以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2(枠体)と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6や各種の制御基板を遊技機の内部において保持する本体7と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10(扉体)を備えている。そして前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
そして前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側面の奥側の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
そして上皿16の内側面の奥側の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
また上皿16の手前側の中央部には、ボタンやハンドルなどにより構成される演出入力装置25(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出入力装置25を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
ここで前枠10は、前枠10の左辺および外枠2の左辺に沿った枠回転軸26を中心として外枠2に対して回転可能に取り付けられている。そして上皿16の右方に設けられたシリンダー錠27に鍵を差し込んで一方向に回転させると、施錠が解除されて前枠10を外枠2に対して開くことができるようになっている。
図2は、前枠10が外枠2に対して開いている状態を示す斜視図である。図2に示すように、本実施形態の遊技機は、遊技盤6や各種の制御基板などが設けられた本体7も、枠回転軸26を中心として外枠2および前枠10に対して回転可能に取り付けられており、前枠10を外枠2および本体7に対して開くことができるとともに、本体7を外枠2に対して開くことができるようになっている。
図3は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図3に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ31(演出画像表示手段)と、液晶ディスプレイ31の表示領域を囲むように形成された装飾部32を備える演出ユニット33が設けられている。ここで装飾部32は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の装飾部ランプ34が設けられている。
また本実施形態の演出ユニット33には、液晶ディスプレイ31の上方に、本実施形態の遊技機が題材としているテレビアニメのロゴタイプ(図示省略)が表示されている第1演出物36が設けられており、第1演出物36は、図3に示すように液晶ディスプレイ31の上方となる基準位置と、図4に示すように液晶ディスプレイ31の中央部を覆う落下位置との間で動作(変位)可能となっている。
なお図4に示すように、第1演出物36の背後には、第1演出物36とともに基準位置と落下位置の間で動作する特定演出物37が設けられており、特定演出物37は、第1演出物36および特定演出物37が落下位置に落下すると、図示しないが、特定演出物37の上部分が第1演出物36の背後から上方に突出し、特定演出物37の下部分が第1演出物36の背後から下方に突出する動作を行うようになっている。すなわち特定演出物37は、第1演出物36の動作後に第1演出物36とは異なる動作を行うようになっている。
また本実施形態の演出ユニット33には、液晶ディスプレイ31の下部を覆うように、蒸気機関車の形状を模した第2演出物38が設けられており、第2演出物38は、図3に示すように、水平方向を向きつつ液晶ディスプレイ31の下部を覆う基準位置と、図5に示すように、先端部が左上方向を向きつつ液晶ディスプレイ31の中央部を覆う上昇位置との間で動作可能となっている。
そして本実施形態では、演出ユニット33の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、演出ユニット33の左側の遊技領域4か演出ユニット33の右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
また装飾部32の左部には、演出ユニット33の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる左開口40が形成されており、この左開口40を通過した遊技球は装飾部32の内部に設けられている通路42を通過して、装飾部32の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数は、同一の個数であっても異なる個数であってもよい。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
また遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。
そして遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には演出ユニット33の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には演出ユニット33の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
