JP2021088215A - 車輪用軸受装置の製造方法、及び車輪用軸受装置 - Google Patents

車輪用軸受装置の製造方法、及び車輪用軸受装置 Download PDF

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祐一 吉岡
Yuichi Yoshioka
祐一 吉岡
前田 徹
Toru Maeda
前田  徹
充 澤野
Mitsuru Sawano
充 澤野
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Abstract

【課題】塗装品質のばらつきを抑制しつつ、工数を削減することができる技術を提供する。【解決手段】外輪部材2と、内軸部材4と、外輪部材2と内軸部材4との間に配置された複数の玉6と、を備え、内軸部材4の軸方向一方側の端部に軸方向一歩凹側へ突出して設けられ、車輪Wの中心孔w1に挿入される円筒状のインロー部24を有する車輪用軸受装置1の製造方法であって、インロー部24の外周面24aにおける塗装対象面26に対して塗料を噴霧する塗装ノズル40を近接配置する工程と、内軸部材4を軸方向周りに回転させながら、塗装ノズル40から塗料を噴霧して塗装対象面26に塗布しつつ、塗装対象面26に隣接する側面22bに空気を噴射する工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、車輪用軸受装置の製造方法、及び車輪用軸受装置に関する。
自動車等の車両には、車輪を回転自在に支持するための車輪用軸受装置(ハブユニット)が搭載されている。この車輪用軸受装置は、同心状に配置された外輪と内軸部材を備えており、これら外輪と内軸部材との間に配設された転動体によって、外輪に対して内軸部材が回転自在にされている。内軸部材の車両アウタ側の端部には、車輪を固定するためのフランジと、車輪の中心孔に挿入される円筒状のインロー部とが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
この車輪用軸受装置は、車両の外観からは見えない箇所に設けられるため、装置全体が塗装されることはない。
一方、インロー部は、車輪の中心孔に挿入されるので、例えば、インロー部の表面が錆びると、その錆を含んだ水分(以下、錆汁ともいう)が車輪の表面に伝って漏れ、車輪の外観品質を低下させることがある。
そこで、インロー部に錆が生じるのを抑制するために、インロー部のみに塗装を行うことがあった。
図6は、車輪用軸受装置のインロー部に対する、従来の塗装工程を説明するための図である。
図6に示すように、車輪用軸受装置100の内軸部材102の車両アウタ側の端部には、フランジ部104と、円筒状のインロー部106とが設けられている。
インロー部106の表面に塗装を行う場合、フランジ部104の車両アウタ側の側面104aや、スタッドボルト108、インロー部106の基端部106aを覆い、インロー部106における塗装対象面だけを露出させるマスキングプレート110を取付け、その上で、インロー部106から離れた位置に配置されたノズル112から水性塗料を塗装対象面へ向けて噴霧し塗布する。
塗料の塗布が完了すると、マスキングプレート110を車輪用軸受装置100から取り外し、塗料を乾燥させる。
特開2013−169853号公報
上記従来の塗装工程では、インロー部106とともにマスキングプレート110にも塗料が塗布される。このため、マスキングプレート110を繰り返し使用していると、当該マスキングプレート110の表面に付着する塗膜の膜厚が徐々に増加し、マスキングの機能を低下させる。このため、マスキングプレート110は、数10回程度繰り返し使用された後、交換する必要がある。
塗料を塗布するために必要な時間は、数10秒程度の短時間であるため、比較的高頻度でマスキングプレート110の交換を行う必要がある。
また、使用後のマスキングプレート110は再利用されるため、塗料を除去するための洗浄作業も必要となる。
このように、塗装工程におけるマスキングプレート110の使用は、マスキングプレート110の交換や洗浄が必要となり、工数の増加に繋がる。
