JP2014005976A - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Abstract
【課題】送風機の風量を増加させた場合でも吹出口からドレンが飛散するのを抑制して室内環境の快適性を損なわないようにする。
【解決手段】空気調和機の室内機は、筐体と、熱交換器2と、この熱交換器で発生するドレンを受けるドレンパン1と、吸込口と、吸込口から空気を吸い込んで前記熱交換器に送風する送風機と、吹出口とを備えている。前記ドレンパンには熱交換器の下部を収容すると共に該熱交換器で発生するドレンを受ける凹形状のドレン溝1Aが形成されており、前記ドレン溝は、熱交換器の出口側に対向するように設けられた側壁1aと、熱交換器の入口側に対向するように設けられた側壁1bにより形成されており、熱交換器の出口側に対向するように設けられた前記側壁の内側の部分には、上下方向の縦溝1cが、ドレン溝の長手方向に複数個形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】空気調和機の室内機は、筐体と、熱交換器2と、この熱交換器で発生するドレンを受けるドレンパン1と、吸込口と、吸込口から空気を吸い込んで前記熱交換器に送風する送風機と、吹出口とを備えている。前記ドレンパンには熱交換器の下部を収容すると共に該熱交換器で発生するドレンを受ける凹形状のドレン溝1Aが形成されており、前記ドレン溝は、熱交換器の出口側に対向するように設けられた側壁1aと、熱交換器の入口側に対向するように設けられた側壁1bにより形成されており、熱交換器の出口側に対向するように設けられた前記側壁の内側の部分には、上下方向の縦溝1cが、ドレン溝の長手方向に複数個形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、熱交換器から発生するドレンを受けるドレンパンを備えている空気調和機の室内機に関する。
この種従来技術としては、特開2008−202860号公報(特許文献1)に記載されたものなどがある。この特許文献1のものには、室内熱交換器と、室内空気を吸い込み室内熱交換器を介して室内へ吹き出す室内ファン(送風機)と、室内熱交換器で凝縮生成されるドレン水を受けるドレン溝が形成された露受け皿(ドレンパン)と、これらを収容する筐体で構成された空気調和機の室内機が記載されている。
また、この特許文献1のものには、前記ドレン溝の内壁面及び前記筐体の内壁面の少なくとも一方に、抗菌、防水、耐熱、剛性及び防音の少なくとも1の成分を含有してなる水溶性アクリル樹脂塗料を吹き付け塗装して、塗装面に凹凸を形成する。これにより表面における水滴の親水性を高めて水滴の滴下を抑制すると共に、抗菌などの作用を増大させて悪臭を抑制することが記載されている。
上記特許文献1に記載されているような業務用の空気調和機の室内機の場合、製品本体を室内の天井に収納する形態が主流である。このような空気調和機においては、省エネ化のため、より性能の高い製品が求められている。空気調和機の性能を上げるためには、室内機の送風機の風量を大幅に上げる必要がある。
従来の空気調和機の室内機において、送風機の風量を大幅に上げると、熱交換器で発生したドレンが、風に煽られて直接ドレンパンの縁に溜まり、前記送風機によりドレンが吹き飛ばされてしまう。このため、前記室内機の吹出口から、空調空気共に水滴が室内に吹き出されて飛散し、快適性が損なわれることが懸念される。前記吹出口から水滴が吹出されないようにするには、送風機の風量を小さくすれば良いが、このような対策を講じたのでは空気調和機の性能を向上させることができない。
上記特許文献1のものでは、空気調和機の室内機において、熱交換器で発生するドレンを溜めるドレンパン内側(ドレン溝)に水溶性アクリル塗料を吹き付けて塗装することにより、塗装面に凹凸を形成して親水性を高めて水滴滴下を抑制するようにしている。
しかし、上記特許文献1のものには、送風機の風量増加により、ドレンが吹き飛ばされてしまい、前記室内機の吹出口から、空調空気共に水滴が室内に吹き出されてしまうことに関しての配慮は為されていない。このため、特許文献1のものでは、送風機の風量が増加した場合に、室内機の吹出口から、水滴が室内に吹き出されてしまうことを回避できない課題がある。
