JP2021079098A - 治療ガス、特にｎｏまたはｎ２ｏを患者に供給するためのデバイス - Google Patents

Abstract

【課題】治療ガス、特にＮＯを吸入することによって治療を受けた患者の数を正確かつ確実に計数することができるデバイスを提供する。【解決手段】治療ガス、特にＮＯ／Ｎ2またはＯ2／Ｎ2Ｏ混合物を供給するためのデバイス１であって、内部通路２内の治療ガスの流れを搬送および制御するための弁手段５を有する内部通路と、弁手段を制御する制御手段６と、ユーザが選択することができる選択肢９ａ〜９ｄを表示するためのグラフィックディスプレイ７と、グラフィックディスプレイ上に表示される選択可能な選択肢の中から選択をするための、タッチセンシティブキーなど選択手段８とを備えるデバイスである。制御手段は、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢９ａを、選択手段を介してユーザが選択してから、治療ガスの投与によって治療を受けた患者の総数（Ｎ）を計数するように構成される。【選択図】図１

Description

本発明は、治療ガス、特に一酸化窒素（ＮＯ）または亜酸化窒素（Ｎ₂Ｏ）を供給するためのデバイスに関し、さらにそのような治療ガス供給デバイスを備えるガスを患者に投与するための設備に関する。

吸入一酸化窒素またはＮＯｉは、たとえばＥＰ−Ａ−５６０９２８またはＥＰ−Ａ−１５１６６３９に記載されているように、急性肺高血圧症、特に成人、または新生児（ＰＰＨＮ）を含む小児における肺血管収縮の患者を治療するために一般に使用されるガス薬剤である。

ＮＯｉ治療を適用するための設備は、一般にＮＯ投与設備と称され、従来、ＮＯ／Ｎ₂混合物供給の１つまたは複数のシリンダと、ＮＯ治療投与および／または監視デバイスと、Ｏ₂／Ｎ₂混合物またはＮＯ（すなわち、ＮＯ／Ｎ₂）が加えられる空気など呼吸ガスを送達するための医療用ベンチレータと、気管チューブおよび１つまたは複数の可撓性のパイプなど呼吸インターフェースを特に備える患者キットとを備える。

そのようなＮＯ投与設備は、ＮＯｉ治療を施す、したがって肺高血圧症を治療するためにＮＯを吸入することを必要とする入院中の患者を介護するために、病院環境で使用される。

そのようなＮＯ投与設備の例は、文献ＷＯ−Ａ−２０１２／０９４００８、ＵＳ−Ａ−２０１５／３２０９５１、ＵＳ−Ａ−２０１５／２７３１７５、ＪＰ−Ａ−Ｈ１１１９２３０３、ＷＯ−Ａ−０２／４０９１４、およびＵＳ−Ａ−２００３／１１６１５９に与えられている。

ところで、患者治療の継続時間は、患者ごとに、すなわち数時間から数日まで様々である。その結果、病院内では、たとえば１か月以上、さらには丸一年の所与の期間にわたってＮＯｉで治療を受けた患者の数を追跡および記録することは非常に困難であり、これは、他の薬剤の場合とは非常に異なるが、それにもかかわらず、治療を受けた患者の数に関するこの情報は、薬剤の正しい使用を保証し、処方箋の数を病院活動に対して相関する義務がある病院にとってこの上なく重要なものである。

同様の様々な問題が、他の治療ガス、特に酸素と亜酸化窒素の等分子混合物（ＭＥＯＰＡ）、すなわち、Ｏ₂／Ｎ₂Ｏ混合物、さらには他の医療用ガスに伴って存在する。

この問題に対処しようと試みて、いくつかの投与デバイスまたはガスシリンダは、治療ガスの使用時間数を、これからの順で、また使用の固定平均継続時間に基づいて計数し、治療を受けた患者の近似数を推論する。

ところで、この手法は、単一平均継続時間に基づいているが、使用の継続時間は患者間で大きく変動するので、理想的でないことを理解されたい。したがって、成人で使用されるガスの量は新生児で使用されるものとは非常に異なることは、容易に理解されよう。したがって、得られる計算は、非常に不正確であり、さらには完全に誤っている。

さらに、この手法は、これらの計算を実施する際に間違いを犯し得るユーザによって行われる計算に依拠しているので、誤りにも通じる。

最後に、ガスシリンダが誤って開いたままになっている場合、送達されるガスは、失われてしまったにもかかわらず、患者を介護するために使用されたと考えられることになり、これもまた、計算を歪める。

したがって、課題は、治療ガス、特にＮＯを吸入することによって治療を受けた患者の数を正確かつ確実に計数することができるという課題であり、これについて、介護スタッフなどユーザがいつでも調べることができ、ユーザにとって有用な情報を供給するように自動化され、それを即座に行い、特にそのような治療を必要とする患者にＮＯ／Ｎ₂混合物を供給する状況において、特に患者の肺高血圧症、または患者の血液の低酸素化を治療するために、ユーザは、自分自身で最小限の計算をも実施しなくてよい。

したがって、本発明による解決策は、治療ガスを供給するためのデバイスに関し、このデバイスは、
− （少なくとも）ガス入口と（少なくとも）ガス出口との間で治療ガスの流れを搬送するための内部通路と、
− 内部通路内の治療ガスの流れを制御するための弁手段と、
− 少なくとも弁手段を制御するように構成された制御手段と、
− ユーザが選択することができる（少なくとも）選択肢、およびおそらくは他の情報を表示するように構成されたグラフィックディスプレイと、
− グラフィックディスプレイ上に表示される選択可能な選択肢の中から選択をするように構成された選択手段とを備える。

本発明によれば、制御手段は、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢を、選択手段を介してユーザが選択してから、治療ガスの投与によって治療を受けた患者の総数（Ｎ）を計数するように構成される。

