JP3856152B2 - 炭酸ガス密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加圧ガスを通過させる配管を連結する接続用中空部材の連結部分から加圧ガスの漏洩を防止または低減する密封装置または接続装置に関する。
特に本発明は、シール部材からの炭酸ガスの透過を減少させてシール効果を向上させた炭酸ガス密封装置に関する。
自動車などの車両や室内での冷房に用いるエアーコンディショナー等の冷房装置においては、配管内を冷媒が流れている。従来は冷媒としてはフロンガスを用いていたが、フロンガスがオゾン層を破壊するという環境問題から、冷媒として、フロンガスに代えて炭酸ガス(CO2 )を使用した冷房装置も用いられている。
炭酸ガスを冷媒に用いる場合には、フロンガスを用いていた場合よりも高い圧力、たとえば15MPa程度の圧力に加圧された炭酸ガスが配管内部を流れる。このように、加圧された炭酸ガスを流す配管を接続する場合には、通常、たとえば、Oリング等のゴム製のシール部材と、バックアップリングとを用いる。シール部材は、配管の接続部に設けられる一方の接続用中空部材の被シール面と他方の接続用中空部材の被シール面との間をシールするように配置される。バックアップリングは、配管内部のガスの圧力と配管外部との圧力差によるOリングなどのシール部材が加圧ガスの押圧により変形して配管の間へのはみ出すことを防止してシール部材のシール性能を確保するために用いる。すなわち、バックアップリングは、加圧炭酸ガスが流れる配管の内部と配管の外部との圧力差によりシール部材が移動する移動方向に、シール部材を支持するように配置する。バックアップリングは、従来はその断面形状が長方形(矩形)であった。
ガスの圧力が15MPa程度である場合には、断面長方形のバックアップリングによってシール部材のはみ出しを十分に防止することができた。
また、特許文献1(特開2001−208201号公報)に開示されているように、ポリアミド樹脂製であり、断面形状がU字状やY字状のパッキンを用いて、高圧の炭酸ガスを流す配管をシールする手法も知られている。
フロンガスの場合には、汎用的なゴム製のOリングのみを用いることによって接続部材からのフロンガスの漏れを防ぐことができた。しかしながら、フロンガスより分子量が低い炭酸ガスはシール部材として用いるゴムを透過するという性質がある。上述のように炭酸ガスの圧力を高くすると、炭酸ガスはさらに容易にゴムを透過する。
特開2001−208201号公報
従来のバックアップリングはOリングを支持することを主目的に製造されており、ゴム製のOリングをバックアップリングによって支持するだけでは、Oリングを透過した炭酸ガスが、バックアップリングと接続部材との隙間から漏洩して配管の外部に漏れ出し、十分なシール性能を得ることができない。その結果、たとえば、冷房装置内の冷媒として使用している炭酸ガスの量が漸次減少し、冷房性能が低下する可能性が生じる。
また、冷房装置に、特殊な材質や断面形状を有する特殊なパッキンを用いる場合には、特殊なパッキンを用意するためのコスト上昇や、車両に搭載する冷房装置、あるいは、室内に使用する冷房装置として、汎用性に欠けるという不利益がある。
本発明の目的は、加圧された炭酸ガスが透過し易い汎用的なシール部材を用いても、連結される部材の間を簡単かつ効果的にシールすることが可能な炭酸ガス密封装置を提供することにある。
本発明によれば、冷媒として使用される、加圧されている炭酸ガスの密封装置であって、冷媒としての炭酸ガスをシールするガスシール手段と、第1接続用中空部材と、第2接続用中空部材とを具備し、
前記第1接続用中空部材と前記第2接続用中空部材との接続により、前記第1の接続用中空部材と前記第2の接続用中空部材との間に前記冷媒としての炭酸ガスを通過させる中空部を有する接続部を構成し、かつ、該接続部における前記冷媒としての炭酸ガスが漏洩する部分に下記の構成を有する溝部が形成され、
前記溝部は、前記冷媒としての炭酸ガスの漏洩する向きに沿って、第1部分と、該1部分と連続し該1部分の断面積より小さい第2部分とを有し、該第2部分は前記冷媒としての炭酸ガスが漏洩する向きに沿って厚さが薄くなるように傾斜しているテーパー面を持ち、
前記ガスシール手段は、前記溝部の前記第1部分に配設されたゴム製のOリングと、前記溝部の前記第2部分に配設された46ナイロン製の1個のバックアップリングとを有し、
前記バックアップリングは、前記溝部の前記第2部分の前記テーパー面と接触する傾斜面を有し、前記冷媒としての炭酸ガス、および、前記Oリングの変形および移動による押圧により前記溝部の前記第2部分において径方向に拡大し、かつ、前記溝部の前記第2部分を移動し、
前記バックアップリングの前記傾斜面の角度は、前記溝部の前記第2部分の前記テーパー面の角度より大きく、前記冷媒としての炭酸ガスによる押圧時により前記バックアップリングの前記傾斜面が潰れて前記溝部の前記第2部分の隙間をさらに狭め、
前記溝部の前記第2部分の先端には前記バックアップリングが突出しうる空隙が設けられている、
炭酸ガス密封装置が提供される。
本発明の炭酸ガス密封装置によれば、効果的に炭酸ガスの漏洩を低下させることができる。
本発明の好適な実施の形態について添付図面を参照して述べる。
本発明の実施の形態の一例として、本発明の加圧ガスとして、たとえば、冷房装置の冷媒として使用される加圧されている炭酸ガス(以下、加圧炭酸ガス)を例示し、加圧ガスが漏洩する部分の例示として2本の配管を連結する2個の接続用中空部材の連結部位からの加圧炭酸ガスの漏洩を例示する。さらに、冷房装置の冷媒として使用されている加圧炭酸ガスは、たとえば、40〜80℃程度に加熱されている場合があり、これを加圧・加熱炭酸ガスという。本発明の好適な実施の形態としてこのような加圧・加熱炭酸ガスを例示する。もちろん、本発明は、このような例示に限定されるものではない。
第1実施形態
図1〜図4を参照して本発明の第1実施の形態について述べる。
図1は本発明の第1実施形態に係る密封装置としてのガス配管接続装置を示す断面図であり、図2は図1に図解した接続部分の部分拡大図である。図3Aはバックアップリングの断面図であり、図3Bは第1形態のバックアップリングの正面図であり、図3Cは第2形態のバックアップリングの正面図である。図4は第2接続部材の他の形態を図解した図である。
接続装置1は、第1配管3と、第2配管5と、第1配管接続部材7と、第2配管接続部材9と、本発明の第1ガスシール部材としてのシール部材11と、本発明の第2ガスシール部材としてのバックアップリング13とを有する。第1ガスシール部材と第2ガスシール部材とが本発明のガスシール手段を構成する。
第1配管3および第2配管5の軸中心C−Cの方向に沿って、加圧・加熱炭酸ガス(CO2 )が通過する中空の第1配管接続部材(以下、第1接続部材と略す)7が本発明における第1接続用中空部材の一実施態様であり、中空の第2配管接続部材(以下、第2接続部材と略す)9が本発明における第2接続用中空部材の一実施態様である。
第1接続部材7は、本体部70と、本体部70に連続するハウジング部17とからなる。本体部70内には第1中空部71と、第1中空部71に連通する第2中空部72とが形成されており、ハウジング部17内には第2中空部72に連通する第3中空部73が形成されている。本実施の形態においては、本体部70およびハウジング部17の断面は円形である。加圧炭酸ガスの通路となる第1〜第3中空部71〜73が同軸状に形成されており、かつ、連通している。
第2接続部材9は、第1接続部材7の第3中空部73の内部に挿入される断面が円形の軸部19と、軸部19に連続し第1接続部材7の第3中空部73の先端に当接する面を持つ本体部90と、本体部90の他方の端部に形成された第4中空部92と、軸部19の先端から第4中空部92に連続する(連通する)第5中空部93とを有する。加圧炭酸ガスの通路となる第4、5中空部92、93が同軸状に形成されており、かつ、連通している。
第1中空部71の内径は配管3が嵌装可能な寸法の外径に形成されている。第4中空部92の内径は配管5が嵌装可能な寸法の外径に形成されている。
第3中空部73の内径は、軸部19に形成された溝19GにOリング11とバックアップリング13とを装着した(配設した)状態で、たとえば、Oリング11が第3中空部73に接触しながら、軸部19を第3中空部73内に挿入可能とする、所定のクリアランスを確保した、大きさである。このように、Oリング11および/またはバックアップリング13が軸部19に配設されない状態では、軸部19と第3中空部73との間には所定のクリアランス(間隙)20が規定される。
第2中空部72の内径は本体部70の強度を維持しながら、加圧炭酸ガスが通過できる大きさに形成されている。同様に、第5中空部93の内径は本体部90および軸部19の強度を維持しながら、加圧炭酸ガスが通過できる大きさに形成されている。第2中空部72の内径と第5中空部93の内径とは同じか、または、第3中空部73の内径が第5中空部93の内径より幾分大きい。
