JP2021079732A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡便な手法で、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図る。【解決手段】エンジンの回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、走行に要求される走行要求トルクに基づくエンジンの目標トルクから、第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とする。【選択図】図5
Description
本発明は、車両に関し、詳しくは、エンジンを備える車両に関する。
従来、この種の車両としては、エンジンと、変速機と、を備え、エンジンの回転数が目標回転数となるように変速機を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、目標回転数を、ユーザの意図に基づく回転数から、シフトダウンによるエンジンの回転数の変動に起因する振動を抑制する回転数へ変更することにより振動を抑制している。
しかしながら、上述の車両では、振動の抑制は実現されるものの、エンジンの回転数がユーザの意図とは異なる回転数となることから、ユーザが違和感を覚えることがある。そのため、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制とを両立する制御が望まれている。ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制とを両立する制御を実行する際には、制御を実行する装置の負荷の増加を抑制するために、より簡便な手法で行なうことが望まれている。
本発明の車両は、より簡便な手法で、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図ることを主目的とする。
本発明の車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
車軸に連結された駆動軸に動力を出力するエンジンと、
トルク指令で運転されるように前記エンジンを制御する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンの回転数と前記駆動軸の回転数を用いて演算される前記エンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、
前記処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、
走行に要求される走行要求トルクに基づく前記エンジンの目標トルクから、前記第1低減量と前記第2低減量とを減じたものを前記トルク指令とする、
ことを要旨とする。
車軸に連結された駆動軸に動力を出力するエンジンと、
トルク指令で運転されるように前記エンジンを制御する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンの回転数と前記駆動軸の回転数を用いて演算される前記エンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、
前記処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、
走行に要求される走行要求トルクに基づく前記エンジンの目標トルクから、前記第1低減量と前記第2低減量とを減じたものを前記トルク指令とする、
ことを要旨とする。
この本発明の車両では、エンジンの回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算する。エンジンからトルクを出力すると、駆動軸にねじれが生じ、このねじれにより駆動軸にトルク変動が発生する。駆動軸にトルク変動が生じると、エンジンの実際の回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との間にトルク変動に応じた差が生じる。そのため、エンジンの実際の回転数と推定回転数との差である処理前変化量は、トルク変動の大きさや位相を反映した量となっている。処理前変化量には、エンジンの回転数や駆動軸の回転数を導出するために用いられる各センサのオフセット誤差が含まれる。そのため、処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量を用いて第1、第2低減量を演算することにより、第1、第2低減量からエンジンの回転数や駆動軸の回転数を導出するために用いられる各センサのオフセット誤差を除去している。
処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量の位相は、処理前変化量、即ち、トルク変動に比して最大90度進む位相進みとなる。そのため、処理後変化量に比例する第1低減量にも、こうした位相進みが生じているため、第1低減量でエンジンの目標トルクを補正する場合、位相進みを補正する必要がある。第1低減量の位相進みを補正する手法として、第1低減量に位相遅れ補償を施す手法が考えられる。しかしながら、この手法では、複雑な演算処理が必要となり、制御装置の処理負荷が増大するため、より簡便な手法が望まれている。本発明では、こうしたことを考慮して、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、エンジンの目標トルクから、第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とする。処理後変化量の時間変化は正弦波で近似できることから、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量の位相は、処理後変化量を90度遅らせたものとなる。こうして演算した第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とすることにより、エンジンの目標トルクから第1低減量のみを減じたものをトルク指令とするものに比して、トルク変動をより適正に抑制することができる。また、第2の補正量は、処理後変化量の積算値に比例する量として演算されるから、第1低減量に位相進み補償を施すものに比して、より簡便な手法で、駆動軸のトルク変動を抑制でき、振動を抑制できる。さらに、エンジンをトルク制御するから、エンジンの回転数を制御するものに比して、ユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。この結果、より簡便な手法で、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図ることができる。
