JP2021077843A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

基板処理方法および基板処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021077843A
JP2021077843A JP2020024686A JP2020024686A JP2021077843A JP 2021077843 A JP2021077843 A JP 2021077843A JP 2020024686 A JP2020024686 A JP 2020024686A JP 2020024686 A JP2020024686 A JP 2020024686A JP 2021077843 A JP2021077843 A JP 2021077843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
recess
substrate processing
processing method
reaction product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020024686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7422557B2 (ja
Inventor
翔 熊倉
Sho Kumakura
翔 熊倉
大成 笹川
Taisei Sasagawa
大成 笹川
幕樹 戸村
Maju Tomura
幕樹 戸村
嘉英 木原
Yoshihide Kihara
嘉英 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to TW109105385A priority Critical patent/TWI843810B/zh
Priority to CN202010106983.2A priority patent/CN111627806A/zh
Priority to US16/804,807 priority patent/US11450537B2/en
Priority to KR1020200025379A priority patent/KR20200105449A/ko
Publication of JP2021077843A publication Critical patent/JP2021077843A/ja
Priority to US17/887,061 priority patent/US11961746B2/en
Priority to JP2024004437A priority patent/JP2024045236A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7422557B2 publication Critical patent/JP7422557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】半導体パターンの形状異常を抑制する。【解決手段】基板処理装置が実現する基板処理方法は、工程a)と工程b)とを含む。工程a)は、被処理体を部分的にエッチングし、凹部を形成する工程である。工程b)は、凹部の側壁に、凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する工程である。工程b)は、工程b−1)と工程b−2)とを含む。工程b−1)は、第1反応物を供給し、凹部の側壁に第1反応物を吸着させる工程である。工程b−2)は、第2反応物を供給し、第1反応物と第2反応物とを反応させて膜を形成する工程である。【選択図】図1

Description

以下の開示は、基板処理方法および基板処理装置に関する。
半導体装置の集積が水平方向だけでなく垂直方向にも進むに伴い、半導体装置の製造過程において形成されるパターンのアスペクト比も大きくなっている。たとえば、3D NANDの製造では多数の金属配線層を貫通する方向にチャネルホールを形成する。64層のメモリセルを形成する場合であれば、チャネルホールのアスペクト比は45にもなる。
高アスペクト比のパターンを高精度に形成するため様々な手法が提案されている。たとえば、基板の誘電体材料に形成された開口にエッチングと成膜とを繰り返し実行することで、横方向へのエッチングを抑制する手法が提案されている(特許文献1)。また、エッチングと成膜とを組み合わせて、誘電体層の横方向へのエッチングを防止するための保護膜を形成する手法が提案されている(特許文献2)。
米国特許出願公開第2016/0343580号明細書 米国特許出願公開第2018/0174858号明細書
本開示は、半導体パターンの形状異常を抑制できる技術を提供する。
本開示の一態様による、基板処理装置が実現する基板処理方法は、工程a)と工程b)とを含む。工程a)は、被処理体を部分的にエッチングし、凹部を形成する工程である。工程b)は、凹部の側壁に、凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する工程である。工程b)は、工程b−1)と工程b−2)とを含む。工程b−1)は、第1反応物を供給し、凹部の側壁に第1反応物を吸着させる工程である。工程b−2)は、第2反応物を供給し、第1反応物と第2反応物とを反応させて膜を形成する工程である。
本開示によれば、半導体パターンの形状異常を抑制できる。
図1は、一実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。 図2は、一実施形態に係る基板処理方法により形成されるパターンの一例について説明するための図である。 図3は、一実施形態に係る基板処理方法による半導体パターンの形状異常の抑制について説明するための図である。 図4は、一実施形態に係る基板処理方法の第1例について説明するための図である。 図5は、一実施形態に係る基板処理方法の第2例について説明するための図である。 図6は、一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜の被覆率の制御について説明するための図である。 図7は、一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜の膜厚について説明するための図である。 図8は、一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜の膜厚と、処理チャンバ内の圧力との関係について説明するための図である。 図9は、一実施形態に係る基板処理方法を用いた場合のエッチングレートの改善について説明するための図である。 図10は、第2の実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。 図11は、第2の実施形態に係る基板処理方法により形成されるパターンの一例を示す図である。 図12は、第2の実施形態に係る基板処理方法による開口閉塞の抑止について説明するための第1図である。 図13は、第2の実施形態に係る基板処理方法による開口閉塞の抑止について説明するための第2図である。 図14は、第3の実施形態に係る基板処理方法について説明するための図である。 図15は、第3の実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。 図16は、変形例1に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。 図17は、変形例1に係る基板処理方法により処理される被処理体の一例を説明するための図である。 図18は、第4の実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。 図19は、第4の実施形態に係る基板処理方法により処理される被処理体の一例を示す図である。 図20は、第4の実施形態に係る基板処理方法により処理される被処理体の他の例を示す図である。 図21は、被処理体の温度と成膜量との関係について説明するための図である。 図22は、変形例3に係る基板処理方法により処理される被処理体の一例を説明するための図である。 図23は、一実施形態に係る基板処理装置の一例を示す図である。
以下に、開示する実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態は限定的なものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を付する。
高アスペクト比のパターンをエッチングするときに形状異常が発生することが知られている。たとえば、縦方向に開口を形成する際に内周面が横方向に膨らむ形状異常が発生することがある。このような形状異常をボーイングと言う。形状異常の発生を抑制するため開口側壁に保護膜を形成する手法が提案されている。微細なパターン形成においてはさらに、保護膜による開口の閉塞や、開口底部への成膜によるエッチングレートの低下等を防止することが望ましい。
なお、以下の説明中、「パターン」とは基板上に形成された形状全般を指す。パターンはたとえば、ホール、トレンチ、ラインアンドスペース等、基板上に形成された複数の形状全体を指す。また、「凹部」とは基板上に形成されたパターンのうち、基板の厚み方向に窪んだ形状の部分を指す。また、凹部は、窪んだ形状の内周面である「側壁」、窪んだ形状の底部分である「底部」、および、側壁と連続する、側壁近傍の基板表面である「頂部」を有する。また、頂部に囲まれた空間を「開口」と呼ぶ。なお、「開口」という用語は、凹部の底部および側壁により囲まれる空間全体または空間の任意の位置を指すためにも使用する。
(一実施形態に係る基板処理方法の流れの一例)
図1は、一実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。まず、被処理体を提供する(ステップS100)。たとえば高アスペクト比のパターンが形成された基板を処理チャンバに配置する。またたとえば、パターンが形成されていない基板を処理チャンバに配置し、基板を部分的にエッチングしてパターンを形成する(工程(a))。次に、処理チャンバ内に第1ガス(以下、プリカーサまたは第1反応物とも呼ぶ)を導入する(ステップS101、第1工程または工程(b−1))。次に、処理チャンバをパージして、被処理体の表面上に過剰に吸着した第1ガスの成分を排出する(ステップS102)。次に、処理チャンバ内に第2ガス(以下、反応ガスまたは第2反応物とも呼ぶ)を導入する(ステップS103、第2工程または工程(b−2))。そして、処理チャンバをパージして過剰な第2ガスの成分を排出する(ステップS104)。なお、ステップS100と、ステップS101〜S104とは、同一の処理チャンバで行ってもよく(in−situ)、異なる処理チャンバで行ってもよい(ex−situ)。次に、ステップS101〜S104において被処理体上に形成された保護膜が所定の膜厚に達したか否かを判定する(ステップS105)。保護膜が所定の膜厚に達したか否かの判定は、ステップS101〜S104の実行回数に基づいて行ってもよい。また、保護膜の膜厚の測定値に基づいて行ってもよい。測定値には、膜厚の分布などの保護膜の状態を示すパラメータが含まれてもよい。保護膜の測定手法は特に限定されず、たとえば光学的手法で測定してもよい。膜厚の測定は、in−situの場合、予め処理チャンバに設置した測定装置を用いて行う。一方、ex−situの場合、これらの処理チャンバ外に設置した測定装置を用いて行ってもよい。この結果、所定の膜厚に達していないと判定した場合(ステップS105、No)、ステップS101に戻ってステップS104までを繰り返す。この場合のステップS101〜S104では、前記測定値に基づいて処理条件を調整してもよい。他方、所定の膜厚に達していると判定した場合(ステップS105、Yes)、被処理体をエッチングする(ステップS106)。この際、ステップS105で測定した測定値に基づき、エッチング条件を調整してもよい。そして、エッチング後のパターンが所定の形状となったか否かを判定する(ステップS107)。エッチング後のパターンが所定の形状となったか否かの判定は、ステップS106の実行時間に基づいて行ってもよい。また、エッチングのパターン形状の測定値に基づいて行ってもよい。パターン形状の測定手法は特に限定されず、たとえば光学的手法で測定してもよい。パターン形状の測定は、in−situの場合、予め処理チャンバ内に設置した測定装置を用いて行う。一方、ex−situの場合、これらの処理チャンバの外部に設置した測定装置を用いて行ってもよい。この結果、所定の形状になっていないと判定した場合(ステップS107、No)、ステップS101に戻って第1工程から処理を繰り返す。他方、所定の形状になったと判定した場合(ステップS107、Yes)、処理を終了する。これが実施形態に係る基板処理方法の処理の流れの一例である。
図1に示す処理中、第1工程および第2工程における処理条件は、第1ガスおよび第2ガスの少なくとも一方のパターンの深さ方向に沿った保護膜の被覆率が変化するように設定する。被覆率とは単位面積当たりに一定量の膜厚まで形成された保護膜の面積比率である。すなわち、第1工程および第2工程を通じて形成される保護膜の膜厚がパターンの深さ方向に変化するように設定する。なお、ステップS102,S104のパージは省略してもよい。
なお、ステップS105における判定は、たとえば、ステップS101〜S104を所定回数実行したか否かに基づいて行う。また、ステップS107における判定は、たとえば、同一の被処理体に対してステップS106を所定回数実行した否かに基づいて行う。また、ステップS106で実行するエッチングの回数は複数回であってもよい。
また、ステップS101およびステップS103は、プラズマを用いて実行してもよく、プラズマを用いずに実行してもよい。また、各ステップは同一の処理チャンバ内で減圧雰囲気を維持して実行してもよく、異なる処理チャンバ内を移動して実行してもよい。また、異なる処理チャンバ内で実行する場合は減圧雰囲気を維持して実行してもよく、常圧雰囲気を経て実行してもよい。
図2は、一実施形態に係る基板処理方法により形成されるパターンの一例について説明するための図である。図2を参照して、一実施形態の基板処理方法についてさらに説明する。
