JP2020050871A - 配向助剤、液晶組成物及び液晶表示素子 - Google Patents

配向助剤、液晶組成物及び液晶表示素子 Download PDF

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清香 野瀬
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Abstract

【課題】適度な極性を有する配向助剤、かかる配向助剤を含有し、低温保存安定性に優れ、かつ液晶分子に対する高い配向規制力を発揮する液晶組成物、及びコントラスト、応答速度等の特性に優れる液晶表示素子を提供する。【解決手段】本発明の配向助剤は、2つの基板間に液晶分子とともに配置され、前記液晶分子を自発的に配向させる化合物である。この配向助剤は、少なくとも1つの極性基を有し、順相薄層クロマトグラフィーにおける移動率と逆相薄層クロマトグラフィーにおける移動率との積が0.11〜0.2であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、配向助剤、液晶組成物及び液晶表示素子に関する。
従来、VA方式の液晶ディスプレイ(液晶表示素子)では、電圧無印加時に液晶分子の垂直配向を誘起し、電圧印加時に液晶分子の水平配向を実現するために、電極上に配向膜として機能するポリイミド(PI)配向膜が設けられている。しかしながら、PI配向膜の成膜には、多大なコストを要するため、近年では、PI配向膜を省略しつつも、液晶分子の配向を実現するための方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、負の誘電異方性を有する極性化合物(液晶分子)の混合物を基礎とし、少なくとも1種類の自発配向性添加剤(配向助剤)を含有する液晶媒体(液晶組成物)が開示されている。この特許文献1では、自発配向性添加剤として、水酸基を有する特定の化合物が用いられている。
ここで、極性の高い配向助剤は、基板との密着力(アンカー力)が強いことから、液晶分子の配向規制力に優れる一方、液晶分子との相溶性が低く、液晶組成物の低温保存安定性が低下する。これに対して、極性の低い配向助剤は、液晶分子との相溶性が良好であり、液晶組成物の低温保存安定性に優れる一方、基板との密着力に劣り、比較的多量で使用しても、十分な厚さの配向助剤による層が形成されず、液晶分子の良好な配向規制力が得られない。
このように、液晶組成物に対して、優れた低温保存安定性を確保することと、高い配向規制力を付与することとの2つの特性は相反する関係にあり、双方の特性をバランスよく有する液晶組成物が得られていないのが現状である。
特表2014−524951号公報
本発明の目的は、適度な極性を有する配向助剤、かかる配向助剤を含有し、低温保存安定性に優れ、かつ液晶分子に対する高い配向規制力を発揮する液晶組成物、及びコントラスト、応答速度等の特性に優れる液晶表示素子を提供することにある。
このような目的は、下記の(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 2つの基板間に液晶分子とともに配置され、前記液晶分子を自発的に配向させる配向助剤であって、
少なくとも1つの極性基を有し、順相薄層クロマトグラフィーにおける移動率と逆相薄層クロマトグラフィーにおける移動率との積が0.11〜0.2であることを特徴とする配向助剤。
(2) 前記極性基は、炭素原子とヘテロ原子とが連結した原子団を有する極性要素を含む基である上記(1)に記載の配向助剤。
(3) 前記ヘテロ原子は、N、O及びBからなる群から選択される少なくとも1種である上記(2)に記載の配向助剤。
(4) さらに、少なくとも1つの重合性基を有する上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の配向助剤。
(5) 前記重合性基は、下記一般式(AP−1)〜一般式(AP−9)で表される群より選ばれる基を含む上記(4)に記載の配向助剤。
Figure 2020050871

(式中、RAP1及びRAP2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基を表し(ただし、アルキル基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子同士が直接隣接しないように−O−又は−CO−で置換されてもよく、アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は水酸基で置換されてもよい。)、WAP1は、単結合、−O−、−COO−又は−CH−を表し、tAP1は、0、1又は2を表し、*は、結合手を表す。)
(6) 上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の配向助剤と、負の誘電率異方性を有する液晶分子とを含有することを特徴とする液晶組成物。
(7) 当該液晶組成物中に含まれる前記配向助剤の量は、0.3〜4.3質量%である上記(6)に記載の液晶組成物。
(8) さらに、重合性化合物を含有する上記(6)又は(7)に記載の液晶組成物。
(9) 2つの基板と、該2つの基板の間に設けられた上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載の液晶組成物を含む液晶層とを備えることを特徴とする液晶表示素子。
(10) 前記配向助剤は、さらに、少なくとも1つの重合性基を有し、
前記液晶層は、前記配向助剤の重合物を含む上記(9)に記載の液晶表示素子。
(11) 前記重合物の厚さは、12〜140nmである上記(10)に記載の液晶表示素子。
(12) アクティブマトリックス駆動用である上記(9)〜(11)のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
(13) PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型又はECB型である上記(9)〜(12)のいずれか1つに記載の液晶表示素子。
(14) 前記2つの基板のうちの少なくとも一方の基板は、配向膜を有さない上記(9)〜(13)のいずれか1つに記載の液晶表示素子。
本発明によれば、適度な極性を有する配向助剤が得られる。かかる配向助剤を含有することにより、低温保存安定性に優れ、かつ液晶分子に対する高い配向規制力を発揮する液晶組成物が得られる。さらに、この液晶組成物を用いることにより、コントラスト、応答速度等の特性に優れる液晶表示素子が得られる。
液晶表示素子の一実施形態を模式的に示す図である。 図1におけるI線で囲まれた領域を拡大した平面図である。
以下、本発明の配向助剤、液晶組成物及び液晶表示素子について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の液晶組成物について説明する。
(液晶組成物)
液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する液晶分子と、この液晶分子を自発的に配向させる機能を有し、極性基を備える配向助剤(本発明の配向助剤)とを含有している。
((配向助剤))
配向助剤(自発配向性化合物)は、液晶組成物を含む液晶層と直接当接する部材(電極(例えば、ITO)、基板(例えば、ガラス基板、アクリル基板、透明基板、フレキシブル基板等)、樹脂層(例えば、カラーフィルタ、配向膜、オーバーコート層等)、絶縁膜(例えば、無機材料膜、SiNx等))に対して相互作用し、液晶層に含まれる液晶分子のホメオトロピック配列又はホモジニアス配向を誘起する機能を備えている。
配向助剤は、重合するための重合性基と、液晶分子と類似するメソゲン基と、液晶層と直接当接する部材と相互作用可能な吸着基(極性基)と、液晶分子の配向を誘起する配向誘導基を有することが好ましい。
メソゲン基に対し、吸着基及び配向誘導基が結合し、重合性基はメソゲン基、吸着基及び配向誘導基に直接又は必要に応じスペーサ基を介して置換していることが好ましい。特に、重合性基は、吸着基中に組み込まれた状態で、メソゲン基に置換していることが好ましい。
以下、化学式中の左端の*及び右端の*は結合手を表す。
「配向誘導基」
配向誘導基は、液晶分子の配向を誘導する機能を有しており、下記一般式(AK)で表される基であることが好ましい。
Figure 2020050871
式中、RAK1は、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。ただし、アルキル基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子が直接結合することなく、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基で置換されてもよい。
AK1は、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜20のアルキル基を表すことが好ましく、直鎖状の炭素原子数1〜20のアルキル基を表すことがより好ましく、直鎖状の炭素原子数1〜8のアルキル基を表すことがさらに好ましい。
また、アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
さらに、アルキル基中の水素原子は、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよく、フッ素原子で置換されてもよい。
配向助剤が液晶層に対していわゆる両親媒性を備えている観点から、上記配向誘導基は、メソゲン基に結合していることが好ましい。
「重合性基」
重合性基は、PAP1−SpAP1−で表されることが好ましい。
AP1は、下記一般式(AP−1)〜一般式(AP−9)で表される群より選ばれる基であることが好ましい。
Figure 2020050871
式中、RAP1及びRAP2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基を表す。ただし、アルキル基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子同士が直接隣接しないように−O−又は−CO−で置換されてもよく、アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は水酸基で置換されてもよい。
AP1は、単結合、−O−、−COO−又は−CH−を表す。
AP1は、0、1又は2を表す。
AP1は、下記一般式(AP−1)〜一般式(AP−7)で表される基であることが好ましく、下記一般式(AP−1)又は一般式(AP−2)で表される基であることがより好ましく、一般式(AP−1)であることがさらに好ましい。
SpAP1は、単結合又は直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は直鎖状の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表すことがより好ましく、単結合又は直鎖状の炭素原子数2〜10のアルキレン基を表すことがさらに好ましい。
また、SpAP1において、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、酸素原子同士が直接隣接しないように−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
配向助剤において、重合性基(PAP1−SpAP1−)の数は、1以上5以下であることが好ましく、1以上4以下であることがより好ましく、2以上4以下であることがさらに好ましく、2又は3であることが特に好ましく、2であることが最も好ましい。
AP1−SpAP1−中の水素原子は、重合性基、吸着基及び/又は配向誘導基で置換されてもよい。
重合性基(PAP1−SpAP1−)は、重合性基、メソゲン基、吸着基及び/又は配向誘導基に対して結合してもよい。
また、重合性基(PAP1−SpAP1−)は、メソゲン基、吸着基又は配向誘導基に対して結合することが好ましく、メソゲン基又は吸着基に対して結合することがより好ましい。
なお、分子内にPAP1及び/又はSpAP1−が複数存在する場合に、それぞれ互いに同一であっても異なってもよい。
「メソゲン基」
メソゲン基は、剛直な部分を備えた基、例えば環式基を1つ以上備えた基をいい、環式基を2〜4個を備えた基が好ましく、環式基を3〜4個を備えた基がより好ましい。なお、必要に応じて、環式基は、連結基で連結されてもよい。メソゲン基は、液晶層に使用される液晶分子(液晶化合物)と類似の骨格を有することが好ましい。
なお、本明細書中において、「環式基」は、構成する原子が環状に結合した原子団をいい、炭素環、複素環、飽和又は不飽和環式構造、単環、2環式構造、多環式構造、芳香族、非芳香族などを含む。
また、環式基は、少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよく、さらに、少なくとも1つの置換基(ハロゲノ基、重合性基、有機基(アルキル、アルコキシ、アリール等)で置換されてもよい。環式基が単環である場合には、メソゲン基は、2個以上の単環を含んでいることが好ましい。
上記メソゲン基は、例えば、一般式(AL)で表されることが好ましい。
Figure 2020050871
式中、ZAL1は、単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH−CHCOO−、−OCOCH−CH−、−CH=C(CH)COO−、−OCOC(CH)=CH−、−CH−CH(CH)COO−、−OCOCH(CH)−CH−、−OCHCHO−又は炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。ただし、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
AL1及びAAL2は、それぞれ独立して、2価の環式基を表す。
AL1、AAL1及びAAL2中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基、吸着基、PAP1−SpAP1−又は1価の有機基で置換されてもよい。
なお、分子内にZAL1及びAAL1が複数存在する場合に、それぞれ互いに同一であっても異なってもよい。
AL1は、1〜5の整数を表す。
一般式(AL)中、ZAL1は、単結合又は炭素原子数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、単結合又は炭素原子数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、単結合、−(CH−又は−(CH−であることがさらに好ましい。アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子同士が直接隣接しないように−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
さらに、棒状分子の直線性を高めることを目的とする場合は、ZAL1は、環と環とが直接連結した形態である単結合や、環と環とを直接結ぶ原子の数が偶数個の形態が好ましい。例えば、−CH−CHCOO−の場合、環と環とを直接結ぶ原子の数は4つである。
一般式(AL)中、AAL1及びAAL2は、それぞれ独立して、2価の環式基を表す。2価の環式基としては、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基及びフルオレン−2,7−ジイル基からなる群から選択される1種であることが好ましく、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基又はフェナントレン−2,7−ジイル基がより好ましく、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であることがさらに好ましい。
なお、これらの基は、非置換又は置換基で置換されてもよい。この置換基としては、フッ素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましい。さらに、アルキル基は、フッ素原子又は水酸基で置換されてもよい。
また、環式基中の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲノ基、吸着基、PAP1−SpAP1−又は1価の有機基で置換されてもよい。
一般式(AL)中、1価の有機基とは、有機化合物が1価の基の形態になることによって、化学構造が構成された基であり、有機化合物から水素原子を1つ取り除いてなる原子団をいう。
かかる1価の有機基としては、例えば、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、炭素原子数1〜14のアルコキシ基、炭素原子数2〜15のアルケニルオキシ基などが挙げられ、炭素原子数1〜15のアルキル基又は炭素原子数1〜14のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることがさらに好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基又は炭素原子数1〜2のアルコキシ基であることが特に好ましく、炭素原子数1又は2のアルキル基又は炭素原子数1のアルコキシ基であることが最も好ましい。
また、上記アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、酸素原子同士が直接隣接しないように−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。さらには、上記1価の有機基は、上記配向誘導基としての役割を有してもよい。
上記一般式(AL)中、mAL1は、1〜4の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、2又は3であることがさらに好ましい。