第1配管3に第1接続部材7が接続され、第2配管5に第2接続部材9が接続され、さらに、第1接続部材7と第2接続部材9とが連結されて第1配管3と第2配管5とが連通する。
配管3と接続部材7との接続方法としては、たとえば、接続部材7の第2中空部72の壁面と配管3の端部同士が当接するまで配管3を第1中空部71内に嵌装させ、当接部の外表面CL1を溶接することによって接続し、かつ、その接続部からガスが漏洩しないようにする。配管5と接続部材9との接続方法も上記同様である。すなわち、第2接続部材9の第5中空部93の壁面と配管5との端部同士が当接するまで配管5を第4中空部92内に嵌装させ、当接部の外表面CL2を溶接することによって接続し、かつ、その接続部からガスが漏洩しないようにする。
接続部材7の内部には配管3に連通する第2中空部72に加圧炭酸ガスが通過する流路7aが規定されており、同様に、接続部材9の内部には配管5に連通する第5中空部93に加圧炭酸ガスが通過する流路9aが規定されている。
配管3に接続された第1接続部材7と、配管5に接続された第2接続部材9とを接続する場合、軸部19を第3中空部73に挿入した後、第1接続部材7と第2接続部材9とを、たとえば図示しないボルトで締結することによって互いに強固に連結させる。
なお、上述した方法とは逆に、事前に第1接続部材7と第2接続部材9とを、たとえばボルトで締結した後、配管3と第1接続部材7との接続、および、配管5と第2接続部材9との接続を上述した方法で行うこともできる。
接続部材7と接続部材9とが連結されたときに規定されて連通する流路7a,9aと、配管3,5との中を、炭酸ガスが流れる。本実施の形態では、炭酸ガスは、配管3側から配管5側に向かって流れるものとする。
冷房装置の冷媒として使用する炭酸ガスは、たとえば、15MPa程度に加圧されて流れるものとする。さらに、炭酸ガスを冷房装置の冷媒として使用するとき、炭酸ガスは、たとえば、40〜80℃程度に、加熱されている場合がある。 配管3,5および接続部材7,9は、15MPa程度に加圧されかつ加熱されている炭酸ガスを流した場合でも、加圧・加熱炭酸ガスが外部に透過しない材料、たとえば、銅、ステンレスなどの金属によって形成する。
本実施の形態において、配管3と第1接続部材7との接続部位および配管5と第2接続部材9との接続部位から加圧炭酸ガスの漏洩はないもの仮定し、加圧・加熱炭酸ガスの漏洩は第1接続部材7と第2接続部材9との連結部位から発生する場合について考慮する。
図2に拡大して示すように、軸部19は溝19Gを有する。溝19Gは、平坦な底面19Bと、傾斜面(テーパー面)19Tと、平坦な底面19Bとテーパー面19Tとの両側の壁19W1、19W2で規定されている。このような断面を持つ溝19Gは、軸部19の軸方向と直交する円周方向に環状に形成されている。テーパー面19Tを持つ溝19Gは、本発明における隙間狭小化手段の一実施態様に相当する。
テーパー面19Tは、平坦な底面19Bに連続し、この底面19Bの端部から炭酸ガスが流れる方向に向かって右側の壁19W2まで、溝19Gの深さが浅くなるように、所定の角度で傾斜している。炭酸ガスが漏洩する方向は、矢印で示したように、加圧炭酸ガスが連結された接続部材7,9を透過してその外部に連通して漏洩し、接続部材7、9の内部よりも圧力が低くなる方向である。したがって、テーパー面19Tは、平坦な底面19Bから右側の壁19W2に向かって、溝19G内の圧力より圧力が低くなる低圧LS側に向かうにつれて溝が浅くなるような形状をしている。換言すれば、平坦な底面19Bの断面積(第1断面積)は、テーパー面19Tの断面積(第2断面積)より大きい。
平坦な底面19Bが本発明の溝の第1部分に該当し、テーパー面19Tが第2部分に該当する。
溝19Gには、本発明の第1ガスシール部材の1例としてのシール部材11と、本発明の第2ガスシール部材の1例としてのバックアップリング13とが装着されている。
本実施の形態のシール部材11として、以下の例示では、圧力の印加で容易に変形し、弾力性を持ち伸縮自在なゴム材料製のOリングを一例として挙げて述べる。Oリング11は、軸部19の溝19Gの底面19Bに接触して装着されている。
Oリング11に用いるゴム材料としては、たとえば、フッ素ゴム、パーフロロゴム、水素化ニトリルゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどを挙げることができる。
バックアップリング13は図3A〜3Cに図解したように、リング状に形成され、Oリング11が装着されている底面19Bの位置よりも低圧側となるテーパー面19Tの位置に装着されている。
図3Aは図3Bにおける線A−Aにおけるバックアップリング13の断面図であり、図3Bおよび図3Cはそれぞれ、第1壁19W2から第2壁19W1に向かって見たときの第1および第2形態のバックアップリング13の正面図である。
図3Aに図解したように、バックアップリング13の傾斜面がテーパー面19Tに対向し、周縁がハウジング部17の第3中空部73に接する。なお、バックアップリング13の傾斜面は、テーパー面19Tと同じ傾斜か、あるいは、後述するように、テーパー面19Tとは異なる傾斜を持つように形成される。図3B、3Cにおいては、傾斜面を狭いピッチのハッチングで示している。
バックアップリング13は、図3Bに図解したように、加圧炭酸ガスの漏洩を防止する観点において溝19G内を1周する完全なリング状の形状をしていることが望ましい。
しかしながら、バックアップリング13はOリング11のように伸縮自在な材料では製造されていず、溝19Gへの装着が伸縮自在なOリング11のように容易ではないから、図3Cに図解したように、リングの一部を切断した切り欠き型バックアップリング13を用いて、切り欠き部分を多少広げて溝19Gに配設するようにしてもよい。
バックアップリング13として図3Bに図解したように、完全なリング状のバックアップリングを用いる場合には、図2に図解した溝19Gへの装着は困難になる。そこで、図4に図解したように、軸部19の先端からバックアップリング13をテーパー面19Tまで挿入可能な、平坦な底面19Bに相当する部分が連続するエンドレスタイプの溝構造を有する第2接続部材9Aを用いることが望ましい。図3Bのバックアップリング13に比較して、切り欠き部分から加圧炭酸ガスの漏洩が発生する可能性がある。しかしながら、バックアップリング13は本来、Oリング11の後ろの位置に、狭い隙間(クリアランス)を作ることを主目的としており、Oリング11がバックアップリング13の前段に位置しているので、切り欠き部分からの漏洩は少ない。本発明において、図4に図解した構造をも溝19Gという。
なお、Oリング11は伸縮自在であり、細い径の第2接続部材9Aに嵌着され、加圧炭酸ガスに押圧を受けるときは、図2に図解したと全く同じ状態になる。
このように、溝19Gとしては、図2に図解した形状でも、図4に図解した壁19W1のない形状でもよい。溝19Gとしては、Oリング11が嵌着できる細い径部分、たとえば、底面19Bと、バックアップリング13が装着されるテーパー面、たとえば、テーパー面19Tと、押圧されたバックアップリング13が当接して移動が停止される壁19W2が存在すればよい。
Oリング11と接するバックアップリング13における加圧炭酸ガスが印加される高圧側には、押圧によって変形しバックアップリング13側に移動するOリング11を支持する支持面13Sが設けられている。
第1ガスシール部材としてのOリング11は、加圧されていない空気、すなわち、大気圧の空気など通常状態のガスは透過させない性能を持ち、さらに、加圧炭酸ガスを極力透過させないことが望ましい。しかしながら、Oリング11は第1に、平坦な底面19Bに嵌着される伸縮自在性が要求され、第2に、価格的にも低価格であることが望まれており、汎用的なゴム製のOリング11は、加圧炭酸ガスを透過する可能性がある。なお、本実施の形態においては加圧・加熱炭酸ガスがOリング11を多少は透過してもよいように見込んで設計している。その理由については後述する。
他方、第2ガスシール部材としてのバックアップリング13は、加圧炭酸ガスを透過させない材料で形成する。また、バックアップリング13は、Oリング11のように伸縮自在かつ変形容易なものではなく、圧力印加によって多少変形し、圧力印加の解除により変形が戻る、弾性を有することが望ましい。
そのようなバックアップリング13は、たとえば、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニールフロライド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、PEEK樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料によって形成される。これらの樹脂材料は、炭酸ガスがほとんど透過しない性質を有している。また、バックアップリング13は、気体を通しにくい46ナイロン(またはナイロン46)等の合成高分子材料によって形成することも可能である。
