JP2021086990A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図ることができるリアクトルを提供する。【解決手段】コアと、コアに装着されるコイルとを備えるリアクトルであって、コアは、周波数が100kHz、最大磁束密度100mTにおける鉄損が、コアの温度が25℃以上100℃以下の範囲において、240kw/m3以下となる特性を有する圧粉磁心であり、圧粉磁心は、FeSiAl合金粉末を含んでいる。【選択図】図2

Description

本発明は、低鉄損コアを用いたリアクトルに関する。
OA機器、太陽光発電システム、自動車、無停電電源など様々な用途にリアクトルが用いられている。リアクトルは、例えば、出力系への高調波電流の流出を防止するフィルタや、電圧を昇降させる電圧昇降用コンバータなどに用いられる。この種のリアクトルは、環状形状のコアにコイルが巻回して成る。環状形状としては、トロイダル、UU型・UIU型を組み合わせたもの、θ形状のものなどが挙げられる。コアの種類としては、従来からフェライトコアが用いられている。そして、フェライトコアを用いる場合、複数のフェライトコアによって、環状形状のコアを形成する。
特開2009−259971号公報
複数のフェライトコアによって環状形状のコアを形成する場合、コア内部の磁束の飽和を抑制するため、フェライトコア部材の間にギャップを設けることがある。ギャップを設けて環状形状のコアを形成すると、リアクトルの大型化を招く。近年においては、リアクトルの用途も広がり、リアクトルを配置するスペースも小さくなってきているため、リアクトルの小型化が強く要望されている。そこで、コアとしては、ギャップを設ける必要があるフェライトコアではなく、飽和磁束密度が高いためギャップを設ける必要がない圧粉磁心に置き換えることが期待されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、フェライトコアを圧粉磁心に置き換えて、小型化を図ることができるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、コアと、前記コアに装着されるコイルとを備えるリアクトルであって、前記コアは、周波数が100kHz、最大磁束密度100mTにおける鉄損が、コアの温度が25℃以上100℃以下の範囲において、240kw/m以下の圧粉磁心であり、前記圧粉磁心は、FeSiAl合金粉末を含んでいること、を特徴とする。
本発明によれば、小型化を図ることができるリアクトルを得ることができる。
実施例におけるコアの形状を示す模式図である。 実施例における負荷電流と電源効率の関係を示したグラフである。 実施例におけるコア温度と鉄損の関係を示したグラフである。 実施例における負荷電流とコア温度の関係を示したグラフである。 実施例における負荷電流とコイル温度の関係を示したグラフである。
(構成)
リアクトルは、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、例えば、自動車等に搭載される昇圧回路の主要部品として用いられる。リアクトルは、コア及びコイルを備え、コアにコイルが巻回されている。
コアは、磁性体から成る。本実施形態のコアは、圧粉磁心である。圧紛磁心は、例えば、熱処理を施した軟磁性粉末を絶縁樹脂で被覆させ、これを金型に入れて加圧成形した成形体に、焼鈍などの熱処理を行うことにより製造される。本実施形態の圧粉磁心は、周波数が100kHz、最大磁束密度100mTにおける鉄損が、コアの温度が25℃以上100℃以下の範囲において、240kw/m以下となる特性を有する。特に、同条件において、最も低くなる鉄損が200kw/m以下であり、この最も低くなる鉄損が、コアの温度が50℃以上75℃以下の範囲に現れる。
(コア)
軟磁性粉末としては、FeSiAl合金粉末を使用する。なお、軟磁性粉末の製造方法は問わない。粉砕法により作製されたものでも、アトマイズ法により作製されたものでもよい。アトマイズ法は、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、水ガスアトマイズ法のいずれでもよい。