上記メソゲン基の好ましい形態としては、下記式(me−1)〜(me−44)が挙げられる。
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
一般式(AL)は、これらの化合物から2個の水素原子が脱離した構造である。
これらの式(me−1)〜(me−44)において、シクロヘキサン環、ベンゼン環又はナフタレン環中の1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基、PAP1−SpAP1−、1価の有機基(例えば、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜14のアルコキシ基)、吸着基又は配向誘導基で置換されてもよい。
上記メソゲン基のうち、好ましい形態は、式(me−8)〜(me−44)であり、より好ましい形態は、式(me−8)〜(me−10)、式(me−12)〜(me−18)、式(me−22)〜(me−24)、式(me−26)〜(me−27)及び式(me−29)〜(me−44)であり、さらに好ましい形態は、式(me−12)、(me−15)〜(me−16)、(me−22)〜(me−24)、(me−29)、(me−34)、(me−36)〜(me−37)、(me−42)〜(me−44)である。
上記メソゲン基のうち、特に好ましい形態は、下記一般式(AL−1)又は(AL−2)であり、最も好ましい形態は、下記一般式(AL−1)である。
Figure 2020050871
式中、XAL101〜XAL118、XAL201〜XAL214は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲノ基、PAPl−SpAPl−、吸着基又は配向誘導基を表す。
環AAL11、環AAL12及び環AAL21は、それぞれ独立して、シクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。
AL101〜XAL118、XAL201〜XAL214のいずれか1種又は2種以上が、吸着基で置換されている。
AL101〜XAL118、XAL201〜XAL214のいずれか1種又は2種以上が、配向誘導基で置換されている。
吸着基及び配向誘導基は、PAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
一般式(AL−1)又は一般式(AL−2)は、その分子内にPAP1−SpAPl−を1種又は2種以上有する。
一般式(AL−1)において、XAL101は、配向誘導基であることが好ましい。
一般式(AL−1)において、XAL109、XAL110及びXAL111の少なくとも1つが吸着基であることが好ましく、XAL109及びXAL110がともに吸着基であること又はXAL110が吸着基であることがより好ましく、XAL110が吸着基であることがさらに好ましい。
一般式(AL−1)において、XAL109、XAL110及びXAL111の少なくとも1つがPAP1−SpAP1−又は構造内に重合可能な部位を有する吸着基であることが好ましく、XAL109及びXAL111の両方又は一方がPAP1−SpAP1−であることがより好ましい。
一般式(AL−1)において、XAL104〜XAL108、XAL112〜XAL116の1つ又は2つがそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又はハロゲノ基であることが好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることがより好ましい。特に、XAL105、XAL106又はXAL107がそれぞれ独立して、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることが好ましい。
一般式(AL−2)において、XAL201は、配向誘導基であることが好ましい。
一般式(AL−2)において、XAL207、XAL208及びXAL209の少なくとも1つが吸着基であることが好ましく、XAL207及びXAL208がともに吸着基であること又はXAL208が吸着基であることがより好ましく、XAL208が吸着基であることがさらに好ましい。
一般式(AL−2)において、XAL207、XAL208及びXAL209の少なくとも1つがPAP1−SpAP1−又は構造内に重合可能な部位を有する吸着基であることが好ましく、XAL207及びXAL209の両方又は一方がPAP1−SpAP1−であることがより好ましい。
一般式(AL−2)において、XAL202〜XAL206、XAL210〜XAL214の1つ又は2つがそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又はハロゲノ基であることが好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることがより好ましい。特に、XAL204、XAL205又はXAL206がそれぞれ独立して、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフッ素原子であることが好ましい。
「吸着基」
吸着基は、基板、膜、電極など液晶組成物と当接する層である吸着媒と吸着する役割を備えた基である。
吸着は、一般的に、化学結合(共有結合、イオン結合又は金属結合)をつくって吸着媒と吸着質との間で吸着する化学吸着と、化学吸着以外の物理吸着とに分別される。本明細書中において、吸着は、化学吸着又は物理吸着のいずれでもよいが、物理吸着であることが好ましい。そのため、吸着基は、吸着媒と物理吸着可能な基であることが好ましく、分子間力により吸着媒と結合可能な基であることがより好ましい。
分子間力により吸着媒と結合する形態としては、永久双極子、永久四重極子、分散力、電荷移動力又は水素結合などの相互作用による形態が挙げられる。
吸着基の好ましい形態としては、水素結合により吸着媒と結合可能な形態が挙げられる。この場合、吸着基が水素結合を介在するプロトンのドナー及びアクセプターのいずれの役割を果たしてもよく、若しくは双方の役割を果たしてもよい。
吸着基は、炭素原子とヘテロ原子とが連結した原子団を有する極性要素を含む基(以下、「吸着基」を「極性基」とも記載する。)であることが好ましい。本明細書中において、極性要素とは、炭素原子とヘテロ原子とが直接連結した原子団をいう。
ヘテロ原子としては、N、O、S、P、B、Si等が挙げられるが、N、O及びBからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、N及びOからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、Oであることがさらに好ましい。
また、配向助剤において、極性要素の価数は、1価、2価、3価など特に制限されず、また吸着基中の極性要素の個数も特に制限されることはない。
配向助剤は、一分子中に1〜8個の吸着基を有することが好ましく、1〜4個の吸着基を有することがより好ましく、1〜3個の吸着基を有することがさらに好ましい。
なお、吸着基からは、重合性基及び配向誘導基を除くが、吸着基中の水素原子がPAP1−SpAP1−で置換された構造及びPAP1−SpAP1−中の水素原子が−OHで置換された構造は吸着基に含む。
吸着基は、1又は2以上の極性要素を含み、環式基型と鎖式基型とに大別される。
環式基型は、その構造中に極性要素を含む環状構造を備えた環式基を含む形態であり、鎖式基型は、その構造中に極性要素を含む環状構造を備えた環式基を含まない形態である。
鎖式基型は、直鎖又は分岐した鎖状基中に極性要素を有する形態であり、その一部に極性要素を含まない環状構造を有していてもよい。
環式基型の吸着基とは、少なくとも1つの極性要素を環状の原子配列内に含む構造を有する形態を意味する。
なお、本明細書中において、環式基とは、上述した通りである。そのため、環式基型の吸着基は、極性要素を含む環式基さえ含んでいればよく、吸着基全体としては分岐しても直鎖状であってもよい。
一方、鎖式基型の吸着基とは、分子内に極性要素を含む環状の原子配列を含まず、かつ少なくとも1つの極性要素を線状の原子配列(枝分かれしてもよい)内に含む構造を有する形態を意味する。
なお、本明細書中において、鎖式基とは、構造式中に環状の原子配列を含まず、構成する原子が線状(分岐してもよい)に結合した原子団をいい、非環式基をいう。換言すると、鎖式基とは、直鎖状又は分枝状の脂肪族基をいい、飽和結合又は不飽和結合のどちらを含んでもよい。
したがって、鎖式基には、例えば、アルキル、アルケニル、アルコキシ、エステル、エーテル又はケトンなどが含まれる。なお、これらの基中の水素原子は、少なくとも1つの置換基(反応性官能基(ビニル基、アクリル基、メタクリル基等)、鎖状有機基(アルキル、シアノ等))で置換されてもよい。また、鎖式基は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。
環式基型の吸着基としては、炭素原子数3〜20の複素芳香族基(縮合環を含む)又は炭素原子数3〜20の複素脂環族基(縮合環を含む)であることが好ましく、炭素原子数3〜12の複素芳香族基(縮合環を含む)又は炭素原子数3〜12の複素脂環族基(縮合環を含む)であることがより好ましく、5員環の複素芳香族基、5員環の複素脂環族基、6員環の複素芳香族基又は6員環の複素脂環族基であることがさらに好ましい。なお、これらの環構造中の水素原子は、ハロゲノ基、炭素原子数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルキルオキシ基で置換されてもよい。
鎖式基型の吸着基としては、構造内の水素原子や−CH−が極性要素で置換された直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましい。なお、アルキル基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。また、鎖式基型の吸着基は、その端部に1個又は2個以上の極性要素を含むことが好ましい。
吸着基中の水素原子は、重合性基で置換されてもよい。
極性要素の具体例としては、酸素原子を含む極性要素(以下、含酸素極性要素)、窒素原子を含む極性要素(以下、含窒素極性要素)、リン原子を含む極性要素(以下、含リン極性要素)、ホウ素原子を含む極性要素(以下、含ホウ素極性要素)、ケイ素原子を含む極性要素(以下、含ケイ素極性要素)又は硫黄原子を含む極性要素(以下、含硫黄極性要素)が挙げられる。吸着能の観点から、極性要素としては、含窒素極性要素、含窒素極性要素又は含酸素極性要素であることが好ましく、含酸素極性要素であることがより好ましい。
含酸素極性要素としては、水酸基、アルキロール基、アルコキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、エーテル基、カルボニル基、カーボネート基及びエステル基からなる群から選択される少なくとも1種の基又は当該基が炭素原子に連結している基であることが好ましい。
含窒素極性要素としては、シアノ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、ピリジル基、カルバモイル基及びウレイド基からなる群から選択される少なくとも1種の基又は当該基が炭素原子に連結している基であることが好ましい。
含リン極性要素としては、ホスフィニル基及びリン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の基又は当該基が炭素原子に連結している基であることが好ましい。
そのため、吸着基としては、含酸素極性要素を備えた環式基(以下、含酸素環式基)、含窒素極性要素を備えた環式基(以下、含窒素環式基)、含硫黄極性要素を備えた環式基(以下、含硫黄環式基)、含酸素極性要素を備えた鎖式基(以下、含酸素鎖式基)及び含窒素極性要素を備えた鎖式基(以下、含窒素鎖式基)からなる群から選択される1種又は2種以上の基自体又は当該基を含むことが好ましく、吸着能の観点から含酸素環式基、含硫黄環式基、含酸素鎖式基及び含窒素鎖式基からなる群から選択される1種又は2種以上の基を含むことがより好ましい。
含酸素環式基としては、環構造内に酸素原子をエーテル基として有する下記の基のいずれかを含むことが好ましい。
Figure 2020050871
また、含酸素環式基としては、環構造内に酸素原子をカルボニル基、カーボネート基及びエステル基として有する下記の基のいずれかを含むことが好ましい。
Figure 2020050871
含窒素環式基としては、下記の基のいずれかを含むことが好ましい。
Figure 2020050871
含酸素鎖式基としては、下記の基のいずれかを含むことが好ましい。
Figure 2020050871
式中、Rat1は、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
at1は、単結合、炭素原子数1〜15の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又は炭素原子数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基を表す。ただし、アルキレン基又はアルケニレン基中の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−で置換されてもよい。
at1は、炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。ただし、アルキル基中の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−で置換されてもよい。
含窒素鎖式基としては、下記の基のいずれかを含むことが好ましい。
Figure 2020050871