本発明の目的は、送風機の風量を増加させた場合でも吹出口からドレンが飛散するのを抑制して室内環境の快適性を損なわない空気調和機の室内機を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、筐体と、該筐体内部に設けられた熱交換器と、この熱交換器で発生するドレンを受けるドレンパンと、前記筐体内部に空気を吸い込むための吸込口と、該吸込口から空気を吸い込んで前記熱交換器に対して送風する送風機と、前記熱交換器で熱交換された空気を吹き出すための吹出口とを備えた空気調和機の室内機であって、前記ドレンパンには前記熱交換器の下部を収容すると共に該熱交換器で発生するドレンを受ける凹形状のドレン溝が形成されており、前記ドレン溝は、前記熱交換器の出口側に対向するように設けられた側壁と、前記熱交換器の入口側に対向するように設けられた側壁により形成されており、前記熱交換器の出口側に対向するように設けられた前記側壁の内側の部分に、上下方向の縦溝を、前記ドレン溝の長手方向に複数個形成していることを特徴とする。
本発明によれば、送風機の風量を増加させた場合でも吹出口からドレンが飛散するのを抑制して室内環境の快適性を損なわない空気調和機の室内機を得ることができる効果が得られる。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の空気調和機の室内機の実施例1を図1〜図6により説明する。これらの図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
図1は本発明の空気調和機の室内機の実施例1を示す縦断面図、図2は図1に示す熱交換器とドレンパンの組立前状態を説明する斜視図である。
図1は本発明の空気調和機の室内機の実施例1を示す縦断面図、図2は図1に示す熱交換器とドレンパンの組立前状態を説明する斜視図である。
図1に示す空気調和機の室内機は、室内の天井に収納するように取付けられている、一般に天井カセット型と呼ばれている、四方向吹出し型の室内機である。本実施例では、この天井カセット型の室内機に本発明を適用した場合の例を説明する。なお、前記室内機は、圧縮機や室外熱交換器などを備える室外機と冷媒配管により接続されて空気調和機を構成している。
この天井カセット型の室内機は、図1に示すように、室内機本体10が室内の天井面20に埋め込んで設置されており、その筐体30が前記天井面20より更に上部の天井裏部分(図示せず)から吊ボルト(図示せず)により吊り下げられている。また、前記室内機には、前路筐体30の内部に設けられた熱交換器2、この熱交換器2で発生するドレンを受けて保水するドレンパン1、前記筐体30内部に空気を吸い込むための吸込口3、この吸込口3に設けられた吸込グリル4、前記吸込口3から空気を吸い込んで前記熱交換器2に対して送風する送風機(本例ではターボファン)5、該送風機5を駆動するためのファンモータ6、前記熱交換器2で熱交換された空気を吹き出すための吹出口7、この吹出口7に設けられた吹出ガイド8と吹出方向を変える風向ルーバ9、及び前記筐体30の下面開口を覆うように設けられ前記天井面20とほぼ同じ高さになるように設置された化粧パネル11などが備えられている。
前記化粧パネル11は室内機の下面を構成するもので、前記筐体30にパッキン12を介して取り付けられており、このパッキン12により、前記吸込口3側と前記吹出口7側との間、及び前記筐体30の内部と外部をシールしている。また、前記化粧パネル11には、前記吸込口3や前記吹出口7が形成され、また前記吸込グリル4、吹出ガイド8及び前記風向ルーバ9などが取り付けられている。
前記筐体30は、その内側に発泡ケース31が内張りされ、この筐体30の天板30aの中央に、前記送風機5と前記ファンモータ6が設置されている。前記送風機5の吹出側の周囲には前記ドレンパン1と前記熱交換器2が配設されており、該熱交換器2の下部に前記ドレンパン1が配置されている。このドレンパン1は、前記熱交換器2で熱交換された空気を吹出すための前記吹出口7の一部を形成する壁面となっており、また熱交換器2で発生するドレンを受け、保水する役割を果たす。即ち、前記ドレンパン1には前記熱交換器2の下部を収容すると共に該熱交換器2で発生するドレンを受ける凹形状のドレン溝1Aが形成されている。