考慮される実施形態によれば、本発明の治療ガス供給デバイスは、以下の特徴の１つまたは複数を備え得る。
− 制御手段は、グラフィックディスプレイと協働し、治療を受けた患者の計数された総数（Ｎ）を表示する。
− 制御手段は、少なくとも１つのマイクロプロセッサ、好ましくは少なくとも１つのマイクロコントローラを備える。
− 前記少なくとも１つのマイクロプロセッサは、電子基板上に配置される。
− 制御手段は、１つまたは複数のアルゴリズムを使用する少なくとも１つのマイクロプロセッサを備える。
− 選択手段は、１つまたは複数の選択キーを備える。
− グラフィックディスプレイは、表示画面、典型的にはデジタル画面、好ましくはタッチスクリーンを備える。
− １つまたは複数の選択キーは、タッチスクリーン上に表示される１つまたは複数の仮想キー、すなわち１つまたは複数のタッチセンシティブキーである。
− グラフィックディスプレイは、１つまたは複数の選択ウィンドウの形態で仮想選択キーを表示するように構成される。
− グラフィックディスプレイは、カラーもしくは白黒の、または両方の表示画面を備える。
− 制御手段は、患者カウンタ、特にマイクロプロセッサの内部カウンタを増分することによって、治療を受けた患者の総数（Ｎ）を計数するように構成される。
− 制御手段は、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する、ユーザによる第１の所与の選択肢の選択に応答して、治療を受けた患者の総数（Ｎ）を＋１増分するように構成される。
− 制御手段は、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する、ユーザによる第１の所与の選択肢の選択に応答して、弁手段を動作させ、治療ガスの供給を開始するように構成される。
− 代替として、制御手段は、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する、ユーザによる第１の所与の選択肢の選択に応答して、弁手段を動作させ、治療ガスの供給を開始し、その後に、第１の所与の選択肢の前記選択の妥当性検証（すなわち、確認）が続くように構成され、前記妥当性検証は、好ましくはユーザが妥当性検証キー、特にグラフィックディスプレイ上に表示される仮想妥当性検証キーを選択することによって実施される。
− 制御手段は、ユーザが
・ 対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢を選択してから
・ 前記対象の患者に治療ガスを投与による治療の終了に対応する第２の所与の選択肢を選択するまで
に経過した期間に対応する、治療された各患者についての治療の総継続時間を決定するようにさらに構成される。
− 制御手段は、
・ 対象の患者についての治療の総継続時間の決定を、
− ユーザが、治療の終了に対応する第２の選択肢を選択した、
− または、ユーザが、前記対象の患者への治療ガスの投与の一時的な中断を伴う治療の一時停止に対応する第３の所与の選択肢を選択した
後で一時的に中断し、
・ 前記対象の患者についての治療の総継続時間を決定することを、
− ユーザが、治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢を再選択した、すなわち、同じ患者について第１の選択肢を追加的に選択した、
− または、ユーザが、前記所与の患者に治療ガスを投与することによる治療の再開に対応する第４の所与の選択肢を選択した
後で再開するようにさらに構成される。
− 制御手段は、ユーザが、治療の開始に対応する第１の選択肢を再選択した、または、所与の患者についての治療の再開に対応する第４の選択肢を選択した後、患者カウンタを増分しないようにさらに構成される。これは、第１の選択肢の再選択、または第４の選択肢の選択が、制御手段、特にマイクロプロセッサによって、１人の同じ患者の１回の同じ治療が、この患者におけるこの治療の一時的な休止に続いて再開されることを示すと解釈される／考慮されるからである。
− 選択キーは、
○ 治療ガスの供給の開始を指令する「治療開始」キーと、
○ 供給治療ガスの停止を指令する「治療終了」キーとを備える。
− 「治療開始」キーおよび「治療終了」キーは、ガスの供給の開始および終了を指令する１つの同じキーである。
− 「治療開始」キーおよび「治療終了」キーは、異なるキーである。
− 選択キーは、
・ 治療ガスの供給の休止を指令する「治療休止」キー、および／または
・ 治療ガスの供給の再開（休止後）を指令する「治療再開」キーをさらに備えることが可能である。
− 「治療休止」キーおよび「治療再開」キーは、ガスの供給の休止および再開を指令する１つの同じキーである。
− 「治療休止」キーおよび「治療再開」キーは、異なるキーである。
− 別の実施形態によれば、「治療休止」キーおよび「治療終了」キーは、ガスの供給の最終的な停止または一時的な停止（すなわち、休止）を指令する１つの同じキーである。
− さらに別の実施形態によれば、「治療開始」キーおよび「治療再開」キーは、ガスの供給の開始（すなわち、最初または休止後の再開）を指令する１つの同じキーである。
− 制御手段は、合計された治療を受けた患者の総数（Ｎ）から、および治療患者について決定された総治療継続時間から以下を決定するようにさらに構成される。
○ 総治療継続時間が事前設定の閾値継続時間未満である短時間治療の数（ＴＣ）。換言すれば、数ＴＣは、この治療が効果的でなかったため、負の副作用有していたため、または何らかの他の理由で直ちに、典型的には３時間未満後に中断された治療を受けた患者の数に対応する。および／または
○ 総治療継続時間が前記事前設定の閾値継続時間を超える長時間治療の数（ＴＬ）。換言すれば、数ＴＬは、これらの患者において治療が効果的であったため長い継続時間、たとえば、数日と同程度の長さであり得る継続時間にわたる治療を受けた患者の数に対応する。
− 特定の一実施形態によれば、制御手段は、決定された総治療継続時間が事前設定の閾値継続時間未満である事前設定の最小継続時間、たとえば、１時間以下、好ましくは３０分以下の事前設定の最小継続時間未満であるとき、治療を受けた患者の総数（Ｎ）を＋１増分しない（すなわち、それらを計数しない）ようにさらに構成される。これは、最小継続時間の間のデバイスの使用が、一般に、患者の治療に対応しない例外的な状況、たとえば、セットアップエラーを補正すること、トレーニング目的でデモンストレーションを実施することなどに対応し、この例外的な状況は、治療を受けた患者の総数（Ｎ）の計算を歪めないために、計数してはならないからである。
− 長時間治療の数（ＴＬ）は、治療を受けた患者の総数（Ｎ）から短時間治療の数（ＴＣ）を引いたものに等しく、すなわちＴＬ＝Ｎ−ＴＣである。あるいは、別の表現では、Ｎ＝ＴＣ＋ＴＬまたはＴＣ＝Ｎ−ＴＬである。
− 制御手段は、グラフィックディスプレイと協働し、短時間治療の数（ＴＣ）および／または長時間治療の数（ＴＬ）をも表示する。
・ 治療を受けた患者の総数（Ｎ）、
・ 短時間治療の数（ＴＣ）、
・ 長時間治療の数（ＴＬ）
・ ユーザが選択可能な選択肢ならびに／または
・ 事前設定の閾値継続時間
・ および／もしくは、おそらくは事前設定の最小継続時間
を記憶するように構成されたメモリ記憶手段をさらに備える。
− 閾値継続時間は、治療ガスがＮＯであるとき、５時間以下、典型的には３ｈから４ｈ程度、たとえば、３ｈである。
− 最小継続時間は、１ｈ以下、たとえば、３０分程度である。
− 閾値継続時間は調整可能であり、および／または最小継続時間は調整可能である。
− メモリ記憶手段は、データを記録および記憶するための１つまたは複数のメモリ、たとえば、フラッシュメモリまたは何らかの他のタイプの、たとえば１つまたは複数の揮発性または不揮発性メモリを備える。
− 少なくとも１つのメモリ（たとえば、フラッシュ）は、ある電子基板または前述の電子基板上に位置する。
− 動作するために必要とされる電流として、ディスプレイ、マイクロプロセッサ、メモリなどデバイスのそのような構成部品に電流を供給する電流供給手段をさらに備える。電流供給手段は、従来のように、１つ（または複数）の再充電可能または非再充電可能なバッテリと、電力コードと、商用電源ネットワーク（１１０／２２０ Ｖ）電流トランスなどに接続することができる電気プラグとを備えてもよい。
− デバイスの構成部品のすべてまたは一部、特に制御手段、内部通路、弁手段などが配置される剛性の外部ケーシングまたはハウジングをさらに備える。
− グラフィックディスプレイは、剛性の外部ケーシングの壁内に配置される。
− 制御手段は、内部通路内を循環する治療ガスの流量を調整するように（少なくとも）弁手段を制御するように構成される。
− 弁手段は、少なくとも１つの比例（電磁）弁またはいくつかの電磁弁、好ましくは並列に配置されたいくつかの電磁弁を備える。
− 内部通路を循環する治療ガスの流量を決定（すなわち、測定）するようにガス通路上に配置された流量計デバイスをさらに備える。
− 流量計デバイスは、熱線型または差圧型のものである。
− 流量計デバイスは、制御手段と協働する。
− １つまたは複数のカウンタがリセットされることを可能にする再ゼロ調整（ＲＥＳＥＴ）手段、たとえば、ＲＥＳＥＴキーなどを備える。

