JP2021085610A - 液体吐出装置 - Google Patents

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昌也 濱口
Masaya Hamaguchi
昌也 濱口
戸田 直博
Naohiro Toda
直博 戸田
禎一郎 石川
Teiichiro Ishikawa
禎一郎 石川
佐藤 敏哉
Toshiya Sato
敏哉 佐藤
柴崎 英尚
Hidenao Shibazaki
英尚 柴崎
裕介 小峯
Yusuke Komine
裕介 小峯
フイジー テン
Hui Zee Then
フイジー テン
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Abstract

【課題】記録媒体のしわを防止すること。【解決手段】本発明の一態様に係る液体吐出装置は、記録媒体に第1液体を吐出して付与する液体付与部と、前記液体付与部によって前記第1液体を付与された前記記録媒体に接触して前記記録媒体の温度を調節する温度調節部材と、前記記録媒体と前記温度調節部材の間に第2液体を供給する液体供給部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
従来、インク等の液体が付与された記録媒体を、温調ドラム等の温度調節部材の外周面に接触させて冷やしながら、ドラム外周に対向して配置された加熱部により記録媒体上のインクを加熱して乾燥させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、記録媒体の液体付与面とは反対側の面に水または水溶液を付与し、描画ドラムに接触した記録媒体のインク付与面にインクを付与して、記録媒体のインク付与面とは反対側の面を開放した状態で搬送した後、記録媒体を加熱ドラム等の温度調節部材に接触させてインクを乾燥させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来の技術では、記録媒体の搬送速度が速くなると、記録媒体を温度調節部材に接触させる際に引き込まれる空気が介在することで、記録媒体と温度調節部材との密着性が低下し、記録媒体にしわが発生する場合がある。
本発明は、記録媒体のしわを防止することを課題とする。
本発明の一態様に係る液体吐出装置は、記録媒体に第1液体を吐出して付与する液体付与部と、前記液体付与部によって前記第1液体を付与された前記記録媒体に接触して前記記録媒体の温度を調節する温度調節部材と、前記記録媒体と前記温度調節部材の間に第2液体を供給する液体供給部と、を備える。
本発明によれば、記録媒体のしわを防止できる。
第1実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。 温調ドラムの回転軸と直交する方向からみた要部の図である。 温調ドラムとフィルムの間への空気の引き込みを説明する図である。 第1実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例を示す図である。 第2実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。 開口部材の構成例の図であり、(a)は正面図、(b)は側面である。 第3実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。 ノズル部材の構成例の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 第4実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。 グラビアローラの構成例を示す図である。 第5実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。 テーパゴムローラとグラビアローラの構成例の図であり、(a)はテーパゴムローラとグラビアローラが接触していない状態の図、(b)はテーパゴムローラとグラビアローラが接触した状態の図である。 しわと擦過性の評価実験の結果を示す図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
実施形態では、液体付与部により第1液体を付与される記録媒体と、液体付与部によって第1液体を付与された記録媒体に接触して記録媒体の温度を調節する温度調節部材とを備え、この記録媒体と温度調節部材の間に第2液体を供給する。この第1液体はインク等であり、第2液体は水等である。
これにより、供給された第2液体の表面張力の作用で、記録媒体と温度調節部材の間に介在する空気を排出させて記録媒体と温度調節部材の密着性を向上させ、記録媒体のしわを防止する。
なお、以下に説明する実施形態の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷は何れも同義語であるとする。
また実施形態において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。なお、「液体を吐出する装置」と「液体吐出装置」は同義である。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インク等の液体を吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置等がある。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を備えるものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体吐出ヘッド」とは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
