JP2021080937A - 管継手及び配管構造 - Google Patents

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博章 花木
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Abstract

【課題】生産効率を高め、断熱性の高い管継手及び配管構造を提供する。【解決手段】樹脂管6の外周に発泡性樹脂よりなる被覆層7が形成された断熱管3を接続するための管継手2であって、断熱管3が挿入され、断熱管3の外径よりも大きな内径の開口部を備える外管部15と、外管部15の内部に、外管部15の内面と間隔をあけて配置される内管部16と、内管部16と外管部15とを接続し、内管部16と外管部15との間に、内管部16及び外管部15とともに中空層36を形成するスペーサ部12と、を備え、スペーサ部12の内側に、内管部16の内面、外面または端部いずれかと全周に亘って接触する環状の内面止水部12aが設けられ、スペーサ部12の外側に、外管部15の内面の全周と接触する環状の外面止水部12bが設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、管継手及び配管構造に関する。
周知のように、室内に設置した空調機で発生したドレンは、ドレンアップ構造を備えた空調設備用ドレン配管構造を用いて室外に排出することが一般的である。前記ドレンアップ構造は、ドレン配管の途中において、空調機のドレン口よりも高い位置まで一旦立ち上げる構造である。
このような空調設備用ドレン配管構造を施工する際には、空調機のドレン口とフレキホースとを、ドレン管および管継手によって接続する。ドレン管は、例えば、空調機のドレン口に接続される。管継手は、例えばエルボやチーズ等である。管継手は、ドレン管と、フレキホースの上流側(空調機側)と、を接続する。
そして、これら管継手等の接続部にドレンが滞留して結露するのを防止するために、これら管継手を断熱材等で被覆するのが一般的である。
そこで、例えば、管継手の一部を発泡樹脂で成形することで、断熱性を向上させて断熱材等による被覆を不要とする空調用ドレン継手(管継手)が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、一体成形の外管部に内管部を挿入して管継手の継手本体に中空層を形成することで、管継手の断熱性を向上する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、複数部材の外管部を内管部にかぶせて管継手の継手本体に中空層を形成することで、管継手の断熱性を向上する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平11−201382号公報 特開2016−23667号公報 特開2018−141505号公報
しかしながら、特許文献1に記載の管継手は、射出成形により発泡層を形成することから、発泡倍率を大きくすることができない。
また、金型内で発泡させた後、冷却が不十分なまま金型から取り出すと表層を変形させながら発泡が進むため、発泡圧力が低くなるまで取り出せず生産効率が悪い。
また、特許文献2に記載の管継手は、内管部にスペーサ部が一体になっているため、内管部を外管部に挿入し難い。また、外管部のストッパにスペーサが固定される場合、内管部を分割構造にしないと挿入できない。
さらに、特許文献3に記載の管継手は、断熱層を形成するために複数部材の外管部を内管部にかぶせる必要がある。そのため、外管部の接合部分が長くなり、生産性や中空層の密閉性の点から改良の余地が残されている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、生産効率を高め、断熱性の高い管継手及び配管構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る管継手は、樹脂管の外周に発泡性樹脂よりなる被覆層が形成された断熱管を接続するための管継手であって、前記断熱管が挿入され、前記断熱管の外径よりも大きな内径の開口部を備える外管部と、前記外管部の内部に、前記外管部の内面と間隔をあけて配置される内管部と、前記内管部と前記外管部とを接続し、前記内管部と前記外管部との間に、前記内管部及び前記外管部とともに中空層を形成するスペーサ部と、を備え、前記スペーサ部の内側に、前記内管部の内面、外面または端部いずれかと全周に亘って接触する環状の内面止水部が設けられ、前記スペーサ部の外側に、前記外管部の内面の全周と接触する環状の外面止水部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、スペーサ部を外管部及び内管部と別部材で形成した。このスペーサ部の内側に環状の内面止水部を設けて内管部の内面、外面または端部いずれかと全周に亘って接触するようにした。さらに、スペーサ部の外側に環状の外面止水部を設けて外管部の内面の全周と接触するようにした。これにより、内管部と外管部とスペーサ部との間に中空層を形成できる。これにより、管継手の生産効率を高めることができ、管継手に断熱性の高い中空層を備えることができる。
また、上記の管継手において、前記内管部、前記外管部は、樹脂により一体成形されていてもよい。
この発明によれば、管継手は、樹脂を金型に射出成形することで一体成形される。よって、径の異なる二種類の管継手を組み合わせて構成させた管継手と比べて製造が容易である。さらに、内管部を外管部の管内空間に挿入する必要がない。そのため、組み合わせの作業の便宜のために内管部に対して外管部の管径をかなり大きくする必要があった従来に比べ、管継手の全体のサイズをコンパクトにすることができる。さらには、外管部に接続する断熱管の外径を小さく抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
また、上記の管継手において、前記内管部及び前記外管部は、別部材とされ、前記スペーサ部によって前記内管部が保持されていてもよい。
この発明によれば、内管部、外管部を別部材とし、内管部をスペーサ部によって保持する。よって、内管部の端部の構造上、管継手を金型で一体成形できない場合に対応できる。また、内管部と外管部とを一体に接続する支持部を不要にできる。これにより、内管部の熱が、継手支持部を経て外管部に伝わることを防止して管継手の断熱性を高めることができる。
また、上記の管継手において、前記外管部は、前記断熱管の外径よりも小さい内径のストッパ部を備え、前記内管部の端部は、前記ストッパ部よりも内側または前記ストッパ部と同一面上であってもよい。
この発明によれば、内管部の端部をストッパ部と同一面上に位置させることにより、スペーサ部をストッパ部と内管部の端部の両方で容易に保持できる。
また、内管部の端部をストッパ部よりも内側に位置させる場合も、スペーサ部をストッパ部と内管部の端部の両方で保持できる。またこの場合、内管部を小さくして管継手を小さくできる。さらに、スペーサ部の形状に自由度を持たせることができ、例えば、スペーサ部にテーパをつける等が可能になる。加えて、内管部と外管部とが別部材の場合、内管部を小さくして外管部に挿入しやすくできる。
また、上記の管継手において、前記スペーサ部は、前記内管部の端部と前記開口部との間に位置していてもよい。
この発明によれば、スペーサ部が内管部の端部と外管部の開口部との間に位置することにより、断熱管の端部をスペーサ部に容易に接触させることができる。これにより、断熱管の端部をスペーサ部で閉塞させることができる。言い換えると、管継手や断熱管内の液体を、被覆層に到達させ難くできる。
また、上記の管継手において、スペーサ部の前記開口部の側に環状発泡体が設けられていてもよい。
この発明によれば、スペーサ部の開口部側に環状発泡体を設けている。これにより、断熱管の斜め切れや、管継手への挿入不足が生じた場合にも環状発泡体で断熱管の端部を密封できる。これにより、断熱性の高い中空層を備える管継手の生産効率を高めることができる。
また、上記の管継手において、前記外管部が透明とされていてもよい。
この発明によれば、内部の液漏れの状態等を外部から視認しやすくなり、早期に発見することができる。さらに、補修などの迅速な対応を行うことで被害の拡大を防ぐことができる。
本発明に係る配管継手は、樹脂管の外周に発泡性樹脂よりなる被覆層が形成された断熱管と、前記断熱管を接続するための管継手と、を備え、前記管継手は、前記断熱管が挿入され、前記断熱管の外径よりも大きな内径の開口部を備える外管部と、前記外管部の内部に、前記外管部の内面と間隔をあけて配置される内管部と、前記外管部の内部に、前記断熱管と接触可能に配置されたスペーサ部と、を備え、前記スペーサ部、または、前記スペーサ部及び前記断熱管によって、前記内管部と前記外管部との間の間隔の端部を閉塞して中空層を形成することを特徴としている。
この発明によれば、スペーサ部、または、スペーサ部及び断熱管によって、内管部と外管部との間の間隔の端部を閉塞して中空層を形成する。これにより、配管構造の生産効率を高めることができ、配管構造の管継手に断熱性の高い中空層を備えることができる。
本発明によれば、生産効率を高め、断熱性の高い管継手及び配管構造を提供できる。
本発明に係る第1実施形態の管継手を示す断面図である。 第1実施形態の管継手を示す斜視図である。 第1実施形態の内管部を示す斜視図である。 第1実施形態の管継手を示す側面図である。 第1実施形態における第1変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第2変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第3変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第4変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第5変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第6変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第7変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第8変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第9変形例の管継手を示す断面図である。 第1実施形態における第10変形例の管継手を示す断面図である。 本発明に係る第2実施形態の管継手を示す断面図である。 第2実施形態における第1変形例の管継手を示す断面図である。 本発明に係る第3実施形態の管継手を示す断面図である。 第3実施形態における第1変形例の管継手を示す断面図である。 本発明に係る第4実施形態の管継手を示す断面図である。 第4実施形態における第1変形例の管継手を示す断面図である。 第4実施形態における第2変形例の管継手を示す断面図である。 第4実施形態における第3変形例の管継手を示す断面図である。 本発明に係る第5実施形態の管継手を示す斜視図である。 第5実施形態の内管部を示す斜視図である。 第5実施形態の管継手を示す側面図である。 第5実施形態の管継手を示す断面図である。 本発明に係る第6実施形態の管継手を示す断面図である。 第6実施形態の外管部に内管部を横方向から収容する前の状態を説明する断面図である。 第6実施形態の外管部に内管部を横方向から収容した状態を説明する断面図である。 第6実施形態における第1変形例の管継手を示す断面図である。 第6実施形態における第1変形例の外管部に分岐受口部から内管部を収容する前の状態を説明する断面図である。 第6実施形態における第1変形例の外管部に分岐受口部から内管部を収容した状態を説明する断面図である。 本発明に係る第7実施形態の配管構造を示す断面図である。 第7実施形態の管継手本体に断熱管及びスペーサ部を挿入する前の状態を説明する断面図である。 本発明に係る第8実施形態の配管構造を示す断面図である。 第8実施形態の管継手に断熱管を挿入する前の状態を説明する断面図である。 融着強度を測定するための装置を示す正面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る管継手及び配管構造を説明する。
