体が有する重合性基は、PAP1で表される。PAP1は、下記一般式(AP−1)から一般式(AP−9)で表される群より選ばれる基であることが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、RAP1及びRAP2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基を表し、
該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−又は−CO−で置換されてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は水酸基で置換されてもよい。
AP1は、単結合、−O−、−COO−又は−CH−を表す。
AP1は、0、1又は2を表す。
式中の*は結合手を表す。)
中でもPAP1は、上記一般式(AP−1)から一般式(AP−7)で表される群より選ばれる基であることが好ましく、上記一般式(AP−1)又は一般式(AP−2)で表される基であることがより好ましく、一般式(AP−1)で表される基であることがさらに好ましい。
重合性基PAP1は、スペーサ基SpAP1を介してメソゲン基に結合していることが好ましい。メソゲン基については後で詳細に説明する。SpAP1は、単結合若しくは直鎖又は分岐の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜20の直鎖アルキレン基を表すことがより好ましく、単結合又は炭素原子数2〜10の直鎖アルキレン基を表すことがさらに好ましい。また、SpAP1において、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。なお、「重合性基で置換され」るとは、重合性基PAP1のみで置換される態様であってもよく、スペーサ基SpAP1を含めた基PAP1−SpAP1−で置換される態様であってもよい。他の重合性基についても同様である。
第一の重合性化合物において、PAP1−SpAP1−の数は、1以上5以下であることが好ましく、1以上4以下であることがより好ましく、2以上4以下であることがさらに好ましく、2又は3であることが特に好ましく、2であることが最も好ましい。
AP1−SpAP1−中の水素原子は、重合性基又は極性基で置換されてもよい。
AP1−SpAP1−は、重合性基、メソゲン基又は極性基に対して結合してもよい。中でもPAP1−SpAP1−は、メソゲン基又は極性基に対して結合することが好ましい。極性基については後で詳細に説明する。
分子内にPAP1及び/又はSpAP1が複数存在する場合に、それぞれ互いに同一であっても異なってもよい。
[極性基]
第一の重合性化合物及びその重合体が有する極性基は、液晶組成物中に存在する別の極性化合物、イオン性化合物、ラジカル性化合物等の不純物を吸着し捕集する機能を備えた基である。第一の重合性化合物やその重合体が有する極性基がこのような機能を有することで、液晶組成物及び液晶層の比抵抗やVHRを向上させることができる。
比抵抗及びVHRの低下の要因は、液晶層内に不純物が分散(拡散)していることによるものと考えられている。本発明においては、第一の重合性化合物及びその重合体が有する極性基が、不純物と結合を形成することで、上記不純物が第一の重合性化合物やその重合体に固定されると推量される。このように、不純物が第一の重合性化合物やその重合体に吸着されて捕集されることで、液晶層内全体に不純物が拡散されず、不純物による比抵抗やVHRの低下を抑制することができる。上記極性基は、水素結合を介在するプロトンのドナー及びアクセプターのいずれの役割を果たしてもよく、若しくは双方の役割を果たしてもよい。
極性基は、炭素原子とヘテロ原子とが連結した原子団を有する極性要素を含む基であることが好ましい。本明細書中において、極性要素とは、炭素原子とヘテロ原子とが直接連結した原子団をいう。ヘテロ原子としては、N、O、S、P、B及びSiからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、N及びOからなる群から選択される少なくとも1種であることがさらに好ましく、Oであることが特に好ましい。
第一の重合性化合物及びその重合体において、極性要素の価数は特に制限されず、1価でもよく、2価でもよく、3価でもよく、それ以上でもよい。また極性基中の極性要素の個数も特に制限されない。
第一の重合性化合物は、一分子中に1〜8個の極性基を有することが好ましく、1〜4個の極性基を有することがより好ましく、1〜3個の極性基を有することがさらに好ましい。また、第一の重合性化合物の重合体は、繰り返し(構成)単位中に上述した個数の極性基を有することが好ましい。
なお、重合性基は、極性基から除かれるが、極性基中の水素原子がPAP1−SpAP1−で置換された構造及びPAP1−SpAP1−中の水素原子が−OHで置換された構造は極性基に含むものとする。PAP1及びSpAP1は「重合性基」の項で説明した通りである。
極性基は、1又は2以上の極性要素を含み、環式基型と鎖式基型とに大別される。環式基型は、その構造中に極性要素を含む環状構造を備えた環式基を含む形態である。鎖式基型は、その構造中に極性要素を含む環状構造を備えた環式基を含まず、直鎖又は分岐した鎖状基中に極性要素を有する形態であり、その一部に極性要素を含まない環状構造を有していてもよい。
環式基型の極性基とは、少なくとも1つの極性要素を環状の原子配列内に含む構造を有する形態を意味する。なお、本明細書中において、環式基とは、上述した通りである。そのため、環式基型の極性基は、極性要素を含む環式基さえ含んでいればよく、極性基全体としては分岐しても直鎖であってもよい。
一方、鎖式基型の極性基とは、分子内に極性要素を含む環状の原子配列を含まず、かつ少なくとも1つの極性要素を線状の原子配列(枝分かれしてもよい)内に含む構造を有する形態を意味する。
なお、本明細書中において、鎖式基とは、構造式中に環状の原子配列を含まず、構成する原子が線状(分岐してもよい)に結合した原子団をいい、非環式基をいう。換言すると、鎖式基とは、直鎖又は分岐の脂肪族基をいい、飽和結合又は不飽和結合のどちらを含んでもよい。
したがって、鎖式基型の極性基には、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、エステル基、エーテル基又はケトン基などが含まれる。なお、これらの基中の水素原子は、少なくとも1つの置換基(反応性官能基(ビニル基、アクリル基、メタクリル基等)、鎖状有機基(アルキル基、シアノ基等))で置換されてもよい。また、鎖式基型の極性基は、直鎖又は分岐のいずれでもよい。
環式基型の極性基としては、炭素原子数3〜20の複素芳香族基(縮合環を含む)又は炭素原子数3〜20の複素脂環族基(縮合環を含む)であることが好ましく、炭素原子数3〜12の複素芳香族基(縮合環を含む)又は炭素原子数3〜12の複素脂環族基(縮合環を含む)であることがより好ましく、5員環の複素芳香族基、5員環の複素脂環族基、6員環の複素芳香族基又は6員環の複素脂環族基であることがさらに好ましい。なお、これらの環構造中の水素原子は、ハロゲノ基、炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルキルオキシ基で置換されてもよい。ハロゲノ基としては、フルオロ基又はクロロ基が好ましく、フルオロ基がより好ましい。
鎖式基型の極性基としては、構造内の水素原子や−CH−が極性要素で置換された直鎖又は分岐の炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましい。なお、アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−又は−OCO−COO−で置換されてもよい。また、鎖式基型の極性基は、その端部に1個又は2個以上の極性要素を含むことが好ましい。
極性基中の1個又は2個以上の水素原子は、重合性基で置換されてもよい。重合性基については、先述の「重合性基」の項目で説明した通りである。
極性要素の具体例としては、酸素原子を含む極性要素(以下、含酸素極性要素)、窒素原子を含む極性要素(以下、含窒素極性要素)、リン原子を含む極性要素(以下、含リン極性要素)、ホウ素原子を含む極性要素(以下、含ホウ素極性要素)、ケイ素原子を含む極性要素(以下、含ケイ素極性要素)又は硫黄原子を含む極性要素(以下、含硫黄極性要素)が挙げられる。中でも不純物の吸着能の観点から、極性要素としては、含硫黄極性要素、含窒素極性要素又は含酸素極性要素であることが好ましく、含酸素極性要素であることがより好ましい。
含酸素極性要素としては、水酸基、アルキロール基、アルコキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、エーテル基、カルボニル基、カーボネート基及びエステル基からなる群から選択される少なくとも1種の基又は当該基が炭素原子に連結している基であることが好ましい。
含窒素極性要素としては、シアノ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、ピリジル基、カルバモイル基及びウレイド基からなる群から選択される少なくとも1種の基又は当該基が炭素原子に連結している基であることが好ましい。
含リン極性要素としては、ホスフィニル基及びリン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の基又は当該基が炭素原子に連結している基であることが好ましい。
極性基は、含酸素極性要素を備えた環式基(以下、含酸素環式基とする。)、含窒素極性要素を備えた環式基(以下、含窒素環式基とする。)、含酸素極性要素を備えた鎖式基(以下、含酸素鎖式基とする。)及び含窒素極性要素を備えた鎖式基(以下、含窒素鎖式基とする。)からなる群から選択される1種又は2種以上の基自体または当該基を含む基であることが好ましい。
含酸素環式基としては、環構造内に酸素原子をエーテル基として有する下記の基のいずれかを含むことが好ましい。下記式中の*は結合手を表す。
Figure 2021089419
また、含酸素環式基としては、環構造内に酸素原子をカルボニル基、カーボネート基及びエステル基として有する下記の基のいずれかを含むことが好ましい。下記式中の*は結合手を表す。
Figure 2021089419
含窒素環式基としては、下記の基のいずれかを含むことが好ましい。下記式中の*は結合手を表す。
Figure 2021089419
含酸素鎖式基としては、下記の基のいずれかを含むことが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、Rat1は、炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
at1は、単結合、炭素原子数1〜15の直鎖又は分岐のアルキレン基、若しくは炭素原子数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニレン基を表す。ただし、該アルキレン基又は該アルケニレン基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−で置換されてもよい。
at1は、水素原子又は炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。ただし、該アルキル基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−で置換されてもよい。
式中の*は結合手を表す。)
含窒素鎖式基としては、下記の基のいずれかを含むことが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、Rat、Rbt、Rct及びRdtは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。式中の*は結合手を表す。)
極性基は、スペーサ基を介してメソゲン基に結合していることが好ましい。このとき、該スペーサ基中の1個又は2個以上の水素原子が、重合性基に置換されていることが好ましい。第一の重合性化合物がこのような構造を有することで、液晶表示素子の製造工程における第一の重合性化合物の重合の際に、極性基でトラップした不純物が第一の重合性化合物の重合体内に取り込まれ易くなり、不純物の捕集能を高めることができるからである。メソゲン基及び極性基とメソゲン基との間を介するスペーサ基については後述する。
