JP2021088451A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面に画像が記録されたシートの裏面に画像を記録するときに、シートを正常に供給できる記録装置を提供する。【解決手段】 本発明の記録装置は、ロール状に巻回されたシートを保持する保持部と、前記保持部で保持されたシートを正方向と逆方向とに回転させる駆動手段と、シートまでの距離に基づく出力値を取得するセンサと、前記保持部から供給されたシートに画像を記録する記録ヘッドと、を備え、画像が第1面に記録されたシートの裏側の第2面に前記記録ヘッドによって画像を記録する記録装置であって、前記駆動手段によって第1面に画像が記録されたシートを前記逆方向に回転させながら前記センサで出力値を取得し、当該出力値が第1の閾値を越えた後から当該第1の閾値より小さくなる範囲における第1の特徴点と、前記第1の特徴点より前の第2の特徴とを算出し、当該算出結果に基づいてシートの供給を行うことを特徴とする。【選択図】 図13

Description

本発明は、ロール状に巻回されたシートを供給する供給装置を備える記録装置に関するものである。
特許文献1には、ロール状に巻回されたシートを供給する供給装置を上段と下段に備えた記録装置が開示されている。この記録装置では、表面に画像が記録されたシートを供給装置で供給してシートの裏面に画像を記録する両面印刷が可能である。両面印刷を行う際には、一方の供給装置から供給されたシートの表面に画像を記録し、記録が行われたシートを他方の供給装置で巻き取る。その後、巻き取ったシートを再び供給して、シートの裏面に画像を記録することができる。
特開2018−149717号公報
特許文献1のように表面に画像が記録されたシートの裏面に画像を記録するとき、シートにはカールが生じることがある。カールが生じている状態のシートを供給すると、搬送経路や記録ヘッドに衝突してシートが適切に供給されないことがある。カールの大きさはシートの種類や周囲環境によって変化する。本発明は、表面に画像が記録されたシートの裏面に画像を記録するときに、シートを正常に供給できる記録装置を提供することを目的とする。
本発明の記録装置は、ロール状に巻回されたシートを保持する保持部と、前記保持部で保持されたシートを正方向と逆方向とに回転させる駆動手段と、前記保持部で保持されたシートの重力方向の下側に配され、シートまでの距離に基づく出力値を取得するセンサと、前記駆動手段がシートを前記正方向に回転させて前記保持部から供給されたシートに画像を記録する記録ヘッドと、を備え、画像が第1面に記録されたシートの裏側の第2面に前記記録ヘッドによって画像を記録する記録装置であって、前記駆動手段によって第1面に画像が記録されたシートを前記逆方向に回転させながら前記センサで出力値を取得し、当該出力値が第1の閾値を越えた後から当該第1の閾値より小さくなる範囲における第1の特徴点と、前記第1の特徴点より前の第2の特徴とを算出し、当該算出結果に基づいてシートの供給を行うことを特徴とする。
本発明によれば、表面に画像が記録されたシートの裏面に画像を記録するときに、シートを正常に供給できる記録装置を提供することができる。
記録装置の斜視図である。 記録装置の要部の概略断面図である。 スプール部材の構造を示す図である。 記録装置が備える制御系の構成例を示すブロック図である。 ロールシートRが装着されているシート供給装置の断面図である。 距離センサの周辺部分を拡大した図である。 距離センサの出力値の経時変化を示すグラフ及びシート供給装置の断面図である。 シートを搬送経路に自動供給するための処理を示すフローチャートである。 内巻き方法によるシートの巻き取りの状態を示す図である。 内巻き方法および外巻き方法による固定を示す図である。 両面印刷モードの記録処理を示すフローチャートである。 記録処理を実行している状態の記録装置の断面図である。 裏面供給の際のカール状態を判定する処理を示すフローチャートである。 裏面供給の際のシート先端部の状態を示すシート供給装置の断面図である。 ロールシートを逆方向に回転させた際の距離センサの出力値を示す図である。 シートを供給する際の記録ヘッドの位置を示す図である。
(記録装置)
本発明を適用した記録装置について説明する。本実施形態においては、記録装置としてインクジェット方式のプリンタを例示している。なお、記録装置は、スキャナ、コピー、ファックス等のプリント以外の複数の機能をさらに有する装置(MFP)であっても良いし、プリント機能のみの単機能の装置(SFP)であっても良い。また、記録装置の記録方式はインクジェット方式に限定されず、例えば電子写真方式であっても良い。なお、ここでプリントとは、インク等の記録剤を用いて、紙等のシート上に画像を記録する処理である。
図1〜図4を用いて記録装置について説明をする。図1は、記録装置100の斜視図、図2は、記録装置の要部の概略断面図、図3は、スプール部材2の構造である。また図4は、記録装置100が備える制御系の構成例を示すブロック図である。記録装置100は、2台のシート供給装置200を備えている。シート供給装置は、シートSが巻芯にロール状に巻回されたロールシートRを保持できる。それらのロールシートRから選択的に供給されたシートSに画像が記録される。なお、記録装置100が備えるシート供給装置200の数は1台でも3台以上でもよい。また、シート供給装置200は、シートの巻き取りが可能な巻取装置としても使用できる。操作パネル28は、ユーザからの各種操作を受け付けるインターフェースモジュールである。ユーザは、操作パネル28に備わる各種のスイッチなどを用いて、記録装置100に対する各種設定を行うことができる。記録装置100に対する各種設定とは例えば、シートSのサイズや種類を登録する設定や、記録装置100をオンライン状態にするか否かの設定、動作モードの切り替えの設定等である。
