実施形態に係る猫用おむつの肌面側から見た平面図である。
図1に示すA−A線に沿った猫用おむつの模式的断面図である。
実施形態に係る猫用おむつの着用状態を模式的に示した図である。
猫及び犬の身体の形状を模式的に示した図である。
実施形態に係る吸収コアの拡大平面図である。
実施形態に係る猫用おむつの肌面側から見た平面図である。
変形例に係る吸収コアの拡大平面図である。
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る猫用おむつは、猫の胴回り方向に沿って配置される横方向と、前記横方向と直交し、猫の腹側から背側を繋ぐ方向に延びる縦方向と、吸収コアを有し、腹側域、股下域及び背側域に跨る本体部と、前記本体部よりも前記横方向の両外側に延出し、前記腹側域と前記背側域を接合するファスニングテープと、を有する。前記吸収コアは、前記横方向の内側に括れる括れ部を有する。前記括れ部の前記横方向の内側縁における前記腹側の端縁は、前記吸収コアの前記縦方向の中心よりも背側に位置している。出願人が猫の着用状態を観察した結果、脚幅が最も狭くなる位置よりも腹側に延出する吸収コアの縦方向の長さは、腹側の端縁よりも腹側に延びる吸収コアの縦方向の長さに相当することがわかった。脚幅が最も狭くなる位置よりも腹側に延出する吸収コアの縦方向の長さを十分に確保できるため、垂直方向の動きによって脚を繰り返し前後に動かした場合であっても吸収コアによって身体を覆うことができる。また、脚幅が最も狭くなる位置よりも腹側に延出する吸収コアの縦方向の長さを十分に確保できるため、腹部の皮膚の伸び縮み量が大きくなった場合であっても吸収コアを追従させ続けることができ、おむつが着用された状態を維持し易い。
好ましい一態様によれば、前記括れ部は、腹側に位置する腹基端縁、背側に位置する背基端縁、及び前記内側縁を繋ぐ側縁を有しており、前記括れ部の横方向の中心を通り、かつ前記縦方向に延びる仮想線が、前記腹基端縁から前記内側縁に延びる腹側縁と交差する第1交差点と、前記仮想線が、前記背基端縁から前記内側縁に延びる背側縁と交差する第2交差点と、の距離は、前記吸収コアの前記縦方向の長さに対する40%未満であってよい。猫が垂直方向に動くと、着地等の衝撃や皮膚の縦方向の伸び縮みに起因しておむつが縦方向にずれ易くなる。このとき、後脚回りの縦方向のずれ量が吸収コアの40%以下に抑え易い。たとえ、衝撃等でおむつが縦方向にずれる力が作用した場合であっても、おむつを身体に対して覆いづけることができる。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアの前記腹側に位置する腹外端縁と前記第1交差点との距離は、前記吸収コアの前記背側に位置する背外端縁と前記第2交差点との距離よりも長くてよい。第1交差点と第2交差点は、括れ部における横方向の中心に位置し、後脚の横方向の中心に当たり易い。括れ部における横方向の中心よりも腹側に延出する吸収コアの縦方向の長さが、括れ部における横方向の中心よりも背側に延出する吸収コアの縦方向の長さよりも長い。後脚よりも腹側に延びる吸収コアの縦方向の長さを十分に確保できるため、腹部の皮膚の伸び縮み量が大きくなった場合であっても吸収コアを追従させ続けることができ、おむつが着用された状態を維持し易い。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、前記吸収コアの前記縦方向の中心よりも腹側に位置する腹側領域と、前記吸収コアの前記縦方向の中心よりも背側に位置する背側領域と、を有し、前記腹側領域の面積は、前記背側領域の面積よりも大きくてよい。雌の犬の排尿口は、背側領域に当たり易く、雄の犬の排尿口は、腹側領域に当たりやすい。一方、猫の排尿口は、雄の場合も雌の場合も、背側領域に当たり易い。猫のおむつにおいて、腹側領域の面積を大きくすることで、背側領域から腹側領域に拡散する体液保持することができる。また、一般的に、猫は飲水量が少ないため、泌尿器疾患にかかり易い。泌尿器疾患にかかると、多飲多尿の症状が出やすい。多尿になった場合は、吸収コアの腹側領域に拡散が広がる傾向がより顕著になる。腹側領域の面積を大きくすることで、多尿になった場合においても背側領域から腹側領域に拡散する体液保持することができる。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、前記吸収コアの前記縦方向の中心よりも腹側に位置する腹側領域と、前記吸収コアの前記縦方向の中心よりも背側に位置する背側領域と、を有し、前記括れ部の内側縁における前記吸収コアの前記横方向の長さは、前記背側領域における前記吸収コアの前記横方向の最大長さに対する50%以下であってよい。吸収コアの背側領域における横方向の最大長さと、括れ部の内側縁における吸収コアの幅と、の差を大きく設けることができる。猫の排尿口は、雄の場合も雌の場合も、背側領域に当たり易い。猫のおむつにおいて、背側領域の吸収コアの横方向の最大長さを大きくすることで、背側領域の吸収容量を確保できる。
好ましい一態様によれば、前記本体部には、尻尾穴が形成されており、前記尻尾穴の前記横方向の最大長さは、前記括れ部の内側縁における前記吸収コアの前記横方向の長さ以上であってよい。着用時に尻尾穴に尻尾を挿入することで、尻尾を介して尻尾穴を横方向に引っ張ることができ、吸収コアには、横方向に伸張される力がかかる。吸収コアの横方向に広げて吸収コアのよれを低減でき、着用時における吸収コアの横方向の長さを確保し易い。尻尾の横方向の最大長さが括れ部の吸収コアの横方向の長さ以上であるため、尻尾穴の横方向全域に亘って吸収コアを広げる力が作用した際に、括れ部における吸収コアの横方向の全域を広げることができる。
