JP2021080615A - 炭素短繊維不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、均一性・強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することである。【解決手段】炭素短繊維、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維を含有する炭素短繊維不織布において、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の総配合量が、全繊維量に対して10〜30質量%であり、フィブリル化セルロース繊維/湿熱バインダー繊維の質量比が、1.0〜6.0であり、より好ましくは、配合されるフィブリル化セルロース繊維のファイン分(繊維長0.2mm以下)が55〜75%であることを特徴とする炭素短繊維不織布。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素短繊維不織布に関する。
炭素繊維と樹脂を複合化してなる炭素繊維強化樹脂複合体は、金属材料に匹敵する強度・弾性率を有しながら、金属材料よりも比重が小さいため、部材の軽量化を図ることができ、また、発錆の問題も無く、酸やアルカリにも強いという性質を有していることから、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等で使用されている。
炭素繊維強化樹脂複合体は、長繊維不織布と熱硬化性樹脂とを複合させた複合体が利用される場合が多いが、設計が難しい、均質材料では無い、成形加工時間が長い、高価等の課題があった。
これらの課題を解決した炭素繊維強化樹脂複合体として、炭素短繊維を含有する不織布(炭素短繊維不織布)と熱可塑性樹脂とが複合された炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。炭素短繊維不織布が使用されることによって、均質性が高まり、熱可塑性樹脂が使用されることによって、易設計・加工性が得られ、安価であり、さらに、リサイクルが可能となっている。しかし、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂との複合化の場合、炭素短繊維と熱可塑性樹脂の密着性の均一性が、複合体全体の特性に影響することから、炭素短繊維不織布の更なる均一化が求められている。
炭素短繊維不織布の均一化の手段として、ノニオン性分散剤、ノニオン性粘剤によって炭素短繊維の分散を進める方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、提案されている方法では、炭素短繊維単独の分散を改良しても、分散された炭素短繊維と他の繊維との混合によって発生するヨレによって、炭素短繊維不織布の均一性が損なわれる場合があった。また、炭素短繊維を含む湿紙が搾水(ウエットプレス)される工程や乾燥される工程において、不織布表面からの炭素短繊維の剥離による欠点を防ぐことができなかった。その結果、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂とを複合する後工程に必要な強度が不足する場合があった。
特開2013−208791号公報 特開2013−202891号公報 特開2014−224333号公報 特開2019−173216号公報
本発明の課題は、均一性・強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)炭素短繊維、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維を含有する炭素短繊維不織布において、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の総配合量が、全繊維量に対して10〜30質量%であり、フィブリル化セルロース繊維/湿熱バインダー繊維の質量比が、1.0〜6.0であることを特徴とする炭素短繊維不織布。
(2)フィブリル化セルロース繊維のファイン分(繊維長0.2mm以下)が55〜75%であることを特徴とする(1)記載の炭素短繊維不織布。
本発明によれば、繊維同士のヨレ、不織布表面からの炭素短繊維の剥離による欠点が無く、均一性に優れ、後工程に必要な強度を有した炭素短繊維不織布を得ることができる。
本発明の炭素短繊維不織布は、炭素短繊維と湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有してなる不織布である。
炭素短繊維としては、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系炭素短繊維、ピッチ類を原料とするピッチ系炭素短繊維が挙げられる。炭素短繊維の繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、炭素短繊維の繊維長は1〜30mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。