[第1実施形態]
図1から図4に示すように、配管構造1は、管継手2と、断熱管3と、を備えている。
(断熱管3)
断熱管3は、管径の異なる二種類の直管から構成されている配管部品の一部である。具体的には、断熱管3は、径の大きい外管5の管内に径の小さな内管(樹脂管)6が挿入され、内管6の外周に発泡性樹脂よりなる被覆層7が形成されている発泡管である。
以下、断熱管3の一例を説明するが、断熱管3は以下に示す構成に限られない。例えば、外管5がなくてもよく、さらには各種物性値が下記を満たさなくてもよい。
断熱管3は、塩化ビニル系樹脂を含む筒状の被覆層7(発泡層)と、被覆層7の内面に設けられ、塩化ビニル系樹脂を含む内管6(非発泡内層)と、被覆層7の外面に設けられ、塩化ビニル系樹脂を含む外管5と、を備えている。
断熱管3の線膨張係数は5×10−5/℃以上、7×10−5/℃以未満であることが好ましい。断熱管3の線膨張係数が大きい場合には、断熱管3の伸長により管継手2の後述する受口部21に係る応力が高くなり、受口部21に割れが発生するおそれがある。
断熱管3は、施工現場において任意の長さに切断され、管継手2の受口部21に、端部を挿入することで接続される。断熱管3と管継手2とは、空調管を構成する。このため、管継手2の受口部21の内部において、断熱管3の端面(切断面)には被覆層7、内管6、外管5がそれぞれ露出している。
断熱管3は、被覆層7の独立気泡率を高くすることで、断熱管3内部を流下するドレン排水が浸透しにくくでき、空調ドレン用管の端部に接着剤を均一に塗布したり、管継手2の内部に環状弾性体(パッキン)を設けたりしなくともよい。
断熱管3の外径は、例えば、32mm以上100mm以下が好ましい。断熱管3の内径は、例えば、19mm以上80mm以下が好ましい。被覆層7、内管6、外管5を合わせた断熱管3の厚さは、例えば、6mm以上10mm以下が好ましい。
断熱管3の縦弾性係数は、400MPa以上1500MPa以下が好ましく、500MPa以上1300MPa以下がより好ましく、600MPa以上1000MPa以下がさらに好ましい。
縦弾性係数を上記数値範囲内とすることにより、断熱管3が外力を受けた際、曲げや伸びの変形を抑えつつ、これらの外力に柔軟に追従して断熱管3が破壊されるのを防ぐことができる。
縦弾性係数は、縦弾性率、ヤング率とも呼ばれ、JIS K 7161−1:2014に従い、引張試験により得られる引張応力と引張ひずみから求められる。
縦弾性係数は、塩化ビニル系樹脂の重合度や発泡層の発泡倍率、被覆層7、内管6、外管5のそれぞれの厚さ等により調節することができる。
<内管>
内管6は、塩化ビニル系樹脂を含む。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単量体の単独重合体(ポリ塩化ビニル)でもよいし、塩化ビニル単量体と、該塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
塩化ビニル系樹脂は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
内管6は塩化ビニル系樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。該熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
内管6において、樹脂の総質量に対する塩化ビニル系樹脂の含有量は、80質量%以上95質量%以下が好ましく、85質量%以上90質量%以下がより好ましい。
内管6の厚さは、1.0mm以上5.0mm以下が好ましく、1.5mm以上3.5mm以下がより好ましい。内管6の厚さを上記数値範囲内とすることにより、内部を流れるドレン排水が被覆層7へと浸透する恐れが無く、断熱性に優れた断熱管3にできる。
一方、被覆層7の独立気泡率が高い場合、被覆層7自身がドレン排水の浸透を防ぐため、内管6としては厚さを0.6mm以上1.5mm以下としてもよく、断熱管3を軽量にできる。また、被覆層7の厚さを厚くできるため、断熱管3を断熱性に優れたものにできる。
<被覆層>
被覆層7は、塩化ビニル系樹脂を含む樹脂と発泡剤とを含む発泡層用熱可塑性樹脂組成物を発泡させて形成される。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単量体の単独重合体(ポリ塩化ビニル)でもよいし、塩化ビニル単量体と、該塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
塩化ビニル系樹脂は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
被覆層7は塩化ビニル系樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。該熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
被覆層7において、樹脂の総質量に対する塩化ビニル系樹脂の含有量は、70質量%以上80質量%以下が好ましく、70質量%以上75質量%以下がより好ましい。
塩化ビニル系樹脂の質量平均分子量は、37500以上70000以下が好ましく、37500以上44000以下がより好ましい。
質量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
塩化ビニル系樹脂がポリ塩化ビニルの場合、ポリ塩化ビニルの平均重合度は600以上800以下が好ましく、600以上700以下がより好ましい。
なお、平均重合度は、質量平均分子量をクロロエチレンの分子量で除することにより算出できる。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂と同じでもよいし異なっていてもよい。
被覆層7には塩化ビニル系樹脂以外の熱可塑性樹脂として、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステル(総称して、アクリル系高分子化合物という)が含まれていることが好ましい。アクリル系高分子が含まれていることにより、独立気泡率を向上し、さらに気泡径を微細にすることができる。
アクリル系高分子化合物の質量平均分子量は、300万以上600万以下が好ましく、400万以上500万以下がより好ましい。
被覆層7がアクリル系高分子化合物を含む場合、アクリル系高分子化合物の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下が好ましく、12質量部以上36質量部以下がより好ましく、18質量部以上24質量部以下がさらに好ましい。
被覆層7の厚さは、4.0mm以上10mm以下が好ましい。
発泡剤としては、揮発性発泡剤、分解型発泡剤のいずれを使用してもよい。
揮発性発泡剤としては、例えば脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等が挙げられる。このうち脂肪族炭化水素としては、例えばプロパン、ブタン(ノルマルブタン、イソブタン)、ペンタン(ノルマルペンタン、イソペンタンなど)等が挙げられ、脂環族炭化水素としては、例えばシクロペンタン、シクロへキサン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては、例えばトリクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素等の1種又は2種以上が挙げられる。さらにエーテルとしては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル等が挙げられ、ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
また分解型発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウムなどの無機系発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系発泡剤が挙げられる。
また、上記炭化水素が熱可塑性樹脂内に内包された熱膨張性カプセルを用いてもよい。
その他、炭酸ガス、窒素、空気等のガスを発泡剤として用いてもよい。
これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
発泡剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1質量部以上8質量部以下が好ましく、2質量部以上5質量部以下がより好ましい。
被覆層7には、安定剤として鉛化合物(鉛系安定剤)、CaZn化合物(CaZn系安定剤)、錫化合物(錫系安定剤)等公知の安定剤が含まれていてもよい。特に、錫化合物を含む安定剤が含まれていることにより、樹脂の熱安定性を高めやすくなる。錫化合物としては、メルカプト系、ラウレート系、マレート系が好ましい。
これらの化合物の存在、及びその含有量は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC−MS)等により確認することができる。ICP−AESの場合、EN ISO17353:2004に準拠して測定できる。
被覆層7には、滑剤が含まれていてもよい。滑剤が含まれていることにより、金属面との滑り性や樹脂間の滑り性を保持しやすくなる。滑剤としては、エステル系、ポリエチレン系、酸化ポリエチレン系が好ましい。