従って遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは左開口40と通路42とステージ44を通過して、第1始動入賞口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50や大入賞口54に遊技球が入賞することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46に遊技球が入賞することがないようになっている。
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、普通抽選の結果、特別抽選の結果、遊技状態など、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示装置70が設けられている。
2.演出物の構成
図6は、図3〜図5で示した第1演出物36(演出物)の側断面図である。図6に示すように、第1演出物36の前面には、ロゴタイプを縁取る樹脂製の縁取部100と、ロゴタイプの形に形成され光を透過するアウターレンズ102(透過部)が設けられており、アウターレンズ102は縁取部100に内側からはめ込まれている。そして本実施形態のアウターレンズ102は、内側面が水平方向に平目のローレット状にカットされている。
ここで図6の断面図では、第1演出物36の前面の下半分は、下端部が縁取部100の断面となっているもののほとんどがアウターレンズ102の断面となっているが、第1演出物36の前面の上半分は、上端部の他にも中央部のほとんどが縁取部100の断面となっており、上部の狭い範囲がアウターレンズ102の断面となっている。
すなわち本実施形態では、縁取部100とアウターレンズ102の形状は、ロゴタイプの形状に合わせて形成されているため、ロゴタイプの外周のみならずロゴタイプの内周にも縁取部100が形成されている。
そして第1演出物36の内部には、第1演出物36の前面と平行となるように第1LED基板104が設けられており、第1LED基板104の表面には、複数の第1LED素子106が設けられている。本実施形態の第1LED素子106は、光を出力する方向が第1LED基板104と平行となるサイドビューのLED素子となっており、図中手前奥方向にフルカラーの光を出力するように配置されている。そして第1LED基板104の表面は白色に着色されており、第1LED素子106から出力された光は、第1LED基板104の表面で反射されて、また縁取部100の内側面で乱反射されて、アウターレンズ102を透過して前方に出力されるようになっている。
詳細には本実施形態では、第1LED基板104の表面には、複数の第1LED素子106の他にも、信号線、電源ライン、GNDラインなどを含む配線パターンが設けられており、これらが設けられている領域を除く領域に塗布されているレジスト(ソルダーマスク)の色が白色となっている。そして本実施形態では、第1LED基板104の裏面には、IC素子や抵抗、コンデンサ、コネクタなどの実装部品などが設けられており、これらが設けられている領域を除く領域に塗布されているレジストの色も白色となっている。なお、レジストの上には、基板に実装される部品名や組み立て時の目印など、基板に関する情報を示すシルク(SILK)がプリントされている。また、第1LED基板104には、基板の表面と裏面で配線を導通させたり、ICの放熱対策に用いられたりするスルーホールが設けられている。
図7(A)および図7(B)は、第1演出物36の拡大側断面図である。図7(A)に示すように、第1演出物36のアウターレンズ102は、内側面が水平方向のローレット状にカットされているため、第1演出物36が図3に示した基準位置(第1位置)にある場合には、遊技機の正面側の椅子(所定位置)に座っている遊技者は、第1演出物36を斜め下から見上げることになる。
するとこの場合には、アウターレンズ102に対する遊技者の視線方向がカット面と直交するため、アウターレンズ102を通して内部の第1LED素子106(内部)を遊技者が視認しやすくなっている。
一方、第1演出物36が図4に示した落下位置(第2位置)にある場合には、遊技機の正面側の椅子に座っている遊技者は、第1演出物36を正面に見ることになる。
するとこの場合には、図7(B)に示すように、アウターレンズ102に対する遊技者の視線方向がカット面と直交しないため、アウターレンズ102を通して内部の第1LED素子106を視認しにくくなっている。
ここで本実施形態では、複数種類の演出のそれぞれについて、各演出が実行された場合に特別抽選で大当たりが当選する可能性の度合いとして大当たりの当選の期待度が予め定められており、期待度が低い演出よりも期待度が高い演出の方が、特別抽選で大当たりが当選した場合に実行される確率が高くなるように、特別抽選で大当たりが当選した場合に参照される演出抽選テーブルと、特別抽選で大当たりが当選しなかった場合に参照される演出抽選テーブルのそれぞれにおいて、複数種類の演出のそれぞれの選択率が設定されている。
そして本実施形態では、第1演出物36が落下位置に移動する演出が行われる場合には、第1演出物36の内部の第1LED素子106が特定の態様で点灯される演出が行われるが、これらの演出は大当たりの当選の期待度が高い演出として設定されている。
従って本実施形態では、第1演出物36が最も目立つ位置である落下位置にあり、かつ期待度が高い態様で内部の第1LED素子106が点灯される状態で、遊技者から内部の第1LED素子106が視認されにくいようにすることができるため、第1演出物36による演出効果が損なわれないようにすることができる。
