JP2021081955A - 管制装置および車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおいて、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置が異なる場合に適切に対応する。【解決手段】実施形態の一例としての管制装置は、所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおける管制装置であって、前記所定領域内に設けられた検出部から、前記所定領域内の第1車両と第2車両のうちの前記第1車両の検出データを取得する第1取得部と、前記第1車両の検出データに基づいて、前記第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を推定する推定部と、前記第2車両において車載センサの検出データに基づいて推定された前記第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を前記第2車両から取得する第2取得部と、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置を比較して所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、管制装置および車両制御装置に関する。
近年、所定領域(例えば駐車場)内で車両の走行を制御するシステム(例えば自動バレー駐車システム)が検討されている。そのようなシステムでは、例えば、管制装置は、所定領域内に設けられた検出部から取得した検出データ(例えば固定カメラによる撮影画像)に基づいて、所定領域内の車両の位置を推定する。また、車両は、車載センサの検出データ(例えば車載カメラによる撮影画像)に基づいて所定領域内の他車両の位置を推定する。
特開2011−54116号公報 特開2015−74321号公報 特開2016−57677号公報
しかしながら、上述のようなシステムにおいて、従来技術では、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置とが異なる場合を想定しておらず、改善の余地がある。
そこで、実施形態の課題の一つは、所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおいて、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置が異なる場合に適切に対応できる管制装置および車両制御装置を提供することである。
実施形態の一例としての管制装置は、所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおける管制装置であって、前記所定領域内に設けられた検出部から、前記所定領域内の第1車両と第2車両のうちの前記第1車両の検出データを取得する第1取得部と、前記第1車両の検出データに基づいて、前記第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を推定する推定部と、前記第2車両において車載センサの検出データに基づいて推定された前記第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を前記第2車両から取得する第2取得部と、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置を比較して所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部と、を備える。
この構成によれば、管制装置は、車両(第2車両)が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両(第1車両)の位置(第2の第1車両位置)と、自身によって推定したその他車両(第1車両)の位置(第1の第1車両位置)を比較し、所定以上の差異があった場合に異常と判定することで、適切に対応できる。
また、前記管制装置において、前記第1取得部は、前記所定領域内に設けられた検出部から、前記第2車両の検出データを取得し、前記推定部は、前記第2車両の検出データに基づいて、前記第2車両の位置を示す第1の第2車両位置を推定し、前記判定部によって異常と判定された場合に、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置を包含する所定範囲に対して前記第1の第2車両位置が所定距離以内に近づいたときに、前記第2車両を停止または衝突回避させる制御を行う車両制御部を、さらに備えるようにしてもよい。
この構成によれば、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置を包含する広い所定範囲に近づいた第2車両を停止または衝突回避させることで、安全性をより向上させることができる。
また、前記管制装置において、前記第1取得部は、前記所定領域内に設けられた検出部から、前記第2車両の検出データを取得し、前記推定部は、前記第2車両の検出データに基づいて、前記第2車両の位置を示す第1の第2車両位置を推定し、前記第2取得部は、前記第2車両において推定された前記第2車両の位置を示す第2の第2車両位置を前記第2車両から取得し、前記判定部は、異常と判定した場合に、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置の差が前記第1の第2車両位置と前記第2の第2車両位置の差よりも大きい場合に、前記第2車両に設けられた前記車載センサの異常と判定するようにしてもよい。
この構成によれば、異常の場合に、管制装置側の異常か、第2車両に設けられた車載センサの異常かを識別することで、異常への対応を容易にすることができる。
また、前記管制装置において、所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおける管制装置であって、前記所定領域内に設けられた検出部から、前記所定領域内の第1車両と第2車両のうちの前記第1車両の検出データを取得する第1取得部と、前記第1車両の検出データに基づいて、前記第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を推定する推定部と、前記第2車両において車載センサの検出データに基づいて推定された前記第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を前記第2車両から取得するとともに、前記第1車両において推定された前記第1車両の位置を示す第3の第1車両位置を前記第1車両から取得する第2取得部と、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置と前記第3の第1車両位置を比較して、もっとも離れている2つに所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部と、を備えるようにしてもよい。