FeSiAl合金粉末は、粉末熱処理を施したものを使用する。粉末熱処理では、例えば、真空雰囲気や不活性ガス雰囲気である非酸化雰囲気又は大気雰囲気中で1〜6時間加熱する。不活性ガスとしては、HやNが挙げられる。熱処理温度としては、500℃以上700℃以下が好ましい。熱処理温度を500℃以上700℃以下の範囲にすると、鉄損の低減を図ることができる。
絶縁被膜は、FeSiAl合金粉末の粒子表面を被覆し、FeSiAl合金粉末間の絶縁を図る。本実施形態の絶縁被膜は、第1の被膜及び第2の被膜の2層により形成される。第1の被膜が、FeSiAl合金粉末の表面を被覆し、第2の被膜が、FeSiAl合金粉末の表面を被覆した第1の被膜の表面を被覆している。第1の被膜は、シランカップリング剤とシリコーンオリゴマーの混合された混合層であり、第2の被膜は、シリコーンレジン層である。
なお、被覆の態様として、FeSiAl合金粉末の1つ1つの粒子の表面を被覆する場合、いくつかの粒子が結合した結合粒子の表面を被覆する場合、粒子の全表面又は表面の一部を被覆する場合が含まれる。即ち、第1の被膜がFeSiAl合金粉末の表面の一部を被覆し、第2の被膜が第1の被膜で被覆されていないFeSiAl合金粉末の表面を被覆していてもよい。
第1の被膜は、FeSiAl合金粉末に、シランカップリング剤及びシリコーンオリゴマーを添加し混合させ、乾燥させることで、FeSiAl合金粉末の表面にシランカップリング剤及びシリコーンオリゴマーの混合物から成る第1の被膜が形成される。乾燥温度としては、60℃以上300℃以下であることが好ましい。より好ましくは、150℃以上200℃以下である。また、乾燥時間は、乾燥温度によっても異なるが、例えば、2時間程度である。
なお、シランカップリング剤とシリコーンオリゴマーの添加方法は、シランカップリング剤とシリコーンオリゴマーを混合した上でFeSiAl合金粉末に添加して混合させてもよいし、まずFeSiAl合金粉末にシランカップリング剤を添加し、その後シリコーンオリゴマーを添加して混合させてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、イソシアヌレート系、エトキシシラン系、エメキシシラン系、メトキシシラン系を使用することができ、特に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
シランカップリング剤の添加量としては、FeSiAl合金粉末に対して、0.25wt%以上1.0wt%以下が好ましい。シランカップリング剤の添加量をこの範囲にすることで、FeSiAl合金粉末の流動性を向上させるとともに、成形された圧粉磁心の密度、磁気特性、強度特性を向上させることができる。
シリコーンオリゴマーは、アルコキシシリル基を有し、反応性官能基を有さないメチル系、メチルフェニル系のものや、アルコキシシリル基及び反応性官能基を有するエポキシ系、エポキシメチル系、メルカプト系、メルカプトメチル系、アクリルメチル系、メタクリルメチル系、ビニルフェニル系のもの、アルコキシシリル基を有さずに、反応性官能基を有する脂環式エポキシ系のもの等を用いることができる。特に、メチル系またはメチルフェニル系のシリコーンオリゴマーを用いることで厚く硬い絶縁層を形成することができる。また、シリコーンオリゴマー層の形成のしやすさを考慮して、粘度の比較的低いメチル系、メチルフェニル系を用いても良い。
シリコーンオリゴマーの添加量は、FeSiAl合金粉末に対して、0.25wt%以上2.0wt%以下であることが好ましい。添加量が0.25wt%より少ないと絶縁被膜として機能せず、渦電流損失が増加することにより磁気特性が低下する。添加量が2.0wt%より多いと、圧粉磁心が膨張し強度低下を招く。
第2の被膜は、第1の被膜によって被覆されたFeSiAl合金粉末に、シリコーンレジンを添加し、乾燥することで、第1の被膜の表面に形成される。
シリコーンレジンは、シロキサン結合(Si−O−Si)を主骨格に持つ樹脂である。シリコーンレジンを用いることで、絶縁被膜は可撓性に優れる。シリコーンレジンとしては、メチル系、メチルフェニル系、プロピルフェニル系、エポキシ樹脂変性系、アルキッド樹脂変性系、ポリエステル樹脂変性系、ゴム系等を用いることができる。この中でも特に、メチルフェニル系のシリコーンレジンを用いた場合、絶縁被膜は耐熱性に優れる。