なお、13は空気調和機を制御するための制御盤などを収容している電気箱である。また、矢印Fは、前記送風機5が駆動されることにより発生する空気の流れを示している。室内空間の空気は、空気の流れFで示すように、化粧パネル11に設けられている吸込口3及び吸込グリル4を介して前記送風機5に吸い込まれ、該送風機5の羽根車5aで昇圧されて径方向に吹き出され、前記熱交換器2を通過した後、前記吹出口7から室内に吹き出されるという経路をたどる。室内空気は前記熱交換器2を通過する際に該熱交換器2の冷媒配管内を流れる冷媒と熱交換して冷却される。この熱交換の際に熱交換器2ではドレンが発生する。
次に、図2により、前記ドレンパン1と前記熱交換器2との配置関係を説明する。図2は図1に示す熱交換器とドレンパンの組立前状態を説明する斜視図で、熱交換器2とドレンパン1の組立前の配置を示している。前記ドレンパン1は前記ドレン溝1Aが周方向に形成されており、このドレンパン1を前記筐体30の下面開口から該筐体30内に嵌め込むことにより、筐体30内に予め設置されている前記熱交換器2の下部が前記ドレン溝1A内に収まるように、ドレンパン1は前記筐体30内に取付けられる。
なお、前記ドレンパン1には、前記ドレン溝1Aを形成するために、前記熱交換器2の出口側に対向するように設けられた側壁(凸部)1aと、前記熱交換器2の入口側に対向するように設けられた側壁(凸部)1bを有している。
なお、前記ドレンパン1には、前記ドレン溝1Aを形成するために、前記熱交換器2の出口側に対向するように設けられた側壁(凸部)1aと、前記熱交換器2の入口側に対向するように設けられた側壁(凸部)1bを有している。
図2に示す前記ドレンパン1を前記熱交換器2の下部に設置した状態を図3に示す。またこの図3は、図1に示したドレンパン1と熱交換器2の配置関係を示す平面図でもある。図3に示すように、ドレンパン1には周方向のドレン溝1Aが形成されており、この周方向のドレン溝1A内には、図1に示すように、前記熱交換器2の下部が収容されるように設置されている。
ここで、本実施例の構成をわかり易くするため、まず従来の室内機におけるドレンパン1の構成と、熱交換器2との配置関係を図10及び図11を用いて説明する。即ち、図10は従来の空気調和機の室内機を説明する図で、熱交換器とドレンパンの配置関係を説明する要部の平面図である。また、この図10は、本実施例における上記図3のA部の拡大図に相当する図(後述する図4に相当する図)で、更に図11は図10のD−D断面図であり、前記図1〜図3と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
従来の空気調和機の室内機における熱交換器2は、図10及び図11に示すように、その下部がドレンパン1のドレン溝1A内に収容されるように構成されている。また、14は、前記熱交換器2の下面と前記ドレン溝1Aの底部との間をシールするパッキンで、前記送風機5から吹き出された空気が熱交換器5を通過することなく前記吹出口7側に流れるのを防止するためのものである。
前記ドレンパン1のドレン溝1Aを形成している側壁(凸部)1a,1bのうち、特に熱交換器2出口側の前記側壁1aの上縁1a´と、前記熱交換器2との隙間は、通常は十分な大きさ(例えば6mm程度)になるように設計されるが、製造誤差や組立誤差のため、狭い部分では、例えば2〜3mm程度の隙間しかない部分が発生し易い。一方、熱交換器で発生するドレンの水滴は、大きいものでは3mm程度になる。
このため、性能向上のため送風機5の風量を上げる(ドレン溝1A内に収容されている熱交換器2下部の風速が、6m/s以上となる風量)と、熱交換器2で発生するドレンの水滴が吹出空気に飛ばされ、熱交換器2の出口側とドレンパン1のドレン溝側壁上縁(凸部)1a´との間で前記水滴が繋がり、更に吹出空気に煽られることで、ドレンが前記ドレン溝側壁上縁1a´側へ移動する。従って、その後は熱交換器2で発生するドレンが直接ドレンパン1のドレン溝側壁上縁1a´付近に溜まり易くなる。このため、発生したドレンの一部が前記ドレンパン1に流れ込まず、前記吹出口7から吹出空気と共に吹き出されて飛散し水滴が落下、即ちドレンが水飛びする虞があり、室内環境の快適性を損なってしまう。
ドレンの飛散を防止するためには、熱交換器2とドレンパン1のドレン溝側壁1aの上縁1a´の隙間を十分に大きくすることが考えられるが、前記隙間を大きくすると、ドレンパン自身が大型化し、これによって空気調和機の室内機全体が大型化して、コストアップするなどの問題が生じる。