[発泡倍率]
被覆層7の発泡倍率は、3.5倍以上10倍以下であり、4.0倍以上8倍以下が好ましく、4.5倍以上6.0倍以下がより好ましい。
発泡倍率を上記数値範囲内とすることにより、高い断熱性を付与することができる。また、発泡倍率を上記数値範囲内とすることにより、断熱管3を軽量にできる。
発泡倍率は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調節することができる。
なお、発泡倍率は以下の方法で測定することができる。
[発泡倍率の測定方法]
断熱管3から円周方向10mm以上、軸方向50mmを切り出し、内管6及び外管5をフライスで切削し、被覆層7だけを長さ約50mm程度の板状に加工したものを試験片とする。なお、試験片は内周方向に均等に4分割した点を中心に4個作成するものとする。
試験片をJIS K 7112:1999に従い、23℃±2℃で水置換式比重測定機で見かけ密度を小数点以下3桁まで求め、下記式(1)により発泡倍率を算出する。
m=γc/γ ・・・(1)
[式(1)中、mは発泡倍率であり、γは被覆層7の見かけ密度(g/cm)であり、γcは被覆層7の未発泡時の密度(g/cm)である。]
被覆層7の独立気泡率は、45%以上であり、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。独立気泡率の上限値は特に限定されず、実用的には95%以下とされ、100%であっても、90%以下であってもよい。
独立気泡率を上記数値範囲内とすることにより、コストを抑えつつ断熱性を向上させ、被覆層7への水の浸透を防止でき、管継手2の受口部21の表面に結露が発生するのを防ぐことができる。また、被覆層7の独立気泡率が上記数値範囲内であると、後述する外管5の厚さを薄くしても外部から水が浸透しにくく、断熱性が低下するおそれが低い。
なお、独立気泡率は、JIS K 7138:2006に準拠して測定される。断熱管3を30mmの長さに切断し、周長20mmとなるように周方向に切断し、カッターにて内管6と外管5とを除去したものを試験片とする。温度が23℃±2℃の条件下、空気比較式比重計によって前記試験片の体積を測定する。JIS K 7112:1999に従い、温度が23℃±2℃の条件下、水置換式比重計によって前記試験片の体積を測定する。下記式(2)により独立気泡率を算出する。
Cc=(Va/Vaq)×100・・・(2)
[式(2)中、Ccは独立気泡率(%)であり、Vaは空気比較式体積(cm)であり、Vaqは水置換法体積(cm)である。]
独立気泡率は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調節することができる。
[融着強度]
被覆層7と内管6との融着強度は1.0MPa以上であり、1.5Pa以上が好ましく、2.0MPa以上がより好ましい。
融着強度を上記範囲内とすることにより、被覆層7と内管6とが剥離することを防止できる。
融着強度は、以下の方法により測定することができる。
[融着強度の測定方法]
図37に示す万能試験機250を用意した。万能試験機250は、抜き打ち治具251と図示略の2枚の圧縮板とを備える。抜き打ち治具251は、台座部251aと台座部251aの上方に配置された押込部251bとを備える。そして抜き打ち治具251は、図示略の2枚の圧縮板に挟まれている。
次に、断熱管3を管軸方向20mm幅の管状に切り取ったものを試験片とした。試験片Pは、内管6と被覆層7と外管5(図37では図示略)とを有する。
温度が23℃±2℃、湿度が常湿(45〜85%)の条件下、試験片Pを万能試験機250の台座部251aと押込部251bとの間にセットする。2枚の圧縮板により管軸の方向に毎分10mm/min±2mm/minの速さで試験片Pを圧縮する。内管6と被覆層7との融着面が剥離する際の最大荷重を求め、下記式(3)及び(4)で融着強度を算出する。
F=W/S・・・(3)
S=3.14×d×L・・・(4)
[式(3)及び(4)中、Fは融着強度(MPa)であり、Wは最大荷重(N)であり、Sは融着面積(cm)であり、dは内管6の平均外径(cm)であり、Lは試験片Pの長さ(cm)である。]
融着強度は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調節することができる。
[平均気泡径]
被覆層7の平均気泡径は、30μm以上400μm以下であり、50μm以上400μm以下が好ましく、50μm以上250μm以下がより好ましく、60μm以上200μm以下がさらに好ましい。
平均気泡径を上記数値範囲内とすることにより、断熱性を向上させ、被覆層7への水の浸透を防止できる。気泡が完全な独立気泡(独立気泡率が100%)でなく、気泡壁が一部連通していて水の浸透が可能であっても、平均気泡径を上記数値範囲とし、かつ、独立気泡率が上記数値範囲内であれば、水が被覆層7の内部深くまで浸透することは無く、実用において断熱性能が問題となることは無い。
平均気泡径は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調節することができる。
なお、平均気泡径は以下の方法で測定することができる。
[平均気泡径の測定]
JIS K 6402に記載された方法を参考にし、走査型電子顕微鏡(SEM)で50倍に拡大して撮影した空調ドレン用管の被覆層7における円周方向断面画像上に得られた写真の任意の位置に9cmの長さ(実際の断面における1800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数の平均値を求める。平均気泡径は横切った気泡の数の平均値で1800μmを除すことで算出する。
<外管>
外管5は、塩化ビニル系樹脂を含む。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単量体の単独重合体(ポリ塩化ビニル)でもよいし、塩化ビニル単量体と、該塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
塩化ビニル系樹脂は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
外管5は塩化ビニル系樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。該熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
外管5において、樹脂の総質量に対する塩化ビニル系樹脂の含有量は、80質量%以上95質量%以下が好ましく、85質量%以上90質量%以下がより好ましい。
外管5の厚さは、0.6mm以上1.5mm以下が好ましく、1.0mm以上1.3mm以下がより好ましい。外管5の厚さを上記下限値以上とすることにより、外部からの衝撃に強い断熱管3にできる。外管5の厚さを上記上限値以下とすることにより、断熱管3を軽量にできる。また、被覆層7の厚さを厚くできるため、断熱管3を断熱性に優れたものにできる。
外部からの衝撃により強くする場合には、外管5の厚さは、1.0mm以上5.0mm以下が好ましく、1.5mm以上3.5mm以下がより好ましい。
外管5には顔料が含まれていてもよい。顔料が含まれていることにより、外観を良好にできる。
(管継手)
管継手2は、配管設備を構築するために使用される配管部品の一部である。管継手2は、例えば全体が略L字型の形状を呈するいわゆる「エルボ」である。管継手2は、断熱管3を接続し、流体の搬送方向を直交方向に変化させる。管継手2の管軸を含む仮想面の平面視において、管軸はL字状に曲がっている。以下、前記平面視において管軸が凸となる向きを管継手2の外側ということがある。前記外側の反対の向きを、管継手2の内側ということがある。
管継手2は、管継手本体10と、スペーサ部12と、パッキン14と、を備えている。
(管継手本体)
管継手本体10は、外管部15と、内管部16と、継手支持部17と、を有する。
外管部15は、両端部に受口部21を有する。受口部21は、開口部22を有する。開口部22には、断熱管3が挿入される。開口部22は、断熱管3の外径よりも大きな内径を有する。以下、開口部22を受口部21の内部ということもある。受口部21の内面(開口部22の内面)と断熱管3の外面とは、接着剤によって接着されていてもよい。また、受口部21内にゴム輪が設けられていて、前記ゴム輪内に断熱管3が嵌め込まれていてもよい。
内管部16は、外管部15の内部に、外管部15の内面と間隔をあけて配置されている。継手支持部17は、外管部15及び内管部16の間に介在され、外管部15及び内管部16を一体に連結している。外管部15、内管部16、及び継手支持部17は、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂(樹脂)を金型に射出成形することにより一体成形されている。
図3に示すように、内管部16は、一対の円筒部材24を直交方向に組み合わせた外観を呈している。内管部16における両端部それぞれの開口端部(端部)16a,16bは、互いに直交する面上に位置する。内管部16の内部には、一方の開口端部16aから他方の開口端部16bへ円弧状に湾曲した管内空間26が形成されている。
内管部16の開口端部16a,16bは、それぞれ断面真円形状であり、接続される断熱管3の内管6の外径と略一致する内径を有している。
以下、重複する説明を避けるために、開口端部16a,16bの両方に共通する説明を、開口端部16a片方についてのみ説明することもある。
図2に示すように、外管部15は、一対の円筒状の受口部21と、受口部21の間を接続する受口部21より小径の外管部本体20とを備えている。外管部15における各受口部21の受口端部21a,21bは、互いに直交する面上に位置する。外管部15の内部には、一方の受口端部21aから他方の受口端部21bへ円弧状に湾曲した管内空間28が形成されている。
外管部15の受口端部21a,21bはそれぞれ断面真円形状であり、接続される断熱管3の外管5の外径と略一致する内径を有している。さらに、受口端部21a,21bの奥側には、受口端部21a,21bの径よりも僅かに縮径する前記外管部本体20が形成されている。外管部15は、断熱管3の外径よりも小さい内径のストッパ部29を備えている。
以下、重複する説明を避けるために、受口端部21a、21bの両方に共通する説明を、受口端部21a片方についてのみ説明することもある。
ストッパ部29は、流体の流路方向に対して内管部16の開口端部16a,16bと同一面上に配置されている。言い換えると、ストッパ部29と開口端部16a,16bとは、管継手2の管軸に直交する同一平面上に位置する。
さらに、管継手2において、内管部16及び外管部15のそれぞれのサイズは、管継手としてJISで規格化されたものと同一のサイズにそれぞれ設定されている。
