JP2021079811A - 水面浮遊物回収船、及び船外機用ダクト - Google Patents

水面浮遊物回収船、及び船外機用ダクト Download PDF

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Abstract

【課題】船体後部に取り付けられた船外機の駆動により生じる船体内外の水流を制御することにより、水面の浮遊物を効率的に船体内に回収することができる水面浮遊物回収船、及び船外機用ダクトを提供することを目的とする。【解決手段】水面浮遊物回収船1は、内部に回収した水面浮遊物Fを貯留するための回収室21が形成された船体本体部2と、船体本体部2の両舷に設置された浮力体3と、船尾に設置されプロペラ45を駆動するための駆動源である船外機4を備える。船外機4の下方には、略円筒状であり、プロペラ45を内装する船外機用船外機用ダクト5が設置されている。船体本体部2から排出され水流は、船外機用ダクト5を通過することで噴流となり、回収室21内の水位差を一定に保つことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、水面浮遊物回収船、及び船外機用ダクトに関するものである。詳しくは、船体後部に取り付けられた船外機の駆動により生じる船体内外の水流を制御することにより、水面浮遊物を効率的に船体内に回収することができる水面浮遊物回収船、及び船外機用ダクトに係るものである。
従来より産業発達の負の遺産として、環境、特に海洋に対する各種汚染が問題視されている。例えば、海岸沿いに建ち並ぶコンビナート等から流出した石油、或いは原油等を積層した船舶における不慮の事故等による原油等の海洋流出の問題等があり、単に表面的な汚染のみならず海洋生物の生態系までその影響が及んでいる。
また、近年においては、廃棄プラスチックが引き起こす環境問題がクローズアップされ、特に海洋投棄や河川などを経由して海に流出したプラスチックが地球規模で多量に海洋を漂流していることが判ってきた。この様な浮遊プラスチックごみは長期間その形状を保つため、海洋生物が摂取した場合は消化器内に留まり摂食障害を引き起こすなど、生態系への影響が指摘されている。
更には、プラスチックが紫外線などで崩壊、微粒化したマイクロプラスチックが、海水中の有害な化合物を吸着し、これを海生生物が摂取することで有害物が食物連鎖に取り込まれる問題も指摘されている。
このような問題に対して、本特許出願の発明者は、特許文献1において船体内外の水位差を創出して、水面を浮遊する塵芥物等の浮遊物(以下、総称して「水面浮遊物」という。)を回収するための水面浮遊物回収船を提案している。具体的には、船体内に形成された回収室の船尾側下部に通水路を形成するとともに、通水路後部にプロペラを設け、係るプロペラの駆動で通水路を通じて回収室内の水を強制的に排水することで船体内外において水位差を創出し、この水位差を利用して水面に浮遊する浮遊物を回収室内に取り込む構造となっている。
特開2006−44298号公報
前記した特許文献1においては、駆動源であるプロペラは船体に形成されている略円形の通水路に設けられているため、通水路がダクトの役割を果たすことで、プロペラの回転によりプロペラの前方から吸い込まれた水は、船体の後方へと通水路に沿って噴流することが可能となり、船体内外において水位差を生じさせることができるものとなっている。
一方、従来タイプの船舶として、船外に船外機を取り付けるタイプのものが存在する。一般的に船外機は、船体後部に取り付けて船舶を推進させる推進装置であるが、船外機上部の駆動用、動力伝達のための垂直伝動シャフト、そして回転軸が水平なプロペラ等が一体を成し、エンジンの駆動によりプロペラを回転させ、船舶を推進させる一体型推進装置である。この船外機は主に推進器として用いられるが、船体とは独立な推進装置として船体後部に取り付けて用いる。多くの場合、船尾に取り付けた船外機は、船体の平面視で水平方向へ左右に回動できる構造になっており、任意に回転させることで舵の役目も担うことが可能となっている。