実施形態では、「液体が付着可能なもの」をフィルムとし、この「液体」に該当する第1液体をインクとし、「液体吐出装置」をインクジェット方式の画像形成装置とした場合を一例として説明する。なお、フィルムは、食品包装用途等で用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックを材質とする薄い膜である。また、フィルムは「記録媒体」の一例である。
[第1実施形態]
<画像形成装置100の構成例>
まず、第1実施形態に係る画像形成装置100の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は画像形成装置100の構成の一例を示す図であり、図2は温調ドラムの回転軸と直交する方向からみた画像形成装置100の要部を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、インク吐出ユニット1と、第1搬送ローラ301と、乾燥ユニット10と、第2搬送ローラ302とを備える。
フィルム2は、供給ユニットから供給され、搬送精度を確保するために供給ユニットで張力方向20に張力を加えられながら、搬送方向21に沿って搬送ユニットにより搬送される。
画像形成装置100は、フィルム2に対してインク吐出ユニット1からインクを吐出し、フィルム2の表面2aにインクを付与して画像を形成する。図1におけるインク5は、フィルム2の表面2aに付与されたインクを示している。ここで、フィルム2の表面2aは「液体付与面」に対応し、フィルム2における表面2aとは反対側の面である裏面2bは「液体付与面とは異なる面」に対応する。
第1搬送ローラ301は、フィルム2の裏面2bに接触してフィルム2を支持する回転部材であり、フィルム2を乾燥ユニット10に向けて送り込む。また第2搬送ローラ302は、フィルム2の表面2aに接触してフィルム2を支持する回転部材であり、乾燥ユニット10を通過したフィルム2を送り出す。
なお、供給ユニットは、図1では図示が省略されている。また搬送ユニットも第1搬送ローラ301及び第2搬送ローラ302等の一部を除き、図1では図示が省略されている。
フィルム2は、延伸ポリプロピレン(OPP;Oriented Poly-Propylene)を材質とした食品包装等の軟包装用途で用いられる、巻き取り可能なロール状の連帳フィルムである。
また、インク吐出ユニット1から吐出されるインクは、溶剤と着色剤を主成分とし、溶剤として主に水を使用した水性インクである。
液体付与部の一例としてのインク吐出ユニット1は、ホワイト用のインク吐出ヘッド1Wと、ブラック用のインク吐出ヘッド1Kと、シアン用のインク吐出ヘッド1Cと、マゼンタ用のインク吐出ヘッド1Mと、イエロー用のインク吐出ヘッド1Yとを備える。
インク吐出ヘッド1Wはホワイト(W)のインクを吐出し、インク吐出ヘッド1Kはブラック(K)のインクを吐出して、フィルム2の表面2aにそれぞれインクを付与する。また、インク吐出ヘッド1Cはシアン(C)のインクを吐出し、インク吐出ヘッド1Mはマゼンタ(M)のインクを吐出し、インク吐出ヘッド1Yはイエロー(Y)のインクを吐出して、フィルム2の表面2aにそれぞれインクを付与する。
但し、実施形態ではホワイト(W)、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の5色のインク吐出ヘッドを備える画像形成装置100を説明するが、これに限定されるものではない。画像形成装置100は、グリーン(G)、レッド(R)、ライトシアン(LC)及び/又はその他の色に対応するインク吐出ヘッドをさらに備えてもよい。また、ブラック用のインク吐出ヘッド1Kのみを備えてもよい。
乾燥ユニット10は、温調ドラム3と、温風発生部4とを備え、これらによりフィルム2の温度を調節することで、フィルム2の表面2aに付与されたインク5を乾燥させる。
温度調節部材の一例としての温調ドラム3は、円筒軸周り(図1の矢印で示す回転方向3bの方向)に回転可能な円筒状の回転ドラムであり、接触面(外周面)3aをフィルム2の裏面2bに接触させながら回転し、フィルム2を搬送方向21に沿って搬送する。なお、図1は、温調ドラム3を円筒軸方向(回転軸方向)から見た図を示している。
温調ドラム3の内部は、所定の温度に保たれた温水が充填されている。温調ドラム3は、温水の熱を裏面2bからフィルム2に伝熱することで、フィルム2の温度を所定の温度に維持する。この所定の温度は一例として70度である。
加熱部の一例としての温風発生部4は、ヒータ等により加熱して発生させた温風をフィルム2の表面2aに吹き送り、フィルム2を加熱するとともにインク温度を上昇させて乾燥を促進させる。
ここで、実施形態では、温調ドラム3がフィルム2の裏面2bに伝熱し、温風発生部4がフィルム2の表面2aを加熱するが、フィルム2の厚み方向における全体的な温度は、熱容量が大きい温調ドラム3の温度に支配される。
実験結果の一例として、温調ドラム3の内部の温水の温度を70度とし、温風発生部4の温風の温度を300度とした場合、フィルム2の裏面2bの温度は85度で、フィルム2の表面2aのインクの温度は150度となった。
このことから、温風発生部4によりフィルム2の表面2aのインクを水性インクの沸点である100度以上に設定し、また温調ドラム3によりフィルム2の温度を一般的な耐熱温度である100度以下に設定できることが分かる。このような温調ドラム3の作用により、フィルム2の熱のダメージが防止され、またインクの乾燥が促進される。