シート供給装置200によってロールシートRから供給されたシートSは、シート搬送部300によって、記録を実行するための記録部400に搬送される。記録部400は、インクジェット方式による記録ヘッド18、シートSを支持するためのプラテン17で構成される。記録ヘッド18は、インクジェット方式によってインクを吐出させてシートSに画像を記録する。記録ヘッド18は、電気熱変換素子やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子で構成されている。なお、記録方式は電子写真方式であっても良い。
また、本実施形態では、記録部400による記録方式はシリアルスキャン方式であるものとするが、フルライン方式などであってもよい。シリアルスキャン方式の場合に、シートSをプラテン17に搬送した後、シートSの搬送方向と交差する方向に記録ヘッド18を走査してシートS上に記録ヘッド18の幅に相当する画像を記録する。シートSの所定の距離の搬送と記録ヘッド18の走査とを繰り返すことによって所望の画像を記録することができる。一方、フルライン方式の場合、記録部400は、シートSの搬送方向と交差する方向に延在する長尺な記録ヘッド18を利用する。シートSを連続的に搬送しつつ記録ヘッド18にインクを吐出させることで画像を記録する。画像が記録されたシートSは、引き続き搬送が行われることでシート排出口を通り抜けたのち、自重で下側に垂れ下がることになる。その後、画像が記録された領域の後端側をカッタ20が切断する。画像が記録されたシートSは切断されることによってシート排出口の下方に落下する。カバー42は、落下するシートSが再びシート供給装置200に戻ることを防止する。
シート供給装置200には、駆動部3、アーム部材4、距離センサ6、揺動部材7、従動回転体(8,9)、分離フラッパー10、およびフラッパー回転軸11が備えられている。ロールシートRは、中空穴部に軸形状のスプール部材2が挿入されている。スプール部材2がロール駆動モータ33によって矢印C1,C2方向に回転駆動される。これにより、ロールシートRは、その中心部が保持されて、矢印C1,C2方向に回転する。なお、C1方向とは、シートSを記録ヘッド18に供給する正方向である。C2方向は、シートSを記録ヘッド18に供給する方向と逆方向である。
搬送部300は、搬送ガイド12、搬送ローラ14、ニップローラ15で構成される。搬送ガイド12は、シート供給装置200から供給されるシートSを記録部400に導くための経路を構成するガイドである。搬送ガイド12がシートSの下面を、分離フラッパー10がシートSの上面をガイドする。搬送ローラ14は、搬送ローラ駆動モータ35によって、矢印D1,D2方向に回転する。また、ニップローラ15は、搬送ローラ14の回転に応じて従動回転可能である。なお、搬送ローラ14は、シートセンサ16がシートSの先端を検知したときに回転される。搬送ローラ14によるシートSの搬送速度は、ロールシートRの回転によるシートSの供給速度よりも高く設定されており、シートSにバックテンションが与えられる。このような形態とすることで、シートSの弛みを防止することができる。
記録部400のプラテン17は、吸引ファン19により吸引穴17aを通して発生させた負圧によって、シートSの裏面を吸着する。これにより、シートSがプラテン17上を沿うように搬送されるため、記録ヘッド18による高精度な記録を実現することができる。記録ヘッド18には反射型の光センサ103(図16)が搭載されている。記録ヘッド18をシートの幅の領域を超えるように移動させながら光センサ103の値を測定することでシート幅を測定することができる。また、シート上に記録ヘッド18を位置させた状態でシートを搬送方向に移動させることによって、シートの先端の位置を特定することができる。シートの端部およびシートの先端の位置を測定することで、記録の位置を正確に制御することができる。
ここで、ロールシートRを保持するスプール部材2について説明をする。スプール部材2は、スプール軸21、摩擦部材22、基準側スプールフランジ23、非基準側スプールフランジ24、およびスプールギヤ25を含む。スプール軸21の一端に、基準側スプールフランジ23が設けられ、その他端に、スプール軸21を回転させるためのスプールギヤ25が取り付けられている。基準側スプールフランジ23と非基準側スプールフランジ24にはそれぞれ摩擦部材22が備えられている。ロールシートRがスプール部材2に装着されると図3(b)のようになる。スプール部材2の両端部は、スプールホルダ31に装着される(図3(c))。スプール部材2とスプールホルダ31でロールシートRを保持する保持部が構成されている。なお、スプール部材2に巻芯27を取り付けるとシートRを巻き取ることができる。
スプールホルダ31は、シート供給装置200におけるスプール軸21の両端部のそれぞれに対応する位置に設けられている。スプールホルダ31の内面はU字状である。スプール部材2がスプールホルダ31に装着された状態において、スプールギヤ25は、シート供給装置200側の駆動ギヤ30を介して、ロール駆動モータ33に接続される。ロール駆動モータ33によって、スプール部材2と共にロールシートRを正方向または逆方向に回転することができる。ロールセンサ32は、スプール部材2がシート供給装置の取り付け位置に装着されていることを検知できる。また、回転量センサ36は、スプール部材2、つまりロールシートRの回転角度を検出することができる。回転量センサ36は、ロールシートRの回転角度に応じた数のパルスを出力するロータリーエンコーダである。
制御部201は、ROM204に記憶された制御プラグラムにしたがって、シート供給装置200、シート搬送部300、および記録部400を含む記録装置100の各部を制御する。制御部201には、操作パネル28に対するユーザ操作に基づく種々の設定情報等が入力インターフェイス202を介して入力されるため、制御部201は、入力されたそれらの情報をRAM203に保存する。また、制御部201は、RAM203に保存されている情報を適宜読み出して、読み出した情報を各種処理に用いる。制御部201は、距離センサ6、シートセンサ16、ロールセンサ32、回転量センサ36から信号が入力される。制御部201は、取得した信号に基づいて加圧駆動モータ34、搬送ローラ駆動モータ35、ロール駆動モータ33の制御を行う。