配管3と配管5とを接続する前に、軸部19の先端から溝19G内の、テーパー面19T部分に、たとえば、図3Cに図解したバックアップリング13を装着し、平坦な底面19B部分にOリング11を装着(嵌着)した後、軸部19をハウジング部17の中空部73に挿入させて、ハウジング部17の先端面と本体部90の端面とを当接させ、接続部材7と接続部材9とを、たとえば、図示しないボルトを用いて連結する。
溝19Gの底面19Bに嵌着されたOリング11は、軸部19の外径より突出する。軸部19をハウジング部17の第3中空部73に挿入させたとき、通常、Oリング11はハウジング部17の中空部73の内壁と接触して圧力を受け、その圧縮力により縮み、ハウジング部17の中空部73の内壁と軸部19の溝19Gとの間を外気に対して機密状態にする(シールする)。ここで、「外気に対して機密状態」とは、大気圧の外気が第3の中空部73に入り込まない程度のシール状態を言う。
溝19Gの底面19Bの一部とテーパー面19Tにかけて、あるいは、テーパー面19Tに装着されたバックアップリング13は、傾斜面を持つテーパー面19Tにおける装着位置に応じて軸部19の外径より突出しないか突出する。軸部19の外径より突出するとしても、バックアップリング13がテーパー面19Tのどの位置に装着されるかによってバックアップリング13の突出量は異なる。バックアップリング13が壁19W2側に寄ってテーパー面19Tに装着されると軸部19から突出する量は大きくなる。通常は、図2に例示したように、バックアップリング13を壁19W2と多少離して溝19G内、そして、底面19BにOリング11を嵌着させた状態で軸部19をハウジング部17との間の第3中空部73に挿入させると、バックアップリング13は第3中空部73の内壁に接触してその圧力でテーパー面19Tを左側にずらされて底面19B側に移動する可能性がある。この場合、バックアップリング13は第3中空部73の内壁と接触する場合と、接触しない場合がある。
他方、Oリング11は中空部73の内壁と接触しており、軸部19の溝19Gと第3中空部73との間を、「外気に対して機密状態」にする。このように、軸部19がハウジング部17の中空部73に挿入されて第1接続部材7と第2接続部材9とが連結されたときに、Oリング11は、ハウジング部17の中空部73の内周面の第1被シール面S1と、軸部19の溝19Gの底面19Bの第2被シール面S2とに接触して、第1被シール面S1と第2被シール面S2との間を、接続装置1の外部に対して機密状態にする(シールする)。
しかしながら、このOリング11による機密状態は加圧炭酸ガスの漏洩に対しては十分ではなく、加圧炭酸ガスの十分な漏洩対策にはバックアップリング13が必要になる。
第1接続部材7と第2接続部材9とを連結後、第1接続部材7側から第2接続部材9側に向かって加圧された炭酸ガスを流すと、Oリング11は、第1接続部材7および第2接続部材9の内部、すなわち、第3中空部73(通路7a)と、第1接続部材7および第2接続部材9の外部との間の圧力差を受ける。
圧力差を受けたOリング11は、図2に示す低圧LS側に押圧される。低圧LS側は接続装置1に加圧されて送り込まれる炭酸ガスの非加圧側に相当する。
加圧炭酸ガスの圧力を受けているOリング11はバックアップリング13の支持面13Sによって支持されている。このため、圧力差を受けて押圧されて変形しているOリング11によって、さらにバックアップリング13が低圧LS側に、すなわち、内壁19W2に向かって、押圧されて、テーパー面19Tを上昇して移動し、内壁19W2に当接する。この状態で、樹脂製または高分子材料製であり、弾性を有するバックアップリング13は、軸方向の圧縮力によって押圧方向と直交する径方向に拡径し、テーパー面19Tに接する内周の傾斜面(テーパー面)、すなわち、第2被シール面S2と、中空部73の内壁に接する外周面、すなわち、第1被シール面S1とにそれぞれ密着するまで弾性変形する。特に、バックアップリング13の傾斜面の先端は細いので弾性変形しやすい。
さらに、冷媒としての加圧炭酸ガスは、たとえば、40〜80℃に加熱されている。そのため、Oリング11はもとよりバックアップリング13も加熱されて変形しやすくなる。特に、バックアップリング13の傾斜面の先端は細いので弾性変形しやすい。
このように上記変形が進み、バックアップリング13と第1被シール面S1および第2被シール面S2との密着性が一層高まる。その結果、バックアップリング13によるシール効果が一層促進する。
その結果、被シール面S1およびS2とバックアップリング13の支持面13Sとの間に存在する隙間20Sが非常に狭まるか、隙間が実質的に無くなり、隙間20S部分を炭酸ガスが通過する量が極端に減少するか、通過できなくなる。
テーパー面19Tの役割について考察する。仮に溝19Gとして平坦な底面19Bと、壁19W1、19W2または壁19W2のみで形成され、溝19Gにテーパー面19Tが存在しない場合には、バックアップリング13によってハウジング部17の第3中空部73と軸部19との間の隙間20SへのOリング11の変形部分のはみ出しを防止することは可能であるものの、上述した圧力差を利用して隙間20Sを小さくすることはできない。
加圧炭酸ガスに押圧されたOリング11と、そのOリング11の押圧により、さらに、加熱により、径方向に拡大したバックアップリング13とにより、隙間20Sが小さくなった、または、事実上隙間が無くなった被シール面S1,S2と支持面13Sとにほぼ全面的に密着する。これにより、図2に示すように、Oリング11を透過した炭酸ガスGの低圧LS側における透過面積は限りなく小さくなる。その結果、低圧LS側への炭酸ガスGの漏洩量を限りなく小さくすることができる。
なお、ガス透過面積を小さくすることによってガス漏洩量を減少させることが可能であるという原理については後述する。
以上のように、第1実施形態に係る接続装置1においては、炭酸ガスが透過する可能性がある材料からなるゴム製のOリング11を用いた場合でも、加圧炭酸ガスの押圧により変形したOリング11により第1のシール効果を発揮させ、さらに、Oリング11の押圧によりバックアップリング13をテーパー面19Tを移動させ、さらに、バックアップリング13の径方向に拡大する弾性変形による第2のシール効果により、被シール面S1およびS2を閉鎖状態にして炭酸ガスを透過させない状態にする。もちろん、バックアップリング13は炭酸ガスを透過させない材料で形成されているから、溝19Gの後の低圧LS側に位置する、ハウジング部17の第3中空部73の内壁と軸部19との間の隙間(クリアランス)20を通って接続部材7,9の外部へ漏洩する炭酸ガスの量を非常に少なくするか、漏洩しないようにすることができる。
実験例
80℃または40℃、15MPaの炭酸ガスを用いた実験によれば、Oリング11を加圧炭酸ガスを透過させやすい材料で製造した場合でも、Oリング11を加圧炭酸ガスを透過させ難い材料で製造した場合でも、加圧炭酸ガスの漏洩量に変化はなかった。よって、ガスシール性能は、第1ガスシール部材としてのOリング11より第2ガスシール部材としてのバックアップリング13のほうが高かった。
上述したように、冷媒としての加圧炭酸ガスは、加圧されているだけでなく、通常、たとえば、40〜80℃に加熱されている。そのため、バックアップリング13も加熱されて変形しやすくなり、上記弾性変形が進み、第1被シール面S1および第2被シール面S2との密着性が一層高まる。その結果、バックアップリング13によるシール効果が一層促進するためと推定される。
本実施の形態の実施に際しては、軸部19の溝19Gとして特別複雑な構造にする必要がなく、また、特別複雑な手順を必要としないため、簡単かつ容易に炭酸ガスの漏洩量を小さくするか、または、事実上無くすことができる。
また、本実施の形態の接続装置の構造が簡単であり、汎用性のあるOリングを用いることができるため、コストの上昇を抑制することもできる。
第1実施の形態の変形形態
第1実施の形態は軸部19側に溝19Gを形成した場合を例示したが、たとえば、図5A、5Bに図解したように、2つの半溝を組み合わせても、上記同様の溝を構成することもできる。
図5Aにおいて、軸部19aに形成される第1半溝19G1は、平坦な底面19Bとテーパー面19Tと、壁19W11、19W21とを有する。底面19Bとテーパー面19Tとは図2に図解した溝19Gにおけるものと同じであるが、壁19W11、19W21の高さが、図2に図解した壁19W1、19W2より低い、たとえば、半分程度低い。すなわち、第1半溝19G1の深さが溝19Gの深さより、たとえば、半分程度浅い。他方、ハウジング部17aの内壁に第2半溝17G1で形成されており、第2半溝17G1は、壁19W21と同程度の高さの壁17Wと、底面17Bとで構成されている。ハウジング部17aの第3中空部73に軸部19aが挿入されたとき、第1半溝19G1と第2半溝17G1とが図5Aに図解したように、軸方向の位置が一致し、実質的に、図2に図解した溝19Gと同じ溝が規定される。軸部19aの第1半溝19G1には事前にバックアップリング13とOリング11とを装着しておく。