ここで、塗料の噴霧ノズルをインロー部106の塗装対象面に接近させて塗装対象面のみに塗料を噴霧することで、マスキングプレート110を用いることなくインロー部106に塗装を行うことが考えられる。
しかし、噴霧ノズルを塗装対象面に接近させて塗料を噴霧すると、すでに塗装対象面に塗布された塗料が噴霧による圧力によって押圧され、塗膜の膜厚に部分的なばらつきを生じさせたり、塗装範囲が目標とする範囲である塗装対象面よりも拡大したり、塗布された塗料によって形成される塗膜の端縁に波打ちが生じたりするといったように、塗装品質のばらつきを生じさせるという問題が考えられる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり塗装品質のばらつきを抑制しつつ、工数を削減することができる技術を提供することを目的とする。
(1)本発明は、外方部材と、内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に配置された複数の転動体と、を備え、前記内方部材の軸方向一方側の端部に、車輪の中心孔に挿入される円筒状のインロー部を有する車輪用軸受装置の製造方法であって、前記インロー部の外周面における塗装対象面に対して塗料を噴霧する噴霧ノズルを近接配置する工程と、前記内方部材を軸方向周りに回転させながら、前記噴霧ノズルから塗料を噴霧して前記塗装対象面に塗布しつつ、前記塗装対象面に隣接する隣接面に空気を噴射する工程と、を含む。
上記構成によれば、噴霧ノズルを塗装対象面に近接配置して塗料を噴霧して塗布するので、マスキングのための部材を装着することなく、塗装対象面に塗料を塗布することができる。この結果、マスキングのための部材の使用に伴う工数を削減することができる。
また、上記構成によれば、隣接面に空気を噴射することで、隣接面から塗装対象面へ向かって流れる気流を発生させることができ、この気流によって、塗料に対して間接的に空気を当て、塗料を乾燥することができる。これにより、塗料を乾燥させるために当てる空気によって塗料により形成される塗膜の厚みにばらつきを生じさせるのを抑制できる。また、隣接面から塗装対象面へ向かって流れる気流によって、塗装対象面に塗布された塗料が隣接面側へ流れるのを抑制するとともに、塗料によって形成される塗膜の端縁に波打ちが生じるのを抑制できる。さらに、近接配置された噴霧ノズルからの噴霧圧力によって塗布された塗料が押圧され塗料の厚みが部分的に薄くなったとしても、前記気流が塗装対象面に沿って流れることで、塗料の厚みをならすことができ、塗膜の膜厚に生じる部分的なばらつきを抑制できる。
以上のように、上記構成によれば、塗装品質のばらつきを抑制しつつ、工数を削減することができる。
(2)上記車輪用軸受装置の製造方法において、前記隣接面において前記空気が噴射される噴射位置は、前記インロー部を軸方向に沿って見たときに、前記噴霧ノズルの位置に対して周方向に90度以上かつ270度以下の角度間隔を有することが好ましい。
この場合噴射ノズルと噴射位置とを周方向に離間させることができ、噴射された空気によって発生する気流が噴霧ノズルから噴霧される塗料に影響を与えるのを抑制することができる。
(3)上記車輪用軸受装置の製造方法において、前記内方部材は、軸方向一方側の端部に設けられ、径方向に沿って延びて前記車輪が固定されるフランジ部を有し、前記隣接面は、前記外周面に繋がる、前記フランジ部の軸方向一方側の側面を含んでいてもよい。
この場合、空気を軸方向に沿って噴射しフランジ部の側面に当てることができるので、空気を噴射するための噴射ノズルの配置が容易となる。
(4)また、本発明は、外方部材と、内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に配置された複数の転動体と、を備え、前記内方部材の軸方向一方側の端部に軸方向に突出して設けられ、車輪の中心孔に挿入される円筒状のインロー部を有し、上記(1)に記載の製造方法によって製造される車輪用軸受装置であって、前記インロー部の外周面を覆う、塗料からなる塗膜を有し、前記塗膜の軸方向他方側の端面が、軸方向一方側から他方側へ向かって前記塗膜の膜厚が漸次減少する面である。
上記構成によれば、塗装品質のばらつきを抑制しつつ、工数を削減することができる。さらに、塗膜の軸方向他方側の端面が、塗膜の膜厚が漸次減少する面となっているので、塗膜が容易に剥離するのを抑制することができる。
