JP2021088753A - タンク用鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温靭性に優れ、低降伏比で、さらに低コストであるタンク用鋼板を提供する。【解決手段】化学組成が、質量%で、C:0.04-0.10%、Si:0.05-0.50%、Mn:0.9-2.0%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、Ti:0.005-0.025%、Cr:0.10-0.20%、sol.Al:0.005-0.090%、N:0.001-0.010%、任意元素、残部:Feおよび不純物であり、板厚1/4位置において、金属組織が、面積率で、フェライト相:40.0-70.0%、硬質相:3.0%以下、島状マルテンサイト:0.1%以下、残部:ベイナイトであり、フェライト相の平均結晶粒径が6.0-12.0μmであり、結晶粒径分布における標準偏差σが4.0-7.0μmである、タンク用鋼板。【選択図】 なし

Description

本発明は、タンク用鋼板に関する。
液化石油ガス(以下、単に「LPG」ともいう。)、アンモニアガスといったエネルギー資源は、海上輸送される際、エネルギー輸送船で輸送される。そして、輸送船内では、輸送効率の観点から、これらガスは圧縮され液化された状態で、船内に設けられているタンクに貯蔵されている。
タンク内で液体の状態を維持するために、上記ガスは高い圧力で加圧されており、極低温である。したがって、タンクの素材用の厚鋼板には、上記温度に耐え得る、低温靭性が要求される。また、アンモニア等のガスは、応力腐食割れの発生を引き起こす場合がある。このため、タンク用の素材には、応力腐食割れの発生を抑制するため低い降伏比特性(「低YR特性」ともいう。)も要求させる。
例えば、特許文献1には、LPG、アンモニアガス輸送船用のタンクに用いられる鋼材が開示されている。
特開2008−25014号公報
ところで、近年のエネルギー需要の増大に伴い、エネルギー輸送船の需要が増大している。このため、輸送船について大型化のニーズがある。そして、輸送船の大型化に伴い、使用される鋼板の量も増大する。このため、輸送船の建造コストを低減するという観点から、上述の特性を有しながらも、より合金コストを低減したタンク用の鋼板が求められている。
本発明は、上記の問題を解決し、低温靭性に優れ、低降伏比で、さらに低コストであるタンク用鋼板を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のタンク用鋼板を要旨とする。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.04〜0.10%、
Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.9〜2.0%、
P:0.020%以下、
S:0.010%以下、
Ti:0.005〜0.025%、
Cr:0.10〜0.20%、
sol.Al:0.005〜0.090%、
N:0.001〜0.010%、
残部:Feおよび不純物であり、
板厚1/4位置において、金属組織が、
面積率で、
フェライト相:40.0〜70.0%、
硬質相:3.0%以下、
島状マルテンサイト:0.1%以下、
残部:ベイナイト
であり、
フェライト相の平均結晶粒径が6.0〜12.0μmであり、
フェライト相の前記結晶粒径分布における標準偏差σが4.0〜7.0μmである、タンク用鋼板。
(2)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Nb:0.015%以下、
Cu:0.50%以下、
Ni:0.40%以下、
Mo:0.20%以下、
V:0.06%以下、および
B:0.002%以下
から選択される一種以上を含有する、上記(1)に記載のタンク用鋼板。
(3)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ca:0.005%以下
を含有する、上記(1)または(2)に記載のタンク用鋼板。
(4)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Mg:0.005%以下
を含有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタンク用鋼板。
(5)LPGおよび/または液化アンモニアの運搬船用タンクに用いられる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタンク用鋼板。
本発明によれば、低温靭性に優れ、低降伏比で、さらに低コストであるタンク用鋼板を得ることができる。
本発明者らは、良好な低温靭性を有し、低降伏比であり、さらに低コストであるタンク用鋼板を得るために種々の検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