本発明は、患者にガスを投与するための設備にも関し、この設備は、
− 少なくとも１つの治療ガス源と、
− 前記少なくとも１つの治療ガス源によって治療ガスが供給される、本発明による治療ガス供給デバイスと、
− 治療ガス供給デバイスによって治療ガスが供給されるガス供給ラインと
を備える。

考慮される実施形態によれば、本発明のガス投与設備は、以下の特徴の１つまたは複数を備え得る。
− ガス供給ラインと流体連通する医療用ベンチレータ、すなわち換気補助装置をさらに備える。
− 医療用ベンチレータは、前記供給ラインに空気またはＮ₂／Ｏ₂混合物を供給するために供給ラインに流体接続される。
− 治療ガス源は、ＮＯ、特にＮＯ／Ｎ₂混合物を含む。
− 治療ガス源は、体積でＮＯ２０００ｐｐｍ未満、残部は窒素、好ましくは体積でＮＯ１０００ｐｐｍ未満、残部は窒素を含むＮＯ／Ｎ₂混合物を含む。
− 優先として、治療ガス源は、体積でＮＯ２５０から９００ｐｐｍ、残部は窒素、たとえば体積でＮＯ８００ｐｐｍ程度、残部は窒素を含むＮＯ／Ｎ₂混合物を含む_。
− 代替として、少なくとも１つの治療ガス源は、Ｏ₂／Ｎ₂Ｏ混合物、好ましくは酸素および亜酸化窒素の等分子（５０／５０ｍｏｌ％）混合物を含み、すなわち、ＭＥＯＰＡを含む。
− 代替として、治療ガス源は、酸素を含み、特に、酸素容器または酸素ラインを備える。
− 代替として、治療ガス源は、アルゴンまたはアルゴン／酸素混合物を含む_。
− ガス供給ライン上、好ましくは治療ガス供給デバイスが前記ガス供給ラインに、そこへ治療ガスを供給するように流体接続されている点の下流に配置されたガス加湿器をさらに備える。
− 患者によって呼出されたガスを回収するためのラインをさらに備える。
− ガス供給ラインおよび呼出ガス回収ラインは、接続ピース、好ましくはＹピースに接続され、患者回路を画定する。
− ガス供給ラインは、患者回路の吸気分岐を形成する。
− 呼出ガス回収ラインは、患者回路の呼気分岐を形成する。
− ガス供給ラインは、医療用ベンチレータによって送達されるガスを収集および搬送するように医療用ベンチレータの出口ポートに流体接続される。
− 呼出ガス回収ラインは、患者によって呼出されたガスのすべてまたは一部を医療用ベンチレータに供給し、したがって１つまたは複数の潜在的なガス漏れがあるかどうか決定するように医療用ベンチレータの入口ポートに流体接続される。
− 呼出ガス回収ラインは、患者によって呼出されたガス内に存在するＣＯ₂をなくすることを可能にするＣＯ₂除去デバイスを備えることが可能である（すなわち、これは必須ではない）。
− 呼出ガス回収ラインは、フィルタを備えることが可能である（すなわち、これは必須ではない）。
− 少なくとも１つの治療ガス源は、１つまたは複数のガス容器、特に１つまたは複数の加圧ガスシリンダを備える。
− ガス容器は、ガス分配弁を装備する。
− ガス分配弁は、組込みレギュレータ有り、または無しの弁である。
− ガス分配弁は、真鍮など銅合金製である。
− ガス容器は、ガス分配弁周りに配置された保護覆いを装備する。
− 覆いは、ポリマー（すなわち、プラスチック）材料、金属、またはこれらの組合せ製である。
− 流体容器は、満杯時、少なくとも１５０から２００ｂａｒ ａｂｓ、さらには少なくとも２５０から３００ｂａｒ ａｂｓの圧力でガス混合物、特にＮＯ／Ｎ₂を含む加圧ガスシリンダである。
− 流体容器は、円筒形、特にオジーブ形の全体形状を有する。