継手支持部17は、内管部16を外管部15の管内空間28に収容させた状態で支持するためのものである。図3に示すように、継手支持部17は、第1支持部31と、第2支持部32と、第3支持部33と、円板支持部34と、を有している。
第1支持部31は、内管部16及び外管部15の曲折形状に合わせて曲折した平板状の部材である。図4に示すように、第1支持部31は、内管部16の外面16cと外管部15の内面15aとの間を接続することで、内管部16を外管部15に支持させる。第2支持部32は、第1支持部31と同形状に形成されている。第2支持部32は、内管部16の外面16dと外管部15の内面15bとの間を接続する。
図1に示すように、第3支持部33は、内管部16に対して、管継手2の前記外側に位置する。第3支持部33は、略扇型の平板状に形成されている。図4に示すように、第3支持部33は、内管部16の外面16eと外管部15の内面15cの間を接続する。
図1、図3および図4に示すように、円板支持部34は、外管部15の管内空間28を湾曲形状の中央で斜め方向(受口端部21a,21bに対してそれぞれ45°の方向)に閉塞する。円板支持部34は、内管部16の全周に亘って略円板状に形成されている。
なお図4に示すように、第1支持部31、第2支持部32及び第3支持部33は、正面視90°の間隔で内管部16の各外面16c,16d,16eから突設されている。
管継手本体10は、樹脂を金型に射出成形することで一体成形されるため、例えば、径の異なる内管部および外管部を組み合わせて構成させた管継手などと比べて製造が容易である。さらに、内管部16を外管部15の管内空間に挿入する必要がない。そのため、組み合わせの作業の便宜のために内管部16に対して外管部15の管径をかなり大きくする必要があった従来に比べ、管継手2の全体のサイズをコンパクトにできる。加えて、外管部15に接続する断熱管3の外径を小さく抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
その結果、工場に配管設備を設置する場合、設置のために要するスペースを多く占有することがなく、従来は設置が困難であった場所でも設置が可能となる。また、配管設備全体の軽量化が可能となり、設置作業自体を容易にできる。また、外管継手に内管部継手を挿入する作業を要しないため、従来は困難であった小サイズの多重管継手を製造できる。
なお、管継手本体10を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AAS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。特に、接着剤による接着が可能な非晶性樹脂(ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AAS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂など)が好ましい。
(スペーサ部)
図1に示すように、スペーサ部12は、内管部16と外管部15とを接続し、内管部16と外管部15との間に、内管部16及び外管部15とともに中空層36を形成する。スペーサ部12は、外管部15の受口部21の内部(すなわち、開口部22)において、受口部21に対して同軸上に配置されている。スペーサ部12は、例えば、樹脂で環状の平坦部に形成されている。スペーサ部12の幅(スペーサ部12の外径と内径との差、スペーサ部12の径方向の大きさ)は、断熱管3の肉厚と略同じに形成されている。
スペーサ部12は、第1平坦部12cおよび第2平坦部12dを備える。これらの両平坦部12c、12dは、スペーサ部12において管軸方向を向く各面によって形成されている。第1平坦部12cは、外管部本体20側を向いている。第2平坦部12dは、受口端部21a、21b側(外管部本体20の反対側)を向いている。
以下では、管軸方向に沿って第1平坦部12c側を内側という。第2平坦部12d側を外側という。言い換えると、管軸方向に沿って、受口端部21a、21bに対して外管部本体20が位置する向きが内側であり、外管部本体20に対して受口端部21a、21bが位置する向きが外側である。
ここでスペーサ部12は、各受口部21それぞれにおいて同一形状である。以下、受口端部21a側の受口部21におけるスペーサ部12を例に説明し、受口端部21b側の受口部21におけるスペーサ部12についての詳しい説明を省略する。
スペーサ部12は、第1内面止水部(内面止水部)12aと、第1外面止水部(外面止水部)12bと、を有する。
第1内面止水部12aは、スペーサ部12における径方向の内側に位置する。第1内面止水部12aは、内管部16の開口端部16aと全周に亘って接触可能に環状に形成されている。言い換えると、第1内面止水部12aは、スペーサ部12の内周部によって形成されている。
第1外面止水部12bは、スペーサ部12における径方向の外側に位置する。第1外面止水部12bは、受口部21の内面(外管部の内面)21cの全周に亘って接触可能に環状に形成されている。第1外面止水部12bは、さらに、ストッパ部29の全周に亘って接触可能に環状に形成されている。言い換えると、第1外面止水部12bは、スペーサ部12の外周部によって形成されている。
ここで、ストッパ部29は、流体の流路方向に対して内管部16の開口端部16aと同一面上に配置されている。よって本実施形態のように、スペーサ部12が平坦部に形成されていても、第1外面止水部12bがストッパ部29に接触した状態で、第1内面止水部12aが内管部16の開口端部16aの全周に亘って接触する。また、第1外面止水部12bは、ストッパ部29だけでなく受口部21の内面21cの全周に亘って接触している。この状態において、スペーサ部12は、内管部16の開口端部16aと、受口部21の内面21c及びストッパ部29とに、例えば接着剤により接着(保持)されている。
よって、スペーサ部12をストッパ部29と内管部16の開口端部16aとの両方に当接させた状態に保持できる。このようなスペーサ部12が、各受口部21に配置されることで、内管部16と外管部15との間の間隔の両端部が閉塞されている。これにより、内管部16と外管部15との間の空気が密閉され、管継手本体10の内部に中空層36が形成されている。
また、内管部16の開口端部16aは、ストッパ部29と同一面上に位置している。よって、スペーサ部12をストッパ部29と内管部16の開口端部16aの両方で容易に保持できる。
このように、ストッパ部29と内管部16の開口端部16aの両方でスペーサ部12が保持された状態において、スペーサ部12は、断熱管3のストッパとしての役割を備えている。
なお、スペーサ部12を形成する樹脂としては、結晶性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)や非晶性樹脂(ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AAS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂など)が挙げられる。
スペーサ部12を形成する樹脂は、以下の(1)〜(4)に挙げる樹脂であることが好ましい。(1)管継手本体10と同じ樹脂。(2)接着剤による接着が可能な非晶性樹脂。(3)透明な樹脂。(4)耐薬品性の高い樹脂。
これらの観点から、スペーサ部12を形成する樹脂は、ポリ塩化ビニルかABS樹脂であることが好ましい。
スペーサ部12を形成する樹脂は、発泡していても良い。この場合、透水せず中空層36を密閉するために独立気泡であることが好ましい。
(パッキン)
スペーサ部12の第2平坦部12dにパッキン14が配置されている。パッキン14は、スペーサ部12と同様に環状の平坦部に形成された弾性体である。パッキン14は、受口部21に保持されたスペーサ部12に対して同軸上に、例えば接着剤で接着されている。
以下、パッキン14の一例を説明するが、パッキン14は以下に示す構成に限られない。例えば、各種物性値が下記を満たさなくてもよい。また、パッキン14がスペーサ部12に対して接着されていなくてもよい。また、パッキン14の正面視形状は、スペーサ部12の正面視形状と異なっていてもよく、楕円、多角形等であってもよい。さらには、パッキン14がなくてもよい。
パッキン14の厚さは、2mm以上15mm以下が好ましく、4mm以上12mm以下がより好ましく、6mm以上10mm以下がさらに好ましい。パッキン14の厚さが前記下限値以上であれば、パッキン14が適度な剛性を保ち折れ曲がりにくく、特に、パッキン14の外径が大きい、例えば60mm以上の場合でも折れ曲がりにくく保持しやすいため、受け止め面25aに貼り付けやすい。また、断熱管の端面と弾性体との間に隙間が生じにくいため止水効果が得られやすい。パッキン14の厚さが前記上限値以下であれば、受口部21の長さを短くでき、受口部21の強度を保つことができる。
パッキン14の外径は、受口部21の内径以下になっている。すなわち、受口部21の内径をd1、パッキン14の外径をd2としたとき、d2≦d1になっている。パッキン14の外径が受口部21の内径未満、すなわちd2<d1となっていることが好ましい。
パッキン14の外径と受口部21の内径が上記の関係になることで、パッキン14を受口部21内に挿入することが容易になる。
受口部21の内径d1とパッキン14の外径d2との差d1−d2は、0mm以上4mm以下が好ましく、0mmより大きく2mm以下がより好ましい。差d1−d2が前記下限値以上であれば、パッキン14を受口部21内に挿入しやすい。差d1−d2が前記上限値以下であれば、受口部21とパッキン14の中心軸を揃えやすく、かつ、断熱管3の被覆層7の端面が露出しにくく止水効果が高い。
ここで、「パッキンの外径」とは、パッキンの外縁形状が円である場合にはその外縁の直径を指し、円以外である場合は外縁の外接円の直径を指す。また、「受口部の内径」とは、筒状の受口部の軸方向に垂直な断面の内縁形状が円である場合にはその内縁の直径を指し、円以外である場合は内縁の外接円の直径を指す。
なお、断熱管3やパッキン14を挿入しやすくするという観点から、受口部21の内面に、管軸方向の内側から外側に(ストッパ部29側から受口端部21a側に)向かうにつれて漸次拡径するテーパがついていることが好ましい。なお、受口部21の内面にはテーパがついていなくてもよい。
パッキン14の内径は、ストッパ部29の内径以上であることが好ましい。すなわち、パッキン14の内径をd3、ストッパ部29の内径をd4としたとき、d3≧d4になっていることが好ましい。これにより、管継手2と断熱管3の接続部分における流体の流れがパッキン14によって阻害されにくくなる。
パッキン14の内径d3とストッパ部29の内径d4との差d3−d4は、0mm以上4mm以下が好ましく、0mm以上2mm以下がより好ましく、実質的に0mmであってもよい。差d3−d4が前記数値範囲内であれば、断熱管で弾性体が押しつぶされても弾性体が通水部に突出しにくく、管継手と断熱管の接続部分における流体の流れが阻害されにくい。