図8(A)は、図3〜図5で示した第2演出物38の正面図である。図8(A)に示すように第2演出物38は、蒸気機関車の形状を模した筐体部108を備えており、筐体部108の右端には、第2演出物38を演出ユニット33に基準位置と上昇位置の間で動作可能に取り付けるためのアーム部110が設けられている。
そして本実施形態では、図3等で示した演出ユニット33の内部に設けられた図示しないモーターが駆動されることによって、第2演出物38が基準位置から上昇位置に上昇する上昇動作や、第2演出物38が上昇位置から基準位置に復帰する復帰動作の他にも、第2演出物38が上昇位置に向かう方向と基準位置に向かう方向に小刻みに振動する振動動作が行われるなど、各種の演出動作が行われる。
また図8(A)に示すように、筐体部108の正面下部には、3つの車輪112が回転可能に取り付けられている。
図8(B)は、第2演出物38の背面側を示す斜視図である。図8(B)に示すように、第2演出物38の内部には、モーター114と5つのギヤが設けられており、モーター114が駆動されることによって、3つの車輪112が回転する演出動作が行われる。
ここで本実施形態では、第2演出物38が上昇位置あるいは上昇位置と基準位置の中間位置に上昇した状態で、すなわち筐体部108の左端が上となりアーム部110が下となる状態で、上述した振動動作が行われる場合があり、更に、振動動作が行われている状態で、3つの車輪112が回転する演出動作が行われる場合がある。
すると本実施形態では、モーター114の動作中にモーター114に振動が加えられることにより、モーター114内のグリスが漏れ出てしまうおそれがあり、モーター114内のグリスが他の部品や基板などの精密機器に付着してしまうと、不具合が発生してしまうおそれがある。
そこで本実施形態では、モーター114の図中左下に、すなわち、第2演出物38が上昇位置にある状態でモーター114内のグリスが漏れ出た場合にグリスが流れる方向に、漏れ出たグリスを吸収するスポンジ状の吸収シート116を設けている。
特に本実施形態では、長方形の吸収シート116を設けているが、第2演出物38が上昇位置にある状態で、吸収シート116の位置がモーター114の下方となり、吸収シート116の向きが水平方向となるように、吸収シート116を設けている。
これにより本実施形態では、振動動作が行われている状態で3つの車輪112が回転する演出動作が行われることにより、モーター114内のグリスが漏れ出てしまっても、漏れ出たグリスを吸収シート116により吸収して、漏れ出たグリスが他の部品や基板などの精密機器に付着しないようにすることができる。
また図8(A)に示すように、筐体部108の右部分は、蒸気機関車の運転室を模した形状となっており、運転室の窓118の下方には、蒸気機関車のナンバープレートを模した長方形のシール120が貼り付けられている。
ここで第2演出物38では、上述したように、上昇動作、復帰動作、振動動作が行われたり3つの車輪112が回転する演出動作が行われたりすることによる衝撃や振動がシール120に対して加えられる上に、モーター114や液晶ディスプレイ31などの周囲の機器が発する熱がシール120に対して加えられるため、シール120の粘着力が弱くなりやすい状況となっている。そこで本実施形態では、シール120の粘着力が弱くなっても、シール120が第2演出物38から脱落しないようにしている。
図9(A)は、筐体部108の右部分の拡大斜視図である。図9(A)に示すように、筐体部108の右部分では、筐体部108の内側に内側空間122が形成されている。そして本実施形態の筐体部108は、全体的に黒色に着色されているが、運転室の窓118は透明あるいは開口となっており、内側空間122が図示しないLEDで照明されることにより、運転室の明かりが運転室の窓118から外に漏れる様子が表現されるようにしている。
そして筐体部108は、運転室の窓118の下方の所定領域124が、シール120の位置、大きさ、形状に対応するように透明となっており、所定領域124に対応する筐体部108の内側の領域に、シール120が貼り付けられるシール貼付部126が設けられている。
詳細には筐体部108の内側には、運転室の窓118から見える範囲に内側空間122を形成しつつ、第2演出物38の奥側から手前側に向かって突出する突出部128が設けられており、突出部128の先端にシール貼付部126が形成されている。そしてシール貼付部126の外周には、シール枠部130が形成されている。
図9(B)は、筐体部108および突出部128の側断面図である。図9(B)に示すように、シール枠部130は、シール貼付部126よりも前方に突出しており、シール貼付部126は、シール枠部130に囲まれた窪んだ領域となっている。そしてシール枠部130の前面は、筐体部108の内側面と接触することにより、筐体部108の内側面と、シール枠部130と、シール貼付部126の間に、シール120が保持される保持空間132が形成されている。
これにより本実施形態では、透明な所定領域124を通じてシール120が外部から視認できるようにしつつ、シール120の粘着力が弱くなってもシール120が保持空間132に保持されるため、シール120が第2演出物38から脱落しないようにすることができる。
また図8(A)に示すように、筐体部108の前面および上面には、線状に半透明となっている半透明領域134が形成されており、筐体部108の内側に設けられたLEDから出力された光が、半透明領域134から外側に出力されるようになっている。
図10は、第2演出物38の側断面図である。図10に示すように、筐体部108の内側には、筐体部108の正面と平行となるように第2LED基板136が設けられており、第2LED基板136の正面側には、筐体部108の正面に形成された線状の半透明領域134に沿って複数の第2LED素子138が設けられている。