図5Bにおいて、ハウジング部17bの内壁に第2半溝17G2で形成されており、第2半溝17G2は、図5Bの壁19W21と同程度の深さ(高さ)の壁17Wと、テーパー面19Tと同じテーパー面17Tと、底面17Bとで構成されている。軸部19bに形成される溝19G1は図5Aのものと同じである。ハウジング部17Bの第3中空部73に軸部19bが挿入されたとき、第1半溝19G1と第2半溝17G2とが図5Bに図解したように、軸方向の位置が一致し、実質的に、図2に図解した溝19Gと同じ溝が規定される。軸部19bの第1半溝19G1には事前にバックアップリング13とOリング11とを装着しておく。なお、図5Bに図解した第2半溝17G2にはテーパー面17Tが形成されているので、バックアップリング13のテーパー面17Tと接する周縁部分は、図2、図3Aに図解したような平坦面ではなく、テーパー面19Tと接する面と同様、傾斜するものを用いる。
上述した例示からも明らかなように、溝19Gに相当する溝は、軸部19またはハウジング部17のいずれか、あるいは、軸部19a、19bとハウジング部1717a、17bとの両者に形成することができる。
確認実験
以下では、隙間20Sと炭酸ガスの漏洩量との相関関係を調べるための確認実験について述べる。
確認実験の前に、まず、Oリング11、バックアップリング13などのシール部材のガス透過面積とガス漏れ量との間の関係について述べる。
ここで、ガス透過面積とは、シール部材の表面積のうちで、シール部材の内部を透過するガスがシール部材の外部へ出ていくことが可能な面積のことである。
ガスの種類、圧力P、温度T、ならびにシール部材のガス透過係数P0とガスが透過する部分の形状が定まれば、ガス漏洩量GLは下記式(1)によって見積もることができる。
GL= (Gmol/k)×P0×(t×S ×P(Pa)/D)

但し、GLはガス漏洩量(g) であり、
Gmol はガスの分子量(g/mol) であり、
kは係数であり、
k=22410 (cm3(STP)/mol)
0 は圧力P(Pa)および温度Tが一定のときのガス透過係数であり、
tは透過時間(秒)であり、
Sは透過面積(cm2) であり、
P(Pa)はその時の圧力であり、
Dは透過距離(cm)である。
・・・(1)
式(1)におけるSTPは標準状態(温度0℃、1atm)を表わしている。
また、ガス透過係数P0は、下記式(2)によって単位化したシール部材のガス透過特性を示す係数である。
P0= (Gt/t)×(D/((S×P(Pa)))

但し、Gtはガス透過量(cm2(STP))である。
・・・(2)
上記式(1)からシール部材 透過面積が小さいほどガス漏洩量GLも小さくなることが分かる。
ここで、JIS K7126のプラスチックフィルムおよびシートの気体透過度試験方法のA法(差圧法)に基づいて、ゴム材料からなるシート状のシール部材、たとえば、Oリング11の炭酸ガス透過特性を調べた。このとき、ガス漏洩量を直接求めるのではなく、シート状のシール部材のガス透過量を調べた。式(1)および式(2)から、ガス透過量が多い場合にはガス透過係数P0が大きくなり、結果的にガス漏洩量も増えることが分かる。
以下に詳細を記す。
図6A〜6Cは、炭酸ガスの透過量の測定に用いた気体透過度測定装置の要部の模式的な構成図である。
気体透過度測定装置および測定方法についてはJIS K7126に記載されているためここでは簡単な記載に留めるが、気体透過度測定装置は、図6Aに示すように、上部セル31と下部セル32とから構成される透過セル30を有している。
上部セル31および下部セル32は、接続部の内周面が内径R1の円形形状をしている。内径R1の大きさは、ここでは、70mmとした。
また、上部セル31は、図示しない試験気体供給器に接続され、試験気体としての炭酸ガスGが導入される導入口31aを有する。下部セル32は、図示しない圧力検出器に接続され、試験片35を透過した炭酸ガスGが導出される導出口32aを有する。
試験片35は、上部セル31と下部セル32との間に、上部セル31と下部セル32との間を密封するように装着される。
試験片35としては、ブチルゴムのシートを用いた。ブチルゴムシート35の厚さは、たとえば、0.3mmとした。
図6Bは、図6Aに示す構成に加えて、直径R2の開孔が中央部に形成されたアルミニウム板37を、ブチルゴムシート35の上部セル31側の面に配置し、アルミニウム板37およびブチルゴムシート35の両方を上部セル31と下部セル32とにより挟み込んだ場合を示している。
図6Cは、アルミニウム板37をブチルゴムシート35の下部セル32側の面に配置し、アルミニウム板37およびブチルゴムシート35の両方を上部セル31と下部セル32とにより挟み込んだ場合を示している。
アルミニウム板37の開孔の直径R2は、図6B、6Cの場合とも10mmとした。
以上の条件において、透過セル30を真空吸引してから、70℃の炭酸ガスGを約101325Pa(1気圧)で上部セル31に導入し、下部セル32における炭酸ガスGの透過量を測定した。
その結果は、図6Aの場合には、透過量が、ブチルゴムシート35の厚さ1mm当たりで2.3cm3・mm/24h・101325Paとなった。また、図6Bの場合には透過量は、図6Aの場合と同じ、2.3cm3・mm/24h・101325Paであった。さらに、図6Cの場合には、図6Aの場合の1/10である、0.23cm3・mm/24h・101325Paであった。
図6Bに図解のように高圧の上部セル31にアルミニウム板37を設けても、ガス透過量はアルミニウム板37が無い図6Aの場合と同じである。一方、図6Cに図解のように低圧の下部セル32側にアルミニウム板37を設けることによって、ガス透過量は図6Aの場合の1/10になる。
以上により、ガス透過量を減少させるためには、ゴム製シール部材(ブチルゴムシート35)にガスが入るガス侵入面積を狭くすることは有効ではなく、シール部材の内部を透過したガスが出るためのガスの出口をアルミニウム板37で狭くすることが有効であることが分かる。すなわち、図6Cに示したように、ブチルゴムシート35の出口のアルミニウム板37がガス透過面積を狭くしている。
したがって、図1〜図5を参照して述べた接続装置1において、加圧ガスが導入する平坦な底面19Bではなく、アルミニウム板37と同じ作用をするテーパー面19T部分の隙間20Sを小さくすることにより、Oリング11の透過面積を可能な限り小さくすることができる。すなわち、隙間20Sを小さくすることが、Oリング11およびバックアップリング13を通って接続部材7,9の外部への炭酸ガスの漏洩を防ぐために有効であることが分かる。
テーパー面19Tを用い、第1ガスシール部材としてのOリング11と第2ガスシール部材としてのバックアップリング13とを組み合わせた効果を考察する。Oリング11単体としては、接続装置1の内部が大気圧状態において接続装置1の内部と外部とを機密状態に維持しつつ、第1配管3および第2配管5に加圧ガスが導通して接続装置1の内部が高圧状態になったとき加圧ガスの漏洩をある程度防止する。他方、バックアップリング13は、大気圧状態においては、ハウジング部17の内壁から離れている可能性があるし、テーパー面19Tとの接触も弱いから機密状態を維持できる保証はない。したがって、上記高圧状態においては、テーパー面19Tとハウジング部17の内壁とにおいて径が拡大して、第1被シール面S1および第2被シール面S2を密封し、Oリング11のガスシールに加えて、加圧炭酸ガスの漏洩を防止する。このように、バックアップリング13によりOリング11の低圧LS側の断面積が小さくなることにより、Oリング11自体に加圧炭酸ガス封止(シール)効果が著しく増加する。すなわち、第1ガスシール部材としてのOリング11と、第2ガスシール部材としてのバックアップリング13と、テーパー面19Tとハウジング部17の内面に規定される領域とが協働して、接続装置1の機密性を著しく向上させる。このように、テーパー面19Tの存在のもと、Oリング11とバックアップリング13とを組み合わせることにより、ガスシール手段として相乗効果を奏する。
バックアップリングおよび被シール面
隙間20Sを可能な限り小さくするためには、被シール面S1、S2の間にバックアップリング13を適切に装着する必要がある。以下に、軸部19の溝19Gのテーパー面19Tと、隙間20Sとの関係を、図7A、7Bを参照して詳細に述べる。
図7A,7Bは、図2の図解と同様、接続装置1の要部を示した部分拡大図である。図2に示す構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、詳細な記述は省略する。ただし、図7A,7BにおいてOリング11の図解を省略している。
図7Aは、常温で炭酸ガスを流さず大気圧状態における、Oリング11によるバックアップリング13を押圧しない状態における軸部19の溝19Gへのバックアップリング13の装着状態を示している。