また、記録装置100には、シートセンサ16から搬送ローラ14、記録ヘッド18、カッタ20までのそれぞれの距離や、それらの間の搬送距離等が予め設定されている。
(供給装置)
図5は、ロールシートRが装着されている状態のシート供給装置200の断面図である。本実施形態では、上段と下段のシート供給装置200は同一の構成である。また、シート供給装置200は、シートを自動で搬送路に供給する自動供給機能を備えている。
搬送ガイド12には、回転軸5によって、アーム部材4が矢印A1,A2方向に回動可能に取り付けられている。アーム部材4の上部には、ロールシートRから供給されるシートSの下面をガイドするガイド部4bが形成されている。アーム部材4と駆動部3の回転カム3aとの間には、アーム部材4を矢印A1方向に押圧するねじりコイルばね3cが介在している。そのため、加圧駆動モータ34によって回転カム3aが回転するとアーム部材4を矢印A1方向に押圧する力が変化する。また、回転カム3aの平面部分3a―3がねじりコイルばね3cと接したときには、アーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力が解除される。
アーム部材4には揺動部材7が揺動自在に取り付けられ、その揺動部材7には、ロールシートRの周方向に沿って位置する第1および第2の従動回転体(8,9)が回転可能に取り付けられている。これらの従動回転体(8,9)は、アーム部材4に対する矢印A1方向の押圧力によって、ロールシートRの水平方向の中心軸よりも重力方向の下方からロールシートRの外周部に圧接する。その圧接力は、アーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力に応じて変更される。
記録装置100の本体には、アーム部材4の上方に位置する分離フラッパー10が回転軸11を中心として矢印B1,B2方向に回動可能に取り付けられている。分離フラッパー10は、その自重によってロールシートRを軽く押圧する構成となっている。分離フラッパー10におけるロールシートRとの接触部分には、押圧力がロールシートRに及ぼす影響を抑えるために、従動コロ10aが回転自在に備えられている。分離フラッパー10がロールシートRを押圧している状態でロールシートRがC1方向に回転することで、ロールシートRのシートSの先端が、分離フラッパー10の先端の分離部10bに引っ掛かることになる。これにより、ロールシートRからシートSの先端が分離される。また、分離部10bは、ロールシートRからシートSの先端が分離されやすくなるように、ロールシートRの表面に極力近い位置まで延在している。
シートSは、従動回転体(8,9)の上を通ってロールシートRから供給され、その下面がアーム部材4の上部のガイド部4bによってガイドされてから、分離フラッパー10とアーム部材4との間の経路を通して供給される。これにより、シートSの自重を利用して、シートSをスムーズに供給することができる。また、ロールシートRのロール外径に応じて、従動回転体(8,9)とガイド部4bが回動することにより、ロールシートRの外径に拘らず、シートSを確実に供給することができる。また、ロールシートRから供給されたシートSは、分離フラッパー10の下面10cの下方を通過してから、搬送ガイド12の下面12aの下方を通過することになる。したがって、シートSが自動供給されるためには、シートSの先端を適切な位置に配置する必要がある。
距離センサ6は、シートSの先端の位置を検出するための反射型の光学センサである。図6は、図5の断面図の距離センサ6周辺部分を拡大した図である。距離センサ6には、LED発光部6cと受光部6dが内蔵されており、LED発光部6cからロールシートRへ向けて照射されたLED光がロールシートR表面で反射し、受光部6dに入射する。これにより、距離センサ6は、受光部6dに入射した光に応じた出力値を出力する。LED発光部6cからロールシートRへ向けて照射されて受光部6dに入射する光は、入射までに通った経路が長ければ長いほど減衰する。すなわち、距離センサ6によって出力される出力値は、距離センサ6からロールシートR表面までの距離(図中、点線の矢印の距離)が長いほど小さくなり、距離が短いほど大きくなる。ロールシートRからシートSの先端が分離すると、シートSの先端は自重で距離センサ6方向に垂れ下がる。すなわち、距離センサ6からロールシートR表面までの距離が短くなり、距離センサ6によって出力される出力値が大きくなる。その結果、シートSの先端があることを検知できる。なお、距離センサ6は、距離センサ6とロールシートRまでの距離によって出力値が変化する形態であれば超音波センサ、静電容量センサなどであってもよい。
図7(a)は、距離センサ6によって出力される出力値の経時変化を示すグラフである。グラフの縦軸が距離センサ6によって出力される出力値であり、横軸が時間経過に伴って逆方向(C2)に回転するロールシートRの回転角度である。
本実施形態では、閾値THを超えた出力値をレベルHとし、閾値THを超えていない出力値をレベルLとする。閾値THは、あらかじめ設定されている値であり、記録装置100本体あるいは距離センサ6内部の不揮発性メモリに保存されている。閾値THは、(H0+L0)/2として設定されている。L0は、シートSの先端が従動回転体8と距離センサ6の間に位置する状態における出力値である。また、H0は、シートSの先端が距離センサ6の真上に位置する状態における出力値である。