本発明によれば、塗装品質のばらつきを抑制しつつ、工数を削減することができる。
図1は、車輪用軸受装置一例を示す断面図である。 図2は、インロー部の先端部分を示した要部断面図である。 図3は、保持装置に保持された組立体を示す図である。 図4は、図3に示す組立体のインロー部を中心軸に沿って見たときの図である。 図5(a)は、変形例に係る空気ノズルの配置態様を示す図であり、図5(b)は、他の変形例に係る空気ノズルの配置態様を示す図である。 図6は、車輪用軸受装置のインロー部に対する、従来の塗装工程を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
〔車輪用軸受装置の全体構成〕
図1は、実施形態に係る車輪用軸受装置一例を示す断面図である。車輪用軸受装置(ハブユニット)1は、自動車等の車両の車体に設けられた懸架装置(ナックル)Sに取り付けられ、車輪W及びブレーキロータRを回転可能に支持する。
なお、本明細書では、車輪用軸受装置1において、車輪Wが取付けられることで車両の外側を向く図1の右側を車両アウタ側、左側を車両インナ側という。
また、本明細書において、軸方向とは、車輪用軸受装置1の中心軸Cに平行な方向である。軸方向一方側とは、車両アウタ側であり、軸方向他方側とは、車両インナ側である。
また、径方向とは前記軸方向に直交する方向である。
車輪用軸受装置1は、外輪部材2(外方部材)と、内軸部材4(内方部材)と、転動体である玉6と、玉6を保持する保持器8とを備える。
外輪部材2は、機械構造用合金鋼等を用いて形成された円筒状の部材である。外輪部材2の内周側には外輪軌道面2a,2bが設けられている。また、外輪部材2の外周面には、径方向外方に突出する固定用のフランジ部2cが設けられている。
外輪部材2はフランジ部2cによって懸架装置Sに取り付けられる。これにより外輪部材2を含む車輪用軸受装置1は車体に固定される。
内軸部材4は、ハブ軸(内軸)16と、このハブ軸16の軸方向他方側に固定されている内輪18とを有する。ハブ軸16は、機械構造用合金鋼等によって形成された部材であり、外輪部材2の径方向内方に設けられている軸体部20と、フランジ部22と、インロー部24とを有する。
内輪18は、機械構造用合金鋼等を用いて形成された環状の部材である。内輪18は、軸体部20の軸方向他方側に設けられた段部20bに外嵌して固定されている。
軸体部20の外周側には、軸軌道面20aが設けられている。内輪18の外周面には、内輪軌道面18aが設けられている。軸方向一方側の外輪軌道面2aと軸軌道面20aとの間には、複数の玉6が配列されている。外輪軌道面2bと内輪軌道面18aとの間にも、複数の玉6が配列されている。各列において、複数の玉6は保持器8によって周方向に保持されている。上記構成により、内軸部材4は外輪部材2に対して中心軸Cを中心として回転可能である。
インロー部24は、軸体部20の軸方向一方側の端部20cから軸方向一方側へ突出して設けられている。インロー部24は、円筒状に形成されており、ブレーキロータRの中心孔r1及び車輪Wの中心孔w1に挿入される。
フランジ部22は、軸体部20の端部20cに設けられている。フランジ部22は、端部20cから径方向外方に延びている。フランジ部22の軸方向一方側の側面22bは、インロー部24の外周面24aに繋がっている。
フランジ部22には、ボルト孔22aが形成されている。このボルト孔22aにはスタッドボルト28が固定される。
フランジ部22の側面22bには、ブレーキロータRが当接して配置され、さらにブレーキロータRの軸方向一方側から車輪Wが重ねて配置される。
スタッドボルト28は、側面22b側にブレーキロータR及び車輪Wが配置された状態で、ブレーキロータRのボルト孔r2及び車輪Wのボルト孔w2に挿通される。この状態で、スタッドボルト28にナット(図示省略)を螺合し締め付けることで、車輪W及びブレーキロータRがフランジ部22に固定される。
図2は、インロー部24の先端部分を示した要部断面図である。
インロー部24の外周面24aは、軸方向他方側の大径面24a1と、軸方向一方側の小径面24a2とを含む。