また、画像形成装置100は、液体供給ユニット50と、回収ユニット60とを備えている。このうち液体供給部の一例としての液体供給ユニット50は、供給スポンジローラ51と、供給チューブ52と、供給ポンプ53とを備え、回収ユニット60は、回収スポンジローラ61と、回収チューブ62と、回収ポンプ63とを備えている。
スポンジローラの一例としての供給スポンジローラ51は、内部に細かい孔が無数に空いた柔らかい円柱状の多孔質部材である。供給スポンジローラ51は、フィルム2と温調ドラム3が接触し始める接触開始領域10aの搬送方向21における上流側に、温調ドラム3の回転軸方向32(図2参照)に延在するように設けられている。
また、供給スポンジローラ51は、その外周面を温調ドラム3の接触面3aとフィルム2の裏面2bの両方に接触させて、温調ドラム3に対して従動回転(連れ回り)可能に設けられている。但し、供給スポンジローラ51を温調ドラム3に従動回転させずに、モータ等の駆動部から駆動力を受けて回転するように構成してもよい。
供給ポンプ53は、供給チューブ52を介して供給スポンジローラ51との間で送液可能に接続され、ポンプ機構により供給スポンジローラ51に向けて水を送り出す。供給スポンジローラ51は、供給された水を内部の細かい孔に浸透させた状態でその外周面を接触させることで、内部に浸透した水を温調ドラム3の接触面3a及びフィルム2の裏面2bに塗布して供給することができる。このように供給される水は、第2液体の一例である。
温調ドラム3の接触面3a及びフィルム2の裏面2bに塗布された水の表面張力の作用で、温調ドラム3の接触面3aとフィルム2の裏面2bとの密着性が上がる。また接触開始領域10aで温調ドラム3とフィルム2との間に引き込まれた空気は、温調ドラム3によるフィルム2の搬送に伴って搬送方向21の下流に移動し、矢印で示す空気排出方向31に排出される。
回収スポンジローラ61も円柱状の多孔質部材であり、フィルム2が温調ドラム3から離間する離間領域10bの回転方向3bにおける下流側に、温調ドラム3の回転軸方向32に延在するように設けられている。また、回収スポンジローラ61は、その外周面を温調ドラム3の接触面3aに接触させて、温調ドラム3の接触面3aに対して従動回転可能に設けられている。但し、回収スポンジローラ61を温調ドラム3に従動回転させず、モータ等の駆動部から駆動力を受けて回転するように構成してもよい。
回収スポンジローラ61は、その外周面を温調ドラム3に接触させることで、温調ドラム3に付着した水を内部の細かい孔に浸透させるようにして吸い取ることができる。
回収ポンプ63は、回収チューブ62を介して回収スポンジローラ61との間で送液可能に接続され、回収スポンジローラ61が吸い取った水をポンプ機構により吸引して回収する。回収チューブ62の回収スポンジローラ61側の端部に、温調ドラム3の回転軸方向32に延伸する開口を有する部材を取り付け、この部材の開口を通して回転軸方向32における回収スポンジローラ61の全体から水を吸引する構成にすることもできる。
<画像形成装置100による作用効果>
次に、画像形成装置100による作用効果について説明する。ここで、図3は、温調ドラム3とフィルム2が接触し始める接触開始領域10aにおける空気の引き込みを説明する図である。
温調ドラム3が回転すると、温調ドラム3の接触面3a近傍に回転に伴う気流が発生し、温調ドラム3とフィルム2が接触し始める接触開始領域10aで、温調ドラム3とフィルム2の間に空気を引き込む場合がある。この空気の引き込みは、温調ドラム3とフィルム2の密着性を低下させ、温調ドラム3からフィルム2への伝熱効率が低下することで温度調節効果が小さくなる。これにより温風発生部4による加熱の影響でフィルム2が変形し、フィルム2にしわが発生する場合がある。
これに対し、本実施形態では、フィルム2の裏面2b又は温調ドラム3の接触面3aの少なくとも一方に、液体供給ユニット50により水を塗布することで、フィルム2の裏面2bと温調ドラム3の接触面3aの間に水を供給する。
供給された水の表面張力の作用で、フィルム2と温調ドラム3の間に介在する空気を排出させてフィルム2と温調ドラム3の密着性を向上させ、フィルム2のしわを防止できる。
また本実施形態では、温調ドラム3のフィルム2との接触面3aに対向して配置され、フィルム2の表面2aに付与されたインクを加熱する温風発生部4を備える。温風発生部4がフィルム2の表面2aに温風を吹き送り、フィルム2を加熱するとともにインク温度を上昇させることで、フィルム2上のインク5の乾燥を促進し、フィルム2にインク5をより早く定着させることができる。
なお、画像形成装置100は、温風発生部4に代えて、或いは温風発生部4に加えて、赤外線加熱器を備え、フィルム2の表面2aに赤外線を照射することで乾燥を促進させることもできる。
また本実施形態では、液体供給ユニット50は、温調ドラム3の回転軸方向32に延在する供給スポンジローラ51等の多孔質部材を介して水を供給する。細かい孔が無数に空いた多孔質部材を温調ドラム3に接触させることで、多孔質部材と温調ドラム3とが実質的に接触する面積が小さくなるため、液体供給ユニット50に含まれる部材の一部を接触させることによる温調ドラム3の接触面3aの摩耗を抑制できる。
また、多孔質部材の細かい孔を通すことで、温調ドラム3の接触面3a又はフィルム2の裏面2bに薄い膜として水を塗布できるため、温調ドラム3の接触面3a又はフィルム2の裏面2bに塗布した水が乾燥して除去されやすくなる。
なお、供給スポンジローラ51の全体が多孔質部材で構成されていなくてもよく、温調ドラム3又はフィルム2に接触する部分のみを多孔質部材で構成してもよい。例えば、ローラの芯材をSUS(ステンレス)とし、芯材の表層をウレタンやスポンジ等の多孔質部材で被覆することで、供給スポンジローラ51を構成できる。このようにすることで、供給スポンジローラ51の軸方向の強度を確保できるため、供給スポンジローラ51の全体を多孔質部材で構成した場合と比較して、より安定して供給スポンジローラ51を回転させることができる。なお、多孔質部材における孔径は、細かい孔としての作用を得るために、100μm以下にすることが好ましい。