図2に示す被処理体Sは、基板101上に積層されたエッチング対象膜102、マスク120を含む。まず、被処理体Sを処理チャンバ内に配置する。次に、ステップS101で第1ガスを処理チャンバに導入する。第1ガスは、被処理体Sの開口200を囲む頂部200T、側壁200Sおよび底部200Bに吸着し、図2の(A)に示す層を形成する。処理チャンバのパージ後、ステップS103で第2ガスを処理チャンバに導入する(図2の(B))。ステップS101、103における処理条件は、第2ガスの成分と被処理体S上に吸着した第1ガスの成分との反応が被処理体の表層全体で完了しないように設定する。設定された処理条件に基づく処理時間経過後、処理チャンバをパージする。第2ガスは、頂部200Tと側壁200Sの上部において反応し、保護膜300を形成する(図2の(C))。この後、ステップS101〜S104を繰り返すことにより、所望の膜厚の保護膜301が形成される(図2の(D))。そして、ステップS106において、エッチング対象膜102をエッチングする。エッチングにより形状異常が発生する部分に保護膜301が予め形成されていることで、エッチング後の形状異常の発生が防止される。
(形状異常の抑制)
図3は、一実施形態に係る基板処理方法による半導体パターンの形状異常の抑制について説明するための図である。図3の(A)に示す被処理体Sは、図2の(D)に示す被処理体Sと同様であり、頂部200Tおよび側壁200Sに保護膜301が形成されている。エッチングにおいてはマスクがエッチング対象膜に切り替わる位置においてボーイングが発生することが多い。たとえば、図3の(A)においてR1で示す位置にボーイングが発生することが多い。しかし、図3の例では、R1の位置に保護膜301がパターンの深さ方向に薄くなるように形成されている。このため、エッチング後の被処理体Sは、(B)に示すように、保護膜301がR1において多く削れることで深さ方向に開口寸法が均一化される。エッチングを繰り返すことで保護膜301がさらに削れて(C)に示すように開口200の上部から下部に向けて開口寸法が略均一化されていき、たとえば(D)に示す形状となる。エッチングによる保護膜301のボーイングが発生した場合(ステップS107でNoに相当)は、第1工程、第2工程を再度実行して保護膜301を再形成する。このように、一実施形態に係る基板処理方法によれば、半導体パターンの形状異常を抑制できる。
(パターンの深さ方向に膜厚を変えるためのALD制御)
上記のように、実施形態に係る基板処理方法は、開口内周面に深さ方向に被覆率(膜厚)が減少する保護膜を形成する。保護膜を形成する手法としては、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition)、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)等がある。実施形態に係る基板処理方法は、ALDにより形成される膜の自己制御性を利用して開口の深さ方向に被覆率を変えつつ、開口の深さ方向に膜厚が異なる保護膜を形成する。
実施形態に係る基板処理方法について説明する前に、いわゆるALDについて説明する。ALDは通常、4つの処理工程を含む。まず、第1ガス(プリカーサとも呼ぶ)を被処理体たとえば基板が配置された処理チャンバに導入する。第1ガスに含まれる第1材料は、被処理体の表面に吸着する。表面が第1材料によって覆われた後、処理チャンバを排気する。次に、第1材料と反応する第2材料を含む第2ガス(反応ガスとも呼ぶ)を処理チャンバに導入する。第2材料は、被処理体上の第1材料と反応して膜を形成する。表面上の第1材料との反応が完了することで成膜が終了する。ALDは、所定の材料が被処理体表面に予め存在する物質に対して自己制御的に吸着、反応することで膜を形成する。このため、ALDは通常、十分な処理時間を設けることでコンフォーマルな成膜を実現する。
これに対して、本実施形態に係る基板処理方法は、被処理体の表面上での自己制御的な吸着または反応が完了しないように処理条件を設定する。処理態様としては、少なくとも以下の二通りの態様がある。
(1)プリカーサを被処理体の表面全体に吸着させる。その後導入する反応ガスが、被処理体の表面全体にいきわたらないように制御する。
(2)プリカーサを被処理体の表面の一部のみに吸着させる。その後導入する反応ガスは、プリカーサが吸着した表面部分のみで成膜する。
一実施形態に係る基板処理方法は、(1)または(2)の手法を用いることでたとえば、半導体パターンの開口側壁下部および底部への保護膜の形成を抑制する。
図4は、一実施形態に係る基板処理方法の第1例について説明するための図である。図4に示す被処理体は、基板(図示せず)上に形成されたエッチング対象膜EL1と、マスクMAと、を含む。エッチング対象膜EL1およびマスクMAの積層体には開口OPを有する凹部が形成されている。
まず、被処理体が配置された処理チャンバ内にプリカーサPを導入する(図4の(A))。プリカーサPの吸着のために十分な処理時間を設けることで、プリカーサPは被処理体の表面全体に吸着する(図4の(B))。プリカーサPの吸着が完了すると、処理チャンバをパージする。次に、反応ガスRを処理チャンバ内に導入する(図4の(C))。導入された反応ガスRは、被処理体上のプリカーサPと反応してマスクMAの上方から徐々に保護膜PFを形成する。ここで、保護膜PFの形成がエッチング対象膜EL1下方に到達する前に、反応ガスRをパージする。このように処理することで、ALDの手法を用いつつ、凹部の側壁全体に保護膜PFを形成するのではなく、マスクMAとエッチング対象膜EL1の上部とのみに保護膜PFを形成することができる(図4の(D))。図4の(D)では、保護膜PFは凹部の側壁上方と頂部に形成され、側壁下方と底部には形成されていない。
図5は、一実施形態に係る基板処理方法の第2例について説明するための図である。図5に示す被処理体は図4の被処理体と同様の形状である。
図5の例では、プリカーサPを被処理体の上部のみに吸着させる(図5の(A))。プリカーサPをパージした後、反応ガスRを処理チャンバに導入する(図5の(B))。このとき、反応ガスRは、プリカーサPが吸着している位置でのみ反応して成膜するため、被処理体の上方のみに保護膜PFが形成される(図5の(C))。
(選択的吸着および反応のための処理条件)
上記のように、一実施形態に係る基板処理方法では、第2例におけるプリカーサの吸着または第1例における反応ガスの反応をパターンの所定部分で生じさせる。たとえば、パターンの開口上部のみに保護膜を形成するため、プリカーサの吸着または反応ガスの反応がパターンの開口上部のみで生じるように処理条件を調整する。
上記基板処理方法を実現するために調整する処理パラメータはたとえば、被処理体を載置する載置台の温度、処理チャンバ内の圧力、導入するプリカーサの流量および導入時間、導入する反応ガスのガス流量および導入時間、処理時間等である。また、プラズマを使用する処理の場合は、プラズマ生成のために印加する高周波(RF)電力の値を調整することでも成膜位置を調整できる。
図6は、一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜の被覆率の制御について説明するための図である。図6中、横軸は処理時間を示し、縦軸は被覆率を示す。また、実線はパターンの凹部頂部(TOP)に、一点鎖線は凹部内の側壁中央部(MIDDLE)に、破線は凹部の底部(BOTTOM)における被覆率を示す。なお、図6は、おおよその傾向を示すものであって厳密な数値を示すものではない。
図6に示すように、パターンの凹部に成膜する場合、凹部の頂部、側壁中央部、底部のそれぞれにおいて成膜(吸着または反応)の速度が異なる。プリカーサまたは反応ガスが最初に入り込む頂部側から徐々に底部に向けて成膜が進む。まず、図6中実線で示すように、頂部において被覆率が徐々に増加し、各部のうち最初に成膜が完了する(タイミングT、被覆率100%)。次に、一点鎖線で示すように頂部よりやや遅く側壁中央部での成膜が進み、頂部において成膜が完了したタイミングよりもやや遅い時点(T)で成膜が完了する。次に、破線で示すように底部での成膜が進み、各部のうち最も遅くタイミングTで成膜が完了する。
したがって、タイミングTより後であり、かつ、タイミングTよりも前のタイミングにおいてプリカーサの吸着または反応ガスの反応の処理を終了すると、凹部の頂部にはプリカーサが吸着するかまたは保護膜が形成されているが、側壁中央部や底部での吸着または保護膜の形成が完了していない状態で処理を終了することができる。
図6では処理パラメータとして処理時間を横軸にとって被覆率をプロットした。これに代えて処理時間は一定とし、載置台の温度、処理チャンバ内の圧力、プリカーサまたは反応ガスのガス流量(希釈度)、プラズマ生成のために印加する高周波(RF)電力の絶対値を変化させることでも被覆率を調整できる。たとえば、載置台の温度を低く設定することで、パターン下方への成膜を遅くすることができる。また、処理チャンバ内の圧力を低く設定することで、パターン下方への成膜を遅くすることができる。また、導入するガスに含まれるプリカーサの流量を低く設定することでも、パターン下方への吸着の進行を遅くすることができる。また、導入する反応ガスの流量を低く設定することでもパターン下方への成膜を遅くすることができる。また、プラズマを用いる場合は、プラズマ生成のために印加する高周波電力の絶対値を低く設定することでパターン下方への成膜を遅くすることができる。
たとえば、載置台の温度、処理チャンバ内の圧力、導入するガス(プリカーサ)の希釈度、高周波電力の絶対値の各々を、他の処理条件が同一の場合に、被処理体の表面全体へのプリカーサの吸着が完了する数値よりも低い数値に設定する。またたとえば、載置台の温度、処理チャンバ内の圧力、高周波電力の絶対値の各々を、他の処理条件が同一の場合に、被処理体の表面全体における反応ガスの反応が完了する数値よりも低い数値に設定する。またたとえば、導入するガス(反応ガス)の希釈度を、他の処理条件が同一の場合に、被処理体の表面全体における反応ガスの反応が完了する数値よりも高い数値に設定する。
一実施形態に係る基板処理方法では、このように処理条件を調整して、いわば第2例に示すようなプリカーサの吸着または第1例に示すような反応ガスの反応が不飽和な状態で処理を終了する。このため、一実施形態に係る基板処理方法によりパターンの上方のみに保護膜を形成できる。
(一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜の膜厚)
図7は、一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜の膜厚について説明するための図である。上記のように、一実施形態においては、保護膜がパターンの上方に形成されるよう処理条件を調整する。本発明者らは、一実施形態に係る基板処理方法で被処理体を処理し、形成される保護膜の膜厚を調べた。図7の(A)は、実験に用いた被処理体の概略図である。被処理体は、エッチング対象膜EL1と、エッチング対象膜EL1上に形成されたマスクMAと、マスクMA、エッチング対象膜EL1に形成された開口OPを有する凹部と、を備える。図7の(A)は、凹部の内面全体に保護膜PFが形成された状態を示している。CDは、凹部側壁が囲む空間の任意の位置における横方向寸法(以下、開口寸法とも呼ぶ)である。
図7の(B)は、被処理体の初期状態における開口寸法、実施例1による処理後の開口寸法、参考例1による処理後の開口寸法各々を、エッチング対象膜EL1内の深さと対応づけてプロットしたものである。初期状態は、保護膜PFが形成される前の状態である。実施例1は、一実施形態に係る基板処理方法により被処理体に保護膜を形成した場合である。具体的には、反応ガスの反応における処理時間を短くしたものである(図6のタイミングT参照)。参考例1は、通常のALDにより被処理体に保護膜を形成した場合である。通常のALDとは、プリカーサ、反応ガス、それぞれが被処理体表面全体で吸着および反応を完了するまで十分な時間をとって実行しコンフォーマルな成膜を実現するALDを指す。
図7の(B)に示すように、まず初期状態では、開口寸法は深さ約0.0マイクロメートル(μm)の位置で約40ナノメートル(nm)であり、深さ約1.4μmの位置で約30nmと、深さが増加するに伴い開口寸法が減少している。これに対し、通常のALDを実行した後は、深さに関わらずほぼ一定の膜厚で保護膜が形成されている。深さ約0.0μmの位置では、開口寸法は約25nmであり、深さ約1.4μmの位置では開口寸法は約18nmである。深さにより若干の誤差はあるものの約12〜15nmの保護膜が形成されている。これに対して、一実施形態に係る基板処理方法による処理後(実施例1)は、深さ約0.0μmの位置では開口寸法は30nmだが、深さ約0.4μmの位置で約34nm、深さ約1.3μmの位置で約30nmである。すなわち、凹部の頂部から底部に向けて、形成される保護膜の膜厚が概ね徐々に減少している。このように、一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜は凹部の上部から下部に向けて徐々に膜厚が変化する。つまり、一実施形態に係る基板処理方法は、ALDの手法をもちいつつ、コンフォーマルではなくいわばサブコンフォーマルな保護膜を形成する。
図8は、一実施形態に係る基板処理方法により形成される保護膜の膜厚の深さ方向における分布と、処理チャンバ内の圧力との関係について説明するための図である。圧力以外の処理条件を一定にしたとき、圧力によって堆積膜の総堆積量が大きく異なるため、深さ1.5μmまでの堆積膜の膜厚を積算して求めた総堆積量を「1」に正規化して、深さ0μmから所定の深さまでの堆積量の割合をプロットし、条件間での差異を示している。図8の参考例1は、通常のALDにより被処理体に保護膜を形成した場合である。通常のALDではコンフォーマルな成膜を実現するため、深さ方向において膜厚は一定である。そのため、図8のグラフでは、一次曲線を描く。また、図7の(B)における実施例1の処理条件のうち、反応ガスの反応を行う際の処理チャンバ内の圧力を200ミリトル(mT)、20mT、10mTと変化させた場合の膜厚の分布を示す。図8に示すように、いずれの圧力値でも、参考例1に比べて深さが浅い位置での堆積膜の総堆積量が多いことが分かる。すなわち、サブコンフォーマルな保護膜を形成していることを示す。特に圧力が10mTの場合に深さが浅い位置での堆積膜の総堆積量が多いことがわかる。言い換えれば、深さに応じて保護厚の膜厚を変動させ、かつ、頂部付近ほど膜厚を大きくするためには、処理チャンバ内の圧力を低く設定することが有利である。