この構成によれば、上述の3つの第1車両位置を比較することで、システム中に異常があることをより早く認識することができる。
また、実施形態の一例としての車両制御装置は、所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおける第2車両に搭載される車両制御装置であって、前記所定領域内に設けられた検出部から取得した第1車両の検出データに基づいて推定された前記第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を前記システムにおける管制装置から取得する取得部と、前記第2車両の車載センサの検出データに基づいて前記第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を推定する推定部と、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置を比較して所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部と、を備えるようにしてもよい。
この構成によれば、管制装置側だけでなく車両制御装置側でも、管制装置によって推定された第1の第1車両位置と、自身の車載センサの検出データに基づいて推定した第2の第1車両位置を比較し、所定以上の差異があった場合に異常と判定することで、適切に対応できる。
図1は、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムにおける自動駐車の一例を示した例示的かつ模式的な図である。 図2は、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムにおける自動出庫の一例を示した例示的かつ模式的な図である。 図3は、第1実施形態にかかる管制装置のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。 図4は、第1実施形態にかかる車両制御システムのシステム構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。 図5は、第1実施形態にかかる管制装置および車両制御装置の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。 図6は、第1実施形態において、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置が同じ場合の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。 図7は、第1実施形態において、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置が異なる場合の第1の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。 図8は、第1実施形態において、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置が異なる場合の第2の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。 図9は、第1実施形態にかかる管制装置による処理を示すフローチャートである。 図10は、第2実施形態において、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置を包含する所定範囲の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。 図11は、第4実施形態にかかる管制装置による処理を示すフローチャートである。 図12は、第5実施形態にかかる管制装置および車両制御装置の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。 図13は、第5実施形態にかかる管制装置による処理を示すフローチャートである。
以下、実施形態(第1実施形態〜第5実施形態)を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する実施形態の構成、ならびに、当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、本発明は以下の記載内容に限定されない。
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムの概略について説明する。ここで、自動バレー駐車システムとは、例えば白線などの所定の区画線Lで区画された1以上の駐車領域Rを有する駐車場Pにおいて、以下に説明するような自動駐車および自動出庫を含む自動バレー駐車を実現するためのシステムである。なお、自動バレー駐車システムは、所定領域内で車両の走行を制御するシステムの一例である。
図1は、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムにおける自動駐車の一例を示した例示的かつ模式的な図である。また、図2は、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムにおける自動出庫の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図1および図2に示されるように、自動バレー駐車においては、駐車場P内の所定の降車領域P1で車両Vから乗員Xが降車した後、所定の指示に応じて車両Vが降車領域P1から空きの駐車領域Rへ自動で移動して駐車する自動駐車(図1の矢印C1参照)と、当該自動駐車が完了した後、所定の呼び出しに応じて車両Vが駐車領域Rから出庫して所定の乗車領域P2へ自動で移動して停車する自動出庫(図2の矢印C2参照)と、が実行される。なお、所定の指示および所定の呼び出しは、乗員Xによる端末装置Tの操作によって実現される。
また、図1および図2に示されるように、自動バレー駐車システムは、駐車場Pに設けられた管制装置101と、車両Vに搭載された車両制御システム102と、を有している。管制装置101と車両制御システム102とは、無線通信によって互いに通信可能に構成されている。
ここで、管制装置101は、駐車場P内の状況を撮像する1以上の監視カメラ103から得られる画像データや、駐車場P内に設けられる各種のセンサ(不図示。検出部)などから出力されるデータを受け取ることで駐車場P内の状況を監視し、監視結果に基づいて、駐車領域Rを管理するように構成されている。以下では、駐車場P内の状況を監視するために管制装置101が受け取る情報を総称してセンサデータ(検出データ)と記載することがある。
なお、第1実施形態において、駐車場Pにおける降車領域P1、乗車領域P2、および駐車領域Rの数や配置などは、図1および図2に示された例に限定されない。第1実施形態の技術は、図1および図2に示された駐車場Pとは異なる様々な構成の駐車場等の所定領域に適用可能である。
次に、図3および図4を参照して、第1実施形態にかかる管制装置101および車両制御システム102の構成について説明する。なお、図3および図4に示される構成は、あくまで一例であり、第1実施形態にかかる管制装置101および車両制御システム102の構成は、種々に設定(変更)可能である。