好ましい一態様によれば、前記尻尾穴は、前記吸収コアの前記背側に位置する背外端縁よりも背側に配置されてよい。尻尾穴が吸収コアと重ならない領域に設けられているため、尻尾を介して尻尾穴を横方向に引っ張る力が吸収コアの剛性の影響を受けにくい。そのため、尻尾を介して吸収コアのよれを低減する効果をより得やすい。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアの肌対向面及び非肌対向面を覆うコアラップを有し、前記括れ部と重なる領域には、前記コアラップ同士が重なる重畳部が設けられてよい。本態様によれば、重畳部に括れ部近傍の剛性を高めることができる。吸収コアの括れ部のよれを抑制でき、フィット性を維持できる。
好ましい一態様によれば前記吸収コアよりも肌側に位置する起立性の防漏ギャザーを有しており、前記防漏ギャザーは、起立可能な起立部と、前記起立部よりも前記横方向の外側に位置し、前記起立部の起立支点となる固定部と、を有し、前記固定部の内側縁は、前記括れ部の内側縁よりも前記横方向の外側に位置してよい。漏ギャザーは、固定部を基点として起立部が立ち上がるとともに、吸収コアの剛性差によって吸収コアの外側縁を基点に起立部及び固定部全体が立ち上がることがある。このとき、括れ部が設けられた領域において吸収コアの外側縁となる括れ部の内側縁よりも横方向の外側に固定部の内側縁があるため、括れ部の外側縁を基点に起立部及び固定部全体が立ち上がる。括れ部が設けられた領域では、吸収コアの横方向の長さが比較的短く、吸収コアよりも横方向の外側に体液が導かれるおそれがあるが、起立部の立ち上がる高さを確保でき、漏れを抑制できる
好ましい一態様によれば、前記括れ部の前記内側縁の前記縦方向の長さは、前記吸収コアの前記縦方向の長さに対する30%以下であってよい。本態様によれば、脚幅が最も狭くなる位置に対してフィットした状態で縦方向のずれ量が吸収コアの30%以下となる。たとえ、衝撃等でおむつが縦方向にずれる力が作用した場合であっても、おむつを身体に対して覆いづけることができる。
(2)猫用おむつの構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る猫用おむつについて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
図1は、実施形態に係る猫用おむつの表面側T1からから見た平面図である。図2は、図1に示すA−A線に沿った猫用おむつの模式的断面図である。図1及び図2では、猫用おむつ1を皺が形成されない状態まで伸長させた伸長状態を示している。また、図2に示す断面図では、説明の便宜上、各部材を厚み方向Tにおいて離間して示しているが、実際の製品においては厚み方向Tに接している。図3は、猫用おむつの着用状態を模式的に示した図である。
猫用おむつ1は、猫の胴回り方向に沿って配置される横方向Wと、横方向Wと直交する縦方向Zと、横方向W及び縦方向Zと直交する厚み方向Tと、を有する。縦方向Zは、猫の腹側から背側を繋ぐ方向に延びる。厚み方向Tは、着用状態において猫に当てられる表面側T1と、着用状態において外側に向けられる裏面側T2と、に延びる。図3に示すように、実施形態に係る猫用おむつは、猫の腹側から股下を通って背側まで覆うように装着される。
猫用おむつ1は、本体部2と、ファスニングテープ90と、を有してよい。横方向Wの一端部である本体第1端部61と、横方向Wの他端部である本体第2端部62と、縦方向Zの一端部である本体第3端部63と、縦方向Zの他端部である本体第4端部64と、を有してよい。本体第1端部61は及び本体第2端部62には、ファスニングテープ90が接合されている。本体第3端部63は、着用状態において猫の腹側に配置される。本体第4端部64は、本体第3端部63と対向しており、着用状態において猫の背側に配置される。また、本発明における端部は、端縁を含む一定の範囲を占める部分である。本体第1端部61は、本体部2の横方向Wの一端縁である第1端縁61Eから横方向Wの内側に延びる部分である。同様に、本体第2端部62は、本体部2の横方向Wの他端縁である第2端縁62Eから横方向Wの内側に延びる部分である。本体第1端部及び本体第2端部62は、本体部2の横方向Wの端縁と吸収コア30の横方向Wの端縁との間の領域であってよい。また、本体第3端部63は、本体部2の縦方向Zの一端縁である第3端縁63Eから縦方向Zの内側に延びる部分である。同様に、本体第4端部64は、本体部2の縦方向Zの他端縁である第4端縁64Eから縦方向Zの内側に延びる部分である。本体第3端部63及び本体第4端部64は、本体部2の縦方向Zの端縁と吸収コア30の縦方向Zの端縁との間の領域であってよい。また、本体第4端部64は、本体部2の縦方向Zの端縁と吸収コア30の縦方向Zの端縁との間の領域であってよいし、本体部2の縦方向Zの端縁と後述する尻尾穴70との間の領域であってもよい。
本体部2は、猫の腹側に当てられる腹側域S1と、猫の背側に当てられる背側域S2と、猫の股下に当てられる股下域S3と、に跨っている。腹側域S1は、本体第3端部63を含む領域である。ファスニングテープ90は、腹側域S1に配置されている。背側域S2は、本体第4端部64を含む領域である。股下域S3は、腹側域S1と背側域S2の間の領域である。股下域S3は、脚回り開口部5が形成された領域であってよい。脚回り開口部5は、猫の脚回に配置される領域であり、本体部2の外側縁から横方向Wの内側に凹んでいる。本体部2の外側縁は、第1端縁61E及び第2端縁62Eによって構成される。