式中、Rat、Rbt、Rct及びRdtは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
吸着基としては、下記一般式(AT)で表される基であることが好ましい。
Figure 2020050871
式中、SpAT1は、単結合、炭素原子数1〜25の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。ただし、アルキレン基中の水素原子は、−OH、−CN、−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキレン基中の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−、−CH=CH−で置換されてもよい。
AT1は、単結合又は下記一般式(WAT1)又は(WAT2)を表す。
AT1は、極性要素を含む1価の基を表す。ただし、ZAT1中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。


Figure 2020050871

(式中、SpWAT1及びSpWAT2は、それぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜25の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキレン基中の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。)
SpAT1、SpWAT1及びSpWAT2は、それぞれ独立して、単結合又は直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は直鎖状の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表すことがより好ましく、単結合又は直鎖状の炭素原子数2〜10のアルキレン基を表すことがさらに好ましい。
また、SpAT1、SpWAT1及びSpWAT2において、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、酸素原子が直接結合しないよういに、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
また、SpAT1及びSpWAT1中の水素原子は、それぞれ独立して、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
AT1は、極性要素を含む1価の基を表すが、下記一般式(ZAT1−1)又は(ZAT1−2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2020050871
式中、SpZAT11及びSpZAT12は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜25の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。ただし、アルキレン基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキレン基中の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
ZAT11は、極性要素を含む基を表す。
一般式(ZAT1−2)中のZZAT12を含む環で表した構造は、5〜7員環を表す。
ZAT11及びZZAT12中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
ZAT11及びRZAT12は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、アルキル基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキル基中の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
一般式(ZAT1−1)で表される基としては、下記一般式(ZAT1−1−1)〜(ZAT1−1−30)で表される基であることが好ましい。
Figure 2020050871
Figure 2020050871
式中、炭素原子に結合する水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
SpZAT11は、炭素原子数1〜25の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。ただし、アルキレン基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキレン基中の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
ZAT11は、炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。ただし、アルキル基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキル基中の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
一般式(ZAT1−2)で表される基としては、下記一般式(ZAT1−2−1)〜(ZAT1−2−9)で表される基であることが好ましい。
Figure 2020050871
式中、炭素原子に結合する水素原子は、ハロゲン原子、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
SpZAT11は、炭素原子数1〜25の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。ただし、アルキレン基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキレン基中の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
一般式(ZAT1−1)で表される基としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
式中、Rtcは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基又はPAP1−SpAP1−を表す。ただし、アルキル基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキル基中の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
分子内の水素原子は、PAP1−SpAP1−で置換されてもよい。
*は、結合手を表す。
配向助剤は、吸着基に含まれる極性要素や重合性基に含まれる極性要素が局在化する形態であることが好ましい。吸着基は、液晶分子を垂直配向させるために重要な構造であり、吸着基と重合性基とが隣接していることで、より良好な配向性が得られ、また液晶組成物への良好な溶解性を示す。
具体的には、配向助剤は、メソゲン基の同一環上に重合性基及び吸着基を有する形態であることが好ましい。かかる形態には、1以上の重合性基及び1以上の吸着基がそれぞれ同一環上に結合している形態と、1以上の重合性基の少なくとも一つ又は1以上の吸着基の少なくとも一つのうち、一方が他方に結合して、同一環上に重合性基及び吸着基を有する形態とが含まれる。
また、この場合、重合性基が有するスペーサ基中の水素原子が、吸着基で置換されてもよく、さらには吸着基中の水素原子が、スペーサ基を介して重合性基で置換されてもよい。
配向助剤としては、下記一般式(SAL)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020050871
式中、炭素原子に結合する水素原子は、炭素原子数1〜25の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよい。ただし、アルキル基中の水素原子は、−OH、−CN、−SpAT1−WAT1−ZAT1又はPAP1−SpAP1−で置換されてもよく、アルキル基中の−CH−は、酸素原子が直接結合しないように環式基、−O−、−COO−、−C(=O)−、−OCO−又は−CH=CH−で置換されてもよい。
AK1は、一般式(AK)におけるRAK1と同じ意味を表す。
AL1及びAAL2は、それぞれ独立して、一般式(AL)におけるAAL1及びAAL2と同じ意味を表す。
AL1は、一般式(AL)におけるZAL1と同じ意味を表す。
AL1は、一般式(AL)におけるmAL1と同じ意味を表す。
SpAT1は、一般式(AT)におけるSpAT1と同じ意味を表す。
AT1は、一般式(AT)におけるWAT1と同じ意味を表す。
AT1は、一般式(AT)におけるZAT1と同じ意味を表す。
このような配向助剤の中でも、本発明では、順相薄層クロマトグラフィー(順相TLC)における移動率(Rf(p))と逆相薄層クロマトグラフィー(逆相TLC)における移動率(Rf(n))との積(Rf積)が0.11〜0.2である配向助剤を使用する。
Rf積は、配向助剤における親水性と疎水性とのバランスを示す指標である。上記構造の配向助剤では、そのRf積はRf(p)に影響を受け易い傾向にある。
すなわち、Rf積が0.11未満の配向助剤は、極性が高過ぎて、液晶組成物中に溶解させることが困難である。このため、液晶組成物の低温保存安定性が極めて低い。一方、Rf積が0.2超の配向助剤は、極性が低過ぎて、基板に対する密着力が得られない。このため、十分な液晶分子の配向規制力が発揮できない。
これに対して、Rf積が0.11〜0.2の配向助剤は、親水性と疎水性とをバランスよく備えている。換言すれば、かかる配向助剤は、適度な極性を有し、基板に対する十分な密着力を発揮するとともに、液晶組成物中への溶解性も良好である。したがって、液晶組成物は、低温保存安定性に優れ、かつ液晶分子に対する高い配向規制力を発揮する。
Rf積は、0.11〜0.2であればよいが、0.017〜0.2程度であることが好ましく、0.017〜0.125程度であることがより好ましく、0.025〜0.05程度であることがさらに好ましい。かかる範囲のRf積を有する配向助剤を用いることにより、上記効果がより向上する。
Rf積が0.11〜0.2の配向助剤としては、下記式(SAL−1)〜(SAL−9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871

Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
Figure 2020050871
ここで、Rf(p)は、順相TLCを用いて対象サンプルを測定した際の相対移動度であり、Rf(p)=(測定対象サンプルの移動距離/溶媒の移動距離)で表される。例えば、測定条件としては、メルク社製「シリカゲル 60 F254」を使用して、トルエンと酢酸エチルとを容積比4:1で混合した混合溶媒を展開溶媒に使用して測定する。
一方、Rf(n)は、逆相TLCを用いて対象サンプルを測定した際の相対移動度であり、Rf(n)=(測定対象サンプルの移動距離/溶媒の移動距離)で表される。例えば、測定条件としては、メルク社製「シリカゲル 60 RP−18 F254s」を使用して、メタノールを展開溶媒に使用して測定する。
液晶組成物中に含まれる配向助剤の量は、0.3〜4.3質量%程度であることが好ましく、0.5〜4質量%程度であることがより好ましく、0.75〜2質量%程度であることがさらに好ましい。かかる量で配向助剤を含む液晶組成物は、液晶分子の配向規制力が高く、低温安定保存性にも優れる。また、液晶表示素子に滴下ムラも生じ難くもなる。
これに対して、配向助剤の量が少な過ぎると、配向付与時の条件等によっては、液晶分子の配向が不十分となる場合がある。一方、配向助剤の量が多過ぎると、低温保存時の条件等によっては、液晶組成物の保存安定性が低下する傾向を示すとともに、重合物の厚さの均一性が損なわれて、液晶分子の配向が若干低下し易くなる。
((液晶分子))
液晶分子は、一般式(N−1)〜(N−3)で表される化合物のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
Figure 2020050871
式中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、該アルキル基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、−O−で置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)、及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよい。
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又はC≡C−を表す。
N21は、水素原子又はフッ素原子を表す。
N31は、−CH−又は酸素原子を表す。
N11、nN12、nN21、nN22、nN31及びnN32は、それぞれ独立して、0〜3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、それぞれ独立して、1、2又は3であり、AN11〜AN32、ZN11〜ZN32が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
N11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であることがより好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることがさらに好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基であることが特に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)であることが最も好ましい。
また、それらは、ベンゼン環(芳香族環)である環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数4〜5のアルケニル基であることが好ましく、シクロヘキサン環、ピラン環、ジオキサン環のような飽和した環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。なお、ネマチック相を安定化させるためには、それらの炭素原子の数(酸素原子を含む場合には、炭素原子の数と酸素原子の数との合計)が5以下であることが好ましく、直鎖状であることも好ましい。
アルケニル基は、下記式(R1)〜(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871

各式中の黒点は、環構造中の炭素原子を表す。
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して、Δnを大きくすることが求められる場合には、芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましい。
具体的には、AN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましく、下記化38の基のうちのいずれかであることがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基であることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して、−CHO−、−CFO−、−CHCH−、−CFCF−又は単結合であることが好ましく、−CHO−、−CHCH−又は単結合であることがより好ましく、−CHO−又は単結合がさらに好ましい。
N21は、フッ素原子であることが好ましい。
N31は、酸素原子であることが好ましい。
N11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、1又は2であることが好ましい。具体的には、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせが好ましい。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1)〜(N−3)で表される化合物の量は、それぞれ次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、55質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、85質量%、75質量%、65質量%、55質量%、45質量%、35質量%、25質量%、20質量%である。
液晶組成物の粘度(η)を低く保ち、応答速度を高める場合は、一般式(N−1)〜(N−3)で表される化合物の量は、下限値が低くかつ上限値も低い方が好ましい。さらに、液晶組成物のネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)を高く保ち、温度安定性を改善する場合は、その量は下限値が低くかつ上限値も低い方が好ましい。また、液晶表示素子の駆動電圧を低く保つため、液晶組成物の誘電率異方性(Δε)を大きくする場合は、その量は下限値が高くかつ上限値も高い方が好ましい。
一般式(N−1)で表される化合物としては、下記一般式(N−1a)〜(N−1g)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020050871
式中、RN11及びRN12は、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
Na11は、0又は1を表す。
Nb11は、1又は2を表す。
Nc11は、0又は1を表す。
Nd11は、1又は2を表す。
Ne11は、1又は2を表す。
Nf12は、1又は2を表す。
Ng11は、1又は2を表す。
Ne11は、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表す。
Ng11は、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すが、少なくとも1つは、1,4−シクロヘキセニレン基を表す。
Ne11は、単結合又はエチレン基を表すが、少なくとも1つは、エチレン基を表す。
ただし、ANe11、ZNe11及び/又はANg11が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
より具体的には、一般式(N−1)で表される化合物は、下記一般式(N−1−1)〜(N−1−21)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN111及びRN112は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N111は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基であることがより好ましい。
N112は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−1)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
さらに、一般式(N−1−1)で表される化合物は、下記式(N−1−1.1)〜(N−1−1.25)で表される化合物から選ばれることが好ましく、下記式(N−1−1.1)〜(N−1−1.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、下記式(N−1−1.1)及び(N−1−1.3)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
式(N−1−1.1)〜(N−1−1.25)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−1.1)〜(N−1−1.25)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
一般式(N−1−2)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN121及びRN122は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N121は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基であることがより好ましい。
N122は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−2)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−2)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%、37質量%、40質量%、42質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、48質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%である。
さらに、一般式(N−1−2)で表される化合物は、下記式(N−1−2.1)〜(N−1−2.25)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−2.3)〜(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)、式(N−1−2.13)及び式(N−1−2.20)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
なお、一般式(N−1−2)で表される化合物は、Δεの改良を重視する場合には、式(N−1−2.3)〜(N−1−2.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、Tniの改良を重視する場合には、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物から選ばれることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には、式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020050871
式(N−1−2.1)〜(N−1−2.25)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−2.1)〜(N−1−2.25)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
一般式(N−1−3)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN131及びRN132は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N131は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N132は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、1−プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−3)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−3)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−3)で表される化合物は、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.21)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.7)及び式(N−1−3.21)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−3.1)、式(N−1−3.2)、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
式(N−1−3.1)〜(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできるが、式(N−1−3.1)で表される化合物と式(N−1−3.2)で表される化合物との併用、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)から選ばれる2種又は3種の併用が好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−3.1)〜(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−4)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN141及びRN142は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N141及びRN142は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−4)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、8質量%である。
さらに、一般式(N−1−4)で表される化合物は、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.24)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−4.1)、式(N−1−4.2)及び式(N−1−4.4)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871
式(N−1−4.1)〜(N−1−4.24)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−4.1)〜(N−1−4.24)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、8質量%である。
一般式(N−1−5)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN151及びRN152は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N151及びRN152は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。
一般式(N−1−5)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−5)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、8質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−5)で表される化合物は、式(N−1−5.1)〜(N−1−5.12)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
Figure 2020050871
式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、8質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−10)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1101及びRN1102は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1101は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基であることがより好ましい。
N1102は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−10)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−10)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−10)で表される化合物は、式(N−1−10.1)〜(N−1−10.14)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−10.1)〜(N−1−10.5)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−10.1)及び式(N−1−10.2)で表される化合物から選ばれることがさら好ましい。
Figure 2020050871
式(N−1−10.1)及び式(N−1−10.2)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−10.1)及び式(N−1−10.2)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−11)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1111及びRN1112は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1111は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基であることがより好ましい。
N1112は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−11)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−11)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−11)で表される化合物は、式(N−1−11.1)〜(N−1−11.14)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−11.1)〜(N−1−11.14)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−11.2及び式(N−1−11.4)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−12)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1121及びRN1122は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1121は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N1122は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−12)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−12)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−13)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1131及びRN1132は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1131は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N1132は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−13)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−13)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−14)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1141及びRN1142は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1141は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N1142は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−14)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択され。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−14)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−14)で表される化合物は、式(N−1−14.1)〜(N−1−14.5)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−14.1)〜(N−1−14.3)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−14.2)及び式(N−1−14.3)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
一般式(N−1−20)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1201及びRN1202は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
一般式(N−1−20)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−20)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−21)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1211及びRN1212は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1211及びRN1212は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
一般式(N−1−21)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−21)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−22)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RN1221及びRN1222は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1221及びRN1222は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
一般式(N−1−22)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−22)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、5質量%である。
さらに、一般式(N−1−22)で表される化合物は、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.12)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.5)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.4)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
液晶組成物は、さらに、下記一般式(L)で表される化合物(液晶分子)から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。一般式(L)で表される化合物は、誘電率異方性を有さないか、あるいは極めて低い。このため、かかる化合物を液晶組成物中に配合することにより、液晶組成物の各種特性を調整することができる。
Figure 2020050871
式中、RL1及びRL2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、該アルキル基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又はOCO−で置換されてもよい。
L1は、0、1、2又は3を表す。
L1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、−O−で置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)、及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよい。
L1及びZL2は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又はC≡C−を表す。
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
L1が2又は3であってZL3が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
ただし、一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)で表される化合物を除く。
一般式(L)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類である。あるいは、使用する化合物の種類は、本発明の別の実施形態では、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、55質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、85質量%、75質量%、65質量%、55質量%、45質量%、35質量%、25質量%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値も高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値も高いことが好ましい。また、液晶組成物の駆動電圧を低く保つべく、その誘電率異方性を大きくしたい場合には、上記の下限値が低く、かつ上限値も低いことが好ましい。
信頼性を重視する場合には、RL1及びRL2の双方がアルキル基であることが好ましく、揮発性を低減させることを重視する場合には、RL1及びRL2の双方がアルコキシ基であることが好ましく、液晶組成物の粘性の低下を重視する場合には、RL1及びRL2の少なくとも一方がアルケニル基であることが好ましい。
分子内に存在するハロゲン原子の数は、0、1、2又は3個であることが好ましく、0又は1個であることがより好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には、1個であることがさらに好ましい。
L1及びRL2は、それらがベンゼン環(芳香族環)である環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数4〜5のアルケニル基であることが好ましく、それらがシクロヘキサン環、ピラン環、ジオキサン環のような飽和した環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。なお、ネマチック相を安定化させるためには、炭素原子の数(酸素原子を含む場合には、炭素原子の数と酸素原子の数との合計)が5以下であることが好ましく、直鎖状であることも好ましい。
アルケニル基は、下記式(R1)〜(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871