(a)低コストである鋼板を実現するためには、使用する合金元素の量を低減することが有効である。従来、LPG、液化アンモニア運搬船のタンクに用いられる鋼板には、多くの合金元素が用いられている。このような合金元素の中でも、特に、CuおよびNiは高価であるため、鋼板に含有させる量を低減するのが望ましい。
(b)一方、CuおよびNiは、強度向上に寄与する元素であることから、これら合金元素の含有量を低減することで強度が低下する。そこで、強度を補完するため、CuおよびNiと比較し、安価な合金元素であるCr含有量を調整することが有効である。
(c)一方、Crは、オーステナイト相を安定化させる作用を有する元素である。このため、Cr含有量を増加させると、製造過程で、オーステナイト相が安定化することにより、均質なフェライト相が形成しにくくなる。均質なフェライト相が形成しない場合、良好な低温靭性を有し、低降伏比である鋼板を安定的に製造することが難しくなる。
(d)フェライト相を均質にするためには、製造過程における冷却工程において、水冷の前に予備的な水冷を行うことが望ましい。これにより、オーステナイト相がフェライト相に変態する駆動力(「変態駆動力」ともいう。)を向上させ、変態を促進させることができる。この結果、均質なフェライト相を有する鋼板を得ることができる。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
1.化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.04〜0.10%
Cは、鋼材の強度上昇に極めて有効な元素である。その含有量が0.04%未満では所望の強度確保ができず、また組織微細化が不十分となり低温靭性が劣化する。このため、C含有量は、0.04%以上とする。C含有量は、0.045%以上とするのが好ましい。しかしながら、0.10%を超えて含有させると、降伏強度の上昇により降伏比が増加し耐応力腐食割れ特性を損なう。このため、C含有量は0.10%以下とする。
Si:0.05〜0.50%
Siは、脱酸工程において脱酸材として必要な元素であり、またフェライト生成元素として有用である。十分な脱酸効果と、十分なフェライト量とを得るために、Si含有量は、0.05%以上とする。Si含有量は0.10%以上とするのが好ましい。しかしながら、Siを0.50%超えて含有させると、溶接熱影響部(以下、「HAZ」ともいう。)が異常硬化し、継手靱性の低下につながる。また、フェライト粒径も大きくなる傾向にある。
このため、Siの含有量は0.50%以下とする。Si含有量は、0.40%以下とするのが好ましい。
Mn:0.9〜2.0%
Mnは、鋼の焼入れ性を高め、鋼材の強度および靭性を高める元素である。Mn含有量が0.9%未満では、これらの効果が得られない。また、フェライト相の結晶粒径もばらつきやすくなり、結果として降伏比も大きくなる。このため、Mn含有量は、0.9%以上とする。しかしながら、Mn含有量が2.0%を超えると、溶接時においてHAZの靭性が劣化する。このため、Mn含有量は2.0%以下とするのが好ましい。
P:0.020%以下
Pは、一般に不純物として含有し、0.020%を超えて含有すると、粒界に偏析し、硫化物応力腐食割れの発生起点となる。このため、P含有量は0.020%以下とする。Pは、可能なかぎり低減することが望ましい。
S:0.010%以下
Sは、一般に不純物として含有し、鋼中のMnと結合してMnSを形成し、鋼材の低温靭性および延性を劣化させる。このため、S含有量は0.010%以下とする。Sは、可能なかぎり低減することが望ましい。
Ti:0.005〜0.025%
Tiは、鋼中のNと結合してTiNを形成し、スラブ表面および鋼材表面の清浄性を高める元素である。さらに、オーステナイト結晶粒の粗大化を抑制する作用を有する。このため、Ti含有量は0.005%以上とする。しかしながら、Tiを、0.025%を超えて含有させると、析出物が粗大化し、母材靱性を劣化させることがある。このため、Ti含有量は、0.025%以下とする。
Cr:0.10〜0.20%
Crは、適量の含有でオーステナイトを安定化させ、極低温靱性と母材強度の向上に有効な元素である。Cr含有量が低いとフェライト相の結晶粒径もばらつきやすくなり、結果として降伏比も大きくなる。このため、Cr含有量は0.10%以上とする。しかしながら、Crを、0.20%を超えて含有させると、鋼材の強度が高くなりすぎる。このため、Cr含有量は0.20%以下とする。
sol.Al:0.005〜0.090%
Alは、脱酸剤として作用し、鋼板の溶鋼脱酸プロセスにおいて、もっとも汎用的に使われる。また、鋼中の固溶Nを固定してAlNを形成することにより、結晶粒の粗大化を抑制する効果を有する。sol.Al(「酸可溶Al」)としての含有量が、0.005%未満では、この効果が得られない。このため、sol.Al含有量は、0.005%以上とする。しかしながら、sol.Al含有量が、0.090%を超えると、溶接時に溶接金属部に混入して、溶接金属の靭性を劣化させるため、0.090%以下とする。