こうした本発明の車両において、前記エンジンの出力軸と前記駆動軸との間で変速比の変更を伴って動力を伝達する変速機を備え、前記駆動軸の回転数は、車軸に連結された車輪の回転数と、前記変速機の変速比と、から演算されてもよい。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車20は、図示するように、エンジン22と、トルクコンバータ28と、変速機30と、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)50と、を備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するECU50により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。
トルクコンバータ28は、一般的な流体式の伝導装置として構成されており、エンジン22のクランクシャフト23の動力を変速機30の入力軸32にトルクを増幅して伝達したり、トルクを増幅することなくそのまま伝達したりする。トルクコンバータ28は、エンジン22のクランクシャフト23に接続されたポンプインペラと、入力軸32に接続されたタービンランナと、タービンランナからポンプインペラへの作動油の流れを整流するステータと、ステータの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチと、ポンプインペラとタービンランナとを連結する油圧駆動のロックアップクラッチ28aと、を備える。ロックアップクラッチ28aは、ECU50により駆動制御されている。
変速機30は、ベルト式の無段変速機(CVT)として構成されており、図示はしないが、溝幅が変更可能で入力軸32(インプットシャフト)に接続されたプライマリプーリと、同じく溝幅が変更可能で駆動軸37(アウトプットシャフト)に接続されたセカンダリプーリと、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝に架けられたベルトと、作動油を用いてプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を変更する油圧回路と、を備える。変速機30は、油圧回路を駆動してプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を変更することにより入力軸32(インプットシャフト)の動力を無段階に変速して駆動軸37(アウトプットシャフト)に出力する。
ECU50は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポート、ハイパスフィルタHPFと、を備える。
図2は、ハイパスフィルタHPFの構成の一例を示す回路図である。ハイパスフィルタHPFは、図示するように、入力Vinと出力Voutとの間に容量C(容量値c)と抵抗R(抵抗値r)とを備える周知のハイパスフィルタとして構成されている。図3は、ハイパスフィルタHPFの位相特性を示す説明図であり、図4は、ハイパスフィルタHPFのゲイン特性を示す説明図である。図中、「Ts」は、次式(1)を用いて演算される。「ω」は、入力信号の周波数である。ハイパスフィルタHPFの出力Voutの位相は、図3に示すように、入力Vinに比して最大90度の位相進みとなる。
Ts=1/(c・r) ・・・(1)
ECU50には、エンジン22の運転制御やロックアップクラッチ28a、変速機30の制御に必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。ECU50に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温を挙げることができる。スロットルバルブのポジションを検出するスロットルポジションセンサからのスロットル開度や、吸気ポートに取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量も挙げることができる。入力軸32に取り付けられた回転数センサからの入力軸32の回転数Niなどが入力ポートを介して入力されている。さらに、イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号や、シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSPも挙げることができる。さらに、アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ68からの車速V、駆動輪36a,36bに取り付けられた車輪速センサ70a,70bからの駆動輪36a,36bの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbも挙げることができる。
ECU50からは、エンジン22の運転制御やロックアップクラッチ28a、変速機30の制御に必要な各種制御信号が出力ポートを介して出力される。各種制御信号としては、例えば、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータや燃料噴射弁への駆動信号や、燃料噴射弁への駆動信号などを挙げることができる。また、トルクコンバータ28のロックアップクラッチ28aへの制御信号や、変速機30の油圧回路への制御信号などを挙げることができる。