通常、船外機が船外に取り付けられるタイプの船体においては、プロペラの回転によりプロペラの前方からプロペラ径に沿って集中して水を吸い込むことができず、しかも吸い込まれた水は、船体後部方向へ噴流として吐出(排出)することができないため、プロペラの後方のみならず、その周囲へと拡散する水流となってしまう。そのため、船体内外の水位差を制御することが難しく、水面浮遊物の回収率が悪化することが懸念される。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、船体後部に取り付けられた船外機の駆動により生じる船外機周囲の水流を制御することにより、水面浮遊物を効率的に船体内に回収することができる水面浮遊物回収船、及び船外機用ダクトを提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するために、本発明の水面浮遊物回収船は、船首側に水の導入部、船尾側に排出部、内部に前記導入部から回収した回収物を貯留する所定の大きさの空間からなる回収室、該回収室内の水を前記排出部まで導く通水路、がそれぞれ形成された船体本体部と、該船体本体部の両舷側に設置された浮力体と、前記船体本体部の船尾に設置され、水流を発生させるプロペラ、及び該プロペラを駆動するための動力源を有する船外機と、一端に前記排出部から排出された水を吸引する入口部、他端に前記入口部から吸引した水を排出する出口部がそれぞれ形成され、前記プロペラの軸線まわりに前記プロペラを内装するように設置された略円筒状の船外機用ダクトとを備える。
ここで、船首側に導入部、船尾側に排出部、内部に導入部から回収した回収物を貯留する所定の大きさの空間からなる回収室、回収室内の水を排出部まで導く通水路がそれぞれ形成された船体本体部を備えることにより、船首側に形成されている導入部より水面浮遊物を回収し、回収した水面浮遊物を回収室内に貯留することができる。
また、回収室から船尾側の排出部まで通じる通水路が形成されていることにより、後述する船外機に取り付けられたプロペラの駆動により、船体本体部の回収室に貯留されている水を強制的に排出することで、船体内外において水位差を生じさせることができる。この水位差により発生する水流(即ち船外側から船内側に向けての水流)により水面の浮遊物を導入部に誘導し、水面の浮遊物を効率的に回収することができる。
また、本発明の水面浮遊物回収船は、両舷側に設置された浮力体を備え、浮力体内のバラストを調整することにより、船首から船尾にかけての等喫水状態(イーブンキール)と左舷、右舷との水平状態(直立状態)を保つことができる。これにより、導入部の高さ位置が水面よりも上方に位置するように調整することが可能で、回収室内に貯留した回収物が逆流して導入部から船外に流れ出ることを防止することができる。
また、船体本体部の船尾に設置され、水流を発生させるプロペラ、及びプロペラを駆動するための動力源を有するダクト付き船外機を備えることにより、水面浮遊物回収船の推進力のみならず船体本体部の回収室の水を効率よく排出することができる。
船体後部に取付けられる船外機には、船尾の排出部から排出された水を吸引する入口部、他端に入口部から吸引した水を排出する出口部を持つプロペラを覆う形の円筒形ダクトを装着させることで、船体回収室内の水をプロペラ回転によって効率的、かつ強制的に船外へ排出することが可能である。このとき、船尾の排出部から吸引された水は船外機用ダクトを通過して船尾後方に排出されるため、船体内外におい有効な水位差を形成することができる。
即ち、回収室から通水路を通じて排出された水はプロペラを内装するダクトを通過するため、プロペラの後流において噴流が形成される。この噴流により、船体内外において有効な水位差を生じさせることができるため、水面浮遊物の回収率を高めることができる。
また、船外機プロペラを覆う形の円筒形管路、即ち円筒形ダクトをプロペラの前後方向に亘るように装着させ、船外機周りの水流を制御するとともに、船尾の排出部とダクトの入口部をできるだけ近接した位置関係に配置することで、プロペラの回転により排出部から排出された水流は、そのままダクトの入口部から吸い込まれるため、流速の損失がなく、効率的に噴流を形成することができる。
前記の目的を達成するために本発明の船外機用ダクトは、略円筒状であり、一端に水を吸引する入口部、他端に前記入口部から吸引した水を排出する出口部がそれぞれ形成された状態で、船外機のプロペラの軸線まわりに前記プロペラを内装するように設置可能に構成されたものである。
ここで、一端に水を吸引する入口部、他端に入口部から吸引した水を排出する出口部がそれぞれ形成された状態で、プロペラの軸線まわりにプロペラを内装するように設置可能に構成されているダクトを備えることにより、プロペラの回転によりダクトに吸引されたた水は、円筒状からなるダクトを通過して船尾後方に排出される。そのため、船外機周囲の水流の流速の損失がなく、効率的に噴流を形成することができる。
