JP2021080386A - 接着剤組成物、接着シート及び接着構造体 - Google Patents

接着剤組成物、接着シート及び接着構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】従来品と同等の保管安定性を有しつつ、且つ従来よりも低温(例えば110〜130℃)で硬化させた場合であっても従来と同等の強度を維持することが可能な接着シート、当該接着シートを得るための接着剤組成物、及び当該接着シートを用いた接着構造体の製造方法を提供すること。【解決手段】光重合性モノマーと、光開始剤と、エポキシと、ジシアンジアミドと、イミダゾール系熱硬化促進剤と、尿素系熱硬化促進剤と、を含有し、エポキシの含有量C1(g)に対するイミダゾール系熱硬化促進剤の含有量C2(mmol)の比C2/C1が、0.1以下である、接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤組成物、接着シート及び接着構造体に関する。
例えば自動車の外装等の自動車部品の組み立てにおいては、組み立て式部品をボディに接着するために、接着剤(接着シート)が用いられる。このような接着シートには、例えば、光重合性モノマー、光開始剤、エポキシ及び熱硬化促進剤等を含む接着剤組成物を光重合して得られたものが用いられている(下記特許文献1,2を参照)。
特開平2−272076号公報 特開2000−328009号公報
上述した接着シートの熱硬化は、通常、自動車製造ラインにおいて、塗装を熱乾燥するプロセスにおいてなされる。このプロセスにおける熱乾燥は、例えば140℃以上で行われる。しかしながら近年、省エネやCO削減等の要求に伴い、接着シートには、従来と同等の強度を有しつつ、従来よりも低温(例えば110〜130℃)で硬化できることが求められている。また、接着シートの保管安定性も重要な要素である。
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、従来品と同等の保管安定性を有しつつ、且つ従来よりも低温(例えば110〜130℃)で硬化させた場合であっても従来と同等の強度を維持することが可能な接着シート、当該接着シートを得るための接着剤組成物、及び当該接着シートを用いた接着構造体の製造方法の提供を一つの目的とする。
本開示の一側面は、光重合性モノマーと、光開始剤と、エポキシと、ジシアンジアミドと、イミダゾール系熱硬化促進剤と、尿素系熱硬化促進剤と、を含有し、エポキシの含有量C(g)に対するイミダゾール系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cが、0.1以下である、接着剤組成物を提供する。
一態様において、エポキシの含有量C(g)に対する尿素系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cは、0.05以上であってよい。
一態様において、ジシアンジアミドの含有量は、エポキシの含有量100質量部に対して5質量部以上であってよく、7質量部以上であってよい。
一態様において、エポキシの含有量C(g)に対する前記イミダゾール系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cは、0.02以上であってよい。
本開示の他の一側面は、上述した本開示の接着剤組成物の光重合体を含む接着剤層を備える、接着シートを提供する。
本開示の他の一側面は、上記本開示の接着シートを被着体上に積層し、110〜130℃で加熱して接着シートを硬化させる工程を含む、接着構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、従来品と同等の保管安定性を有しつつ、且つ従来よりも低温(例えば110〜130℃)で硬化させた場合であっても従来と同等の強度を維持することが可能な接着シート、当該接着シートを得るための接着剤組成物、及び当該接着シートを用いた接着構造体の製造方法を提供することができる。
実施例におけるせん断強度の評価方法を説明するための図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本開示の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率等は図面に記載のものに限定されるものではない。
本実施形態に係る接着剤組成物は、光重合性モノマーと、光開始剤と、エポキシと、ジシアンジアミドと、イミダゾール系熱硬化促進剤と、尿素系熱硬化促進剤と、を含有する。上記接着剤組成物においては、エポキシの含有量C(g)に対するイミダゾール系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cが、0.1以下である。
本実施形態に係る接着剤組成物は、光重合性成分(光重合性モノマー及び光開始剤)と熱硬化性成分(エポキシ、ジシアンジアミド、イミダゾール系熱硬化促進剤及び尿素系熱硬化促進剤)とを含有しているため、光重合性成分を光重合させることで、熱硬化性を有する接着剤層を形成できる。そして、当該接着剤層によれば、保管安定性及び低温硬化性に優れる接着シートを形成できる。
上記効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、イミダゾール系熱硬化促進剤の含有量を上記範囲とすることで、過度な硬化促進による保管安定性の低下が避けられ、長期保管による接着力の低下が抑制されると考えられる。また、硬化剤としてジシアンジアミドを選択し、イミダゾール系熱硬化促進剤及び尿素系熱硬化促進剤を併用したことによって、低温(例えば110〜130℃)での反応性が顕著に向上し、低温での硬化で高い接着力を発現できると考えられる。
なお、熱硬化促進剤の量を増やすことで、硬化温度を低下させることができるのでは、との観点もあるかもしれない。ところが、単純に熱硬化促進剤の量を増やした場合、接着シートの保管安定性が低下するという課題があることを本発明者らは見出している。