シリコーンレジンの添加量は、FeSiAl合金粉末に対して、1.0〜2.0wt%であることが好ましい。添加量が1.0wt%より少ないと絶縁被膜として機能せず、渦電流損失が増加することにより磁気特性が低下する。添加量が2.0wt%より多いと圧粉磁心の密度低下を招く。
シリコーンレジンの乾燥温度は、100℃以上200℃以下が好ましい。乾燥温度が100℃より小さいと膜の形成が不完全となり、渦電流損失が高くなる場合があり、一方、乾燥温度が200℃より大きいと成形体の密度及び透磁率が低下する場合があるためである。乾燥時間は、乾燥温度によっても異なるが、例えば、2時間程度である。
なお、本実施形態では、第1の被膜は、シランカップリング剤とシリコーンオリゴマーを混合した混合層としたが、これに限らない。例えば、第1の被膜は、シランカップリング剤又はシリコーンオリゴマーの単独層であってもよい。また、FeSiAl合金粉末を被覆する絶縁被膜は2層ではなく、1層の絶縁被膜を形成させてもよい。
絶縁被膜が形成されたFeSiAl合金粉末を加圧成形し、成形体を形成したうえで、この成形体に対して、Nガス中、N+Hガス非酸化性雰囲気中又は大気中にて、600℃以上且つ軟磁性粉末に被覆した絶縁被膜が破壊される温度(例えば、900℃とする)以下で、熱処理を行うことで圧粉磁心が作製される。なお、成形時の圧力は10〜20ton/cmであり、平均で12〜15ton/cm程度が好ましい。
(コイル)
コイルは、エナメルなどで絶縁被覆した複数の電線を束ねたリッツ線を複数本作製し、複数のリッツ線を並列に接続することにより構成される。コイルの端部は、外部機器の端子と溶接等により接合される。つまり、コイルは、端子を介して外部機器と電気的に接続される。外部機器から電力供給されると、コイルに電流が流れ、磁束が発生し、コア内に閉じた磁気回路が形成される。なお、本実施形態では、リッツ線を複数本作製し並列に接続させているが、リッツ線は、1本であってもよい。また、コイルは、エナメルなどで絶縁被覆した1本の導電性部材により構成されていてもよい。
(実施例)
次に、実施例について説明する。本実施例では、比較例1、2及び実施例の3つの試料を下記のとおり作製した。なお、表1は、作製した比較例1、2及び実施例の各構成を示したものである。
Figure 2021086990
比較例1は、表1に示すように、コアとしては、EER−35形状で、材質がPC44材であるフェライトコア(JIS C2560−3−1)を用いて、中脚の中央に8mmのギャップを設けた。そして、φ0.07mmのエナメル線を100本束ねたリッツ線を作製した。このリッツ線を3本作製し、フェライトコアに対して、3本のリッツ線を並列に44ターン巻回して、リアクトルを作製した。
一方、実施例及び比較例2は、表1の示すように、コアとして圧粉磁心を用いた。実施例及び比較例2の圧粉磁心は下記のとおり作製した。なお、下記のとおり、実施例と比較例2との圧粉磁心は、粉末熱処理を行ったか否かが異なる。
(1)実施例及び比較例2は、軟磁性粉末にFeSiAl合金粉末を用いた。実施例は、このFeSiAl合金粉末に対して、窒素雰囲気中で2時間粉末熱処理を行った。熱処理温度は、600℃で行った。一方、比較例2は、粉末熱処理を行わなかった。
(2)粉末熱処理を行った実施例及び比較例2のFeSiAl合金粉末に対して、シランカップリング剤を0.5wt%、シリコーンオリゴマーを0.5wt%を混合したうえで、添加した。そして、乾燥温度200℃で2時間乾燥させて、シランカップリング剤及びシリコーンオリゴマーの混合物から成る第1の被膜を形成させた。
(3)第1の被膜を形成させたFeSiAl合金粉末に対して、シリコーンレジンを1.5wt%添加した。そして、乾燥温度150℃で2時間乾燥させて、第2の被膜を形成させた。
(4)第2の被膜を形成させたFeSiAl合金粉末を金型に充填し、成形圧力12ton/cmでプレスし、成形体を作製した。成形体の形状は、EQ型(EQ3222)とした。具体的には、脚の長さL1=13.1mm、L2=9.4mmとした。脚の長さL1及びL2は、図1で示す長さを指す。なお、実施例及び比較例2の成形体の外脚と中脚の長さは同じで、比較例1のようにギャップは設けていない。
(5)作製した成形体を、大気雰囲気中で、700℃の温度で焼鈍して、実施例及び比較例2の圧粉磁心を作製した。