従って、係るダクトを有する船外機を、船体内外の水位差により水面浮遊物を回収する水面浮遊物回収船に取り付ける場合には、船体内に形成された回収室に貯留されている水を強制的に船体外に排出して船体内外において水位差を生じさせることで、水面浮遊物の回収効率を高めることができる。
本発明に係る水面浮遊物回収船、及び船外機ダクトは、船体後部に取り付けられた船外機の駆動により生じる船体内外の水流を制御することにより、水面浮遊物を効率的に船体内に回収することができるものとなっている。
本発明の実施形態に係る水面浮遊物回収船の斜視図である。 本発明の実施形態に係る水面浮遊物回収船の平面図である。 本発明の実施形態に係る水面浮遊物回収船の側面断面図である。 本発明の実施形態に係る水面浮遊物回収船の背面図である。 本発明の実施形態に係る船外機用ダクトの側面断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において説明の便宜上、水面上を進行する水面浮遊物回収船の船体の船首側を前方、船尾側を後方、船体の幅方向を左右方向又は両舷方向、船体の上方に向かう方向を上方、上方の反対方向を下方、上方および下方により表される軸方向を鉛直方向とそれぞれ定義する。
まず、本発明の実施形態に係る水面浮遊物回収船1について図1乃至図4に基づいて説明する。水面浮遊物回収船1は、船体本体部2、船体本体部2の両舷に設置された浮力体3、船体本体部2の船尾に設置された船外機4から主に構成されている。
船体本体部2は、水面に浮遊する水面浮遊物Fを回収して貯留するため箱型の回収室21を備えている。回収室21は、船首側に矩形状に開口した導入部22、船尾側に開口した排出部23がそれぞれ形成されており、内部には回収した水面浮遊物Fである塵芥物を貯留するための所定の大きさの空間からなる貯留部24、及び水面浮遊物Fを回収する際に導入された海水や淡水といった水面水を、貯留部24から排出部23まで導くための通水路25が形成されている。
導入部22の前面には、導入部22の一部を閉塞するための逆流防止扉26が設置されている。逆流防止扉26は、その下端が回収室21の船首側の中間高さ部分の導入底28上に複数のヒンジ(符号を付さない)により回動自在に連結されている。逆流防止扉26は、ヒンジを回動中心として、回収室21の内外水位差により自動的に揺動し、回収室21の内側に向けて傾動して倒伏し、倒伏状態から船首側に向けて起立するように取り付けられている。
即ち、逆流防止扉26は、回収室21内の水位が船外側より低くなると、その水位に追従して回収室21の内側に向けて自動的に傾動し、逆に回収室21内の水位が船外側と同じ高さになる場合には、その水位に追従して回収室21の内側へ傾いた状態から船首側に向けて自動的に起立状態に回動する。このように、内外水位差で自動的に揺動するように、逆流防止扉26は浮力を持つように構成され、例えば内部が空洞の長方形の板状の形状になっている。
逆流防止扉26は、垂直な起立状態でそれ以上船外側に向けて傾動しないように、例えば回収室21の船首側となる左右両側面の前端にストッパー(図示しない)を有している。逆流防止扉26は左右両側端がストッパーに当接することにより垂直な起立状態からそれ以上船首側の船外側に向けて傾動するのを阻止される構造になっている。
ここで、必ずしも、導入部22の前面には逆流防止扉26が設置されている必要はない。但し、逆流防止扉26を有することにより、回収室21内に貯留された水面浮遊物Fが逆流して導入部22から外部に排出されることを防止することができる。
なお、逆流防止扉26の左右両側端と回収室21の左右内側面との間は水密性を保つ必要はなく、回収室21に浮遊油等を回収する場合は、逆流防止扉26と回収室21の船首側となる左右両側面の前端にストッパー(図示しない)とで外部へ流出することが防止されている。
浮力体3は、水面浮遊物回収船1を水面上に浮かす機能を果たすもので、水面浮遊物回収船1の左右の両舷に設置されている。浮力体3は平面視で左右対称形状であって、左右の各浮力体3の船首側の先端側は前方に向けて突出する形状に形成されている。左右の各浮力体3の船体の外側面は突出する船首から船尾に向かって例えば略直線状に形成され、左右の各浮力体3の内側面はその船首側の突出する先端側が、例えば鋭角状のテーパーになって前方に向けて平面視で逆ハ状に形成されている。