たとえば、壁19W2から離れたテーパー面19Tの低部に装着された時のバックアップリング13の外径がハウジング部17の内径に接触しないようにバックアップリング13を形成する。また、前述のように、テーパー面19Tに接触するバックアップリング13の内周側は、テーパー面19Tの傾きと同じ傾きを有し、かつ、環状のテーパー面13Tを形成しておく。
テーパー面19Tと同じ傾きのテーパー面13Tを有するバックアップリング13を、溝19Gのテーパー面19T部分に装着する。加圧炭酸ガスを流さずOリング11がバックアップリング13を、図7Bにおいて、右側にテーパー面19Tに沿って押圧しない状態においては、被シール面S1およびS2とバックアップリング13の支持面13Sとの間に多少の隙間20Sが存在する。この隙間20Sの大きさは、たとえば、0.05mmであったとする。
炭酸ガスが流れると、接続装置1の内部の高圧HS側から接続装置1の外部に連通する低圧LS側に向かって、図示しないOリングを介してバックアップリング13が右側に押圧される。その結果、図7Bに示すように、バックアップリング13が、図7Aにおいて、テーパー面19Tの上を低圧LS側に(壁19W2に向かって)移動し、バックアップリング13の周縁部がハウジング部17の内壁に接触する。場合によっては、バックアップリング13は壁19W2に当接する。
このとき、ハウジング部17の内壁とテーパー面19Tの移動抑制作用により、低圧LS側へのバックアップリング13の移動に伴ってバックアップリング13は径方向に圧縮されて隙間20Sが小さくなる(狭まる)。また、壁19W2にバックアップリング13が当接した場合は、壁19W2もバックアップリング13の移動を抑制する作用をもつ。
しかしながら、溝19Gのテーパー面19Tとバックアップリング13のテーパー面13Tの傾きが同じであり、かつ、炭酸ガスを流さない状態において隙間20Sが存在している場合には、炭酸ガスからの押圧力によるOリング11の変形に起因するOリング11のバックアップリング13への押圧力は、主としてバックアップリング13の径を縮径させるための応力に変換される。このため隙間20Sは狭まるものの、バックアップリング13の低圧LS側への移動に伴い被シール面S1、S2との間を加圧炭酸ガスを十分シールさせるほどバックアップリング13を圧縮する応力はほとんど発生しない。
被シール面S1,S2間におけるテーパー面19Tとバックアップリング13のリング状テーパー面13Tとの関係を図7Aに示す構成にし、たとえば46ナイロンによってバックアップリング13を形成する。また、たとえば、常温において6.5MPaの炭酸ガスを高圧HS側に流す。
このとき、図7Bに示すように被シール面S1,S2とバックアップリング13の支持面13Sとの距離が狭まった状態における隙間20Sの大きさは、0.99×10-3mmであった。この程度の大きさの隙間20Sが存在すると、炭酸ガスの漏れが生じる。
このように、溝19Gのテーパー面19Tとバックアップリング13との間に、単にテーパー面19Tとリング状テーパー面13Tとの傾斜を同じにしたテーパーを設けただけでは、隙間20Sを可能な限りゼロに近づけることはできない。
隙間20Sを可能な限り小さくするためには、たとえば、図8A,8Bに示す構成のバックアップリングおよび被シール面S1,S2にする必要がある。
図8A,8Bは図7A,7Bの図解と同じく接続装置1の要部を示した部分拡大図であり、図8Aが炭酸ガスを流さない状態を示しており、図8Bが炭酸ガスによりバックアップリング13eを押圧した状態を示している。ただし、図8A,8BにおいてOリング11は図示を省略している。
図8A,8Bに示すバックアップリング13eは、テーパー面19Tと接するテーパー面の傾きが図7A,7Bに示したバックアップリング13のリング状テーパー面13Tとは異なる。
図8A,8Bに示したバックアップリング13e以外の構成要素は図2および図7A,7Bに示した構成要素と同じであるため、同一構成要素には同一符号を付し、詳細な記述は省略する。
図8Aに示すように、溝19Gのテーパー面19Tに接するバックアップリング13eの内周側には、高圧HS側の内径Rd1よりも低圧LS側の内径Rd2が小さく、加圧炭酸ガスが流れない状態において、高圧HS側の端部がテーパー面19Tに接触し、低圧LS側の端部がテーパー面19Tに接触しない、傾斜を持つリング状テーパー面13Teを形成する。すなわち、テーパー面13Teの傾きは、被シール面S2のテーパー面19Tの傾きよりも大きくしておく。
このようなバックアップリング13eを溝19Gのテーパー面19T部分に装着すると、テーパー面19Tと接するバックアップリング13eの内周側には、高圧HS側から低圧LS側に向かってひろがる隙間が発生する。バックアップリング13eのテーパー面13Teの高圧HS側の端部のテーパー面13Dが、加圧炭酸ガスによってバックアップリング13eの低圧LS側への移動に伴ってつぶれる「つぶし代」になる。
加圧炭酸ガスが流れると、図8Bに示すようにバックアップリング13eは高圧HS側から低圧LS側に向かってが押圧され、低圧LS側に移動する。このバックアップリング13eの低圧LS側への移動によって、図8Bに図解した、ハウジング部17の内壁とテーパー面19Tと接触する、領域13A1,13A2に、バックアップリング13eの高圧側に部分的に圧縮応力が加わる。
このように、テーパー面13Teおよびテーパー面19Tの傾きの違いにより部分的に圧縮応力が発生するため、第1実施の形態と同じ押圧力が印加されたときでも、バックアップリング13eは図7Bに示すバックアップリング13よりも被シール面S1,S2に強く密着する。その結果、隙間20Sを可能な限り小さくすることができる。
たとえば、46ナイロンによって図8Aに示すように高圧HS側につぶし代13Dを設けてバックアップリング13eを形成し、図7Aにおけるバックアップリング13の試験と同様に、常温において6.5MPaの炭酸ガスを高圧HS側に流した。その結果、高圧HS側における隙間20Sは計測できないほど小さくなり、低圧LS側への炭酸ガスの漏れを可能な限り小さくすることができた。
以上のように、バックアップリング13eのテーパー面13Teと溝19Gのテーパー面19Tの傾きを異ならせることによって、具体的には、テーパー面13Teの傾斜をテーパー面19Tの傾斜角度より大きくすることにより、バックアップリング13eの高圧側の端部が低圧LS側への移動に伴って軸方向に部分的に圧縮される。被シール面S1と被シール面S2との間でバックアップリング13eが圧縮されることにより、バックアップリング13eの圧縮された部分が径方向に膨張し、被シール面S11,S2に強く密着する。
図8Aに示すようにバックアップリング13eの高圧HS側につぶし代13Dを設けた場合には、高圧HS側の隙間20Sがゼロに近づくため、加圧炭酸ガスにより押圧されるOリング11が隙間20Sに入り込むおそれがなく、Oリング11の変形に対する負担が軽減し、Oリング11の過度の変形を防止することができる。
図8A,8Bにおいては、テーパー面19Tと接するバックアップリング13eの内径側につぶし代13Dを設けた例を示したが、逆に、ハウジング部17の第3中空部73に接するバックアップリング13eの外周側に「つぶし代」を設けることも可能である。このように、「つぶし代」はバックアップリングの内周側か外周側の少なくともいずれか一方に設ければガス漏洩を抑制することは可能であるが、内周側と外周側との両方に「つぶし代」を設ければガス漏洩量をさらに低減することができる。
なお、図8A,8Bにおいては、高圧HS側においてバックアップリング13eに部分的な圧縮が発生するようにテーパー面13Teおよびテーパー面19Tの傾きを決めた。しかしながら、ハウジング部17、溝19G、およびバックアップリング13eの形状を工夫することによって、軸部19の軸方向DALに沿ってバックアップリング13eを均一に圧縮させることもできる。被シール面S1,S2間においてバックアップリング13eを均一に圧縮することにより、低圧LS側へのガス漏洩量をさらに少なくすることができる。
第1ガスシール部材としてのOリング11と第2ガスシール部材としてのバックアップリング13との役割、および、テーパー面19Tの役割について整理する。
Oリング11単体としては、第1配管3および第2配管5に加圧ガスが導通していず接続装置1の内部が大気圧と同等の低圧状態において接続装置1の内部と外部とを機密状態に維持しつつ、第1配管3および第2配管5に加圧ガスが導通して接続装置1の内部が高圧状態になったとき加圧ガスの漏洩をある程度防止する。
他方、バックアップリング13は、上記低圧状態においては機密状態を維持できる保証はないが、上記高圧状態においては、テーパー面19Tとハウジング部17の内壁とにおいて径が拡大して、第1被シール面S1および第2被シール面S2を密封し、Oリング11のガスシールに加えて、加圧炭酸ガスの漏洩を防止する。
さらに、バックアップリング13によりOリング11の低圧LS側の断面積が小さくなることにより、Oリング11自体に加圧炭酸ガス封止(シール)効果が増加する。