別の態様によれば、本発明は、治療ガス特にＮＯ／窒素混合物などＮＯを患者に投与することを含み、前記治療ガス、特にＮＯ／窒素混合物などＮＯを、肺高血圧症の患者に、これが成人、青年、小児、または新生児、たとえば、新生児（ＰＰＨＮ）の持続性肺高血圧症の新生児にかかわらず供給するために、本発明によるガス投与設備および／または治療ガス供給デバイスが使用される治療方法にも関する。

考慮される実施形態に応じて、ＮＯ／窒素混合物は、患者に供給される前に空気または窒素／酸素混合物で希釈されてもよい。優先として、空気または窒素／酸素混合物は、医療用ベンチレータによって供給される。

ところで、本発明は、非限定的な例示として与えられている以下の詳細な説明により、また添付の図を参照して、よりよく理解されよう。

本発明による治療ガス供給デバイスの一実施形態の概略図。 本発明によるガス投与設備の一実施形態の概略図。 本発明によるガス供給デバイスの画面の一実施形態の概略図。

図１は、たとえばポリマー製の剛性のハウジング１３を備え、その中に、治療ガスの流れを搬送するためのガスまたは同様のダクトなど内部ガス通路２が配置されている、本発明による治療ガス供給デバイス１の一実施形態を概略的に示す。

この実施形態では、治療ガスの例として、ＮＯに基づくガス、すなわち一酸化窒素および窒素の混合物またはＮＯ／Ｎ₂の流れを考える。

ＮＯベースのガスの流れは、１つ（または複数）のガス入口３とガス出口４との間の内部ガス通路２に入り、循環する。ガス入口３および出口４は、たとえば、デバイス１のハウジング１３によって保持されるコネクタまたは機械的接続および流体接続端部フィッティングによって保持され得、そこに、後述するように、ガスを搬送するために使用されるガスライン、たとえば可撓性のチューブなどを取り付けることができる。

弁手段５、すなわち１つ（または複数）の弁デバイス、たとえば並列で配置された複数の電磁弁が、内部ガス通路２上に配置され、ガス入口３からガス出口４に延びる方向で内部通路２内を循環する治療ガスの流れの制御を可能にする。当然ながら、他の弁手段、たとえば１つ（または複数）の比例（電磁）弁が使用されてもよい。

弁手段５は、ハウジング１３内に配置された制御手段６、すなわち１つ（または複数）の制御デバイス、典型的には１つまたは複数のアルゴリズムを実行する１つ（または複数）のマイクロプロセッサ、典型的には１つ（または複数）のマイクロコントローラを備える電子基板によって動作される。制御手段６は、特に弁手段５を通るガスの流量を調整または制御することを可能にする。

このようにして、制御手段６は、並列で配置された電磁弁など弁手段５を制御することができ、すなわち、後述するように、たとえばユーザによって調節／設定される値に基づいて、またベンチレータ２３によって送達されるガス、すなわち空気の流量（Ｑ'）の関数として、マイクロコントローラによって決定／計算されるガス流量（Ｑ）を得るために、これらの弁のすべてまたは一部を開く、または閉じることができる。

１つ（または複数）の流量計（図示せず）もまた提供され、これは、ＮＯベースのガスの流量（Ｑ）を決定するように、弁手段５の上流および／または下流で内部ガス通路２上に配置される。流量計は、差圧型、熱線型または何らかの他のタイプのものであってよい。流量計は、制御手段６と協働し、それらに測定値を供給する。

さらに、ハウジング１３は、様々な情報またはデータ、特にユーザが選択することができる様々な選択肢９ａ〜９ｄを表示するために使用されるグラフィックディスプレイ７、好ましくはタッチスクリーンを備える。これらの選択肢は、グラフィックディスプレイ７のタッチ／デジタル画面上に表示されるウィンドウなどに表示され得る。

グラフィックディスプレイ７は、１つまたは複数の曲線、グラフ、警報、アイコンなど、または介護スタッフなどユーザにとって役立つ任意の他の情報またはデータを示すようにさらに構成される。

また、ユーザがグラフィックディスプレイ７上に表示される選択可能な選択肢９ａ〜９ｄの中から選択をする、すなわち画面上で提案および表示されるいくつかのオプションの間で選ぶこと、または選択肢（すなわち、オプション）を確認／妥当性検証する、もしくは拒絶すること、または、たとえば、流量についての所望の値を選択するために調整もしくは設定をすることを可能にする選択手段８、すなわち１つ（または複数）の選択デバイスも提供される。