まず、図3を参照して、第1実施形態にかかる管制装置101のハードウェア構成について説明する。図3は、第1実施形態にかかる管制装置101のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。図3に示されるように、第1実施形態にかかる管制装置101は、PC(Personal Computer)などといった一般的な情報処理装置と同様のコンピュータ資源を有している。
図3に示される例において、管制装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、通信インターフェース(I/F)304と、入出力インターフェース(I/F)305と、SSD(Solid State Drive)306と、を有している。これらのハードウェアは、データバス350を介して互いに接続されている。
CPU301は、管制装置101を統括的に制御するハードウェアプロセッサである。CPU301は、ROM302などに記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
ROM302は、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
RAM303は、CPU301の作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
通信インターフェース304は、管制装置101と外部装置との間の通信を実現するインターフェースである。例えば、通信インターフェース304は、管制装置101と車両V(車両制御システム102)との間の無線通信による信号の送受信を実現する。
入出力インターフェース305は、管制装置101と外部装置との接続を実現するインターフェースである。外部装置としては、例えば、管制装置101のオペレータが使用する入出力デバイスなどが考えられる。
SSD306は、書き換え可能な不揮発性の補助記憶装置である。なお、第1実施形態にかかる管制装置101においては、補助記憶装置として、SSD306に替えて(またはSSD306に加えて)、HDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよい。
次に、図4を参照して、第1実施形態にかかる車両制御システム102のシステム構成について説明する。図4は、第1実施形態にかかる車両制御システム102のシステム構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。図4に示されるように、車両制御システム102は、制動システム401と、加速システム402と、操舵システム403と、変速システム404と、障害物センサ405と、走行状態センサ406と、通信インターフェース(I/F)407と、車載カメラ408と、モニタ装置409と、車両制御装置410と、車載ネットワーク450と、を有している。
制動システム401は、車両Vの制動を制御する。制動システム401は、制動部401aと、制動制御部401bと、制動部センサ401cと、を有している。
制動部401aは、例えば、ブレーキペダルなどを含んだ、車両Vを減速させるための装置である。
制動制御部401bは、例えば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECU(Electronic Control Unit)である。制動制御部401bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、制動部401aを作動させることで、車両Vの減速度合を制御する。
制動部センサ401cは、制動部401aの状態を検出するための装置である。例えば、制動部401aがブレーキペダルを含む場合、制動部センサ401cは、制動部401aの状態として、ブレーキペダルの位置または当該ブレーキペダルに作用している圧力を検出する。制動部センサ401cは、検出した制動部401aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
加速システム402は、車両Vの加速を制御する。加速システム402は、加速部402aと、加速制御部402bと、加速部センサ402cと、を有している。
加速部402aは、例えば、アクセルペダルなどを含んだ、車両Vを加速させるための装置である。
加速制御部402bは、例えば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。加速制御部402bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、加速部402aを作動させることで、車両Vの加速度合を制御する。
加速部センサ402cは、加速部402aの状態を検出するための装置である。例えば、加速部402aがアクセルペダルを含む場合、加速部センサ402cは、アクセルペダルの位置または当該アクセルペダルに作用している圧力を検出する。加速部センサ402cは、検出した加速部402aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
操舵システム403は、車両Vの進行方向を制御する。操舵システム403は、操舵部403aと、操舵制御部403bと、操舵部センサ403cと、を有している。
操舵部403aは、例えば、ステアリングホイールやハンドルなどを含んだ、車両Vの転舵輪を転舵させる装置である。
操舵制御部403bは、例えば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。操舵制御部403bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、操舵部403aを作動させることで、車両Vの進行方向を制御する。
操舵部センサ403cは、操舵部403aの状態を検出するための装置である。例えば、操舵部403aがステアリングホイールを含む場合、操舵部センサ403cは、ステアリングホイールの位置または当該ステアリングホイールの回転角度を検出する。なお、操舵部403aがハンドルを含む場合、操舵部センサ403cは、ハンドルの位置または当該ハンドルに作用している圧力を検出してもよい。操舵部センサ403cは、検出した操舵部403aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
変速システム404は、車両Vの変速比を制御する。変速システム404は、変速部404aと、変速制御部404bと、変速部センサ404cと、を有している。
変速部404aは、例えば、シフトレバーなどを含んだ、車両Vの変速比を変更するための装置である。
変速制御部404bは、例えば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。変速制御部404bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、変速部404aを作動させることで、車両Vの変速比を制御する。