外周面24aのうち小径面24a2には、塗膜30が設けられている。この塗膜30は、水性塗料等を小径面24a2に塗布することで形成される。
塗膜30の軸方向他方側の端面30aは、軸方向一方側から他方側へ向かって塗膜30の膜厚が漸次減少するように連続的に傾斜する傾斜面となっている。
また、塗膜30の端面30a以外の部分における塗膜30の膜厚は、大きくばらつくことがなく、軸方向に沿って均一となっている。なお、塗膜30の膜厚は、例えば、10μm〜30μm程度である。
上記従来例のように、マスキングプレート等の治具を用いた場合、治具の端面と塗料との境界部分に塗料の液溜まりが生じ、治具に接触する塗膜の端面の膜厚が他の部分よりも大きくなったり、塗膜の端面が治具によってインロー部の外周面に対してほぼ直交する壁面状に形成されたりすることがある。塗膜の端面がインロー部の外周面に対して壁面状に形成されると、塗膜の剥離の原因になるおそれがある。
これに対して、本実施形態の車輪用軸受装置1では、以下で述べる製造方法によって製造することで、塗膜30の端面30aは軸方向一方側から他方側へ向かって膜厚が漸次減少するように連続的に傾斜する傾斜面となっている。これによって塗膜が容易に剥離するのを抑制することができる。
塗膜30は、車輪用軸受装置1を構成する各部を組み立てた後に、インロー部24に水性塗料を塗布することで形成される。
次に、上記塗膜30を設けるための塗装工程について説明する。
〔塗装工程について〕
車輪用軸受装置1は、車輪用軸受装置1を構成する各部品を組み立てる組立工程の後、塗装工程によってインロー部24に塗装を行うことで製造される。
組立工程では、塗膜30を形成すれば完成品(車輪用軸受装置1)となる組立体1aが得られる。
塗装工程では、まず、組立体1aを保持するための保持装置に組立体1aを保持させて塗装を行う。
図3は、保持装置に保持された組立体1aを示す図である。
保持装置は、中心軸Cが上下方向(鉛直方向)に平行となるように組立体1aを保持する。また、保持装置は、内軸部材4が回転可能に組立体1aを保持する。
図3中、塗装ノズル(噴霧ノズル)40及び空気ノズル42は、保持装置に組立体1aを保持させた後に、所定の位置に配置される。
塗装ノズル40は、インロー部24に対して塗料を噴霧して塗装するためのノズルである。塗装ノズル40には、圧縮空気及び水性塗料が供給される。塗装ノズル40は、供給される圧縮空気によって水性塗料を霧状にして噴霧する。塗装ノズル40は、径方向内方へ向けて霧状の塗料をインロー部24へ向けて噴霧するように配置されている。
塗装ノズル40は、外周面24aにおいて設定される塗装対象面26の範囲に塗料を塗布する。塗装ノズル40は、塗装対象面26に近接配置される。塗装対象面26は、インロー部24の先端縁24bから所定寸法Hまでの範囲に設定されている。所定寸法Hは、小径面24a2の範囲内に設定される。よって、塗装対象面26は、小径面24a2の範囲内に設定される。
また、塗装ノズル40の先端40aと、小径面24a2との間隔dは、例えば、数ミリに設定される。
塗装ノズル40の位置や、圧縮空気及び水性塗料の供給量は、塗装ノズル40によって塗料が塗布される塗装範囲が塗装対象面26となるように設定される。
また、空気ノズル42は、塗装対象面26に塗布された塗料からなる塗膜30に当てるための空気を噴射するためのノズルである。
空気ノズル42は、軸方向に沿って下向きに空気を噴射し、フランジ部22の軸方向一方側の側面22bに向けて空気を噴射するように配置されている。よって、空気ノズル42による空気の噴射方向は、側面22bに対して直交する。
また、空気ノズル42は、インロー部24を挟んで、塗装ノズル40の径方向反対側の位置に配置されている。
図4は、図3に示す組立体1aのインロー部24を中心軸Cに沿って見たときの図である。
図4中の破線で示す丸印は、空気ノズル42から噴射される空気が側面22bに当たる噴射位置を示している。
図4に示すように、噴射位置は、インロー部24を挟んで、塗装ノズル40の径方向反対側に位置となっている。つまり、本実施形態では、噴射位置は、インロー部24を中心軸Cに沿って見たときに、塗装ノズル40に対して180度の角度間隔を有している。