このように、第1ガスシール部材としてのOリング11と、第2ガスシール部材としてのバックアップリング13と、テーパー面19Tとハウジング部17の内面に規定される領域とが作用して、接続装置1の機密性を著しく向上させる。
すなわち、第1ガスシール部材としてのOリング11と、第2ガスシール部材としてのバックアップリング13とは、単独で異なる役割を持ち、その材料も異なるが、テーパー面19Tの存在のもと、Oリング11とバックアップリング13とを組み合わせることにより、ガスシール手段として相乗効果を奏する。
第2実施形態
図9A、9Bを参照して本発明の第2実施の形態を述べる。
図9Aは本発明の第2実施形態に係る接続装置50を示す断面図であり、図9Bは図9Aの部分拡大図である。
第1実施形態に係る接続装置1はハウジング部17と軸部19との円筒面との間のクリアランス(隙間)をシールする円筒面シールの構造を有していたが、第2実施の形態は第1接続部材7と第2接続部材9との端面をシールする構造を有する。
第2実施の形態の接続装置50は、第1実施の形態における第1接続部材7に代えて第1接続部材47を用い、第2接続部材9に代えて第2接続部材49を用い、バックアップリング13に代えてバックアップリング53を用いている。Oリングには、接続装置1の場合と同じOリング11を用いるものとする。なお、接続装置50に流すガスの種類や接続部材のシール部の形状に応じてOリング11とは異なるOリングを使用することもできる。
配管3に接続される第1接続部材47と配管5に接続される第2接続部材49とが互いに連結し、接続装置50の内部の流路に加圧された炭酸ガスを流すという接続部材47,49の機能は第1実施形態の場合と同じである。
第1接続部材47の第1中空部471に第1配管3を嵌装し、端部外表面CL1を、たとえば溶接によって接続する。同様に、第2接続部材49の第3中空部491に第2配管5を嵌装し、端部外表面CL2を、たとえば溶接によって接続する。
第1接続部材47には第1フランジ部57が設けられ、第2接続部材49には第2フランジ部59が設けられる。第1フランジ部57と第2フランジ部59とは、第1接続部材47と第2接続部材49とを連結したときに対向して面着するように設けられている。
第1接続部材47にはフランジ部57の面と第1中空部471に連通する第2中空部472が設けられ、第2接続部材49にはフランジ部59の面と第3中空部492に連通する第4中空部492が設けられており、フランジ部57の面とフランジ部59の面とを対向させて面着させたとき、第2中空部472と第4中空部492とが連通する。第2中空部472と第4中空部494とは同じ内径を持つ。
図9Bに拡大して図解したように、第1接続部材47のフランジ部57に、溝57Gおよびテーパー面57Tが形成されている。
テーパー面57Tは、第1実施形態の場合のテーパー面19Tと同様に、溝57Gの平坦な底面57Bから連続して、第1接続部材47および第2接続部材49の外部の低圧LS側に向かうにつれて溝が浅くなるように形成されている。
溝57Gの底面57BにOリング11が装着される。Oリング11は、接続装置50においては、第1接続部材47と第2接続部材49とをフランジ部57の面とフランジ部59の面とを面着して連結したときに、溝57Gの底面57Bを第1被シール面S1、および、この底面に対向するフランジ部59の面59Sを第2被シール面S2として、これら被シール面相互間をシールする。
バックアップリング53は、本実施の形態においては、フランジ部57の溝57Gへの装着が容易であるため、好適には、図3に図解したものに類似する完全なリング状に形成する。バックアップリング53は、溝57Gにおいて、内周面である支持面によってOリング11の外周を支持するように配置される。したがって、バックアップリング53は、図9Bの図解のようにOリング11よりも低圧側に配置される。
バックアップリング53は、第1実施形態において用いたバックアップリング13の材料として挙げた材料と同じ炭酸ガスを透過しにくい樹脂や高分子材料を用いて形成され、テーパー面57Tに一致するテーパー面、または、テーパー面57Tの傾斜より角度が大きな傾斜を持つテーパー面をもつ。バックアップリング13のテーパー面がテーパー面57Tの傾斜より角度が大きな傾斜を持つ場合の利点は、図8A、図8Bを参照して上述したとおりである。
以上の構成により第1フランジ部57の面と第2フランジ部59の面とを面着している端面においてシール構造を実現することができる。
接続部材47,49を連結し、配管3,5に加圧されたガスを流した場合には、第1実施形態の場合と同様に、接続部材47,49の内部の高圧HS側と外部の低圧LS側との間の圧力差を受けてOリング11が低圧LS側に押圧される。その結果、バックアップリング53の支持面を介してOリング11によって押圧されたバックアップリング53は、低圧LS側に移動し、テーパー面57Tによって、溝57Gおよびフランジ部59の被シール面と支持面との間の隙間が狭まるように弾性変形する。
これにより、低圧LS側におけるOリング11のガス透過面積が限りなく小さくなり、低圧LS側への炭酸ガスの漏れを限りなく小さくすることができる。
第2実施の形態において、一方の(第1)フランジ部57に溝57Gを形成するだけでなく、他方の(第2)フランジ部59に溝57Gと同様の溝を形成することができる。
さらに、第2実施の形態においても、図5A、図5Bを参照した例示したように、両者のフランジ部57、59に半溝を形成し、両者のフランジ部57、59を組み合わせたとき、上記溝57Gと同等の溝が形成されるようにすることもできる。
以上のように、端面シール構造にした場合にも、低圧LS側への炭酸ガスの漏洩を大幅に低減することができる。
このように、第2実施の形態においても、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2実施の形態の端面シール構造にした場合には、第1実施形態の場合と比較して接続部材の形状を単純なものにすることができ、コスト低下につなげられるという効果も得ることができる。
第3実施形態
図10、図11を参照して本発明の第3実施の形態について述べる。
図10は本発明の第3実施形態に係る接続装置および密封装置を示す断面図であり、図11はその要部の模式的な部分拡大図である。
第3実施形態に係る接続装置100は、第1および第2実施形態のようなバックアップリングを用いずに、Oリング11のみで炭酸ガスの漏洩を防ぐための接続装置である。
接続装置100は、バックアップリングを有しておらず、本発明の第1および第2の接続部材としての第1接続部材107および第2接続部材109の形状が、第1実施形態とは異なる。それ以外の構成は第1実施形態と同じであるため、詳細な記述は省略する。
第2接続部材109の軸部119は、Oリング11が装着される溝を有しない。その代わりに、第1接続部材107および接続部材109には、互いを連結させたときに当接する第1当接面AS1および第2当接面AS2が設けられている。
第1接続部材107の第1当接面AS1は、ハウジング部117の先端の接続部材109に対向する面として設けられている。また、第2接続部材109の第2当接面AS2は、軸部119が設けられるベースとしての面になっている。
ハウジング部117の先端の内壁隅部は、たとえば、溝120の断面形状が、当接面AS1,AS2に向かうにつれて狭くなる三角形状になるように面取りされる(切り欠きされている)。このように、本実施形態においては、第1実施の形態と同様な方法で、接続部材107,109を連結したときに、当接面AS1,AS2に連続した第2部分の溝120が形成されるように接続部材107のハウジング部117の先端の内壁隅部が面取りされている(切り欠きされている)。ハウジング部117の先端が切り欠きされ、Oリング11が収容される断面が三角の部分が第1部分の溝として規定される。
Oリング11が収容される切り欠き部分と、第1当接面AS1と第2当接面AS2とで規定される第2部分の溝120とが、本発明の溝部、すなわち、ガスシール手段の収容部の一実施態様に相当する。
ハウジング部117の面取り面(切り欠き面)が、第1接続部材107の被シール面S10となる。また、断面三角形状の溝120の被シール面S10以外の2面が、接続部材119の被シール面S20になる。
Oリング11は、第1接続部材107の被シール面S10と第2接続部材109の被シール面S20との間をシールする。
以上の構成により、第1実施の形態と同様の方法で、接続部材107,109を連結した場合に、当接面AS1と当接面AS2とが互いに当接することによって、Oリング11の低圧LS側における隙間20ASがゼロに近づく。
溝120が被シール面S10および被シール面S20によってOリング11を押圧して、さらに、ガスの圧力がOリング11に作用することにより、当接面AS1,AS2と被シール面S10,S20との間の隙間を埋めるようにOリング11が弾性変形する。これにより、低圧LS側におけるOリング11のガス透過面積が限りなく小さくなり、Oリング11自体のある程度のガス透過防止機能に加えて、炭酸ガスの漏洩量を著しく減少させることができる。