また、ドレンパン1の肉厚を十分に薄くすることで、前記隙間をより大きくし、室内機全体の大型化も抑制することが考えられるが、ドレンパン1を薄肉化するとドレンパン1の断熱性が低下し、該ドレンパン1の外側に水滴が発生してこれが室内に落下する虞がある。
更に、前記送風機5の風量を下げれば、ドレンは室内に吹き飛ばされず落下もしないが、この場合、空気調和機の性能を向上させることはできない。
更に、前記送風機5の風量を下げれば、ドレンは室内に吹き飛ばされず落下もしないが、この場合、空気調和機の性能を向上させることはできない。
従って、室内機の大型化を抑制しつつ、前記送風機5の風量も下げずに、前記吹出口7からのドレンの落下を抑制する必要がある。このためには、送風機5の風量を上げても、熱交換器2で発生したドレンを確実にドレンパン1に誘導できるようにして、前記吹出口7からのドレンの落下を抑えることが必要である。
そこで本実施例では、送風機5の風量を上げても、熱交換器2で発生したドレンを確実にドレンパン1に誘導できるようにするため、図4及び図5に示すように構成している。図4は図3のA部拡大図であり、図5は図4のB−B断面図である。
即ち、本実施例においては、これら図4及び図5に示すように、ドレンパン1のドレン溝1Aを形成している側壁1a,1bのうち、熱交換器2の出口側(吹出口側)に対向する前記側壁1aの内側の部分に、上下方向の縦溝1cを、ドレン溝1Aの長手方向に複数個形成しているものである。この縦溝1cの形状は、図4に示すように、その断面形状が略半円形に構成されている。また、この断面が略半円形状の縦溝1cは、図5に示すように、前記側壁1aの上縁1a´の部分から前記ドレン溝1Aの底部までの上下方向に形成されている。なお、14は図11で説明したパッキン14と同様のものである。
このように構成することにより、前記熱交換器2と前記側壁1aとの隙間は、前記縦溝1cを形成している部分では溝深さdの寸法分だけ広くなる。従って、この縦溝1cが形成されている部分にはドレンの水滴が溜まるのを防止できる。
なお、図4に示すbは前記側壁1cの厚さ、cは隣接する前記縦溝1c間(間隔)の寸法、dは前記縦溝1cの深さ、eは前記縦溝1cの幅であり、更にaは、図5にも示すように、熱交換器2の下端出口側と前記側壁1cとの水平方向の寸法である。また、前記縦溝1cが形成されるドレンパン1の部分は、図3にEで示す範囲であり、ドレンパン1の側壁1aと熱交換器2との間の隙間が小さくなっている部分の範囲Eに前記縦溝1cを形成するようにしている。
上述した寸法a〜eは、好ましくは次のようにすると良い。即ち、前記側壁1aの厚さである前記寸法bは6〜7mm、隣接する前記縦溝1c間の寸法cを2〜3mm、前記縦溝1cの深さである前記寸法dは3〜4mm、前記縦溝1cの幅である前記寸法eを3〜5mm(好ましくは略4mm)程度とするのが望ましい。また、側壁1aと熱交換器2との隙間である前記寸法aは5〜7mmとするのが望ましい。但し、前記寸法aについては、図3に示すように、ドレン溝1Aの周方向に範囲Eで示すように広い範囲に亘っており、しかもドレンパン1と熱交換器2とは別部品を組み合わせて組み立てているため、製作誤差や組立誤差が生じる。このため、周方向においては、前記寸法aが、広い隙間となる部分や狭い隙間となる部分が生じる。本実施例ではこの寸法aの平均値を5〜7mmとしているが、組立誤差などを考慮した場合には最小隙間(最短距離)となる部分の寸法aは3〜4mm(好ましくは略3mm)程度になるように構成することが好ましい。
このように構成することにより、前記側壁1aと前記熱交換器2との間の隙間(寸法a)は最低でも3mmとなり、前記縦溝1cが形成されている部分では最低でも6mm(a(=3〜4mm)+d(=3〜4mm)≧6mm)となる。ドレンの水滴は大きなものでも3mm程度であるから、前記側壁1aと熱交換器2との間で水滴が繋がるのを防止できる。
前記縦溝1cが形成されていない部分の前記側壁1a(縦溝1c間の部分)と熱交換器2との隙間aは、前記縦溝1cが形成されている部分よりも小さな隙間となるが、この隙間aは最も小さいところでも水滴以上の大きさの3mm以上を確保しているので、この部分でも水滴は繋がり難い。仮に、ドレンの水滴が繋がった場合でも、そのドレンは、隣接する前記縦溝1cに誘導されてドレン溝1Aの底部へと容易に排出されるから、側壁上縁1a´にドレンが溜まるのを抑制できる。