各式中の黒点は、環構造中の炭素原子を表す。
L1は、応答速度を重視する場合には0であることが好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3であることが好ましく、これらのバランスをとるためには1であることが好ましい。また、液晶組成物として求められる特性を満たすためには、nL1が異なる値である複数種類の一般式(L)で表される化合物を併用することが好ましい。
L1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して、Δnを大きくすることが求められる場合には、芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましい。
具体的には、AL1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましく、下記化64の基のうちのいずれかであることがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基であることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
L1及びZL2は、応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は、その分子内に存在するハロゲン原子の数が0又は1個であることが好ましい。
より具体的には、一般式(L)で表される化合物は、下記一般式(L−1)〜(L−7)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RL11及びRL12は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L11及びRL12は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1)で表される化合物の量は、次のように設定される。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%、35質量%、40質量%、45質量%、50質量%、55質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性を高める必要がある場合には、上記の下限値が中庸、かつ上限値が中庸であることが好ましい。また、液晶組成物の駆動電圧を低く保つべく、その誘電率異方性を大きくしたい場合には、上記の下限値が低く、かつ上限値も低いことが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−1)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871

式中、RL12は、一般式(L−1)におけるRL12と同じ意味を表す。
一般式(L−1−1)で表される化合物は、式(L−1−1.1)〜(L−1−1.3)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−1.2)及び式(L−1−1.3)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(L−1−1.3)で表される化合物であることがさらに好ましい。
Figure 2020050871
液晶組成物中に含まれる式(L−1−1.3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−2)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871

式中、RL12は、一般式(L−1)におけるRL12と同じ意味を表す。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
さらに、一般式(L−1−2)で表される化合物は、式(L−1−2.1)〜(L−1−2.4)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−2.2)〜(L−1−2.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
特に、式(L−1−2.2)で表される化合物は、液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−2.3)又は式(L−1−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、液晶組成物中に含まれる式(L−1−2.3)で表される化合物と式(L−1−2.4)で表される化合物との合計量は、低温での溶解度を良くするためには、30質量%以上にすることは好ましくない。
Figure 2020050871
液晶組成物中に含まれる式(L−1−2.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、10質量%、15質量%、18質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%、38質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、32質量%、30質量%、27質量%、25質量%、22質量%である。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−1.3)で表される化合物と式(L−1−2.2)で表される化合物との合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、32質量%、30質量%、27質量%、25質量%、22質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871

式中、RL13及びRL14は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。
L13及びRL14は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、37質量%、35質量%、33質量%、30質量%、27質量%、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
さらに、一般式(L−1−3)で表される化合物は、式(L−1−3.1)〜(L−1−3.13)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
特に、式(L−1−3.1)で表される化合物は、液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)又は式(L−1−3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、液晶組成物中に含まれる式(L−1−3.3)で表される化合物と、式(L−1−3.4)で表される化合物と、式(L−1−3.11)で表される化合物と式(L−1−3.13)で表される化合物との合計量は、低温での溶解度を良くするためには、20質量%以上にすることは好ましくない。
Figure 2020050871
液晶組成物中に含まれる式(L−1−3.1)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−4)及び/又は(L−1−5)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871

式中、RL15及びRL16は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。
L15及びRL16は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−4)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−5)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
さらに、一般式(L−1−4)及び(L−1−5)で表される化合物は、式(L−1−4.1)〜(L−1−5.3)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−4.2)及び式(L−1−5.2)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
Figure 2020050871
液晶組成物中に含まれる式(L−1−4.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%である。
式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用すること、あるいは式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)及び式(L−1−4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用することも好ましい。
液晶組成物中に含まれるこれらの化合物の合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、80質量%、70質量%、60質量%、50質量%、45質量%、40質量%、37質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%である。
液晶組成物の信頼性を重視する場合には、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用することが好ましく、液晶組成物の応答速度を重視する場合には、式(L−1−1.3)及び式(L−1−2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用することが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−6)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871

式中、RL17及びRL18は、それぞれ独立して、メチル基又は水素原子を表す。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−6)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
さらに、一般式(L−1−6)で表される化合物は、式(L−1−6.1)〜(L−1−6.3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871
一般式(L−2)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RL21及びRL22は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L21は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L22は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−2)で表される化合物の量は、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10%質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)〜(L−2.6)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
Figure 2020050871
一般式(L−3)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RL31及びRL32は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L31及びRL32は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−3)で表される化合物の量は、高い複屈折率を得る場合には高めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)〜(L−3.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−3.2)〜(L−3.5)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
Figure 2020050871
一般式(L−4)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RL41及びRL42は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L41は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L42は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−4)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
さらに、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.1)〜(L−4.3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871
液晶組成物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有してもよいし、式(L−4.2)で表される化合物を含有してもよいし、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との双方を含有してもよいし、式(L−4.1)〜(L−4.3)で表される化合物の全てを含有してもよい。
液晶組成物中に含まれる式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、9質量%、11質量%、12質量%、13質量%、18質量%、21質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%である。
液晶組成物が式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との双方を含有する場合には、それらの液晶組成物中に含まれる合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、15質量%、19質量%、24質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
また、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.4)〜(L−4.6)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2020050871
液晶組成物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有してもよく、式(L−4.5)で表される化合物を含有してもよく、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との双方を含有していてもよい。
液晶組成物中の式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、9質量%、11質量%、12質量%、13質量%、18質量%、21質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%である。
液晶組成物が式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との双方を含有する場合には、これらの液晶組成物中に含まれる合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、15質量%、19質量%、24質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
また、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)〜(L−4.10)で表される化合物から選ばれることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020050871
一般式(L−5)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RL51及びRL52は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L51は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L52は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−5)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
さらに、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
Figure 2020050871
また、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
Figure 2020050871
また、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)〜(L−5.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、特に、式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1%質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
Figure 2020050871
一般式(L−6)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RL61及びRL62は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L61及びXL62は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。
L61及びRL62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L61及びXL62のうちの一方がフッ素原子であり、他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−6)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。なお、一般式(L−6)で表される化合物の量は、Δnを大きくすることに重点を置く場合には多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置く場合には少ない方が好ましい。
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)〜(L−6.9)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、式(L−6.1)〜(L−6.9)で表される化合物の中から1〜3種類選択することが好ましく、1〜4種類選択することがより好ましい。
また、併用する化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)及び式(L−6.2)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.4)及び式(L−6.5)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.6)及び式(L−6.7)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.8)及び式(L−6.9)で表される化合物の中から1種類とを選択し、これらを適宜組み合わせることが好ましい。
中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)、式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
また、一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.10)〜(L−6.17)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−6.11)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2020050871
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい含有量の上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
一般式(L−7)で表される化合物は、下記の化合物である。
Figure 2020050871