本体部2は、表面シート10、裏面シート20、及び吸収コア30を少なくとも有する。表面シート10は、本体部2において猫に当てられる内面2Pに配置されている。表面シート10は、体液を吸収コア30側に透過させる液透過性を有する。表面シート10は、縦方向Zの中央に位置し、吸収コア30を覆うセンターシート11と、センターシート11の横方向Wの両側部を覆うサイドシート12と、を有してよい。図2に示すように、サイドシート12は、折り畳まれていてよい。具体的には、サイドシート12の横方向Wの内側縁において裏面側T2に折り返されている。折り返されたサイドシート12間に、縦方向Zに伸長された状態のサイド伸縮性部材13が配置されてよい。サイド伸縮性部材13は、猫側に起立する防漏ギャザー15を構成してよい。防漏ギャザー15は、吸収コア30よりも肌側に位置する起立性のギャザーであり、起立部16と固定部17を有する。起立部16は、サイドシート12がセンターシート11に対して固定されていない部分であり、サイド伸縮性部材13の収縮によって起立可能な部分である。固定部17は、サイドシート12がセンターシート11に対して固定された部分のうち起立部16よりも横方向Wの外側に位置する部分である。なお、防漏ギャザー15は、サイドシート12がセンターシート11に対して固定された部分であって、起立部16よりも縦方向Zの外側に位置する第2固定部18を有してよい。起立部16は、固定部17及び第2固定部18を基点として猫側に起立可能である。
吸収コア30は、表面シート10と裏面シート20の間に配置されている。吸収コア30は、パルプ等の吸収材料が積層されている。図2に示すように、吸収コア30を覆うコアラップ32が設けられていてよい。吸収コア30は、横方向Wにおいて本体部2の両端縁よりも内側に配置されている。すなわち、吸収コア30の横方向Wの長さは、本体部2の横方向Wの長さよりも短い。吸収コア30は、本体部2の横方向Wの中央に配置され、本体部2の横方向Wの外側部には設けられていない。また、吸収コア30は、縦方向Zにおいて本体部2の両端縁よりも内側に配置されてよい。すなわち、吸収コア30の縦方向Zの長さは、本体部2の縦方向Zの長さよりも短くてよい。吸収コア30は、本体部2の縦方向Zの中央に配置され、本体部2の縦方向Zの外側部には設けられていなくてよい。吸収コア30は、少なくとも股下域S3と腹側域S1に跨がって配置され、背側域S2に配置されていなくてもよい。吸収コア30の縦方向の中心CZ30は、おむつの縦方向の中よりも腹側に位置してよい。吸収コア30は、後述する尻尾穴70と縦方向Zに離間し、尻尾穴70よりも腹側に位置してよい。吸収コア30については、後述にて詳細に説明する。
裏面シート20は、本体部2において着用時に外側に位置する外面2Qに配置されている。裏面シート20は、液不透過性の裏面フィルム21と、裏面フィルム21よりも裏面側に位置する裏面不織布22と、を有してよい。なお、変形例において、裏面シートは、液不透過性の裏面フィルムと、裏面フィルム21よりも内面側に位置する裏面不織布と、を有してよい。裏面フィルム21の横方向Wの長さは、裏面不織布22の横方向Wの長さよりも短くてよい。すなわち、裏面不織布22は、裏面フィルム21よりも横方向Wの両側に延出してよい。
ファスニングテープ90は、本体部2の縦方向Zの一端部である本体第3端部63において、本体部2よりも横方向Wの両外側に延出している。より詳細には、ファスニングテープ90は、本体第3端部63において、本体部2の第1端縁61E及び第2端縁62Eよりも横方向Wの外側に延出している。ファスニングテープ90は、腹側域S1と背側域S2を接合する。ファスニングテープ90は、本体部2に接合された基材シート91と、基材シート91上に設けれ、本体部2の外面2Qに接合可能な接合部92と、を有してよい。接合部92は、ファスニングテープ90の表面側T1の面に配置されている。接合部92は、メカニカルファスナであってよく、本体部2の外面2Qに設けられたターゲット部45に接合可能に構成されている。ターゲット部45の少なくとも一部は、背側域S2に設けられてよい。本実施の形態のターゲット部45は、背側域S2と股下域S3に跨がっている。なお、変形例において、本体部2は、ターゲット部45を備えず、接合部92は、本体部2の外面2Q側の裏面シート20に接合するように構成されてよい。変形例において、接合部は、本体第4端部64において、本体部2よりも横方向Wの両外側に延出してもよい。
猫用おむつ1の本体部2には、尻尾穴70が設けられてよい。尻尾穴70は、猫の尻尾を挿通可能な穴本体部71を有してよい。尻尾穴70を有するおむつにあっては、本体第4端部64によって猫の臀部及び背中を覆う際に、尻尾穴70の穴本体部71に猫の尻尾を挿通させてよい。穴本体部71は、半円形の切り込みであってよい。穴本体部71は、連続した切れ込みであってもよいし、ミシン目等、表面シート10及び裏面シート20を引き裂き可能な構成であってもよい。尻尾穴70は、穴本体部71の寸法を拡大するための切り込み部72を有してもよい。切り込み部72は、ミシン目等、表面シート10及び裏面シート20を引き裂き可能な構成であってよく、猫の種類及び成長過程に応じて穴本体部71の寸法を調整できる。本実施の形態の切り込み部は、尻尾穴70の横方向Wの中心に対する左右それぞれに2個ずつ設けられている。変形例において、切り込み部72は、尻尾穴70の横方向Wの中心に対する左右それぞれに1個ずつ設けられていてもよいし、2個以上ずつ設けられていて複数段階で尻尾穴70の寸法を調整できるように構成されてよい。穴本体部71及び切り込み部72は、表面シート10及び裏面シート20が切断された部分であってよい。