(6)φ0.1mmのエナメル線を60本束ねたリッツ線を作製した。このリッツ線を2本作製し、実施例及び比較例2の圧粉磁心に対して、2本のリッツ線を並列に22ターン巻回して、リアクトルを作製した。
以上のように作製した比較例1、2及び実施例の試料の体積を測定した。体積は、幅×奥行×高さに基づき算出した。表1に示すように、フェライトコアを用いた比較例1の体積は、44799mmであるのに対して、圧粉磁心を用いた実施例及び比較例2の体積は、28845mmであり、圧粉磁心を用いた実施例及び比較例2の体積は、フェライトコアを用いた比較例1と比べると35%程度削減でき、小型化を図ることできた。
次に、実施例及び比較例1、2の試料に対して、室温において5A〜25Aの電流を負荷し、電源効率、コア温度、コイル温度を測定した。電源効率、コア温度及びコイル温度を測定した測定器は、最大出力600WのAC−DC電源を用いた。具体的には、市販されている最大出力600WのAC−DC電源製品の電源内に取り付けられているリアクトルを取り外して、実施例及び比較例1、2のリアクトルに取り替えた。この状態で電源を動作させて、電源効率等を測定した。
また、実施例及び比較例2の各圧粉磁心に関しては、コア温度(−30℃〜150℃)における鉄損を測定した。実施例及び比較例2のリアクトルを恒温槽に入れ、コア温度が該当する温度で安定したときに通電し、鉄損を測定した。鉄損の測定は、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY−8219)を用いて測定した。測定条件は、周波数100kHz、最大磁束密度Bm=100mTの条件下で行った。
表2及び図2に、電源効率についての測定結果を示す。電源効率とは、電源の出力電力と入力電力の比のことを指す。即ち、出力電力が小さくなると、その分、リアクトルの損失が増加していることになり、電源効率が低下する。なお、ここでいう損失には、後述する鉄損のみではなく銅損も含まれる。
Figure 2021086990
表2及び図2に示すように、実施例及び比較例1、2の電源効率は、実施例、比較例1、比較例2の順に良化している。即ち、実施例の電源効率が最も良い結果となっている。より詳細に見ると、実施例は、全ての負荷電流値において、フェライトコアを用いた比較例1よりも電源効率が向上しており、20Aの電流を印加した場合においては、電源効率が0.4%も向上している。今回600Wの電源を使用しているので、電源効率が0.1%向上すると0.6Wの損失を低減できたことになる。つまり、20Aにおける電源効率を比較すると、実施例は比較例1及び2と比べて、電源効率が0.4〜0.5%向上している。即ち、実施例のリアクトルを用いると、電源全体として2.4〜3.0Wの損失を低減することができ、電源として大きな効果があることが確認された。よって、実施例は、比較例1よりも電気特性が向上していることが示されている。
一方、比較例2の電源効率は、5Aの電流を印加した場合においては、フェライトコアを用いた比較例1の電源効率と同等であるが、5Aよりも大きな電流を印加した場合においては、比較例の電源効率より低下している。即ち、比較例2は、5Aより大きな電流を印加すると、実施例はもちろん、比較例1よりも電気特性は悪化している。
以上のとおり、粉末熱処理を施して作製した圧粉磁心を用いた実施例は、フェライトコアを用いた比較例1よりも小型化を図ることができるとともに、電気特性を向上させることができる。一方、同じ圧粉磁心であっても、粉末熱処理を行っていない比較例2は、実施例及び比較例1よりも電気特性が悪化している。したがって、実施例のおける圧粉磁心は、フェライトコアに代替可能であるが、比較例2の圧粉磁心は、フェライトコアに代替することはできない。
そこで、以下で、実施例と比較例2の違いについて検討する。表3及び図3に、各コア温度における鉄損の測定結果を示す。
Figure 2021086990
表3及び図3に示すように、0℃以下の鉄損については、実施例と比較例2とでは、それほど大きな差はなかった。しかし、0℃を超えると、その差は徐々に大きくなり、実施例は、比較例2よりも低鉄損化を図れている。より詳細に検討すると、比較例2は、コア温度が25℃において、鉄損が322.66(kw/m)と最も低鉄損となり、25℃を超えると、鉄損は、上昇している。