選択手段８は、典型的にはユーザが作動させることができる選択キーまたはボタンを備える。選択手段８は、タッチによって操作される仮想キー、すなわちそれ自体タッチスクリーンであるグラフィックディスプレイ７上に表示されるタッチセンシティブキーであることが有利である。

本発明によれば、制御手段６は、選択手段８、特にグラフィックディスプレイ７上に表示されるタッチセンシティブキーを介して、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢９ａをユーザが選択してから、治療ガスの投与によって治療を受けた患者の総数（Ｎ）を計数するようにさらに構成される。たとえば、治療の開始は、ユーザが指で治療ガスの供給の開始を指令する「治療開始」キーを押すことによって起動されてよい。

治療を受けた患者の総数（Ｎ）は、カウンタ、たとえばマイクロプロセッサなどのカウンタを増分＋１で増分することによって計数される。

換言すれば、ＮＯなど治療ガスを患者に投与することによる治療が開始しようとするときは直ちに、ユーザは、この治療の起動、すなわち開始に対応する、グラフィックディスプレイ７上に表示される「治療開始」タッチセンシティブキーを押し、これにより、治療を受けた患者の総数（Ｎ）の計数を保つカウンタが＋１増分される。

治療を受けた患者の総数（Ｎ）は、グラフィックディスプレイ７上に、永続的に、またはユーザから要求があったとき、たとえば専用のキーを押した後に表示されてよい。

図１に示されているように、グラフィックディスプレイ７は、特定の所与のアクションにそれぞれが対応するいくつかの選択可能な選択肢９ａ〜９ｄを表示し得る。

たとえば、ディスプレイ７は、キーなどの形態で以下を表示してよい。
− 患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢９ａ、すなわち「治療開始」キー_、
− 対象の患者の治療の終了に対応する第２の所与の選択肢９ｂ、すなわち「治療終了」キー_、
− 対象の患者への治療ガスの投与の一時的な中断を伴う治療の一時停止に対応する第３の所与の選択肢９ｃ、すなわち「治療休止」キーを選択することによる治療の休止、および
− 「治療再開」キーを選択することによる所与の患者の治療の再開に対応する第４の所与の選択肢９ｄ。

たとえばディスプレイ７のタッチスクリーンの仮想キー、たとえばウィンドウなどを指で押すことによってこれらの選択肢９ａ〜９ｄの１つをユーザが選択したことは、制御手段６のマイクロプロセッサに送信されることになり、後者は、なされた選択に従って装置の動作を制御することになる。

たとえば、制御手段６は、弁手段５に以下を行うように指令し得る。
− 押されたキーが第１の選択肢９ａに対応する、すなわち患者に治療ガスを投与することによる治療を開始することに対応する、すなわち「治療開始」キーに対応する場合、流量制御電磁弁を通じて設定された流量（Ｑ）に従って、患者の方向でガスが内部通路２を循環することを可能にする。
− 押されたキーが第２の選択肢９ｂまたは第３の選択肢９ｃに対応する、したがって、患者の治療の最終的または一時的な停止に対応する、すなわち「治療終了」キーまたは「治療休止」キーに対応する場合、患者の方向での内部通路２内のガスの循環を中断する。
− 治療を一時的に停止すること、すなわち、治療を一時的に休止することと同義の第３の選択肢９ｃについてキーが押された後で、「治療再開」キーを選択することによって、押されたキーが第４の選択肢９ｄに対応する場合、ガスが再び患者の方向で内部通路２内を循環することを可能にする。

図１の実施形態では、４つのキー９ａ〜９ｄは、特定のアクションをそれぞれが実施する個々のキーである。しかし、他の実施形態によれば、アクション／選択肢のいくつかは、１つの同じキーを使用して選択することができ、これはすなわち、１つの同じキーを使用し、いくつかの異なる選択肢を選択することができることを意味する。

たとえば、第３の選択肢９ｃおよび第４の選択肢９ｄは、２つの「治療休止」および「治療再開」仮想キーなどの形態で表示される。しかし、別の実施形態によれば、これらの第３の選択肢９ｃおよび第４の選択肢９ｄは、１つの同じ「治療休止／再開」仮想キーによって選択することができる。

同様に、さらに別の実施形態によれば、第１の選択肢９ａ、第３の選択肢９ｃ、および第４の選択肢９ｄは、１つの同じ「治療開始／休止／再開」仮想キーによって選択することができる。

さらに別の実施形態によれば、１つの同じキーが開始および休止後の治療の再開を指令することができ、別のキーが治療の一時的な休止および最終的な終了を指令することができる。

当然ながら、他の組合せまたは実施形態もまた可能である。

すべての場合において、第１の選択肢９ａ、すなわち対象の患者（すなわち、新しい患者）における治療の開始に対応するキーなどをユーザが押すこと、すなわち選択することは、治療を受けた患者の数のカウンタに＋１増分させ、第２の選択肢９ｂに対応するキー、すなわち対象の患者の治療の最終的な終了をシグナリングするキーが押されるまで、それ以上＋１の増分は行われることがない。治療を休止および／または再開することに対応する選択肢９ｃ、９ｄの選択は、カウンタの増分をもたらさないことを強調しておかなければならない。

変形実施形態によれば、患者に治療ガスを投与することによる治療の開始は、ユーザが「治療開始」キーを押すことによって選択される第１の選択肢を妥当性検証した、すなわち、確認するまで、開始することができず、優先として、下記で詳述されるように、妥当性検証は、ユーザが専用の妥当性検証キー、特にグラフィックディスプレイ７上に表示される仮想妥当性検証キーを選択することによって実施される。

換言すれば、制御手段６は、ユーザが「治療開始」の第１の所与の選択肢を選択し、次いで妥当性検証キーを押すことによってこの選択肢を確認した後のみ、弁手段５を動作させ、治療ガスの供給を開始するように構成される。