またスポンジで構成された供給スポンジローラ51を用いることで、多孔質部材及び液体供給ユニット50を簡単で安価に構成できるという効果も得られる。
なお、図1における供給スポンジローラ51の位置に、供給スポンジローラ51に代えて、金属又は樹脂等で構成された供給ローラを配置し、この供給ローラを介してフィルム2の裏面2bと温調ドラム3の接触面3aの間に水を供給することもできる。
この場合は、供給ポンプ53から供給チューブ52を介して、供給ローラの外周面に水が塗布される。そして、フィルム2の裏面2b又は温調ドラム3の接触面3aの少なくとも一方に供給ローラの外周面を接触させることで、供給ローラの外周面の水を塗布して供給できる。
さらに本実施形態では、フィルム2の裏面2b又は温調ドラム3の接触面3aの少なくとも一方に供給された水を、回収ユニット60により吸い取って回収する。これにより、温調ドラム3の接触面3a及びフィルム2の裏面2bへの水の供給が過剰になることを防止できる。
また、供給スポンジローラ51に代えて、多孔質部材の一例としてのテーパスポンジ部材51aを配置し、テーパスポンジ部材51aを介してフィルム2の裏面2bと温調ドラム3の接触面3aの間に水を供給することもできる。
図4は、このテーパスポンジ部材51aを配置した画像形成装置100aの構成の一例を示す図であり、画像形成装置100aの要部の断面図である。テーパスポンジ部材51aは、接触開始領域10aの搬送方向21における上流側に、温調ドラム3の回転軸方向32に沿って延在するように設けられている。テーパスポンジ部材51aは搬送方向21に沿って接触開始領域10aに向かうにつれて厚みが薄くなるテーパ状の形状を有している。テーパの先端を接触開始領域10aに挿し込むことで、接触開始領域10aのより近くにテーパの先端を配置できるようになっている。このテーパスポンジ部材51aも多孔質部材の一例である。
テーパスポンジ部材51aは、供給チューブ52を介して供給ポンプ53から送液された水を内部に浸透させる。そして、フィルム2の裏面2b又は温調ドラム3の接触面3aの少なくとも一方にテーパの先端を接触させることで、テーパスポンジ部材51aに浸透された水を塗布する。これにより、回転軸方向32における接触開始領域10aの全体に行き渡るように水を供給できる。
なお、本実施形態では、第2液体の一例として水を示したが、これに限定されるものではなく、シリコーンオイル等のオイルや水溶液を第2液体として供給してもよい。第2液体の塗布量は200cm/m以下にすると、少量であるため第2液体を回収しやすくなり好適である。
また第2液体は、揮発性が高く蒸発しやすいものがより好ましい。揮発性が高いと、供給した第2液体を温調ドラム3から揮発した空気として回収できる。これにより、回収スポンジローラ61等を温調ドラム3の接触面3aに接触させなくてよいため、接触に伴う温調ドラム3の接触面3aの摩耗を低減できる。但し、揮発性が高い液体は引火性が高い場合があるため、蒸発した第2液体を画像形成装置100の外部に排出するための排出口を設けることが好ましい。この排出口としては、ファンを設けた開口部の広い排気ダクト等が挙げられる。
また本実施形態では、供給スポンジローラ51が温調ドラム3の接触面3a又はフィルム2の裏面2bの両方に水を供給する例を示したが、これに限定されるものではない。温調ドラム3の接触面3a又はフィルム2の裏面2bの少なくとも一方に接触するように供給スポンジローラ51を配置して、温調ドラム3の接触面3a又はフィルム2の裏面2bの少なくとも一方に水を塗布して供給するように構成してもよい。
また本実施形態では、回収スポンジローラ61が温調ドラム3の接触面3aから水を吸い取る例を示したが、これに限定されるものではない。温調ドラム3の接触面3a又はフィルム2の裏面2bの少なくとも一方に接触するように回収スポンジローラ61を配置して、温調ドラム3の接触面3a又はフィルム2の裏面2bの少なくとも一方から水を吸い取るように構成してもよい。
また、温調ドラム3と比較して濡れ性の高い材質を含んで回収スポンジローラ61を構成すると、温調ドラム3の接触面3aに付着した水を効率よく吸い取ることができるため、より好適である。
さらに、回収スポンジローラ61に代えて、或いは回収スポンジローラ61に加えて、温調ドラム3の接触面3aに付着した水を掻き取るブレードを設け、ブレードで掻き取ることで接触面3aに付着した水を回収してもよい。
ここで、画像形成装置100における具体的な温度条件の一例を示す。温風発生部4による加熱温度を100度以上で350度以下とする場合、温調ドラム3は、温風発生部4による加熱温度で且つ30度以上で250度以下の範囲内の温度差でフィルム2に伝熱すると好適である。
温調ドラム3は内部に温水を含んでおり、温水温度調節機能を有するチラーを含む温水温度維持機構と温調ドラム3との間で温水を循環させて、温水の温度を所定の温度に設定することで、温調ドラム3の接触面3aの温度を調節できる。
また、温調ドラム3の温度は50度以上で90度以下の範囲が好適である。このようにすることで、第2液体が温調ドラム3の熱で蒸発することを防ぎ、密着性の向上効果を確保できる。また、温風発生部4による熱からフィルム2を保護でき、フィルム2のダメージを低減させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る画像形成装置100bを、図5及び図6を参照して説明する。ここで、図5は画像形成装置100bの構成の一例を示す図であり、画像形成装置100bの要部の断面図である。また図6は画像形成装置100bにおける開口部材51bの構成の一例を示す図である。図6(a)は開口部材51bの正面図であり、図6(b)は開口部材51bの側面図である。