硬化促進剤としてイミダゾール系熱硬化促進剤のみを使用した場合、保管安定性を向上させるためには含有量を低減させる必要があり、低温硬化性を向上させるためには含有量を増加させる必要があり、保管安定性及び低温硬化性の両立は極めて難しい。また、硬化促進剤として尿素系熱硬化促進剤のみを使用した場合、保管安定性を確保できても、十分な低温硬化性を得ることができない。
光重合性モノマー及び光開始剤は、接着剤組成物の光重合によって、自立可能な一定の形状を有する接着剤層を形成できるものであれば特に制限されない。
光重合性モノマーとしては、例えばアクリル系モノマーであってよく、単官能の(メタ)アクリル酸エステルやアクリルアミドを含むことが好ましい。単官能の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートのほか、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド(DAAM)等の線状(非環状)のアクリルアミド、及び、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクタム等の環状アクリルアミドが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。エポキシとの相溶の観点から、特にアクリルアミドの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
光重合性モノマーを2種以上併用して光重合性モノマーの混合物を用いる場合、その組成は、その用途や要求特性に応じて適宜変更することができる。例えば、光重合性モノマーとして(メタ)アクリル酸エステルを含む場合、その含有量は、光重合性モノマーの総量100質量部に対して、50質量部以上であってよく、60質量部以上であってよく、70質量部以上であってよい。また、(メタ)アクリル酸エステルの含有量の上限は特に制限されず、光重合性モノマーの総量100質量部に対して、例えば100質量部未満であってよい。
光重合性モノマーの含有量は、後述するエポキシの総量100質量部に対して、60質量部以上であってよく、65質量部以上であってよく、70質量部以上であってよい。光重合性モノマーの含有量の上限は、エポキシの総量100質量部に対して、200質量部以下であってよく、180質量部以下であってよく、160質量部以下であってよい。
光開始剤は、例えば紫外線等の放射線により遊離ラジカルを発生させるものであってよい。このような光開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。
光開始剤の含有量は、上述した光重合性モノマーの総量100質量部に対して、0.01質量部以上であってよく、0.03質量部以上であってよく、0.05質量部以上であってよい。光開始剤の含有量の上限は、上述した光重合性モノマーの総量100質量部に対して、3.0質量部以下であってよく、1.0質量部以下であってよく、0.5質量部以下であってよい。
エポキシは、例えば、開環反応により重合可能なオキシラン環を分子内に少なくとも1個有する化合物(エポキシ化合物)であってよい。エポキシは、モノマーの形態であっても低分子量ポリマーやプレポリマーの形態であってもよく、また液状(液状エポキシ)であっても樹脂状(エポキシ樹脂)であってもよい。エポキシとしては、例えば、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等であってよく、具体的には例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール−ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール−ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコール−グリシジルエーテル共重合体等を挙げることができる。
ジシアンジアミドは、上述したエポキシを熱硬化させるための熱硬化剤として、本実施形態に係る接着剤組成物に配合される。ジシアンジアミドの含有量は、特に制限されるものではないが、上記エポキシの含有量100質量部に対して、5質量部以上であってよく、7質量部以上であってよい。ジシアンジアミドの含有量の上限も特に制限されず、エポキシの含有量100質量部に対して、例えば20質量部以下、又は15質量部以下であってよい。
イミダゾール系熱硬化促進剤としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾール−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾール−(1’)]−エチル−s−トリアジン−イソシアヌレート又はそのニ水和物、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシエチルイミダゾール、ニッケルイミダゾールフタレート等が挙げられる。
保管安定性を維持する観点から、上記エポキシの含有量C(g)に対するイミダゾール系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cは、0.1以下であることが必要である。比C/Cが0.1を超えると、保管安定性が低下する要因となり得る。このような観点から、比C/Cは、好ましくは0.09以下、より好ましくは0.08以下である。比C/Cの下限値は、特に制限されないが、低温硬化による強度をより向上させる観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上である。
尿素系熱硬化促進剤としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素/3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(DIURON)、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素/p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(MONURON)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(FENURON)等のフェニルジメチル尿素や、N,N−ジメチル尿素等が挙げられる。