ECU50は、クランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算したり、車輪速センサ70a,70bからの駆動輪36a,36bの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbの平均値を用いて駆動軸37の回転数Ndsを演算している。
こうして構成された実施例の自動車20では、ECU50は、以下の走行制御を行なう。走行制御では、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される走行要求トルクTdrv*を設定し、走行要求トルクTdrv*に基づいて変速機30の目標変速比Gr*を設定し、変速機30の変速比Grが目標変速比Gr*となるように変速機30の油圧回路を制御する。また、走行要求トルクTdrv*と変速機30の変速比Grとに基づいて変速機30の入力軸32に要求される要求トルクTin*を設定し、要求トルクTin*が変速機30の入力軸32に出力されるようにエンジン22の目標トルクTeinを設定する。そして、後述するトルク指令設定処理によりトルク指令Te*を設定して、エンジン22がトルク指令Te*で運転されるようにエンジン22を制御する。なお、ECU50は、アクセル開度Accや車速Vの入力から変速機30の制御までの処理やアクセル開度Accや車速V,変速比Grの入力からエンジン22の制御までの処理を、数msec毎に実行する。
次に、トルク指令設定処理について説明する。図5は、ECU50により実行されるトルク指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
本ルーチンが実行されると、最初に、エンジン22の回転数Neと推定回転数Nesとを入力する(ステップS100)。エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrに基づいて演算したものである。推定回転数Nesは、車輪速センサ70a,70bからの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbを用いて演算した駆動軸37の回転数Ndsと変速機30の現在の変速比Grとにより演算したエンジン22の回転数である。
続いて、入力したエンジン22の回転数Neから推定回転数Nesを減じた処理前変化量ΔNepre(=Ne−Nes)を演算し、処理前変化量ΔNepreにハイパスフィルタHPFを用いたハイパスフィルタ処理を施したものを処理後変化量ΔNeに設定する(ステップS110)。ところで、エンジン22からのトルクの出力により駆動軸37にねじれが生じる。駆動軸37は、こうしたねじれによりトルク変動、即ち、回転数Ndsに変動が生じることから、エンジン22の回転数Neと駆動軸37の回転数Ndsから演算する推定回転数Nesとの間に差が生じる。したがって、エンジン22の回転数Neから推定回転数Nesを減じた処理前変化量ΔNepreは、駆動軸37のトルク変動を反映した量となっている。こうした処理前変化量ΔNepreにハイパスフィルタ処理を施すのは、エンジン22の回転数Neを導出するのに用いられるクランクポジションセンサ22aや駆動軸37の回転数Ndsを導出するのに用いられる車輪速センサ70a,70bのオフセット誤差を除去するためである。上述したように、ハイパスフィルタHPFの出力Voutの位相は、入力Vinに比して最大90度の位相進みとなっている。そのため、処理後変化量ΔNeは、駆動軸37のトルク変動を反映しているが、位相が実際の駆動軸37のトルク変動に比して最大で90度進んでいる。
続いて、処理後変化量ΔNeに定数kpを乗じてトルク低減量ΔTe1を演算し(ステップS120)、処理後変化量ΔNeの積算値S(=ΣΔNe)に定数kiを乗じてトルク低減量ΔTe2を演算し(ステップS130)、目標トルクTeinからトルク低減量ΔTe1とトルク低減量ΔTe2との和のトルクを減じたもの、即ち目標トルクTeinからトルク低減量ΔTe1、ΔTe2を減じたものをトルク指令Te*に設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。ステップS130で、積算値Sは、自動車20が出荷されて初めてシステム起動されてから、本ルーチンが実行されて処理後変化量ΔNeが演算される毎に積算される値である。処理後変化量ΔNeの時間変化は正弦波で近似できることから、処理後変化量ΔNeの積算値Sに比例するトルク低減量ΔTe2の位相は、処理後変化量ΔNeを90度遅らせたものとなる。
こうしてトルク指令Te*を設定すると、エンジン22がトルク指令Te*で運転されるようにエンジン22を制御する、即ち、エンジン22をトルク制御する。したがって、変速機30の変速比Grを変更してエンジン22の回転数Neを制御するものに比して、ユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。
ここで、目標トルクTeinからトルク低減量ΔTe1とトルク低減量ΔTe2とを減じたものをトルク指令Te*に設定する理由について説明する。
上述したように、処理後変化量ΔNeは、処理前変化量ΔNepreに比して位相が最大90度進んでいる。そのため、処理後変化量ΔNeに定数kpを乗じて得られるトルク低減量ΔTe1の位相は、処理前変化量ΔNepreに比して最大90度の位相進みとなっている。処理前変化量ΔNepre、即ち、駆動軸37のトルク変動を示していることから、エンジン22の目標トルクTeinからトルク低減量ΔTe1を減じたものをトルク指令Te*とし、トルク指令Te*で運転されるようにエンジン22を制御すると、駆動軸37のトルク変動に対してトルク低減量ΔTe1の位相がずれていることから、駆動軸37のトルク変動を適正に抑制することができない。トルク変動を適正に抑制する手法として、トルク低減量ΔTe1に位相遅れ補償を施すことも考えられる。しかしながら、この手法では、複雑な演算処理が必要となり、ECU50の処理負荷が増大してしまう。
