JP2021085648A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

【課題】ドレンパンによる熱交換量の低下を抑制する空気調和機を提供する。【解決手段】送風ファン２０の吹出口２１ａの下側から熱交換器３０の下側に潜り込み且つドレンパン４０を覆うように配置されたドレンパンカバー５０を備える。送風ファン２０から吹き出されドレンパン４０に向かう空気は、ドレンパンカバー５０によってガイドされ、熱交換器３０に吹き付けられる。ドレンパンカバー５０は、熱交換器３０から滴下する結露水を集める排水路５３を有し、排水路５３にドレンパン４０に連通する排水口５３ａが設けられている。【選択図】図１

Description

本発明は、室内の天井裏や壁面裏等に配置される空気調和機に関する。

従来の空気調和機２００として、例えば図６に示すように、室内天井板６０と建屋天井壁７０との間に、吊具Ａ１、Ａ２によって懸架されるものがある（例えば、特許文献１）。この空気調和機２００は、直方体形状の板金製の筐体１０と、その筐体１０内に配置された送風ファン２０と、同様に筐体１０内に配置された熱交換器３０とを備える。この筐体１０の横方向の一方の端部には空気吸込口１２ａが形成され、他方の端部には空気吹出口１１ａが形成され、送風ファン２０と熱交換器３０はその空気吸込口１２ａと空気吹出口１１ａを結ぶ空気流通路１８内に配置されている。

そして、空気吸込口１２ａは吸込ダクト８０を介して天井板６０に取り付けられた吸込グリル６１に接続され、空気吹出口１１ａは吹出ダクト９０を介して天井板６０に取り付けられた吹出グリル６２に接続されている。

図７は空気調和機２００の断面を示す図である。筐体１０内の空気流通路１８は、空気吸込口１２ａの側が送風ファン室１０Ａとなり空気吹出口１２の側が熱交換器室１０Ｂとなるように、仕切板１７によって区画されている。送風ファン２０は送風ファン室１０Ａに配置され、熱交換器３０は熱交換器室１０Ｂに配置されている。熱交換器３０は、上側熱交換器３１と下側熱交換器３２を側面視で「＜字形状」となるように組み合わせて形成され、その前端部分３３が空気吹出口１１ａの側を向くように配置されている。そして、この熱交換器３０の下方に、熱交換器３０で生じた結露水を受けるドレンパン４０が配置されている。

特開２０１３−０１１３９３号公報

ところで、ドレンパン４０は、結露水を集めるために排水溝４１，４２が形成されており、その内の排水溝４２は仕切板１７の近くに形成されている。このため、送風ファン２０の吹出口２１ａから吹き出される空気の一部が排水溝４２に入り込んで、そこで弱められてから熱交換器３０に取り込まれることになるので、当該空気の流速が減速されて熱交換器３０における熱交換の能力が低下するという問題がある。

本発明の目的は、ドレンパンによる熱交換量の低下を抑制する空気調和機を提供することである。

本発明の一形態は、一方の端部に空気吸込口が設けられ他方の端部に空気吹出口が設けられ、前記空気吸込口と前記空気吹出口との間に空気流通路が形成された筐体と、該筐体内の前記空気吹出口の側に配置された熱交換器と、吹出口が前記熱交換器の側を向くように前記筐体内の前記空気吸込口の側に配置された送風ファンと、該熱交換器の下方に配置されたドレンパンと、を有する空気調和機において、前記送風ファンの前記吹出口の下側から前記熱交換器の下側に潜り込み且つ前記ドレンパンを覆うように配置されたドレンパンカバーを備え、該ドレンパンカバーは、前記熱交換器から滴下する結露水を集める排水路を有し、該排水路に前記ドレンパンに連通する排水口が設けられていることを特徴とする。

本発明によれば、送風ファンから吹き出されドレンパンに向かう空気がドレンパンカバーによってガイドされ熱交換器に吹き付けられるので、ドレンパンの影響による熱交換量の低下を抑制して、熱交換器における熱交換の変換効率を高めることができる。

（ａ）は本発明の実施例の空気調和機の斜視図で、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線断面図である。 図１の空気調和機の分解斜視図である。 ドレンパンカバーの取付説明図である。 ドレンパンカバーに覆われたドレンパンの斜視図である。 本発明の空気調和機の空気吹出口近傍の部分拡大断面図である。 従来の空気調和機の取付説明図である。 従来の空気調和機の断面図である。

図１と図２に本発明の実施例の空気調和機１００を示す。筐体１０はそれぞれ板金（鋼板）で形成された、前面板１１、背面板１２、天面板１３、底面板１４、左側面板１５、右側面板１６を有し、内部に空気流通路１８が形成された左右方向に長い直方体形状である。底面板１４は第１底面板１４ａと第２底面板１４ｂに分かれている。そして、背面板１２に空気吸込口１２ａが形成され、前面板１１に空気吹出口１１ａが形成され、これら空気吹出口１１ａと空気吸込口１２ａは、筐体１０の内部の空気流通路１８に連通している。