図5に示すように、画像形成装置100bは液体供給ユニット50bを備え、液体供給ユニット50bは開口部材51bを備えている。
開口部材51bは、接触開始領域10aの搬送方向21における上流側に、温調ドラム3の回転軸方向32に沿って延在するように設けられている。開口部材51bは中空の部材であり、搬送方向21に沿って接触開始領域10aに向かうにつれて厚みが薄くなるテーパ状の形状を有している。テーパの先端を接触開始領域10aに挿し込むことで、接触開始領域10aのより近くにテーパの先端を配置できるようになっている。
また図6(a)に示すように、開口部材51bにおけるテーパの先端には、温調ドラム3の回転軸方向32に沿って延在し、開口部材51bの内部と外部を連通させる開口511が形成されている。
開口部材51bは、供給チューブ52を介して供給ポンプ53により開口部材51bの内部に送液された水を、開口511を通して接触開始領域10aに向けて排出する。これにより回転軸方向32における接触開始領域10aの全体に行き渡るように水を供給できる。
回転軸方向32における開口511の長さは、回転軸方向32におけるフィルム2の全体に水を行き渡らせるために、回転軸方向32におけるフィルム2の長さ以上にすると好適である。また回転軸方向32と直交する方向における開口511の長さは、温調ドラムの接触面3a又はフィルム2の裏面2bに薄い膜状に水を塗布するために、1mm以下にすると好適である。薄い膜状に水を塗布することで、塗布された水が乾燥しやすくなる。
また、回転軸方向32と直交する方向における開口511の長さを100μm以下にすると、より少量の水を温調ドラム3とフィルム2の間に供給でき、乾燥しやすくなるため、より好適である。
開口部材51bから水を供給する際、フィルム2と温調ドラム3の間に空気が入らないようにするには、接触開始領域10aに、より早期に水が送液されて供給されることが好ましい。従って、開口部材51bから供給される水の流速は、フィルム2の搬送速度以上にすると好適である。
ここで、開口部材51bから供給される水の流量は、以下の(1)式で算出できる。
Q=S×V ・・・(1)
(1)式におけるQは流量(m/s)、Sは断面積(m)、Vは平均流速(m/s)を表している。この(1)式に、供給される水の平均流速と、開口511の開口の大きさに基づく開口面積を代入することで、適切な流量を算出できる。
このように、本実施形態では、フィルム2の裏面2bと温調ドラム3の接触面3aの間に、開口部材51bを介して水を供給する。テーパの先端を接触開始領域10aに挿し込むため、接触開始領域10aのより近くからフィルム2と温調ドラム3の間に水を供給でき、空気の入り込みを低減できる。これにより好適にフィルム2と温調ドラム3の間に介在する空気を排出してフィルム2と温調ドラム3の密着性を向上させ、フィルム2のしわを防止できる。
なお、これ以外の効果は、上述した実施形態で説明したものと同様である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る画像形成装置100cを、図7及び図8を参照して説明する。ここで、図7は画像形成装置100cの構成の一例を示す図であり、画像形成装置100cの要部の断面図である。また図8は画像形成装置100cにおけるノズル部材51cの構成の一例を示す図であり、(a)はノズル部材51cの正面図、(b)はノズル部材51cの側面図である。
図7に示すように、画像形成装置100cは液体供給ユニット50cを備え、液体供給ユニット50cはノズル部材51cを備えている。
ノズル部材51cは、接触開始領域10aの搬送方向21における上流側に、温調ドラム3の回転軸方向32に沿って延在するように設けられている。ノズル部材51cは中空の部材であり、搬送方向21に沿って接触開始領域10aに向かうにつれて厚みが薄くなるテーパ状の形状を有している。テーパの先端を接触開始領域10aに挿し込むことで、接触開始領域10aのより近くにテーパの先端を配置できるようになっている。
また図8(a)に示すように、ノズル部材51cにおけるテーパの先端には、回転軸方向32に沿って配列し、ノズル部材51cの内部と外部を連通させる複数(ここでは4つ)のノズル512が形成されている。
ノズル部材51cは、供給チューブ52を介して供給ポンプ53によりノズル部材51cの内部に送液された水を、ノズル512を通して接触開始領域10aに向けて排出することで、回転軸方向32における接触開始領域10aの全体に行き渡るように水を供給できる。
本実施形態ではノズル512の個数が4つである例を示したが、個数はこれに限定されるものではなく、増減が可能である。またノズル512の列が2列以上であってもよい。複数のノズル512同士の間隔は特に限定はされないが、等間隔にすると、回転軸方向32における接触開始領域10aの全体に均等に水が行き渡るため、より好適である。
また、回転軸方向32におけるノズル512が配列する領域の大きさは、回転軸方向32におけるフィルム2の長さ以上であることが好ましい。また1つのノズル512の大きさは、回転軸方向32の長さが100μm以下で、回転軸方向32と直交する方向の長さも100μmであると、より少量の水を供給できるため、好適である。
このように、本実施形態では、フィルム2と温調ドラム3の間にノズル部材51cを介して水を供給する。そして、供給された水の表面張力の作用で、フィルム2と温調ドラム3の間に介在する空気を排出し、フィルム2と温調ドラム3の密着性を向上させて、フィルム2のしわを防止できる。