猫用おむつ1を猫に装着する際は、本体第3端部63(接合部92が設けられた側の端部)を猫の腹に当てる。このとき、本体第4端部64を猫の両足の間を通し、かつ猫の後側に出しておく。そして、本体部2の縦方向Zの中央を猫の排尿口に当てつつ、猫の尻尾を、尻尾穴70を通しておむつの裏面側T2に出しておく。本体第4端部64によって猫の臀部及び背中を覆う。次いで、接合部92を猫の背中側に引っ張り、背中側に位置する本体第4端部64のターゲット部45に外面に接合部92を止める。これにより、図3に示すように、猫の腹、背中、及び股下を覆うように猫用おむつ1を装着できる。すなわち、猫用おむつ1は、猫の腹側から股下を通って背側まで覆うように装着される。
本実施の形態のおむつは、猫の脚回りに対してフィットさせ易く構成されている。次いで、猫の脚回りに対してフィットさせ易くするための構成について詳細に説明する。図4は、猫及び犬の身体の形状を模式的に示した図である。図4(a)は、猫の身体の形状を示しており、(b)は、犬の身体の形状を示している。図1に示すように、脚回り開口部5は、腹側において本体部2の外側縁2Eから横方向Wの内側に延びる腹側辺51と、背側において本体部2の外側縁2Eから横方向Wの内側に延びる背側辺52と、腹側辺51と背側辺52を繋ぎ、縦方向Zに延びる縦側辺53と、を有してよい。縦側辺53が直線状であり、かつ腹側辺51及び背側辺52が曲線状の形態にあっては、腹側辺51と縦側辺53の境界は、直線と曲線の境界であってよい。また、腹側辺51、背側辺52、及び縦側辺53がいずれも曲線状の形態にあっては、曲率が変化する箇所を境界としてよい。また、曲率が変化する境界が複数存在する形態にあっては、横方向Wに対して45以下の角度で延びる部分を腹側辺51及び背側辺52として、縦方向Zに対して45未満の角度で延びる部分を縦側辺53として境界を設定してもよい。脚回り開口部が一定の曲率半径の円弧形状である場合には、円弧の曲率半径の中心を通り、横方向に延びる仮想線と脚回り開口部5の交点が、腹側辺51と縦側辺53の境界又は背側辺52と縦側辺53の境界であってよい。脚回り開口部5が曲率半径が変化する楕円の円弧形状である場合には、それぞれの曲率半径の中心を通り、横方向に延びる仮想線と脚回り開口部5の交点が、腹側辺51と縦側辺53の境界又は背側辺52と縦側辺53の境界であってよい。
図1に示すように、腹側辺51の縦方向Zの長さをaとし、腹側辺51の横方向Wの長さをbとすると、a<bを満たしてよい。腹側辺51の縦方向Zの長さaは、換言すると、脚回り開口部5の腹側の端縁と、縦側辺53と、の縦方向Zの距離である。腹側辺51の横方向Wの長さbは、換言すると、第1端縁61Eと、縦側辺53の腹側の端縁と、の横方向Wの距離である。猫におむつを装着する際は、腹側域S1を猫の腹側に当て、股下域S3を猫の股下に当てるとともに、背側域S2を猫の背側に当てた状態で、ファスニングテープ90によって腹側域S1及び背側域S2を止着する。図3に示すように、着用状態において、脚回り開口部5が猫の後脚を囲むように配置され、脚回り開口部5の腹側辺51は、猫の後脚の腹側の面に当たる。腹側辺51の横方向Wの長さbが腹側辺51の縦方向Zの長さaよりも長いため、脚回りに対して脚回り開口部5がフィットする際に、縦方向Zの長さが短い範囲内で横方向Wに延びる領域を確保できる。例えば、a=bの場合には、腹側辺51の縦方向Zの長さと横方向Wの長さが同じであるため、縦方向Zの長い範囲内で徐々に横方向に入り込むため、脚回りに緩やかにフィットし易い。
図4に示すように、出願人が鋭意調査した結果、猫における脚回りの形状と、犬における脚回りの形状と、は、大きく異なることがわかった。より詳細には、犬の脚の付け根近傍では、骨周りの肉付きが比較的少ない。また、四つん這いの状態における犬の脚は、関節で若干曲がっているものの、比較的真っすぐに延びている。これに対して、猫の脚の付け根近傍では、骨周りの肉付きが犬と比較すると多い。また、四つん這いの状態における猫の脚は、関節で大きく曲がっている。このように、猫は、脚の付け根の肉付きが多く、また付け根の関節が曲がっているため、犬と比較して脚の付け根におむつをフィットさせ難いことがあった。脚の付け根におむつがフィットしないと、着用過程でずれたり外れたりすることがあった。しかし、a<bを満たすことにより、縦方向Zの短い範囲内で横方向Wの内側に局所的に入り込むため、脚回りに対してタイトにフィットさせ易い。脚回りにタイトにフィットさせることにより、肉付きが比較的多かったり関節が曲がっていたりして脚回りにタイトにフィットさせにくい猫に対して、使用者が意識せずに脚回りに対してタイトにフィットさせ易く、着用過程で外れる不具合を抑制できる。
ファスニングテープ90と縦側辺53の縦方向Zの距離をcとし、腹側辺51の横方向Wの長さをbとすると、c<bを満たしてよい。ファスニングテープ90と縦側辺53の縦方向Zの距離cは、換言すると、腹側辺51と縦側辺53の境界と、ファスニングテープ90の背側の端縁と、の縦方向Zの距離である。おむつを猫に装着する際には、ファスニングテープ90を横方向に引っ張って、ターゲット部45等に接合する。このとき、脚回り開口部5の腹側辺51側が横方向Wに引っ張られ、両方の後脚の間から後脚を通って背側に延びるラインは、縦側辺53とファスニングテープ90を繋ぐ縦方向Zに延びるラインによって構成される。距離cが腹側辺51の横方向Wの長さbよりも短いため、脚回りに対して脚回り開口部5がフィットする際に、縦方向Zの長さが短い範囲内で横方向Wに延びる領域を確保できる。縦方向Zの短い範囲内で横方向に局所的に入り込むため、脚回りに対してタイトにフィットさせ易い。脚回りにタイトにフィットさせることにより、着用過程で外れる不具合を抑制できる。