また、本発明者らは反応ガスを酸素ガス(O)、被処理体をアスペクト比10程度のパターンを有する基板として、図7の(B)における実施例1の処理条件のうち、反応ガスの反応を行う際の酸素ガスの希釈度による保護膜の膜厚変化を調べた。酸素ガスの希釈度とは、酸素ガスと希釈ガスの総流量に対する希釈ガスの割合である。酸素ガスの希釈度を希釈ガスの分圧に置き換えて表記してもよい。なお、希釈ガスとは、反応に寄与しない、希ガスなどの非反応物からなるガスをいう。反応ガスとしてO、希釈ガスとしてアルゴンガスを用い、これらを所定の割合で混合して使用した。この結果、凹部の深さに応じて保護膜の膜厚が変動し、また、Oの希釈度が高いほど膜厚変動が大きくなった。これは、凹部の底部においてOラジカルが十分に行き渡りやすく、希釈度を上げることで底部に供給されるOラジカルの量が抑制されるためと考えられる。
このように、一実施形態に係る基板処理方法は、ALDの手法をもちいつつ、処理条件を調整することによって、パターンの深さ方向に沿って異なる被覆率および膜厚を有する、自己制御性を有する膜を形成する。
(エッチングレートの改善)
図9は、一実施形態に係る基板処理方法によるエッチングレートの改善について説明するための図である。図9は、エッチング対象膜(EL1)であるアモルファスカーボン層の上にシリコン酸窒化膜のマスク(MA)を積層し、当該マスクに形成したパターンを用いてアモルファスカーボン層をエッチングした場合の実験結果を示している。
図9の一番左側(初期状態)は、処理開始時の被処理体の状態を示す。初期状態においては、エッチング対象膜EL1の頂部付近で開口寸法が若干大きくなり、深さ方向に向けて先細り形状になっている。
図9の左から二つ目の図(参考例1)は、初期状態の被処理体を直接エッチングした結果を示す。参考例1では、開口寸法はマスクの下で大きく広がりボーイングが発生している(図9中「A1」で示す部分)。図9の右から二つ目の図(参考例2)は、通常のALDで保護膜を形成した後にエッチングした結果である。参考例1と比較するとマスクのすぐ下およびエッチング対象膜内におけるボーイングの発生は抑制されているものの(図9中「A2」で示す部分)、エッチングにより形成される凹部の深さが大きく減少している。図9の一番右の図(実施例1)は、一実施形態に係る基板処理方法を用いて保護膜を形成した後にエッチングした結果である。参考例2と比較すると、ボーイングの発生の抑制程度はほぼ同様(図9中「A3」で示す部分)だが、エッチングにより形成される凹部の深さが大きく増加している。
通常のALDにより保護膜を形成した場合、凹部側壁だけでなく凹部底部にも保護膜が形成される。このため、保護膜がエッチストップ層として働きエッチングレートが低下する。これに対して、実施形態に係る基板処理方法においては、凹部底部への成膜を抑制し凹部側壁に保護膜を形成する。このため、凹部底部に形成された保護膜がエッチストップ層とならず、エッチングレートの低下を抑制できる。
また、一実施形態に係る基板処理方法によれば、凹部底部付近の側壁への成膜が抑制されるため、凹部底部の寸法制御を実現できる。たとえば、頂部から底部にむけて径が小さくなる凹部が形成された場合に、保護膜により側壁の寸法変動を抑制しつつ底部の寸法を大きくする制御を実現できる。
また、一実施形態に係る基板処理方法は、ALDの手法を用いて成膜するため、膜厚の微細な制御が可能である。このため、凹部頂部における開口閉塞を防止できる。
(被処理体の膜種)
なお、実施形態におけるエッチング対象膜102の膜種は特に限定されない。エッチング対象膜102はたとえば、シリコン含有膜、炭素含有膜、有機膜、金属膜等であってよい。シリコン含有膜はシリコン誘電体膜であってよく、その例は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、シリコンカーバイドなどを含む。
また、上記実施形態に係る基板処理方法により形成する保護膜300,301の膜種は、エッチング対象膜102と同種としてもよい。たとえば保護膜300,301は、シリコン含有膜、炭素含有膜、有機膜、金属膜等でよい。炭素含有膜はたとえば、アモルファスカーボン層(ACL)、スピンオンカーボン(Spin-on-Carbon)膜である。また、シリコン含有誘電体膜はたとえば、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン酸窒化膜(SiON)、またはこれらの組み合わせである。金属膜は、チタン(Ti)膜、タングステン(W)膜等である。このように、保護膜300,301とエッチング対象膜102とを同種膜とすることで、その後の処理の制御が容易になる。たとえば、エッチングの際に保護膜300,301およびエッチング対象膜102のエッチングレートをそろえることができる。このため、保護膜300,301を形成した後のエッチングの際に底部200Bの寸法を容易に制御できる。たとえば、保護膜300,301をエッチング対象膜102に対して異種膜とした場合、後のエッチング工程で保護膜300,301は除去されずに残り、エッチング対象膜102の底部200Bが過剰に削れることも考えられる。これに対して保護膜300,301とエッチング対象膜102を同種膜としておけば、エッチングにより除去される量の制御が容易である。また、後の処理において保護膜300,301を除去する場合に、保護膜300,301のための別個の除去工程を設けずにエッチング対象膜102と併せて除去できる。
なお、エッチング対象膜102は、複数の層が積層された積層膜であってもよい。たとえば、エッチング対象膜102は、ONON(シリコン酸化膜/シリコン窒化膜)膜、OPOP(シリコン酸化膜/ポリシリコン)膜であってもよい。
また、保護膜300,301としてシリコン酸化膜を形成する場合、プリカーサはアミノシラン系、SiCl、SiF等を使用でき、反応ガスはOなどの酸素含有ガスを使用できる。また、保護膜300,301としてシリコン窒化膜を形成する場合、プリカーサは、アミノシラン系、SiCl4,ジクロロシラン(DCS)、ヘキサクロロジシラン(HCDS)等を使用でき、反応ガスはNやNHなどの窒素含有ガスを使用できる。また、保護膜300,301として有機膜を形成する場合の手法としては、分子膜堆積(Molecular Layer Deposition:MLD)を使用できる。また、保護膜300,301としてチタン膜や酸化チタン膜を形成する場合は、プリカーサはTDMAT(tetrakis(dimethylamino)titanium)、4塩化チタン(TiCl)を使用でき、反応ガスは還元系ガスもしくは酸化系ガスを使用できる。また、タングステン膜を形成する場合は、プリカーサはWFを使用でき、反応ガスは還元系ガスを使用できる。
なお、形成される保護膜300,301の深さを制御するために、プリカーサを選択することができる。たとえば、アミノシラン系ガスのうち、よりパターン上方のみに保護膜300,301を形成するためのプリカーサの選択としては、1個のアミノ基を有するアミノシラン(1価アミノシラン)ガスよりも、2個または3個のアミノ基を有するアミノシラン(2価アミノシランまたは3価アミノシラン)ガスを用いることが望ましい。また、パターンの深い位置に保護膜300,301を形成するためには1価アミノシランガスを用いることが望ましい。さらに、処理時間、載置台の温度、処理チャンバ内の圧力などの処理パラメータと組み合わせることにより、不飽和な状態の制御性を高めることができる。
また、プリカーサおよび反応ガスの供給において、プラズマを生成する場合がある。たとえば、プラズマによってプリカーサおよび反応ガスを解離させ、より吸着性の高いプリカーサのラジカルおよびより反応性の高い反応ガスのラジカルを生成し、プリカーサの吸着および反応ガスの反応を促進させることができる。なお、プリカーサおよび反応ガスのみで十分に自発的に反応するのであれば、必ずしもプラズマを生成する必要はない。
なお、上記実施形態に係る基板処理方法は、3D NAND、DRAM等に限られず、高アスペクト比のパターンを有する半導体装置の製造に適用できる。たとえば、多層レジストマスク等に用いられる高アスペクト比の有機膜の加工等に適用できる。なおここで、高アスペクト比とは、凹部の幅に対する深さの比が少なくとも5、または10以上であることを意味する。
(第2の実施形態−阻害因子を用いた制御)
図10は、第2の実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。図11は、第2の実施形態に係る基板処理方法により形成されるパターンの一例を示す図である。なお、図11の(A)に示す被処理体は図2の(A)に示す被処理体と同様である。上記第1の実施形態では、第1ガスおよび第2ガスの少なくとも一方について、吸着位置および反応位置を調整することで、サブコンフォーマルな成膜を実現した。第2の実施形態では、さらに、プリカーサの吸着を阻害する因子(以下、インヒビターとも呼ぶ。)を予め被処理体の表面の一部に形成することでプリカーサの吸着位置を制御する。たとえば、プリカーサの吸着を阻害する疎水基を形成する因子をCVDにより被処理体の上部に形成する。
まず、被処理体を提供する(ステップS200)。たとえば、第1の実施形態と同様に高アスペクト比のパターンが形成された基板を処理チャンバに配置する。またたとえば、パターンが形成されていない基板を処理チャンバに配置し、基板を部分的にエッチングしてパターンを形成する。次に、処理チャンバ内に第1ガスの吸着を阻害する阻害因子を含むガスを導入する(ステップS201)。阻害因子を含むガスはたとえば、カーボンを含むガスである。カーボンを含むガスはたとえば、フルオロカーボンガス、フルオロハイドロカーボンガス、ハイドロカーボンガスである。図11の(A)において、フルオロカーボンガスを用いてプラズマCVDを実行すると、インヒビター層INとしてフルオロカーボン膜が形成される。また、図11の(A)において、フルオロハイドロカーボンガスを用いてプラズマCVDを実行すると、インヒビター層INとしてフルオロハイドロカーボン膜が形成される。また、図11の(A)において、ハイドロカーボンガスを用いてプラズマCVDを実行すると、インヒビター層INとしてハイドロカーボン膜が形成される。フルオロカーボン膜、フルオロハイドロカーボン膜およびハイドロカーボン膜は、疎水性の膜である。ここでは、プラズマCVDの処理条件を調整して図11の(B)に示すようにインヒビター層INを形成する。図11の(B)の例では、インヒビター層INは、頂部200Tおよび底部200Bに形成されている。
次に、図11の(C)に示すように第1ガス(プリカーサP、第1反応物)を処理チャンバに導入する(ステップS202、第1工程)。プリカーサPはインヒビター層INが形成されている部分には吸着しない。このため、プリカーサPは選択的に側壁200Sに吸着する(図11の(D)参照)。処理チャンバのパージ(ステップS203)の後、第2ガス(反応ガスR、第2反応物)を処理チャンバに導入する(ステップS204、第2工程、図11の(E))。反応ガスRは、プリカーサPが吸着した位置においてのみプリカーサPの原子と反応して保護膜302を形成する。このため、図11の(E)に示すように、保護膜302は側壁200Sのみに形成される。さらに処理チャンバをパージする(ステップS205)。ステップS206〜S208は、図1のステップS105〜S107と同様である。
第2の実施形態では、たとえば、プリカーサPとして、アミノシラン系ガス、シリコン含有ガス、チタン含有ガス、ハフニウム含有ガス、タンタル含有ガス、ジルコニウム含有ガス、有機物含有ガス等を使用できる。プリカーサPは、インヒビター層INが形成されていない領域のみに吸着してプリカーサ層を形成する。なお、プリカーサPを吸着させるときにはプラズマを生成してもしなくてもよい。
プリカーサPの導入後、反応ガスR導入前のパージ工程は、アルゴンや窒素ガス等の不活性ガスを用いて実行し、処理チャンバ内に残留する主に気相中のプリカーサPを減少または除去させる。また、パージ工程は、処理チャンバ内を真空引きすることによって実行してもよい。過剰に付着していたプリカーサPがパージによって除去されてプリカーサ層がほぼ単分子層となる。
また、反応ガスRは、酸素含有ガス、窒素含有ガス、水素含有ガス等である。反応ガスRはたとえば、Oガス、COガス、NOガス、SOガス、Nガス、Hガス、NHガスのいずれかを含んでよい。反応ガスRによりプリカーサ層が改質されて保護膜302が形成されると同時に、インヒビター層INの表面が除去され、インヒビター層INの膜厚が減少または除去する。
保護膜302形成後のパージ工程は、アルゴンや窒素ガス等の不活性ガスを用いて実行し、処理チャンバ内に残留する反応ガスRを減少または消滅させる。また、該パージ工程は、処理チャンバ内を真空引きすることによって実行してもよい。
このように、インヒビターを用いて保護膜302を形成する場合、保護膜302の形成位置や膜厚をさらに調整できる。また、保護膜302の形成位置は、第1の実施形態と同様に制御できる。このため、第2の実施形態によれば、保護膜302の頂部への形成をインヒビターにより防止するとともに、保護膜302の側壁下方への形成を処理条件の調整により防止できる。このため、第2の実施形態によれば、第1の実施形態から得られる効果に加えて、さらに効果的に保護膜形成時の開口閉塞を防止できる。
図12および図13は、第2の実施形態に係る基板処理方法による開口閉塞の抑止について説明するための図である。図12の(A)および(B)は、初期状態および成膜した後の被処理体におけるパターンのうち、マスクとエッチング対象膜との界面から深さ方向に対応付けしたCDサイズを示している。なお、初期状態でのCDサイズと成膜した後のCDサイズの差分を2で割ったものがパターンの側壁(片側)に対して成膜した成膜量を示すことになる。図12の(A)中、破線は被処理体の初期状態を示す。一点鎖線は、初期状態の被処理体に対して通常のALDで成膜した結果を示す(参考例1)。実線は、初期状態の被処理体に対してプラズマCVDでインヒビター層を形成した後、通常のALDで成膜した結果を示す(参考例2)。また、図12の(B)中、破線は被処理体の初期状態を示す。一点鎖線は、初期状態の被処理体に対して第1の実施形態に係る基板処理方法で成膜した結果を示す(実施例1)。実線は、初期状態の被処理体に対して第2の実施形態に係る基板処理方法で成膜した結果を示す(実施例2)。