湿熱バインダー繊維とは、湿潤状態において、ある温度で繊維状態から流動又は容易に変形して接着機能を発現する繊維のことを言う。具体的には、熱水(例えば、80〜120℃程度)で軟化して自己接着又は他の繊維に接着可能な熱可塑性繊維であり、例えば、ポリビニル系繊維(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリビニルアセタールなど)、セルロース系繊維(メチルセルロースなどのC1−3アルキルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのヒドロキシC1−3アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシC1−3アルキルセルロース又はその塩など)、変性ビニル系共重合体からなる繊維(イソブチレン、スチレン、エチレン、ビニルエーテルなどのビニル系単量体と、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸又はその無水物との共重合体又はその塩など)などが挙げられる。本発明に用いる湿熱バインダー繊維としては、ポリビニルアルコール系繊維が、湿式抄造不織布の強度がより高くなり好ましい。
湿熱バインダー繊維の繊維径は、7〜17μmが好ましく、7〜11μmが好ましい。湿熱バインダー繊維の繊維径が7μm未満である場合、スラリー中での繊維の分散が不均一となり、炭素短繊維不織布の均一性や強度を損なう場合がある。一方、湿熱バインダー繊維の繊維径が17μmを超えた場合、炭素短繊維との接点が少なくなり、湿潤状態下での強度維持が困難になる場合があるばかりでなく、均一な地合が取れない場合がある。湿熱バインダー繊維の繊維長は、1〜20mmが好ましく、2〜15mmがより好ましく、3〜10mmがさらに好ましい。湿熱バインダー繊維の繊維長が1mm未満である場合、抄造時に抄紙ワイヤーから抜け落ちることがあり、十分な強度が得られないことがある。一方、湿熱バインダー繊維の繊維長が20mmを超えた場合、水に分散する際にもつれ等を起こすことがあり、均一な地合が得られないことがある。
本発明の炭素短繊維不織布では、湿熱バインダー繊維に加えて、フィブリル化セルロース繊維を併用し、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の総配合量が、全繊維量に対して10〜30質量%であり、フィブリル化セルロース繊維/湿熱バインダー繊維の質量比が、1.0〜6.0であり、より好ましくは、3.0〜6.0である。
湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の総配合量が10質量%未満である場合、炭素短繊維と湿熱バインダー繊維、フィブリル化セルロース繊維との結着面積が少なくなり、炭素短繊維不織布の強度が発現しない。湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の総配合量が30質量%を超える場合、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の配合比にもよるが、炭素短繊維不織布を製造時に、ウエットプレスパートでの湿紙の搾水性が悪くなり、湿紙にシワが発生し、乾燥工程において湿熱バインダー繊維がドライヤー表面に貼りつきやすくなり、不織布表面に貼りつきムラが発生し、炭素短繊維不織布の均一性が損なわれる。
フィブリル化セルロース繊維/湿熱バインダー繊維の質量比が1.0未満である場合、繊維のヨレが発生しやすく、炭素短繊維不織布を製造時に、ウエットプレス工程での湿紙表面からの炭素短繊維のウエットカンバスへの繊維の部分的転写が発生しやすく、炭素短繊維不織布の均一性が損なわれる。フィブリル化セルロース繊維/湿熱バインダー繊維の質量比が6.0を超える場合、保水性の高いフィブリル化セルロース繊維の比率が多くなり、ウエットプレス工程での湿紙の搾水性が悪くなり、湿紙にシワが発生しやすくなり、炭素短繊維不織布の均一性が損なわれる。
フィブリル化セルロース繊維は、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下であるセルロース繊維である。
フィブリル化セルロース繊維用のセルロース材料としては、植物パルプ、溶剤紡糸セルロース、半合成セルロース等が挙げられる。植物パルプとしては、広葉樹材(L材)や針葉樹材(N材)を用いたクラフトパルプ(KP)、溶解パルプ(DP)、溶解クラフトパルプ(DKP)などの木質系パルプが挙げられる。また、藁、麻、コットン、コットンリンターなどの非木質系パルプも挙げられる。市販品としては、セリッシュ(登録商標、ダイセルファインケム社製)が挙げられる。なお、セルロース材料の結晶形には、I型、II型、III型、IV型等があるが、耐熱性の観点から、I型、II型が好ましく、I型がより好ましい。I型のセルロース材料源としては、コットンパルプ、コットンリンターパルプ、麻パルプ、ケナフパルプなどの非木質系パルプで、リグニン及びヘミセルロースの含有量が低減されたパルプ、L材又はN材から得られる、リグニン及びヘミセルロースの含有量が低減されたKP、DP、DKPなどの木質系パルプが挙げられる。特に、コットン系材料が好ましい。
フィブリル化セルロース繊維を得るためには、セルロース材料が、まず、水中で分散され、機械的に粉砕される。そして、セルロース材料の繊維が解繊されてミクロフィブリルが形成される。セルロース材料を解繊する装置としては、ディスクリファイナー、石臼型磨砕機、高圧ホモジナイザー、ボールミル、水中カウンターコリジョン法用装置、超音波破砕機等が挙げられる。これらの装置を適宜組み合わせて使用することもできる。
セルロース材料を機械的粉砕処理によって製造されたフィブリル化セルロース繊維は、機械的粉砕処理によって、細繊化されると同時に、短繊維化する。この短繊維化度合は、例えば、ISO 16065−1:2014「パルプ−光学的自動分析法による繊維長測定方法」に記載の方法に準じて、フィブリル化セルロース繊維の長さ加重平均繊維長を測定時に算出される繊維長0.2mm以下の「ファイン分」の含有量(単位:%)で定量化することができる。