N:0.001〜0.010%
Nは、Tiと結合し、窒化物を形成し、オーステナイト相の結晶粒の粗大化を抑制する効果を有する。このため、N含有量は、0.001%以上とする。N含有量は、0.002%以下とするのが好ましい。しかしながら、N含有量は0.010%を超えて含有させると、窒化物が粗大化し、靭性が低下する。このため、N含有量は0.010%以下とする。N含有量は0.008%以下とする。
Nb:0.015%以下
Nbは、オーステナイト未再結晶領域を拡大させるために有効な元素であり、結晶粒の微細化に寄与し、強度および靭性を改善させる。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Nb含有量が0.015%を超えると、フェライト相の結晶粒が顕著に微細化し、低YR化することができなくなる。このため、Nb含有量は0.015%以下とする。Nb含有量は0.005%未満とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Nbを0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましい。
Cu:0.50%以下
Cuは、鋼材の強度および耐食性を高める元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Cu含有量が過剰となると、高温割れが発生しやすくなる。このため、Cu含有量は、0.50%以下とする。Cu含有量は、0.40%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Cu含有量は0.05%以上とするのが好ましい。
Ni:0.40%以下
Niは、代表的なオーステナイト安定化元素であり、極低温靱性と母材強度の向上に有効な元素であるため必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、過度にNiを含有させると鋼材コストを高騰させ経済的に不利になる。このため、Ni含有量は、0.40%以下とする。一方、上記効果を安定的に得るためには、Ni含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。
Mo:0.20%以下
Moは、鋼材の強度を高める元素であり、またフェライト相の細粒化に寄与するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mo含有量が過剰となると、フェライト相の結晶粒が顕著に微細化され、降伏強度の上昇に伴い、降伏比が上昇する。また溶接性の著しい低下をもたらす。このため、Mo含有量は0.20%以下とする。Mo含有量は0.15%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Mo含有量は0.005%以上とするのが好ましい。
V:0.06%以下
Vは、炭窒化物を形成し、鋼材を析出強化する作用を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、V含有量が過剰となると、その効果が飽和するだけでなく、微細な析出物生成量が多くなり、靭性が低下する。このため、V含有量は0.06%以下とする。V含有量は0.05%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を安定的に得るためには、V含有量は0.005%以上とするのが好ましい。
B:0.002%以下
Bは、少量で鋼材の焼入れ性を高める元素であり、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、B含有量が過剰となると、析出物を生成し、靭性が低下する。このため、B含有量は0.002%以下とする。B含有量は0.0015%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を安定的に得るためには、B含有量は0.0002%以上とするのが好ましい。
Ca:0.005%以下
Caは、鋼中のSと結び付いてCa−Mn−S化合物を形成させる。この結果、Caは、Mn−S化合物の展進化を阻止し、鋼の機械的特性の異方性を減少させるのに極めて有効である。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Caを、0.005%を超えて含有させても効果が飽和するので、Ca含有量は、0.005%以下とする。Ca含有量は、0.004%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を安定的に得るためには、Ca含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.0020%以上とするのがより好ましい。