シートSの先端が分離フラッパーの従動コロ10aを通過したことによってアーム部材4の上に自重落下すると、シートSの先端からロールシートR表面までの距離が短くなるため、出力値がレベルLからレベルHに変化する。図7(a)の例では、レベルHに変化した170度において、シートの先端がアーム部材4の上に自重落下したことがわかる。また、出力値がレベルLからレベルHに変化した後にもロールシートRのC2方向への回転が継続されて行われると、図7(c)に示すように、シートSの先端が距離センサ6の上を通過することになる。その場合、距離センサ6は再びロールシートRの表面からの反射を受光することになるため出力値はレベルHからレベルLへと変化する。シートSの先端が距離センサ6の上を通過した後は少なくとも、シートの先端が従動回転体9を通過するまで出力値はレベルLが維持される。距離センサ6から従動回転体9までの角度がθ´である。
図8は、シートSを自動供給するための処理を示すフローチャートである。この処理は、スプール部材2がシート供給装置200に装着されたことがロールセンサ32によって検知された場合に開始されるものとする。なお、操作パネル28を介してユーザから自動供給機能の実行が指示された場合等に開始されてもいい。
S601工程において、制御部201は、距離センサ6によって得られる出力値の取得を開始する。
S602工程において、制御部201は、ロール駆動モータ33の回転を開始することにより、スプール部材2の逆方向(C2)への回転を開始させる。
S603工程において、制御部201は、距離センサ6によって得られる出力値が、レベルLからレベルHに変化した後、さらにレベルHからレベルLに変化したことを判定する。制御部201は、レベルLに変化した場合はS606工程に進む。変化しなかった場合はS604工程に進む。
S606工程において、制御部201は、距離センサ6によって得られる出力値がレベルHからレベルLに変化した後、スプール部材2を所定の回転角度A以上、C2方向へ回転させても距離センサ6によって得られる出力値がレベルLで維持されたことを判定する。所定の回転角度Aはスプール部材2の中心を軸としたときに距離センサ6と従動回転体9がなす角に相当する角度θ´を元に設定される角度である。本実施形態では所定の回転角度A=θ´/2である。制御部201は、所定の回転角度以上を維持した場合はS607工程に進む。維持できなかった場合は、S604工程に進む。維持できた場合はシートSの先端を特定できたことになる。なお、維持できなかった場合とは、ロールシートRから分離されているシートSが波打った形状となっているケースである。
S604工程において、制御部201は、スプール部材2を所定の角度以上または所定の時間以上回転させたか否かを判定する。条件を満たす場合は、S605工程に進み、条件を満たさない場合はS603工程に戻る。
S605工程において、制御部201は、エラー処理を実行する。エラー処理として、シートSの先端を手動で配置するようにユーザを促すための画面を操作パネル28に表示する。その後処理を終了する。
S607工程において、制御部201は、特定したシートSの先端を適切な位置に移動させる。その後、制御部201は、スプール部材2の回転を停止する。S606工程において、距離センサ6によって得られる出力値がレベルHからレベルLに変化したタイミングが、シートSの先端が距離センサ6の上を通過したタイミングである。シートSの先端は、距離センサ6付近に配置する。
S608工程において、制御部201は、ロール駆動モータ33の回転を開始することにより、スプール部材2の搬送方向への回転(C1)を開始させる。シートSの先端は、アーム部材4上にあるため、スプール部材2がC1方向に回転することで、シートSの先端は、アーム部材4に沿って移動する。スプール部材2をC1方向に回転させ続けることで、シートSの先端がシートセンサ16の上を通過する。制御部201は、シートセンサ16によってシートSを検知した場合に、搬送ローラ駆動用モータ35によって搬送ローラ14を矢印D1方向(正方向)に回転させる。この結果、シートSを記録部400まで搬送できる。
(シートの巻取方法)
記録装置100は、画像が記録されたシートを2台のシート供給装置200のうち一方に巻き取ることができる。この時に用いられる巻取方法として、内巻き方法と外巻き方法とがある。以下でそれらの方法について説明する。なお、本実施形態では、スプール部材2を巻芯27に挿入しているが、スプール部材2に直接巻き付ける形態であっても良い。その場合は、スプール部材2が巻芯27として扱われる。
図9は、内巻き方法によって巻芯27にシートSを巻き取る状態である。内巻き方法とは、シートSにおける画像が記録された面が内側になるようにシートSを巻き取る方法である。つまりシートSの画像が記録された面が巻芯27に接する。一方、外巻き方法とは、シートSにおける画像が記録された面が外側になるようにシートSを巻き取る方法である。ここでは、上段のシート供給装置200aでシートSを供給し、下段のシート供給装置200bでシートSを巻き取る。
画像が記録されたシートSがシート排出口を通り抜けると、シートSは自重で下側に垂れ下がる。ユーザは垂れ下がったシートSの先端辺を巻芯27の軸と並行になるよう巻芯27に固定する。こうすることによって、シートSを歪みなく巻き取ることができる。図10にシートSの先端部Saの固定方法を示す。図10(a)は、シートSを内巻き方法で巻き取るための固定方法を示す図である。シートSの画像が記録された面が巻芯27の表面に接するように、シートSを巻芯27にテープ51等の接着部材で固定する。この状態で、スプール部材2がC2方向に回転することで、巻芯27にシートSが内巻きで巻き取られる。一方、図10(b)は、シートSを外巻き方法で巻き取るための固定方法を示す図である。記録装置100の本体側に対して外側からシートSを巻きつけて、巻芯27にシートSをテープ51等の接着部材で固定する。この状態で、スプール部材2がC1方向に回転することで、巻芯27にシートSが外巻きで巻き取られる。なお、巻芯27にシートSの先端部をニップする構成を設け、シートSの先端部を固定しても良い。