本発明では、フィブリル化セルロース繊維のファイン分(繊維長0.2mm以下)が55〜75%であることで、均一性及び強度により優れた炭素短繊維不織布を得ることができる。フィブリル化セルロース繊維のファイン分は55〜65%であることがより好ましい。
具体的には、フィブリル化セルロース繊維のファイン分(繊維長0.2mm以下)が55〜75%であることで、フィブリル化セルロース繊維の炭素短繊維不織布への歩留まりが向上し、フィブリル化セルロース繊維以外の繊維とフィブリル化セルロース繊維との接触面積が向上することで、製造時における湿紙表面からの炭素短繊維の剥離が抑制され、炭素短繊維不織布の強度が向上する。
本発明における炭素短繊維不織布は、湿式抄造法で製造された湿式抄造不織布であることが好ましい。湿式抄造法では、まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調整されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。また、不織布が2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする流延法等で、不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても、乾燥状態であってもいずれでも良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造の不織布とすることもできる。
本発明において、不織布が多層構造である場合、各層の繊維配合が同一である多層構造であっても良く、各層の繊維配合が異なっている多層構造であっても良い。多層構造である場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、不織布の地合が良くなり、その結果、不織布の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
湿式抄造法では、抄紙網で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することによって、シート状の湿式抄造不織布が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明の炭素短繊維不織布は、熱可塑性樹脂フィルムと積層して複合体を形成することができる。該複合体は、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを重ね合わせて、加熱処理又は加熱加圧処理することによって、製造することができる。この複合体を熱圧加工(熱プレス加工)することによって、成型品を製造することができる。
熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂等のポリアミド(PA)樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリオキシメチレン(POM)樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリスルホン(PSF)樹脂;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂;ポリケトン樹脂;ポリアリレート(PAR)樹脂;ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂;ポリエーテルケトン(PEK)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂;ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂;ポリイミド(PI)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;フッ素(F)樹脂;液晶ポリエステル樹脂等の液晶ポリマー樹脂;ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系又はフッ素系等の熱可塑性エラストマー;又はこれらの共重合体樹脂や変性樹脂;アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中から、1種又は2種以上を用いることができる。燃焼性の観点から、PC、PPS、PEEK、PEI等が好ましい。
アイオノマー樹脂としては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合樹脂のカルボキシル基の一部を金属イオンで中和してなるエチレン系アイオノマー樹脂が挙げられる。カルボキシル基の10モル%以上、好ましくは10〜90モル%を金属イオンで中和したものが使用される。金属イオンとしては、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属;亜鉛;マグネシウム;カルシウムなどのアルカリ土類金属のような多価金属イオンを挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものでは無い。
(フィブリル化セルロース繊維の作製)
リンターパルプ(質量加重平均繊維長1.2mm)を、スラリー濃度1.0質量%で、増幸産業社製マスコロイダー(登録商標、装置名:MKZA12 装着砥石#80を使用)を使って砥石間のギャップ距離を変化させて、表1記載のファイン分であるフィブリル化セルロース繊維MFC1〜MFC5を作製した。フィブリル化セルロース繊維のファイン分(繊維長0.2mm以下)は、繊維長測定器(OpTest Equipment社製「HiRes FQA」)を使って、長さ加重平均繊維長測定時のファイン分である。
Figure 2021080615