Mg:0.005%以下
Mgは、鋼中のOまたはSと結合して、HAZのオーステナイト相の結晶粒の成長を抑制する。HAZの靭性が要求される場合などには必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.005%を超えると、上記効果が飽和する。このため、Ca含有量は、0.005%以下とする。Mg含有量は、0.004%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を安定的に得るためには、Mg含有量は0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましい。
本発明の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
2.金属組織
本発明における鋼板では、鋼板全厚のなかで、平均的な組織とされる板厚1/4位置における金属組織、具体的には、各相の面積率、フェライト相の平均粒径、を規定する。
2−1.各相の面積率
本発明に係る鋼板は、板厚1/4位置において、金属組織が、面積率で、フェライト相:40.0〜70.0%、硬質相:3.0%以下、島状マルテンサイト:0.1%以下、残部:ベイナイトである。
フェライト相が、面積率で、40.0%未満であると、ベイナイトまたは硬質相が相対的に増加することになる。この結果、降伏応力が増加し、耐応力腐食割れ特性が劣化する。しかしながら、フェライト相が、面積率で、70.0%を超えると、必要な引張強度が得られず、大型タンクなどに適用することができない。このため、フェライト相は、面積率で、40.0〜70.0%とする。
なお、フェライト相の面積率とは、EBSD法より取得したGAM(Grain Average Misorientation)値が0.5以下の領域の面積率のことをいう。
不可避的に生成する硬質相は、面積率で、3.0%以下とする。ここで、硬質相とはマルテンサイト相(島状マルテンサイトを含まない)、またはパーライトを指し、これら相の面積率が合計で、3.0%以下であればよい。3.0%を超えて硬質相を含むと靭性の悪化が顕著となるからである。硬質相は極力生成させない方が好ましい。なお、島状マルテンサイトは一般に硬質相と定義されるが、ここでは下記に示すように靭性に大きな影響を及ぼすことから、本発明では、硬質相には島状マルテンサイトを含まない(より正確にはマルテンサイトには島状マルテンサイトを含まない)ものとし、別途定義することとした。
また、組織観察を行うと、ベイナイト中に島状マルテンサイトが観察される場合がある。この島状マルテンサイトが多量に生成すると、靭性に悪影響を及ぼし、溶接した場合にもHAZ靭性の低下を招く。このため、島状マルテンサイトは、面積率で0.1%以下とする。フェライト相、硬質相および島状マルテンサイト以外の残部は、ベイナイトである。
なお、各相の面積率については、以下の手順で測定する。具体的には、フェライト相の面積率においては、試験片の板厚1/4位置から試験片の一部を切り出し、L断面を鏡面研磨してからコロイダルシリカで30分の仕上研磨をした後、EBSD(電子線後方散乱回折)法を用いた。得られたデータはTSLソリューションズ社製のOIM−Analysisソフトウェア(以下、「OIMソフト」という。)により結晶粒内の結晶方位差の平均値を表すGAM値を用いて解析する。このとき、GAM値が0.5以下をフェライト相とし、フェライト相の面積率を算出する。なお、撮影視野を5視野とし、得られた面積率を平均してフェライト相の面積率とする。
硬質相の面積率においては、試験片の板厚1/4位置から試験片の一部を切り出し、L断面を鏡面研磨してから3%ナイタール溶液で腐食した後、光学顕微鏡により500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、画像処理によりマルテンサイト相およびパーライト相の面積率を求める。なお、撮影視野を5視野とし、得られた面積率を平均してマルテンサイト相およびパーライト相の面積率とする。
島状マルテンサイトの面積率においては、L断面を鏡面研磨、レペラー腐食して光学顕微鏡により500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、画像解析により面積率を求める。なお、撮影視野を5視野とし、得られた面積率を平均して島状マルテンサイトの面積率とする。
2−2.フェライト相の平均結晶粒径