変速部センサ404cは、変速部404aの状態を検出するための装置である。例えば、変速部404aがシフトレバーを含む場合、変速部センサ404cは、シフトレバーの位置または当該シフトレバーに作用している圧力を検出する。変速部センサ404cは、検出した変速部404aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
障害物センサ405は、車両Vの周囲に存在しうる障害物に関する情報を検出するための装置である。障害物センサ405は、例えば、障害物までの距離を検出するソナーなどといった測距センサを含んでいる。障害物センサ405は、検出した情報を車載ネットワーク450に出力する。
走行状態センサ406は、車両Vの走行状態を検出するための装置である。走行状態センサ406は、例えば、車両Vの車輪速を検出する車輪速センサや、車両Vの前後方向または左右方向の加速度を検出する加速度センサや、車両Vの旋回速度(角速度)を検出するジャイロセンサなどを含んでいる。走行状態センサ406は、検出した走行状態を車載ネットワーク450に出力する。
通信インターフェース407は、車両制御システム102と外部装置との間の通信を実現するインターフェースである。例えば、通信インターフェース407は、車両制御システム102と管制装置101との間の無線通信による信号の送受信や、車両制御システム102と端末装置Tとの間の無線通信による信号の送受信などを実現する。
車載カメラ408は、車両Vの周辺の状況を撮像するための装置である。例えば、車載カメラ408は、車両Vの前方、後方、および側方(左右両方)の路面を含む領域を撮像するように複数設けられる。車載カメラ408によって得られた画像データは、車両Vの周辺の状況の監視(障害物の検出も含む)に使用される。車載カメラ408は、得られた画像データを車両制御装置410に出力する。なお、以下では、車載カメラ408から得られる画像データと、車両制御システム102に設けられる上述した各種のセンサから得られるデータと、を総称してセンサデータと記載することがある。
モニタ装置409は、車両Vの車室内のダッシュボードなどに設けられる。モニタ装置409は、表示部409aと、音声出力部409bと、操作入力部409cと、を有している。
表示部409aは、車両制御装置410の指示に応じて画像を表示するための装置である。表示部409aは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescent Display)などによって構成される。
音声出力部409bは、車両制御装置410の指示に応じて音声を出力するための装置である。音声出力部409bは、例えば、スピーカによって構成される。
操作入力部409cは、車両V内の乗員の入力を受け付けるための装置である。操作入力部409cは、例えば、表示部409aの表示画面に設けられるタッチパネルや、物理的な操作スイッチなどによって構成される。操作入力部409cは、受け付けた入力を車載ネットワーク450に出力する。
車両制御装置410は、車両制御システム102を統括的に制御するための装置である。車両制御装置410は、CPU410aや、ROM410b、RAM410cなどといったコンピュータ資源を有したECUである。
より具体的に、車両制御装置410は、CPU410aと、ROM410bと、RAM410cと、SSD410dと、表示制御部410eと、音声制御部410fと、を有している。
CPU410aは、車両制御装置410を統括的に制御するハードウェアプロセッサである。CPU410aは、ROM410bなどに記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
ROM410bは、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
RAM410cは、CPU410aの作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
SSD410dは、書き換え可能な不揮発性の補助記憶装置である。なお、第1実施形態にかかる車両制御装置410においては、補助記憶装置として、SSD410dに替えて(またはSSD410dに加えて)、HDDが設けられてもよい。
表示制御部410eは、車両制御装置410で実行される各種の処理のうち、主として、車載カメラ408から得られた画像データに対する画像処理や、モニタ装置409の表示部409aに出力する画像データの生成などを司る。
音声制御部410fは、車両制御装置410で実行される各種の処理のうち、主として、モニタ装置409の音声出力部409bに出力する音声データの生成などを司る。
車載ネットワーク450は、制動システム401と、加速システム402と、操舵システム403と、変速システム404と、障害物センサ405と、走行状態センサ406と、通信インターフェース407と、モニタ装置409の操作入力部409cと、車両制御装置410と、を通信可能に接続する。
ところで、このような自動バレー駐車システムにおいて、従来技術では、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置とが異なる場合を想定しておらず、改善の余地がある。
そこで、以下では、自動バレー駐車システムシステムにおいて、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置101によって推定されたその他車両の位置が異なる場合に適切に対応できる技術について説明する。
図5は、第1実施形態にかかる管制装置101および車両制御装置410の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。この図5に示される機能は、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現される。つまり、図5に示される例において、管制装置101の機能は、CPU301(図3)がROM302(図3)などに記憶された所定の制御プログラムを読み出して実行した結果として実現される。また、車両制御装置410の機能は、CPU410a(図4)がROM410b(図4)などに記憶された所定の制御プログラムを読み出して実行した結果として実現される。なお、第1実施形態では、図5に示される管制装置101および車両制御装置410の一部または全部が専用のハードウェア(回路)のみによって実現されてもよい。
図5に示されるように、第1実施形態にかかる管制装置101は、機能的構成として、通信制御部511と、取得部512と、駐車場データ管理部513と、誘導経路生成部514と、推定部515と、判定部516と、車両制御部517と、報知部518と、を有している。
通信制御部511は、車両制御装置410との間で実行される無線通信を制御する。例えば、通信制御部511は、車両制御装置410との間で所定のデータを送受信することで車両制御装置410の認証を行ったり、自動駐車および自動出庫が完了した際に車両制御装置410から出力される所定の完了通知を受信したり、後述する駐車場Pの地図データや誘導経路などを必要に応じて車両制御装置410に送信したりする。