以上のように、第3実施形態によっても、低圧LS側への加圧炭酸ガスの漏洩量を可能な限り小さくすることができる。
第3実施の形態の実施に際しては、バックアップリングを必要としないため、上述した実施形態よりもさらに簡単かつ容易に炭酸ガスの漏洩を防ぐことができる。また、上述し実施形態よりもさらに接続装置のコストが低下する。
第4実施形態
図12を参照して本発明の第4実施の形態について述べる。
図12は本発明の第4実施形態に係る接続装置および密封装置を示す断面図である。
第4実施形態に係る接続装置150は、シール部材としてOリングではなく平板状のシール部材151を用いてシールする接続装置である。
接続装置150は、第1接続部材157と、第2実施形態において用いた接続部材と同じ第2接続部材49と、平板状のシール部材151とを有している。これら以外の構成要素は第2実施形態のものと同じであるため、詳細な記述は省略する。
第2実施の形態と同様、第1配管3が第1中空部1571に嵌装されて接続部材157に接続される。同様に、第2配管5が第3中空部491に嵌装されて接続部材49に接続される。
接続部材157と接続部材49とは、互いに連結されたときに対向する第1被シール面S30と第2被シール面S40をそれぞれ有している。被シール面S30,S40は、平面状である。
接続部材157および接続部材49は、第1実施形態における接続部材7,9と同様に、炭素ガスを透過させない材料または透過困難な材料によって形成される。
シール部材151は、第2中空部1572および第4中空部492と同じ直径を持ち、第2中空部1572と第4中空部492とを連通させ、炭酸ガスを流すための開孔部151aを有する薄い平板状に形成されたものであり、樹脂シートや、両面にゴムを薄くコーティングした金属製ガスケットで構成されている。平板状のシール部材151の両側の平面がシール面となる。
シール部材151に用いる樹脂の材料としては、たとえば、上述した実施形態におけるバックアップリングの材料と同じポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニールフロライド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、PEEK樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂、ポリイミド樹脂を用いることができる。46ナイロン等の気体を通しにくい合成高分子材料によってシール部材151を形成してもよい。
平板状のシール部材151は、接続部材157と接続部材49への配管3,5の接続時に、第2中空部1572および第4中空部492に規定される流路7a,9aに開孔部151aを連通させて、接続部材157と接続部材49との間に挟まれる。
接続部材157と接続部材49との間に平板状のシール部材151を挟むことによって、シール部材151の平面状のシール面が平面状の被シール面S30および被シール面S40に密着し、接続部材157と接続部材49との間がシールされる。
接続部材157,49で平板状のシール部材151を挟んでシールすることにより、接続部材157,49(接続装置150)の外部の低圧LS側におけるシール部材151のガス透過面積が小さくなる。また、炭酸ガスがシール部材151の内部を透過して接続部材157,49の内部の高圧HS側から接続装置150の外部の低圧LS側に至るまでのガス透過距離が長くなる。
ガス透過面積が小さくなり、透過距離が長くなれば、式(1)から、ガス漏れ量が減少することが分かる。
他方、従来のようなOリングを用いた円筒面シールの場合、はめあい(嵌合)の径を小さくすることによりOリングの径が小さくなり、これによりガス透過面積を小さくすることができる、よりOリング径が小さくすることによりガス透過面積を小さくすることができるが、はめあいの径をある程度以下に小さくすることは困難である。また、Oリングの線径(断面の径)を小さくすることによっても透過面積を小さくすることができるが、線径を小さくし過ぎると、加圧炭酸ガスの押圧によるOリングの最低限の「つぶし代」を確保することが困難になる。したがって、Oリングの線径(直径)をある程度以下にすることもできない。Oリングの線径を小さくした場合には、ガス透過距離が短くなることにもつながるため、ガス漏れ量の増加につながるという不利益もある。
本実施形態においては、シール部材151を平板状にすることにより、上記のような不利益を解消し、低圧LS側への炭酸ガスの漏れを大幅に低減させることができる。
本実施の形態の実施に際して、接続装置およびシール部材の構造が簡単であり、シール部材にはOリングと同じ材料を用いることができるため、容易にシールを行なうことが可能であるとともに汎用性を得ることができ、コスト低減化の効果も得られる。
第5〜7実施形態
図13〜図15を参照して本発明の第5〜7実施の形態について述べる。
第1〜4実施形態を適宜組み合わせることによって、さらに高いシール効果を得ることができる。その例示を図13〜図15を参照して述べる。
図13に示す接続装置200は、第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせたものである。接続装置200においては、第1実施の形態における第1のOリング11と、バックアップリング13と、第3実施の形態の第2のOリング110とを用いている。すなわち、過去の2つのOリングと、バックアップリング13とを用いている。このように第1実施の形態と第3実施の形態とを組み合わせれば、相乗効果により、加圧炭酸ガスの漏洩は非常に少なくなる。
図14に示す接続装置250は、第1実施形態と第4実施形態とを組み合わせたものである。ただし、図12におけるシール部材151のかわりに、第2接続部材9の軸部19の根元の端面と、第1接続部材7のハウジング部17の先端の端面との間に平板状のシール部材251を用いている。Oリング11とバックアップリング13との部分は第1実施の形態と同様である。
図15に示す接続装置350は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。ただし、第2実施の形態を、ハウジング部17の先端面と、本体部70の端面とに適用している。
このように第1実施の形態と第4実施の形態とを組み合わせれば、相乗効果により、加圧炭酸ガスの漏洩は非常に少なくなる。
さらに、図14に図解した第2接続部材9の軸部19の根元の端面と第1接続部材7のハウジング部17の先端の端面との間に平板状のシール部材251を装着した第4実施の形態に代えて、図9A、9Bを参照して述べた第2実施の形態を適用することもできる。 以上のように、本発明の実施形態を種々組み合わせることによって、それ以外には特別な装置や構造を必要とすることなく、さらに高いシール効果を得ることができる。
また、比較的簡単な構造によってシール効果を向上可能であることによって、冷房装置等の装置の高効率化と、その際のコスト抑制を達成できるという効果もある。
以上、本発明の好適実施の形態について述べたが、本発明は上記実施の形態に限定されない。
たとえば、上記本発明の実施の形態においては配管の接続部に本発明の接続装置を適用する形態について述べたが、ガスが封入される容器とその蓋のように、ガスが接触する他の部材間のシールに本発明を適用することも可能である。
また、第3実施形態において、溝120の断面三角形状の断面形状に合わせて、Oリング351の断面形状を三角形状にしてもよい。溝120の形状も、断面三角形状に限らず、シール部材の低圧側におけるガス透過面積が小さくなる形状であればよい。溝の形状を変更可能であることは、図13に示す接続装置200の場合にも当てはまる。
第1および第2実施形態において、図8A,8Bに示すようなつぶし代13Dを有するバックアップリング13eを用いれば、接続装置200および接続装置250のような他のシール部材を併用する形態よりも高いシール性を得ることが可能になる。これにより、溝120の形成やシール部材251の装着の手間を省き、密封装置および接続装置の構造の複雑化を防止することができる。
本発明の隙間狭小化手段の形状は、軸部19の溝19Gのテーパー面19Tのようなテーパー面に限らず、隙間狭小化手段が設けられる位置も軸部19に限らない。たとえば、テーパー面はハウジング部17に設けてもよく、被シール面とバックアップリングとの間の隙間を隙間狭小化可能であれば、狭小化手段の形状や配置位置は任意である。
さらには、上記実施形態を3つ以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る接続装置は、冷房装置における加圧・加熱炭酸ガスが流れる配管の接続に用いるだけでなく、シール部材およびバックアップリングの材料を適宜選択することにより、他のガスのシールに用いることもできる。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、ガスがシール部材を透過し易い状態においても、汎用的なシール部材を用いて、連結される部材の間を簡単かつ効果的にシールすることが可能な密封装置を提供することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、配管を流れるガスがシール部材を透過し易い状態においても、汎用的なシール部材を使用して、配管を簡単かつ効果的にシールして接続することが可能な接続装置を提供することもできる。