ここで、必ずしも、左右の各浮力体3の内側面は平面視で逆ハ状に形成されている必要はない。例えば、先端部に向けて直線状に形成されていてもよい。但し、左右の各浮力体3の内側面を平面視で逆ハ状とすることで、水面浮遊物Fが導入部22に誘導され易くなる。従って、水面浮遊物Fの回収効率を高めるという観点においては、前方に向けて逆ハ状に形成されていることが好ましい。しかも、船首先端からオイルフェンス等を海面上に巨大な逆ハ状に設置し浮遊油や浮遊ゴミ等を回収する場合は、前方に向けて逆ハ状に形成されているとより効果が表れる。
浮力体3は、回収室21内に水面浮遊物F、及び海水や淡水などの水が満杯の状態で入っている場合、或いは後述するように回収室21の下部開閉部27が開いている場合でも、逆流防止扉26が垂直な起立状態における逆流防止扉26の上端が外部の水面より所定の高さだけ高くなるような浮力を水面浮遊物回収船1に付与して、回収室21内の水面浮遊物Fが逆流防止扉26の上端を越流して船外に流出したり、或いは水面浮遊物回収船1が不安定な状態になるのを防いでいる。なお、浮力体3は水面浮遊物回収船1に対して所定の喫水が得られるようにバラストによる重量の調整が行われており、その内部は空洞に形成されている。
通水路25は、回収室21内の水位を下げて内外水位差を強制的に創出する場合に、回収室21の水を船外に排出させるための水路として主に使用され、排出部23に連通している。なお、通水路25は水面浮遊物回収船1を後進させる場合に、船外の水を回収室21内に流入させるための水路としても使用される。
通水路25の端部である船外に臨む排出部23には、必要に応じて開閉蓋(図示しない)が取り付けられる。回収室21と船外とを非通水状態、即ち回収室21内の水を船外に排出したくない場合や、船外の水を回収室21内に流入させたくない場合には、開閉蓋を閉じることにより、回収室21への水の流出入を防ぐことができる。
船外機4は、図5に示すように、水面浮遊物回収船1の船体後部に搭載され、動力を発生するエンジン41、エンジン41に連結されたドライブシャフト42、ドライブシャフト42に連結された歯車装置43、歯車装置43に連結されたプロペラシャフト44、プロペラシャフト44の後端に、プロペラシャフト44と共に回転するプロペラ45から構成されている。
船外機4は、さらに、エンジン41を収容するエンジンカバー46、エンジンカバー46の下方に配置されたアッパーケース47、アッパーケース47の下方に配置されたロアケース48、プロペラ上方のロアケース48の中央部前方から後端部近傍にはキャビテーションプレート(符号を付さない)の後端にトリムタブ49を有している。
船外機4は、操舵装置6のステアリング(符号を付さない)を操作することにより、図1、及び図2の矢印で示す方向に所定の角度範囲で回転することで船体の方向を転換することが可能となっている。
エンジン41を始動すると、エンジン41を構成するピストン(符号を付さない)の往復運動がクランクシャフト(符号を付さない)に回転運動として伝達され、該クランクシャフトの回転力は、ドライブシャフト42、歯車装置43、及びプロペラシャフト44を介してプロペラ45に伝達される。
エンジン41が正転方向(例えばプロペラ45の後方から見て右まわり)にプロペラ45を回転駆動すると、船体を前進させる推力が発生し、エンジン41が逆転方向(正転方向とは反対の方向)にプロペラ45を回転駆動すると、船体を後進させる推力が発生する。このとき、プロペラ45は、主に正回転して回収室21内の水を船外に強制排出し、副次的に逆回転して船外の水を回収室21内に流入させることができる。
ロアケース48の下方には、排出部23から排出された水流を制御するための船外機用ダクト5が取り付けられている。船外機用ダクト5は、一端に円形の入口部51、他端に円形の出口部52が形成された略円筒状であり、内部にプロペラ45を内装する構成となっており、プロペラ45の回転軌道の直径をD、船外機用ダクト5の内径をdと定義した場合、Dとdの関係は必ずd>Dでなければならない。
ここで、必ずしも、船外機用ダクト5の大きさとして、その内径d、及び長さlの寸法を定める必要はない。取り付ける船外機4のサイズや船体の大きさ等に合わせて適宜選択することが可能である。但し、船外機用ダクト5の内径dとプロペラ45の回転軌道の直径をDとは必ずd>Dであり、プロペラ45の回転による先端部と船外機用ダクト5の内部とのクリアランス(隙間)は一定でなければならない、またダクトの長さlは、ロアケース48の先端部からキャビテーションプレートの後端にあるトリムタブ49の後端近傍までとする。