本体部2の縦方向Zの長さをdとすると、dに対する腹側辺51の縦方向Zの長さaの比率は、10%以下であってよい。本体部2の縦方向Zの長さdは、換言すると、第3端縁63Eと第4端縁64Eの縦方向Zの距離である。なお、本体部2の縦方向Zの長さは、猫用おむつ1の縦方向Zの全長であってもよい。本体部2全体に対する腹側辺51の縦方向の長さaの比率が低いため、脚回りに対する縦方向Zのずれを抑制できる。縦方向Zのずれ量が多くなることに起因しておむつが着用時に外れたり、脚の前後の動きを阻害したりする不具合を抑制できる。
腹側辺51とターゲット部45の縦方向の距離をeとすると、本体部2の縦方向Zの長さdに対するeの比率は、60%以上であってよい。腹側辺51とターゲット部45の縦方向の距離は、換言すると、腹側辺51と縦側辺53の境界とターゲット部45の縦方向の距離である。縦方向Zにおいて腹側辺51とターゲット部45の間の領域は、ファスニングテープ90をターゲット部45等に止着した状態で、腹側から背側にかけて身体を覆っており、身体の動きや皮膚の伸び縮みに追従して変形する領域である。本体部2全体に対するeの長さの比率が高いため、猫の動き等に応じて変形する領域を広く確保できる。また、出願人が鋭意調査した結果、猫と犬で普段の身体の動かし方が大きく異なることがわかった。より詳細には、犬は、地面を走る等、平面方向の動きが多く、猫は、犬と比較して、ジャンプしたり飛び降りたりする等の垂直方向の動きが多いことがわかった。垂直方向に身体を動かそうとすると、後足を曲げた状態から一気に伸ばしたり、脚の曲げ伸ばしとともに腹を凹ませた状態及び背中を丸めた状態から延ばしたりして、腹部、臀部及び足回りの皮膚の伸び縮み量が大きくなり易い。eの長さを確保することにより、垂直方向に身体を動かした際におむつを追従させることができ、おむつが意図せずにずれることを抑制できる。
尻尾穴70の背側の端縁とターゲット部45の縦方向Zの距離をfとすると、本体部2の縦方向Zの長さdに対するfの比率は、20%以上であってよい。尻尾穴70の背側の端縁とターゲット部45の縦方向Zの距離fは、ファスニングテープ90をターゲット部45に止着した状態で、尻尾穴70から背側にかけた領域を覆う領域の長さであり、背側における身体の動きや皮膚の伸び縮みに追従して変形する領域の長さである。猫は、犬と比較して、背中を丸めて伸びをしたり、背中を丸めて座ったり、背中を丸くする姿勢をとることが多い。背中を丸めた姿勢を取ったり、背中を伸ばした姿勢を取ったりすると、背中の動きや皮膚の伸び縮み量が大きい。本体部2全体に対するfの長さの比率が高いため、猫の動き等に応じて変形する領域を背側において広く確保でき、おむつを背側の動きに追従させ、おむつが意図せずにずれることを抑制できる。また、好適には、尻尾穴(穴本体部71+切り込み部72)70とターゲット部45の縦方向Zの距離fは、本体部2の縦方向Zの長さdに対する20%以上であってよい。尻尾穴(穴本体部71+切り込み部72)70とターゲット部45の縦方向Zの距離fは、切り込み部72によって尻尾穴の開口を拡大した状態において背側における身体の動きや皮膚の伸び縮みに追従して変形する領域の長さである。当該構成によれは、切り込み部72によって尻尾穴70の寸法を大きくした場合であっても、猫の動き等に応じて変形する領域を背側において広く確保でき、おむつを背側の動きに追従させ、おむつが意図せずにずれることを抑制できる。
穴本体部71の縦方向Zの最大長さをgとすると、腹側辺51とターゲット部45の縦方向Zの距離eに対するgの比率は、3.50%以下であってよい。犬は、比較的左右方向に尻尾を動かすことが多く、猫は、比較して上下方向に尻尾を動かすことが多い。そのため、猫がおむつを着用した状態では、穴本体部71が縦方向に引っ張られ、おむつが縦方向Zにずれやすい。このとき、可動域に対する穴本体部71の縦方向の長さの比率が低いため、穴本体部71を介しておむつが縦方向Zにずれる量を抑制できる。また、尻尾穴の縦方向の最大長さをhとすると、腹側辺51とターゲット部45の縦方向Zの距離eに対するhの比率は、5.5%以下であってよい。尻尾穴70の縦方向Zの最大長hは、尻尾穴(穴本体部71+切り込み部72)70の縦方向Zの最大長さである。当該構成によれは、切り込み部72によって尻尾穴70の寸法を大きくした場合において、可動域に対する尻尾穴70の縦方向の長さの比率を低くし、尻尾穴70を介しておむつが縦方向Zにずれる量を抑制できる。
吸収コア30の横方向Wの最大長さに対する穴本体部71の横方向Wの最大長さの比率は、35%以上であってよい。着用時に尻尾穴70に尻尾を挿入することで、尻尾を介して尻尾穴70の穴本体部71を横方向Wに引っ張ることができ、吸収コア30には、横方向Wに伸長される力がかかる。吸収コア30の横方向Wに広げて吸収コア30のよれを低減でき、着用時における吸収コア30の横方向Wの長さを確保し易い。特に猫は、犬と比較して、胴回り寸法に対する尻尾の径の比率が高い。よって、尻尾を介して吸収コア30のよれを低減する効果を得やすい。吸収コア30のよれを広げることができ、着用時における吸収コア30の横方向Wの長さを確保し易い。また、吸収コア30の横方向Wの最大長さに対する穴本体部71の横方向Wの最大長さの比率が高いため、穴本体部71を介して吸収コア30を広げる力が吸収コア30の横方向W全域に伝達し易い。吸収コア30の変形に起因してフィット性が低下し難く、体液の漏れを抑制できるとともに、着用時に猫が足を動きかし易い状態を維持できる。また、好適には、吸収コア30の横方向Wの最大長さに対する尻尾穴(穴本体部71+切り込み部72)70の横方向Wの最大長さに比率は、40%超であってよい。当該構成によれは、切り込み部72によって尻尾穴70の寸法を大きくした場合において、吸収コア30の横方向の最大長さに対する穴本体部71の横方向の最大長さの比率が高いため、尻尾穴70を介して吸収コア30を広げる力が吸収コア30の横方向W全域により伝達し易い。また、尻尾穴70は、吸収コア30の背側に位置する背外端縁R30よりも背側に配置されてよい。尻尾穴70が吸収コア30と重ならない領域に設けられているため、尻尾を介して尻尾穴70を横方向Wに引っ張る力が吸収コア30の剛性の影響を受けにくい。そのため、尻尾を介して吸収コア30のよれを低減する効果をより得やすい。