第一の重合性化合物は、下記一般式(AT)で表される基を1つ以上有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、SpAT1は、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN、−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、
AT1は、単結合又は下記一般式(WAT1)又は(WAT2):
Figure 2021089419
(式中、SpWAT1及びSpWAT2は、それぞれ独立して、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。式中の*は結合手を表す。)を表し、
AT1は、極性要素を含む1価の極性基を表し、ZAT1中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
AP1は重合性基を表し、
SpAP1はスペーサ基を表す。
式中の*は結合手を表す。)
第一の重合性化合物が、一般式(AT)で表される基を1つ以上有する場合、第一の重合性化合物の重合体は、構成単位内に上記一般式(AT)で表される基を1つ以上有することができる。
SpWAT1及びSpWAT2は、それぞれそれぞれ独立して、単結合若しくは炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜20の直鎖アルキレン基を表すことがより好ましく、単結合又は炭素原子数2〜10の直鎖アルキレン基を表すことがさらに好ましい。
SpAT1はスペーサ基を表す。上記スペーサ基は、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、中でも単結合若しくは炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜20の直鎖アルキレン基を表すことがより好ましく、単結合又は炭素原子数2〜10の直鎖アルキレン基を表すことがさらに好ましい。
また、SpAT1、SpWAT1及びSpWAT2において、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、酸素原子が直接結合しないように、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
SpAT1及びSpWAT1中の水素原子は、それぞれ独立して、−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
中でもSpAT1は、少なくとも1つの水素原子がPAP1−SpAP1−で置換された炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基であることが好ましい。極性基ZAT1とSpAT1が有する置換基PAP1−SpAP1−中の重合性基PAP1とが近傍に位置することができ、第一の重合性化合物は、このような構造を有することで、極性基で吸着し捕集した不純物を重合体内部に取り込みやすくなり、液晶層内への不純物の漏出及び拡散による液晶層の物性低下を防ぐことができる。
AT1は、極性要素を含む1価の極性基を表すが、中でも下記一般式(ZAT1−1)又は(ZAT1−2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、SpZAT11は、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN、−ZZAT11−RZAT11又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
SpZAT12は、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−、−CH=CH−又は−ZZAT11−で置換されてもよい。
ZAT11は、極性要素を含む極性基を表す。
ZAT12を含む環で表した構造は5〜7員環を表す。
ZAT11及びZZAT12中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
ZAT11及びRZAT12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−、−CH=CH−又は−ZZAT11−で置換されてもよい。
AP1は重合性基を表し、
SpAP1はスペーサ基を表す。
式中の*は結合手を表す。)
一般式(ZAT1−1)で表される基は、下記一般式(ZAT1−1−1)から(ZAT1−1−30)で表される基であることが好ましい。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(式中、SpZAT11及びRZAT11は、それぞれ先述と同じ意味であり、炭素原子に結合する水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
式中の*は結合手を表す。)
また、一般式(ZAT1−1)で表される基としては、下記の基が好ましく挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(式中、Rtcは、水素原子、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又はPAP1−SpAP1−を表し、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−、−CH=CH−又は−ZZAT11−で置換されてもよい。
分子内の水素原子は、PAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
式中の*は、結合手を表す。)
一般式(ZAT1−2)で表される基は、下記一般式(ZAT1−2−1)から(ZAT1−2−9)で表される基であることが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、SpZAT12は先述と同じ意味であり、炭素原子に結合する1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
式中の*は結合手を表す。)
[メソゲン基]
第一の重合性化合物及びその重合体はメソゲン基を有することが好ましい。メソゲン基は、剛直な部分を備えた基、例えば環式基、を1つ以上備えた基をいう。ここで「環式基」とは、構成する原子が環状に結合した原子団をいい、炭素環、複素環、飽和又は不飽和環式構造、単環、2環式構造、多環式構造、芳香族、非芳香族などを含む。
メソゲン基は、液晶分子(液晶化合物)と類似の骨格を有することが好ましい。
メソゲン基は、環式基を2〜4個を備えた基が好ましく、環式基を3〜4個を備えた基がより好ましい。環式基は、単結合で連結されていてもよく、連結基で連結されてもよい。
環式基が単環である場合には、メソゲン基は、2個以上の単環を含んでいることが好ましい。
環式基は、少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい。また、環式基は、少なくとも1つの置換基で置換されてもよい。上記置換基は、例えばハロゲノ基、重合性基、アルキル、アルコキシ、アリール等の有機基等が挙げられる。
メソゲン基は、例えば、一般式(AL)で表すことができる。本発明においては、第一の重合性化合物は、一般式(AL)で表される基を有することが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、ZAL1は、単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH−CHCOO−、−OCOCH−CH−、−CH=C(CH)COO−、−OCOC(CH)=CH−、−CH−CH(CH)COO−、−OCOCH(CH)−CH−、−OCHCHO−又は炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
AL1及びAAL2は、それぞれ独立して、2価の環式基を表す。
AL1、AAL1及びAAL2中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基、極性基、−SpAT1−WAT1−ZAT1、PAP1−SpAP1−又は1価の有機基で置換されてもよい。
SpAP1、SpAT1、PAP1、WAT1及びZAT1はそれぞれ先述と同じ意味を表す。
AL1は1〜5の整数を表す。
AL1が2〜5の整数を表す場合、複数のZAL1は同一であっても異なってもよく、複数のAAL1は同一であっても異なってもよい。
式中の*はそれぞれ結合手を表す。)
一般式(AL)中、ZAL1は単結合又は炭素原子数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、単結合又は炭素原子数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、単結合、−(CH−又は−(CH−であることがさらに好ましい。該アルキレン基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
第一の重合性化合物の直線性を高める場合は、ZAL1は、単結合又は環と環とを直接結ぶ原子の数が偶数個の炭素原子数2〜20のアルキレン基であることが好ましい。該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。環と環とを直接結ぶ原子の数とは、例えば、−CH−CHCOO−の場合であれば4つである。
一般式(AL)中、AAL1及びAAL2は、それぞれ独立して、2価の環式基を表す。2価の環式基としては、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基及びフルオレン−2,7−ジイル基からなる群から選択される1種であることが好ましい。中でも、AAL1及びAAL2は、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基又はフェナントレン−2,7−ジイル基がより好ましく、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であることがさらに好ましい。
2価の環式基は、非置換であってもよく、環式基中の1個又は2個以上の水素原子が置換基で置換されてもよい。置換基としては、ハロゲノ基、極性基、PAP1−SpAP1−又は1価の有機基が挙げられ、1価の有機基がアルキル基の場合は、該アルキル基はフッ素原子又は水酸基で置換されてもよい。ハロゲノ基としてはフルオロ基、クロロ基等が挙げられ、フルオロ基が好ましい。
ここで一般式(AL)中、1価の有機基とは、有機化合物が1価の基の形態になることによって化学構造が構成された基であり、有機化合物から水素原子を1つ取り除いてなる原子団をいう。かかる1価の有機基としては、例えば、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、炭素原子数1〜14のアルコキシ基、炭素原子数2〜15のアルケニルオキシ基などが挙げられる。上記アルキル基、上記アルケニル基、上記アルコキシ基、及び上記アルケニルオキシ基中の1個又は2個以上の−CH−は、それぞれ酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
中でも上記1価の有機基は、炭素原子数1〜15のアルキル基又は炭素原子数1〜14のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることがさらに好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基又は炭素原子数1〜2のアルコキシ基であることが特に好ましく、炭素原子数1又は2のアルキル基又は炭素原子数1のアルコキシ基であることが最も好ましい。上記アルキル基、上記アルケニル基、上記アルコキシ基、及び上記アルケニルオキシ基中の1個又は2個以上の−CH−は、それぞれ酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