図12の(A)に示すように、通常のALDで成膜した場合、インヒビター層を用いるとマスク下約0.6μmの深さまで保護膜の形成が抑制されている。しかし、約0.6μmより深い位置では、ほぼコンフォーマルに保護膜が形成されている。他方、図12の(B)に示すように、第2の実施形態に係る基板処理方法で成膜した場合、インヒビター層を用いることで、マスク下約0.6μmの深さまでの保護膜の厚みが約2分の1に抑えられるともに、約0.6μmより深い位置では、インヒビター層を用いない場合と同様、保護膜の形成が抑制されている。このように、インヒビター層を用いることで、パターン上部の保護膜の膜厚をさらに微細に抑制できる。また、パターンの深さ方向における保護膜の膜厚差は維持できる。
さらに、図13は、図12の初期状態、参考例1、参考例2、実施例1、実施例2の各々のマスク頂部の開口の状態を概略的に示している。初期状態においてはマスク頂部付近の開口寸法は約45ナノメートル(nm)である。これに対して、通常のALDで成膜(参考例1)すると開口寸法は約30nmまで減少する。他方、インヒビター層を形成した上で通常のALDで成膜(参考例2)した場合の開口寸法は約42nmに維持された。これに対して、第1の実施形態に係る基板処理方法で成膜した場合(実施例1)、開口寸法は約21nmとなった。他方、第2の実施形態に係る基板処理方法でインヒビター層を形成した上で成膜した場合(実施例2)、開口寸法は約40nmに維持された。このように、第2の実施形態のようにインヒビター層を用いてマスク頂部付近への成膜を抑制することで、開口閉塞を防止する効果が認められた。
さらに第2の実施形態では、インヒビター層の形成位置を調整することで、任意の位置に保護膜を形成できる。このため、ボーイングやネッキング等、発生が予想されるパターンの形状異常にあわせて保護膜の膜厚を調整しつつ所望の位置に保護膜を形成できる。また、インヒビター層の形成位置にアスペクト依存性をもたせることで、側壁上の成膜位置を調整することができる。また、インヒビター層の組成を変えることで、ALDのプリカーサの吸着および反応ガスの吸着のいずれかを阻害することもできる。たとえばカーボンを含むインヒビター層を形成すれば酸化を阻害でき、CFを含むインヒビター層を形成すればプリカーサの吸着を阻害できる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態は、高アスペクト比のパターンの高さ方向に被覆率を変化させて成膜する。しかし、ここに開示する実施形態は、高アスペクト比のパターンだけでなく低アスペクト比、たとえばアスペクト比が5未満のパターンにも適用できる。そこで、第3の実施形態として、低アスペクト比のパターンに適用可能な実施形態を説明する。なお、以下の説明において、「低アスペクト比」とは、アスペクト比5未満を指す。
図14は、第3の実施形態に係る基板処理方法について説明するための図である。図14の被処理体は、図3に示す被処理体Sと同様、基板101上に積層されたエッチング対象膜102、マスク120を含む。
まず、エッチング対象膜102にアスペクト比が5未満のパターンが形成された被処理体を準備する(図14の(A))。このとき、マスク120の上表面から計算したアスペクト比が5未満、エッチング対象膜102の上表面から計算したアスペクト比が1〜2程度であってもよい。
次に、被処理体に形成されている開口200の間口寸法、すなわち頂部200Tの幅を狭くするための処理を実行する。たとえば、化学蒸着(CVD)または物理蒸着(PVD)により、側壁200S上部に予備膜303を形成する。予備膜303は、主に側壁200Sの上部に形成され、側壁200S下部および底部200Bには形成されない処理条件を用いて形成する(図14の(B))。
次に、上記第1の実施形態と同様に、プリカーサの吸着または反応ガスの反応が不飽和な状態すなわち底面まで完成しない状態で処理が終了される条件を用いて、ALDにより保護膜304を形成する。このとき、保護膜304は側壁200Sに形成され、底部200Bには形成されない(図14の(C))。
次に、エッチング対象膜102をエッチングする(図14の(D))。凹部の深さ寸法があらかじめ設定された寸法に達したとき、またはエッチングの処理時間があらかじめ設定された処理時間に達したとき、エッチングを終了する。エッチングの終了タイミングは任意に設定できる。
次に、頂部200Tおよび側壁200Sの上部に残存している予備膜303および保護膜304を除去する(図14の(E))。
このように、第3の実施形態に係る基板処理方法によれば、予めボーイング等の形状異常が発生する位置、すなわち、マスク120直下のエッチング対象膜102の部分までを保護膜300で被覆した上でエッチングを実行するため、ボーイング等の形状異常を抑制できる。
また、第3の実施形態に係る基板処理方法によれば、アスペクト比が小さい、たとえば5未満のパターンに対して、サブコンフォーマルなALD膜を形成できる。第1、第2の実施形態では高アスペクト比のパターンに対して保護膜を形成する際に、側壁上部から下部にかけて成膜量が徐々に減少するように制御した。しかし、被処理体上に形成されるパターンのアスペクト比が小さい場合、短時間でプリカーサおよび反応ガスが凹部底部に到達してしまう。このため、低アスペクト比のパターンに対してサブコンフォーマルなALD膜を形成することは難しい。他方、低アスペクト比のパターンに対してCVDやPVDを用いた場合、膜厚の微細な制御は困難である。
そこで、第3の実施形態では、被処理体に形成されたパターンのアスペクト比が小さい場合、パターンの開口寸法を減少させる処理を予め実行する(図14の(B))。かかる処理を行うことで、パターンのアスペクト比を高くし、開口内に進入するプリカーサおよび反応ガスの量を抑制する。このため、第3の実施形態によれば、低アスペクト比のパターンに対してもサブコンフォーマルなALD膜を形成して微細な膜厚制御を達成できる。
図15は、第3の実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。まず、エッチング対象膜102上にマスク120が形成され、マスク120にエッチングのためのパターンが形成された被処理体を提供する(ステップS1501)。パターンが形成されていない状態の被処理体をチャンバに導入し部分的にエッチングを行ってマスクにパターンを形成してもよい。次に、エッチング対象膜102をエッチングする(ステップS1502)。エッチング後にエッチング対象膜102に形成された凹部の深さが所定値に達しているか判定する(ステップS1503)。所定値に達していないと判定した場合(ステップS1503、NO)、ステップS1502に戻りエッチングを繰り返す。他方、所定値に達していると判定した場合(ステップS1503、YES)、凹部のアスペクト比が所定値(たとえば10)以上か否かを判定する(ステップS1504)。所定値未満と判定した場合(ステップS1504、NO)、予備膜303を形成して開口200の幅を狭める(ステップS1505)。そして、ステップS1504に戻る。他方、アスペクト比が所定値以上と判定した場合(ステップS1504、YES)、保護膜304を形成する(ステップS1506)。保護膜304を形成するための処理は、第1の実施形態において保護膜を形成するための処理と同様である。たとえば、図1のステップS101〜ステップS105を実行することで保護膜304を形成することができる。保護膜304の形成後、さらにエッチングを実行する(ステップS1507)。そして、被処理体が所定の形状となったか否かを判定する(ステップS1508)。たとえば、エッチングによりエッチング対象膜102に形成された凹部の深さが予め定められた深さに到達したか否かを判定する。そして、所定の形状となっていないと判定した場合(ステップS1508、NO)、ステップS1504に戻って処理を繰り返す。他方、所定の形状となっていると判定した場合(ステップS1508、YES)、処理を終了する。これで第3の実施形態に係る基板処理方法は終了する。
このように、第3の実施形態においては、低アスペクト比のパターンについても、開口を狭くする処理を予め実行することでアスペクト比を高くしてサブコンフォーマルALDにより保護膜を形成することができる。
なお、上記第3の実施形態では、「低アスペクト比」をアスペクト比5未満と定義し、第3の実施形態に係る処理を低アスペクト比のパターンに適用するものとした。しかし、アスペクト比5以上のパターンであってもアスペクト比10を下回るとサブコンフォーマルな成膜が実現しにくい場合がある。このため、第3の実施形態の手法は、アスペクト比が5〜10のパターンについて適用してもよい。
なお、予備膜303は後続の処理において除去できる材料で形成することが好ましい。たとえば、予備膜303は、SiO、SiN、SiC等で形成する。SiOの予備膜303を形成する場合、アミノシラン系のガス、SiCl、SiF等をプリカーサとして使用できる。また、SiNの予備膜303を形成する場合、アミノシラン系のガス、SiCl、DCS、HCDS等をプリカーサとして使用できる。またたとえば、予備膜303は、カーボン含有膜等の有機膜、チタン(Ti)やタングステン(W)を含有する金属膜等であってもよい。
(変形例1−マスク厚に応じた処理条件の変更)
これまで第1〜第3の実施形態について説明した。各実施形態はさらに変形可能である。図16は、変形例1に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。図17は、変形例1に係る基板処理方法により処理される被処理体の一例を説明するための図である。変形例1は、第1、第2の実施形態の手法に基づき被処理体を処理する過程でのマスクの膜厚減少に対処する。
図17の(A)に示す被処理体S1は、図2に示す被処理体Sと同様の形状である。変形例1に係る基板処理方法においては、被処理体S1の提供(ステップS100)から、エッチング(ステップS106)までの処理は第1の実施形態と同様である。ステップS100からステップS106までの処理により、たとえば、図17の(B)に示す被処理体S1が形成される。被処理体S1は、基板101Aの上にエッチング対象膜102A、マスク120Aが形成されている。そして、エッチング対象膜102Aとマスク120Aには開口200Aを有する凹部が形成されている。凹部の頂部と側壁の上方とには保護膜130Aが形成されている。保護膜130Aは、エッチングによる形状異常が発生しやすいマスク120A直下まで形成されている。また、保護膜130Aはエッチングにより内壁が削られている。図17の(B)に示す状態からさらにステップS101〜S106を繰り返し実行すると、徐々にマスク120Aの頂部が削られ、マスク120Aの頂部からエッチング対象膜102Aの上面までの距離が変化する(図17の(C))。この場合、第1工程および第2工程の処理条件を変えずに保護膜130Aを形成すると、保護膜130Aが形成される位置が、形状異常が発生するマスク120A直下よりも下になってしまう。
そこで、変形例1では、エッチング(ステップS106)およびステップS107の後に、マスク120Aの膜厚が所定値であるか否かを判定する(ステップS108)。マスク120Aの膜厚が所定値か否かの判定は、被処理体S1の処理前のマスク120Aの膜厚と、ステップS101〜S106の実行回数と、に基づいて行ってもよい。また、マスク120Aの膜厚が所定値か否かの判定は、膜厚の測定値に基づいて行ってもよい。また、膜厚の測定手法は特に限定されず、たとえば光学的手法で膜厚を測定してもよい。そして、マスク120Aの膜厚が所定値であると判定した場合(ステップS108、Yes)、第1工程または第2工程の処理条件を再設定する(ステップS109)。たとえば、第1工程での被覆率をパターンの深さ方向に沿って変化させるよう処理条件を設定している場合、よりパターン上方にのみ第1ガスが吸着するように処理条件を変更する。たとえば、直前の第1工程時の処理時間よりも次の第1工程の処理時間を短くする。またたとえば、第2工程での被覆率をパターンの深さ方向に沿って変化させるよう処理条件を設定している場合、よりパターンの上部にのみで第2ガスが反応するように処理条件を変更する。たとえば、処理チャンバの温度を低くする。他方、マスク120Aの膜厚が所定値ではないと判定した場合(ステップS108、No)、処理条件を変更せずステップS101に戻る。
このように、マスク120Aの膜厚に応じて処理条件を調整することにより、形状異常が発生しやすい箇所に選択的に保護膜130Aを形成できる。たとえば、図17の(C)の被処理体は、マスク120Aの膜厚が処理開始時の半分程度になり、頂部からエッチング対象膜102Aまでの距離が短くなっている。この場合、処理条件を変更して保護膜130Aが形成される深さ方向の距離を短くする。すると、図17の(D)のように、マスク120A直下の形状異常が発生しやすい位置に継続的に保護膜130Aを形成できる。
また、ボーイングがエッチング対象膜102Aに発生した場合も、処理条件を更新してステップS101〜S104を実行することで、パターン形状を補正できる。
このように、第1工程および第2工程の実行後にエッチング(ステップS106)により開口200Aを有する凹部のアスペクト比が増加した場合、処理条件を変更してもよい。たとえば、アスペクト比の増加に応じて、第1工程(工程b−1)および第2工程(工程b−2)のうち少なくとも一方の処理条件を変更してもよい。たとえば、第2工程で生成するラジカルの輸送量を増加させてもよい。すなわち、エッチング(ステップS106)の回数が増えるにつれて、保護膜130Aが形成される位置がエッチング対象膜102Aの上方になるよう処理条件を変更してもよい。なお、処理条件は第1工程および第2工程を繰り返すときには、毎回異なる処理条件としてもよく、第1工程および第2工程を数回繰り返した後に異なる処理条件としてもよい。また、マスクの膜厚以外の要因に応じて、処理条件を適宜変更してもよい。
(第4の実施形態)
上記第1の実施形態において、頂部から底部に向けて径が小さくなる凹部が形成された場合に、保護膜により側壁の寸法変動を抑制しつつ底部の寸法を大きくする制御を実現できることを説明した(段落0044参照)。第4の実施形態として、凹部の寸法制御についてさらに説明する。第4の実施形態に係る基板処理方法によれば、形成するパターンの形状制御の自由度を向上させることができる。
図18は、第4の実施形態に係る基板処理方法の流れの一例を示すフローチャートである。図19、図20は、第4の実施形態に係る基板処理方法により処理される被処理体の例を示す図である。
まず、被処理体S2(図19(A)参照)を提供する(ステップS1800)。被処理体S2は、基板101Bと、基板101B上に形成されたエッチング対象膜102Bと、マスク120Bと、を備える(図19(A)参照)。マスク120Bは開口200A’を有する。開口200A’は底部201と側壁202とを有する。開口200A’の底部201はエッチング対象膜102Bに達している。ステップS1800では、マスク120Bを介して、エッチング対象膜102Bを部分的にエッチングする。