式中、RL71及びRL72は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L71及びAL72は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72中に存在する水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子で置換されもよい。
L71は、一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表す。
L71及びXL72は、それぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表す。
式中、RL71及びRL72は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
L71及びAL72は、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基であることが好ましい。なお、AL71及びAL7中に存在する水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子で置換されてもよい。
L71は、単結合又はCOO−であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
L71及びXL72は、水素原子であることが好ましい。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−7)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
なお、一般式(L−7)で表される化合物の量は、Tniの高い液晶組成物が求められる場合には多めにすることが好ましく、低粘度の液晶組成物が求められる場合には少なめにすることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)〜(L−7.4)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2020050871
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)〜(L−7.13)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020050871
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)〜(L−7.23)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.21)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2020050871
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)〜(L−7.34)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.31)及び/又は式(L−7.32)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2020050871
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)〜(L−7.44)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.41)及び/又は式(L−7.42)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2020050871
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.51)〜(L−7.53)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
Figure 2020050871
以上のような液晶組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を有する化合物を含有しないことが好ましい。
なお、液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合には、カルボニル基を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を、5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることがさらに好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
UV照射による安定性を重視する場合には、塩素原子が置換している化合物の液晶組成物中の量を、15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましく、8質量%以下とすることがさらに好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましく、3質量%以下とすることが特に好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
また、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の液晶組成物中に含まれる量を多くすることが好ましく、具体的には80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることがさらに好ましく、実質的に100質量%とすることが最も好ましい。
液晶組成物の酸化による劣化を防止又は抑制するためには、環構造としてシクロヘキセン環を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることがより好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましく、3質量%以下とすることが特に好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
さらに、液晶組成物の酸化による劣化を防止又は抑制するためには、連結基として−CH=CH−を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
液晶組成物の粘度(η)を改善し、かつネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)を改善することを重視する場合には、水素原子がハロゲン原子で置換されてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
液晶組成物中に含まれる化合物(液晶分子等)が、側鎖としてアルケニル基が結合したシクロヘキシレン基を有する場合には、アルケニル基の炭素原子数は、2〜5であることが好ましい。また、液晶組成物中に含まれる化合物が、側鎖としてアルケニル基が結合したフェニレン基を有する場合には、アルケニル基の炭素原子数は、4〜5であることが好ましく、アルケニル基が有する不飽和結合とフェニレン基とは直接結合していないことが好ましい。
また、液晶組成物の安定性を重視する場合には、側鎖としてアルケニル基を有し、かつ2,3−ジフルオロベンゼン−1,4−ジイル基を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
液晶組成物の平均弾性定数(KAVG)は、好ましくは10〜25である。ただし、その好ましい下限値は、10、10.5、11、11.5、12、12.3、12.5、12.8、13、13.3、13.5、13.8、14、14.3、14.5、14.8、15、15.3、15.5、15.8、16、16.3、16.5、16.8、17、17.3、17.5、17.8、18である。一方、その好ましい上限値は、25、24.5、24、23.5、23、22.8、22.5、22.3、22、21.8、21.5、21.3、21、20.8、20.5、20.3、20、19.8、19.5、19.3、19、18.8、18.5、18.3、18、17.8、17.5、17.3、17である。
消費電力削減を重視する場合には、バックライトの光量を抑えることが有効であるので、液晶表示素子1の光の透過率を向上させることが好ましい。そのため、KAVGの値を低めに設定することが好ましい。応答速度の改善を重視する場合には、KAVGの値を高めに設定することが好ましい。
液晶組成物の25℃における屈折率異方性(Δn)(以下、単に「屈折率異方性」とも言う。)の値は、0.08〜0.13程度であることが好ましく、0.09〜0.12程度であることがより好ましい。
液晶組成物の25℃における回転粘度(γ1)(以下、単に「回転粘度」とも言う。)は、165mPa・s未満が好ましく、80〜145mPa・s程度がより好ましく、90〜130mPa・s程度がさらに好ましい。かかる回転粘度を有する液晶組成物を用いることにより、液晶層4(液晶表示素子1)の応答速度が低下することを防止することができる。
また、液晶組成物では、回転粘度と屈折率異方性の値との関数であるZが特定の値を示すことが好ましい。
Figure 2020050871
式中、γ1は、回転粘度を表し、Δnは、屈折率異方性を表す。
Zは、13,000mPa・s以下であることが好ましく、12,000mPa・s以下であることがより好ましく、11,000mPa・s以下であることがさらに好ましい。
液晶組成物のネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)は、60℃以上であることが好ましく、75℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましい。かかるTniを有する液晶組成物を用いることにより、実使用される温度範囲で安定した駆動が可能な液晶層4(液晶表示素子1)を得ることができる。
液晶組成物の比抵抗は、1012Ω・m以上であることが好ましく、1013Ω・m以上であることがより好ましく、1014Ω・m以上であることがさらに好ましい。
液晶組成物の25℃における誘電率異方性(Δε)の絶対値は、2.5〜5程度であることが好ましく、2.6〜4.5程度であることがより好ましく、2.7〜4程度であることがさらに好ましく、2.8〜3.5程度であることがさらに好ましい。かかる誘電率異方性を有する液晶組成物を用いることにより、液晶層4(液晶表示素子1)をより低電圧で駆動することができるようになる。
なお、以上説明した液晶組成物は、上記の液晶分子以外に、用途に応じて、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のような他の化合物(分子)を含有してもよい。
ただし、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には、他の化合物は、その構造中に塩素原子を有さないことが好ましい。また、液晶組成物の紫外線等の光に対する安定性が求められる場合には、他の化合物は、その構造中にナフタレン環等に代表される共役長が長く紫外領域に吸収ピークを有する縮合環等を有さないことが好ましい。
(液晶表示素子)
次に、以上のような液晶組成物から形成される液晶層を備える液晶表示素子について説明する。
図1は、液晶表示素子の一実施形態に模式的に示す分解斜視図、図2は、図1におけるI線で囲まれた領域を拡大した平面図である。
なお、図1及び図2では、便宜上、各部の寸法及びそれらの比率を誇張して示し、実際とは異なる場合がある。また、以下に示す材料、寸法等は一例であって、本発明は、それらに限定されず、その要旨を変更しない範囲で適宜変更することが可能である。
図1に示す液晶表示素子1は、対向するように配置されたアクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFと、アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの間に挟持された液晶層4とを備えている。
アクティブマトリクス基板AMは、第1の基板2と、第1の基板2の液晶層4側の面に設けられた画素電極層5と、第1の基板2の液晶層4と反対側の面に設けられた第1の偏光板7とを有している。
一方、カラーフィルタ基板CFは、第2の基板3と、第2の基板3の液晶層4側に設けられた共通電極層6と、第2の基板3の液晶層4と反対側の面に設けられた第2の偏光板8と、第2の基板3と共通電極層6との間に設けられたカラーフィルタ9とを有している。
すなわち、本実施形態に係る液晶表示素子1は、第1の偏光板7と、第1の基板2と、画素電極層5と、液晶層4と、共通電極層6と、カラーフィルタ9と、第2の基板3と、第2の偏光板8と、がこの順で積層された構成を有している。
第1の基板2及び第2の基板3は、それぞれ、例えばガラス材料、又はプラスチック材料のような柔軟性(可撓性)を有する材料で形成されている。
第1の基板2及び第2の基板3は、双方が透光性を有していても、一方のみが透光性を有していてもよい。後者の場合は、他方の基板は、例えば金属材料、シリコン材料のような不透明な材料で構成することができる。
画素電極層5は、図2に示すように、走査信号を供給するための複数のゲートバスライン11と、表示信号を供給するための複数のデータバスライン12と、複数の画素電極13とを有している。なお、図2には、一対のゲートバスライン11、11及び一対のデータバスライン12、12が示されている。
複数のゲートバスライン11と複数のデータバスライン12とは、互いに交差してマトリクス状に配置され、これらで囲まれた領域により、液晶表示素子1の単位画素が形成されている。各単位画素内には、1つの画素電極13が形成されている。
画素電極13は、互いに直交して十字形状をなす2つの幹部と、各幹部から分岐し、外方に向かって延在する複数の枝部とを備える構造(いわゆるフィッシュボーン構造)を有している。
一対のゲートバスライン11、11の間には、ゲートバスライン11とほぼ平行にCs電極14が設けられている。また、ゲートバスライン11とデータバスライン12とが互いに交差する交差部近傍には、ソース電極15及びドレイン電極16を含む薄膜トランジスタが設けられている。ドレイン電極16には、コンタクトホール17が設けられている。
ゲートバスライン11及びデータバスライン12は、それぞれ、例えばAl、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Ni又はこれらを含有する合金で形成することが好ましく、Mo、Al又はこれらを含有する合金で形成することがより好ましい。
画素電極13は、例えば、光の透過率を向上させるために透明電極で構成されている。透明電極は、ZnO、InGaZnO、SiGe、GaAs、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、TiO、AZTO(AlZnSnO)のような化合物をスパッタリング等することにより形成される。
透明電極の平均厚さは、10〜200nm程度であることが好ましい。また、電気的抵抗を低減するために、アモルファスのITO膜を焼成することにより多結晶のITO膜として透明電極を形成することもできる。
一方、共通電極層6は、例えば、併設された複数のストライプ状の共通電極(透明電極)を有している。この共通電極も、画素電極13と同様に形成することができる。
カラーフィルタ9は、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は染色法等によって作成することができる。
顔料分散法では、カラーフィルタ用の硬化性着色組成物を、第2の基板3上に所定のパターンとなるように供給した後、加熱又は光照射することにより硬化させる。この操作を、赤、緑、青の3色について行うことにより、カラーフィルタ9を得ることができる。