本発明の接続装置(密封装置)は冷房装置の冷媒の密封(機密)など各種のガスの封止に使用できる。特に、本発明の接続装置は分子量が少なく、高圧のガスの封止に適している。
図1は本発明の第1実施形態に係る接続装置の断面図である。 図2は図1に図解した接続装置の部分拡大図である。 図3A〜3Cは図1および図2に図解したバックアップリングの断面図、および、正面図である。 図4は本発明の第1実施の形態の変形態様の接続装置の部分拡大図である。 図5A、5Bは本発明の第1実施の形態の他の変形態様の接続装置の部分拡大図である。 図6A〜6Cは本発明の接続装置に適用するバックアップリングの効果を説明する図である。 図7A、7Bは本発明の第1実施の形態の接続装置における第1形態のバックアップリングの形状とその効果を説明する図である。 図8A、8Bは本発明の第1実施の形態の接続装置における第2形態のバックアップリングの形状とその効果を説明する図である。 図9A、9Bは本発明の第2実施形態に係る接続装置の断面図とその部分拡大図である。 図10は本発明の第3実施形態に係る接続装置の断面図とその部分拡大図である。 図11は本発明の第3実施形態に係る接続装置の断面図とその部分拡大図である。 図12は本発明の第4実施形態に係る接続装置の断面図とその部分拡大図である。 図13は本発明の第5実施形態に係る接続装置として、第1実施の形態の接続装置と第3実施の形態の接続装置とを組み合わせた接続装置の断面図である。 図14は本発明の第6実施形態に係る接続装置として、第1実施の形態の接続装置と第4実施の形態の接続装置とを組み合わせた接続装置の断面図である。 図15は本発明の第7実施形態に係る接続装置として、第1実施の形態の接続装置と第2実施の形態の接続装置とを組み合わせた接続装置の断面図である。
符号の説明
1、5、100、150、200、250…接続装置、
3…第1配管、
5…第2配管、
7…第1配管接続部材、
70…本体部、17…ハウジング部、71…中空部、
9…第2配管接続部材、
90…本体部、19…軸部、18G…溝、
11、51、110、351…シール部材、
13、13e、53…バックアップリング

Claims (8)

  1. 冷媒として使用される、加圧されている炭酸ガスの密封装置であって、
    冷媒としての炭酸ガスをシールするガスシール手段と、
    第1接続用中空部材と、
    第2接続用中空部材と
    を具備し、
    前記第1接続用中空部材と前記第2接続用中空部材との接続により、前記第1の接続用中空部材と前記第2の接続用中空部材との間に前記冷媒としての炭酸ガスを通過させる中空部を有する接続部を構成し、かつ、該接続部における前記冷媒としての炭酸ガスが漏洩する部分に下記の構成を有する溝部が形成され、
    前記溝部は、前記冷媒としての炭酸ガスの漏洩する向きに沿って、第1部分と、該1部分と連続し該1部分の断面積より小さい第2部分とを有し、該第2部分は前記冷媒としての炭酸ガスが漏洩する向きに沿って厚さが薄くなるように傾斜しているテーパー面を持ち、
    前記ガスシール手段は、前記溝部の前記第1部分に配設されたゴム製のOリングと、前記溝部の前記第2部分に配設された46ナイロン製の1個のバックアップリングとを有し、
    前記バックアップリングは、前記溝部の前記第2部分の前記テーパー面と接触する傾斜面を有し、前記冷媒としての炭酸ガス、および、前記Oリングの変形および移動による押圧により前記溝部の前記第2部分において径方向に拡大し、かつ、前記溝部の前記第2部分を移動し、
    前記バックアップリングの前記傾斜面の角度は、前記溝部の前記第2部分の前記テーパー面の角度より大きく、前記冷媒としての炭酸ガスによる押圧時により前記バックアップリングの前記傾斜面が潰れて前記溝部の前記第2部分の隙間をさらに狭め、
    前記溝部の前記第2部分の先端には前記バックアップリングが突出しうる空隙が設けられている、
    炭酸ガス密封装置。
  2. 前記溝部の前記第1部分に配設された前記Oリングおよび前記溝部の前記第2部分に配設された前記バックアップリングは、前記冷媒としての炭酸ガスの漏洩方向に沿った圧力差により変形する、
    請求項1に記載の炭酸ガス密封装置。
  3. 前記冷媒としての炭酸ガスは加熱されており、
    前記Oリングおよび前記バックアップリングはそれぞれ前記加熱された炭酸ガスの温度により加熱されて、さらに前記溝部内の前記第1部分および前記第2部分で拡大変形される、
    請求項1または2に記載の炭酸ガス密封装置。
  4. 前記第1接続用中空部材は、
    第1本体部と、
    該第1本体部と一体構成され、中空部を有するハウジング部と
    を有し、
    前記第2接続用中空部材は、
    第2本体部と、
    該第2本体部と一体構成され、中空部を有し、前記ハウジング部の前記中空部の内部に挿入可能な外径を有する軸部と
    を有し、
    前記軸部の前記中空部が前記ハウジング部の前記中空部に臨むように前記軸部が前記ハウジング部の前記中空部の内壁と所定のクリアランスをもって挿入されており、
    前記軸部の外周と前記ハウジング部の前記中空部の内壁との間に位置し、前記軸部の外周または前記ハウジング部の前記中空部の内壁に、前記冷媒としての炭酸ガスが流れる方向に沿って、前記冷媒としての炭酸ガスが導入する第1部分と、該第1部分に連続し前記第1部分の断面より小さな断面を有し前記加圧ガスが排出する第2部分とを有する前記溝部が形成されており、
    前記Oリングが、前記軸部の外周と前記ハウジング部の前記中空部の内壁に接して前記溝部の前記第1部分に配設されており、
    前記バックアップリングが前記溝部の前記第2部分に配設されている、
    請求項1〜3いずれかに記載の炭酸ガス密封装置。
  5. 前記第1接続用中空部材は、
    第1本体部と、
    該第1本体部と一体構成され中空部を有するハウジング部と
    を有し、
    前記第2接続用中空部材は、
    第2本体部と、
    該第2本体部と一体構成され、中空部を有し、前記ハウジング部部分の前記中空部の内部に挿入可能な外径を有する軸部と
    を有し、
    前記軸部の前記中空部が前記ハウジング部の前記中空部に臨むように、前記軸部が前記ハウジング部の前記中空部の内壁と所定のクリアランスをもって挿入されており、
    前記軸部の外周と前記ハウジング部の前記中空部の内壁との間に位置し、前記軸部の外周および前記ハウジング部の前記中空部の内壁の両者の面着部分に、前記炭酸ガスが流れる方向に沿って、前記冷媒としての炭酸ガスが導入する第1部分と、該第1部分に連続し前記第1部分の断面より小さな断面を有し前記冷媒としての炭酸ガスが排出する第2部分とを有する前記溝部が規定されており、
    前記Oリングが、前記軸部の外周と前記ハウジング部の前記中空部の内壁に接して前記溝部の前記第1部分に配設されており、
    前記バックアップリングが前記溝部の前記第2部分に配設されている、
    請求項1〜3いずれかに記載の炭酸ガス密封装置。
  6. 前記溝部の前記第2部分は、前記冷媒としての炭酸ガスが排出する方向に、前記溝部の前記第1部分の深さより浅くなるように傾斜しており、
    前記溝部の前記第2部分と接する前記バックアップリングの前記傾斜面の角度は前記溝部の前記第2部分の傾斜面の角度より大きく、前記冷媒としての加圧炭酸ガスによる押圧時により前記バックアップリングの前記傾斜面の先端が潰れて前記溝部の前記第2部分の隙間をさらに狭める、
    請求項5に記載の炭酸ガス密封装置。
  7. 前記ハウジング部の中空部と前記軸部の外周との間が第2溝部の第1部分を構成し、
    前記ハウジング部の先端の端面と前記第2接続用中空部材の本体の端面と対向する隙間が前記第2溝部の第2部分を構成し、
    前記第2溝部の第2部分に平板状の第2シール部材が装着されている、
    請求項6に記載の炭酸ガス密封装置。
  8. 前記ハウジング部の先端の端面と前記第2接続用中空部材の本体の端面のいずれかに、前記冷媒としての炭酸ガスが漏洩する方向に沿って、第1部分と、該第1部分と連続し前記第1部分の断面積よりも小さな第2部分とを有する第2溝部が、前記軸部の周囲に環状に形成され、
    前記第2溝部の前記第2部分に平板状の第2シール手段が装着されている、
    請求項6または7に記載の炭酸ガス密封装置。
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