本発明に係る鋼板では、板厚1/4位置におけるフェライト相の平均結晶粒径は、6.0〜12.0μmとする。一般的に、鋼板の強度および靭性を向上させるためには、フェライト相の結晶粒径を小さくすることが有効であるが、板厚1/4位置におけるフェライト相の平均結晶粒径が、6.0μm未満であると、降伏応力が増加し耐応力腐食割れ特性が劣化する。このため、上記フェライト相の平均結晶粒径は6.0μm以上とする。上記フェライト相の平均結晶粒径は7.0μm以上とするのが好ましい。しかしながら、上記フェライト相の平均結晶粒径が12.0μmを超えると、靭性の悪化が顕著となる。このため、上記フェライト相の平均結晶粒径は12.0μm以下とする。上記フェライト相の平均結晶粒径は10.0μm以下とするのが好ましい。
2−3.フェライト相の結晶粒径における標準偏差
本発明に係る鋼板では、板厚1/4位置におけるフェライト相の結晶粒径分布における標準偏差σは4.0〜7.0μmとする。上記標準偏差が4.0μm未満であると、任意元素等、合金元素をより多く必要とし、合金コストが増加する。このため、上記標準偏差σは、4.0μm以上とする。しかしながら、上記標準偏差σが7.0μmを超えると、靭性のばらつきがおおきくなり、靭性の特性値が低下する場合がある。このため、上記標準偏差σは、7.0μm以下とする。
なお、上述した2−2、および2−3で記載した結晶粒径とは、EBSD法により15度以上の大傾角粒界で囲まれた領域における円相当直径のことをいう。そして、上記フェライト相の平均結晶粒径は、上述のフェライト相の面積率を算出する際に、TSLソリューションズ社製のOIMソフトにより15度以上の大傾角粒界で囲まれた領域における円相当直径を算出し、観察視野において測定された円相当直径の平均値として算出できる。また、フェライト相の結晶粒径分布における標準偏差は、測定された円相当直径について、3σの範囲でOIMソフトにより算出できる。
3.板厚
本発明に係る鋼板の板厚は特に限定しない。タンク用として通常必要とされる板厚は10mm以上であり、厚くても50mmである。本発明に係る鋼板は10〜50mmとすることが好ましく、15〜40mmとすることがより好ましい。
4.用途
本発明に係る鋼板の用途は、タンク用であり、特に、LPGおよび/または液化アンモニア運搬船用タンクに、好適に用いられる。
5.目標とする特性
本発明に係る鋼板では、降伏比(YR)が80%以下の場合に、低降伏比であると評価する。また、脆性延性遷移温度が−60℃以下の場合に、低温靭性に優れると評価する。
6.製造方法
上述したように、応力腐食割れ特性向上のためには降伏比を低下させることが重要である。このため、金属組織中に一定量のフェライト相を確保する必要がある。そのための方法として、圧延完了後に一定時間放冷することによってフェライト相を析出させ、その後、水冷を行う場合がある。
しかしながら、このような従来の方法では、製造ライン上で鋼板を一時的に停止させる必要が生じる。このため、製造効率が低下するという問題がある。また、放冷時に不均一に生成するスケールに起因して水冷時の冷却速度が局所的に変化し、鋼板の機械的特性のばらつきが大きくなるという問題も生じる。
このように、製造効率の観点から、製造ライン上で鋼板を一時的に停止させることは好ましくない。一方、鋼板を製造ライン上で停止させない場合、十分に放冷させることができずに水冷等の加速冷却することとなるため、十分な量のフェライト相を確保することが困難になる。
以上の点を踏まえ、本発明者らが検討を重ねた結果、後述する水冷等の加速冷却(2次冷却)の前に水冷等の予備冷却(1次冷却)を行うことが有効である。この結果、鋼板を製造ライン上において停止させることなく、低降伏比の鋼板を製造することができる。
この際、仕上げ圧延直後に1次冷却を行うことで、制御圧延で導入されたオーステナイト相の組織中のひずみにより、フェライト相への変態駆動力が増加し、1次冷却と2次冷却との間の放冷時に効率的にフェライト変態を促進させることができる。
本発明に係る鋼板の製造方法については、前述した化学組成および金属組織を有する鋼板を製造することが可能である限り特に制限はないが、例えば、以下に示す方法により高い製造効率で製造することができる。
具体的には、
(a)厚さ200mm以上で、上述の化学組成を有するスラブを1050〜1200℃の温度範囲に加熱する工程と、
(b)スラブの表面温度が750〜900℃の温度範囲において累積圧下率が30%以上である圧延を実施した後に、圧延後、鋼板表面温度が750℃以上となる条件で圧延を完了させる工程と、
(c)鋼板表面温度が750℃以上で水冷を開始し、平均冷却速度を10℃/s以上とし、600〜750℃の温度範囲で水冷を停止する第1冷却工程と、
(d)上記第1冷却の終了から(e)の工程の開始までを10〜60sとして鋼板を空冷させる工程と、
(e)鋼板表面温度が600〜700℃の温度範囲で水冷を開始し、平均冷却速度を15℃/s以上とし、550℃以下の温度範囲で水冷を停止する、第2冷却工程と、
(f)450℃以上Ac点以下の温度に再加熱し、30分以上の均熱保持をしたのち、冷却する工程と、
を有する。以下の説明で、各工程について説明する。
6−1.熱間圧延工程