パッキン14は、樹脂弾性体で構成されている。パッキン14は、表層にスキン層が設けられていてもよい。
パッキン14に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のゴムが挙げられる。樹脂としては、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
パッキン14を構成する樹脂弾性体としては、複数の気泡が形成され、気泡壁には実質的に孔が存在せず、それら複数の気泡が相互に連通していない独立気泡を有する樹脂発泡体が好ましい。
パッキン14を構成する樹脂発泡体の独立気泡率は、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。上限値は、特に限定されないが、実質的には99%以下とされる。パッキン14の独立気泡率が前記数値範囲内であれば、管継手2の受口部21に挿入された断熱管3の発泡樹脂層への水の浸入を抑制できる。
樹脂発泡体の発泡倍率は、1.1倍以上50倍以下が好ましく、5.0倍以上45倍以下がより好ましく、10倍以上40倍以下がさらに好ましい。発泡倍率が前記下限値以上であれば、断熱性に優れるためパッキン14が設置されている部分における受口部21の外面に結露が発生するのを防止できる。また、柔軟性に優れ、断熱管3の端面とパッキン14との間に隙間が生じにくいため止水効果が得られやすい。発泡倍率が前記上限値以下であれば、パッキン14が適度な剛性を保ち折れ曲がりにくい。発泡倍率は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調整できる。
パッキン14を構成する樹脂発泡体の発泡倍率は、管継手2から樹脂発泡体を切除した後、樹脂発泡体を試験片とし、被覆層7の発泡倍率と同様にして測定することができる。
パッキン14は、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂及び発泡剤以外の他の成分(任意成分)を含んでもよい。任意成分としては、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
管継手本体10、スペーサ部12、及びパッキン14により管継手2が構成されている。このように構成された管継手2に断熱管3が接続される。具体的には、外管部15と接続される外管5の端面(断熱管3の端部3aに相当する部位)は、パッキン14の外周部14aの全周に亘って当接されている。また、内管6の端面(断熱管3の端部3aに相当する部位)は、パッキン14の内周部14bの全周に亘って当接されている。
よって、外管5の端面及び内管6の端面(すなわち、断熱管3の端部3a)をパッキン14に接触させることができる。これにより、断熱管3の端部3aをパッキン14で閉塞させた状態で管継手2に断熱管3を接続(連結)できる。
ここで、スペーサ部12は、断熱管3のストッパとしての役割を備えている。よって、スペーサ部12は、ストッパ部29及び内管部16の開口端部16aの両方と当接して断熱管3の挿入圧に対抗できる。
以上説明したように、第1実施形態の管継手2によれば、スペーサ部12をストッパ部29と内管部16の開口端部16aとの両方に当接させた状態に保持できる。よって、内管部16と外管部15との間の間隔の両端部をスペーサ部12で閉塞することにより中空層36を形成できる。これにより、管継手2の生産効率を高めることができ、管継手2に断熱性の高い中空層36を備えることができる。
なお、スペーサ部12単品で中空層36を閉塞しなくてもよい。例えば、スペーサ部12に貫通孔が形成されていてもよい。この場合、スペーサ部12だけで中空層36を閉塞するのではなく、スペーサ部12と、パッキン14や断熱管3とによって、中空層36を閉塞することができる。
さらに、スペーサ部12の第2平坦部12dに配置されたパッキン14に断熱管3の端部3aを接触させることができる。これにより、断熱管3の端部3aをパッキン14で閉塞させた状態で管継手2に断熱管3を接続(連結)できる。管継手2が断熱管3に連結されることにより、断熱管3の内管6を流れる流体(例えば、冷水等)の搬送方向をL字型の管継手2によって直交方向に変化させることができる。また、断熱管3の内管6を流体として冷水を流した場合、断熱管3及び管継手2の内部を流れる冷水による断熱管3及び管継手2の外面の温度低下を防ぎ、断熱管3及び管継手2の外面の結露を防止できる。
ここで、スペーサ部12及びパッキン14の内面は、内管部16の内面及び内管6の内面に対して面一に形成されている。これにより、内管6の管内から内管部16の管内空間26を通過する流体の流れを阻害し難くできる。
なお、第1実施形態では、管継手2にパッキン14を備えた例について説明したが、管継手2にパッキン14を備えない構成としてもよい。
管継手2にパッキン14を備えない場合においても、スペーサ部12が内管部16の開口端部16a、16bとストッパ部29とに保持された状態において、内管部16の開口端部16a、16bと受口部21の開口部22との間に位置する。よって、断熱管3の端部3aをスペーサ部12に接触させることができる。これにより、断熱管3の端部3aをスペーサ部12で閉塞させた状態で管継手2に断熱管3を接続(連結)できる。
また、第1実施形態では、内管部16の開口端部16a、16bを、内管部16の他の部位と同じ肉厚で形成した例について説明したが、内管部16の開口端部16a、16bに径方向外側へ拡径する張出部を備えてもよい。この場合、開口端部16a、16bの接触面積を大きく確保できる。これにより、張出部を備えた開口端部16a、16bでスペーサ部12を保持しやすくできる。
次に、本発明に係る第1変形例から第10変形例の管継手を図5から図14を参照して説明する。なお、第1変形例から第10変形例において、第1実施形態における構成要素と同一、類似の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
また、以下の各変形例およびこれに続く他の実施形態では、重複する説明を避けるために、スペーサ部12のうち、受口端部21a側の受口部21内に設けられているスペーサ部12のみ説明するが、受口端部21b側の受口部21内に設けられているスペーサ部12も同様の構成である。また、一部の変形例よび実施形態では、パッキン14および断熱管3の図示を省略している。
(第1変形例)
図5に示すように、管継手50は、第1実施形態のスペーサ部12をスペーサ部51に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の管継手2と同様である。
スペーサ部51は、第1実施形態のスペーサ部12と同様に環状の平坦部に形成されている。スペーサ部51の第1内面止水部12aは第2内面止水部51aを有する。第2内面止水部51aは、第1内面止水部12aから内管部16の内部へ向けて、内管部16の内面16fに沿って環状(不連続な環状を含む)に突出されている。言い換えると、第2内面止水部51aは、内管部16内に嵌合されている。このように、第2内面止水部51aが内管部16の内面16fに接触することにより、スペーサ部51が内管部16の開口端部16a及びストッパ部29に保持される。なお、スペーサ部51の固定に接着剤を使用してもよい。
また、第2内面止水部51aが内管部16の内面16fに接触することにより、中空層36の密封性を一層高めることができる。
(第2変形例)
図6に示すように、管継手55は、第1変形例のスペーサ部51をスペーサ部56に代えたもので、その他の構成は第1変形例の管継手50と同様である。
スペーサ部56は、第1変形例のスペーサ部51と同様に第2内面止水部51aを有し、第2内面止水部51aの先端にテーパ部56aが形成されている。テーパ部56aは、第2内面止水部51aの先端から内管部16の内部へ向けて、内管部16の内面16fに沿って環状に突出されている。
テーパ部56aの内面56bは、内管部16の内部へ向けて内面16fに徐々に近づくように先細り状に形成されている。これにより、内管部16の管内空間26を通過する流体の流れを阻害し難くできる。
(第3変形例)
図7に示すように、管継手60は、第1変形例のスペーサ部51をスペーサ部61に代えたもので、その他の構成は第1変形例の管継手50と同様である。
スペーサ部61は、第1変形例のスペーサ部51と同様に第1外面止水部12bを有し、第1外面止水部12bに第2外面止水部61aが形成されている。第2外面止水部61aは、第1外面止水部12bから受口部21の内面21cに沿って受口端部21aまで環状(不連続な環状を含む)に突出されている。これにより、スペーサ部61が内管部16の開口端部16a及びストッパ部29に保持される。なお、スペーサ部61の固定に接着剤を使用してもよい。
また、第2外面止水部61aが受口部21の内面21cに接触することにより、中空層36の密封性を一層高めることができる。
(第4変形例)
図8に示すように、管継手65は、第1変形例の内管部16に拡径部位16gを有するもので、その他の構成は第1変形例の管継手50と同様である。拡径部位16gは、スペーサ部51の第2内面止水部51aが内管部16に接触する箇所を径方向外側に拡径した部位である。拡径部位16gを拡径することにより、内管部16の内面16fに対する第2内面止水部51aの段差を抑制できる。言い換えると、第2内面止水部51aは、内管部16の内面16fに対して面一に配置されている。これにより、内管部16の管内空間26を通過する流体の流れを阻害し難くできる。
(第5変形例)
図9に示すように、管継手70は、第1実施形態のスペーサ部12をスペーサ部71に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の管継手2と同様である。
スペーサ部71は、第1実施形態のスペーサ部12と同様に環状の平坦部に形成され、第1内面止水部12aの近傍に第2内面止水部71aを有する。第2内面止水部71aは、第1内面止水部12aの近傍から中空層36の内部へ向けて、内管部16の外面16hに沿って環状(不連続な環状を含む)に突出されている。これにより、スペーサ部71が内管部16の開口端部16a及びストッパ部29に保持される。なお、スペーサ部71の固定に接着剤を使用してもよい。
また、第2内面止水部71aが内管部16の外面16hに接触することにより、中空層36の密封性を一層高めることができる。さらに、スペーサ部71の内面は、内管部16の内面16fに対して面一に形成されている。これにより、内管部16の管内空間26を通過する流体の流れを阻害し難くできる。
(第6変形例)
図10に示すように、管継手75は、第5変形例のスペーサ部71をスペーサ部76に代えたもので、その他の構成は第5変形例の管継手70と同様である。