プロペラ45の回転軌道の直径Dと船外機用ダクト5の内径dとのクリアランスが大きい場合には、プロペラ45の外縁と船外機用ダクト5の内周面が離間し過ぎることから、船外機用ダクト5を通過する流速が一定でなく、船外機用ダクト5内において乱流が発生し易くなり、船外機用ダクト5の出口部52から排出される後流が噴流とならず、しかも、回収室21内の水を効率よく吸い込むことができないという問題が生じる。
また、船外機用ダクト5の先端部がロアケース48の先端部より後方にあると、回収室21内の水を効率よく吸い込むことができず、船外機用ダクト5の後端部がキャビテーションプレート49の後端にあるトリムタブ49よりも前方にあると、船外機用ダクト5の出口部52から排出される水流が噴流とならないばかりでなく、船外機後部の水流を制御できないという問題が生じる。
一方、船外機用ダクト5の先端部がロアケース48の先端部より前方にあると、船外機用ダクト5の先端部と船体後部が接触する恐れがあって、船外機4の制御ができない。また、船外機用ダクト5の後端部がキャビテーションプレートの後端にあるトリムタブ49よりも後方にあると、船体に付属する付属品との干渉が起こり易くなるという問題が生じる。
船外機用ダクト5の入口部51は、船体の船尾に形成された排出部23に対峙しており、排出部23から排出された水の大半は入口部51から船外機用ダクト5内に導入され、出口部52から船体の後方に向けて噴流となって噴出されるようになっている。なお、船外機用ダクト5の一端と排出部23の間には所定のクリアランスが形成されている。
ここで、必ずしも、船外機用ダクト5の一端と排出部23の間には所定のクリアランスが形成されている必要はなく、船外機用ダクト5の先端ダクトが船尾に接触することなく挿入された状態でもよい。但し、船外機4を左右に操作する際に、船外機用ダクト5が船体の船尾に接触して破損することを防止するためにも、船外機用ダクト5と船尾は所定のクリアランスを確保することが好ましい。なお、クリアランスの大きさは船体や取り付ける船外機用ダクト5のサイズ等により適宜変更することができる。
次に、以上の実施形態に係る水面浮遊物回収船1の動作について説明する。まず、水面浮遊物Fが浮遊する回収水域まで水面浮遊物回収船1を移動させる。
水面浮遊物Fが浮遊する回収水域へ曳航する場合には、導入部22から排出部23に至るまで連通状態として回収室21内の流れを自由にする。大量の回収物を回収室21内に貯留したまま曳航する場合は、図示しない開閉蓋を閉じたままとすることで、回収室21内の回収物が導入部22から逆流して流れ出ることを防止することができる。
水面浮遊物回収船1が自航する場合には、船外機4のプロペラ45を正回転させる。プロペラ45を正回転、即ち回収室21内の水を排出させる方向に回転させると、船体内の水は通水路25から排出部23、及び船外機用ダクト5を通じて船外の後方に向けて噴流となって排水され、その反作用により水面浮遊物回収船1が前進する。
これに対して、水面浮遊物回収船1はプロペラ45を正回転させたまま、ダクト出口部52に接触しないように船尾後端に取付けた水流制御装置(図示していない)を用いてダクト出口部52から後方への噴流を下方あるいは前方に向けることで、後進あるいは静止(停止)することもできる。しかも、プロペラ45を逆回転させると船首側の下部開閉部27が開かれて、そこから回収室21内の水を船外へ排出することになり、水面浮遊物回収船1はその反作用で後進することもできる。
なお、水面浮遊物回収船1を前進させるか、水流制御装置(図示しない)を用いて後進あるいは静止させると、回収室21内の水は通水路25から船外機用ダクト5に向けて排水される。このとき回収室21内の水位が下がると逆流防止扉26が回収室21の内側に向けて傾動し、傾動した逆流防止扉26から越流して回収室21内に水が流入し、水面浮遊物を回収することができる。一方、水面浮遊物回収船1を後進させるときには、船首側の下部開閉部27が開かれて、回収室21内に流入した水を下部開閉部27から排出されるため、水面浮遊物の回収はできない。
曳航、又は自力推進により水面浮遊物回収船1が回収水域に到着すると、水面浮遊物回収船1の回収室21の導入部22を水面浮遊物F側に向けた後、プロペラ45を正回転させて回収室21内の水を強制排水して水位を下げて船体内外の水位差を強制的に創出する。
プロペラ45を正回転させると、回収室21内の水は後方の船尾側に向けて移動し始める。船尾側に移動する水は、通水路25を通過し、排出部23から船外に排出される。排出部23から船外に排出された水は、図5の矢印で示すように、排出部23に近接して配置された船外機用ダクト5の一端側である入口部51から吸引され、船外機用ダクト5内を通過して船外機用ダクト5の他端側である出口部52から船体後方に向けて噴流となって勢いよく排水される。このとき、回収室21内の水位差が強制的に創出される。