次に、第1の実施形態と同様、第1工程(ステップS1801)、パージ(ステップS1802)、第2工程(ステップS1803)、パージ(ステップS1804)により保護膜130A(図17参照)を形成する。そして、保護膜130Aが所定の膜厚となると(ステップS1805、Yes)、被処理体S2をエッチングする(ステップS1806)。他方、保護膜130Aが所定の膜厚となっていないと判定した場合(ステップS1805、No)、ステップS1801に戻って処理を繰り返す。ステップS1801〜S1806の処理は、図16のステップS101〜S106の処理と同様であり、ステップS1802,S1804のパージは省略してもよい。また、本実施形態では、ステップS1806において被処理体S2をエッチングする際に、第1の実施形態で説明したボーイングが発生しない場合またはボーイングによる影響が小さい場合には、ステップS1801〜S1804の処理を省略することも可能である。
次に、被処理体S2に形成された開口200A’の深さが所定値に達したかを判定する(ステップS1807)。たとえば、開口200A’の深さが基板101Bの上面位置に達したか否かを判定する。開口200A’の深さが基板101Bの上面位置に達していないと判定した場合(ステップS1807、No)、ステップS1805に戻って処理を繰り返す。他方、開口200A’の深さが基板101Bの上面位置に達したと判定した場合(ステップS1807、Yes)、底部201の開口寸法が所定値以上か否かを判定する(ステップS1808)。底部201の開口寸法とは、底部201の横方向寸法である。底部201の横方向寸法を以下、ボトムCD(Critical Dimension)とも呼ぶ。ステップS1807およびステップS1808の「所定値」は予め装置設計等に基づき設定される。
ここでは、開口200A’は上部から底部201まで側壁202が垂直方向に延びている形状が理想形状であるとする。そして、ステップS1808の「所定値」が理想形状のボトムCDに設定されたとする。そして、図19(B)に示すテーパ形状の開口200A’が形成されたとする。この場合、ステップS1808において、ボトムCDは所定値未満と判定される(ステップS1808、No)。ボトムCDが所定値未満と判定された場合、保護膜130Bを形成する(ステップS1809、図19(C)参照)。保護膜130Bは、開口200A’の頂部203上および側壁202上に形成される。図19(C)の例では、保護膜130Bは、側壁202の上部側から下部側に向けて徐々に膜厚が減少するように形成される。保護膜130Bを形成するための手法は、保護膜130A(図17参照)他と同様サブコンフォーマルALDを用いてもよく、プラズマCVD(PECVD)を用いてもよい。PECVDを用いる場合には、処理ガスとしては、たとえば、SiCl,Oおよび希ガスを用いることができる。希ガスとしては、たとえば、Ar,He,Krを用いることができる。また、チャンバ圧力は、10mTorr〜1Torrとし、高周波(RF)電力は50W以上としてよい。
次に、保護膜103Bが形成された被処理体S2をエッチング(トリム)する(ステップS1810)。このとき、側壁202の保護膜130Bに覆われている部分はエッチングされず、覆われていない又は保護膜130Bが上部よりも薄い下方の部分は、エッチングにより幅が上方の部分よりも増加される(図19(D)参照。)。ステップS18010のエッチングの後、ステップS1808に戻る。
ステップS1808でボトムCDが所定値以上であると判定された場合(ステップS1808、Yes)、処理は終了する。たとえば、ステップS1808の所定値が開口頂部寸法と略同一に設定されている場合、処理終了時の被処理体S2の形状はたとえば図19(D)に示す形状となる。
なお、ステップS1806のエッチングとステップS1810のエッチングは、それぞれ異なる処理条件で実行する。ステップS1806のエッチングは、開口200A’を主として深さ方向に掘り進めるように処理条件を設定する。他方、ステップS1810のエッチングは、開口200A’の底部201を横方向に寸法拡大するように処理条件を設定する。たとえば、ステップS1806の処理条件は異方性エッチング、ステップS1810の処理条件は等方性エッチングを実現するよう設定する。ステップS1810の処理は、エッチングに代えてたとえば後述する変形例3の手法、COR(Chemical Oxide Removal)を用いて実現してもよい。
たとえばエッチング対象膜102Bが酸化シリコン膜(SiO)である場合、ステップS1806のエッチングにおいては、フルオロカーボン(CF)系のエッチングガスを用いる。たとえば、C、C等を用いることができる。また、CF系ガスとアルゴン(Ar)ガスおよび酸素(O)ガスを混合して用いることができる。さらに、CHF,CH,CHF等のハイドロフルオロカーボン(CHF)系のエッチングガスを添加してもよい。他方、ステップS1810のエッチングにおいては、フッ素含有ガスをエッチングガスとして用いることができる。たとえばNFを用いることができる。
またたとえばエッチング対象膜102Bが有機膜である場合、ステップS1806のエッチングにおいては、酸素含有ガスを用いることができる。たとえば、O,CO、CO等をエッチングガスとして用いることができる。この場合、ステップS1810においても同様に酸素含有ガスをエッチングガスとして用いることができる。
なお、処理ガス以外の処理条件としては、ステップS1806の処理時のチャンバ圧力は10〜30mTorr程度、ステップS1810の処理時は100mTorr以上が好ましい。また、プラズマ生成時に印加するバイアス生成用の高周波(RF)電圧は、ステップS1806の処理時の方がステップS1810の処理時よりも高くなるように設定する。
なお、ステップS1810において変形例3の手法を利用する場合、フッ素含有ガスとNHの混合ガス、またはNとHの混合ガスを利用することができる。フッ素含有ガスとしては、NF、SF、CF系のガスを用いることができる。
このように、第4の実施形態に係る基板処理方法においては、所望の深さの開口を形成した後に、開口の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成して被処理体をエッチングする。このため、膜に覆われていない開口下部の寸法を横方向に広げることができ、開口の寸法を調整することができる。このため、第4の実施形態によれば、さらに微細にエッチング対象膜中のパターンの形状の異常を抑制できる。
また、第4の実施形態に係る基板処理方法は、開口200A’の底部201が基板101Bの上面位置に達した後だけでなく、エッチング対象膜102Bのエッチング中に実行してもよい。図20は、エッチング対象膜102Bのエッチング中に第4の実施形態に係る基板処理方法を適用した例を示している。
図20の(A)に示す被処理体S2は、図19の(A)に示す被処理体S2と同様である。図19の(A)の状態から(B)の状態になるまでに、開口200A’を掘り進める途中の段階で、図20の(B)に示す形状が得られる。たとえば、図18のステップS1807において「所定値」を基板101Bに達しない深さに設定する。そして、開口200A’の底部201がエッチング対象膜102B内に位置している段階で、ステップS1808を実行する。またたとえば、ステップS1800およびS1806の実行時間に基づき、開口200A’の底部201がエッチング対象膜102B内に位置している段階で、ステップS1808を実行する。そして、図20(B)に示す状態からステップS1809の保護膜形成(図20(C)参照)とステップS1810のエッチング(図20(D)参照)を実行する。このように判定処理を変更することで、図20(B)の状態からボトムCDを拡大するための処理を開始することができる。このため、基板101Bに与えるダメージを抑制しつつ開口200A’の形状を調整することができる。
このように、第4の実施形態に係る基板処理方法においては、開口200A’の底部201がエッチング対象膜102B内に位置している時から保護膜130Bを形成してもよい。このため、第4の実施形態によれば、ボトムCDの減少を抑制するとともにボーイングの発生を抑制できる。
(ボトムCDの判定)
上記ステップS1808における判定の手法は限定されない。たとえば、被処理体S2の形状を光学的手段等により検査することでボトムCDを判定してもよい。また、ステップS1801〜S1804,ステップS1806の実行回数または実行時間に基づき、ボトムCDを判定してもよい。また、ステップS1810を実行した場合には、ステップS1810の実行時間に基づき、ボトムCDを判定してもよい。ステップS1808の「所定値」は、設計値に基づき予め設定される。
(保護膜形成要否の判定)
また、ステップS1809の前に保護膜形成(ステップS1809)要否を判定してもよい。判定の手法は特に限定されない。たとえば、側壁202上に残存する保護膜130Bの厚みおよび/または位置に応じて、保護膜130Bの形成要否を判定してもよい。またたとえば、ステップS1801〜S1804、ステップS1806の実行回数または実行時間に応じて、保護膜130Bの形成要否を判定してもよい。また、ステップS1801〜S1804で形成された保護膜(図17、130A)が残存している場合、当該保護膜の厚みおよび/または位置に応じて、ステップS1809の実行要否を判定してもよい。
なお、ステップS1808、保護膜形成要否の判定は、まとめて実行してもよい。たとえば、ステップS1801〜S1804、ステップS1806の実行回数が値V1に達した場合に処理を終了してもよい。また、ステップS1801〜S1804、ステップS1806の実行回数が値V2(V2<V1)に満たない場合に保護膜130Bを形成してもよい。また、ステップS1801〜S1804、ステップS1806の実行回数が値V3(V3<V2)に満たない場合に保護膜130Bを形成せずにエッチング(S1810)を実行してもよい。
(膜種)
エッチング対象膜102B、マスク120Bおよび保護膜130B各々の膜種は特に限定されない。たとえば、基板101Bはシリコンウエハであってよい。エッチング対象膜102Bは、誘電体膜たとえばシリコン含有誘電体膜であってもよい。エッチング対象膜102Bは複数種類の膜を積層して形成されてもよい。たとえば、エッチング対象膜102Bは、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜が順次積層された層であってもよい。エッチング対象膜102Bは、シリコン酸化膜とポリシリコン膜が順次積層された層であってもよい。マスク120Bは、カーボン含有膜であってよい。カーボン含有膜はアモルファスカーボン層(ACL)、スピンオンカーボン膜(SOC)で形成されてもよい。またはマスク120Bは金属膜で形成されてもよい。また、図19、図20には図示しないが、マスク120Bの上にマスク120Bと同様の開口パターンが形成されたシリコン酸窒化膜(SiON)や裏面反射防止膜(BARC)が存在してもよい。保護膜130Bはシリコン含有膜であってよい。また、マスク120Bとエッチング対象膜102Bの膜種は同種であってもよい。
実施形態に係る基板処理方法において、エッチング対象膜102Bがシリコン含有誘電体膜である場合は、マスク120Bは、ACL、SOC等のカーボン含有膜であってよい。また、エッチング対象膜102Bがポリシリコン膜である場合は、マスク120BはTEOS(テトラエトキシシラン)を用いて形成したシリコン酸化膜等であってよい。
なお、第4の実施形態に係る基板処理方法は、ステップS1809の保護膜形成およびステップS1810のエッチングにおいてプラズマを用いても用いなくてもよい。
また、第4の実施形態に係る基板処理方法は、高アスペクト比のパターンだけでなく低アスペクト比を含む様々なアスペクト比のパターンに適用可能である。第4の実施形態に係る基板処理方法は、たとえばアスペクト10〜20のパターンに好適に適用できる。
(変形例2−ウエハ面内での膜厚調整)
第1の実施形態では、処理条件の調整により保護膜の被覆率と膜厚とを調整した。ところで、第1工程および第2工程における処理条件は以下の二つの観点で調整できる。
(1)プリカーサや反応ガスの導入量を制御することでパターンの深さ方向における成膜位置を制御する
(2)形成する保護膜の膜厚を制御する
第1、第2の実施形態では、主として(1)の観点で成膜位置を制御した。変形例2はさらに、(2)の観点で処理条件を調整する。図21は、被処理体の温度と成膜量との関係について説明するための図である。基板処理装置において処理されるウエハはたとえば、直径約300mmの円盤形状である。ウエハに対して成膜処理を実行するときウエハの温度によって成膜量が変動することが知られている。図21の(A)は、ウエハの温度と成膜量との関係を示す。(A)に示すように、ウエハ温度が高くなると成膜量は増加し、ウエハ温度が低くなると成膜量が減少する。
変形例2では、ウエハの載置台(静電チャック)を同心円状の複数ゾーンに分割し、各ゾーンの温度を独立して制御できるようにする。このため、任意の位置で形成される保護膜の膜厚を所望の厚さに制御することができる。たとえば、エッチング等の処理時にはウエハの中心部では形状異常(たとえばボーイング)が小さく、ウエハのエッジ部では形状異常が大きくなることが知られている。このような場合、形状異常が小さい傾向がある中心部の温度を、形状異常が大きい傾向があるエッジ部よりも低くなるよう制御する。このように制御すれば、形成される保護膜の膜厚をウエハの半径方向位置に応じて調整することができ、形成される開口寸法の面内均一性を向上できる。
また、膜厚制御のために図21の(B)に示すように径方向および周方向に分割された複数のゾーンを設けて、各々独立に温度制御できるようにすることで、面内均一性の向上以外にも、温度制御を利用できる。たとえば、ウエハの位置ごとに形成する保護膜の厚みを変えて異なる形状の開口を形成する等の処理も実現できる。
(変形例3−酸化膜の除去)
半導体装置を製造する際、ウエハWには、自然酸化膜が形成される場合がある。この自然酸化膜を除去する場合があり、周辺の他の膜が除去されたりダメージを受けたりする場合がある。このため、周辺の膜にダメージを与えずに自然酸化膜を除去することが好ましい。この実施形態に係る基板処理方法は、パターンの深さ方向に成膜量を変えることができる。このため、凹部底部に形成された酸化膜の上には保護膜を形成せずに、他の部分に保護膜を形成して自然酸化膜除去時のダメージを抑制することができる。