取得部512(第1取得部。第2取得部)は、駐車場P内に設けられた検出部から、駐車場P内の車両の検出データを取得する。つまり、取得部512は、駐車場P内に設けられる監視カメラ103や各種のセンサ(不図示)などから上述したセンサデータを取得する。取得部512により取得されるセンサデータ(特に監視カメラ103から得られる画像データ)は、例えば、駐車領域Rの空き状況の把握などにも使用することが可能である。また、取得部512は、駐車場P内に設けられた検出部から、駐車場P内の第1車両と第2車両の検出データを取得する。
また、取得部512は、第2車両において車載センサの検出データに基づいて推定された第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を第2車両から取得する。具体的には、第2車両の推定部524tが第2の第1車両位置を推定し、その第2の第1車両位置が、推定部524tから通信制御部521t、通信制御部511を経由して、取得部512に送られる。
また、取得部512は、第2車両において推定された第2車両の位置を示す第2の第2車両位置を第2車両から取得する。なお、第1車両と第2車両の詳細については後述する。また、第1実施形態において、車両の位置とは、車両の方位(向き)を含んでいてもよい(詳細は後述)。
駐車場データ管理部513は、駐車場Pに関するデータ(情報)を管理する。例えば、駐車場データ管理部513は、駐車場Pの地図データや、駐車領域Rの空き状況などを管理する。例えば、駐車場データ管理部513は、自動駐車が行われる際、空いている駐車領域Rの中から1つの駐車領域Rを選択し、選択した1つの駐車領域Rを、自動駐車における車両Vの到達目標である目標駐車領域として指定する。また、駐車場データ管理部513は、自動駐車が完了した後に車両Vが再び移動して駐車領域Rが変更された場合、取得部512から取得されるセンサデータに基づいて、変更後の駐車領域Rを特定する。
誘導経路生成部514は、自動駐車および自動出庫が行われる際に車両制御装置410に指示する誘導経路を生成する。より具体的に、誘導経路生成部514は、自動駐車が行われる際においては、降車領域P1から目標駐車領域へ至る概略的な経路を誘導経路として生成し、自動出庫が行われる際においては、目標駐車領域(自動駐車後に車両Vが移動している場合には車両Vが現在駐車している駐車領域R)から乗車領域P2へ至る概略的な経路を誘導経路として生成する。
推定部515は、取得部512によって取得された第1車両のセンサデータ(検出データ)に基づいて、第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を推定する。また、推定部515は、取得部512によって取得された第2車両の検出データに基づいて、第2車両の位置を示す第1の第2車両位置を推定する。
ここで、車両位置を推定するための手法としては、具体的には、例えば、監視カメラ103による撮影画像を用いたディープラーニング(深層学習)やナンバープレート認識に基づく手法や、GPS(Global Positioning System)に基づく手法や、画像マーカによる手法や、ランドマーク認識による手法や、磁気マーカによる手法が考えられるが、これらに限定されない。また、それらの複数の手法の2つ以上を組み合わせてもよい。
判定部516は、推定部515によって推定された第1の第1車両位置と、取得部512によって取得された第2の第1車両位置と、を比較して所定以上の差異があった場合に異常と判定する。具体的には、例えば、両者の位置同士の距離が所定の距離閾値以上離れていた場合に、異常と判定する。そのほかに、例えば、両者の位置同士の距離の増加率が所定の増加率閾値以上であった場合に、異常と判定してもよい。また、例えば、両者の位置同士だけでなく、両者の方位同士も比較して、その2つの比較結果に基づいて異常か否かを判定してもよい。
車両制御部517は、判定部516によって異常と判定された場合に、車両を停止、減速、衝突回避(他車両や歩行者への衝突の回避)等させる制御を行う。
報知部518は、判定部516によって異常と判定された場合に、警報を報知(例えば音声や表示による報知)する。
一方、図5に示されるように、第1車両に設けられた車両制御装置410sは、機能的構成として、通信制御部521sと、取得部522sと、走行制御部523sと、推定部524sと、を有している。また、第2車両に設けられた車両制御装置410tは、機能的構成として、通信制御部521tと、取得部522tと、走行制御部523tと、推定部524tと、を有している。以下では、車両制御装置410sと車両制御装置410tを特に区別しない場合は「車両制御装置410」と称し、各部521〜524についても同様とする。
通信制御部521は、管制装置101との間で実行される無線通信を制御する。例えば、通信制御部521は、管制装置101との間で所定のデータを送受信することで車両制御装置410の認証を行ったり、自動駐車および自動出庫が完了した際に所定の完了通知を管制装置101に送信したり、駐車場Pの地図データや誘導経路などを必要に応じて管制装置101から受信したりする。したがって、通信制御部521は、駐車場Pの地図データを取得する地図データ取得部としても機能する。
なお、第1実施形態において、地図データは、例えば、駐車場Pの路面に設置されうる各種の路面標示(不図示)の絶対位置を特定するための情報を含んでいてもよい。
取得部522は、車載カメラ408によって得られる画像データや、車両制御システム102に設けられる各種のセンサから出力されるデータと、を含むセンサデータを取得する。取得部522により取得されるセンサデータは、例えば、管制装置101から受信された誘導経路を基にした実際の走行経路(駐車経路および出庫経路を含む)の生成や、当該走行経路に沿って実際に走行する際に必要となる各種のパラメータ(車速や舵角、進行方向など)の設定など、次の走行制御部523により実行される車両Vの各種の走行制御に使用することが可能である。
走行制御部523は、制動システム401や加速システム402、操舵システム403、変速システム404などを制御することで、降車領域P1からの発進制御や、降車領域P1から駐車領域Rへの走行制御(駐車制御を含む)、駐車領域Rから乗車領域P2への走行制御(出庫制御を含む)、乗車領域P2への停車制御などといった、自動駐車および自動出庫を実現するための各種の走行制御を実行するように、車両Vの走行状態を制御する。
推定部524は、自動駐車および自動出庫における自車両の自動走行中に、オドメトリ(車輪速センサなどの検出値を用いて自車両の現在位置を推定する手法)等によって自車両の現在位置を推定する。なお、自車両の現在位置の推定の手法としては、オドメトリのほかに、レーザセンサやソナーなどの検出結果に基づく手法や、車載カメラ408による撮影画像データに基づく手法や、GPSに基づく手法などであってもよい。また、それらの複数の手法の2つ以上を組み合わせてもよい。