ここで、液体供給ユニット50cは、回転軸方向32におけるフィルム2の領域毎に、異なるタイミングで水を供給することもできる。具体的には、液体供給ユニット50cは、回転軸方向32において、フィルム2の端部と比較して早いタイミングでフィルム2の中央部に水を供給する。
このタイミングは、ノズル部材51cの各ノズルに1対1で対応して複数のチューブを送液可能に接続し、中央部のノズルと端部のノズルで接続するチューブの長さを変えることで調整できる。具体的には、中央部のノズルに接続されるチューブの長さを短くし、端部のノズルに接続させるチューブの長さを長くする。図8(a)におけるノズル512aは中央部のノズルであり、ノズル512bは端部のノズルである。
また、送液のオンとオフを切り替える電磁弁を各ノズルに設け、送液をオンするタイミングにより水の供給タイミングを調整してもよい。
このような供給タイミングの調整により、始めに回転軸方向32におけるフィルム2の中央部に水を供給してフィルム2の中央部を温調ドラム3に密着させ、その後、フィルム2の端部に向けて徐々に密着する領域を広げることができる。これにより、フィルム2と温調ドラム3の間に空気が介在する場合に、回転軸方向32におけるフィルム2の中央部から端部に向けて徐々に空気を移動させ、フィルム2と温調ドラム3の間から空気をより好適に排出させることができる。
なお、これ以外の効果は、上述した実施形態で説明したものと同様である。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る画像形成装置100dを、図9及び図10を参照して説明する。ここで、図9は画像形成装置100dの構成の一例を示す図であり、画像形成装置100dの要部の断面図である。また図10は画像形成装置100dにおけるグラビアローラ51dの構成の一例を示す図である。
図9に示すように、画像形成装置100dは液体供給ユニット50dを備え、液体供給ユニット50dは、塗工部材の一例としてのグラビアローラ51dと、液槽54と、ドクターブレード55とを備えている。
グラビアローラ51dは、SUSを母材としたローラの外周面にセラミック層が被覆され、このセラミック層に微細な複数の溝513が形成された回転部材である(図10参照)。
グラビアローラ51dは、接触開始領域10aの搬送方向21における上流側で、回転軸方向32に沿って延在するように配置され、その外周面がフィルム2の裏面2bに接触するように設けられている。
液槽54は水を貯留する箱状部材である。この箱状部材の上部における開放された部分を通してグラビアローラ51dの外周面に水を浸漬できるように構成され、画像形成装置100e内に設けられている。
ドクターブレード55は、回転するグラビアローラ51dの外周面に先端部を当接させることで、グラビアローラ51dの外周面を摺擦するブレード状部材である。
グラビアローラ51dを回転させながら、液槽54に貯留された水にグラビアローラ51dの外周面を浸すと、該外周面に水が付着する。水が付着した状態でグラビアローラ51dの外周面をドクターブレード55で摺擦して外周面の水を掻き取ることで、溝513の内部のみに水を貯めることができる。そして、グラビアローラ51dを回転させながら、その外周面をフィルム2の裏面2bに接触させることで、溝513内に貯められた水を裏面2dに塗布できる。微細で且つ所定の大きさの溝513内に貯められた水を塗布するため、少量で且つ正確に計量された水をフィルム2の裏面2bに塗布できる。
ここで、グラビアローラ51dを温調ドラム3の接触面3aに接触させて接触面3aに水を塗布してもよいが、グラビアローラ51dとの接触により温調ドラム3の接触面3aが摩耗する場合がある。そのため、グラビアローラ51dをフィルム2の裏面2dに接触させて裏面2dに水を塗布することが好ましい。
なお、図11に示した例では、グラビアローラ51dと温調ドラム3との間に液槽54が配置されているため、この配置ではグラビアローラ51dが温調ドラム3の接触面3aに水を塗布することが困難である。
そのため、この場合は、グラビアローラ51dを移動可能に構成し、液槽54にその外周面を浸して溝513に水を貯めた後、グラビアローラ51dを温調ドラム3に向けて移動させ、温調ドラム3の接触面3aに接触させて水を塗布する。
また溝513の断面形状は、ピラミッド型、格子型、斜線型、又はロトフロー型等の様々な形状に形成できる。溝513は、深さを1mm以下、回転軸方向32における長さを100μm以下、容積を200cm/m以下に形成することが好ましい。このようにすることで、より少量の水をフィルム2の裏面2bに塗布でき、塗布後の水がより乾燥しやすくなる。
また本実施形態では、図10に示すように、溝513は、グラビアローラ51dの周方向に対してわずかに傾斜する方向に延伸するように形成されている。このように傾斜させることで、グラビアローラ51dの回転に伴って、溝513内に貯められた水を回転軸方向32におけるフィルム2の裏面2dの全体に行き渡らせるようにフィルム2の裏面2dに水を塗布できる。但し、必ずしも図10に示した溝513の形態に限定されるものではなく、グラビアローラ51dの周方向に沿った方向に溝513を形成してもよいし、また複数の溝513同士の間隔を、回転軸方向32における領域毎で異ならせてもよい。
さらに、グラビアローラ51dの回転方向は、時計回り方向と反時計回り方向の何れでも可能であるが、搬送されるフィルム2に負荷を与えない方向にするとより好適である。図9の例では、反時計回りの回転方向が負荷を与えない方向に該当する。このようにすることで、グラビアローラ51dによるフィルム2への負荷を抑制し、フィルム2の摩耗を低減できる。