図22は、変形例3に係る基板処理方法により処理される被処理体の一例を説明するための図である。図22の(A)は、酸化膜が形成された被処理体の一例を示す図である。被処理体(たとえば半導体ウエハW)は、下地となるシリコン(Si)層101C上に、SiO2膜140が設けられている。SiO膜140には、パターンが形成されている。図22では、パターンとして、Si層101Cに到達する凹部がSiO膜140に形成されている。被処理体は、SiO膜140の上面および凹部側壁がSiN膜150で覆われている。また、ウエハWは、凹部底部のSi層101Cに自然酸化膜160(SiO2)が形成されている。Si層101Cは、自然酸化膜160のうち凹部の底部となる部分がシリコンゲルマニウムなどに変化しているため、パターンを変えて示している。
変形例3に係る基板処理方法は、凹部側壁上に、第1の実施形態のステップS101〜ステップS104を用いて深さ方向に膜厚が薄くなる保護膜300Cを形成する。第1の実施形態に係る基板処理方法は、凹部底部には成膜せず、側壁と頂部に成膜する。このため、図22の(B)に示す保護膜300Cを形成できる。そして、保護膜300C形成後にエッチングする。側壁は保護膜300Cに覆われているため、保護膜300C下のSiN膜150へのダメージを抑制して、底部の自然酸化膜160と、側壁の保護膜300Cとを除去できる。その結果、図22の(C)に示す被処理体が得られる。
このように、サブコンフォーマルALDを用いて保護膜300Cを形成すると、凹部底部には成膜せず、側壁と頂部に成膜できるため、底部のエッチングレートを下げることなく、自然酸化膜160を除去できる。また、凹部側壁に保護膜300Cを形成することでSiO2膜140やSiN膜150へのダメージを抑制できる。
なお、上記実施形態の説明においては、半導体パターンの形状異常の発生を抑制するために保護膜を用いる例について説明した。これに限らず、パターン形成時にマスクに形状異常が発生した場合に、形状異常を補正するために実施形態に係る基板処理方法を用いることができる。
(チャンバ内のコンディショニング)
ところで、上記実施形態において、たとえば図1のステップS101〜S104による成膜と、ステップS106のエッチングとを一つのチャンバ内で実行してもよい。この場合、エッチングにより生成される副生成物がチャンバ内に付着し、成膜時の条件に影響することがありうる。これに対して、一つのチャンバで同じ膜の成膜処理のみを実行した場合、チャンバの内壁その他の部品表面には被処理体上に形成される膜と同種の膜が付随的に形成される。このため、一つのチャンバで成膜処理のみを実行する場合と、一つのチャンバで成膜もエッチングも実行する場合とでは、成膜によって形成される膜の状態が異なる可能性がある。
そこで、本実施形態のエッチング(たとえば図1のステップS106)を実行した後に、チャンバ内のプラズマ空間に露出する表面のコンディショニングを実行してもよい。コンディショニングとしては、(1)チャンバ内のクリーニング、(2)チャンバ内のコーティングを実行できる。
チャンバ内のクリーニングはたとえば、所定のクリーニングガスをチャンバ内でプラズマ化した後排出することで実行する。クリーニングガスとして、OやCO等の酸素含有ガスやHやNHなどの水素含有ガス等を用いることができる。なお、クリーニングの手法は特に限定されない。チャンバ内のクリーニングは、たとえば最表面(チャンバ内面)上に付着したカーボンやフッ素を除去する条件で実行する。
また、チャンバ内のコーティングは、所定のコーティングガスをチャンバ内でプラズマ化した後排出することで実行する。コーティングガスとして、SiClやアミノシラン系ガス等のシリコン含有ガスとOなどの酸素含有ガス等を用いたCVDやALDによりシリコン酸化膜(SiO)等を成膜することができる。なお、コーティングの手法は特に限定されない。また、コーティングされる材料も特に限定されない。コーティングはたとえば、フッ素(CFなど)を用いたプラズマ処理の後に実行する。コーティングにより、チャンバの最表面に露出した副生成物を覆ってプラズマ処理空間に露出しないようにする。
なお、コンディショニングのためのクリーニングおよびコーティングは、被処理体が載置される載置台周辺だけでなく、チャンバの内壁全体が処理対象となる条件で実行する。また、コンディショニングのためのクリーニングおよびコーティングは、1回のプラズマ処理ごとに実行してもよく、所定回数のプラズマ処理を実行するごとに実行してもよい。これによって、副生成物が付着した内表面のプラズマ処理空間への露出を防止できる。このため、処理ごとにチャンバ内の条件、状態が変動することを防止して、形成される膜の状態を安定させることができる。
(その他の変形例)
上記実施形態において、第1工程および第2工程を1サイクルとして任意の回数のサイクルを繰り返し実行してもよい。また、上記実施形態においては、自己制御性を有する膜の例としてALDにより形成される膜について説明した。これに限らず、たとえば自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer:SAM)を保護膜として利用してもよい。
(一実施形態に係る基板処理装置の一例)
図23は、実施形態に係る基板処理方法の実行に用いられる一実施形態に係る基板処理装置の一例を示す図である。図23には、実施形態に係る基板処理方法の種々の実施形態で利用可能な基板処理装置10の断面構造が概略的に示されている。図23に示すように、基板処理装置10は、平行平板の電極を備えるプラズマエッチング装置であり、処理容器12を備えている。処理容器12は、略円筒形状を有しており、処理空間Spを画定する。処理容器12は、たとえば、アルミニウムから構成されており、その内壁面には陽極酸化処理が施されている。処理容器12は保安接地されている。
処理容器12の底部上には、略円筒状の支持部14が設けられている。支持部14は、たとえば、絶縁材料から構成されている。支持部14を構成する絶縁材料は、石英のように酸素を含み得る。支持部14は、処理容器12内において、処理容器12の底部から鉛直方向に延在している。処理容器12内には、載置台PDが設けられている。載置台PDは、支持部14によって支持されている。
載置台PDは、載置台PDの上面においてウエハWを保持する。ウエハWの主面FWは、載置台PDの上面に接触するウエハWの裏面の反対側にあり、上部電極30に向いている。載置台PDは、下部電極LEおよび静電チャックESCを有している。下部電極LEは、第1プレート18aおよび第2プレート18bを含んでいる。第1プレート18aおよび第2プレート18bは、たとえば、アルミニウムといった金属から構成されており、略円盤形状をなしている。第2プレート18bは、第1プレート18a上に設けられており、第1プレート18aに電気的に接続されている。
第2プレート18b上には、静電チャックESCが設けられている。静電チャックESCは、導電膜である電極を、一対の絶縁層の間または一対の絶縁シートの間に配置した構造を有している。静電チャックESCの電極には、直流電源22がスイッチ23を介して電気的に接続されている。ウエハWは、載置台PDに載置されている場合に、静電チャックESCに接する。ウエハWの裏面(主面FWの反対側の面)は、静電チャックESCに接する。静電チャックESCは、直流電源22からの直流電圧により生じるクーロン力等の静電力によりウエハWを吸着する。これにより、静電チャックESCは、ウエハWを保持することができる。
第2プレート18bの周縁部上には、ウエハWのエッジおよび静電チャックESCを囲むようにエッジリングERが配置されている。エッジリングERは、エッチングの均一性を向上させるために設けられている。エッジリングERは、エッチング対象の膜の材料によって適宜選択される材料から構成されており、たとえば、シリコンや石英から構成され得る。
第2プレート18bの内部には、冷媒流路24が設けられている。冷媒流路24は、温調機構を構成している。冷媒流路24には、処理容器12の外部に設けられたチラーユニット(図示略)から配管26aを介して冷媒が供給される。冷媒流路24に供給される冷媒は、配管26bを介してチラーユニットに戻される。このように、冷媒流路24には、冷媒が循環するように供給される。この冷媒の温度を制御することによって、静電チャックESCによって支持されたウエハWの温度が制御され得る。
基板処理装置10には、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、たとえばHeガスを、静電チャックESCの上面とウエハWの裏面との間に供給する。
基板処理装置10には、ウエハWの温度を調節する温度調節部HTが設けられている。温度調節部HTは、静電チャックESCに内蔵されている。温度調節部HTには、ヒータ電源HPが接続されている。ヒータ電源HPから温度調節部HTに電力が供給されることにより、静電チャックESCの温度が調整され、静電チャックESC上に載置されるウエハWの温度が調整されるようになっている。なお、温度調節部HTは、第2プレート18b内に埋め込まれていることもできる。
基板処理装置10は、上部電極30を備えている。上部電極30は、載置台PDの上方において、載置台PDと対向配置されている。下部電極LEと上部電極30とは、互いに略平行に設けられており、平行平板電極を構成する。上部電極30と下部電極LEとの間には、ウエハWに処理を行うための処理空間Spが提供されている。
上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、処理容器12の上部に支持されている。絶縁性遮蔽部材32は、絶縁材料から構成されており、たとえば、石英のように酸素を含み得る。上部電極30は、電極板34および電極支持体36を含み得る。電極板34は処理空間Spに面しており、電極板34には複数のガス吐出孔34aが設けられている。電極板34は、一実施形態では、シリコン(以下、ケイ素という場合がある)を含有する。別の実施形態では、電極板34は、酸化シリコンを含有し得る。
電極支持体36は、電極板34を着脱自在に支持するものであり、たとえばアルミニウムといった導電性材料から構成され得る。電極支持体36は、水冷構造を有し得る。電極支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。ガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。
基板処理装置10は、第1の高周波電源62および第2の高周波電源64を備える。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波電力を発生する電源であり、27〜100[MHz]の周波数、一例においては60[MHz]の高周波電力を発生する。また、第1の高周波電源62は、パルス仕様を備えており、周波数0.1〜50[kHz]、Duty5〜100%で制御可能である。第1の高周波電源62は、整合器66を介して下部電極LEに接続されている。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。なお、第1の高周波電源62は、整合器66を介して上部電極30に接続されていてもよい。
第2の高周波電源64は、ウエハWにイオンを引き込むための第2の高周波電力、すなわち高周波バイアス電力を発生する電源であり、400[kHz]〜40.68[MHz]の範囲内の周波数、一例においては13.56[MHz]の周波数の高周波バイアス電力を発生する。また、第2の高周波電源64は、パルス仕様を備えており、周波数0.1〜50[kHz]、Duty5〜100%で制御可能である。第2の高周波電源64は、整合器68を介して下部電極LEに接続されている。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。
基板処理装置10は、電源70を更に備えている。電源70は、上部電極30に接続されている。電源70は、処理空間Sp内に存在する正イオンを電極板34に引き込むための電圧を、上部電極30に印加する。一例においては、電源70は、負の直流電圧を発生する直流電源である。このような電圧が電源70から上部電極30に印加されると、処理空間Spに存在する正イオンが、電極板34に衝突する。これにより、電極板34から二次電子および/またはシリコンが放出され得る。
処理容器12の底部側、且つ、支持部14と処理容器12の側壁との間には排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、たとえば、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。排気プレート48の下方、且つ、処理容器12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、処理容器12内の空間を所望の真空度まで減圧することができる。処理容器12の側壁にはウエハWの搬入出口12gが設けられており、搬入出口12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
ガスソース群40は、複数のガスソースを有している。複数のガスソースは、有機含有されたアミノシラン系ガスのソース、フルオロカーボン系ガス(CxFyガス(x、yは1〜10の整数))のソース、酸素原子を有するガス(酸素ガス等)のソース、および、不活性ガスのソース等の各種のガスのソースを含み得る。不活性ガスとしては、窒素ガス、Arガス、Heガスといった任意のガスが用いられ得る。
バルブ群42は複数のバルブを含んでおり、流量制御器群44はマスフローコントローラといった複数の流量制御器を含んでいる。ガスソース群40の複数のガスソースのそれぞれは、バルブ群42の対応のバルブおよび流量制御器群44の対応の流量制御器を介して、ガス供給管38およびガス供給管82に接続されている。したがって、基板処理装置10は、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択された一以上のガスソースからのガスを、個別に調整された流量で、処理容器12内に供給することが可能である。