低温硬化による強度をより向上させる観点から、上記エポキシの含有量C(g)に対する尿素系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cは、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.07以上であり、更に好ましくは0.09以上である。比C/Cの上限値は、イミダゾール系熱硬化促進剤と比べると制限の程度は低いが、例えば0.3以下であってよい。
本実施形態に係る接着剤組成物は、上述した各成分のほかに、必要に応じて他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク等の無機粒子(フィラー);1,6−ヘキサンジオール等の多官能アクリレートなどの架橋剤;ポリエステル、ナイロン、綿、ポリプロピレン、酢酸セルロース、アセテート、又はこれらの混合物の天然若しくは合成のポリマー繊維から作製された織布又は不織布などの繊維;フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、液状ゴム等の可塑剤;酸化防止剤;界面活性剤;消泡剤;発泡剤;安定剤;防炎剤;四塩化炭素、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、エタンチオール、2−メルカプトエーテル、3−プロピオン酸メルカプト等の硫黄化合物や四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素などの連鎖移動剤;粘度調節剤等が挙げられる。
これらの添加剤の含有量は、特に制限されないが、上記光重合性モノマーの総量100質量部に対して、例えば20質量部以下であってよく、10質量部以下であってよく、また、1質量部以上であってよく、3質量部以上であってよい。
本実施形態に係る接着シートは、上述した本実施形態に係る接着剤組成物の光重合体を含む接着剤層を備える。光重合体は、例えば、上記接着剤組成物における光重合性モノマーを重合させることにより得ることができる。言い換えれば光重合体は、例えば、光重合性モノマーの重合物と、エポキシと、ジシアンジアミドと、イミダゾール系熱硬化促進剤と、尿素系熱硬化促進剤と、を少なくとも含有していてもよい。光重合体は、接着剤組成物の成形物(部分硬化体)ということもできる。
光重合性モノマーの重合は、好適には放射線の照射による重合が挙げられ、例えば、紫外線重合、電子線重合等により行うことができる。具体的には、例えば光開始剤を含有する上記接着剤組成物を、好ましくは基材上に配置した後、紫外線等の放射線を照射する。基材としては、例えば、PET、ポリエチレン等を好適に用いることができる。
接着シートの厚みは、その用途に応じて適宜設定することができ、特に制限はないが、例えば0.1mm以上であってよく、10mm以下であってよい。
上記接着シートを用いて被着体同士を接着することで、接着構造体を形成することができる。接着シートは、上述した本実施形態に係る接着剤組成物を用いて得られたものであり、被着体上に積層して加熱し、当該接着シートを硬化させて熱硬化体を得る工程の際に、従来よりも低温(例えば110〜130℃)で硬化させても、従来と同等の強度を維持することが可能である。具体的な硬化温度としては、例えば、115〜125℃が好ましく、120℃がより好ましい。
接着構造体における被着体は、接着構造体の用途によって適宜選定されるが、例えば自動車産業においては、ルーフパネル、サイドパネル、ドアパネル等であってよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<光重合性モノマー混合物の調製>
表1に示す各光重合性モノマーを、表1に記載の配合割合(質量部)で混合し、光重合性モノマーの混合物A〜Cを得た。なお、表1における各略称は、それぞれ以下を意味する。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
BzA:ベンジルアクリレート
2PEA:2−フェノキシエチルアクリレート
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド
GMA:グリシジルメタクリレート
Figure 2021080386
<接着剤組成物の調製>
(実施例1〜12、比較例1〜11)
上記で得られた光重合性モノマーの混合物A〜C及び表2〜表6に示す各成分を、表2〜表6に記載の配合割合(質量部)で混合し、接着剤組成物を得た。なお、表2〜表6における各略称は、それぞれ以下を意味する。
(光開始剤)
BDK:2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
(エポキシ)
epoxy:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジシアンジアミド)
DICY:ジシアンジアミド
(イミダゾール系熱硬化促進剤)
2MZAPW:2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾール−(1’)]−エチル−s−トリアジン
2MAOK:2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾール−(1’)]−エチル−s−トリアジン−イソシアヌレート・ニ水和物
(尿素系熱硬化促進剤)
DIURON:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素
MONURON:3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素
(架橋剤)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
(フィラー)
R972:シリカフィラー
<接着シートの作製>