上記一般式(AL)中、mAL1は、1〜4の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、2又は3であることがさらに好ましい。
上記メソゲン基の好ましい形態としては、下記式(me−1)から(me−44)で表される構造が挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(式(me−1)〜(me−44)中、両末端の環はそれぞれ、環を構成する炭素原子に結合する水素原子のうちいずれか1個が脱離した位置に結合手を有する。)
上記式(me−1)〜(me−44)中、シクロヘキサン環、ベンゼン環又はナフタレン環中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基、PAP1−SpAP1−、1価の有機基(例えば、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜14のアルコキシ基)又は極性基で置換されてもよい。
上記メソゲン基のより好ましい形態は、式(me−8)〜(me−44)で表される構造であり、より好ましい形態は、式(me−8)〜(me−10)、式(me−12)〜(me−18)、式(me−22)〜(me−24)、式(me−26)〜(me−27)及び式(me−29)〜(me−44)で表される構造であり、さらに好ましい形態は、式(me−12)、(me−14)、(me−16)、(me−22)〜(me−24)、(me−29)、(me−34)、(me−36)〜(me−37)、及び(me−42)〜(me−44)で表される構造である。
上記メソゲン基のうち、特に好ましい形態は、下記一般式(AL−1)又は(AL−2)で表される構造であり、最も好ましい形態は、下記一般式(AL−1)で表される構造である。
Figure 2021089419
(式中、XAL101〜XAL118及びXAL201〜XAL214は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、ハロゲノ基、PAPl−SpAPl−又は極性基を表す。ただし、XAL101、XAL102、XAL103、XAL117及びXAL118のうち1つは結合手を表し、XAL108、XAL109、XAL110、XAL111及びXAL112のうち1つは結合手を表し、XAL201、XAL202、XAL203、XAL212及びXAL213のうち1つは結合手を表し、XAL206、XAL207、XAL208、XAL209及びXAL210のうち1つは結合手を表す。
また、XAL101〜XAL118、XAL201〜XAL214のいずれか1種又は2種以上が、極性基で置換されている。
極性基は、PAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
環AAL11、環AAL12及び環AAL21は、それぞれ独立して、シクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。
一般式(AL−1)又は一般式(AL−2)は、その分子内にPAP1−SpAPl−を1種又は2種以上有する。)
一般式(AL−1)において、XAL109、XAL110及びXAL111の少なくとも1つが極性基であることが好ましく、XAL109及びXAL110がともに極性基であること又はXAL110が極性基であることがより好ましく、XAL110が極性基であることがさらに好ましい。
一般式(AL−1)において、XAL109、XAL110及びXAL111の少なくとも1つが極性基のうちPAP1−SpAP1−又は構造内に重合可能な部位を有する極性基であることが好ましく、XAL109及びXAL111の両方又は一方がPAP1−SpAP1−であることがより好ましい。
一般式(AL−1)において、XAL104〜XAL108、XAL112〜XAL116の1つ又は2つがそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又はハロゲノ基であることが好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることがより好ましい。特に、XAL105、XAL106又はXAL107がそれぞれ独立して、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることが好ましい。
一般式(AL−2)において、XAL207、XAL208及びXAL209の少なくとも1つが極性基であることが好ましく、XAL207及びXAL208がともに極性基であること又はXAL208が極性基であることがより好ましく、XAL208が極性基であることがさらに好ましい。
一般式(AL−2)において、XAL207、XAL208及びXAL209の少なくとも1つが極性基のうちPAP1−SpAP1−又は構造内に重合可能な部位を有する極性基であることが好ましく、XAL207及びXAL209の両方又は一方がPAP1−SpAP1−であることがより好ましい。
一般式(AL−2)において、XAL202〜XAL206、XAL210〜XAL214の1つ又は2つがそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又はハロゲノ基であることが好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることがより好ましい。特に、XAL204、XAL205又はXAL206がそれぞれ独立して、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることが好ましい。
[具体的態様]
第一の重合性化合物及びその重合体は、極性基がメソゲン基に結合し、重合性基がメソゲン基又は極性基に直接又はスペーサ基を介して置換していることが好ましい。特に、重合性基は、極性基中に組み込まれた状態で、メソゲン基に置換していることが好ましい。
第一の重合性化合物及びその重合体は、重合性基が有するスペーサ基中の1個又は2個以上の水素原子が、極性基で置換されてもよい。また、極性基中の1個又は2個以上の水素原子が、スペーサ基を介して重合性基で置換されてもよい。
第一の重合性化合物及びその重合体は、極性基に含まれる極性要素や重合性基に含まれる極性要素が局在化する形態であることが好ましい。極性基は、液晶組成物中に存在する別の極性化合物、イオン性化合物、ラジカル性化合物を吸着するために重要な構造であり、極性基と重合性基とが隣接していることで、より良好な吸着能が得られ、また液晶組成物への良好な溶解性を示すことができる。具体的には、第一の重合性化合物及びその重合体は、同一環上に重合性基及び極性基を有する形態であることが好ましい。かかる形態には、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基がそれぞれ同一環上に結合している形態と、1つ以上の重合性基の少なくとも一つ又は1以上の極性基の少なくとも一つのうち、一方が他方に結合して、同一環上に重合性基及び極性基を有する形態とが含まれる。
第一の重合性化合物は、下記一般式(SAL)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、RAK1は、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい。
AL1及びAAL2は、それぞれ独立して、一般式(AL)におけるAAL1及びAAL2と同じ意味を表す。
AL1は、一般式(AL)におけるZAL1と同じ意味を表す。
AL1は、一般式(AL)におけるmAL1と同じ意味を表す。
SpAT1は、一般式(AT)におけるSpAT1と同じ意味を表す。
AT1は、一般式(AT)におけるWAT1と同じ意味を表す。
AT1は、一般式(AT)におけるZAT1と同じ意味を表す。
AP1は、重合性基を表す。
SpAP1は、スペーサ基表す。
式中にRAK1、AAL1、AAL2、ZAL1、ZAT1、SpAT1、WAT1、PAP1、SpAP1が複数存在する場合は、それぞれ同一であってもよく異なってもよい。)
AK1は、炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜20の直鎖アルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基を表すことがさらに好ましい。該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。また、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
AL1、AAL2、ZAL1、ZAT1、SpAT1、WAT1、PAP1及びSpAP1の詳細については先述の通りである。
一般式(SAL)で表される化合物は、下記式(SAL−1.1)から(SAL−2.10)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
また、一般式(SAL)で表される化合物は、下記式(SAL−3.1)から(SAL−3.6)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2021089419
液晶層中の第一の重合性化合物及びその重合体の含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは0.01質量%であり、中でも比抵抗及びVHRを向上させる観点から、さらに好ましくは0.05質量%、より好ましくは0.1質量%である。一方、第一の重合性化合物及びその重合体の含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは50質量%であり、10質量%、7質量%、5質量%、4質量%、3質量%、2質量%、1質量%である。液晶層中の第一の重合性化合物及びその重合体の含有量とは、本発明の液晶表示素子の製造の際に用いられる活性エネルギー線照射前の液晶組成物中の第一の重合性化合物及びその重合体の含有量と同義である。以下、同様とする。
また、本発明における液晶層は、第一の重合性化合物の重合体の含有量が、第一の重合性化合物の含有量よりも多いことが好ましい。液晶層中の第一の重合性化合物の重合体の含有量は、液晶表示素子の製造において照射される紫外線等の活性エネルギー線を受けて、第一の重合性化合物の反応が十分に進むほど多くなる。したがって、第一の重合性化合物の重合体の含有量が多いと、液晶層の基板側界面に偏在する第一の重合性化合物の重合体が、ち密な高分子層を形成し、液晶分子に所定のプレチルト角を十分付与することができる。一方、液晶層中の第一の重合性化合物の含有量が多いと、液晶表示素子の製造において活性エネルギー線の照射により第一の重合性化合物の反応が十分に進んでいないことになる。そのため、高分子層のち密性に劣り、液晶分子に所定のプレチルト角を十分に付与することができない場合がある。また、液晶層中の残モノマー量が多いことで、本発明の液晶表示素子は焼き付きや信頼性の低下等の不具合が生じやすくなる。液晶層中の第一の重合性化合物の含有量(第一の重合性化合物の残モノマー量)は、好ましくは0.015質量%以下、0.010質量%以下、0.005質量%以下である。
なお、本発明の液晶表示素子は、第一の基板及び第二の基板がそれぞれ配向膜を有することで、一般式(SAL)で表される化合物による不純物の吸着捕集能を高く発揮することが可能である。これは以下の理由によるものと推量される。すなわち、一般式(SAL)で表される化合物及びその重合体は、配向膜を有さない液晶表示素子においては、極性基が基板に吸着して液晶分子の配向を誘導する機能を発揮するため、不純物の吸着捕集に寄与する極性基の割合よりも、基板に吸着する極性基の割合が多くなると推量される。一方、本発明の液晶表示素子においては、液晶分子の配向を誘導する配向膜が設けられているため、配向膜により液晶分子の配向が誘導されると共に、一般式(SAL)で表される化合物及びその重合体の極性基が基板とは反対側に向くことができる。このため、基板に吸着する極性基の割合よりも、不純物の吸着捕集に働く極性基の割合が多くなり、不純物を効率よく吸着捕集することができる。
[3]第二の重合性化合物及びその重合体
本発明における液晶組成物は、第一の重合性化合物とは異なる第二の重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方を1種又は2種以上含有していても良い。第二の重合性化合物及びその重合体は、極性基を有さない点で第一の重合性化合物及びその重合体と相違し、第一の重合性化合物及びその重合体とは分子構造が異なるものとする。