次いで、図5に基づいて吸収コア30について詳細に説明する。図5は、吸収コア30の拡大平面図である。吸収コア30は、横方向Wの内側に括れる括れ部31を有してよい。括れ部31は、吸収コア30の外側縁30Eから横方向Wの内側に凹んでいる部分である。括れ部31の内側縁31Dは、括れ部31において最も横方向の内側に位置する部分であり、括れ部31の外側縁31Eは、括れ部31において最も横方向Wの外側に位置する部分であり、吸収コア30の外側縁30Eに一致してよい。括れ部31の横方向Wの内側縁31Dにおける腹側の端縁P311は、吸収コア30の縦方向Zの中心CZ30よりも背側に位置してよい。本実施の形態のように、括れ部31の内側縁31Dが縦方向Zに延びていない構成にあっては、腹側の端縁P311は、点であり、括れ部31の内側縁31Dにおける背側の端縁P312と一致している。しかし、括れ部31の内側縁31Dの縦方向Zに延びている構成にあっては、腹側の端縁P311は、縦方向Zに延びる内側縁31Dにおいて最も腹側に位置する縁であり、背側の端縁P312と縦方向Zに離間している。
図3に示すように、着用状態において、脚回り開口部5が猫の後脚を囲むように配置され、吸収コア30の括れ部31の内側縁31Dは、後脚から臀部にかけて脚幅(両脚同士の間隔)が最も狭くなる部分105(図4参照)を中心としてフィットする。このとき、従来の犬と猫の兼用のおむつにあっては、括れ部31の内側縁31Dにおける腹側の端縁P311が、吸収コア30の縦方向Zの中心CZ30又は腹側に偏倚して配置されている。そのため、脚幅が最も狭くなる位置よりも腹側に延出する吸収コア30の縦方向Zの長さを十分に確保できなかった。そのため、猫の垂直方向の動きに伴って腹部の皮膚の伸び縮み量が大きくなった場合に、吸収コア30を追従させ続けることができず、おむつがずれたり外れたりする不具合があった。また、猫が垂直方向に動かそうとして後足を曲げたり延ばしたりすると、脚幅が最も狭くなる位置105よりも腹側に延出する吸収コア30が繰り返し変形し、身体を覆い続け難いことがあった。出願人が猫の着用状態を観察した結果、脚幅が最も狭くなる位置105よりも腹側に延出する吸収コア30の縦方向Zの長さは、腹側の端縁P311よりも腹側に延びる吸収コア30の縦方向の長さに相当することがわかった。括れ部31の横方向Wの内側縁31Dにおける腹側の端縁P311が吸収コアの縦方向Zの中心CZ30よりも背側に位置していることにより、脚幅が最も狭くなる位置105よりも腹側に延出する吸収コア30の縦方向Zの長さを十分に確保できる。そのため、垂直方向の動きによって脚を繰り返し前後に動かした場合であっても吸収コア30によって身体を覆うことができる。また、脚幅が最も狭くなる位置105よりも腹側に延出する吸収コア30の縦方向Zの長さを十分に確保できるため、腹部の皮膚の伸び縮み量が大きくなった場合であっても吸収コアを追従させ続けることができ、おむつが着用された状態を維持し易い。
括れ部31の内側縁31Dの縦方向Zの長さZ31D(図7参照)は、吸収コア30の縦方向Zの長さZ30に対する30%以下であってよい。なお、本実施の形態の括れ部31の内側縁31Dは、点状であり、内側縁31Dの縦方向Zの長さは、限りなく0に近い値である。猫が垂直方向に動くと、着地等の衝撃や皮膚の縦方向の伸び縮みに起因して、おむつが縦方向Zにずれ易くなる。このとき、括れ部31の内側縁31Dの長さが30%以下であるため、脚幅が最も狭くなる位置105に対してフィットした状態で縦方向Zのずれ量が吸収コアの30%以下となる。たとえ、衝撃等でおむつがずれる方向に力が作用した場合であっても、おむつを身体に対して覆いづけることができる。また、内側縁31Dの縦方向Zの長さZ31Dは、括れ部31の縦方向Zの長さZ31に対する40%以下であってよい。括れ部31内において内側縁31Dが占める縦方向Zの長さの比率が低いため、おむつの縦方向Zのずれ量を抑えることができる。
括れ部31は、腹側に位置する腹基端縁311、背側に位置する背基端縁312、及び内側縁31Dを繋ぐ側縁33を有している。腹基端縁311は、括れ部31において最も腹側に位置する縁であり、背基端縁312は、括れ部31において最も背側に位置する縁である。側縁33は、腹基端縁311から内側縁31Dに延びる腹側縁F33と、背基端縁312から内側縁31Dに延びる背側縁R33と、を有する。腹側縁F33と背側縁R33は、横方向Wに延びる横仮想線に対して対称でなく、非対称であってよい。腹側縁F33は、腹基端縁311から背側に向かって直線状に延びる部分SF33と、直線状に延びる部分SF33と内側縁31Dを曲線状に繋ぐ部分CF33と、を有する。直線状に延びる部分SF33は、縦方向Zに対して角度α傾斜している。角度αは、曲線状に繋ぐ部分CF33の縦方向Zに対する傾斜角度よりも小さい。また、腹側縁F33において、直線状に延びる部分SF33の縦方向Zの長さは、曲線状に繋ぐ部分CF33の縦方向Zの長さよりも短い。よって、腹側縁F33は、括れ部31のうち縦方向Zの半分以上の領域で緩やかに横方向Wに凹み、括れ部31の縦方向Zの短い範囲で横方向Wに局所的に凹む形状である。そのため、猫の脚回りにおける縦方向Zのずれをより抑制できる。また、背側縁R33は、背基端縁312から内側縁31Dに向けて曲線状に延びており、直線状に延びる部分を有していない。