さらに、本発明のより洗練された実施形態によれば、制御手段６は、ユーザが、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢９ａを選択してから、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の最終的な終了に対応する第２の所与の選択肢９ｂを選択するまでに経過した期間に対応する、治療を受けた各患者についての総治療継続時間を決定するようにさらに構成される。

その結果、制御手段６は、ユーザが、対象の患者への治療ガスの投与の一時的な中断を伴う治療を休止することに対応する第３の所与の選択肢９ｃを選択した後、対象の患者についての総治療継続時間を決定することを一時的に中断、すなわち停止し、次いで_、
− ユーザが、治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢９ａを再選択した、
− または対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の再開に対応する第４の所与の選択肢９ｄの選択
後に総治療継続時間を決定することを再開するように構成される。

本発明のさらに別の実施形態によれば、制御手段６は、以下を決定するようにさらに構成されてもよい。
− 総治療継続時間が事前設定の閾値継続時間未満である短時間治療（ＴＣ）の数、すなわち、たとえば３ｈ未満のそのような短継続時間治療を受けた患者の数、および／または
− 総治療継続時間が事前設定の閾値継続時間を超える長時間治療（ＴＬ）の数（ＴＬ＝Ｎ−ＴＣ、ここでＮは治療を受けた患者の総数である）、すなわち、たとえば３ｈを超え、１日から数日と同程度の間続き得るそのような長継続時間治療を受けた患者の数。

制御手段６は、グラフィックディスプレイ７と協働し、このようにして決定された１つまたは複数の値、すなわち短時間治療（ＴＣ）の数および／または長時間治療（ＴＬ）数を表示する（１１、１２）。

具体的には、治療を受けた患者の総数、すなわち対象のデバイスを使用して与えられる治療の総数から、短時間治療（ＴＣ）の数および長時間治療（ＴＬ）の数を決定および表示することができることは、治療に反応した患者、すなわちガスが働いた患者と、最小継続時間、すなわち事前設定の閾値継続時間に達し得る継続時間の間投与されたにもかかわらずガスに治療効果がなかった患者とを区別することを可能にする。そのような情報は、介護スタッフにとって、特に、ことによると治療を変更するかどうか判断するために、非常に有用である。

たとえば、ｉＮＯ治療の場合、前記閾値継続時間は、３時間または何らかの他の「短い」継続時間に設定され得る。３時間マーク前に停止される治療は、患者における評価可能なまたは証明された治療効果がなかった短時間治療（ＴＣ）として計数されることになり、少なくとも３時間続いた治療は、患者に対して有益な効果があった長時間治療（ＴＬ）として計数されることになる。

一般に、本発明のガス投与デバイス１で治療を受けた患者の計数は、デバイス１の制御手段６のマイクロプロセッサによって実行されるアルゴリズムによって処理される。このアルゴリズムは、カウンタを増分することによって、治療を受けた患者の総数（Ｎ）を合計する。この数Ｎは、この情報をユーザに提供するために、画面７上に表示される。好ましくは、不揮発性メモリ内に記録される。

有利には、デバイス１は、完全な新しい治療（すなわち、新しい患者のための新しい治療）の開始、治療の一時的な休止、中止段階において不安定な患者の治療の再開（すなわち、休止されていた治療の再開）、および新しい治療を施す継続時間が数時間（すなわち、事前設定の閾値継続時間）未満であり、患者が与えられた治療に反応していないことを知らせる「短時間」治療を考慮することもできる。

治療を受けた患者の総数（Ｎ）のカウンタを＋１増分させる一意のトリガイベントは、「新しい治療開始」に対応する、ディスプレイ７のタッチスクリーン上に表示される第１の選択肢９ａを、この第１の選択肢９ａに対応する、画面上に表示される仮想キーなどを押すことによって選択するアクションである。

所与の患者の治療を一時的に休止することが必要なとき、デバイス１は、上述のように、「治療休止」タイプの専用のキー９ｃの形態で、治療を一時的に休止することに対応する選択肢または選択を提供し得る。

たとえば、非常に長い休止の後で治療を再開するとき、デバイス１は、カウンタを増分する前に、たとえば、「これは新しい患者ですか」というタイプの質問に対して「はい」または「いいえ」回答を選択するようにユーザに依頼することによって、また画面上に表示される２つの仮想キーの形態で回答「はい」および「いいえ」の２つの可能な選択肢を提供することによって、確認、すなわち選択肢の妥当性検証を要求してもよい。回答「いいえ」は、デバイス１によって治療の休止後のリスタートとして扱われ、新しい患者として扱われず、したがって、カウンタは増分されない。

総治療時間は、制御手段６によって、ユーザがキー９ａを押し、「新しい治療開始」を知らせてから、その後、上述のように次いで治療は同じ患者でその後再開されない「治療停止」タイプの選択肢９ｂに対応する別のキー、さらには「治療休止」タイプの第３の選択肢９ｃに対応する別のキーを押すまで及ぶ継続時間として決定される。

有利には、ディスプレイ７は、治療を受けた患者の総数（Ｎ）（１０における）だけでなく、短時間治療の数ＴＣ（１１における）、および長時間治療の数ＴＬ、すなわち完全な治療（１２における）をも表示する。治療を受けた患者の総数（Ｎ）は、長時間治療の総数と短時間治療の数の和に等しい（すなわち、Ｎ＝ＴＬ＋ＴＣ）。

値Ｎ、ＴＬ、およびＴＣのうちのすべてまたは一部の表示１０、１１、１２は、グラフィックディスプレイ７上で永続的に使用可能であっても、または、たとえば専用のキーなどを押すことによってユーザによって呼出された後にのみ画面上に現れてもよい。