(動作モード)
記録装置100の各動作モードについて説明する。記録装置100が動作可能な動作モードは、片面印刷モードと、片面巻取印刷モード、両面印刷モードである。片面印刷モードは、上段もしくは下段のシート供給装置200から供給されたシートSの第1面(表面)に対して記録を行うように記録装置100を動作させる。その後、記録されたシートSをスプール部材2に巻き取らせることなくシートSを排出する。片面巻取印刷モードは、上段もしくは下段のシート供給装置200から供給されたシートSの第1面(表面)に対して記録を行うように記録装置100を動作させる。その後、記録されたシートSを他方のシート供給装置200に巻取る。両面印刷モードは、上段もしくは下段のシート供給装置200から供給されたシートSの第1面(表面)に対して記録を行うように記録装置100を動作させる。その後、記録されたシートSを他方のシート供給装置200に巻取る。さらに、巻き取ったシートSを再度供給してシートSの第1面の裏側の面である第2面(裏面)に対して記録を行う。
各動作モードは、例えば、操作パネル28を介してユーザ操作が受け付けられることで記録装置100に設定される。なお、本実施形態では、記録装置100の電源がONになった直後の初期化状態では、記録装置100には片面印刷モードが設定されている。そのため、ユーザは、片面印刷モード以外の動作モードで記録装置100を動作させたい場合は、操作パネル28を操作して動作モードを設定する。なお、記録ジョブに動作モードの指示がある場合、その指示に基づいて動作モードを選択しても良い。片面巻取印刷モードの場合には内巻き方向および外巻き方向の何れでも良い。一方、両面印刷モードの場合には、シートSを記録ヘッドの記録ヘッド18と対向させる必要があるため内巻き方法で巻き取る。
(両面印刷モード)
ここで両面印刷モードについて説明をする。図11は、両面印刷モードの処理を示すフローチャートである。また、両面印刷モードにおけるシートの状態を図12に示す。ここでは、まず上段のシート供給装置200aでシートSの供給を行いシートの第1面(表面)に画像を記録する。次に、下段のシート供給装置200bで画像が記録されたシートSを内巻き方法で巻き取る。その後、下段のシート供給装置200bからシートSを供給して、シートSの第2面(裏面)に画像を記録する。
S1401工程において、制御部201は、シートSの搬送指示を外部装置29による記録ジョブまたは操作パネル28から受け取る。
S1402工程において、制御部201は、上段のシート供給装置200aのロールセンサ32によって、スプール部材2の取り付け位置にスプール部材2が装着されているかを判定する。装着されている場合はS1404工程に進み、装着されていない場合はS1403工程に進む。
S1403工程において、スプール部材2が確認されなかったため制御部201は、上段のシート供給装置200aにロールシートRの装着を促す表示を操作パネル等に表示させる。その後S1402工程に進む。
S1404工程において、制御部201は下段のシート供給装置200bのロールセンサ32によって、スプール部材2が装着されているかを判定する。スプール部材2が装着されている場合はS1406工程に進み、装着されていない場合はS1405工程に進む。
S1405工程において、スプール部材2が確認されなかったため制御部201は、下段のシート供給装置200aにスプール部材2の装着を促す表示を操作パネル等に表示させる。その後S1404工程に進む。
S1406工程において、制御部201は、下段のシート供給装置200bのアーム部材4を巻芯27から離間するポジションに移動させる。この状態の記録装置100の断面図を、図12(a)に示す。
S1407工程において、制御部201は、シートSの先端が下段のシート供給装置200bに到達するようにシートSを搬送する。このとき、制御部201は、下段の巻芯27にシートSの先端を内巻き方法のための固定方法で固定するようユーザに指示するための画面を操作パネル28に表示しても良い。ユーザは、排出口から排出された画像の記録されていないシートSを内巻き方法のための固定方法で固定する。シートSが内巻き方法のための固定方法で下段の巻芯27に固定されている状態を、図12(b)に示す。
S1408工程において、ユーザはシートSの先端の固定が完了したことを操作パネル28から入力する。
S1409工程において、制御部201は、両面印刷の指示を受け付ける。
S1410工程において、内巻き検知を行う。ユーザが内巻き方法の固定でシートを下段のシート供給装置200bで装着していることを確認するためである。内巻き検知はシートSの固定状態をセンサ(不図示)で測定しても良いし、スプール部材2を回転させたときのバックテンションを検出しても良い。内巻き方法の固定である場合は、S1412工程に進み、内巻き方法の固定でない場合は、S1411工程に進む。
S1411工程において、制御部201は、内巻き方法のための固定でシートSの先端を下段の巻芯27に固定するようユーザに指示する。その後、S1410工程に戻る。なお、両面印刷をキャンセルするための入力をしても良い。この場合、制御部201は、両面印刷を実行せずに処理を終了する。
S1412工程において、制御部201は、記録部400による記録を実行する前にシートSを所定の長さLPだけ搬送させ、下段のシート供給装置200bのスプール部材2に巻き取らせる。裏面印刷時にはシートSの搬送方向が表面印刷時と逆になり、下段の巻芯27に固定されている部分がシートSの後端となるためである。すなわち、シートSの後端から所定の長さLPの領域が、記録部400まで搬送されないことになる。所定の長さLPとは、下段のシート供給装置200bに装着されているスプール部材2からシートSの切断位置までの長さである。