そして本実施形態の第2LED素子138は、光を出力する方向が第2LED基板136と直交するLED素子となっており、図中左方向に、すなわち筐体部108の正面方向に、フルカラーの光を出力するように配置されている。従って、筐体部108の正面に形成された線状の半透明領域134からは、第2LED素子138から出力された光が出力されるようになっている。
そして本実施形態では、第2LED基板136の背面側の上部には、図中手前奥方向に並ぶように複数の第3LED素子140が設けられている。そして本実施形態の第3LED素子140も、光を出力する方向が第2LED基板136と直交するLED素子となっており、図中右方向に、すなわち筐体部108の内側方向に、フルカラーの光を出力するように配置されている。
そして筐体部108の内側には、第3LED素子140から出力された光を図中左上方向に反射する白色の反射板142が設けられており、筐体部108の内側の上部の空間に、第3LED素子140から出力された光を反射するようになっている。従って、筐体部108の上面に形成された線状の半透明領域134からは、第3LED素子140から出力された光が反射板142に反射されて出力されるようになっている。
こうして本実施形態では、第2LED基板136の正面側に設けられた第2LED素子138からの光が、筐体部108の正面に形成された線状の半透明領域134から出力され、第2LED基板136の背面側に設けられた第3LED素子140からの光が、筐体部108の上面に形成された線状の半透明領域134から出力されるようにすることができる。
特に本実施形態では、筐体部108の上面が円柱側面状の曲面となっており、しかも筐体部108の上面に形成された線状の半透明領域134は、光源となる第3LED素子140からの距離がまちまちとなっているが、第3LED素子140から出力された光を反射板142により筐体部108の内側の上部の空間に反射させることにより、筐体部108の上面に形成された線状の半透明領域134から出力される光に輝度の偏りがないようにすることができる。
また本実施形態では、図1で示したように、前枠10が本体7に対して閉じている状態では、図3等で示した演出ユニット33の手前側を遊技球が通過できないようになっているが、図2で示したように、前枠10が本体7に対して開いている状態では、演出ユニット33の前方が開放されるため、遊技領域4に滞留している遊技球が演出ユニット33の手前側に落下してしまう場合がある。
そして本実施形態では、演出ユニット33には、第2演出物38が動作するために必要な空間が設けられているため、かかる空間に遊技球が入り込んでしまうと、遊技球を取り出す作業に手間がかかってしまう。
そこで本実施形態では、第2演出物38が動作するために必要な空間に遊技球が入り込んでしまっても、容易に遊技球を回収することができるようにしている。
図11(A)は、演出ユニット33の下部の側断面図である。図11(A)に示すように、演出ユニット33では、第2演出物38の奥側である液晶ディスプレイ31と第2演出物38の間に、遊技球が入り込むことができる空間が形成されているが、第2演出物38の背面の上部に、遊技球を受けることができる球受け部144が設けられている。
詳細には、本実施形態の球受け部144は、第2演出物38の左端から右端にわたって、図中では手前奥方向に、液晶ディスプレイ31と第2演出物38の間の空間を覆うように設けられており、液晶ディスプレイ31と第2演出物38の間に遊技球が落下しても、球受け部144の上に遊技球が留まるようになっている。そして、球受け部144の上に留まっている遊技球は、第2演出物38の上方から容易に取り出すことができるようになっている。
また本実施形態の演出ユニット33では、図11(B)に示すように、第2演出物38の手前側である装飾部32と第2演出物38の間にも、遊技球が入り込むことができる空間が形成されているが、第2演出物38の下方には、装飾部32と第2演出物38の間に落下した遊技球を外部に排出する排出路146が設けられている。
こうして本実施形態では、第2演出物38の奥側に落下した遊技球は、球受け部144の上に留まり、第2演出物38の手前側に落下した遊技球は、排出路146を通って外部に排出されるようにして、容易に遊技球を回収することができる。
3.機能ブロック
図12は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板500およびサブ基板600を含む制御基板によって制御される。メイン基板500は、通過ゲートセンサ502、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505、大入賞口センサ506、払出センサ508等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物駆動装置520、特別役物駆動装置522、払出装置524等の出力手段の動作制御を行う。
またサブ基板600は、メイン基板500から送られてくる信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置620、音響装置622、可動物駆動装置624等の演出装置626の動作制御を行う。またメイン基板500やサブ基板600等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そしてメイン基板500は、乱数発生手段540、普通抽選手段542、普通駆動制御手段544、特別抽選手段546、遊技状態移行制御手段548、特別駆動制御手段550、払出制御手段552、通信制御手段554、メインメモリ570を含んで構成されている。