第二の重合性化合物およびその重合体は、液晶分子に所定のプレチルト角を付与することが可能である。詳述すれば、液晶層中では、液晶層の第一の基板側の界面及び第二の基板側の界面にそれぞれ第二の重合性化合物の重合体が偏在し、上記重合体により、液晶分子に所定のプレチルト角を付与することができる。重合体は、液晶層の界面において高分子層を形成していてもよく、界面においてスポット状(島状)に点在していてもよい。
液晶層は、第一の重合性化合物及びその重合体の他に、第二の重合性化合物の重合体を含んでいてもよく、未反応の第二の重合性化合物を含んでいてもよく、第二の重合性化合物およびその重合体の両方を含んでいてもよい。また、液晶層は、第一の重合性化合物と第二の重合性化合物との共重合体を含んでいてもよい。すなわち、液晶層の第一の基板側および第二の基板側に形成される重合体は、第一の重合性化合物及びその重合体、第二の重合性化合物及びその重合体、ならびに第一の重合性化合物と第二の重合性化合物との共重合体を含んでいてもよい。
本発明の液晶表示素子の製造においては、液晶組成物が第一の重合性化合物に加えて第二の重合性化合物をさらに含むことで、短い活性エネルギー線の照射時間で目的のプレチルト角を付与することができ、また、活性エネルギー線の照射により第一および第二の重合性化合物が反応してそれぞれ重合体になることで、液晶層中の重合性化合物の残留量を少なくできる。これにより、本発明の液晶表示素子は、プレチルト角の変化による表示不良(例えば、焼き付きなどの不具合)が生じないか、又は極めて少ないといった効果を奏する。なお、本発明における表示不良とは、プレチルト角が経時的に変化することによる表示不良、未反応の重合性化合物の残留量に起因する表示不良、電圧保持率の低下による表示不良を意味する。
液晶層が第二の重合性化合物及びその重合体を含む液晶組成物により形成された液晶層を有する液晶表示素子は、駆動方式がPSA方式である液晶表示素子として好適であり、また、駆動方式がNPS方式である液晶表示素子としても好適である。
本発明における液晶組成物は、下記一般式(P)で表される第二の重合性化合物及びその重合体のうち少なくとも一方を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2021089419
(一般式(P)中、Rp1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素原子数1〜15のアルキル基又は−Spp2−Pp2を表し、該アルキル基中に存在する1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよい。
p1及びPp2は、それぞれ独立して重合性基を表す。
Spp1及びSpp2は、それぞれ独立してスペーサ基を表す。
p1及びZp2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−OCHCHO−、−CO−NRZP1−、−NRZP1−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CRZP1−COO−、−CH=CRZP1−OCO−、−COO−CRZP1=CH−、−OCO−CRZP1=CH−、−COO−CRZP1=CH−COO−、−COO−CRZP1=CH−OCO−、−OCO−CRZP1=CH−COO−、−OCO−CRZP1=CH−OCO−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−(C=O)−O−(CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−(式中、RZP1は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表すが、分子内にRZP1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なってもよい。)を表す。
p1、Ap2及びAp3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−O−で置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基又はアントラセン−2,6−ジイル基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、前記基(a)、基(b)及び基(c)中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1〜18のアルキル基又は−Spp2−Pp2で置換されていても良く、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−はそれぞれ独立して、酸素原子が直接隣接しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよい。
また、mp1が0でAp1が基(c)で表される基である場合Ap3は単結合であってもよい。
p1は、0、1、2又は3を表す。
分子内にZp1、Ap2、Spp2及び/又はPp2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なってもよい。ただし、第一の重合性化合物は除く。)
一般式(P)中、Rp1は、−Spp2−Pp2であることが好ましい。
一般式(P)中、Pp1及びPp2は、それぞれ独立して下記一般式(Pp1−1)から(Pp1−8)のいずれかを表すことが好ましく、一般式(Pp1−1)から(Pp1−3)のいずれかを表すことがさらに好ましく、一般式(Pp1−1)を表すことがより好ましい。
Figure 2021089419
(式中、Rp11、Rp12、Rp13、Rp14、及びRp15は、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、フッ素原子、又は水素原子のいずれかを表す。
p11は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CH−又は−C−を表す。
p11は、0、1又は2を表す。
p12及びtp13は、それぞれ独立して0、1又は2を表すが、tp12及び/又はtp13が0を表す場合には単結合を表す。
p14は、0、1又は2を表す。
p15及びtp16は、それぞれ独立して0、1又は2を表すが、tp15及び/又はtp16が0を表す場合には単結合を表す。
分子内にRp11、Rp12、Rp13、Rp14、Rp15、Wp11、tp11、tp12、tp13、tp14、tp15及びtp16がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なってもよい。)
一般式(Pp1−1)から(Pp1−8)中、Rp11、Rp12及びRp13は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
p11は、0又は1であることが好ましい。
p14は、0又は1であることが好ましい。
p15及びtp16は、それぞれ独立して0又は1であることが好ましい。
p11は、単結合、−O−、−CH−又は−C−であることが好ましい。
一般式(Pp1−1)から(Pp1−8)で表される基は、さらに一般式(Pp11−1)から(Pp11−8)で表される基とすることができる。
Figure 2021089419
(式中Rp111、Rp112、Rp113、及びWp111は、それぞれ一般式(Pp1−1)から(Pp1−8)におけるRp11、Rp12、Rp13、及びWp11と同じ意味を表し、tp117は、0、1又は2を表す。)
一般式(P)中、Zp1及びZp2は、それぞれ独立して、単結合、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−CH=CH−、−CF−、−CFO−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−、−COO−(CH−、−OCF−又は−C≡C−であることが好ましい。中でもZp1及びZp2は、それぞれ独立して、単結合、−OCH−、−CHO−、−C−、−COO−、−OCO−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−CH=CH−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−、−COO−(CH−又は−C≡C−であることがより好ましい。
なお、分子内に存在するZp1及びZp2の1つのみが−OCH−、−CHO−、−C−、−COO−、−OCO−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−CH=CH−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−、−COO−(CH−又は−C≡C−であり、他がすべて単結合であることが好ましく、分子内に存在するZp1及びZp2の1つのみが、−OCH−、−CHO−、−C−、−COO−又は−OCO−であり、他がすべて単結合であることがより好ましく、分子内に存在するZp1及びZp2のすべてが単結合であることがさらに好ましい。
また、分子内に存在するZp1及びZp2の1つのみが、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−O−CO−(CH−、及び−COO−(CH−からなる群から選択される連結基であり、他がすべて単結合であることが好ましい。
一般式(P)中、Spp1及びSpp2は、それぞれ独立して、スペーサ基を表す。スペーサ基は、単結合若しくは炭素原子数1〜30の直鎖又は分岐のアルキレン基を表すことが好ましく、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子同士が直接連結しない限りにおいて−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−で置換されてもよく、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されてもよい。中でも、Spp1及びSpp2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10の直鎖アルキレン基又は単結合であることが好ましい。
一般式(P)中、Ap1、Ap2及びAp3は、それぞれ独立して、前記基(a)、基(b)及び基(c)からなる群より選ばれる基を表す。中でもAp1、Ap2及びAp3は、それぞれ独立して、基(a)または基(b)を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表すことがさらに好ましく、1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。mp1が0でAp1が基(c)で表される基である場合、Ap3は単結合を表すことが好ましい。
また、基(a)、基(b)及び基(c)中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、フッ素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1から18のアルコキシ基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、シアノ基又は−Spp2−Pp2で置換されていることが好ましく、中でもフッ素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、又は−Spp2−Pp2で置換されることが好ましい。Ap1、Ap2及びAp3がそれぞれ1,4−フェニレン基を表す場合、Ap1、Ap2及びAp3は、それぞれ独立して1個のフッ素原子、1個のメチル基又は1個のメトキシ基で置換されていることが好ましい。液晶分子(液晶化合物)との相溶性を改善することができるからである。
一般式(P)中、mp1は、0、1又は2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