まず上述した化学組成を有する200mm以上のスラブを用意するのが好ましい。スラブは加熱炉で1050〜1200℃の温度範囲で加熱するのが好ましい。加熱の際の加熱温度を1050℃以上とすることにより、オーステナイト相の結晶粒が過度に微細化されるのを抑制し、フェライト相の結晶粒、鋼板の強度を適正化することがより容易にできる。このため、スラブの加熱温度は1050℃以上とするのが好ましい。
一方、スラブの加熱温度が1200℃を超える場合、オーステナイト相の結晶粒が粗大化する。この場合、鋼板の低温靭性が低下する。このため、スラブの加熱温度は1200℃以下とするのが好ましい。
加熱炉からスラブを取り出し、スラブに対して熱間圧延を実施する。このとき、圧延中のスラブの表面温度が900℃以下において累積圧下率が30%以上であるのが好ましい。スラブの表面温度が900℃以下において累積圧下率を30%以上とすることにより、結晶粒の粗大化を抑制して、より優れた低温靭性を確保することができる。したがって、スラブの表面温度が900℃以下において累積圧下率が30%以上である圧延を実施するのが好ましい。また、累積圧下率が35%以上である圧延を実施するのがより好ましい。
また、圧延中のスラブの表面温度を750℃以上とすることにより、初析フェライトの生成を抑制し、変態の駆動力をより確実に得ることができる。このため、圧延中のスラブの表面温度は750℃以上とするのが好ましい。そして、圧延を鋼板表面温度が750℃以上となる条件で完了させるのが好ましい。
なお、上述した累積圧下率とは、以下(1)式で定義される。
累積圧下率=(圧延前の厚み−圧延後の厚み)/(圧延前の厚み)×100 ・・・(1)
6−2.第1冷却工程
上記圧延が完了した後、鋼板表面温度が750℃以上で水冷を開始し、平均冷却速度を、10℃/s以上とし、600〜750℃の温度範囲で水冷を停止する(「第1冷却工程」ともいう。)。これは、フェライト相が生成する750℃以上の温度から水冷することによって、粗大フェライト相の生成量を抑制しながらも、フェライト相の生成の駆動力を高め、後述の放冷時間中に生成するフェライト相の結晶粒径を細粒化するためである。
また、第1冷却工程において、平均冷却速度が10℃/s以上とすることにより、冷却中に粗大なフェライト相の生成を適切に抑制することができる。このため、第1冷却工程における平均冷却速度は10℃/s以上とするのが好ましい。
6−3.空冷工程
第1冷却の終了から第2冷却の開始までを10〜60sとし、鋼板を空冷させるのが好ましい。空冷の際の時間(以下、「空冷時間」ともいう。)を10s以上とすることにより、低降伏比の鋼板とするために必要なフェライト量を確保することが容易になる。一方、空冷時間を60s以下とすることにより、フェライト相の結晶粒の粗大化を抑制し、適切に低温靭性を確保できる。また、空冷時間が60sを超えると、最適な温度範囲から第2冷却を開始できなくなる可能性がある。このため、空冷時間は60sとするのが好ましく、30s以下とすることがより好ましい。
6−4.第2冷却工程
続いて、鋼板表面温度が600〜700℃の温度範囲で水冷を開始し、冷却速度を15℃/s以上とし、550℃以下の範囲で水冷を停止する(「第2冷却」ともいう。)。第2冷却における水冷開始温度を、復熱が生じても700℃以下にすることにより、フェライト変態を進行させて低降伏比に必要なフェライト量を得ることができる。このため、第2冷却における水冷開始温度は700℃以下とするのが好ましい。
一方、第2冷却における水冷開始温度を、600℃以上にすることにより、適切にフェライト変態を進行させることができる。このため、フェライト量が多くなりすぎず、またはフェライト相の結晶粒径が微細になりすぎない。このため、第2冷却における水冷開始温度は600℃以上とするのが好ましい。
また、第2冷却工程において、平均冷却速度を15℃/s以上とすることにより、未変態オーステナイトがベイナイトへ相変態をする際に、ベイナイトのラス間にセメンタイトが析出した上部ベイナイト組織となることを抑制し、低温靭性の悪化を防止できる。このため、第2冷却工程における平均冷却速度は15℃/s以上とするのが好ましい。
また、水冷を停止する温度(以下「水冷停止温度」ともいう。)を550℃以下とすることで、低YRに必要な強度の高いベイナイト組織を得ることができる。このため、水冷停止温度は、550℃以下とするのが好ましい。一方、水冷停止温度を400℃以上とすることで、硬質の原因となるマルテンサイト変態を抑制し、靭性低下を抑えることができる。このため、靭性と低降伏比とを両立したい場合には、水冷停止温度は400℃以上とするのが好ましい。
6−5.焼戻し処理工程