なお、これ以外の効果は、上述した実施形態で説明したものと同様である。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る画像形成装置100eを、図11及び図12を参照して説明する。
本実施形態では、液体供給ユニット50eは、回転軸方向32におけるフィルム2の領域毎に異なるタイミングで水を供給する。より具体的には、液体供給ユニット50eは、回転軸方向32において、フィルム2の端部と比較して早いタイミングでフィルム2の中央部に水を供給する。
このようにすることで、始めに回転軸方向32におけるフィルム2の中央部に水を供給してフィルム2の中央部を温調ドラム3に密着させ、その後、フィルム2の端部に向けて徐々に密着する領域を広げることができる。これにより、フィルム2と温調ドラム3の間に空気が介在する場合に、回転軸方向32におけるフィルム2の中央部から端部に向けて徐々に空気を移動させ、フィルム2と温調ドラム3の間から空気をより好適に排出させることができる。
ここで、図11は画像形成装置100eの構成の一例を示す図であり、画像形成装置100eの要部の断面図である。また図12は画像形成装置100eにおけるテーパゴムローラ56とグラビアローラ51dの構成の一例を示す図であり、(a)はテーパゴムローラ56とグラビアローラ51dが接触していない状態を示す図、(b)はテーパゴムローラ56とグラビアローラ51dが接触した状態を示す図である。
図11に示すように、画像形成装置100eは液体供給ユニット50eを備え、液体供給ユニット50eはテーパゴムローラ56を備えている。
テーパゴムローラ56は、母材としてSUSの円柱を用い、母材の外周面に弾性変形可能なゴムを被覆して構成した回転ローラである。テーパゴムローラ56は、フィルム2に接触すると、搬送に伴ってフィルム2から受ける押圧力を駆動源として、隣接して設けられたグラビアローラ51dに対して進退可能に構成されている。
またテーパゴムローラ56は、図12に示すように、回転軸方向32における領域毎で直径が異なっており、中央部の直径が大きく、両端部に向かうにつれ直径が徐々に小さくなっている。
ここで、テーパゴムローラ56の回転軸方向32における中央部と端部で直径の差が大きすぎると、フィルム2とテーパゴムローラ56が接触した際に、フィルム2の中央部と端部で搬送速度に差が生じ、フィルム2にしわが発生する場合がある。これに対し、実験の結果、中央部と端部の直径の差を1mm以下にすると、このような速度差に起因するしわが生じないことが分かった。
次にテーパゴムローラ56の動作を説明する。画像形成を行わないときは、フィルム2は搬送されておらず、図12(a)に示すように、テーパゴムローラ56とグラビアローラ51dは離間している。画像形成が開始され、フィルム2が搬送されると、搬送に伴ってフィルム2がグラビアローラ51dに向けた押圧力をテーパゴムローラ56に付与する。これによりテーパゴムローラ56がグラビアローラ51dに向けて進行して両者が密着する。テーパゴムローラ56との密着により、グラビアローラ51dの溝513内から押し出された水がフィルム2の裏面2bに塗布される。
この際に、テーパゴムローラ56の直径は回転軸方向32における中央部が大きく、端部に向かうにつれ徐々に小さくなっているため、始めに溝513のうちの中央部の溝513aが密着し、その後、端部の溝513bに向けて徐々に密着する領域が広がる。そのため、回転軸方向32におけるフィルム2の中央部に始めに水を塗布し、その後、フィルム2の端部に向けて徐々に水を塗布する領域を広げることができる。
これにより、フィルム2と温調ドラム3の間に空気が介在する場合に、回転軸方向32におけるフィルム2の中央部から端部に向けて空気を移動させ、フィルム2と温調ドラム3の間から空気をより好適に排出させることができる。
なお、これ以外の効果は、上述した実施形態で説明したものと同様である。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る画像形成装置について、図13を参照して説明する。ここで、図13はしわと擦過性の評価実験の結果を示す図である。
図13に示す例では、フィルム2の搬送速度を50mpm(メーターパーセカンド)とし、温調ドラム3の接触面3aの温度を70度とし、温風発生部4を3つ用いて加熱温度を350度とした。図13は、このような条件下で、フィルム2のしわの状態を評価したしわランクと、乾燥後のフィルム2上のインクを擦ることで、乾燥が完了しているか否かを評価した擦過性の評価結果を示している。しわランクはランク1〜5の5段階で評価し、ランク4以上を合格とした。擦過性は、擦ったことでインクがフィルム2から剥がれる場合はNG(不合格)、剥がれない場合はOK(合格)の2段階で評価した。
実験に用いたフィルム2は厚み20μmのOPPである。供給する第2液体には、インクジェット用の水性インクを用いた。
図13の最も左側の列は、30度以上で100度以下の範囲で、10度毎に温度を変化させた第2液体の温度を示している。その右側の列は、第2液体の温度から温調ドラム3の温度を減算して算出した温度差を示している。そのさらに右側の列はしわランクを示し、そのさらに右側の列は擦過性の評価結果を示している。
図13に示すように、上述した条件での実験では、温度差が−20度以上で+20度以下の範囲(実際の温度は50度以上で90度以下の範囲)であれば、しわランクが合格(4以上)で、且つ擦過性がOKとなった。
一方、温度差が−20度以上で+20度以下の範囲外では、しわランク又は擦過性の何れかが不合格となった。温度差が負の方向に大きすぎる場合(温度差が−30度又は−40度の場合)は、第2液体によってフィルム2が冷却されすぎてしまい、フィルム2の表面2aに付与したインクの乾燥性が低下し、擦過性が低下した。一方、温度差が正の方向に大きすぎる場合(温度差が+30度の場合)は、第2液体の沸騰蒸発により密着性が低下し、温風発生部4による加熱でフィルム2のダメージが大きくなり、方向性を持たないシワが発生した。