一方、実施例は、コア温度が25℃において、鉄損が239.51(kw/m)であり、比較例2よりも80(kw/m)以上低減している。更に、実施例の鉄損は、25℃を超えても、減少しており、コア温度が50℃において、197.51(kw/m)と、200(kw/m)以下となっている。そして、図3に示すように、コア温度が50℃〜75℃の間で、最も低鉄損となり、そこから徐々に鉄損が増加している。コア温度が75℃において、鉄損が201.06(kw/m)であり、50℃〜75℃においては、鉄損の低減が顕著に現れている。また、100℃においても、鉄損が218.46(kw/m)と240(kw/m)以下の低鉄損を維持している。
このように、コア温度が25℃〜100℃の範囲で、鉄損が240(kw/m)以下となり、特に、50℃〜75℃の範囲で、鉄損が最も低くなり、当該鉄損が200(kw/m)以下となる特性を有する実施例の圧粉磁心を用いることにより、フェライトコアを用いた比較例1よりも電源効率を向上させることができる。
次に、表4及び図4に、コア温度の測定結果を示す。表4に示す測定温度とは、測定器で測定された実際のコアの温度である。この測定温度は、コイルが巻回されていないコアの表面に熱電対を取付け、温度変化が飽和したときの温度である。また、表4及び図4の示すコア温度とは、測定温度から室温を引いた温度である。このコア温度が、請求項でいうコアの温度を意味する。
Figure 2021086990
また、表5及び図5に、コイル温度の測定結果を示す。表5の測定結果とは、測定器で測定した実際のコイルの温度である。この測定温度は、コイルの軸方向と幅方向のコイル表面の中央部分に熱電対を取付け、コイルの温度変化が飽和したときの温度である。また、表5及び図5に示すコイル温度とは、測定温度から室温を引いた温度である。
Figure 2021086990
表4及び図4に示すように、実施例のコア温度は、比較例1のコア温度と比べて、同程度又はそれ以下の温度であった。また、実施例のコイル温度は、比較例1のコイル温度と比べて同程度又はそれ以下の温度であった。一方、実施例と比較例2を比べると、5Aの電流を印加した時点で、実施例のコア温度及びコイル温度の方が、比較例2のコア温度及びコイル温度より7℃程度低く、25Aの電流を印加した時には、実施例のコア温度及びコイル温度の方が、25℃程度低くなっている。また、図4及び5に示すように、コア温度及びコイル温度の温度上昇も、比較例2の方が実施例よりも大きくなっている。
このように、実施例は、比較例2よりもコア及びコイルの発熱を抑制することができる。そのため、実施例は比較例の圧粉磁心より鉄損を低減できると思われる。その結果、実施例は、フェライトコアを用いた比較例1よりも電源効率を向上させることができるが、比較例2は、フェライトコアを用いた比較例1よりも電源効率が悪化する傾向にある。
以上のとおり、コア温度が25℃〜100℃の範囲で、鉄損が240(kw/m)以下となり、特に、50℃〜75℃の範囲で、鉄損が最も低くなり、当該鉄損が200(kw/m)以下となる特性を有する実施例の圧粉磁心を用いることにより、フェライトコアを用いたものよりも、リアクトルの小型化を図ることができるとともに、電気特性を向上させることができる。
(他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (3)

  1. コアと、前記コアに装着されるコイルとを備えるリアクトルであって、
    前記コアは、周波数が100kHz、最大磁束密度100mTの条件における鉄損が、コアの温度が25℃以上100℃以下の範囲において、240kw/m以下の圧粉磁心であり、
    前記圧粉磁心は、FeSiAl合金粉末を含んでいること、
    を特徴とするリアクトル。
  2. 最も低くなる前記鉄損が200kw/m以下であること、
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記コアの温度が50℃以上75℃以下の範囲において、前記鉄損が最も低くなっていること、
    を特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
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