なお、この噴射位置は、インロー部24を中心軸Cに沿って見たときに、塗装ノズル40の位置に対して周方向に90度以上かつ270度以下の角度間隔を有する範囲であればよい。
図4中の角度範囲Aは、塗装ノズル40の位置に対して周方向に90度以上かつ270度以下の角度範囲を示している。よって、噴射位置が、図4中の角度範囲Aに位置するように空気ノズル42を配置すればよい。
この場合、塗装ノズル40と噴射位置とを周方向に離間させることができ、空気ノズル42から噴射された空気によって発生する気流が、塗装ノズル40へ到達し、噴霧される塗料に影響を与えるのを抑制することができる。
塗装工程においては、図3及び図4に示すように、組立体1aを保持装置に保持し、塗装ノズル40を塗装対象面26に対して近接配置するとともに空気ノズル42を配置した後、内軸部材4を中心軸C周りに回転させながら、塗装ノズル40から塗料を噴霧して塗装対象面26に塗布しつつ、側面22bに空気を噴射する。このとき、内軸部材4の回転速度は、例えば、毎分数100回転である。
内軸部材4を回転させながら塗装ノズル40から塗料を噴霧することで、塗装対象面26には周方向全域に亘って塗料が塗布される。
空気ノズル42から噴射された空気は、側面22bに当たると、当たった地点からその周囲へ向けて流れようとする。このため、空気が当たった地点から周囲へ向けて流れる気流が発生する。
発生した気流は、図3に示すように、側面22bに沿って周囲へ向けて流れる。側面22bに沿って流れる気流は、インロー部24の外周面24aに当たると、外周面24aに沿って軸方向一方側へ向けて流れる。
また、外周面24aは、側面22b側の端部にR面24a3を有している。このR面24a3は、側面22bに沿って流れる気流を、外周面24aに沿って軸方向一方側へ向けて流れるように効果的に導く。
外周面24aに沿って軸方向一方側へ向けて流れるように導かれた気流は、塗装対象面26へ向かって流れ、塗装対象面26に沿って流れる。
この気流によって塗装対象面26に塗布された塗料は乾燥される。
塗装工程によるインロー部24への塗装が完了することで、完成品である車輪用軸受装置1が得られる。
この構成によれば、塗装ノズル40を塗装対象面26に近接配置して塗料を噴霧して塗布するので、マスキングのための部材を装着することなく、塗装対象面26に塗料を塗布することができる。この結果、マスキングのための部材の使用に伴う工数を削減することができる。
また、マスキングのための部材を使用せずに塗料を塗布するので、塗装工程によって形成される塗膜30の軸方向他方側の端面30aは、図2に示したように、軸方向一方側から他方側へ向かって膜厚が漸次減少するように連続的に傾斜する傾斜面とすることができる。
また、この構成によれば、塗装対象面26に隣接する隣接面である側面22bに空気を噴射することで、側面22bから塗装対象面26へ向かって流れる気流を発生させることができ、この気流によって、塗料に対して間接的に空気を当て、塗装対象面26に塗布された塗料を乾燥することができる。これにより、塗料を乾燥させるために当てる空気によって塗膜30の厚みにばらつきを生じさせるのを抑制できる。
また、側面22bから塗装対象面26へ向かって流れる気流によって、塗装対象面26に塗布された塗料が外周面24aにおける塗装対象面26以外の部分や側面22b側へ流れるのを抑制するとともに、塗料によって形成される塗膜30の端縁に波打ちが生じるのを抑制できる。さらに、近接配置された塗装ノズル40からの噴霧圧力によって塗布された塗料が押圧され塗料の厚みが不均一になったとしても、前記気流が塗装対象面26に沿って流れることで、塗料の厚みをならすことができ、塗膜30の膜厚に生じるばらつきを抑制できる。
この結果、塗膜30の膜厚は、図2で示したように、大きくばらつくことがなく、軸方向に均一となる。
このように、本実施形態によれば、インロー部24に塗装をする場合において、塗装品質のばらつきを抑制しつつ、工数を削減することができる。
図5(a)は、変形例に係る空気ノズル42の配置態様を示す図である。
図5(a)では、空気ノズル42が、径方向に沿って空気を噴射し、インロー部24の外周面24aのうち、塗装対象面26以外の部分である非対象面27に向けて空気を噴射するように配置されている。よって、空気ノズル42による空気の噴射方向は、非対象面27に対して直交する。