また、推定部524は、車載センサの検出データに基づいて、他車両の位置を推定する。他車両の位置の推定の手法としては、例えば、車載カメラ408による撮影画像データに基づく手法や、レーザセンサやソナーなどの検出結果に基づく手法などがある。また、それらの複数の手法の2つ以上を組み合わせてもよい。
次に、図6を参照して、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置101によって推定されたその他車両の位置が同じ場合の例について説明する。図6は、第1実施形態において、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置が同じ場合の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。
図6において、第1の第1車両位置V11は、管制装置101の推定部515によって推定された第1車両の位置である。また、第2の第1車両位置V12は、第2車両の車両制御装置410tの推定部524tによって推定された第1車両の位置である。
また、第1の第2車両位置V21は、管制装置101の推定部515によって推定された第2車両の位置である。また、第2の第2車両位置V22は、第2車両の車両制御装置410tの推定部524tによって推定された第2車両の位置である。
ここでは、第1の第1車両位置V11と第2の第1車両位置V12がほぼ同じ位置であるため、管制装置101の判定部516は、それらを比較して所定以上の差異がない(つまり、正常である)と判定する。
また、第1の第2車両位置V21と第2の第2車両位置V22がほぼ同じ位置であるため、管制装置101の判定部516は、それらを比較して所定以上の差異がない(つまり、正常である)と判定する。
次に、図7は、第1実施形態において、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置101によって推定されたその他車両の位置が異なる場合の第1の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。
図7では、第1の第1車両位置V11と第2の第1車両位置V12が大きく異なるため、管制装置101の判定部516は、それらを比較して所定以上の差異がある(つまり、異常である)と判定する。
この場合、もし、第1の第1車両位置V11が間違っているものとすると、管制装置101による車両位置推定が不正確ということである。原因としては、例えば、駐車場Pに設置されている監視カメラ103を固定しているねじが経年によってゆるんだり、あるいは、監視カメラ103に何かが衝突したりしたことによって、監視カメラ103の画角が変わってしまったことが考えられる。この場合、例えば、監視カメラ103による撮影画像を駐車場Pの平面画像に座標変換したときに、その平面画像と実際の駐車場Pの対応関係に誤差が生じてしまい、駐車場Pにおける車両の位置や歩行者の位置の算出精度が低下する。
また、第2の第1車両位置V12が間違っているものとすると、第2車両による他車両位置推定が不正確ということである。原因としては、例えば、第2車両において他車両(ここでは第1車両)の位置推定に用いられている車載センサに故障が発生していることが考えられる。
また、第1の第2車両位置V21と第2の第2車両位置V22がほぼ同じ位置であるため、管制装置101の判定部516は、それらを比較して所定以上の差異がない(つまり、正常である)と判定する。
この場合、管制装置101による車両位置推定も、第2車両による自車両位置推定も、いずれも正確であると考えられる。
これらを総合すると、図7のような場合、管制装置101による車両位置推定と、第2車両による自車両位置推定は正確で、第2車両による他車両位置推定が不正確である、と考えられる。つまり、第2車両において他車両(ここでは第1車両)の位置推定に用いられている車載センサに故障が発生している可能性が高いと考えられる。
次に、図8は、第1実施形態において、車両が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両の位置と、管制装置によって推定されたその他車両の位置が異なる場合の第2の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。
図8では、第1の第1車両位置V11と第2の第1車両位置V12が大きく異なるため、管制装置101の判定部516は、それらを比較して所定以上の差異がある(つまり、異常である)と判定する。
この場合、もし、第1の第1車両位置V11が間違っているものとすると、管制装置101による車両位置推定が不正確ということである。また、第2の第1車両位置V12が間違っているものとすると、第2車両による他車両位置推定が不正確ということである。
また、第1の第2車両位置V21と第2の第2車両位置V22が大きく異なるため、管制装置101の判定部516は、それらを比較して所定以上の差異がある(つまり、異常である)と判定する。
この場合、もし、第1の第2車両位置V21が間違っているものとすると、管制装置101による車両位置推定が不正確ということである。また、第2の第2車両位置V22が間違っているものとすると、第2車両による自車両位置推定が不正確ということである。
また、第1の第1車両位置V11と第2の第1車両位置V12の異なり方(距離、位置関係)と、第1の第2車両位置V21と第2の第2車両位置V22の異なり方と、は類似している。
これらを総合すると、図8のような場合、第2車両による自車両位置推定と他車両位置推定は正確で、管制装置101による車両位置推定が不正確である、と考えられる。つまり、監視カメラ103の画角変化等が発生している可能性が高いと考えられる。
なお、判定部516によって異常と判定された場合は、安全性をより向上させるために、車両制御部517によって、車両を停止、減速、衝突回避等させる制御を行うことが好ましい。また、報知部518によって、対象者(管制装置101の係員等)に警報を報知(例えば音声や表示による報知)するようにしてもよい。
次に、図9を参照して、管制装置101による処理について説明する。図9は、第1実施形態にかかる管制装置101による処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、駐車場P内を第1車両と第2車両が走行中であるものとする。
まず、ステップS1において、取得部512(図5)は、駐車場P内に設けられた検出部から、駐車場P内で走行中の第1車両の検出データを取得する。
次に、ステップS2において、推定部515(図5)は、ステップS1で取得されたセンサデータ(検出データ)に基づいて、第1車両の位置を示す第1の第1車両位置V11を推定する。
次に、ステップS3において、取得部512(図5)は、第2車両において推定された第1車両の位置を示す第2の第1車両位置V12を第2車両から取得する。
次に、ステップS4において、判定部516(図5)は、ステップS2で推定された第1の第1車両位置V11と、ステップS3で取得された第2の第1車両位置V12を比較して、所定以上の差異があるか否かを判定し、Yesの場合はステップS5に進んで異常と判定し、Noの場合は処理を終了する。