処理容器12には、ガス導入口36cが設けられている。ガス導入口36cは、処理容器12内において載置台PD上に配置されたウエハWの上方に設けられる。ガス導入口36cは、ガス供給管38の一端に接続されている。ガス供給管38の他端は、バルブ群42に接続されている。ガス導入口36cは、電極支持体36に設けられている。ガス導入口36cから、ガス拡散室36aを介して処理空間Spに供給されるガスは、ウエハW上であってウエハWと上部電極30との間の空間領域に供給される。
処理容器12には、ガス導入口52aが設けられている。ガス導入口52aは、処理容器12内において載置台PD上に配置されたウエハWの側方に設けられる。ガス導入口52aは、ガス供給管82の一端に接続されている。ガス供給管82の他端は、バルブ群42に接続されている。ガス導入口52aは、処理容器12の側壁に設けられている。ガス導入口52aから処理空間Spに供給されるガスは、ウエハW上であってウエハWと上部電極30との間の空間領域に供給される。
基板処理装置10では、処理容器12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、処理容器12にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。デポシールドは、Y2O3の他に、たとえば、石英のように酸素を含む材料から構成され得る。
制御部Cntは、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、図23に示す基板処理装置10の各部を制御する。
制御部Cntは、一実施形態に係る基板処理方法の各工程において基板処理装置10の各部を制御するためのコンピュータプログラム(入力されたレシピに基づくプログラム)に従って動作し、制御信号を送出する。基板処理装置10の各部は、制御部Cntからの制御信号によって制御される。制御部Cntは、具体的には、図23に示す基板処理装置10において、制御信号を用いて、ガスソース群40から供給されるガスの選択および流量、排気装置50の排気、第1の高周波電源62および第2の高周波電源64からの電力供給、電源70からの電圧印加、ヒータ電源HPの電力供給、チラーユニットからの冷媒流量および冷媒温度、等を制御することが可能である。なお、本明細書において開示される基板処理方法の各工程は、制御部Cntによる制御によって基板処理装置10の各部を動作させることによって実行され得る。制御部Cntの記憶部には、一実施形態に係る基板処理方法を実行するためのコンピュータプログラム、および、当該方法の実行に用いられる各種のデータが、読出し自在に格納されている。
(実施形態の効果)
上記実施形態に係る基板処理方法は工程a)と工程b)とを含む。工程a)において、被処理体を部分的にエッチングし、凹部を形成する。工程b)において、凹部の側壁に、凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する。工程b)は工程b−1)と工程b−2)とを含む。工程b−1)は、第1反応物を供給し、凹部の側壁に第1反応物を吸着させる。工程b−2)は、第2反応物を供給し、第1反応物と第2反応物とを反応させて膜を形成する。このため、実施形態によれば、高アスペクト比のパターンに対して形成する膜の膜厚を深さ方向に沿って変化させることができる。このため、実施形態によれば、形状異常が発生しやすいパターンの位置に予め深さ方向に膜厚を変化させて保護膜を形成できる。このため、実施形態によれば、半導体パターンの形状異常を抑制できる。また、実施形態によれば、自己制御性を有する膜、たとえばALD膜を形成するため、形成する保護膜の膜厚を精密に制御できる。このため、実施形態によれば、パターンの開口閉塞を抑止できる。また、実施形態によれば、パターンの底部への保護膜形成を抑制することで、エッチストップを防止しエッチングレートを向上できる。また、実施形態によれば、工程b−1)および工程b−2)の処理条件の調整により、パターンの深さ方向に沿った保護膜の被覆率を大きく変化させることができる。
また、実施形態において、工程b)において、b−1)は、凹部の表面全体には第1反応物を吸着させない、および/または、b−2)は、凹部の表面全体では第1反応物と第2反応物とを反応させない。すなわち、実施形態に係る基板処理方法は、第1反応物のパターンの深さ方向における表面全体への吸着が完了する前に終了してもよい。このため、工程b−1)における処理条件を調整することで、保護膜を形成する位置を調整できる。また、実施形態において、工程b−2)は、第2反応物のパターンの深さ方向における表面全体における反応が完了する前に終了してもよい。このため、工程b−2)における処理条件を調整することで、保護層の形成位置を調整できる。たとえば、保護層を底部に形成しないことでエッチングレートの低下を抑制できる。
また、実施形態に係る基板処理方法は、工程b)の後に、凹部の底部をエッチングし、高アスペクト比の凹部を形成する工程c)をさらに含んでもよい。このため、実施形態によれば、保護層形成後のパターンをさらに加工して所望の形状を実現できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程c)の後に工程b)をさらに実行してもよい。このため、実施形態によれば、エッチングにより保護膜が消失した場合でも再度保護膜を形成して、所望のパターンを形成できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、被処理体は、基板と、前記基板上に形成されたエッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上に形成されたマスクと、を含んでもよい。そして、基板処理方法は、前記マスクの上部に予備膜を形成して、前記凹部の開口寸法を減少させる工程d)をさらに含んでもよい。このため、実施形態に係る基板処理方法はたとえば、化学蒸着または物理蒸着により、被処理体に形成されたパターンの上部に予備膜を形成して、凹部頂部の開口寸法を減少させることができる。このため、実施形態に係る基板処理方法は、凹部のアスペクト比を増加させる。このため、実施形態によれば、アスペクト比が低い凹部についても、サブコンフォーマルALDを用いた成膜を実現できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程d)は工程b)の前に実行されてもよい。このため、実施形態によれば、凹部のアスペクト比を補正した上でサブコンフォーマルALDを実行できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程d)は、凹部のアスペクト比が10未満のときに実行されてもよい。また、実施形態に係る基板処理方法において、工程d)は、凹部の頂部開口寸法に対するマスクの上表面から凹部の底部までの深さ寸法の比が15未満のときに実行されてもよい。また、実施形態に係る基板処理方法において、工程a)および工程b)は、凹部のアスペクト比が10以上のとき、または、凹部の頂部開口寸法に対するマスクの上表面から凹部の底部までの深さ寸法の比が15以上のときに繰り返し実行されてもよい。このため、実施形態によれば、凹部のアスペクト比が低くなった場合にはサブコンフォーマルALDを中断してアスペクト比を高くする処理を実行できる。また、凹部のアスペクト比が高い間は、サブコンフォーマルALDを有効に実行できる。このように、実施形態によれば、凹部のアスペクト比を調整して成膜制御に適した値とした上で、成膜を実行することができる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程a)または工程c)の後、凹部のアスペクト比に応じて、工程b−1)および工程b−2)のうち少なくとも一方の処理条件を変更してもよい。このため、実施形態によれば、エッチング後のパターンの状態に適した保護膜を形成してパターンの加工を続けることができる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、n回(nは2以上の自然数)以上繰り返し実行する工程b)において、n回目の処理と(n−1)回目の処理とで処理条件を変更してもよい。それにより、繰り返し実行するb)において形成される膜の位置および/または厚みを変更してもよい。このため、実施形態によれば、形成する膜の形状および/または位置をさらに微細に調整できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、n´回(n´は2以上の自然数)以上繰り返し実行する工程b)において、n´回目の処理と(n´−1)回目の処理とで用いる第1反応物および第2反応物を変更してもよい。それにより、繰り返し実行する工程b)において形成される膜の位置および/または厚みを変更してもよい。このため、実施形態によれば、形成する膜の形状および/または位置をさらに微細に調整できる。
また、実施形態に係る基板処理方法は工程a)と工程b)と工程e)とを含んでもよい。工程a)において、処理チャンバ内の載置台上に載置された被処理体をエッチングし、凹部を形成する。工程b)において、凹部の側壁に、凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する。工程e)において、凹部の上部の開口寸法の変動を工程b)において形成した膜により抑制しつつ、被処理体をエッチングし、工程b)において形成した膜により覆われていない凹部の下部の開口寸法を横方向に広げる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程e)は膜に覆われていない凹部の下部の開口寸法を横方向に加えて縦方向に広げてもよい。また、工程b)の後に、凹部の底部をエッチングし、高アスペクト比の凹部を形成する工程を含む場合、工程c)において異方性エッチングにより凹部の底部をエッチングし、工程e)において等方性エッチングにより凹部の下部の開口寸法を横方向に広げてもよい。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程b)において、被処理体が載置される載置台に設けられる独立して温度制御可能な複数のゾーン各々を、当該複数のゾーン各々の面内位置に応じて異なる温度に制御してもよい。それにより、形成する膜の厚みを複数のゾーンの温度に応じて変化させてもよい。このため、実施形態によれば、載置台の温度を制御することで、成膜の状態を調整できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程a)、工程b)および工程c)を少なくともn´´(n´´は2以上の自然数)繰り返し実行してもよい。そして、(n´´−1)回目の工程b−2)において、被処理体が載置される載置台に設けられる独立して温度制御可能な複数のゾーン各々を第1の温度分布に制御してもよい。それにより、深さ方向に第1の膜厚分布を有する第1膜を形成してもよい。また、n´´回目の工程b−2)において、複数のゾーン各々を第2の温度分布に制御してもよい。それにより、深さ方向に第2の膜厚分布を有する第2膜を形成してもよい。このため、実施形態によれば、載置台の温度を制御することで、成膜の状態を調整できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程b−1)における処理チャンバの圧力は、他の処理条件が同一の場合に、第1反応物の凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる圧力よりも低い値に設定されてもよい。また、工程b−1)における処理時間は、他の処理条件が同一の場合に、第1反応物の凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる処理時間よりも短い時間に設定されてもよい。また、工程b−1)における第1反応物の希釈度は、他の処理条件が同一の場合に、第1反応物の凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる希釈度よりも高い値に設定されてもよい。また、工程b−1)において被処理体の載置台の温度は、他の処理条件が同一の場合に、第1反応物の凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる温度よりも低い温度に設定されてもよい。また、工程b−1)においてプラズマの生成を行う場合、プラズマ生成のために印加する高周波(RF)電力の絶対値は、他の処理条件が同一の場合に、第2反応物の凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる絶対値よりも小さい値に設定されてもよい。このように、工程b−1)における処理条件を調整することで、凹部の深さ方向に沿った被覆率を変化させて第1反応物が含む成分の被処理体への吸着を実現できる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、工程b−2)における処理チャンバの圧力は、他の処理条件が同一の場合に、第2反応物の凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる圧力よりも低い値に設定されてもよい。また、工程b−2)における処理時間は、他の処理条件が同一の場合に、第2反応物の凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる処理時間よりも短い時間に設定されてもよい。また、工程b−2)における第2反応物の希釈度は、他の処理条件が同一の場合に、第2反応物の凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる希釈度よりも高い値に設定されてもよい。また、工程b−2)において被処理体の載置台の温度は、他の処理条件が同一の場合に、第2反応物の凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる温度よりも低い温度に設定されてもよい。また、工程b−2)において、プラズマの生成を行う場合、プラズマ生成のために印加する高周波(RF)電力の絶対値は、他の処理条件が同一の場合に、第2反応物の凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる絶対値よりも小さい値に設定されてもよい。このように、工程b−2)における処理条件を調整することで、凹部の深さ方向に沿った被覆率を変化させて第2反応物が含む成分の被処理体表面上での反応を実現できる。