乱数発生手段540は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
普通抽選手段542は、1個の遊技球が通過ゲート48を通過するごとに作動する通過ゲートセンサ502からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について普通当たりの当否を決定する普通抽選を行う。
普通駆動制御手段544は、普通抽選で普通当たりが当選すると、普通役物52が所定条件下で拡大状態となるように普通役物駆動装置520を制御する。
特別抽選手段546は、1個の遊技球が第1始動入賞口46に進入するごとに作動する第1始動入賞口センサ504からの検出信号に基づいて、あるいは1個の遊技球が第2始動入賞口50に進入するごとに作動する第2始動入賞口センサ505からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について大当たりの当否を決定するとともに、大当たりが当選した場合には、複数種類の大当たり図柄のうちいずれの図柄が当選したかを判定する特別抽選を行う。
遊技状態移行制御手段548は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。
特別遊技状態は、通常状態、確変状態あるいは時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の大当たり遊技が実行されると終了する。そして大当たり図柄が確変図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると確変状態に移行され、大当たり図柄が通常図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態に移行される。
確変状態は、通常状態よりも大当たりが当選する確率が高くなるように特別抽選が行われるとともに、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また確変状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして確変状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が約1/50に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
時短状態は、大当たりが当選する確率が通常状態と同一となるように特別抽選が行われるが、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また時短状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして時短状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。
特別駆動制御手段550は、特別遊技状態における各大当たり遊技において、大当たり図柄の種類に応じて予め定められた態様で特別役物56が開状態となるように特別役物駆動装置522の駆動制御を行う。
払出制御手段552は、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505あるいは大入賞口センサ506からの検出信号に基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する払出数の遊技球を払出装置524に払い出させる制御を行う。
通信制御手段554は、サブ基板600に信号を送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板500とサブ基板600との間では、メイン基板500からサブ基板600への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板600からはメイン基板500へ信号を送信することができないように通信接続されている。
続いて、サブ基板600について説明する。サブ基板600は、演出制御手段640と、サブメモリ670とを含んで構成されている。
演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号や、サブメモリ670に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置620を制御して前枠ランプ12、装飾部ランプ34を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示させたり、音響装置622を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、可動物駆動装置624を駆動して可動物を動作させたりするなど、演出装置626を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を実行させる。
例えば、第1始動入賞口46や第2始動入賞口50への遊技球の入賞、演出入力装置114に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、特別抽選演出処理、状態演出処理などを行う。