図２は、本発明によるガス投与設備２０の一実施形態を概略的に示し、この場合、治療ガス、すなわち、たとえば体積でＮＯ８００ｐｐｍ（残部Ｎ₂）を含むこの場合ＮＯ／Ｎ₂混合物の２つのシリンダ２１を備え、これらのシリンダは、図１に示されている上述の本発明による治療ガス供給デバイス１にＮＯ／Ｎ₂混合物を供給する。

ガスシリンダ２１は、圧力レギュレータ、圧力ゲージなどガス圧力調節および／または監視デバイス３１を装備し得る、可撓性のチューブなどガス搬送ライン３０を介してガス供給デバイス１に流体接続される。ガス搬送ライン３０は、ガス供給デバイス１の内部通路２に供給する前記ガス供給デバイスの１つまたは複数のガス入口３に接続される。

ガス供給デバイス１は、可撓性のチューブなど酸素搬送ライン３４を介して、酸素源、たとえば病院ネットワーク、すなわち病院建物を通って延びる酸素供給ラインに流体接続された酸素入口３２をも備えることに留意されたい。

さらに、医療用ベンチレータ２３、すなわち呼吸補助装置もまた、空気または酸素／窒素（Ｎ₂／Ｏ₂）混合物、すなわち少なくとも酸素２１％を含む呼吸ガスの流れを供給するために提供される。

医療用ベンチレータ２３およびガス供給デバイス１は、ガスの流れを患者に搬送するために使用されるガス供給ライン２２と流体連通する。

ガス供給デバイス１は、ＮＯ／Ｎ₂混合物、たとえば、ＮＯ８００ｐｐｍｖを、医療用ベンチレータ２３によって送達される空気または酸素／窒素混合物の流れ内にＮＯ／Ｎ₂の流れを注入する（３７ａにおいて）ように、注入パイプ３７を介してガス供給ライン２２内に送達する。

ガス供給ライン２２は、治療ガス供給デバイス１が供給ライン２２に流体接続される点（３６における）の下流に配置されたガス加湿器２４をさらに備える。このガス加湿器２４は、ガス、たとえばＮＯ／Ｎ₂／空気混合物の流れが、気管チューブなど患者呼吸インターフェースを介して患者によって吸入される前に加湿されることを可能にする。図２では、患者／インターフェースアセンブリは、「人工肺」２５として概略的に示されている。

患者によって呼出されたガスを回収するためのライン２７もまた提供される。ガス供給ライン２２および呼出ガス回収ライン２７は、接続ピース２８、好ましくはＹピースに接続され、したがって患者回路２９を画定する。ガス供給ライン２２は、患者回路２９の吸気分岐を形成し、一方、呼出ガス回収ライン２７は、患者回路２９の呼気分岐を形成する。

ガス供給ライン２２は、医療用ベンチレータ２３によって送達されるガス、典型的には空気（またはＯ₂約２１％を含むＮ₂／Ｏ₂混合物）を収集および搬送するように、医療用ベンチレータの出口ポート２３ａに流体接続され、一方、呼出ガス回収ライン２７は、患者によって呼出されたガスの流れのすべてまたは一部を医療用ベンチレータ２３に供給するように、医療用ベンチレータ２３の入口ポート２３ｂに流体接続される。

呼出ガス回収ライン２７は、たとえば、ＣＯ₂をなくするためのデバイス、すなわち、患者によって呼出されたガス内に存在するＣＯ₂の除去を可能にする、ホットポットなどＣＯ₂トラップ、またはフィルタなど、１つまたは複数の他の任意選択の構成部品２６を備えてよい。具体的には、ＣＯ₂をなくするためのデバイスは、ガスが、患者によって呼出された後で回収されることを必要とするＮ₂Ｏを含むとき有益であると立証され得る。呼出ガス回収ライン２７は、ＮＯの場合、ベンチレータ２３によって、たとえば回路２２、２７内にガス漏れがあるかどうか検査するために使用される。

たとえば熱線型または差圧型の流量センサ３６もまた提供され、ＮＯ／Ｎ₂／空気の接続および混合の点（３７ａにおける）の上流の供給ライン２２内で、ベンチレータ２３から来る空気（すなわち、Ｎ₂／Ｏ₂）などガスの流量（Ｑ'）を測定するために使用される流量測定ライン３５を介してガス供給デバイス１に接続される。上述したように、これは特に、デバイス１の電磁弁５を通るＮＯの通過が調節されることを可能にする。

さらに、ガスのサンプルを取り、患者に投与されることになる所望の混合物にそれらが従っていることを検証することができるように、Ｙピース２８の近くでガス供給デバイス１を供給ライン２２に流体接続するガス引き出しライン３８が提供されてもよい。引き出しライン３８は、ガスの流れがベンチレータ２３から患者に向かって循環方向を考えるとき、注入ダクト３７の接続の点３７ａの下流（３８ａにおける）でダクト２２に接続される。

図３は、本発明によるガス供給デバイス１のためのグラフィックディスプレイ７の画面の一実施形態を概略的に示し、これは、ガス内のＮＯ、Ｏ₂およびＮＯ₂濃度など様々な情報だけでなく、本発明によれば、ユーザ、すなわち介護者が患者にＮＯを投与することによる治療の開始に対応する第１の選択肢９ａを選択することを可能にする「治療開始」タッチセンシティブキー（すなわち、ウィンドウ）、またついでながら、このデバイス１で治療を受けた患者の数「Ｎ」（１０における）をも表示するように構成される。

この実施形態では、他の１つまたは複数の選択肢９ｂ〜９ｄは、ユーザが第１の選択肢９ａを選択するまで、すなわち、タッチスクリーン上でタッチセンシティブキーを形成するウィンドウが押されるまで、表示されない。