スペーサ部76は、平坦部76aが内管部16の開口端部16aに対して面一に配置されたもので、その他の構成は第5変形例のスペーサ部71と同様である。平坦部76aを開口端部16aに対して面一に配置することにより、受口部21において断熱管3(図1参照)の接着面を短くできる。これにより、管継手75をコンパクトにできる。
(第7変形例)
図11に示すように、管継手80は、第1実施形態のスペーサ部12をスペーサ部81に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の管継手2と同様である。
スペーサ部81は、第1実施形態のスペーサ部12と同様に環状の平坦部に形成されている。スペーサ部81は、第2内面止水部81aと、第2外面止水部81bと、を有する。第2内面止水部81aは、第1内面止水部12aの近傍から中空層36の内部へ向けて、内管部16の外面16hに沿って環状に突出されている。第2外面止水部81bは、第1外面止水部12bの近傍から中空層36の内部へ向けて、外管部15の内面15dに沿って環状に突出されている。
第2内面止水部81a及び第2外面止水部81bは、止水性の観点から連続した環状に形成することが好ましいが、不連続な環状に形成してもよい。
スペーサ部81の第2内面止水部81a及び第2外面止水部81bを中空層36に押し込んで、スペーサ部71を内管部16の開口端部16a及びストッパ部29に保持する。これにより、中空層36をスペーサ部81で容易に密封できる。
また、第2内面止水部81aを内管部16の内面16fに接触させ、第2外面止水部81bを外管部15の内面15dに接触させることにより、中空層36の密封性を一層高めることができる。
なお、中空層36は、スペーサ部81の第2内面止水部81a及び第2外面止水部81bで密封されるので接着剤による接着を不要にしてもよい。スペーサ部81の接着に、乾燥不要な光硬化性の接着剤などを使用してもよい。
(第8変形例)
図12に示すように、管継手85は、第7変形例のスペーサ部81をスペーサ部86に代えたもので、その他の構成は第7変形例の管継手80と同様である。
スペーサ部86は、第7変形例の第2内面止水部81a及び第2外面止水部81bに代えて止水部86aを備えている。止水部86aは、第7変形例の第2内面止水部81a及び第2外面止水部81bが径方向において一体に連続された部位である。止水部86aは、スペーサ部86の平坦部から中空層36の内部へ向けて環状に突出されている。止水部86aの内面86bは、内管部16の外面16hに接触されている。止水部86aの外面86cは、外管部15の内面15dに接触されている。言い換えると、止水部86aの内面86bが第2内面止水部を構成し、止水部86aの外面86cが第2外面止水部を構成している。
スペーサ部86の止水部86aを中空層36に押し込んで、スペーサ部86を内管部16の開口端部16a及びストッパ部29に保持する。これにより、中空層36をスペーサ部86で容易に密封できる。なお、スペーサ部86の固定に接着剤(例えば光硬化性)を使用してもよい。
また、止水部86aの内面86bを内管部16の外面16hに接触させ、止水部86aの外面86cを外管部15の内面15dに接触させることにより、中空層36の密封性を一層高めることができる。
なお、第8変形例では止水部86aを中実に形成した例について説明したが、止水部86aを中空に形成してもよい。すなわち、止水部86aは、環状に形成されているが、止水部86aに、止水部86aと同軸に配置される中空部が形成されていてもよい。この場合、中空部が、中空層36と同様に断熱効果を発揮する。
(第9変形例)
図13に示すように、管継手90は、第8変形例のスペーサ部86をスペーサ部91に代えたもので、その他の構成は第8変形例の管継手85と同様である。
スペーサ部91は、第8変形例の止水部86aを止水部92に代えたもので、その他の構成は第8変形例のスペーサ部86と同様である。止水部92は、発泡樹脂で形成されている。止水部92を形成する材料については、例えば、前記パッキン14の材料として例示した材料と同じ材料を採用することができるので、具体的な例示は省略する。止水部92は、第8変形例の止水部86aと同様に、スペーサ部91の平坦部から中空層36の内部へ向けて環状に突出されている。止水部92の内面92aは、内管部16の外面16hに接触されている。止水部92の外面92bは、外管部15の内面15dに接触されている。
スペーサ部91の止水部92を中空層36に押し込んで、スペーサ部91を内管部16の開口端部16a及びストッパ部29に保持する。これにより、中空層36をスペーサ部91で容易に密封できる。なお、スペーサ部91の固定に接着剤を使用してもよい。
また、止水部92の内面92aを内管部16の外面16hに接触させ、止水部92の外面92bを外管部15の内面15dに接触させることにより、中空層36の密封性を一層高めることができる。また、止水部92を発泡樹脂で形成することにより、中空層36の断熱性を一層高めることができる。
なお、第9変形例では止水部92を中実に形成した例について説明したが、前記第8変形例についての変形例と同様に、止水部92を中空に形成してもよい。
(第10変形例)
図14に示すように、管継手95は、第5変形例における内管部16の開口端部16aに内管係止部16iを有し、さらにスペーサ部71をスペーサ部96に代えたもので、その他の構成は第5変形例の管継手70と同様である。
内管係止部16iは、内管部16の開口端部16aから径方向外側に突出する。
スペーサ部96は、第5変形例の第2内面止水部71aを第2内面止水部96aに代えたもので、その他の構成は第5変形例のスペーサ部71と同様である。
第2内面止水部96aは、第1内面止水部12aの近傍から中空層36の内部へ向けて内管部16の外面16hに沿って環状(不連続な環状を含む)に突出されている。第2内面止水部96aの先端部には、スペーサ係止部96bが形成されている。スペーサ係止部96bは、内管係止部16iに係止可能に径方向内側に突出されている。
スペーサ部96の第2内面止水部96aを中空層36に押し込んで、スペーサ係止部96bに内管係止部16iを乗り越えさせ、両者を互いに係止させる。これにより、スペーサ係止部96bを内管部16に保持しやすくでき、スペーサ部96で中空層36を容易に密封できる。このように、スペーサ係止部96b及び内管係止部16iにより、スペーサ部96を物理的な係止により中空層36の端部に保持することにより、接着剤による接合を不要にできる。また、物理的な係止に加えて、接着剤を使用してスペーサ部96を接合させてもよい。
なお、第1変形例から第9変形例において、スペーサ部を接着剤等で保持する構成について説明したが、第1変形例から第9変形例のスペーサ部を、本変形例のような物理的な係止により中空層36の端部に保持できる構成としてもよい。
次に、本発明に係る第2実施形態から第6実施形態の管継手を図15から図32を参照して説明し、第7実施形態、第8実施形態の配管構造を図33から図36を参照して説明する。なお、第2実施形態から第8実施形態において、第1実施形態における構成要素と同一、類似の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
[第2実施形態]
本発明に係る第2実施形態を図15、図16を参照して説明する。
図15に示すように、管継手100は、第1実施形態における内管部16の開口端部16aが、ストッパ部29よりも管軸方向の外側(受口端部21a、21b側)に配置され、さらにスペーサ部12をスペーサ部101に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の管継手2と同様である。
内管部16の開口端部16aは、ストッパ部29よりも受口部21の受口端部21a側に突出され、受口部21の内部に配置されている。
スペーサ部101は、前記第1平坦部12cに形成された第2内面止水部101aと、第2外面止水部101bと、を備えている。
第2内面止水部101aは、第1平坦部12cの内側から、内管部16の外面16hに沿って環状(不連続な環状を含む)に突出されている。すなわち、第2内面止水部101aは、内管部16の外面16hに接触している。第2外面止水部101bは、第1平坦部12cの外側から、受口部21の内面21cに沿ってストッパ部29まで環状(不連続な環状を含む)に突出されている。すなわち、第2外面止水部101bは、受口部21の内面21cに接触している。
第2内面止水部101aを内管部16の外面16hに接触させ、第2外面止水部101bを受口部21の内面21cに接触させることにより、中空層36の密封性を高めることができる。
また、内管部16の開口端部16aを受口部21の内部まで突出させることにより、スペーサ部101を受口部21の内部に配置できる。これにより、中空層36の体積を大きく確保できる。さらに、スペーサ部101の形状に自由度を持たせることができる。
(第1変形例)
第2実施形態の第1変形例を図16に基づいて説明する。
図16に示すように、管継手105は、第2実施形態のスペーサ部101をスペーサ部106に代え、さらにパッキン14(図1参照)を環状のパッキン(環状発泡体)107に代えたもので、その他の構成は第2実施形態の管継手100と同様である。
スペーサ部106は、内管部16の外面16hと受口部21の内面21cとの間に設けられ、環状に形成されている。スペーサ部106の内面は、内管部16の外面16hに接触している。スペーサ部106の外面は、受口部21の内面21cに接触されている。これにより、中空層36の密封性が高められている。スペーサ部106は、受口部21の受口端部21a側の面に凹部106aが形成されている。
パッキン107は、スペーサ部106の受口端部21a側の面に設けられている。凹部106aには、パッキン107の凸部107aがかたく嵌入されている。これにより、断熱管3の端部3a(図1参照)の斜め切れや、受口部21への挿入不足が生じた場合にも、パッキン107で断熱管3の端部3aを密封でき、断熱性を保つことができる。すなわち、断熱性の高い中空層36を備える管継手105の生産効率を高めることができる。
[第3実施形態]
本発明に係る第3実施形態を図17、図18を参照して説明する。
図17に示すように、管継手110は、第1実施形態における内管部16の開口端部16aがストッパ部29よりも、管軸方向の内側に配置され、さらにスペーサ部12をスペーサ部111に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の管継手2と同様である。
内管部16の開口端部16aは、ストッパ部29に対して受口端部21aの反対側に位置し、ストッパ部29の内側に配置されている。スペーサ部111は、前記第1平坦部12cに形成された第2内面止水部111aと、第2外面止水部111bと、を有する。第2内面止水部111aは、第1内面止水部12aの近傍から中空層36の内部へ向けて、内管部16の外面16hに沿って環状に突出されている。第2外面止水部111bは、第1外面止水部12bから中空層36の内部へ向けて、外管部15の内面15dに沿って環状に突出されている。