従って、前記送風機5の風量を上げても、熱交換器2で発生したドレンを確実にドレンパン1に誘導することができる。これにより、前記吹出口7から吹出空気と共にドレンが飛散して室内に落下するのを抑制でき、室内環境の快適性が損なわれない空気調和機の室内機を得ることができる。
以上述べたように、ドレンパン1に上下方向の縦溝1cを設けることにより、熱交換器2とドレンパン1の側壁1aとの隙間を十分に確保できるから、送風機5の風量を増大しても、熱交換器2で発生したドレンの水滴が吹出空気に飛ばされて熱交換器2とドレンパン1との間で前記水滴が繋がるのを防止できる。また、前記側壁1aに吹き飛ばされて付着したドレンの水滴は前記縦溝1cにより、前記ドレン溝1Aの底部側へと誘導されるので、前記吹出口7からドレンが吹き飛ばされて室内に落下するのを抑制することができる。
なお、上記図4では、前記縦溝1cの断面形状を略半円形(半円形やこれに類似する形状も含む)に構成している例を示したが、前記縦溝1cの断面形状は図4に示したような略半円形状には限られず、例えば図6に示すように、前記縦溝1cの断面形状を四角形にしたり、或いはこれに類似する形状にしても良い。縦溝1cの断面形状を、図6に示すような四角形とした場合、溝深さd及び溝幅eを、略半円形にした場合と同じにしても、縦溝1cの断面積は大きくなる。このため、前記側壁1aに付着したドレンを、ドレンパン1のドレン溝1Aの底部に流し易くなる効果がある。図6において、他の構成は図1〜図5に示したものと同様である。
一方、前記縦溝1cを、図4に示すような略半円形とした場合には、該縦溝1cの断面積が小さくなるため、前記側壁1aの厚さが薄くなる部分を、図5に示した四角形とした場合より少なくでき、この結果、縦溝1cを設けたことによる断熱性能低下を抑制することができる。
以上述べたように、本実施例1によれば、ドレンパン1のドレン溝(凹部)1Aを形成している側壁1aの内側に、上下方向の縦溝1cを設ける構成としているので、前記側壁1aと熱交換器2との間の隙間を広げることができる。従って、熱交換器2で発生したドレンがドレンパン1の前記側壁上縁1a´付近に溜まるのを抑制でき、熱交換器2で発生したドレンのほぼ全てをドレンパン1のドレン溝1Aに流すことができる。これにより、室内機の吹出口7からドレンが吹出空気と共に吹き出されて飛散し、室内に落下するのを抑制でき、室内環境の快適性が損なわれない空気調和機を得ることができる。
本発明の空気調和機の室内機の実施例2を、図7を用いて説明する。この図7は上記実施例1の図5に相当する図であり、図5と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
図7に示すように、本実施例2は、ドレンパン1のドレン溝1Aを形成している側壁1a,1bのうち、熱交換器2の出口側(吹出口側)に対向する側壁1a内側の上縁1a´側にのみ縦溝1cを設けるようにしたものである。この縦溝1cの上縁1a´側からの上下方向の長さである寸法fは、10〜30mm、或いは前記側壁1aの高さの30〜60%程度とするのが良く、より好ましくは20mm或いは側壁高さの50%程度とすると良い。
なお、この実施例2において、他の構成は上記実施例1と同様である。
このように本実施例によれば、前記縦溝1cをドレンパン1のドレン溝側壁1aの上縁側にだけ設けるようにしたので、上記実施例1と同様の効果が得られる上に、ドレンパン1の断熱性能や強度の低下を抑えることができる効果も得られる。
このように本実施例によれば、前記縦溝1cをドレンパン1のドレン溝側壁1aの上縁側にだけ設けるようにしたので、上記実施例1と同様の効果が得られる上に、ドレンパン1の断熱性能や強度の低下を抑えることができる効果も得られる。
本発明の空気調和機の室内機の実施例3を、図8及び図9を用いて説明する。図8は上記実施例1の図4に相当する図であり、図9は図8のC−C断面図である。これらの図において、図4、図5と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
図8及び図9に示すように、本実施例3は、ドレンパン1の全体に亘って親水性材料1dをコーティングしたものである。前記コーティングする親水性材料としては、例えば酸化チタン(TiO2)などがある。その他の構成は上記実施例1と同様である。
本実施例3によれば、前記親水性材料1dのコーティングにより、ドレンパン1のドレン溝1Aを形成している側壁1a上縁1a´付近にドレンが溜まり難くなり、室内機の吹出口7からドレンが吹出空気と共に吹き出されて飛散(ドレンの水飛び)するのを更に低減できる。従って、ドレンの室内への落下を更に抑制でき、室内環境の快適性をより向上できる効果が得られる。