一般式(P)で表される化合物として、中でも下記一般式(RM)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2021089419
(式中、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、P13−S13−、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、
11、P12及びP13は、それぞれ独立して、式(Re−1)から式(Re−9):
Figure 2021089419
(式中、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、炭素原子数1から5のアルキル基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、
r5、mr7、nr5及びnr7は、それぞれ独立して、0、1、又は2を表すが、mr5、mr7、nr5及び/又はnr7が0を表す場合には単結合を表す。)
で表される重合性基を表し、
11、S12及びS13は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように−O−、−OCO−又は−COO−で置換されても良く、
13及びS13が複数存在する場合は、複数のP13及び複数のS13は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。ただし、第一の重合性化合物は除く。)
上記一般式(RM)において、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、P13−S13−、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表すが、アルキル基及びアルコキシ基である場合の好ましい炭素原子数は、1〜16であり、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜8であり、よりさらに好ましくは1〜6であり、さらにより好ましくは1〜3である。また、前記アルキル基及びアルコキシ基は、直鎖または分岐であってもよいが、直鎖が特に好ましい。
上記一般式(RM)において、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、P13−S13−、炭素原子数1から3のアルキル基、炭素原子数1から3のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表すことが好ましく、P13−S13−、炭素原子数1から3のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表すことが更に好ましい。アルコキシ基は、炭素原子数が1以上3以下であることが好ましく、1以上2以下であることがより好ましく、1であること、すなわちメトキシ基であることが特に好ましい。
上記一般式(RM)において、P11、P12及びP13は、全て同一の重合性基であっても、異なる重合性基でもよい。中でも、P11、P12及びP13は、それぞれ独立して、式(Re−1)、式(Re−2)、式(Re−3)、式(Re−4)、式(Re−5)または式(Re−7)であることが好ましく、式(Re−1)、式(Re−2)、式(Re−3)または式(Re−4)であることがより好ましく、式(Re−1)であることがより好ましく、アクリル基またはメタクリル基であることが更に好ましい。また、P11及びP12の少なくとも一方が、式(Re−1)であることが好ましく、アクリル基又はメタクリル基であることがより好ましく、メタクリル基であることがさらに好ましく、P11及びP12がメタクリル基であることが特に好ましい。
上記一般式(RM)において、S11、S12及びS13は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基であることが好ましく、単結合であることが特に好ましい。本発明の液晶表示素子の駆動方式がPSA方式やPSVA方式の場合は、上記一般式(RM)において、S11、S12及びS13がそれぞれ独立して単結合であることが好ましい。本発明の液晶表示素子の製造過程において、活性エネルギー線照射後の第二の重合性化合物の残留量が十分に少なく、プレチルト角の変化による表示不良(例えば焼き付き等)が発生しないか、または、極めて少なくなるからである。また、本発明の液晶表示素子の駆動方式がNPS型の場合は、上記一般式(RM)において、S11、S12及びS13が炭素原子数1から3であることが好ましい。
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例としては、下記式(P−1−1)から式(P−1−48)で表される重合性化合物が挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(式中、Pp11、Pp12、Spp11及びSpp12は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例としては、下記式(P−2−1)から式(P−2−18)で表される重合性化合物も挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(式中、Pp21、Pp22、Spp21及びSpp22は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例としては、下記式(P−3−1)から式(P−3−15)で表される重合性化合物も挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(式中、Pp31、Pp32、Spp31及びSpp32は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例としては、下記式(P−4−1)から式(P−4−19)で表される重合性化合物も挙げられる。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(式中、Pp41、Pp42、Spp41及びSpp42は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
第二の重合性化合物及びその重合体の総含有量は、第一の重合性化合物及びその重合体の総含有量よりも多いことが好ましい。第一の重合性化合物及びその重合体により不純物を吸着捕集しながら、第二の重合性化合物及びその重合体により液晶分子に十分なプレチルト角を付与することができるからである。液晶層中の第二の重合性化合物及びその重合体の総含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは0.05〜10質量%であり、0.1〜8質量%であり、0.1〜5質量%であり、0.1〜3質量%であり、0.2〜2質量%であり、0.2〜1.3質量%であり、0.2〜1質量%であり、0.2〜0.56質量%である。液晶層中の第二の重合性化合物及びその重合体の含有量とは、本発明の液晶表示素子の製造の際に用いられる活性エネルギー線照射前の液晶組成物中の第二の重合性化合物及びその重合体の含有量と同義である。以下、同様とする。
液晶層中の第二の重合性化合物及びその重合体の総含有量の好ましい下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して0.01質量%であり、0.03質量%であり、0.05質量%であり、0.08質量%であり、0.1質量%であり、0.15質量%であり、0.2質量%であり、0.25質量%であり、0.3質量%である。一方、液晶層中の第二の重合性化合物及びその重合体の総含有量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して10質量%であり、8質量%であり、5質量%であり、3質量%であり、1.5質量%であり、1.2質量%であり、1質量%であり、0.8質量%であり、0.5質量%である。
また、本発明における液晶層は、第二の重合性化合物の重合体の含有量が、第二の重合性化合物の含有量よりも多いことが好ましい。液晶層中の第二の重合性化合物の重合体の含有量は、液晶表示素子の製造において照射される紫外線等の活性エネルギー線を受けて、第二の重合性化合物の反応が十分に進むほど多くなる。したがって、第二の重合性化合物の重合体の含有量が多いと、液晶層の基板側界面に偏在する第二の重合性化合物の重合体がち密な高分子層を形成し、液晶分子に所定のプレチルト角を十分付与することができる。一方、液晶層中の第二の重合性化合物の含有量が多いと、液晶表示素子の製造において活性エネルギー線照射により第二の重合性化合物の反応が十分に進んでいないことになる。そのため、高分子層のち密性に劣り、液晶分子に所定のプレチルト角を十分に付与することができない場合がある。また、液晶層中の残モノマー量が多いことで、本発明の液晶表示素子は焼き付きや信頼性の低下等の不具合が生じやすくなる。液晶層中の第二の重合性化合物の含有量(第二の重合性化合物の残モノマー量)は、好ましくは0.015質量%以下、0.010質量%以下、0.005質量%以下である。
液晶層中の第一の重合性化合物及びその重合体と第二の重合性化合物及びその重合体との合計の含有量の好ましい下限値は、本発明における液晶組成物に対して、0.01質量%であり、0.03質量%であり、0.05質量%であり、0.08質量%であり、0.1質量%であり、0.15質量%であり、0.2質量%であり、0.25質量%であり、0.3質量%である。
液晶層中の第一の重合性化合物及びその重合体と第二の重合性化合物及びその重合体との合計の含有量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物に対して、10質量%であり、8質量%であり、5質量%であり、3質量%であり、1.5質量%であり、1.3質量%であり、1.2質量%であり、1.0質量%であり、0.8質量%であり、0.56質量%であり、0.50質量%である。
液晶層中の第一の重合性化合物及びその重合体と第二の重合性化合物及びその重合体との合計の含有量の範囲は、上述した上限値および下限値を組み合わせて適宜設定できる、具体的には、上記合計の含有量は、本発明における液晶組成物に対して、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.2〜2質量%であることが好ましく、0.2〜1.3質量%であることが好ましく、0.2〜1質量%であることが好ましく、0.2〜0.56質量%であることが好ましい。
第一の重合性化合物及びその重合体と第二の重合性化合物及びその重合体との合計の含有量が少ないと、これらの重合性化合物およびその重合体による効果が現れにくくなる場合がある。例えば液晶分子の種類等によっては、液晶分子の配向規制力が弱い又は経時的に弱くなってしまう等の問題が生じる場合がある。一方、第一の重合性化合物及びその重合体と第二の重合性化合物及びその重合体との合計の含有量が多すぎると、信頼性が低下する等の問題が生じる場合がある。
本発明における液晶層は、第一の重合性化合物の重合体および第二の重合性化合物の重合体の含有量が多く、第一の重合性化合物および第二の重合性化合物の含有量が少ないことが好ましい。液晶層中において、未反応の第一の重合性化合物および第二の重合性化合物が多い、すなわち残モノマー量が多いと、本発明の液晶表示素子は焼き付きや信頼性の低下等の不具合が生じやすくなるからである。液晶層中の第一の重合性化合物及び第二の重合性化合物の総含有量(第一の重合性化合物及び第二の重合性化合物の残モノマー量)は、好ましくは0.015質量%以下、0.010質量%以下、0.005質量%以下である。
[4]その他の成分
本発明における液晶組成物は、ターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有し、誘電率異方性Δεが+2より大きい化合物、すなわち、ターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有する誘電率異方性が正の液晶化合物(以下、単にΔεが正の液晶化合物とする。)を1種類又は2種類以上含有することができる。