第2内面止水部111a及び第2外面止水部111bは、止水性の観点から連続した環状に形成することが好ましいが、不連続な環状に形成してもよい。
スペーサ部111の第2内面止水部111a及び第2外面止水部111bを中空層36に押し込んで中空層36をスペーサ部111で密封する。このように、第2内面止水部111aを内管部16の内面16fに接触させ、第2外面止水部111bを外管部15の内面15dに接触させることにより、中空層36の密封性を高めることができる。
なお、中空層36は、スペーサ部111の第2内面止水部111a及び第2外面止水部111bで密封されるので接着剤による接着を不要にできる。あるいは、スペーサ部111の接着に、光硬化性の接着剤を使用してもよい。
また、内管部16の開口端部16aをストッパ部29よりも受口部21の受口端部21aの反対側に配置させた。これにより、内管部16を小さくして、管継手110を小さくできる。さらに、内管部16を小さくすることにより、スペーサ部111の形状に自由度を持たせることができる。
(第1変形例)
第3実施形態の第1変形例を図18に基づいて説明する。
図18に示すように、管継手115は、第3実施形態のスペーサ部111をスペーサ部116に代えたもので、その他の構成は第3実施形態の管継手110と同様である。内管部16の開口端部16aは、第3実施形態と同様に、ストッパ部29よりも管継手115の内側に配置されている。
スペーサ部116は、前記第1平坦部12cに形成された第2内面止水部116aを有する。第2内面止水部116aは、第1内面止水部12aから中空層36の内部へ向けて、内管部16の外面16hに沿って環状(不連続な環状を含む)に突出されている。すなわち、第2内面止水部116aは、内管部16の外面16hに接触している。また、スペーサ部116の第1内面止水部12aが内管部16の開口端部16aに接触している。スペーサ部116の第1外面止水部12bがストッパ部29に接触されている。
このように、内管部16の開口端部16aをストッパ部29よりも内側に位置させることにより、スペーサ部116をストッパ部29と内管部16の開口端部16aの両方で保持できる。この状態において、中空層36の密封性をスペーサ部116で高めることができる。
また、スペーサ部116は、第1内面止水部12aの内面が受口端部21a側から内管部16の開口端部16aまで徐々に縮径するようにテーパ状に形成されている。これにより、第1内面止水部12aの入口面積を大きくでき、内管部16の管内空間26を通過する流体の流れを阻害し難くできる。
[第4実施形態]
本発明に係る第4実施形態を図19から図22を参照して説明する。
図19に示すように、管継手120は、第1実施形態の管継手本体10を管継手本体121に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の管継手2と同様である。
管継手本体121は、内管部16及び外管部15が別部材で構成され、内管部16がスペーサ部12によって保持されている。すなわち、内管部16は、外管部15の管内空間28にスペーサ部12を介して収容された状態に支持されている。これにより、例えば、内管部16の開口端部16a,16bの構造上、金型で一体成形できない場合であっても、管継手120を製造できる。
また、管継手120は、内管部16と外管部15とを一体に接続する継手支持部17(図3参照)を不要にできる。これにより、内管部16の熱が、継手支持部17を経て外管部15に伝わることを防止して管継手120の断熱性を高めることができる。
(第1変形例)
第4実施形態の第1変形例を図20に基づいて説明する。
図20に示すように、管継手125は、第4実施形態における内管部16に拡径部位16gを備え、スペーサ部12をスペーサ部51に代えたもので、その他の構成は第4実施形態の管継手120と同様である。
内管部16の拡径部位16gは、スペーサ部51の第2内面止水部51aが内管部16に接触する箇所を径方向外側に拡径した部位である。拡径部位16gを拡径することにより、内管部16の内面16fに対して第2内面止水部51aの段差を抑制できる。言い換えると、第2内面止水部51aは、内管部16の内面16fに対して面一に配置されている。これにより、内管部16の管内空間26を通過する流体の流れを阻害し難くできる。
(第2変形例)
第4実施形態の第2変形例を図21に基づいて説明する。
図21に示すように、管継手130は、第4実施形態における内管部16に張出部16jを有するもので、その他の構成は第4実施形態の管継手120と同様である。
内管部16の張出部16jは、内管部16の開口端部16aから径方向外側へ拡径するように張り出された部位である。内管部16の開口端部16aに張出部16jを備えることにより、開口端部16aの接触面積を大きく確保できる。これにより、張出部16jを備えた開口端部16aでスペーサ部12を保持しやすくできる。
(第3変形例)
第4実施形態の第3変形例を図22に基づいて説明する。
図22に示すように、管継手135は、第4実施形態における内管部16に内管係止部16iを有し、さらにスペーサ部12をスペーサ部96に代えたもので、その他の構成は第4実施形態の管継手120と同様である。
内管部16の内管係止部16iは、内管部16の開口端部16aから径方向外側に突出する部位である。スペーサ部96は、第2内面止水部96aを有する。第2内面止水部96aは、第1内面止水部12aの近傍から中空層36の内部へ向けて、内管部16の外面16hに沿って環状(不連続な環状を含む)に突出されている。第2内面止水部96aの先端部には、スペーサ係止部96bが形成されている。スペーサ係止部96bは、内管係止部16iに係止可能に径方向内側に突出されている。
スペーサ部96の第2内面止水部96aを中空層36に押し込んで、スペーサ係止部96bに内管係止部16iを乗り越えさせ、両者を互いに係止させる。これにより、スペーサ係止部96bを内管部16に保持しやすくでき、スペーサ部96で中空層36を容易に密封できる。このように、スペーサ係止部96b及び内管係止部16iにより、スペーサ部96を物理的な係止により中空層36の端部に保持することにより、接着剤による接合を不要にできる。なお、物理的な係止に加えて、接着剤を使用してスペーサ部96を接合させてもよい。
以上説明したように、第1実施形態から第4実施形態においては、L字型(エルボ)の管継手を例示したが、これに限定されるものではなく、例えばT字型(チーズ)等の管継手に本発明を適用させてもよい。以下、T字型(チーズ)の管継手を第5実施形態、第6実施形態として図23から図32を参照して説明する。
[第5実施形態]
本発明に係る第5実施形態を図23から図26を参照して説明する。
図23から図26に示すように、管継手140は、全体がT字型の形状を呈するいわゆる「チーズ」である。管継手140は、管継手本体141と、スペーサ部142と、不図示のパッキンと、を備えている。
管継手本体141は、外管部145と、内管部146と、継手支持部147と、を有する。外管部145は、T字型に形成され、受口部21が断熱管3の外管5(図1参照)と接続される。内管部16は、T字型に形成され、断熱管3の内管6(図1参照)と接続される。継手支持部147は、内管部146を外管部145の管内空間に収容された状態で支持する。
管継手本体141は、第1実施形態の管継手本体10と同様に、ポリ塩化ビニル樹脂を所定の金型に射出成形することにより一体成形されたものである。また、内管部146の開口端部(端部)146a,146b,146cは、各受口部21の内部に配置されている。内管部146の開口端部(端部)146a,146b,146cは、それぞれ受口部21の受口端部21a、21b、21cよりも、管軸方向の内側に配置されている。
この管継手本体141によれば、断熱管3を連結し、かつ、内管部146を流れる流体を二方向に分岐可能な構造とすることができる。
図26に示すように、スペーサ部142は、第1実施形態のスペーサ部12と同様に、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂で環状の平坦部に形成されている。重複する説明を避けるために、スペーサ部12のうち、受口端部21a側の受口部21内に設けられているスペーサ部12のみ説明するが、受口端部21b側、21c側の受口部21内に設けられているスペーサ部12も同様の構成である。
スペーサ部142では、内管部146の開口端部146aに第1内面止水部142aが嵌合された状態で接触され、ストッパ部29に第1外面止水部142bが接触されている。これにより、内管部146と外管部145との間の間隔の各端部をスペーサ部142で閉塞して中空層152を形成できる。スペーサ部142には、図示しないパッキンが配置されている。パッキンは、第1実施形態のパッキン14と同様に形成されている。
ここで、T字型のような複雑な形状の管継手の場合、例えば、管径の異なる二種類の管継手を組み合わせて構成する際に、仮に内管部146と外管部145とを別部材によって形成する場合、内管部146に対して外管部145を著しく大きく形成する必要がある。これに対して、管継手140によれば、管継手本体141を射出成形により一体成形することにより係る問題を解消できる。その結果、コンパクトに、かつ、軽量化したT字型の管継手140を容易に構成できる。
なお、管継手140の他の作用効果については、第1実施形態の管継手2と同様のため説明を省略する。
[第6実施形態]
本発明に係る第6実施形態を図27から図32を参照して説明する。
図27から図29に示すように、管継手150は、第5実施形態の管継手本体141を管継手本体151に代えたものである。
管継手本体151では、内管部146及び外管部145が別部材で構成され、内管部146がスペーサ部12によって保持されている。すなわち、内管部146は、外管部145の管内空間にスペーサ部12を介して収容された状態に支持されている。
図28に示すように、外管部145のストッパ部29のうち、受口端部21aに対応するストッパ部29の内径Dは、内管部146の高さH以上に設定されている。すなわち、内径D≧高さHの関係が成立している。なお、高さHは、内管部146がなすT字状において、Tの縦棒に相当する部分の長さである。これにより、図28および図29に示すように、受口部21の受口端部21aから外管部145の管内空間に内管部146を矢印Aに沿って収容できる。
管継手150によれば、例えば、内管部146の開口端部146a,146b,146cの構造上、金型で一体成形できない管継手の場合に対応できる。
また、管継手150は、内管部146と外管部145とを一体に接続する継手支持部147(図26参照)を不要にできる。これにより、内管部146の熱が、継手支持部147を経て外管部145に伝わることを防止することができる。その結果、管継手150の断熱性を高めることができる。