S1413工程において、制御部201は、記録ヘッド18をキャリッジによって走査しながら、シートSの表面に記録ヘッド18の幅に相当する画像を記録する。そして、記録ヘッド18の幅に相当する距離を搬送ローラ14で搬送する。搬送に伴って下段のシート供給装置200bのスプール部材2を回転させることで、片面印刷が行われたシートSを巻芯27に巻き取ることができる。なお、制御部201は、記録指示に基づいて複数の画像を記録することを指示されている場合、カッタ20によってシートSを切断せずに、複数の画像を連続してシートSの表面に記録する。
なお、ロール駆動モータ33の駆動に使われるトルクは搬送ローラ駆動用モータ35駆動に使われるトルクに対して十分低く設定されている。そのため、搬送ローラ14によるシートSの搬送とスプール部材2に対するシートSの巻き取りとが同時に行われてもシートSの搬送の精度に対する影響はない。記録を行っている状態の記録装置100の断面図を、図12(c)に示す。
S1414工程において、制御部201は、両面印刷の対象ジョブに対してシートSの表面の記録がすべて終了したかを判定する。表面の記録がすべて終了していない場合にはS1413へ遷移し、全ての画像の記録が終了されるまで記録と巻き取りを繰り返す。シートSの表面に全ての画像の記録が終了するとS1415工程に進む。
S1415工程において、制御部201は、シートS上の画像が記録された領域の後端側をカッタ20の切断位置まで到達させ、カッタ20によってシートSを切断させる。
S1416工程において、制御部201は、シートSの切断後にスプール部材2を回転させて、画像が記録されたシートSを下段の巻芯27に巻き取る。また、制御部201は、上段のロールシートRから供給されたシートSを退避させるために、上段のスプール部材2を巻き取り方向(C2)に回転させる。
S1417工程において、両面印刷モードであることを確認する。両面印刷モードである場合は、S1418工程に進む。
S1418工程において、制御部201は、下段のシート供給装置200bのシートのカールの状態を判定する。判定の結果、自動供給が可能と判断できる場合はシートSを記録部まで搬送する。カールの状態の判定については後述する。
S1419工程において、制御部201は、裏面印刷を開始する。制御部201は、記録ヘッド18をキャリッジによって走査しながら、シートSの裏面(第2面)に記録ヘッド18の幅に相当する画像を記録する。そして、記録ヘッド18の幅に相当する距離を搬送ローラ14で搬送する。この動作を繰り返すことによって裏面に所望の画像を記録する。
S1420工程において、裏面にすべての画像を記録した後に、画像の後端をカッタ20の切断位置に搬送して、カッタ20でシートSを切断する。
S1421工程において、裏面印刷が終了したか判断をする。
以上のように、表面印刷の終了後にカールの状態を判定し、カール状態が供給可能なレベルである場合にのみ裏面の供給を自動で実施する。このためカール状態による供給不良を避けることが可能である。この結果、表面に画像が記録されたシートの裏面に画像を記録するときに、シートを正常に供給できる。
(カールを判定するフローチャート)
ここで、シートのカールの状態を判定する判定方法について図13を用いて説明をする。また、判定方法の原理について図14および図15を用いて説明する。裏面供給において、シートの状態は内巻きで巻かれた状態から供給される。そのためシートは巻方向とは逆方向にカール(逆カール)する。逆カールの状態は、シートの種類、表面印刷時の巻き径、表面印刷時の温湿度環境、表面印刷の記録濃度、表面印刷時からの経過時間などにより変化する。例えば、厚く剛度が高いシート場合、表面印刷時の巻径が小さい場合は、カールが大きくなる。図14はロールシートRを逆方向(C2)に回転させ、ロールシートRの先端部Saが分離フラッパー10から離れてアーム部材4に自重で落下した状態である。図14(a)は、カールがあまりない場合、(b)は、カールがある場合、(c)はカールが大きい場合である。カールが大きくなるほどシート先端部Saがアーム部材4を押す。その結果、先端部Saと従動回転体8との間のシートSがロールシートRの表面に近づく。つまりカールの大きさによってシート先端部Saと距離センサ6までの距離が変わる。
図15に、図14のそれぞれのカールの状態に対応した距離センサ6の出力値の変化を示す。横軸は、ロールシートRを逆方向(C2)に回転させた際の回転角度である。回転角度が210度付近でロールシートRの先端部Saが距離センサ6の上を通過する。シート先端部Saが距離センサ6の上を通過したことの判定は図8のフローチャートに基づく。図15に示すように、先端部Saのカールの状態によってシート先端部Saが距離センサ6を通過する直前の波形に差が生じる。本実施形態では、この波形の差を解析することによってシートの先端部Saのカールの状態の判定を行う。
制御部201はシート先端部Saが距離センサ6上を通過した(上述のHからLへ変化した)と判定した角度θ(p1)付近におけるもっとも急な傾きMaxA(絶対値でもよい)を持つ変化点を算出する。傾きAは、θ(p1+30)度からθ(p1−30)度までの範囲において、ある角度θ(n)に対する出力値RefV(n)と、θ(n)の1つ前のデータである角度θ(n−1)に対する出力値RefV(n−1)とから数式1のように算出される。なお、RefV(n)は角度θ(n)で取得された出力値とするが、移動平均した値であってもよい。変化点は、その範囲における最大の傾きMax(A)を満たす点である。Max(A)は、図15において、×を通る一点鎖線で示されている。
数式1
A=(RefV(n)−RefV(n−1))/(θ(n)−θ(n−1))
Max(A)における角度θ(m)の点から、回転角度が小さい方向(図15のグラフでは左方向で時間的にはmの前)に対して、数式2のように差分の最大である特徴点Pinf0を算出する。Pinf0を算出する範囲は、m〜m−20である。図15中では特徴点Pinf0(角度t)を〇で示す。なお、特徴点Pinf0はシート先端が距離センサ6の上を通過した際の角度となる。