特別抽選演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、特別抽選を演出する特別変動演出を演出装置626に実行させる。本実施形態では演出制御手段640は、液晶ディスプレイ31において特別図柄画像を変動表示させた後に、特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄画像を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ31において実行する。
ここで本実施形態では、特別変動演出の実行種別としてプレミアムリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無しが用意されており、演出制御手段640は、特別抽選の結果に基づいて、特別変動演出の実行種別を複数の実行種別のいずれにするかを決定する。そして各実行種別の特別変動演出は、特別図柄画像や変動演出画像の表示パターンや、可動物の動作パターンが異なるとともに、特別抽選の結果に応じて選択される確率や、開始から終了までにかかる実行時間が異なっている。これにより各実行種別の特別変動演出は、各実行種別の特別変動演出が実行された場合における大当たりの当選に対する期待度や、確変図柄あるいは通常図柄の当選に対する期待度が異なるようになっている。
また演出制御手段640は、特別変動演出として、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて可動物駆動装置624を制御して、第1演出物36や第2演出物38などの可動物を動作させる。詳細には本実施形態では、演出制御手段640(制御手段)は、ソレノイドやモーターなどの可動物駆動装置624を制御して第1演出物36を基準位置から落下位置に落下させたり、第2演出物38を基準位置から上昇位置に上昇させたり、第1演出物36あるいは第2演出物38を落下位置あるいは上昇位置から基準位置に復帰させたりする。
状態演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、可動物を動作させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する状態演出を実行する。
例えば、現在の遊技状態が通常状態である場合には、演出制御手段640は、所定条件下で演出状態移行抽選を行い、演出状態を複数種類の演出状態のうちいずれの演出状態に設定するかを決定する。そして演出制御手段640は、設定されている演出状態に応じた通常状態画像を液晶ディスプレイ31に表示させる。また演出制御手段640は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が確変状態であることを示唆する確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が時短状態であることを示唆するとともに、特別抽選が行われた回数が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させ、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、消化したラウンド数や残りラウンド数を示す特別遊技状態画像を表示させる。
また演出制御手段640は、予め定められたタイミングにおいて演出入力装置26に対する操作が行われたことに基づいて、特定の演出音をスピーカー14から出力したり、特定の演出画像を液晶ディスプレイ31に表示させたり、可動物を動作させたりする制御を行う。
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
まず上記実施形態では、第1演出物36が落下位置にある場合に、アウターレンズ102を通して内部のLED素子が視認しにくくなる例を挙げて説明したが、第1演出物36が落下位置にある場合に、アウターレンズ102を通して内部のLED基板やその他の部品が視認しにくくなるようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1演出物36が装飾部32に対して上下に平行移動することにより基準位置と落下位置の間で動作する例を挙げて説明したが、第1演出物36が装飾部32に対して上下、左右、前後、斜めに移動あるいは回転することにより第1位置と第2位置の間で動作するようにしてもよい。すなわち、第1演出物36が装飾部32に対して移動および回転の少なくとも一方をすることにより第1位置と第2位置の間で変位するようにしてもよい。
また上記実施形態では、アウターレンズ102は、内側面が水平方向に平目のローレット状にカットされている例を挙げて説明したが、アウターレンズ102は、内側面が綾目のローレット状にカットされているようにしてもよいし、内側面が垂直方向に平目のローレット状にカットされているようにしてもよい。そしてこの場合には、第1演出物36が、液晶ディスプレイ31の左方あるいは右方となる第1位置と、液晶ディスプレイ31の中央部を覆う第2位置との間で動作可能となっているようにしてもよい。
また上記実施形態では、1つの第1演出物36が設けられている例を挙げて説明したが、複数の第1演出物36が設けられているようにしてもよい。そしてこの場合には、複数の第1演出物36がシャッターのように開閉動作を行うようにしたり、複数の第1演出物36のそれぞれが液晶ディスプレイ31の左右にある状態から軸回転することにより液晶ディスプレイ31の前方にある状態となる動作を行うようにしたりするなど、複数の第1演出物36が同時あるいは所定の間隔をおいて連携して動作するようにしてもよい。