なお、内管部146又は外管部145を分割体とした場合には、内径D≧高さHの関係を成立させなくてもよい。
(第1変形例)
第6実施形態の第1変形例を図30から図32に基づいて説明する。
図30から図32に示すように、管継手155は、第6実施形態において管継手本体156の内管部146を、受口端部21bに対応する受口部21から外管部145に収容するように構成したものである。
管継手本体156は、内管部146及び外管部145が別部材で構成され、内管部146がスペーサ部12,157によって保持されている。すなわち、内管部146は、外管部145の管内空間にスペーサ部12,157を介して収容された状態に支持されている。
図31に示すように、外管部145のうち、受口端部21bに対応する受口部21におけるストッパ部29の内径Dは、内管部146の長さL以上に設定されている。すなわち、内径D≧長さLの関係が成立している。なお長さLは、内管部146がなすT字状において、Tの横棒に相当する部分の長さである。これにより、図31および図32に示すように、受口部21の受口端部21bから外管部145の管内空間に内管部146を矢印Bに沿って収容できる。
管継手155によれば、第6実施形態の管継手150と同様の作用効果を奏することができる。
なお、内管部146又は外管部145を分割体とした場合には、内径D≧長さLの関係を成立させなくてもよい。
以上説明したように、第1実施形態から第6実施形態においては、管継手を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば配管構造に本発明を適用させてもよい。以下、配管構造を第7実施形態、第8実施形態として図33から図36を参照して説明する。
[第7実施形態]
本発明に係る第7実施形態を図33、図34を参照して説明する。
図33に示すように、配管構造160は、管継手60と、断熱管3と、を備えている。
管継手60は、管継手60と断熱管3とが組み合わされた状態で、第1実施形態の第3変形例の管継手と同一の構成である。この状態で、管継手60は、外管部15と、内管部16と、スペーサ部61と、を備えている。
スペーサ部61は、第1内面止水部12aに形成された第2内面止水部51aと、第1外面止水部12bに形成された第2外面止水部61aと、を有する。第2内面止水部51aは、第1内面止水部12aから内管部16の内部へ向けて、内面16fに沿って環状(不連続な環状を含む)に突出されている。第2外面止水部61aは、第1外面止水部12bから受口部21の内面21cに沿って、受口端部21aまで環状(不連続な環状を含む)に突出されている。このように、第2内面止水部51aが内管部16の内面16fに接触し、第2外面止水部61aが受口部21の内面21cに接触することにより、中空層36の密封性が高められている。
ただし図34に示すように、スペーサ部61は、管継手60と断熱管3とが組み合わされる前の状態において、管継手60側でなく、断熱管3側に取り付けられている。言い換えると、スペーサ部61は断熱管3の端部3aに嵌合されている。この状態において、スペーサ部61は、断熱管3とともに、受口部21の内部(すなわち、開口部22)に受口端部21aから矢印Cに沿って挿入される。これにより、スペーサ部61が内管部16の開口端部16a,16b及びストッパ部29に保持される。
なお、スペーサ部61と断熱管3との間にパッキン14があってもよい。
[第8実施形態]
本発明に係る第8実施形態を図35、図36を参照して説明する。
図35に示すように、配管構造165は、第7実施形態のスペーサ部61をスペーサ部167に代え、スペーサ部167及び断熱管3の端部3aで管継手166の中空層36を密封するように構成されている。
スペーサ部167は、環状に形成されている。スペーサ部61は、環状の内壁167bと、環状の外壁167cと、内壁167bと外壁167cとの間に設けられた嵌合部167aと、端部167dと、を備えている。内壁167bは、内管部16の内面16fに接触(嵌合)されている。外壁167cは、内管部16の外面16hに接触(嵌合)されている。嵌合部167aは、管軸方向の外側(受口端部21a、21b側)に向けて窪む凹部である。嵌合部167aは、管軸方向の内側に向けて開口する。嵌合部167aは、開口端部16a,16bに嵌合されている。端部167dは、嵌合部167aを管軸方向の外側から閉じている。端部167dには、開口端部16a,16bが突き当たる。
管継手166では、内管部16の開口端部16a,16bが、ストッパ部29に対して、管軸方向に沿って受口端部21aの反対側に位置する。言い換えると、内管部16の開口端部16a,16bが、ストッパ部29に対して、管軸方向の内側に配置されている。スペーサ部167の端部167dは、ストッパ部29に対して面一に配置されている。
この状態において、断熱管3の端部3aは、スペーサ部167の端部167d及び受口部21の内面21cに接着剤168で接合されている。これにより、配管構造165は、スペーサ部167及び断熱管3の端部3aで中空層36を密封するように構成されている。
図36に示すように、管継手60と断熱管3とが組付けられる前の状態では、内管部16の開口端部16a,16bにスペーサ部167の嵌合部167aが嵌合されている。さらに、断熱管3の端部3aが、受口部21の内部(開口部22)に受口端部21aから矢印Dに沿って挿入される。このとき、接着剤168を予め管継手166および断熱管3の少なくとも一方に予め塗布しておく。
その後、図35に示すように、挿入された断熱管3の端部3aが、スペーサ部167の端部167d及び受口部21の内面21cに接着剤168で接合された状態に保たれる。これにより、配管構造165の生産効率を高めることができ、配管構造165の管継手166に断熱性の高い中空層36を備えることができる。
さらに、スペーサ部167の端部167dを断熱管3の端部3aの接着面とすることができ、開口端部16a,16bと比べて断熱管3の端面との接着代を大きくできる。よって、断熱管3の端面をスペーサ部167の端部167dに接着剤168で接合することにより、断熱管3と内管部16との間の止水性を担保できる。これにより、断熱管3及び内管部16を流れる冷水(排水)が管継手166の中空層36に浸出することを防止できる。
ここで、管継手166は、外管部15と内管部16とが金型で一体成形されている。このため、内管部16の開口端部16a,16bで接着代を大きくすると、管継手166の成形の際に、管継手166から金型が抜けなくなる。そこで、開口端部16a,16bに別部材のスペーサ部167を取り付けて接着代を大きくし、止水性を担保することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
第1実施形態から第8実施形態の外管部15、145を透明のプラスチック材料等によって構成してもよい。これにより、管継手、配管構造において内部の液漏れの状態等を外部から視認しやすくなり、早期に発見することができ、補修などの迅速な対応を行うことで被害の拡大を防ぐことができる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1,160,165 配管構造
2,50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100,105,110,115,120,125,130,135,140,150,155,166 管継手
3 断熱管
3a 断熱管の端部
5 外管
6 内管(樹脂管)
7 被覆層
12,51,56,61,71,76,81,86,91,96,101,106,111,116,142,157,167 スペーサ部
12a,142a 第1内面止水部(内面止水部)
12b,142b 第1外面止水部(外面止水部)
14、107 パッキン(環状発泡体)
15,145 外管部
15d 外管部の内面
16,146 内管部
16a,16b,146a,146b,146c 開口端部(端部)
16f 内管部の内面
16h 内管部の外面
21 受口部
21c 受口部の内面(外管部の内面)
22 開口部
28 外管部の管内空間
29 ストッパ部
36,152 中空層
51a,71a,81a,96a,101a,111a,116a 第2内面止水部(内面止水部)
61a,81b,101b,111b 第2外面止水部(外面止水部)
86a,92 止水部
86b,92a 止水部の内面(内面止水部)
86c,92b 止水部の外面(外面止水部)
168 接着剤

Claims (8)

  1. 樹脂管の外周に発泡性樹脂よりなる被覆層が形成された断熱管を接続するための管継手であって、
    前記断熱管が挿入され、前記断熱管の外径よりも大きな内径の開口部を備える外管部と、
    前記外管部の内部に、前記外管部の内面と間隔をあけて配置される内管部と、
    前記内管部と前記外管部とを接続し、前記内管部と前記外管部との間に、前記内管部及び前記外管部とともに中空層を形成するスペーサ部と、
    を備え、
    前記スペーサ部の内側に、前記内管部の内面、外面または端部いずれかと全周に亘って接触する環状の内面止水部が設けられ、
    前記スペーサ部の外側に、前記外管部の内面の全周と接触する環状の外面止水部が設けられている管継手。
  2. 前記内管部、前記外管部は、樹脂により一体成形されている請求項1に記載の管継手。
  3. 前記内管部及び前記外管部は、別部材とされ、
    前記スペーサ部によって前記内管部が保持されている請求項1に記載の管継手。
  4. 前記外管部は、前記断熱管の外径よりも小さい内径のストッパ部を備え、
    前記内管部の端部は、前記ストッパ部よりも内側または前記ストッパ部と同一面上である請求項1から3のいずれか1項に記載の管継手。
  5. 前記スペーサ部は、前記内管部の端部と前記開口部との間に位置する請求項1から4のいずれか1項に記載の管継手。
  6. 前記スペーサ部の前記開口部の側に環状発泡体が設けられている請求項1から5のいずれか1項に記載の管継手。
  7. 前記外管部が透明とされている請求項1から6のいずれか1項に記載の管継手。
  8. 樹脂管の外周に発泡性樹脂よりなる被覆層が形成された断熱管と、
    前記断熱管を接続するための管継手と、
    を備え、
    前記管継手は、
    前記断熱管が挿入され、前記断熱管の外径よりも大きな内径の開口部を備える外管部と、
    前記外管部の内部に、前記外管部の内面と間隔をあけて配置される内管部と、
    前記外管部の内部に、前記断熱管と接触可能に配置されたスペーサ部と、
    を備え、
    前記スペーサ部、または、前記スペーサ部及び前記断熱管によって、前記内管部と前記外管部との間の間隔の端部を閉塞して中空層を形成する配管構造。
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