数式2
Pinf0=Max[(RefV(n+1)−RefV(n))−/(RefV(n)−RefV(n−1))]
次に、更に回転角度が小さくなる方向(時間的にはPinf0の前)に対して、角度tを基準としてt−20までの範囲で数式3のように差分の最大である特徴点Pinf1を算出する。図15中では特徴点Pinf1(角度u)を△で示す。特徴点Pinf1は、シート先端が距離センサ6の上を通過する前にシートSが最も距離センサ6に近づいた際の角度となる。
数式3
Pinf1=Max[(RefV(n+1)−RefV(n))−(RefV(n)−RefV(n−1))]
図15(a)のカールがあまりない場合、シート先端部Saが自重で落下した付近の出力値が最大値となる。また、シート先端が距離センサ6の上を通過する際の出力値と近い値である。一方、図15(b)のカールがある場合、シート先端部Saが自重で落下した付近の出力値は、シート先端が距離センサ6の上を通過する際の出力値と比較して小さくなる。図15(c)のカールが大きい場合、シート先端部Saが自重で落下した付近で出力値が大きくなるものの図15(b)より小さい。その後、シート先端が距離センサ6の上を通過する際に出力値が最大値となる。
次に、Pinf0とPinf1を結ぶ直線の傾きBを算出する。
数式4
B=(RefV(t)−RefV(u))/(θ(t)−θ(u))
上述のようにカールが大きい場合、傾きBの値は+方向に大きくなる。一方、カールが小さい場合、傾きBの値は小さくなる。傾きBの値を判定に使用することでカール状態の判定を行うことができる。なお、カール状態の判定に関しては、PrefV(t)とPrefV(u)の差分の値をもとに算出しても良いが、シートの種類によってシートからの反射光量が変わるため、規格化して判定を行うことが望ましい。
傾きBを算出後、算出された傾き角Bからにカールの有無を判定する。傾きBに対するカール判定閾値ThBは、例えば10である。なお、図15(a)に示す波形ではB=5でカールが小さいと判定できる。図15(b)ではB=30でカールありと判定できる。図15(c)ではB=32でカールありと判定できる。
なお、Pinf0とPinf1の回転角度の差については、シート先端部Saの折れや先端部の局所的な汚れを想定して一定以上の角度を空けることが望ましい。具体的には、巻き取られた径の最大をΦ180mmとした場合でロール回転1度ごとにデータを取得していた場合、1データ毎のシート先端部の移動量は約1.6mmである。一方、カールは供給の際の巻き癖が原因で発生するため、そのような短い距離によって大きく変動することはない。そのため、Pinf0をもとにPinf1の凸検索開始の回転角度をPinf0から所定の角度を空けてから検索しても良い。
なお、カールの判定は、Pinf0を基準にPinf1の変化量と変化の方向(大きくなる方向に変化しているか、小さくなる方向に変化しているか)によって判定しても良い。
カールがありと判定された場合、カールの大きさについて判定を行う。カールの大きさの判定は、RefV(u)とRefV(t)の比率で行う。RefV(u)はシート先端部Saが距離センサ6の上部を通過する前に最もシートと距離センサ6が近づいた箇所での距離センサ6の出力値を示している。カールが大きい場合にはカールの反力によってシートと距離センサ6の距離は遠くなるため、比率が大きい場合にはカールが大きい状態、比率が小さい場合はカールが小さい状態である。比率RePの閾値をRePth=1.5と設定した。図15(b)はReP=1.25でカールが中程度と判定できる。図15(c)はReP=1.72でカールが大きいと判定できる。
ところで、距離センサセンサ6の出力値の変化を正確に得るために発光光量或いは受光感度の調整がなされていることが望ましい。調整のために、所定の発光光量、受光感度を設定した状態でロールシートRを1回転させながら距離センサ6の出力値を取得し、1周の出力値の全てが所定範囲内に入っているかを確認する。所定範囲外の場合で出力値が飽和している場合には発光光量、受光感度のどちらか一方、あるいは両方を減らすように制御する。また、出力が小さく変化が得られない場合には発光光量、受光感度のどちらか一方、あるいは両方を増加させるように制御し、1周の出力値全てが所定範囲内に入るように設定する。増加させる、あるいは減らす際の値の決め方は、得られた出力値から算出しても良い。LED光源の場合にはLEDに供給する電流量にほぼ比例するように発光光量が変化するため容易に算出可能である。計算で算出しない場合には複数回設定値を変化させながらロールシートRを回転させて、その出力値を都度モニタリングして所定範囲内に入ることを確認する方法でも良い。また、シートごとに反射特性が異なり、シートセンサの出力もそれによって変化するため、少なくとも先端部を検出する前にシートごとに反射光量調整が実施されることが望ましい。更に、反射特性の違いはシートの種類による違いによる差が大きいため、表面での反射光量調整で得られた値を一時的に保存しておき、裏面の先端検出を実施する前に一時保存されている設定値を設定することで裏面の先端部を検出する際に反射光量の調整を実施するための時間や制御を短縮することができる。
ここで、S1418工程におけるカールの判定フローチャートを図13に示す。カールの判定方法は、上述の原理に基づいている。
S1901工程において、制御部201は距離センサ6の出力値の取得を開始する。
S1902工程において、制御部201はロールシートRを逆方向(C2)に2回転させる。この際、距離センサ6の出力値はRAM203に逐次保存される。保存されるタイミングはシート供給装置200に備えられている回転量センサ36に同期させる。この結果、ロールシートRの巻径に左右されずに2回転において決まった量のデータを保存できる。ロールシートRが2回転してデータが保存されると、制御部201はロールシートRの回転を停止させる。