治療を受けた患者の数を記録することに伴う問題は、公立病院および私立病院の環境にとって同様に広範な問題であるため、本発明のデバイスは、吸入一酸化窒素、すなわちｉＮＯの治療以外の治療、たとえば、ＭＥＯＰＡなど酸素および亜酸化窒素の等分子混合物を使用する、または他のガス、たとえばアルゴンを使用する治療に使用することができる。

Claims (15)

1. 治療ガスを供給するためのデバイス（１）であって、
   ガス入口（３）とガス出口（４）との間で治療ガスの流れを搬送するための内部通路（２）と、
   前記内部通路（２）内の治療ガスの前記流れを制御するための弁手段（５）と、
   少なくとも前記弁手段（５）を制御するように構成された制御手段（６）と、
   ユーザが選択することができる選択肢（９ａ〜９ｄ）を表示するように構成されたグラフィックディスプレイ（７）と、
   前記グラフィックディスプレイ（７）上に表示される選択可能な前記選択肢（９ａ〜９ｄ）の中から選択をするように構成された選択手段（８）とを備え、
   前記制御手段（６）は、対象の患者に前記治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する第１の所与の選択肢（９ａ）を、前記選択手段（８）を介してユーザが選択してから、前記治療ガスの投与によって治療を受けた患者の総数（Ｎ）を計数するように構成されていることを特徴とするデバイス。
2. 前記制御手段（６）は、前記グラフィックディスプレイ（７）と協働し、治療を受けた患者の前記計数された総数（Ｎ）を表示（１０）することを特徴とする、請求項１に記載のデバイス。
3. 前記制御手段（６）は、少なくとも１つのマイクロプロセッサ、好ましくは少なくとも１つのマイクロコントローラを備えることを特徴とする、請求項１または２に記載のデバイス。
4. 前記選択手段（８）は選択キーを備え、および／または前記グラフィックディスプレイ（７）はタッチスクリーンを備えることを特徴とする、請求項１に記載のデバイス。
5. 前記グラフィックディスプレイ（７）はタッチスクリーンを備え、前記選択キーは、前記タッチスクリーン上に表示される仮想キーであることを特徴とする、請求項４に記載のデバイス。
6. 前記制御手段（６）は、患者カウンタ、特にマイクロプロセッサの内部のカウンタを増分することによって、治療を受けた患者の総数（Ｎ）を計数するように構成されることを特徴とする、請求項１に記載のデバイス。
7. 前記制御手段（６）は、対象の患者に治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する、前記ユーザによる前記第１の所与の選択肢（９ａ）の選択に応答して、治療を受けた患者の前記総数（Ｎ）を＋１増分するように構成されていることを特徴とする、請求項１または６に記載のデバイス。
8. 前記制御手段（６）は、前記ユーザが
   対象の患者に前記治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する前記第１の所与の選択肢（９ａ）を選択してから
   前記対象の患者に前記治療ガスを投与による前記治療の終了に対応する第２の所与の選択肢（９ｂ）を選択するまで
   に経過した期間に対応する、治療された各患者についての治療の総継続時間を決定するようにさらに構成されていることを特徴とする、請求項１に記載のデバイス。
9. 前記制御手段（６）は、
   ａ）対象の患者についての治療の前記総継続時間の決定を、
   前記ユーザが、前記治療の終了に対応する前記第２の所与の選択肢（９ｂ）を選択した、
   または、前記ユーザが、前記対象の患者への治療ガスの投与の一時的な中断を伴う治療の一時停止に対応する第３の所与の選択肢（９ｃ）を選択した
   後で一時的に中断し、
   ｂ）前記対象の患者についての治療の前記総継続時間を決定することを、
   前記ユーザが、前記治療ガスを投与することによる治療の開始に対応する前記第１の所与の選択肢（９ａ）を再選択した、
   または、前記ユーザが、前記患者に前記治療ガスを投与することによる治療の再開に対応する第４の所与の選択肢（９ｄ）を選択した
   後で再開するようにさらに構成されていることを特徴とする、請求項８に記載のデバイス。
10. 前記制御手段（６）は、前記ユーザが治療の開始に対応する前記第１の所与の選択肢（９ａ）を再選択した、または、所与の患者についての治療の再開に対応する第４の所与の選択肢（９ｄ）を選択した後、前記患者カウンタを増分しないようにさらに構成されていることを特徴とする、請求項６または９に記載のデバイス。
11. 前記制御手段（６）は、合計された治療を受けた患者の前記総数（Ｎ）から、および治療患者について決定された前記治療の総継続時間から
    ｉ）前記治療の総継続時間が事前設定の閾値継続時間未満である短時間治療の数（ＴＣ）、および／または
    ｉｉ）前記治療の総継続時間が前記事前設定の閾値継続時間を超える長時間治療の数（ＴＬ）
    を決定するようにさらに構成されていることを特徴とする、請求項８に記載のデバイス。
12. 前記制御手段（６）は、前記グラフィックディスプレイ（７）と協働し、短時間治療の数（ＴＣ）および／または長時間治療の数（ＴＬ）をも表示する（１１；１２）ことを特徴とする、請求項１１に記載のデバイス。
13. 患者にガスを投与するための設備（２０）であって、
    少なくとも１つの治療ガス源（２１）と、
    前記少なくとも１つの治療ガス源（２１）によって治療ガスが供給される、請求項１から１２の一項に記載の治療ガス供給デバイス（１）と、
    前記治療ガス供給デバイス（１）によって治療ガスが供給されるガス供給ライン（２２）と
    を備える設備。
14. 前記ガス供給ライン（２２）と流体連通する医療用ベンチレータ（２３）をさらに備えることを特徴とする、請求項１３に記載の設備。
15. 少なくとも１つの治療ガス源（２１）は、ＮＯ／Ｎ₂またはＯ₂／Ｎ₂Ｏ混合物、特に１つのまたはいくつかのガス容器を含むことを特徴とする、請求項１３に記載の設備。

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