Δεが正の液晶化合物は、本発明の液晶表示素子の製造において、液晶組成物に含まれる重合性化合物の反応性を加速させることができる。このため、本発明の液晶表示素子は、残モノマー量が少なく、焼き付きや信頼性の低下等の不具合が生じにくくなる。Δεが正の液晶化合物は、例えば、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、屈折率異方性などの所望の性能に応じて組み合わせて使用することが好ましい。
Δεが正の液晶化合物の総含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは0.1質量%であり、0.5質量%であり、1質量%であり、1.5質量%であり、2質量%であり、2.5質量%であり、3質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、10質量%である。また、Δεが正の液晶化合物の総含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、9質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、4質量%であり、3質量%である。
Δεが正の液晶化合物は、ターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有し、誘電率異方性Δεが+2より大きい化合物であれば、特に限定されないが、例えば、式(M−8.51)から式(M−8.54)で表される化合物、式(M−7.1)から式(M−7.4)で表される化合物、式(M−7.11)から式(M−7.14)で表される化合物、及び式(M−7.21)から式(M−7.24)で表される化合物からなる群から選択されることが好ましい。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
本発明における液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤又は赤外線吸収剤等を含有しても良い。
酸化防止剤として、一般式(H−1)から一般式(H−4)で表されるヒンダードフェノールが挙げられる。
Figure 2021089419
一般式(H−1)から一般式(H−3)中、RH1は、それぞれ独立して、炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシ基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表すが、基中に存在する1個の−CH−又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立的に−O−又は−S−に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立的にフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。更に具体的には、炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数2から7のアルコキシ基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数3から7のアルキル基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であることが更に好ましい。
一般式(H−4)中、MH4は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−に置換されていても良い。)、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、単結合、1,4−フェニレン基(1,4−フェニレン基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されていても良い。)又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すが、炭素原子数1から14のアルキレン基であることが好ましく、揮発性を考慮すると炭素原子数は大きい数値が好ましいが、粘度を考慮すると炭素原子数は大き過ぎない方が好ましいことから、炭素原子数2から12が更に好ましく、炭素原子数3から10が更に好ましく、炭素原子数4から10が更に好ましく、炭素原子数5から10が更に好ましく、炭素原子数6から10が更に好ましい。
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、1,4−フェニレン基中の1個又は2個以上の−CH=は−N=によって置換されていても良い。また、1,4−フェニレン基中の水素原子はそれぞれ独立的に、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。
一般式(H−2)及び一般式(H−4)の中の、1,4−シクロヘキシレン基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−は−O−又は−S−によって置換されていても良い。また、1,4−シクロヘキシレン基中の水素原子はそれぞれ独立的に、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。
更に具体的には、例えば、式(H−11)から式(H−15)が挙げられる。
Figure 2021089419
本発明における液晶組成物に酸化防止剤が含有する場合、上記酸化防止剤の含有量は、液晶組成物の総量に対して10質量ppm以上が好ましく、20質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上が好ましい。酸化防止剤の含有する場合の上限は10000質量ppmであるが、1000質量ppmが好ましく、500質量ppmが好ましく、100質量ppmが好ましい。
[5]その他
本発明における液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)が70℃から120℃であることが好ましく、80℃から120℃がより好ましく、90℃から110℃が特に好ましい。なお、本発明においては、80℃以上をTniが高いと表現する。
本発明における液晶組成物は、25℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14であることが好ましく、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。なお、本発明においては、0.09以上をΔnが大きいと表現している。
本発明における液晶組成物は、25℃における回転粘性(γ)が50から160mPa・sであるが、55から160mPa・sであることが好ましく、60から160mPa・sであることが好ましく、70から150mPa・sであることが好ましく、75から140mPa・sであることが好ましく、80から130mPa・sであることが好ましく、80から120mPa・sであることが好ましい。
本発明における液晶組成物は、25℃における誘電率異方性(Δε)が−2.0から−8.0であるが、−2.0から−6.0が好ましく、−2.0から−5.0がより好ましく、−2.5から−4.0がより好ましく、−2.5から−3.5が特に好ましい。
本発明における液晶組成物、すなわち本発明における液晶層は、第一の重合性化合物及びその重合体と、一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物と、一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物と、一般式(N−01)から一般式(N−06)で表される化合物群から選ばれる化合物と、一般式(NU−01)から(NU−06)で表される化合物群から選ばれる化合物との含有量の合計の上限値が、100質量%、99質量%、98質量%、97質量%、96質量%、95質量%、94質量%、93質量%、92質量%、91質量%、90質量%、89質量%、88質量%、87質量%、86質量%、85質量%、84質量%であることが好ましい。またこれらの含有量の合計の下限値が、78質量%、80質量%、81質量%、83質量%、85質量%、86質量%、87質量%、88質量%、89質量%、90質量%、91質量%、92質量%、93質量%、94質量%、95質量%、96質量%、97質量%、98質量%、99質量%であることが好ましい。
本発明における液晶組成物、すなわち本発明における液晶層は、第一の重合性化合物及びその重合体と、第二の重合性化合物及び重合体と、一般式(I−N−01)から一般式(I−N−05)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物と、一般式(I−NU−01)から一般式(I−NU−06)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物とと、一般式(N−01)から一般式(N−06)で表される化合物群から選ばれる化合物と、一般式(NU−01)から(NU−06)で表される化合物群から選ばれる化合物との含有量の合計の上限値が、100質量%、99質量%、98質量%、97質量%、96質量%、95質量%、94質量%、93質量%、92質量%、91質量%、90質量%、89質量%、88質量%、87質量%、86質量%、85質量%、84質量%であることが好ましい。またこれらの含有量の合計の下限値が、78質量%、80質量%、81質量%、83質量%、85質量%、86質量%、87質量%、88質量%、89質量%、90質量%、91質量%、92質量%、93質量%、94質量%、95質量%、96質量%、97質量%、98質量%、99質量%であることが好ましい。
本発明における液晶層の厚みは、液晶表示素子に要求されるセルギャップに応じて適宜設定することができる。
2.配向膜
配向膜は、前記第一の基板の液晶層側の面、および前記第二の基板の液晶層側の面にそれぞれ配置される部材である。配向膜は、液晶層に含まれる液晶化合物を配向させる機能を有する。
配向膜は、ラビング配向膜や光配向膜等の公知の配向膜を使用することができる。また、配向膜は、液晶表示素子の駆動モードに併せて、垂直配向膜や水平配向膜など適宜選択することができる。
配向膜を構成する材料は、公知の配向膜の材料と同様とすることができ、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリシロキサン、これらの混合物等が挙げられる。中でもポリイミドが好ましい。ポリイミドは、光架橋型ポリイミドであってもよく、分解型ポリイミドであってもよい。配向膜の厚みは、公知の液晶表示素子において設定される厚みとすることができる。
3.第一の基板および第二の基板
第一の基板および第二の基板(総じて基板と称する場合がある。)は、可撓性(フレキシブル)基板であってもよく、硬質性(リジット)基板であってもよい。また、基板は、透明であってもよく、不透明であってもよい。
基板の材料は、例えばガラス、樹脂、金属、シリコン等が挙げられる。また、基板の厚みは、公知の液晶表示素子における基板の厚みと同様とすることができる。
4.他の構成部位
本発明の液晶表示素子は、第一の基板および第二の基板のいずれか一方に共通電極を有し、他方に画素電極を有する。共通電極は、カラーフィルタを備える基板に配置され、画素電極は、カラーフィルタを備えない基板に配置されることが好ましい。
共通電極および画素電極は、一般に液晶表示素子の電極に用いられている材料で形成することができる。中でも少なくとも共通電極が透明導電体で形成されることが好ましく、共通電極および画素電極の両方が透明導電体で形成されることがより好ましい。透明導電体としては、例えば、インジウム添加酸化スズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、InGaZnO、SiGe、GaAs、IZO(Indium Zinc Oxide)、TiO、AZTO(AlZnSnO)等の酸化物半導体が挙げられる。
共通電極および画素電極は、それぞれ液晶表示素子の駆動方式に応じた形状を選択することができる。中でも本発明の液晶表示素子がアクティブマトリックス駆動の場合は、第一の基板および第二の基板のうち、一方の基板に透明導電体で形成される全面共通電極が設けられ、他方の基板にゲート電極及びソース電極をマトリックス状に配列し、ゲート電極とソース電極で囲まれた部分にTFT素子および画素電極を設けられることが好ましい。