括れ部31の横方向Wの中心を通り、かつ縦方向に延びる仮想線WL31が、腹側縁F33と交差する第1交差点P1と、仮想線WL31が、背側縁R33と交差する第2交差点P2と、の距離G12は、吸収コア30の縦方向Zの長さZ30に対する40%未満であってよい。第1交差点P1と第2交差点P2の距離G12は、括れ部31の横方向Wの中心における括れ部31の縦方向Zの長さであり、吸収コア30が後脚に密着せずに縦方向Zに吸収コアがずれ易い範囲の長さとなる。第1交差点P1と第2交差点P2の距離G12が吸収コア30の縦方向Zの長さZ30に対する40%未満であることにより、後脚の周囲における縦方向Zのずれ量が吸収コア30の40%以下に抑え易い。たとえ、衝撃等でおむつが縦方向Zにずれる力が作用した場合であっても、おむつを身体に対して覆いづけることができる。
吸収コア30の括れ部31において腹側に向かって延びる腹側縁F33の少なくとも一部は、内側縁31Dから腹側に向かって横方向Wの外側に延びてよい。より詳細には、腹側縁F33のうち、腹基端縁311から背側に直線状に延びる部分SF33及び曲線状に延びる部分CF33は、それぞれ内側縁31Dから腹側に向かって横方向Wの外側に延びている。括れ部31の内側縁31Dにおいて吸収コア30の横方向Wの長さを短くして、猫の両脚の横方向の長さが短い部分に吸収コア30をフィットさせ易い。特に、猫は、犬よりも脚幅が狭く、吸収コア30の横方向Wの長さが短くなっていることにより、猫の体形により好適にフィットさせることができる。また、括れ部31の内側縁31Dから腹側に向かって横方向Wの長さが長くなっているため、括れ部31の内側縁31Dにおける吸収コア30の横方向Wの長さを短くしつつも、腹側における吸収コア30の面積を確保できる。また、脚回り開口部5の縦側辺53は、腹側から背側に向かって横方向Wの外側に延びてよい。腹側から背側に向かって横方向Wの外側に延びる部分は、内側縁31Dよりも腹側の領域から内側縁よりも背側の領域を跨いでいる。脚回り開口部5の縦側辺53は、背側から腹側に向かって横方向Wの内側に延びており、吸収コア30の外側縁と逆の傾斜となる。そのため、吸収コア30の横方向Wの長さを短くした部分において、脚回り開口部5の横方向Wの長さを長く設けることができ、おむつ全体として胴回りを覆い続け、漏れやずれを抑制できる。
吸収コア30は、腹側に位置する腹外端縁F30と、背側に位置する背外端縁R30と、を有する。腹外端縁F30は、吸収コア30において最も腹側に位置する縁であり、背外端縁R30は、吸収コア30において最も腹側に位置する縁である。腹外端縁F30と第1交差点P1の距離GF30は、背外端縁R30と第2交差点P2との距離GR30よりも長くてよい。第1交差点P1と第2交差点P2は、括れ部31における横方向Wの中心に位置し、猫の後脚の横方向Wの中心に当たり易い。括れ部31における横方向Wの中心よりも腹側に延出する吸収コア30の縦方向Zの長さが、括れ部31における横方向Wの中心よりも背側に延出する吸収コア30の縦方向Zの長さよりも長い。後脚よりも腹側に延びる吸収コア30の縦方向Zの長さを十分に確保できるため、腹部の皮膚の伸び縮み量が大きくなった場合であっても吸収コア30を追従させ続けることができ、おむつが着用された状態を維持し易い。また、後脚よりも腹側に延びる吸収コア30の縦方向Zの長さを確保するために、括れ部31の内側縁31Dの少なくとも一部は、吸収コア30の縦方向Zの中心CZ30よりも腹側に位置してよい。
吸収コア30は、吸収コア30の縦方向Zの中心CZ30よりも腹側に位置する腹側領域RF30と、吸収コア30の縦方向Zの中心CZ30よりも背側に位置する背側領域RR30と、を有する。腹側領域RF30の面積は、背側領域RR30の面積よりも大きくてよい。雌の犬の排尿口201Fは、背側領域RR30に当たり易く、雄の犬の排尿口201Mは、腹側領域RF30に当たりやすい。一方、猫の排尿口101は、雄の場合も雌の場合も、背側領域RR30に当たり易い。猫のおむつにおいて、腹側領域RF30の面積を大きくすることで、背側領域RR30から腹側領域RF30に拡散する体液保持することができる。また、一般的に、猫は飲水量が少ないため、泌尿器疾患にかかり易い。泌尿器疾患にかかると、多飲多尿の症状が出やすい。多尿になった場合は、吸収コア30の腹側領域RF30に拡散が広がる傾向がより顕著になる。腹側領域RF30の面積を大きくすることで、多尿になった場合においても背側領域RR30から腹側領域RF30に拡散する体液保持することができる。