以上のことから、フィルム2と温調ドラム3の間に供給する第2液体の温度は、温調ドラム3の温度に対して−20度以上で+20度以下の範囲内にすると好適である。これにより、フィルム2のしわを防止し、且つ画像形成のためにフィルム2に付与したインクの擦過性を良好にすることができる。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100 画像形成装置(液体吐出装置の一例)
1 インク吐出ユニット(液体付与部の一例)
10 乾燥ユニット
10a 接触開始領域
10b 離間領域
2 フィルム(記録媒体の一例)
2a 表面(液体付与面の一例)
2b 裏面(液体付与面とは異なる面の一例)
20 張力方向
21 搬送方向
3 温調ドラム(温度調節部材の一例)
30 温水温度維持機構(循環部の一例)
3a 接触面
32 回転軸方向
301 第1搬送ローラ
302 第2搬送ローラ
4 温風発生部(加熱部の一例)
5 インク(第1液体の一例)
50 液体供給ユニット(液体供給部の一例)
51 供給スポンジローラ(多孔質部材の一例、スポンジローラの一例)
511 開口
512 ノズル
513 溝
51a テーパスポンジ部材(多孔質部材の一例)
51b 開口部材
51c ノズル部材
51d グラビアローラ(塗工部材の一例)
52 供給チューブ
53 供給ポンプ
54 液槽
55 ドクターブレード
56 テーパゴムローラ(弾性回転部材の一例)
60 回収ユニット
61 回収スポンジローラ
62 回収チューブ
63 回収ポンプ
特開2016−114284号公報 特開2010−201713号公報

Claims (14)

  1. 記録媒体に第1液体を吐出して付与する液体付与部と、
    前記液体付与部によって前記第1液体を付与された前記記録媒体に接触して前記記録媒体の温度を調節する温度調節部材と、
    前記記録媒体と前記温度調節部材の間に第2液体を供給する液体供給部と、を備える
    液体吐出装置。
  2. 前記液体供給部は、前記記録媒体の液体付与面とは異なる面、又は前記温度調節部材における前記記録媒体との接触面の少なくとも一方に前記第2液体を塗布することで、前記第2液体を供給する
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記温度調節部材における前記記録媒体との接触面に対向して配置され、前記記録媒体に付与された前記第1液体を加熱する加熱部をさらに備える
    請求項1、又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体供給部は、回転する前記温度調節部材の回転軸方向に沿って延在する多孔質部材を介して前記第2液体を供給する
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記多孔質部材は、前記温度調節部材の回転軸と平行な軸回りに回転するスポンジローラである
    請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記液体供給部は、回転する前記温度調節部材の回転軸方向に沿って延在する開口を有する開口部材を介して前記第2液体を供給する
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体供給部は、回転する前記温度調節部材の回転軸方向に沿って配列された複数のノズルを有するノズル部材を介して前記第2液体を供給する
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体供給部は、回転する前記温度調節部材の回転軸と平行な軸回りに回転し、外周面に複数の溝が形成された塗工部材を介して前記第2液体を供給する
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記溝は、前記塗工部材の周方向に対して傾斜した方向に延伸して形成されている
    請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記液体供給部は、前記回転軸方向における前記記録媒体又は前記温度調節部材の少なくとも一方の領域毎に、異なるタイミングで前記第2液体を供給する
    請求項7乃至9の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記液体供給部は、前記回転軸方向において、前記記録媒体の端部と比較して早いタイミングで前記記録媒体の中央部に前記第2液体を供給する
    請求項10に記載の液体吐出装置。
  12. 前記液体供給部は、
    前記回転軸方向に沿って直径が異なり、外周面が変形する弾性回転部材を備え、
    前記回転軸と平行な軸回りに回転し、外周面に複数の溝が形成された塗工部材を介して前記第2液体を供給し、
    前記弾性回転部材が前記塗工部材に当接することで、前記回転軸方向における前記記録媒体の領域毎に、異なるタイミングで前記第2液体を供給する
    請求項10、又は11に記載の液体吐出装置。
  13. 前記回転軸方向において、前記弾性回転部材の中央部は、前記弾性回転部材の端部と比較して直径が大きい
    請求項12記載の液体吐出装置。
  14. 前記第2液体の温度は、前記温度調節部材における前記記録媒体との接触面の温度に対し、−20度以上で+20度以下の範囲内である
    請求項1乃至13の何れか1項に記載の液体吐出装置。
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