共通電極および画素電極は、化学蒸着(CVD)法や、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の物理蒸着(PVD)法等の公知の方法により形成することができる。
本発明の液晶表示素子は、第一の基板又は第二の基板にカラーフィルタが配置されていてもよい。カラーフィルタは共通電極が配置された基板に配置されることが好ましい。カラーフィルタは、例えば、顔料分散法(カラーレジスト法、エッチング法)、印刷法、インクジェット法などを用いて形成することができる。
また、本発明の液晶表示素子は、第一の基板の液晶層と反対側の面および第二の基板の液晶層と反対側の面に、それぞれ偏光板が配置されていてもよい。偏光板は、光の波動のうち特定方向のみを透過させるものであれば特に限定されず、一般に液晶表示素子の偏光板として用いられているものを使用することができる。
5.その他
本発明の液晶表示素子は、アクティブマトリックス駆動であることが好ましい。また、本発明の液晶表示素子は、駆動方式がPSA方式、PSVA方式、VA方式、IPS方式、FFS方式、PS−IPS方式、PS−FFS方式、NPS方式、又はECB方式であることが好ましく、中でもPSA方式またはPSVA方式であることが好ましい。
本発明の液晶表示素子は公知の方法により製造することができる、本発明の液晶表示素子の製造方法として、以下の例が挙げられる。まず、第一の基板の配向膜が配置された側の面と第二の基板の配向膜が配置された側の面とが向かい合うようにして、所望のセルギャップとなるようにスペーサ突起物およびシール部を介して貼り合わせて、空セルを作製する。次に空セルの第一の基板および第二の基板の間に、第一の重合性化合物及びアルケニル系液晶化合物を少なくとも含有する液晶組成物を挟持させ、シール部を硬化し液晶組成物を第一と第二の基板との間に封止する。上記液晶組成物は、第一の重合性化合物及びアルケニル系液晶化合物の他に、第二の重合性化合物を含有してもよい。その後、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して液晶組成物に含まれる第一の重合性化合物及び任意に含有される第二の重合性化合物を重合させることで、本発明の液晶表示素子を得ることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
実施例において化合物の記載は以下の略号を用いる。なお、nは自然数を表す。
(側鎖)
−n −C2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
n− C2n+1− 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
−On −OC2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
nO− C2n+1O− 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
−V −CH=CH
V− CH=CH−
−V1 −CH=CH−CH
1V− CH−CH=CH−
−2V −CH−CH−CH=CH
V2− CH=CH−CH−CH
−2V1 −CH−CH−CH=CH−CH
1V2− CH−CH=CH−CH−CH
(連結基)
−n− −C2n
−nO− −C2n−O−
−On− −O−C2n
−COO− −C(=O)−O−
−OCO− −O−C(=O)−
−CF2O− −CF−O−
−OCF2− −O−CF
(環構造)
Figure 2021089419
(第一の重合性化合物)
第一の重合性化合物として下記式で表される化合物を用いた。
Figure 2021089419
(第二の重合性化合物)
第二の重合性化合物として下記式で表される化合物を用いた。
Figure 2021089419
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :25℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
γ :25℃における回転粘度(mPa・s)
11:25℃におけるスプレイの弾性定数(pN)
33:25℃におけるベンドの弾性定数(pN)
VHR(初期):得られた液晶セルのVHR(単位:%)を測定した。測定条件は1V、0.6Hz、60℃とした。
VHR(UV):得られた液晶セルに蛍光UVランプを用いて313nmの強度が0.3mW・cm−2となるようにして120分照射し、室温で1時間経過した後のVHR(単位:%)を測定した。測定条件は1V、0.6Hz、60℃とした。
表1〜2に、重合性化合物を入れる前の液晶組成物(母体組成物)LC−1〜LC−6の組成配合およびその物性をそれぞれ示す。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(実施例1〜8)
母体組成物100質量%に、第一の重合性化合物及び第二の重合性化合物を表3〜4に示す配合(質量%)で添加して液晶組成物を調製した。次に、透明電極上に垂直配向膜を具備したギャップ3.5umのセルに液晶組成物を真空注入し、注入口に接着剤を塗布した後、380nmの紫外線を10秒間照射して封止して液晶表示素子(液晶セル)を得た。得られた液晶セルのVHR(初期)およびVHR(UV)を測定した。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
(比較例1)
母体組成物LC−1を100質量%に第二の重合性化合物RM−1を0.30質量%添加して、第一の重合性化合物を含まない液晶組成物100質量%を調製した。次に、実施例と同様の方法で液晶セルを作製し、得られた液晶セルのVHR(初期)およびVHR(UV)を測定した。
(比較例2)
母体組成物LC−2を100質量%に第二の重合性化合物RM−2を0.30質量%添加して、第一の重合性化合物を含まない液晶組成物100質量%を調製した。次に、実施例と同様の方法で液晶セルを作製し、得られた液晶セルのVHR(初期)およびVHR(UV)を測定した。
(比較例3)
母体組成物LC−3を100質量%に、第二の重合性化合物RM−2を0.30質量%と非重合性極性化合物として下記式PA−1で表される化合物を0.1質量%とを添加して、第一の重合性化合物を含まない液晶組成物100質量%を調製した。次に、実施例と同様の方法で液晶セルを作製し、得られた液晶セルのVHR(初期)およびVHR(UV)を測定した。
(比較例4)
母体組成物LC−4を100質量%に、第二の重合性化合物RM−1を0.30質量%と非重合性極性化合物として下記式PA−2で表される化合物を0.1質量%とを添加して、第一の重合性化合物は含まない液晶組成物100質量%を調製した。次に、実施例と同様の方法で液晶セルを作製し、得られた液晶セルのVHR(初期)およびVHR(UV)を測定した。
Figure 2021089419
比較例1〜4の結果を表5に示す。
Figure 2021089419
アルケニル系化合物を含む母体組成物及び極性基を有さない重合性化合物のみを含む液晶組成物を用いた比較例1の液晶セルは、実施例の液晶セルと比較して、VHR(UV)が大幅に低下した。また、アルケニル系化合物を含む母体組成物及び極性基を有するが重合性基を有さない化合物を含む液晶組成物を用いた比較例2〜4の液晶セルは、実施例1〜8の液晶セルと比較して、VHR(初期)およびVHR(UV)が大幅に低下し、VHR(初期)とVHR(UV)との差(低下率)も大きかった。これらの結果は、比較例1〜4の液晶セルにおいては、液晶層中の液晶化合物、特にアルケニル系化合物が一部劣化したためと推量される。
これに対し、アルケニル系化合物を含む母体組成物に対して重合性基および極性基を有する重合性化合物(すなわち本発明における第一の重合性化合物)を添加した液晶組成物を用いた液晶セルは、VHR(初期)及びVHR(UV)の値が高く、且つVHR(初期)とVHR(UV)との差(低下率)が小さかった。これらの結果は、実施例の液晶セルにおいては、液晶層中に第一の重合性化合物及びその重合体が含まれるため、特にアルケニル系化合物の劣化が抑制されたためと推量される。
また、実施例1〜4と実施例5との対比から、第一の重合性化合物の中でも極性基と環とを介するスペーサ基中にさらに重合性基を有する構造の第一の重合性化合物を含有すること(実施例1〜4)で、VHR(初期)がより高く、またVHR(初期)とVHR(UV)との差(低下率)がより小さいくなることが示唆された。これは極性基と環とを介するスペーサ基(例えば一般式(AT)及び一般式(SAL)中のSpAT1)中の水素原子が重合性基により置換され、スペーサ基中に重合性基を有することで、第一の重合性化合物は、極性基と重合性基とが近接して位置する構造となる。そして第一の重合性化合物がこのような構造を有することにより、第一の重合性化合物を重合する際に極性基でトラップした不純物がポリマー内に取り込まれ易くなり、その結果、液晶層内に分散した不純物の量が減少したためと考えられる。
(比較例5)
下記表6に示す配合で母体組成物LC−R1を調製した。母体組成物LC−R1は、アルケニル系液晶化合物を含まない母体組成物である。
Figure 2021089419
母体組成物LC−5を100質量%に、第二の重合性化合物RM−2を0.30質量%と非重合性極性化合物PA−1で表される化合物を0.1質量%とを添加して、第一の重合性化合物は含まない液晶組成物100質量%を調製した。次に、実施例と同様の方法で液晶セルを作製し、得られた液晶セルのVHR(初期)およびVHR(UV)を測定した。
Figure 2021089419
VA液晶の応答速度(τoff)はγ・d/(π・K33)に比例する(式中のdはセルギャップを表す。)。つまりγ/K33の値が小さいほど応答速度が速くなる。実施例1〜8で使用されている母体組成物LC−1〜LC−6のγ/K33は4.9〜6.14の範囲であるのに対し、比較例5で使用されている比較母体組成物LC−R1のγ/K33は6.76であり、アルケニル系液晶化合物を含む母体組成物LC−1〜LC−6を用いた実施例1〜8の液晶セルの方が、アルケニル系液晶化合物を含まない母体組成物LC−R1を用いた比較例5の液晶セルと比較して速いことが確認された。
また、比較例5は、アルケニル系液晶化合物を含む母体組成物LC−3を用いた比較例3と比較して、VHR(初期)およびVHR(UV)の値が高かった。この結果から、比較例3においてアルケニル系液晶化合物の劣化により不純物が発生していることが示唆された。よって、実施例1〜8と、比較例3及び5との対比からも、液晶層がアルケニル系液晶化合物及び第一の重合性化合物及びその重合体を含有することによる効果が示された。
更に下記の第一の重合性化合物及び第二の重合性化合物を用いた実施例9〜16においても同様の効果が示された。
(第一の重合性化合物)
第一の重合性化合物として、上述の第一の重合性化合物の他に下記式で表される化合物を用いた。
Figure 2021089419
(第二の重合性化合物)
第二の重合性化合物として、上述の第二の重合性化合物の他に下記式で表される化合物を用いた。
Figure 2021089419
Figure 2021089419
Figure 2021089419
以上より、本発明の液晶表示素子は、高速応答性と高い電圧保持率(VHR)とを達成可能であることが示唆された。
1 … 液晶表示素子
2 … 第一の基板
3 … 第二の基板
4 … 液晶層
5 … 画素電極層
6 … 共通電極層
7 … 第一の偏光板
8 … 第二の偏光板
9 … カラーフィルター

Claims (13)

  1. 第一の基板及び第二の基板が対向して設けられる一対の基板と、
    前記第一の基板と第二の基板との間に挟持された液晶層と、
    前記第一の基板の前記液晶層側及び前記第二の基板の前記液晶層側にそれぞれ配置された一対の配向膜と、
    を備え、
    前記液晶層は、少なくとも1つのアルケニル部分構造を有するアルケニル系液晶化合物を1種または2種以上と、第一の重合性化合物及びその重合体の少なくとも一方を1種又は2種以上と、を含有する液晶組成物により形成され、
    前記第一の重合性化合物は、1つ以上の重合性基及び1つ以上の極性基を有する化合物である液晶表示素子。