この場合も、空気ノズル42から噴射された空気は、非対象面27に当たると、外周面24aに沿って軸方向一方側へ向けて流れる。よって、塗装対象面26へ向かって流れる気流を発生させることができ、この気流によって、塗料に対して間接的に空気を当て、塗装対象面26の塗料を乾燥することができる。
このように、塗料を乾燥させるための空気は、塗装対象面26に隣接する隣接面に噴射すればよい。隣接面には、外周面24aのうち、塗装対象面26以外の部分である非対象面27や、外周面24aに繋がっているフランジ部22の側面22bが含まれる。非対象面27には、R面24a3や、大径面24a1、小径面24a2のうち塗装対象面26から外れている部分が含まれる。
図5(b)は、他の変形例に係る空気ノズル42の配置態様を示す図である。
図5(b)では、空気ノズル42が、軸方向に対して傾斜した方向に沿って下向きに空気を噴射し、フランジ部22の側面22bに向けて空気を噴射するように配置されている。よって、空気ノズル42による空気の噴射方向は、側面22bに対して交差している。
この場合も、空気ノズル42から噴射された空気は、塗装対象面26へ向かう気流を発生させ、塗装対象面26の塗料を乾燥することができる。
このように、噴射する空気が非対象面27や側面22bといった隣接面に当たり、塗装対象面26へ向かう気流を発生させることができれば、空気ノズル42から噴射される空気の噴射方向は、隣接面に対して直交せずとも交差していればよい。
〔その他〕
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車輪用軸受装置 2 外輪部材 2c フランジ部
4 内軸部材 6 玉 20c 端部
22 フランジ部 22b 側面 24 インロー部
24a 外周面 26 塗装対象面 27 非対象面
30 塗膜 30a 端面 40 塗装ノズル
W 車輪 w1 中心孔

Claims (4)

  1. 外方部材と、内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に配置された複数の転動体と、を備え、前記内方部材の軸方向一方側の端部に軸方向一方側へ突出して設けられ、車輪の中心孔に挿入される円筒状のインロー部を有する車輪用軸受装置の製造方法であって、
    前記インロー部の外周面における塗装対象面に対して塗料を噴霧する噴霧ノズルを近接配置する工程と、
    前記内方部材を軸方向周りに回転させながら、前記噴霧ノズルから塗料を噴霧して前記塗装対象面に塗布しつつ、前記塗装対象面に隣接する隣接面に空気を噴射する工程と、を含む
    車輪用軸受装置の製造方法。
  2. 前記隣接面において前記空気が噴射される噴射位置は、前記インロー部を軸方向に沿って見たときに、前記噴霧ノズルの位置に対して周方向に90度以上かつ270度以下の角度間隔を有する
    請求項1に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
  3. 前記内方部材は、軸方向一方側の端部に設けられ、径方向に沿って延びて前記車輪が固定されるフランジ部を有し、
    前記フランジ部は、軸方向一方側に向くとともに、前記外周面に繋がる側面を有し、
    前記隣接面は、前記側面を含む
    請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
  4. 外方部材と、内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に配置された複数の転動体と、を備え、前記内方部材の軸方向一方側の端部に軸方向一方側へ突出して設けられ、車輪の中心孔に挿入される円筒状のインロー部を有し、請求項1に記載の製造方法によって製造される車輪用軸受装置であって、
    前記インロー部の外周面を覆う、塗料からなる塗膜を有し、
    前記塗膜の軸方向他方側の端面が、軸方向一方側から他方側へ向かって前記塗膜の膜厚が漸次減少する面である
    車輪用軸受装置。
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