続いて、焼戻し処理を行うのが好ましい。すなわち、450℃以上Ac点以下の温度に再加熱し、30分以上の均熱保持(焼戻し)をしたのち、冷却するのが好ましい。再加熱し、均熱保持することで、鋼板中の残留応力を除去することができるとともに、ベイナイト中に観察される島状マルテンサイトを分解し、靭性低下に対する悪影響を最小限にとどめることができる。上記均熱後は冷却を行う。ここで冷却は空冷でも水冷でもよい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する鋼を、溶製し、連続鋳造機にてスラブを作製した。作製したスラブの厚さは300mmであった。得られたスラブについて、表2に示す条件で熱間圧延を施した後に第1冷却および第2冷却を施し、試験No.31の鋼を除き、焼戻しして、表3に示す厚さの鋼板とした。なお、全ての鋼板においてAc点は700℃以上であった。
Figure 2021088753
Figure 2021088753
(組織観察および画像解析)
金属組織については、試験片の板厚1/4位置から試験片の一部を切り出し、L断面を鏡面研磨、レペラー腐食して光学顕微鏡により500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、画像解析により島状マルテンサイトの面積率を求めた。画像解析には、日鉄住金テクノロジー株式会社の画像処理パッケージソフト「粒子解析」を用いた。なお、画像解析では、撮影視野を5視野とし、得られた面積率を平均して島状マルテンサイトの面積率とした。
一方、フェライト相の面積率においては、試験片の板厚1/4位置から試験片の一部を切り出し、L断面を鏡面研磨してからコロイダルシリカで30分の仕上研磨をした後、EBSD(電子線後方散乱回折)法を用いた。得られたデータはTSLソリューションズ社製のOIMソフトにより結晶粒内の結晶方位差の平均値を表すGAM値を用いて解析することにより、フェライト相とベイナイトとの分離を試みた。このとき、GAM値が0.5以下をフェライト相とし、フェライト相の面積率を算出した。
フェライト相の平均結晶粒径は、上述のフェライト相の面積率を算出する際に、TSLソリューションズ社製のOIMソフトにより15度以上の大傾角粒界で囲まれた領域における円相当直径を算出し、観察視野において測定された円相当直径の平均値として算出した。また、フェライト相の結晶粒径分布における標準偏差は、測定された円相当直径について、3σの範囲でOIMソフトにより算出した。
また、硬質相の面積率は、試験片の板厚1/4位置から試験片の一部を切り出し、L断面を鏡面研磨し、3%ナイタール溶液で腐食して、光学顕微鏡により500倍の倍率でミクロ組織を観察した。ただし、いずれの試験片も硬質相は3.0面積%以下であった。
(引張試験)
得られた各鋼板から、平行部の長さが8.5mm、標点距離が42.5mmの丸棒引張試験片を作製した。このとき、丸棒引張試験片の長さ方向が、圧延方向と垂直な方向(板幅方向)となるように試験片を切り出した。丸棒引張試験片を用いて、常温、大気圧で引張試験を実施して、降伏強度YS(N/mm2)、引張強度TS(N/mm2)および降伏比YR(=YS/TS×100、単位は%)を求めた。
(脆性延性遷移温度)
また、低温靭性の評価はシャルピー衝撃試験により行った。シャルピー衝撃試験は、JIS Z 2242:2005で規定されるVノッチ試験片を用い、−60℃を含む5種類の温度で各3回実施し、脆性破面率が50%となる温度を脆性延性遷移温度とした。
ここで、降伏比(YR)が80%以下の場合に、低降伏比であると評価する。また、脆性延性遷移温度が−60℃以下の場合に、低温靭性に優れると評価する。以下、結果をまとめて表3に示す。
Figure 2021088753
本発明の規定を満足する試験No.1〜15の鋼板は、降伏比も80%以下と低く、脆性延性遷移温度が−60℃以下であり、低温靭性特性も良好であった。
一方、本発明の規定を満足しない試験No.16〜31の鋼板は、降伏比、脆性延性遷移温度の少なくとも一方が、目標とする特性値を満足しなかった。
試験No.16の鋼板は、N含有量が高いため、破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。試験No.17の鋼板は、C含有量が高いため、フェライト相の面積率が小さくなり、降伏比が大きくなった。試験No.18の鋼板は、Cr含有量が低いため、フェライト相の結晶粒径分布における標準偏差も大きくかつフェライト相の面積率も小さくなった。これにより、降伏比も大きくなった。
試験No.19の鋼板は、Si含有量およびTi含有量が高いため、フェライト相の平均結晶粒径も大きくなった。この結果、降伏比が大きくなった。試験No.20の鋼板は、Mn含有量が低いため、フェライト相の結晶粒径分布における標準偏差が大きくなり、降伏比が大きく、破面遷移温度が高くなった。試験No.21の鋼板は、750〜900℃の範囲での累積圧下率が10%と低かったため、フェライト相の平均結晶粒径が大きくなるとともに、結晶粒径分布における標準偏差も大きくなった。この結果、破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。