そして第1演出物36がいずれの動作を行うようにした場合であっても、第1演出物36が相対的に目立たない位置にある状態では、遊技機の正面側の所定位置から第1演出物36を見るとアウターレンズ102を通して第1演出物36の内部を視認しやすくなるが、第1演出物36が相対的に目立つ位置にある状態では、所定位置から第1演出物36を見るとアウターレンズ102を通して第1演出物36の内部を視認しにくくなるように、アウターレンズ102が配置されているようにすればよい。
また上記実施形態では、内側面に所定のカットが施されたアウターレンズが設けられている例を挙げて説明したが、外側面に所定のカットが施されたアウターレンズが設けられているようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1演出物36に共通の形状にカットされたアウターレンズが設けられている例を挙げて説明したが、第1演出物36に異なる形状にカットされた複数のアウターレンズが設けられているようにしてもよい。例えば、第1演出物36の右領域と左領域で異なるカットが施されたアウターレンズが設けられているようにしてもよい。すなわち、第1演出物36の複数の領域のそれぞれに異なるカットが施されたアウターレンズが設けられているようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1演出物36が基準位置にある場合には、アウターレンズ102を通して内部の第1LED素子106を遊技者が視認しやすくなっているが、第1演出物36が落下位置にある場合には、アウターレンズ102を通して内部の第1LED素子106を視認しにくくなっている例を挙げて説明したが、第1演出物36が基準位置にある場合には、アウターレンズ102を通して内部の第1LED素子106、配線パターン、シルクおよびスルーホールのうちの少なくとも1つ(内部)を遊技者が視認しやすくなっているが、第1演出物36が落下位置にある場合には、アウターレンズ102を通して内部の第1LED素子106、配線パターン、シルクおよびスルーホールのうちの少なくとも1つ(内部)を視認しにくくなっているようにしてもよい。ここで、第1LED基板104に設けられている配線パターン、シルクおよびスルーホールの少なくとも1つは、第1演出物36が落下位置にある場合であっても、アウターレンズ102を通して視認しやすくなっているようにしてもよい。
また、図3〜図5で示した演出ユニット33の右側の遊技領域4に、図13(A)に示す入賞口ユニット800が設けられているようにしてもよい。詳細には入賞口ユニット800では、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第1大入賞口802が設けられている。この第1大入賞口802は、第1大入賞口802を塞ぐ第1板状部材804を備える第1特別役物806が設けられており、第1特別役物806は、第1大入賞口802に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)と、遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)との間で動作可能に構成されている。そして第1特別役物806は、第1板状部材804を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で小当たりが当選すると開始される小当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。
そして第1大入賞口802の内部には、第1大入賞口802に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1大入賞口センサ808が設けられており、第1大入賞口センサ808が1個の遊技球を検出するごとに、遊技者に対して所定個数(例えば9個)の遊技球が払い出される。
そして第1大入賞口802の内部には、第1大入賞口センサ808の左下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される特定領域810が設けられている。この特定領域810は、特定領域810を塞ぐ特定板状部材812を備える特定役物814が設けられており、特定役物814は、特定領域810に遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)と、特定領域810に遊技球が進入不可能な閉状態との間で動作可能に構成されている。そして特定役物814は、特定板状部材812を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、小当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。そして特定領域810の内部には、特定領域810に進入した遊技球を1個ずつ検出する特定領域センサ816が設けられており、特定領域センサ816が1個の遊技球を検出すると、遊技状態が特別遊技状態に設定される。
そして第1大入賞口802の内部には、特定領域810の左下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される通常領域818が設けられている。この通常領域818には、遊技球が進入したことを検出する通常領域センサ820が設けられているが、通常領域818を塞ぐ板状部材は設けられておらず、第1大入賞口802に進入したが特定領域810に進入しなかった遊技球が進入するようになっている。
従って、第1大入賞口802に進入した遊技球が特定領域810の上方を通過するときに、特定役物814が開状態となっている場合には、遊技球が特定領域810に進入し、特定役物814が閉状態となっている場合には、遊技球が特定領域810に進入せずに通常領域818に進入するようになっている。