括れ部31の内側縁31Dにおける吸収コア30の横方向Wの長さWD30は、背側領域RR30における吸収コア30の横方向の最大長さに対する80%以下であってよい。括れ部31の内側縁31Dにおける吸収コア30の横方向Wの長さWD30は、左右の内側縁31D間の距離である。背側領域RR30における吸収コア30の横方向の最大長さは、本実施の形態においては、吸収コア30の外側縁30E間の距離である。吸収コア30の背側領域RR30における横方向Wの最大長さと、括れ部31の内側縁31Dにおける吸収コア30の横方向Wの長さと、の差を大きく設けることができる。上述のように、猫の排尿口101は、雄の場合も雌の場合も、背側領域RR30に当たり易い。猫のおむつにおいて、背側領域RR30の吸収コア30の横方向Wの最大長さを大きくすることで、背側領域RR30の吸収容量を確保できる。加えて、猫は、犬と比較して、排尿口101と尻尾102の距離が短く、尻尾穴70から体液が漏れやすい。背側領域RR30の吸収コア30の横方向Wの最大長さを大きくすることで、背側領域RR30の吸収容量を確保し、尻尾穴70からの体液の漏れを抑制できる。また、猫は、一般的に、犬と比較して体形の個体差が少なく、また脚幅が最も狭くなる部分105の脚幅が短い。括れ部31の内側縁31Dにおける吸収コア30の横方向Wの長さWD30を短くすることで、脚幅が最も短くなる部分105に適切におむつフィットさせることができる。
図1に示すように、尻尾穴70の横方向Wの最大長さM70は、括れ部31の内側縁31Dにおける吸収コア30の横方向Wの長さWD30以上であってよい。ここで、尻尾穴70の横方向Wの最大長さM30は、切り込み部72を有する尻尾穴70においては、穴本体部71と切り込み部72を合わせた領域の横方向Wの長さである。本実施の形態では、最も横方向Wの外側に位置する切り込み部72の外側縁間の距離である。着用時に尻尾穴70に尻尾102を挿入することで、尻尾を介して尻尾穴70を横方向Wに引っ張ることができ、吸収コア30には、横方向Wに伸長される力がかかる。吸収コア30の横方向に広げて吸収コアのよれを低減でき、着用時における吸収コア30の横方向Wの長さを確保し易い。特に猫は、犬と比較して、胴回り寸法に対する尻尾の径の比率が高い。よって、尻尾を介して吸収コア30のよれを低減する効果を得やすい。尻尾穴70の横方向Wの最大長さM70が括れ部31の吸収コア30の横方向Wの長さWD30以上であるため、尻尾穴70の横方向W全域に亘って吸収コア30を広げる力が作用した際に、括れ部31における吸収コア30の横方向Wの全域を広げることができる。また、尻尾穴70が括れ部31の内側縁31Dよりも横方向の外側に延出していることにより、横方向Wの外側から吸収コア30を引っ張ることができ、吸収コア30のよれをより抑制できる。
尻尾穴70は、吸収コア30の背側に位置する背外端縁R30よりも背側に配置されてよい。すなわち、尻尾穴70と吸収コア30は、縦方向Zにおいて離間してよい。尻尾穴70が吸収コア30と重ならない領域に設けられているため、尻尾を介して尻尾穴70を横方向Wに引っ張る力が吸収コア30の剛性の影響を受けにくい。そのため、尻尾を介して吸収コア30のよれを低減する効果をより得やすい。
平面視において括れ部31と重なる領域には、コアラップ32同士が重なる重畳部R32(図1参照)が設けられてよい。重畳部R32は、吸収コア30が配置されてなく、コアラップ32同士が当接する領域である。括れ部31は、吸収コア30が配置されてなく、吸収コア30が配置された領域と比較して、その剛性を維持しにくいことがある。しかし、重畳部R32にコアラップ32を重ねて配置することで、括れ部31近傍の剛性を高めることができる。吸収コア30の括れ部31のよれを抑制でき、フィット性を維持できる。
おむつを伸長させた伸長状態において、防漏ギャザー15の固定部17の横方向Wの内側縁17Dは、括れ部31の内側縁31Dよりも横方向Wの外側に位置してよい。防漏ギャザー15は、固定部17を基点として起立部16が立ち上がるとともに、吸収コア30の剛性差によって吸収コア30を基点に起立部16及び固定部17全体が立ち上がることがある。このとき、括れ部31が設けられた領域において吸収コア30の外側縁となる括れ部31の内側縁31Dよりも横方向Wの外側に固定部17の内側縁17Dがあるため、括れ部31の内側縁を基点に起立部16及び固定部17全体が立ち上がる。括れ部31が設けられた領域では、吸収コア30の横方向Wの長さが比較的短く、吸収コアよりも横方向の外側に体液が導かれるおそれがあるが、起立部16の立ち上がる高さを確保でき、漏れを抑制できる。
次いで、図6及び図7に基づいて変形例に係る猫用おむつ1Xについて説明する。なお、以下の変形例の説明において、上述の実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。図6は、変形例に係る猫用おむつ1Xの肌面側から見た平面図であり、図7は、変形例に係る吸収コア30Xの平面図である。変形例に係る吸収コア30Xの括れ部31の内側縁31Dは、縦方向Zに延びる一定の範囲に設けられている。変形例に係る括れ部31は、腹側に位置する腹基端縁311、背側に位置する背基端縁312、及び内側縁31Dを繋ぐ側縁33を有している。側縁33は、腹基端縁311から内側縁31Dに延びる腹側縁F33と、背基端縁312から内側縁31Dに延びる背側縁R33と、を有する。腹側縁F33と背側縁R33は、横方向Wに延びる横仮想線に対して対称でない。腹側縁F33は、腹基端縁311から背側に曲線状に延びる部分CF33と、曲線状に延びる部分CF33と内側縁31Dを直線状に繋ぐ部分SF33と、を有する。直線状に延びる部分SF33は、縦方向Zに対して角度α傾斜している。角度αは、曲線状に繋ぐ部分CF33の縦方向Zに対する傾斜角度よりも小さく、略0度に近い(5度以下)の角度である。また、腹側縁F33において、直線状に延びる部分SF33の縦方向Zの長さは、曲線状に繋ぐ部分CF33の縦方向Zの長さよりも長い。また、背側縁R33は、背基端縁312から内側縁31Dに向けて曲線状に延びており、直線状に延びる部分を有していない。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。