なお、カラーフィルタ9は、第1の基板2側に配置してもよい。
また、液晶表示素子1は、光の漏れを防止する観点から、ブラックマトリクス(図示せず)を設けるようにしてもよい。このブラックマトリクスは、薄膜トランジスタに対応する部分に形成することが好ましい。
なお、ブラックマトリクスは、第2の基板3側にカラーフィルタ9とともに配置してもよく、第1の基板2側にカラーフィルタ9とともに配置してもよく、ブラックマトリクスを第1の基板2側にカラーフィルタ9を第2の基板3側にそれぞれ個別に配置してもよい。また、ブラックマトリクスは、カラーフィルタ9の各色を重ね合わせ、透過率を低下させた部分で構成することもできる。
アクティブマトリックス基板AMとカラーフィルタ基板CFとは、それらの周縁領域において、エポキシ系熱硬化性組成物やアクリル系UV硬化性組成物等で構成されるシール材(封止材)によって互いに貼り合わされている。
なお、アクティブマトリックス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの間には、それらの離間距離を保持するスペーサを配置してもよい。スペーサとしては、例えばガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子のような粒状スペーサ、フォトリソグラフィー法により形成された樹脂製のスペーサ柱等が挙げられる。
アクティブマトリックス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの平均離間距離(すなわち、液晶層4の平均厚さ)は、1〜100μm程度であることが好ましい。
第1の偏光板7及び第2の偏光板8は、それらの透過軸の位置関係を調整することにより、視野角やコントラストが良好になるように設計することができる。具体的には、第1の偏光板7及び第2の偏光板8は、それらの透過軸がノーマリブラックモードで作動するように、互いに直交するように配置することが好ましい。特に、第1の偏光板7及び第2の偏光板8のうちのいずれか一方は、その透過軸が電圧無印加時の液晶分子の配向方向と平行となるように配置されることが好ましい。
また、第1の偏光板7及び第2の偏光板8を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶層4の屈折率異方性(Δn)と液晶層4の平均厚さとの積を調整することが好ましい。さらに、液晶表示素子1は、視野角を広げるための位相差フィルムを備えてもよい。
なお、液晶表示素子1では、アクティブマトリックス基板AM及びカラーフィルタ基板CFのうちの少なくとも一方の液晶層4側に、液晶層4に接触するようにして、ポリイミド配向膜等の配向膜を設けることができる。換言すれば、本発明では、配向助剤を含有する液晶組成物を用いるため、アクティブマトリックス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの一方又は双方に設けられる配向膜を省略することができる。
(液晶表示素子の製造方法)
次に、このような液晶表示素子1を製造する方法について説明する。
本実施形態の液晶表示素子の製造方法は、基板及び液晶組成物を準備する準備工程[1]と、各部を組み立てる組立工程[2]と、配向助剤及び/又は重合性化合物を重合させる重合工程[3]と、シール材を硬化させる硬化工程[4]とを有している。
[1] 準備工程
まず、アクティブマトリックス基板AMと、カラーフィルタ基板CFと、前述したような液晶組成物とを用意する。
[2] 組立工程
次に、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの少なくとも一方の縁部に沿って、ディスペンサーを用いてシール材を閉ループ土手状に描画する。
その後、所定量の液晶組成物をシール材の内側に滴下した後、減圧下に液晶組成物に接触するように、アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとを対向させて配置する。
このような滴下注入(ODF:One Drop Fill)法では、液晶表示素子1のサイズに応じて最適な注入量を滴下する必要がある。前述したような液晶組成物は、例えば、滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃に対する影響が少なく、長時間にわたって安定的に滴下し続けることが可能である。このため、液晶表示素子1の歩留まりを高く維持することができる。
特に、スマートフォンに多用される小型の液晶表示素子は、液晶組成物の最適な注入量が少ないため、そのズレ量を一定範囲内に制御すること自体が難しい。しかしながら、前述したような液晶組成物を用いることにより、小型の液晶表示素子においても安定かつ最適な注入量を正確に滴下することができる。
また、ODF法によれば、液晶組成物を基板に滴下した際の滴下痕の発生を抑えることができる。なお、滴下痕とは、黒表示した場合に液晶組成物を滴下した痕が白く浮かび上がる現象である。
[3] 重合工程
次に、紫外線、電子線のような活性エネルギー線を液晶組成物に対して照射することにより、配向助剤及び/又は重合性化合物を重合させる。
これにより、液晶層4の界面に液晶配向を制御する配向助剤の重合物を含むポリマ層が形成され、液晶層4が得られる。
ポリマ層(重合物)の厚さは、12〜140nm程度であることが好ましく、12〜100nm程度であることがより好ましい。かかる厚さのポリマ層であれば、液晶分子に対する十分な配向規制力を発揮するとともに、その配向規制力がポリマ層全体において均一になり易い。
液晶分子に対して十分なプレチルト角を付与するためには、適度な重合速度が望ましい。このため、重合の際には、活性エネルギー線を単一、併用又は順番に照射することが好ましい。紫外線を使用する場合は、偏光光源を用いてもよいし、非偏光光源を用いてもよい。
なお、本実施形態のように、液晶組成物に接触させるように、2つの基板を対向させた状態で重合を行う場合は、少なくとも照射面側に位置する基板は、活性エネルギー線に対して適当な透過性を有する必要がある。
また、重合は次のように複数段階で行ってもよい。具体的には、まず、電場、磁場又は温度等の条件を調整し、液晶分子の配向状態を変化させる。この状態で、活性エネルギー線を液晶組成物に照射して、配向助剤及び/又は重合性化合物を重合させる。次に、電場又は磁場を与えることなく、活性化エネルギー線を液晶組成物に照射して、残存する配向助剤及び/又は重合性化合物を重合させる。
特に、紫外線を使用する場合は、液晶組成物に対して交流電界を印加しつつ、紫外線を照射することが好ましい。
印加する交流の周波数は、10Hz〜10kHz程度であることが好ましく、60Hz〜10kHz程度であることがより好ましい。
印加する交流の電圧は、液晶表示素子1の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する交流の電圧を調整することにより、液晶表示素子1のプレチルト角を制御することができる。
本発明の配向助剤を使用することにより、液晶分子を垂直配向させることができる。この場合、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80〜89.9°程度に制御することが好ましい。
紫外線を照射する際の温度は、液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。具体的な温度は、室温に近い温度、すなわち、典型的には15〜35℃程度であることが好ましい。
紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、蛍光管等を用いることができる。
また、照射する紫外線は、液晶組成物の吸収波長域でない波長を有する紫外線であることが好ましく、必要に応じて所定の波長をカットして使用することがより好ましい。
照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm〜100W/cm程度であることが好ましく、2mW/cm〜50W/cm程度であることがより好ましい。なお、強度を変化させつつ、紫外線を照射するようにしてもよい。
照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm〜500J/cm程度であることが好ましく、100mJ/cm〜200J/cm程度であることがより好ましい。
また、紫外線を照射する時間は、その強度により適宜選択されるが、10〜3600秒程度であることが好ましく、10〜600秒程度であることがより好ましい。
[4]硬化工程
次に、加熱、紫外線(活性エネルギー線)照射等により、シール材を硬化させる。これにより、液晶表示素子1が得られる。
なお、[2]組立工程では、滴下注入(ODF)法に代えて、真空注入法を用いるようにしてもよい。例えば、真空注入法では、まず、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの少なくとも一方の縁部に沿って、注入口を残すようにしてシール材をスクリーン印刷する。その後、2つの基板AM、CFを貼り合わせ、加熱、紫外線照射等によりシール材を熱硬化させる。次に、液晶組成物を真空下で注入口を介して、2つの基板AM、CFの間のシール材で区画された空間内に注入した後、注入口を封止する。その後、[3]重合工程に移行する。
このようにして得られた液晶表示素子1は、PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型又はECB型の液晶表示素子であることが好ましく、PSA型の液晶表示素子であることがより好ましい。
以上、本発明の配向助剤、液晶組成物及び液晶表示素子を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を有する任意の構成に置換してもよく、他の任意の構成が付加されていてもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
液晶混合物について測定した特性は、次の通りである。
Tni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :293Kにおける屈折率異方性
Δε :293Kにおける誘電率異方性
γ1 :293Kにおける回転粘度(mPa・s)
K11 :293Kにおける広がりの弾性定数(pN)
K33 :293Kにおける曲がりの弾性定数(pN)
1.液晶混合物の調製
以下では、化合物の記載について、次の略号を用いる。略号中のnは自然数である。
(側鎖)
−n −C2n+1:炭素原子数nの直鎖状アルキル基
n− C2n+1−:炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
−On −OC2n+1:炭素原子数nの直鎖状アルコキシ基
(連結構造)
−nO− −C2nO−
(環構造)
Figure 2020050871
液晶混合物LC−1の組成及び物性について、以下の表1に示す。
Figure 2020050871
2.液晶組成物の調製
(実施例1〜9)
液晶混合物LC−1に対して、上記の配向助剤SAL−1〜SAL−9をそれぞれ混合して、加熱溶解することにより液晶組成物を得た。なお、液晶組成物中に含まれる配向助剤SAL−1〜SAL−9の量は、それぞれ下記表2又は表3に示すようになるように調製した。
(比較例1)
液晶混合物LC−1に対して、下記の化合物Aを混合して、加熱溶解することにより液晶組成物を得た。なお、液晶組成物中に含まれる化合物Aの量は、下記表3に示すようになるように調製した。
Figure 2020050871
(比較例2)
液晶混合物LC−1に対して、下記の化合物Bを混合して、加熱溶解することにより液晶組成物を得た。なお、液晶組成物中に含まれる化合物Bの量は、下記表3に示すようになるように調製した。
Figure 2020050871
(比較例3)
液晶混合物LC−1に対して、下記の化合物Cを混合して、加熱溶解することにより液晶組成物を得た。なお、液晶組成物中に含まれる化合物Cの量は、下記表3に示すようになるように調製した。
Figure 2020050871
(比較例4)
液晶混合物LC−1に対して、下記の化合物Dを混合して、加熱溶解することにより液晶組成物を得た。なお、液晶組成物中に含まれる化合物Dの量は、下記表3に示すようになるように調製した。
Figure 2020050871
3.測定
各実施例及び各比較例で使用した配向助剤または化合物について、Rf(p)及びRf(n)を測定し、Rf積を求めた。
Rf(p)は、順相TLC(メルク社製、「シリカゲル 60 F254」)を使用して、トルエンと酢酸エチルとを容積比4:1で混合した混合溶媒を展開溶媒に使用して測定した。
また、Rf(n)は、逆相TLC(メルク社製、「シリカゲル 60 RP−18 F254s」)を使用して、メタノールを展開溶媒に使用して測定した。
4.評価
各実施例及び各比較例で得られた液晶組成物について、以下の評価を行った。
4−1.垂直配向性の評価
まず、アクティブ素子により駆動される画素電極を含む画素電極層を有するが、配向膜を有さない第1の基板と、共通電極層を有するが、配向膜を有さない第2の基板とを作製した。その後、第1基板の外周縁部に沿ってシール材を配置し、第1基板上であってシール材の内側に液晶組成物を滴下した。
次に、シール材を介して第2の基板が第1の基板に対向するように配置し、液晶組成物を第1基板と第2基板とで挟持した。この状態で、シール材を常圧で110℃、2時間の条件で硬化させた。これにより、セルギャップ3.5μmの液晶セルを得た。
このときの垂直配向性を、偏光顕微鏡を用いて観察し、以下の4段階で評価した。
[評価基準]
◎:端部なども含め、全面に渡り均一に垂直配向
○:ごく僅かに配向欠陥が有るも許容できるレベル
△:端部なども含め、配向欠陥が多く許容できないレベル
×:配向不良がかなり劣悪
4−2.滴下ムラの評価
液晶組成物の1滴を2枚のスライドガラスを挟み、これを更に2枚の偏光板で挟み、クロスニコル条件下、液晶部分から同心円状に広がる色ムラの程度を観察し、以下の4段階で評価した。
[評価基準]
◎:色ムラが生じない。
○:極軽微な色ムラが生じた。
△:目立つ色ムラが生じた。
×:酷い色ムラが生じた。
4−3.低温保存安定性の評価
液晶組成物をメンブレンフィルタ(Agilent Technologies社製、PTFEフィルタ:厚さ13mm、孔径0.2μm)にてろ過を行い、真空減圧条件にて15分間静置し溶存空気の除去を行った。
これをアセトンにて洗浄し十分に乾燥させたバイアル瓶に0.5g秤量し、−25℃の低温環境下に14日間静置した。
その後、目視にて析出の有無を観察し、以下の4段階で判定した。
[評価基準]
◎:14日静置後においても、析出が確認できなかった。
○:7日静置後において、析出が確認された。
△:3日静置後において、析出が確認された。
×:1日静置後において、析出が確認された。
また、垂直配向性の評価を行った後の液晶セルを分解し、第1基板の表面に形成されたポリマ層の厚さを、AFM(SPM)にて距離50μmにわたって計測し、平均値を出すことにより算出した。
以上の結果を表2及び表3に示す。
Figure 2020050871
Figure 2020050871
表2及び表3に示すように、Rf積が0.11〜0.2である本発明の配向助剤を使用した各実施例では、垂直配向性及び低温安定保存性に優れ、液滴ムラも生じなかった。また、その効果は、ポリマ層の厚さを設定することにより向上した。
これに対して、Rf積が0.11〜0.2の範囲外である化合物を使用した各比較例では、垂直配向性、液滴ムラ及び低温安定保存性の少なくも1つに劣っていた。
1 液晶表示素子
AM アクティブマトリクス基板
CF カラーフィルタ基板
2 第1の基板
3 第2の基板
4 液晶層
5 画素電極層
6 共通電極層
7 第1の偏光板
8 第2の偏光板
9 カラーフィルタ
11 ゲートバスライン
12 データバスライン
13 画素電極
14 Cs電極
15 ソース電極
16 ドレイン電極
17 コンタクトホール