また入賞口ユニット800には、第1大入賞口802の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2大入賞口822が設けられている。この第2大入賞口822は、第2大入賞口822を塞ぐ第2板状部材824を備える第2特別役物826が設けられており、第2特別役物826は、第2大入賞口822に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)と、遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)との間で動作可能に構成されている。そして第2特別役物826は、第2板状部材824を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態の大当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。
そして第2大入賞口822の内部には、第2大入賞口822に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2大入賞口センサ828が設けられており、第2大入賞口センサ828が1個の遊技球を検出するごとに、遊技者に対して所定個数(例えば9個)の遊技球が払い出される。
図13(B)は、第1大入賞口802の入口付近の斜視図である。図13(B)では、第1板状部材804が第1大入賞口802を塞ぐ閉状態となっているが、開状態では、第1板状部材804が奥側面830に収納されることにより、第1大入賞口802に遊技球が進入可能となるようになっている。
そして第1大入賞口802には、第1大入賞口802の上方にある通過ゲート48を通過した遊技球が落下してきたり、通過ゲート48の左方に設けられている左経路832や通過ゲート48の右方に設けられている右経路834を通過した遊技球が落下してきたりするが、いずれの遊技球も落下速度が速いため、第1特別役物806が開状態となっていることにより第1大入賞口802に遊技球が進入しても、第1大入賞口802に進入した遊技球が第1大入賞口802の内部の入口付近の底部836で弾んでしまい、第1大入賞口802の外に飛び出してしまうおそれがある。
そこでこの例では、第1大入賞口802の内部の入口付近の底部836において、奥側に向かって傾斜する傾斜面838を設けている。
詳細には図13(B)の例では、第1大入賞口802の内部の入口付近の底面840が、第1大入賞口センサ808に向かって下降するとともに、遊技球が円滑に第1大入賞口センサ808に向かって転がることができる奥行き幅を有しつつ、奥側に向かってわずかに傾斜している。そして、底面840の手前側に、奥側に向かって傾斜する傾斜面838が形成されている。
これによりこの例では、第1大入賞口802に進入した遊技球が第1大入賞口802の内部の入口付近の底部836で弾んでも、傾斜面838または底面840で弾んだ遊技球が第1大入賞口802の内部の奥側面830に衝突するようにして、第1大入賞口802の外に飛び出さないようにすることができる。
また図14(A)は、特定領域810の斜視図である。図14(A)では、特定板状部材812が特定領域810を塞ぐ閉状態となっているが、開状態では、特定板状部材812が奥側面830に収納されることにより、特定領域810に遊技球が進入可能となるようになっている。
そして特定領域810には、特定領域810の上方にある第1大入賞口センサ808を通過した遊技球が落下してくるが、第1大入賞口センサ808から特定領域810に至る特定経路842は傾斜が急であり遊技球の落下速度が速くなるため、特定役物814が開状態となっていても、遊技球が特定領域810に進入せずに特定領域810を飛び越えて通常領域818に進入してしまうおそれがある。
そこでこの例では、特定領域810の入口付近において、特定経路842に突出して遊技球と接触する第1突起844、第2突起846、第3突起848が設け、特定領域810に到達する遊技球の落下速度が低下するようにしている。
図14(B)は、特定領域810の入口付近の平断面図である。図14(B)に示すように、特定経路842は、遊技球が1個ずつ通過できる奥行き幅を有している。そして特定領域810の上流側の手前側面850に、第1突起844が設けられている。また特定領域810の上流側の奥側面830には、第1突起844よりも特定領域810に近い位置に、第2突起846が設けられている。そして特定領域810の直上の手前側面850に、第3突起848が設けられている。
特に第3突起848は、遊技球と接触する上流側に、遊技球を特定領域810に誘導する第1誘導面852が形成されている。そして特定領域810の直上の奥側面830には、特定領域810の入口の形状に合わせて奥側に膨らむように湾曲して遊技球を特定領域810に誘導する第2誘導面854が形成されている。
従ってこの例では、図14(B)に示すように、遊技球が特定経路842を通過する際には、まずは第1突起844に接触して落下方向が奥側に向かい、次に第2突起846に接触して落下方向が手前側に向かい、次に第3突起848の第1誘導面852に接触して落下方向が特定領域810の入口に向かい、次に第2誘導面854に接触して落下方向が特定領域810の入口に向かうようにすることができる。
これによりこの例では、特定領域810の上流側で遊技球の落下速度を低下させ、特定役物814が開状態となっている場合には、遊技球が特定領域810を飛び越えずに特定領域810に進入するようにすることができる。