試験No.22の鋼板は、圧延完了温度が低く、第1冷却における冷却開始温度も低くなったため、フェライト相の平均結晶粒径が大きくなるとともに、結晶粒径分布における標準偏差も大きく、またフェライト相面積率も大きくなった。この結果、降伏比も高く、破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。
試験No.23の鋼板は、第1冷却の冷却速度が小さいため、フェライト相の平均結晶粒径が大きくなるとともに、粒径分布の標準偏差も大きく、またフェライト相面積率も大きくなった。この結果、降伏比も高く、破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。試験No.24の鋼板は、第1冷却の水冷停止温度が低く、その影響で第2冷却の冷却開始温度も低くなったため、フェライト相の結晶粒径分布における標準偏差も大きく、かつフェライト相面積率も小さくなった。これにより、降伏比も大きくなった。
試験No.25の鋼板は、第1冷却後の空冷時間が長いため、フェライト相面積率が大きくなり、かつフェライト相の結晶粒径分布における標準偏差が小さかったため、降伏比が大きくなった。試験No.26の鋼板は、第2冷却の冷却開始温度も低いため、フェライト相の平均結晶粒径が大きくなり、またフェライト相面積率も大きくなった。この結果、降伏比も高く、破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。試験No.27の鋼板は、第2冷却の冷却速度が小さいため、フェライト相の平均結晶粒径が大きくなり、降伏比が大きくなった。
試験No.28の鋼板は、スラブ加熱温度が高いため、フェライト相の平均結晶粒径が大きくなるとともに、粒径分布の標準偏差も大きくなった。この結果、破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。試験No.29の鋼板は、第1冷却の冷却開始温度が低いため、フェライト相の結晶粒径分布における標準偏差も大きくかつフェライト相面積率も大きくなった。これにより、降伏比も大きく、破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。
試験No.30の鋼板は、第1冷却後の空冷時間が短いため、フェライト相面積率が小さくなり、降伏比が大きくなった。試験No.31の鋼板は、焼戻し処理を行わなかったため、ベイナイト中に島状マルテンサイトが存在しており破面遷移温度が高くなり、十分な低温靭性を得られなかった。

Claims (5)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.04〜0.10%、
    Si:0.05〜0.50%、
    Mn:0.9〜2.0%、
    P:0.020%以下、
    S:0.010%以下、
    Ti:0.005〜0.025%、
    Cr:0.10〜0.20%、
    sol.Al:0.005〜0.090%、
    N:0.001〜0.010%、
    残部:Feおよび不純物であり、
    板厚1/4位置において、金属組織が、
    面積率で、
    フェライト相:40.0〜70.0%、
    硬質相:3.0%以下、
    島状マルテンサイト:0.1%以下、
    残部:ベイナイト
    であり、
    フェライト相の平均結晶粒径が6.0〜12.0μmであり、
    フェライト相の前記結晶粒径分布における標準偏差σが4.0〜7.0μmである、タンク用鋼板。
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
    Nb:0.015%以下、
    Cu:0.50%以下、
    Ni:0.40%以下、
    Mo:0.20%以下、
    V:0.06%以下、および
    B:0.002%以下
    から選択される一種以上を含有する、請求項1に記載のタンク用鋼板。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
    Ca:0.005%以下
    を含有する、請求項1または2に記載のタンク用鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
    Mg:0.005%以下
    を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のタンク用鋼板。
  5. LPGおよび/または液化アンモニアの運搬船用タンクに用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載のタンク用鋼板。
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