筐体１０の内部の空気流通路１８は、空気吸込口１２ａの側で送風ファン２０が配置された送風ファン室１０Ａと、空気吹出口１１ａの側で熱交換器３０が配置された熱交換器室１０Ｂとを仕切板１７によって区画されている。送風ファン室１０Ａの下に第１底面板１４ａが位置し、熱交換器室１０Ｂの下に第２底面板１４ｂが位置している。

送風ファン２０には、ファンケース２１内に図示しないモータによって回転駆動される回転軸２３に羽根車２２を取り付けた３台（図示せず）のシロッコファンが組み込まれ、空気吸込口１２ａから吸い込んだ空気をファンケース２１の吹出口２１ａから仕切板１７で送風ファン室１０Ａと区画された熱交換器室１０Ｂの方向に吹き出す。

仕切板１７には、図３に示すように、送風ファン室１０Ａと熱交換器室１０Ｂを連通させるための開口１７ａが、３台のシロッコファンのファンケース２１に対応して３個設けられている。そして、それぞれの開口１７ａの下縁には、熱交換器室１０Ｂ側に折り曲げたフランジ１７ａ１が形成されている。

熱交換器３０は、上側熱交換器３１と下側熱交換器３２を側面視で「く字形状」となるように組み合わせて形成され、「く字形状」の折れ曲がり部である前端部分３３が空気吹出口１１ａの側を向くように、左側面板１５と右側面板１６の間に取り付けられる。この熱交換器３０の左側面板１５を向く側と右側面板１６を向く側には、それぞれ取付片３４が設けられている。取付編は天面板１３と、左側面板１５または右側面板１６にそれぞれ固定される。熱交換器３０が筐体１０内に組み込まれたとき、上側熱交換器３１は仕切板１７の開口１７ａに対して下面３１ａが対面し、下側熱交換器３２は仕切板１７の開口１７ａに対して上面３２ａが対面するようになる。なお、上側熱交換器３１と下側熱交換器３２は複数枚のフィンや冷媒配管を備えるが、本発明には直接関連しないので、詳しい説明は省略する。

熱交換器３０の下方の第２底面板１４ｂの上には、熱交換器３０で生じた結露水が集められるドレンパン４０が配置されている。このドレンパン４０は、熱交換器３０の下に排水溝４１，４２用の凹部が形成され、凹部の周囲から上方に立設された壁４４で囲まれた長方形形状の発泡樹脂製であり、左側面板１５と右側面板１６の間に配置される。

図４に示すドレンパン４０の右端には、排水溝４１，４２のそれぞれとつながる溜部４３が設けられている。溜部４３横のドレンパン４０の壁には滞留した結露水を外部に排出するためのドレインパイプ４５が設けられる。ドレンパイプ４５は、ドレンホース（図示なし）につながり結露水が排出される。

５０は表裏両面に防錆塗装が施された金属製のドレンパンカバーであり、ドレンパン４０の空気流通路１８に対面する部分を覆うように組み込まれている。このドレンパンカバー５０は、耐火性を有するものであれば他の金属や樹脂製でもよい。図１を合わせて参照して、組み込み状態では、このドレンパンカバー５０は、筐体１０の前面板１１側を向く前端部５１と、筐体１０の仕切板１７側を向く後端部５２と、底部となる排水路５３を備える。そして、前端部５１から排水路５３にかけては、前端部５１より排水路５３側が低くなるよう前側スロープ５４が形成され、後端部５２から排水路５３にかけては、後端部５２より排水路５３側が低くなるよう後側スロープ５５形成されている。後側スロープ５５には段差を形成する曲折部５５ａが形成されている。後側スロープ５５には段差を形成する曲折部５５ａが形成されている。その後側スロープ５５と排水路５３の境界に、下側熱交換器３２の下角３２ｂが位置して、曲折部５５ａに角部３２ｂが接することになる。排水路５３には、左側面板１５を向く側から右側面板１６を向く側にかけて複数の排水口５３ａが所定のピッチで形成されている。また、前側スロープ５４の両端には取付片５６がそれぞれ形成され、後端部５２には上端が平面の取付用のフランジ５２ａが形成されている。さらに、図５を参照して、前側スロープ５４の前端部５１には上方向に曲折した結露水溢れ防止用のフランジ５１ａが形成されている。

さて、この筐体１０の組み立て作業は、上下反転した状態で行う。まず、天面板１３を作業台の上に載せる。そして、天面板側断熱材（図示せず）、仕切板１７、送風ファン２０、熱交換器３０を順次組み込む。熱交換器３０は取付片３４により天面板１３と仕切板１７に取り付ける。送風ファン２０はファンケース２１の図示しない取付片により仕切板１７に取り付ける。この後、ドレンパンカバー５０を取り付ける。この取付では、ドレンパンカバー５０の後端部５２のフランジ５２ａを仕切板１７の３箇所の開口１７ａのフランジ１７ａ１にそれぞれネジＢ１で取り付け、ドレンパン５０の前側スロープ５４の両端の取付片５６をそれぞれネジＢ２で熱交換器２０の取付片３４に取り付ける。このとき、ドレパンカバー５０の曲折部５５ａは下側熱交換器３２はその下端３２ｂに位置する。