(炭素短繊維不織布の製造)
PAN系炭素短繊維(繊維径7μm、繊維長6mm)、湿熱バインダー繊維(繊維径11μm、繊維長3mm)、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で各繊維を配合し、分散濃度0.2質量%で5分間、繊維を水に分散した。繊維が分散されたスラリーは、90メッシュの金属ワイヤーを有した円網抄紙機で湿紙を抄き上げ、ウエットプレス後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて乾燥し、坪量20g/mの炭素短繊維不織布を得た。
Figure 2021080615
実施例及び比較例で製造した炭素短繊維不織布に対して、以下の評価を行い、結果を表3に示した。
(均一性の評価 ヨレ)
A4サイズの炭素短繊維不織布5枚に関して、透過光越しに点検し、繊維がよれた部分(「ヨレ」欠点)の数を計測した。下記の判断基準で判断した。「△」以上であれば、実用上問題無いと判断した。
「○」:繊維がよれた部分が、A4サイズあたり平均3か所未満であった。均一性に非常に優れている。
「△」:繊維がよれた部分が、A4サイズあたり平均3〜10か所の間であった。均一性に優れている。
「×」:繊維がよれた部分が、A4サイズあたり平均10か所超であった。均一性に劣る。
(均一性の評価 炭素短繊維の剥離)
A4サイズの炭素短繊維不織布5枚に関して、斜光下で表裏の表面状態を点検し、表面からの炭素短繊維の剥離による欠点状態を観察した。下記の判断基準で判断した。「△」以上であれば、実用上問題無いと判断した。
「○」:炭素短繊維の剥離による欠点がA4サイズあたり平均2か所未満であった。均一性に非常に優れている。
「△」:炭素短繊維の剥離による欠点がA4サイズあたり平均2〜4か所の間であった。均一性に優れている。
「×」:炭素短繊維の剥離による欠点がA4サイズあたり平均4か所超え見られる。均一性に劣る。
(均一性の評価 シワ)
A4サイズの炭素短繊維不織布5枚に関して、斜光下で表裏の表面状態を点検し、シワの発生状況を観察した。下記の判断基準で判断した。「△」以上であれば、実用上問題無いと判断した。
「○」:シワが見られない。均一性に非常に優れている。
「△」:浅いシワがA4サイズあたり平均3か所未満であった。均一性に優れている。
「×」:深いシワがA4サイズあたり平均3か所以上見られる。均一性に劣る。
(均一性の評価 貼りつきムラ)
A4サイズの炭素短繊維不織布 5枚に関して、斜光下で表裏の表面状態を点検し、ドライヤー表面からの貼りつきムラを観察した。下記の判断基準で判断した。「△」以上であれば、実用上問題無いと判断した。
「○」:貼りつきムラが見られない。均一性に非常に優れている。
「△」:貼りつきムラが、ほとんど見られない。均一性に優れている。
「×」:表面に貼りつきムラがはっきりわかり、一部、表面から繊維が脱落した部分が見られる。均一性に劣る。
(炭素短繊維不織布の強度測定)
JIS P8113:2006に準じて縦方向(流れ方向、MD)の引張強さを測定した。試験片のサイズは、縦方向250mm、幅50mmとし、2個のつかみ具の間隔を100mm、引張速度を200mm/minとした。「△」以上であれば、実用上問題無いと判断した。
「◎」:引張強さ 60N/50mm以上。強度が非常に強い。
「〇」:引張強さ 50N/50mm以上60N/50mm未満。強度が強い。
「△」:引張強さ 25N/50mm以上50N/50mm未満。実用上使用はできる。
「×」:引張強さ 25N/50mm未満。取扱い上問題あり。
Figure 2021080615
実施例1〜3と比較例1〜2を比較することで、本発明の炭素短繊維不織布において、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の総配合量が10〜30質量%であることにより、均一性と強度に優れた炭素短繊維不織布を提供できることがわかる。
実施例2、4及び5と比較例3〜5を比較することで、本発明の炭素短繊維不織布において、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の質量比が1.0〜6.0であることにより、繊維ヨレ、不織布表面からの炭素短繊維の剥離、製造工程上でのシワに由来する欠点が無く、均一性と強度に優れた炭素短繊維不織布を提供できることがわかる。
実施例4、6〜9を比較すると、フィブリル化セルロース繊維のファイン分(繊維長0.2mm以下)が55〜75%である場合、より均一性と強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができることがわかる。また、フィブリル化セルロース繊維のファイン分は55〜65%であることがより好ましいことがわかる。
本発明の炭素短繊維不織布は、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等に利用可能である。

Claims (2)

  1. 炭素短繊維、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維を含有する炭素短繊維不織布において、湿熱バインダー繊維とフィブリル化セルロース繊維の総配合量が、全繊維量に対して10〜30質量%であり、フィブリル化セルロース繊維/湿熱バインダー繊維の質量比が、1.0〜6.0であることを特徴とする炭素短繊維不織布。
  2. フィブリル化セルロース繊維のファイン分(繊維長0.2mm以下)が55〜75%であることを特徴とする請求項1記載の炭素短繊維不織布。
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