実施例では、上述したことを考慮して、処理後変化量ΔNeの積算値Sに比例するトルク低減量ΔTe2を演算し、エンジン22の目標トルクTeinから、トルク低減量ΔTe1とトルク低減量ΔTe2とを減じたものをトルク指令Te*とする。図6は、駆動軸37のトルク(駆動軸トルク)Tdsと総トルク低減量ΔTetとの時間変化の一例を示す説明図である。実線は、実施例の自動車20での駆動軸トルクTds、総トルク低減量ΔTet(=ΔTe1+ΔTe2)の時間変化の一例である。破線は、比較例の自動車の駆動軸トルクTds、総トルク低減量ΔTet(=ΔTe1)の時間変化の一例である。比較例では、処理前変化量ΔNepreに比して最大90度進むトルク低減量ΔTe1を目標トルクTeinから減じたものをトルク指令Te*としている。そのため、例えば、タイミングt1など、総トルク低減量ΔTetが正の値となりエンジン22のトルク指令Te*を減少させるタイミングと駆動軸トルクTdsが高くなるタイミングとが一致せず、駆動軸トルクTdsの変動を適正に抑制することができない。実施例では、処理前変化量ΔNepreに比して最大90度進むトルク低減量ΔTe1とトルク低減量ΔTe1を90度遅らせたトルク低減量ΔTe2とを目標トルクTeinから減じたものをトルク指令Te*としている。そのため、例えば、タイミングt2など、総トルク低減量ΔTet(=ΔTe1+ΔTe2)が正の値となりエンジン22のトルク指令Te*を減少させるタイミングと駆動軸トルクTdsが高くなるタイミングとが一致する。このように、実施例では、駆動軸トルクTdsの変動を適正に抑制することができる。なお、定数kp,kiは、後述する駆動軸37のトルク変動を抑制できるように、実験や解析などで予め定めた値を用いている。
また、トルク低減量ΔTe2は、ステップS130で処理後変化量ΔNeの積算値Sに比例する量として演算されるから、トルク低減量ΔTe1に位相遅れ補償を施すものに比して、より簡便に演算でき、制御装置の負荷の増加を抑制できる。これにより、より簡便な手法で、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図ることができる。
以上説明した実施例の自動車20によれば、エンジン22の回転数Neと駆動軸37の回転数Ndsを用いて演算されるエンジン22の推定回転数Nesとの差である処理前変化量ΔNepreにハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量ΔNeに比例するトルク低減量ΔTe1を演算し、処理後変化量ΔNeの積算値Sに比例するトルク低減量ΔTe2を演算し、走行に要求される走行要求トルクTdrv*に基づく前記エンジンの目標トルクTeinから、トルク低減量ΔTe1とトルク低減量ΔTe2とを減じたものをトルク指令Te*とすることにより、より簡便な手法で、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図ることができる。
実施例の自動車20では、車輪速センサ70a,70bを用いて駆動軸37の回転数Ndsを検出している。しかしながら、駆動軸37に回転数を検出する回転数センサを取り付け、この回転数センサにより回転数Ndsを検出してもよい。
実施例の自動車20では、積算値Sを、自動車20が出荷されて初めてシステム起動されてから、本ルーチンが実行されて処理後変化量ΔNeが演算される毎に積算される値としている。しかしながら、積算値Sを、イグニッションがオンされたときから本ルーチンが実行されて処理後変化量ΔNeが演算される毎に積算される値とし、イグニッションオフされたときに値0にリセットしてもよい。
実施例の自動車20では、変速機30をCVTとして構成している。しかしながら、変速機30を、有段変速機として構成してもよい。
実施例では、本発明を、エンジン22と、トルクコンバータ28と、変速機30と、を備える自動車について適用する場合について例示しているが、本発明は、車軸に連結された駆動軸に動力を出力するエンジンを備える自動車であるならば如何なる構成のものに適用しても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、ECU50が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
20 自動車、22 エンジン、22a クランクポジションセンサ、23 クランクシャフト、28 トルクコンバータ、28a ロックアップクラッチ、30 変速機、32 入力軸、36a,36b 駆動輪 、37 駆動軸、50 電子制御ユニット(ECU)、60 イグニッションスイッチ、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、70a,70b 車輪速センサ。
Claims (1)
- 車軸に連結された駆動軸に動力を出力するエンジンと、
トルク指令で運転されるように前記エンジンを制御する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンの回転数と前記駆動軸の回転数を用いて演算される前記エンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、
前記処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、
走行に要求される走行要求トルクに基づく前記エンジンの目標トルクから、前記第1低減量と前記第2低減量とを減じたものを前記トルク指令とする、
車両。
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JP2019206407A JP2021079732A (ja) | 2019-11-14 | 2019-11-14 | 車両 |
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