この後、第１底面板１４ａにより送風ファン室１０Ａの底面を閉じる。また、第２底面板１４ｂの上面にドレンパン４０を取り付けてから、第２底面板１４ｂにより熱交換器室１０Ｂの底面を閉じる。

組み立てられた筐体１０は、上下を反転させ、前述したアンカーＡ１，Ａ２で高さを調節して建屋側の天井７０から懸架され、天井壁７０と室内側の天井板６０との間に設置され、図示しない屋外の室外機と連結される。

空気調和機１００の運転によって上側熱交換器３１と下側熱交換器３２に生じた結露水は、ドレンパンカバー５０の上面に滴下し、前側スロープ５４と後側スロープ５５によって排水路５３に集められ、排水口５３ａからドレンパン４０に落下する。このとき、前側スロープ５４上の結露水が送風ファン２０で生じた風によって押されて空気吹出口１２ａから吹き出される恐れがあるが、その結露水はドレンパンカバー５０のフランジ５１ａによって押し止められ、排水路５３に流れ落ちる。

本実施例の空気調和機によれば、ドレンパン４０の上面の内の空気流通路１８に面する部分が耐火材料で形成されたドレンパンカバー５０によって覆われるので、そのドレンパン４０が空気流通路１８に露出することが防止され、ドレンパン４０が「流れに面した部品材料」ではなくなる。よって、ドレンパン４０を安価に製造できる樹脂で製造しながらも、ＵＬ規格（UL1995 Clause 18.2）に定められた「複数の部屋に空気を分配するダクトに対して、空気の流れに面した部品材料の防火（延焼と発煙）に関する要求」を満たすことができる。

また、ドレンパンカバー５０は熱交換器３０と仕切板１７に対して取り付けられる。つまり、ドレンパンカバー５０はドレンパン４０には取り付けられないので、ドレンパン４０をドレンパンカバー５０から独立して取り外すことができる。このため、ドレンパン４０の取り付け作業やそのメンテナンスが容易となる。

また、ドレンパンカバー５０は、表面に防錆塗装が施されており、その長寿命化を図ることもできる。

また、ドレンパンカバー５０は従来の熱交換器に着脱可能であり、ドレンパンカバー５０を必要としない地域向けの空気調和機と設計を共通化することが可能となる。

１０：筐体、１１：前面板、１１ａ：空気吹出口、１２：背面板、１２ａ：空気吸込口、１３：天面板、１４：底面板、１４ａ：第１底面板、１４ｂ：第２底面板、１５：左側面板、１６：右側面板、１７：仕切板、１８：空気流通路、１０Ａ：送風ファン室、１０Ｂ：熱交換器室
２０：送風ファン、２１：ファンケース、２１ａ：吹出口、２２：羽根車、２３：回転軸
３０：熱交換器、３１：上側熱交換器、３１ａ：下面部、３２：下側熱交換器、３２ａ：上面部、３２ｂ：下角、３３：前端部、３４：取付片
４０：ドレンパン、４１，４２：排水溝、４３：溜部、４４：壁
５０：ドレンパンカバー、５１：前端部、５１ａ：フランジ、５２：後端部、５２ａ：フランジ、５３：排水路、５３ａ：排水口、５４：前側スロープ、５５：後側スロープ、５６：取付片
６０：天井板、６１：吸込グリル、６２：吹出グリル
７０：建屋天井壁
８０：吸込ダクト
９０：吹出ダクト

Claims (3)

1. 一方の端部に空気吸込口が設けられ他方の端部に空気吹出口が設けられ、前記空気吸込口と前記空気吹出口との間に空気流通路が形成された筐体と、該筐体内の前記空気吹出口の側に配置された熱交換器と、吹出口が前記熱交換器の側を向くように前記筐体内の前記空気吸込口の側に配置された送風ファンと、該熱交換器の下方に配置されたドレンパンと、を有する空気調和機において、
   前記送風ファンの前記吹出口の下側から前記熱交換器の下側に潜り込み且つ前記ドレンパンを覆うように配置されたドレンパンカバーを備え、
   該ドレンパンカバーは、前記熱交換器から滴下する結露水を集める排水路を有し、該排水路に前記ドレンパンに連通する排水口が設けられていることを特徴とする空気調和機。
2. 請求項１に記載の空気調和機において、
   前記ドレンパンカバーは、前記排水路が、前記空気吹出口側を向く前端部と前記送風ファンの前記吹出口側を向く後端部の間に形成され、前記前端部から前記排水路にかけて前記排水路側が低くなるよう前側スロープが形成され、前記後端部から前記排水路にかけて前記排水路側が低くなるよう後側スロープが形成され、
   前記後側スロープが前記送風ファンの前記吹出口から吹き出される空気を前記熱交換器に案内するガイドとして働くことを特徴とする空気調和機。
3. 請求項１又は２に記載の空気調和機において、
   前記筐体の前記空気流通路に、前記送風ファンが配置される送風ファン室と前記熱交換器が配置される熱交換器室を形成するよう仕切板が配置され、
   前記ドレンパカバーは、前記仕切板と前記熱交換器に取り付けられていることを特徴とする空気調和機。
   
   
   

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