一方、船外機用ダクト5を設置しない場合には、船外機用ダクト5前方からの回収室21内の水の吸引効果を得ることができない。そのため回収室21内の水位差を創出することができないため、回収室21内への水の流入も少なくなり、さらには水面浮遊物Fの回収効率も悪化することになる。
以上の動作が連続的に行われることによって、水面浮遊物回収船1の回収室21内の水位が適度に下がり船体内外で水位差が強制的に創出され、船内の水位が相対的に低くなる。このとき、水面浮遊物回収船1の船内水が減少したような効果が発生し、は排水量が減少した状態となるため、釣り合いの喫水から上昇しようとする。
回収室21内の水位が船外の水位より低くなると、船外の水圧が高くなり、回収室21の船首側に設けられた逆流防止扉26には回収室21内に向けて高くなった水圧分の力が作用する。
逆流防止扉26に水圧が作用すると、下端のヒンジを回動支点として回収室21内に向けて揺動することで導入部22が開口し、船体内外の水位差により船外の水面水が導入部22から流入することになる。そして、この流入する水面水と共に水面浮遊物Fが回収室21内に流入して、貯留部24に回収されることになる。このとき、逆流防止扉26は内外水位差によって船内の変動する水面に追従して揺動起伏するために、水面浮遊物Fを効率的に回収室21内に誘導することができる。
この時、回収室21内には導入部22から水面浮遊物Fと水面水が越流して流入してくるが、この流入して来る水の量は排出部23から船外に排出された水の量に等しく、水面浮遊物回収船1は排水量の減少をこの流入によって補い、一定の喫水を保つことができる。
回収室21内に流入した水面浮遊物Fは、回収室21内の貯留部24にて水面に浮遊する。一方、回収室21内に流入した水は通水路25に向けて移動するとともに、通水路25から船外機用ダクト5に流入し、船外機用ダクト5から船体後方に向けて噴流となって排出される。船外機用ダクト5から後方に排出さることにより、その反作用で水面浮遊物回収船1は前方の水面浮遊物Fに向けて移動するため、水面浮遊物Fが効率良く回収される。
また、導入部22の前方は、前記した通り、浮力体3により船首側に向けて逆ハ字状に拡開する形状となっているため、水面浮遊物回収船1の前方の水面に浮遊する水面浮遊物Fは、船首側から導入部22に向けて流入し易くなっており、水面浮遊物Fを効率良く回収することができる。
以上、本発明に係る水面浮遊物回収船、及び船外機用ダクトは、船体後部に取り付けられた船外機の駆動により生じる船体内外の水流を制御することにより、水面の浮遊物を効率的に船体内に回収することができるものとなっている。
1 水面浮遊物回収船
2 船体本体部
21 回収室
22 導入部
23 排出部
24 貯留部
25 通水路
26 逆流防止扉
27 下部開閉扉
28 導入底
3 浮力体
4 船外機
41 エンジン
42 ドライブシャフト
43 歯車装置
44 プロペラシャフト
45 プロペラ
46 エンジンカバー
47 アッパーケース
48 ロアケース
49 トリムタブ
5 船外機用ダクト
51 入口部
52 出口部
6 操舵装置
F 水面浮遊物

Claims (2)

  1. 船首側に導入部、船尾側に排出部、内部に前記導入部から回収した回収物を貯留する所定の大きさの空間からなる回収室、該回収室内の水を前記排出部まで導く通水路、がそれぞれ形成された船体本体部と、
    該船体本体部の両舷側に設置された浮力体と、
    前記船体本体部の船尾に設置され、水流を発生させるプロペラ、及び該プロペラを駆動するための動力源を有する船外機と、
    一端に前記排出部から排出された水を吸引する入口部、他端に前記入口部から吸引した水を排出する出口部がそれぞれ形成され、前記プロペラの軸線まわりに前記プロペラを内装するように設置された略円筒状の船外機用ダクトと、を備える
    水面浮遊物回収船。
  2. 略円筒状であり、一端に水を吸引する入口部、他端に前記入口部から吸引した水を排出する出口部がそれぞれ形成された状態で、船外機のプロペラの軸線まわりに前記プロペラを内装するように設置可能に構成された
    船外機用ダクト。
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