S1903工程において、シートSの先端を見つけられたかを判定する。判定は上述の図8のフローチャートの処理に基づいている。なお、S1903工程は表面が記録された後の巻き取られたロールシートRの先端部を検出するための判定である。シートSの先端を検出した場合は、S1905工程に進む。検出できなかった場合はS1904工程に進む。
S1904工程において、先端を特定できなかった場合は、シートの状態の確認と手動による供給を促すように操作パネルに表示をする。
S1905工程において、シート先端付近のセンサ変位量解析を行う。センサ変位量解析は上述の原理に基づいたものである。この結果、上述の傾きBおよび比率RePが算出される。
S1906工程において、カールの状態を傾きBを基に判定する。カールが小さいと判定された場合には、裏面印刷のためS1907工程に進む。カールありと判定された場合はS1908工程に進む。
S1907工程において、記録ヘッド18を計測位置まで移動させる。シートSを供給する際に記録ヘッド18に搭載されている光センサ103でシートの幅や先端を測定するためである。図16は記録装置の記録ヘッド18の構成を示した図である。記録ヘッド18はキャリッジシャフト105に平行に移動するように制御される。計測位置X2は、記録範囲内である。シートの供給前にあらかじめ記録ヘッド18を計測位置X2に移動させることで、光センサ103の測定にかかる時間を短縮することができる。
S1908において、制御部201は、カールの状態について比率RePを基に判定する。算出された比率がRePth以下(状態“中”)である場合にはS1909工程へ進む。
S1909工程において、制御部201は記録ヘッド18を退避位置X1に退避させる。退避位置X1は、記録可能範囲外である。シートSの先端が記録ヘッド18に衝突しないようにするためである。
S1910工程において、カールの状態が“大”と判定された場合にはユーザに手動で供給するように促す表示を操作パネル28に表示する。カールによって供給に影響を与える可能性があるためである。
S1911工程において、ロールシートRを正方向(C1)に回転させてシートを供給する。これによってS1418工程を終了する。
なお表面印刷の後に裏面印刷を連続する場合だけでなく、表面印刷の後に片面印刷などの別の記録ジョブを実行してから裏面印刷を実行する場合にも適用できる。また、表面印刷の後に画像が表面に記録されたロールシートRを記録装置から取り外し、再度ロールシートRを供給して裏面印刷を実行する場合にも適用できる。
2 スプール
6 距離センサ
18 記録ヘッド
33 ロール駆動モータ

Claims (10)

  1. ロール状に巻回されたシートを保持する保持部と、
    前記保持部で保持されたシートを正方向と逆方向とに回転させる駆動手段と、
    前記保持部で保持されたシートの重力方向の下側に配され、シートまでの距離に基づく出力値を取得するセンサと、
    前記駆動手段がシートを前記正方向に回転させて前記保持部から供給されたシートに画像を記録する記録ヘッドと、を備え、
    画像が第1面に記録されたシートの裏側の第2面に前記記録ヘッドによって画像を記録する記録装置であって、
    前記駆動手段によって第1面に画像が記録されたシートを前記逆方向に回転させながら前記センサで出力値を取得し、当該出力値が第1の閾値を越えた後から当該第1の閾値より小さくなる範囲における第1の特徴点と、前記第1の特徴点より前の第2の特徴とを算出し、算出された結果に基づいてシートの供給を行うことを特徴とする記録装置。
  2. 前記第1の特徴点または前記第2の特徴点は、前記保持部に保持されたシートの回転角度に対する前記出力値の差分に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1の特徴点は、前記範囲において前記出力値が最大値となる点であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記第1の特徴点と前記第2の特徴点との傾きを算出することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の記録装置。
  5. 前記算出した傾きが第2の閾値を越えた場合にシートを供給しない制御をすることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記第1の特徴点における第1の出力値と前記第2の特徴点における第2の出力値の比または差を算出することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の記録装置。
  7. 前記比または差が第3の閾値を越えた場合にシートを供給しない制御をすることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. シートの外周を重力方向の下側から圧接する圧接体と、
    前記圧接体が配され、回転可能なアームと、を備え、
    前記センサは、前記アームに配されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の記録装置。
  9. 前記センサは、発光部と受光部を備える反射型の光学センサであることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載の記録装置。
  10. 前記記録ヘッドをシートの幅方向に移動するキャリッジを備え、
    前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とに基づいて、前記第2面に画像を記録する際に前記キャリッジによって前記記録ヘッドを移動させることを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の記録装置。
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