上記実施例1〜12及び比較例1〜11で得られた各接着剤組成物を、厚さが1.0mmとなるように塗布し2枚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで挟み、低圧水銀ランプを用いて0.5mW/cmの紫外光を照射して光重合性モノマーを重合させ、光重合体を含む接着シートを成形した。紫外光の総エネルギーは1Jであった。
[接着シートの性能評価]
<接着シートの保管安定性の評価>
上記で得られた接着シートを長さ80mm×幅150mmの大きさにカットし、PETフィルムを剥がして試験片を準備した。試験片の一方の面上に長さ200mm×幅150mm×厚さ50μmのPETフィルムを、試験片の他方の面上に厚さ140μmのポリエチレンフィルムをそれぞれ貼り付け、幅10mmずつにカットした後、ポリエチレンフィルムを剥がしてED塗装板(JIS G 3141)を貼り付け、2kgのローラーを用いて圧着させ、試験サンプルとした。得られた試験サンプルを室温で20分間放置したのち、引張試験機で引張速度300mm/分で180°方向に剥離して初期接着力(N/cm)を測定した。
また、試験片を40℃、80%RHの条件下で3日間放置したのちに、上記と同様に試験サンプルを作製して、引張試験機で引張速度300mm/分で180°方向に剥離して3日後接着力(N/cm)を測定した。
得られた初期接着力及び3日後接着力、並びに初期接着力に対する3日後接着力の割合(接着力維持率;%)を表2〜表6にそれぞれ示す。接着力維持率は、保管安定性を示す一つの指標である。
<せん断強度の評価>
図1は、実施例及び比較例におけるせん断強度の評価方法を説明するための図である。まず、上記で得られた接着シートを長さ12mm×幅25mmの大きさにカットし、PETフィルムを剥がして得られた試験片Sと、長さ75mm×幅28mm×厚さ0.8mmのED塗装板Pを2枚と、を準備した。一方のED塗装板Pの端部近傍に試験片Sを貼り付けた後(図1(a))、試験片S付きのED塗装板Pと他方のED塗装板Pとを、試験片Sが他方のED塗装板Pの端部近傍に配置されるように、2kgのローラーを用いて張り合わせた。その後、表2〜表6に示す条件(温度及び時間)で加熱し、試験片Sを硬化させ、試験用構造体を得た(図1(b))。試験用構造体を室温まで冷却して2時間維持し、その後ED塗装板Pの試験片Sが配置されていない部分をつかみしろにして、ED塗装板Pの面方向に引き離すように、50mm/分の速度で引っ張った(図1(c))。破断したときの強度を測定して、測定値と接着面積からせん断強度(MPa)を算出した。結果を表2〜表6に示す。
Figure 2021080386
Figure 2021080386
光重合性モノマーの混合物として上記混合物Aを用いた実施例1〜7においては、同じ光重合性モノマーの混合物を用いた従来品(例えば比較例1)と同等の接着力維持率を有しつつ、且つ120℃という従来よりも低温で硬化させた場合であっても従来と同等の強度を維持していた。これに対し、尿素系熱硬化促進剤を含まない比較例1及び比較例2の組成を有する接着剤組成物では、強度を維持するためには140℃という高温で硬化させることが必要であり、低温で硬化させた場合は、十分な強度が得られなかった。また、イミダゾール系熱硬化促進剤の含有量が多い比較例3及び4では、硬化後の強度は確保されるものの接着力維持率が十分に得られず、イミダゾール系熱硬化促進剤を含まない比較例5では、硬化後の強度が十分に得られなかった。
Figure 2021080386
光重合性モノマーの混合物として上記混合物Bを用いた実施例8においては、同じ光重合性モノマーの混合物を用いつつ尿素系熱硬化促進剤を含まない比較例6と比較して、低温で硬化させた場合に優れた強度を有しており、比較例6と同じ組成の接着剤組成物を高温で硬化させた場合(比較例7)と同等の強度を有していた。
Figure 2021080386
Figure 2021080386
光重合性モノマーの混合物として上記混合物Cを用いた実施例9〜12においては、同じ光重合性モノマーの混合物を用いつつ尿素系熱硬化促進剤を含まない比較例8及び9や、イミダゾール系熱硬化促進剤を含まない比較例11と比較して、低温で硬化させた場合に優れた強度を有しており、比較例9と同じ組成の接着剤組成物を高温で硬化させた場合(比較例10)と同等の強度を有していた。
S…試験片、P…ED塗装板。

Claims (7)

  1. 光重合性モノマーと、
    光開始剤と、
    エポキシと、
    ジシアンジアミドと、
    イミダゾール系熱硬化促進剤と、
    尿素系熱硬化促進剤と、
    を含有し、
    前記エポキシの含有量C(g)に対する前記イミダゾール系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cが、0.1以下である、接着剤組成物。
  2. 前記エポキシの含有量C(g)に対する前記尿素系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cが、0.05以上である、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記ジシアンジアミドの含有量が、前記エポキシの含有量100質量部に対して5質量部以上である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記ジシアンジアミドの含有量が、前記エポキシの含有量100質量部に対して7質量部以上である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  5. 前記エポキシの含有量C(g)に対する前記イミダゾール系熱硬化促進剤の含有量C(mmol)の比C/Cが、0.02以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物の光重合体を含む接着剤層を備える、接着シート。
  7. 請求項6に記載の接着シートを被着体上に積層し、110〜130℃で加熱して前記接着シートを硬化させる工程を含む、接着構造体の製造方法。
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