なお、ステップS5の後、車両制御部517(図5)によって第1車両と第2車両に停止、減速、衝突回避等させる制御を行ってもよい。また、報知部518(図5)によって、対象者(管制装置101の係員等)に警報を報知(例えば音声や表示による報知)してもよい。
このように、第1実施形態の管制装置101によれば、車両(第2車両)が車載センサの検出データに基づいて推定した他車両(第1車両)の位置(第2の第1車両位置)と、自身によって推定したその他車両(第1車両)の位置(第1の第1車両位置)を比較し、所定以上の差異があった場合に異常と判定することで、適切に対応できる。例えば、異常と判定した場合に、必要に応じて、車両を停止、減速、衝突回避等させたり、警報を報知したりすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。第2実施形態では、管制装置101の車両制御部517(図5)は、判定部516によって異常と判定された場合に、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置を包含する所定範囲に対して第1の第2車両位置が所定距離以内に近づいたときに、第2車両を停止または衝突回避させる制御を行う。
ここで、図10は、第2実施形態において、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置を包含する所定範囲の例を説明するための例示的かつ模式的な図である。図10と図7は、第1の第1車両位置V11、第2の第1車両位置V12、第1の第2車両位置V21、第2の第2車両位置V22が同じである。この場合、第1の第1車両位置V11と第2の第1車両位置V12が大きく異なっている。
そこで、第2車両について、車両制御部517(図5)は、第1の第1車両位置V11と第2の第1車両位置V12を包含する所定範囲Aを設定し、この所定範囲Aに対して第1の第2車両位置V21が所定距離以内に近づいたときに、第2車両を停止または衝突回避させる制御を行う。
このように、第2実施形態の管制装置101によれば、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置を包含する広い所定範囲に近づいた第2車両を停止または衝突回避させることで、安全性をより向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。第3実施形態では、判定部516は、異常と判定した場合に、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置の差が第1の第2車両位置と第2の第2車両位置の差よりも大きい場合に、第2車両に設けられた車載センサの異常と判定する。
つまり、図7のように、第1の第1車両位置V11と第2の第1車両位置V12の差が、第1の第2車両位置V21と第2の第2車両位置V22の差よりも大きい場合、第2車両に設けられた車載センサに異常がある可能性が高いと考えられる。なお、前者の差が後者の差より、少しでも大きいことではなく、所定の閾値以上大きいことを条件としてもよい。そうすれば、諸々の誤差による誤判定を回避できる。
このように、第3実施形態の管制装置101によれば、異常の場合に、管制装置101側の異常か、車両(第2車両)における車載センサの異常かを識別することで、異常への対応を容易にすることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。第4実施形態では、管制装置101の取得部512(図5)は、第1車両において推定された第1車両の位置を示す第3の第1車両位置を第1車両から取得する。また、判定部516は、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置と第3の第1車両位置を比較して、もっとも離れている2つに所定以上の差異があった場合に異常と判定する。
次に、図11を参照して、管制装置101による処理について説明する。図11は、第4実施形態にかかる管制装置101による処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、駐車場P内を第1車両と第2車両が走行中であるものとする。
まず、ステップS1において、取得部512(図5)は、駐車場P内に設けられた検出部から、駐車場P内で走行中の第1車両の検出データを取得する。
次に、ステップS2において、推定部515(図5)は、ステップS1で取得されたセンサデータ(検出データ)に基づいて、第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を推定する。
次に、ステップS3において、取得部512(図5)は、第2車両において推定された第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を第2車両から取得する。
次に、ステップS11において取得部512(図5)は、第1車両において推定された第1車両の位置を示す第3の第1車両位置を第1車両から取得する。
次に、ステップS12において、判定部516(図5)は、ステップS2で推定された第1の第1車両位置と、ステップS3で取得された第2の第1車両位置と、ステップS4で取得された第3の第1車両位置と、を比較して、もっとも離れている2つに所定以上の差異があるか否かを判定し、Yesの場合はステップS13に進んで異常と判定し、Noの場合は処理を終了する。
このように、第4実施形態の管制装置101によれば、上述の3つの第1車両位置を比較することで、システム中に異常があることをより早く認識することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。第5実施形態は、第1実施形態と比較して、管制装置101側だけでなく車両制御装置410側でも上述の異常判定を行う点で相違する。
図12は、第5実施形態にかかる管制装置101および車両制御装置410の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。車両制御装置410sと車両制御装置410tは同機能であるが、代表して車両制御装置410tについて説明する。
車両制御装置410tにおいて、取得部522tは、駐車場P内に設けられた検出部から取得した第1車両の検出データに基づいて推定された第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を管制装置101から取得する。
また、推定部524tは、第2車両の車載センサの検出データに基づいて第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を推定する。また、車両制御装置410tは、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置を比較して所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部525tを備える。