Claims (14)

  1. 2つの基板間に液晶分子とともに配置され、前記液晶分子を自発的に配向させる配向助剤であって、
    少なくとも1つの極性基を有し、順相薄層クロマトグラフィーにおける移動率と逆相薄層クロマトグラフィーにおける移動率との積が0.11〜0.2であることを特徴とする配向助剤。
  2. 前記極性基は、炭素原子とヘテロ原子とが連結した原子団を有する極性要素を含む基である請求項1に記載の配向助剤。
  3. 前記ヘテロ原子は、N、O及びBからなる群から選択される少なくとも1種である請求項2に記載の配向助剤。
  4. さらに、少なくとも1つの重合性基を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の配向助剤。
  5. 前記重合性基は、下記一般式(AP−1)〜一般式(AP−9)で表される群より選ばれる基を含む請求項4に記載の配向助剤。
    Figure 2020050871

    (式中、RAP1及びRAP2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基を表し(ただし、アルキル基中の1個又は2個以上の−CH−は、酸素原子同士が直接隣接しないように−O−又は−CO−で置換されてもよく、アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は水酸基で置換されてもよい。)、WAP1は、単結合、−O−、−COO−又は−CH−を表し、tAP1は、0、1又は2を表し、*は、結合手を表す。)
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の配向助剤と、負の誘電率異方性を有する液晶分子とを含有することを特徴とする液晶組成物。
  7. 当該液晶組成物中に含まれる前記配向助剤の量は、0.3〜4.3質量%である請求項6に記載の液晶組成物。
  8. さらに、重合性化合物を含有する請求項6又は7に記載の液晶組成物。
  9. 2つの基板と、該2つの基板の間に設けられた請求項6〜8のいずれか1項に記載の液晶組成物を含む液晶層とを備えることを特徴とする液晶表示素子。
  10. 前記配向助剤は、さらに、少なくとも1つの重合性基を有し、
    前記液晶層は、前記配向助剤の重合物を含む請求項9に記載の液晶表示素子。
  11. 前記重合物の厚さは、12〜140nmである請求項10に記載の液晶表示素子。
  12. アクティブマトリックス駆動用である請求項9〜11のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  13. PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型又はECB型である請求項9〜12のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  14. 前記2つの基板のうちの少なくとも一方の基板は、配向膜を有さない請求項9〜13のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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