1:ドレンパン、1A:ドレン溝、
1a,1b:ドレン溝の側壁、1a´:側壁1aの上縁、
1c:縦溝、1d:親水性材料、
2:熱交換器、3:吹出口、4:吸込グリル、
5:送風機、5a:羽根車、6:ファンモータ、
7:吹出口、8:吹出ガイド、9:風向ルーバ、
10:室内機本体、11:化粧パネル、
12,14:パッキン、13:電気箱、
20:天井面、
30:筐体、30a:天板、31:発泡ケース、
E:溝部の範囲、F:空気の流れ。
1a,1b:ドレン溝の側壁、1a´:側壁1aの上縁、
1c:縦溝、1d:親水性材料、
2:熱交換器、3:吹出口、4:吸込グリル、
5:送風機、5a:羽根車、6:ファンモータ、
7:吹出口、8:吹出ガイド、9:風向ルーバ、
10:室内機本体、11:化粧パネル、
12,14:パッキン、13:電気箱、
20:天井面、
30:筐体、30a:天板、31:発泡ケース、
E:溝部の範囲、F:空気の流れ。
Claims (11)
- 筐体と、該筐体内部に設けられた熱交換器と、この熱交換器で発生するドレンを受けるドレンパンと、前記筐体内部に空気を吸い込むための吸込口と、該吸込口から空気を吸い込んで前記熱交換器に対して送風する送風機と、前記熱交換器で熱交換された空気を吹き出すための吹出口とを備えた空気調和機の室内機であって、
前記ドレンパンには前記熱交換器の下部を収容すると共に該熱交換器で発生するドレンを受ける凹形状のドレン溝が形成されており、
前記ドレン溝は、前記熱交換器の出口側に対向するように設けられた側壁と、前記熱交換器の入口側に対向するように設けられた側壁により形成されており、
前記熱交換器の出口側に対向するように設けられた前記側壁の内側の部分に、上下方向の縦溝を、前記ドレン溝の長手方向に複数個形成している
ことを特徴とする空気調和機の室内機。 - 請求項1に記載の空気調和機の室内機において、前記縦溝の溝深さを3〜4mmとしていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項2に記載の空気調和機の室内機において、前記熱交換器の出口側に対向する前記ドレン溝の側壁と前記熱交換器との間の最小隙間(最短距離)が3〜4mmとなるように構成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項3に記載の空気調和機の室内機において、前記熱交換器の出口側に対向するように設けられた前記側壁の厚さを6〜7mmとしていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項4に記載の空気調和機の室内機において、前記縦溝の溝幅を3〜5mmとしていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項5に記載の空気調和機の室内機において、隣接する前記縦溝の間の寸法を2〜3mmとしていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項1に記載の空気調和機の室内機において、前記縦溝は、前記側壁の上縁の部分から前記ドレン溝の底部までの上下方向に形成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項1に記載の空気調和機の室内機において、前記縦溝は、前記ドレン溝側壁の上縁側から下方向へ10〜20mmの長さに形成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項1〜8の何れかに記載の空気調和機の室内機において、前記縦溝の断面形状は略半円形に構成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項1〜8の何れかに記載の空気調和機の室内機において、前記縦溝の断面形状は四角形或いはこれに類似する形状に構成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
- 請求項1〜8の何れかに記載の空気調和機の室内機において、前記ドレンパンの内側に親水性のコーティングをしていることを特徴とする空気調和機の室内機。
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