JP2021087465A - 歯列矯正具 - Google Patents

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Abstract

【課題】審美性に優れた歯列矯正具を提供する。【解決手段】マウスピース１は、矯正対象歯の理想位置に基づいて形成された唇側又は頬側の外形と、前記矯正対象歯に所定の矯正力がかかるように形成された内面形状と、を有する。マウスピース１は、実際の歯（天然歯）に近い色調（乳白色等）の樹脂等を材料とする。少なくとも人の目につく表面のみを実際の歯に近い色調の材料で作製し、その他の部分は従来と同じ透明樹脂等の任意の材料で作製しても良い。【選択図】図２

Description

本発明は、歯列矯正具に関し、特にマウスピースを用いた歯列矯正において審美性を向上させる手法に関する。
従来よりマウスピース型の歯列矯正具が提供されている。マウスピースは、歯列の全部または一部に被せるように装着される。このとき、一部の歯には予め意図された方向に圧迫力が加わる。マウスピースをある程度の期間にわたり装着することで、歯の位置は徐々に調整される。通常、歯科医師が複数のステップからなる一連の矯正計画を策定し、サプライヤは計画に従って各プロセスで使用されるマウスピースを作製する。患者はステップごとにマウスピースを次々に交換し、歯列を徐々に正しい位置へ調整していく。
マウスピースの作成過程はおおむね次のとおりである。歯科医師は、患者の口腔内スキャンデータや歯科模型を取得するとともに、矯正計画を作成する。サプライヤは、口腔内スキャンデータ又は歯科模型の３次元データと、矯正計画とに従って、矯正計画の各ステップで使用するマウスピースの３次元ＣＡＤデータをそれぞれ作成する。３次元ＣＡＤデータに基づき、例えば光硬化性樹脂を使った光造形方式の３Ｄプリンタ等を使用してマウスピースが作製される（特許文献１参照）。
特開２０１８−９４２４５号公報
従来のマウスピースは、矯正中の審美性に欠けるという問題がある。まず、従来のマウスピースは通常、透明樹脂等を材料として作成されるため、マウスピースを装着していることが分かってしまう。加えて、従来のマウスピースは現在の歯列形状を基に作成されるため、外形も理想的ではない。
図１は、従来のマウスピースが矯正中の歯列に装着された状態を示す図である。この例では、矯正対象歯（以下、対象歯２という）は他の歯よりも幾らか内側に後退しており、この対象歯２を前方に押し出して綺麗な歯列を形成することが矯正の目的である。矯正の過程では、矯正計画に従って作製されたマウスピースが次々と患者に提供されるが、そのマウスピースの外形は、図１に示すように、現在の歯列の形状にほぼ近いものとなる。マウスピースが対象歯２を徐々に押し出すに従って、提供されるマウスピースの外形は徐々に理想の歯列に近いものとなっていく。
しかしながら、矯正には長い期間を要する。その期間においても、理想の歯列形状に近い審美性に優れたマウスピースを提供できれば、患者のクオリティ・オブ・ライフを向上させることができる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、審美性に優れた歯列矯正具を提供することを目的とする。
本発明の一実施の形態に係るマウスピースは、矯正対象歯の理想位置に基づいて形成された唇側又は頬側の外形と、前記矯正対象歯に所定の矯正力がかかるように形成された内面形状と、を有する。
本発明の一実施の形態に係るマウスピースは、略乳白色の材料で作成される。
本発明により、審美性に優れた歯列矯正具を提供することができる。
従来のマウスピースを示す図である。 本発明の実施の形態にかかるマウスピース１図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図２は、本発明の実施の形態にかかるマウスピース１が矯正中の歯列に装着された状態を示す図である。
マウスピース１は、実際の歯（天然歯）に近い色調（乳白色等）の樹脂等を材料とする。少なくとも人の目につく表面のみを実際の歯に近い色調の材料で作製し、その他の部分は従来と同じ透明樹脂等の任意の材料で作製しても良い。これにより、装着中であっても他人にそれを意識させづらい、審美性に優れたマウスピースを提供することができる。
マウスピース１の外形、特に人目に付く前面（唇側又は頬側）の形状は、矯正後の歯列を再現するように形成される。図１に示すように、従来のマウスピースの形状は、現在の歯列の形状を基準として設計されていた。一方、図２に示すように、本発明にかかるマウスピース１は、矯正後の歯列の形状を基準として設計される。換言すれば、対象歯２の理想の位置に基づいてマウスピース１の外形が作成される。
図２において２点鎖線で示されているのは、矯正が終了した後の対象歯２の位置（以下、理想位置３という）である。マウスピース１の前面の形状は、対象歯２の理想位置３に基づいて設計されている。これにより、マウスピース１の前面には、他の歯と揃った綺麗な歯列形状が形成される。
一方、マウスピース１の内側（歯との接触面）の形状、及び背面の（舌側）の外形は、現在の対象歯２の位置に基づいて設計されている。すなわち、対象歯２の背面にマウスピース１が密着し、矯正力を発生できるように形成される。これにより、マウスピース１の機能が担保される。
このようにマウスピース１を形成すると、マウスピース１の前面と、一部の歯の前面との間にはある程度の間隙が発生する。この間隙は、単純には樹脂材料等で埋めることができる。間隙を埋める材料は、マウスピース１の他の部分と同じものであっても良く、マウスピース１全体の剛性及び弾性への影響を与えづらい異なる材料を使用しても良い。
マウスピース１の典型的な作製方法は次のとおりである。まず、口腔内スキャンデータ又は歯科模型の３次元データに基づいて、マウスピース１の基となる３次元ＣＡＤデータを作成する。次に、矯正後に予測される対象歯２の位置、すなわち理想位置３に基づいて、歯列前面の形状を修正したＣＡＤデータを作成する。最後に、作成した３次元ＣＡＤデータを３Ｄプリンタに転送し、マウスピース１を出力する。
本実施の形態によれば、マウスピース１は、実際の歯に近い色調の材料を用いて作成され、その前面形状は、矯正対象の歯の予測位置である理想位置３に基づいて形成される。これにより、審美性に優れたマウスピースを提供することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨を損なわない限りにおいて任意に変更されて良い。
１ マウスピース
２ 対象歯
３ 理想位置

Claims (2)

  1. 矯正対象歯の理想位置に基づいて形成された唇側又は頬側の外形と、
    前記矯正対象歯に所定の矯正力がかかるように形成された内面形状と、を有する
    マウスピース。
  2. 略天然歯色の材料で作成された請求項１記載のマウスピース。
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