次に、図13を参照して、管制装置101による処理について説明する。図13は、第5実施形態にかかる管制装置101による処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS21において、取得部522tは、駐車場P内に設けられた検出部から取得した第1車両の検出データに基づいて推定された第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を管制装置101から取得する。
次に、ステップS22において、推定部524tは、第2車両の車載センサの検出データに基づいて第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を推定する。
次に、ステップS23において、判定部525tは、ステップS21で取得した第1の第1車両位置と、ステップS22で推定した第2の第1車両位置と、を比較して所定以上の差異があるか否かを判定し、Yesの場合はステップS24に進んで異常と判定し、Noの場合は処理を終了する。
このように、第5実施形態の管制装置101によれば、管制装置101側だけでなく車両制御装置410側でも、管制装置101によって推定された第1の第1車両位置と、自身の車載センサの検出データに基づいて推定した第2の第1車両位置を比較し、所定以上の差異があった場合に異常と判定することで、適切に対応できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第4実施形態では、第1の第1車両位置と第2の第1車両位置と第3の第1車両位置を比較して、もっとも離れている2つに所定以上の差異があった場合に異常と判定したが、これに限定されない。ほかに、例えば、それらの3つのうち2つずつの差異をそれぞれ判定し、それらの3つの判定結果の組合せによって、異常か否かや異常原因等を判定するようにしてもよい。
また、監視カメラ103と解析装置(監視カメラ103による撮影画像に対して各種画像処理を行うコンピュータ装置)を含むインフラ設備を用いて、管制装置101は、インフラ設備から画像処理結果(推定車両位置等)を取得するようにしてもよい。その場合、インフラ設備は広義の管制装置の一部と解釈できる。
101…管制装置、102…車両制御システム、103…監視カメラ、410…車両制御装置、511…通信制御部、512…取得部、513…駐車場データ管理部、514…誘導経路生成部、515…推定部、516…判定部、517…車両制御部、518…報知部、521…通信制御部、522…取得部、523…走行制御部、524…推定部、525…判定部、P…駐車場、V…車両

Claims (5)

  1. 所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおける管制装置であって、
    前記所定領域内に設けられた検出部から、前記所定領域内の第1車両と第2車両のうちの前記第1車両の検出データを取得する第1取得部と、
    前記第1車両の検出データに基づいて、前記第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を推定する推定部と、
    前記第2車両において車載センサの検出データに基づいて推定された前記第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を前記第2車両から取得する第2取得部と、
    前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置を比較して所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部と、
    を備える管制装置。
  2. 前記第1取得部は、前記所定領域内に設けられた検出部から、前記第2車両の検出データを取得し、
    前記推定部は、前記第2車両の検出データに基づいて、前記第2車両の位置を示す第1の第2車両位置を推定し、
    前記判定部によって異常と判定された場合に、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置を包含する所定範囲に対して前記第1の第2車両位置が所定距離以内に近づいたときに、前記第2車両を停止または衝突回避させる制御を行う車両制御部を、さらに備える、請求項1に記載の管制装置。
  3. 前記第1取得部は、前記所定領域内に設けられた検出部から、前記第2車両の検出データを取得し、
    前記推定部は、前記第2車両の検出データに基づいて、前記第2車両の位置を示す第1の第2車両位置を推定し、
    前記第2取得部は、前記第2車両において推定された前記第2車両の位置を示す第2の第2車両位置を前記第2車両から取得し、
    前記判定部は、異常と判定した場合に、前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置の差が前記第1の第2車両位置と前記第2の第2車両位置の差よりも大きい場合に、前記第2車両に設けられた前記車載センサの異常と判定する、請求項1に記載の管制装置。
  4. 所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおける管制装置であって、
    前記所定領域内に設けられた検出部から、前記所定領域内の第1車両と第2車両のうちの前記第1車両の検出データを取得する第1取得部と、
    前記第1車両の検出データに基づいて、前記第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を推定する推定部と、
    前記第2車両において車載センサの検出データに基づいて推定された前記第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を前記第2車両から取得するとともに、前記第1車両において推定された前記第1車両の位置を示す第3の第1車両位置を前記第1車両から取得する第2取得部と、
    前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置と前記第3の第1車両位置を比較して、もっとも離れている2つに所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部と、
    を備える管制装置。
  5. 所定領域内で車両の走行を制御するシステムにおける第2車両に搭載される車両制御装置であって、
    前記所定領域内に設けられた検出部から取得した第1車両の検出データに基づいて推定された前記第1車両の位置を示す第1の第1車両位置を前記システムにおける管制装置から取得する取得部と、
    前記第2車両の車載センサの検出データに基づいて前記第1車両の位置を示す第2の第1車両位置を推定する推定部と、
    前記第1の第1車両位置と前記第2の第1車両位置を比較して所定以上の差異があった場合に異常と判定する判定部と、
    を備える車両制御装置。
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