  2. 前記極性基は、炭素原子と、N、O、S、P、B及びSiからなる群から選択される少なくとも1種のヘテロ原子とが連結した原子団を有する極性要素を含む基である請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記第一の重合性化合物が、下記一般式(AT):
    Figure 2021089419
    (式中、SpAT1は、単結合、炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN、−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、
    AT1は、単結合又は下記一般式(WAT1)又は(WAT2):
    Figure 2021089419
    (式中、SpWAT1及びSpWAT2は、それぞれ独立して、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないようにそれぞれ独立して、環式基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
    式中の*は結合手を表す。)
    を表し、
    AT1は、極性要素を含む1価の極性基を表し、ZAT1中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、
    AP1は重合性基を表し、
    SpAP1はスペーサ基を表す。
    式中の*は結合手を表す。)
    で表される基を1つ以上有する請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記ZAT1が下記一般式(ZAT1−1)または(ZAT1−2):
    Figure 2021089419
    (式中、SpZAT11は、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN、−ZZAT11−RZAT11又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
    SpZAT12は、単結合若しくは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−、−CH=CH−又は−ZZAT11−で置換されてもよい。
    ZAT11及びZZAT12は、極性要素を含む極性基を表す。
    ZAT12を含む環で表した構造は5〜7員環を表す。
    ZAT11及びZZAT12中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
    ZAT11及びRZAT12は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素原子数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、−OH、−CN又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−、−CH=CH−又は−ZZAT11−で置換されてもよい。
    AP1及びSpAP1は先述の意味と同じである。
    式中の*は結合手を表す。)
    で表される、請求項3に記載の液晶表示素子。
  5. 前記SpAT1は、少なくとも1つの水素原子がPAP1−SpAP1−で置換された炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキレン基である請求項3または請求項4に記載の液晶表示素子。
  6. 前記第一の重合性化合物が、下記一般式(AL):
    Figure 2021089419
    (式中、ZAL1は、単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH−CHCOO−、−OCOCH−CH−、−CH=C(CH)COO−、−OCOC(CH)=CH−、−CH−CH(CH)COO−、−OCOCH(CH)−CH−、−OCHCHO−又は炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
    AL1及びAAL2は、それぞれ独立して、2価の環式基を表す。
    AL1、AAL1及びAAL2中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基、−SpAT1−WAT1−ZAT1、PAP1−SpAP1−又は1価の有機基で置換されてもよい。
    SpAP1、SpAT1、PAP1、WAT1及びZAT1はそれぞれ先述と同じ意味を表し、
    AL1は1〜5の整数を表す。
    AL1が2〜5の整数を表す場合、複数のZAL1は同一であっても異なってもよく、複数のAAL1は同一であっても異なってもよい。
    なお、式中の*は結合手を表す。)
    で表される基を有する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  7. 前記重合性基が下記一般式(AP1)〜(AP9):
    Figure 2021089419
    (式中、RAP1及びRAP2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基を表し、
    該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−又は−CO−で置換されてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は水酸基で置換されてもよい。
    AP1は、単結合、−O−、−COO−又は−CH−を表す。
    AP1は、0、1又は2を表す。
    式中の*は結合手を表す。)
    で表される基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  8. 前記アルケニル系液晶化合物として、下記一般式(i−1)から(i−5):
    Figure 2021089419
    (上記各式中RからRは、それぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基を表し、
    該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、
    該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていても良く、
    n1からn5は、それぞれ独立して0から6の整数を表す。)
    で表される化合物からなる群から選択される化合物を1種または2種以上含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  9. 前記アルケニル系液晶化合物として、下記一般式(i−1−0):
    Figure 2021089419
    (式中Rは炭素原子数1から8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、
    該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
    で表される化合物を1種または2種以上含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  10. 前記液晶組成物が、下記一般式(A):
    Figure 2021089419
    (式中RA1及びRA2は互いに独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
    該アルキル基中1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、
    該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、
    は0または1を表す。)
    で表される化合物を1種または2種以上含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  11. 前記液晶組成物が、下記一般式(P)で表される第二の重合性化合物及び前記第二の重合性化合物の重合体のうち少なくとも一方を1種又は2種以上含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
    Figure 2021089419
    (一般式(P)中、Rp1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素原子数1〜15のアルキル基又は−Spp2−Pp2を表し、該アルキル基中に存在する1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよい。
    p1及びPp2は、それぞれ独立して重合性基を表す。
    Spp1及びSpp2は、それぞれ独立してスペーサ基を表す。
    p1及びZp2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−OCHCHO−、−CO−NRZP1−、−NRZP1−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CRZP1−COO−、−CH=CRZP1−OCO−、−COO−CRZP1=CH−、−OCO−CRZP1=CH−、−COO−CRZP1=CH−COO−、−COO−CRZP1=CH−OCO−、−OCO−CRZP1=CH−COO−、−OCO−CRZP1=CH−OCO−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−(C=O)−O−(CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−(式中、RZP1は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表すが、分子内にRZP1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なってもよい。)を表す。
    p1、Ap2及びAp3は、それぞれ独立して、
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が隣り合わない限りにおいて−O−で置換されていてもよい。)
    (b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)及び
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基又はアントラセン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)
    からなる群より選ばれる基を表し、前記基(a)、基(b)及び基(c)中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1〜18のアルキル基又は−Spp2−Pp2で置換されていても良く、該アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−はそれぞれ独立して、酸素原子が直接隣接しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよい。
    また、mp1が0でAp1が基(c)で表される基である場合Ap3は単結合であってもよい。
    p1は、0、1、2又は3を表す。
    分子内にZp1、Ap2、Spp2及び/又はPp2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なってもよい。ただし、第一の重合性化合物は除く。)
  12. アクティブマトリックス駆動である請求項1〜11のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  13. 駆動方式がPSA方式、PSVA方式、VA方式、IPS方式、FFS方式、PS−IPS方式、PS−FFS方式、NPS方式、又はECB方式である請求項1〜11のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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