また、上記実施形態に係る基板処理方法は、工程b−1)の前に、第1反応物の吸着を阻害する阻害因子を凹部の側壁上に形成する工程f)をさらに含んでもよい。このため、実施形態によれば、任意の位置に保護膜を形成できる。
また、上記実施形態に係る基板処理方法は、工程a)の後に、処理チャンバの内壁に付着した副生成物を覆うコーティングを施す工程g)をさらに含んでもよい。このため、実施形態によれば、処理チャンバ内の条件、状態の変動を防止できる。このため、実施形態によれば、形成される膜の状態を安定させることができる。
また、上記実施形態に係る基板処理方法において、工程b)は、工程b−3)、b−4)、b−5)をさらに含んでもよい。工程b−3)においては、形成した膜の状態を示すパラメータを測定する。工程b−4)においては、測定値に基づき、膜が予め設定した状態となっているか否かを判定する。工程b−5)においては、膜が予め設定した状態となっていない場合、測定値に基づき処理条件を調整した上で、工程b−1)および工程b−2)を繰り返す。
また、上記実施形態に係る基板処理装置は、少なくとも1つの処理チャンバがエッチングを実行するように構成されており、少なくとも1つの処理チャンバが膜を形成するように構成されている、1つまたは複数の処理チャンバと、制御部と、を備える。処理チャンバは、処理チャンバの内部に処理ガスを供給するガス供給部を備える。制御部は、基板処理方法を各部に実行させる。基板処理方法は、工程a)と工程b)とを含む。工程a)は、被処理体を部分的にエッチングし、凹部を形成する。工程b)は、凹部の側壁に、凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する。工程b)はまた、工程b−1)と工程b−2)とを含む。工程b−1)は、膜を形成するように構成された処理チャンバ内に第1反応物を供給し、凹部の側壁に第1反応物を吸着させる。工程b−2)は、膜を形成するように構成された処理チャンバ内に第2反応物を供給し、第1反応物と第2反応物とを反応させて膜を形成する。このため、実施形態によれば、高アスペクト比のパターンに対して形成する膜の膜厚を深さ方向に沿って変化させることができる。このため、実施形態によれば、形状異常が発生しやすいパターンの位置に予め深さ方向に膜厚を変化させて保護膜を形成できる。このため、実施形態によれば、半導体パターンの形状異常を抑制できる。また、実施形態によれば、自己制御性を有する膜、たとえばALD膜を形成するため、形成する保護膜の膜厚を精密に制御できる。このため、実施形態によれば、パターンの開口閉塞を抑止できる。また、実施形態によれば、パターンの底部への保護膜形成を抑制することで、エッチストップを防止しエッチングレートを向上できる。また、実施形態によれば、工程b−1)と工程b−2)の処理条件の調整により、パターンの深さ方向に沿った保護膜の被覆率を大きく変化させることができる。
また、上記実施形態に係る基板処理装置において、エッチングするように構成された処理チャンバは、膜を形成するように構成された処理チャンバと同じ処理チャンバであってもよく、工程a)および工程b)を同じ処理チャンバで行ってもよい。
また、上記実施形態に係る基板処理装置において、エッチングをするように構成された処理チャンバは、前記膜を形成するように構成された処理チャンバとは異なる処理チャンバであってもよい。そして、制御部は、h)エッチングするように構成された処理チャンバと、膜を形成するように構成された処理チャンバとの間で基板を搬送する工程をさらに含む、基板処理方法を各部に実行させてもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
10 基板処理装置
12 処理容器
14 支持部
22 直流電源
24 冷媒流路
28 ガス供給ライン
30 上部電極
32 絶縁性遮蔽部材
101,101A,101B 基板
102,102A,102B エッチング対象膜
120,120A,120B マスク
130A,130B 保護膜
140 SiO
150 SiN膜
160 自然酸化膜
200,200A,200A’ 開口
300,301,302,304 保護膜
303 予備膜
ESC 静電チャック
ER エッジリング
HT 温度調節部
HP ヒータ電源
LE 下部電極
PD 載置台
Sp 処理空間
W ウエハ

Claims (25)

  1. a)被処理体を部分的にエッチングし、凹部を形成する工程と、
    b)前記凹部の側壁に、前記凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する工程と、
    を含み、
    前記b)は、
    b−1)第1反応物を供給し、前記凹部の側壁に前記第1反応物を吸着させる工程と、
    b−2)第2反応物を供給し、前記第1反応物と前記第2反応物とを反応させて膜を形成する工程と、
    を含む、基板処理方法。
  2. 前記b)において、
    前記b−1)は、前記凹部の表面全体には前記第1反応物を吸着させない、および/または、
    前記b−2)は、前記凹部の表面全体では前記第1反応物と前記第2反応物とを反応させない、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. c)前記b)の後に、前記凹部の底部をエッチングし、高アスペクト比の凹部を形成する工程
    をさらに含む、請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記c)の後に前記b)をさらに実行する、請求項3に記載の基板処理方法。
  5. 前記被処理体は、基板と、前記基板上に形成されたエッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上に形成されたマスクと、を含み、
    前記基板処理方法は、
    d)前記マスクの上部に予備膜を形成して、前記凹部の開口寸法を減少させる工程
    をさらに含む、請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記d)は前記b)の前に実行される、請求項5に記載の基板処理方法。
  7. 前記d)は、前記凹部のアスペクト比が10未満のときに実行される、請求項5または6に記載の基板処理方法。
  8. 前記d)は、前記凹部の頂部開口寸法に対する前記マスクの上表面から前記凹部の底部までの深さ寸法の比が15未満のときに実行される、請求項5または6に記載の基板処理方法。
  9. 前記a)および前記b)は、前記凹部のアスペクト比が10以上のとき、または、前記凹部の頂部開口寸法に対する前記マスクの上表面から前記凹部の底部までの深さ寸法の比が15以上のときに繰り返し実行される、請求項5から8のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  10. 前記a)または前記c)の後、前記凹部のアスペクト比に応じて、前記b−1)および前記b−2)のうち少なくとも一方の処理条件を変更する、請求項3から9のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  11. n回(nは2以上の自然数)以上繰り返し実行する前記b)において、n回目の処理と(n−1)回目の処理とで処理条件を変更することにより、繰り返し実行する前記b)において形成される前記膜の位置および/または厚みを変更する、請求項1から10のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  12. n´回(n´は2以上の自然数)以上繰り返し実行する前記b)において、n´回目の処理と(n´−1)回目の処理とで用いる前記第1反応物および前記第2反応物を変更することにより、繰り返し実行する前記b)において形成される前記膜の位置および/または厚みを変更する、請求項1から11のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  13. 前記b)において、前記被処理体が載置される載置台に設けられる独立して温度制御可能な複数のゾーン各々を、当該複数のゾーン各々の面内位置に応じて異なる温度に制御して、形成する前記膜の厚みを前記複数のゾーンの温度に応じて変化させる、請求項1から12のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  14. 前記a)および前記b)を少なくともn´´(n´´は2以上の自然数)繰り返し実行し、
    (n´´−1)回目のb−2)工程において、前記被処理体が載置される載置台に設けられる独立して温度制御可能な複数のゾーン各々を第1の温度分布に制御して、深さ方向に第1の膜厚分布を有する第1膜を形成し、
    n´´回目の前記b−2)工程において、前記複数のゾーン各々を第2の温度分布に制御して、深さ方向に第2の膜厚分布を有する第2膜を形成する、請求項1から13のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  15. 前記b−1)における処理条件は、条件(1)から(5)のうち少なくともいずれか1つを満足し、当該条件(1)から(5)はそれぞれ、
    (1)処理チャンバの圧力は、他の処理条件が同一の場合に、前記第1反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる圧力よりも低い値に設定されること、
    (2)処理時間は、他の処理条件が同一の場合に、前記第1反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる処理時間よりも短い時間に設定されること、
    (3)前記第1反応物の希釈度は、他の処理条件が同一の場合に、前記第1反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる希釈度よりも高い値に設定されること、
    (4)前記被処理体の載置台の温度は、他の処理条件が同一の場合に、前記第1反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる温度よりも低い温度に設定されること、
    (5)前記b−1)においてプラズマの生成を行う場合、プラズマ生成のために印加する高周波電力(RF)電力の絶対値は、他の処理条件が同一の場合に、前記第1反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体への吸着を完了させる絶対値よりも小さい値に設定されることである、請求項1から14のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  16. 前記b−2)における処理条件は、条件(1)から(5)のうち少なくともいずれか1つを満足し、当該条件(1)から(5)はそれぞれ、
    (1)処理チャンバの圧力は、他の処理条件が同一の場合に、前記第2反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる圧力よりも低い値に設定されること、
    (2)処理時間は、他の処理条件が同一の場合に、前記第2反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる処理時間よりも短い時間に設定されること、
    (3)前記第2反応物の希釈度は、他の処理条件が同一の場合に、前記第2反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる希釈度よりも高い値に設定されること、
    (4)前記被処理体の載置台の温度は、他の処理条件が同一の場合に、前記第2反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる温度よりも低い温度に設定されること、
    (5)前記b−2)においてプラズマの生成を行う場合、プラズマ生成のために印加する高周波(RF)電力の絶対値は、他の処理条件が同一の場合に、前記第2反応物の前記凹部の深さ方向における表面全体における反応を完了させる絶対値よりも小さい値に設定されることである、請求項1から15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  17. f)前記b−1)の前に、前記第1反応物の吸着を阻害する阻害因子を前記凹部の側壁上に形成する工程をさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  18. g)前記a)の後に、処理チャンバの内壁に付着した副生成物を覆うコーティングを施す工程を
    さらに含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  19. a)被処理体をエッチングし、凹部を形成する工程と、
    b)前記凹部の側壁に、前記凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する工程と、
    e)前記凹部の上部の開口寸法の変動を前記b)において形成した膜により抑制しつつ、前記被処理体をエッチングし、前記b)において形成した膜により覆われていない前記凹部の下部の開口寸法を横方向に広げる工程と、
    を含む、基板処理方法。
  20. 前記e)は、前記膜に覆われていない前記凹部の下部の開口寸法を横方向に加えて縦方向に広げる、請求項19に記載の基板処理方法。
  21. c)前記b)の後に、前記凹部の底部をエッチングし、高アスペクト比の凹部を形成する工程
    をさらに含み、
    前記c)において異方性エッチングにより前記凹部の底部をエッチングし、前記e)において等方性エッチングにより前記凹部の下部の開口寸法を横方向に広げる、請求項19または20に記載の基板処理方法。
  22. 前記b)は、
    b−3)前記形成した膜の状態を示すパラメータを測定する工程と、
    b−4)測定値に基づき、前記膜が予め設定した状態となっているか否かを判定する工程と、
    b−5)前記膜が予め設定した状態となっていない場合、前記測定値に基づき処理条件を調整した上で、前記b−1)および前記b−2)を繰り返す工程と、
    をさらに含む、請求項1から21のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  23. 少なくとも1つの処理チャンバがエッチングをするように構成されており、少なくとも1つの処理チャンバが膜を形成するように構成されている、1つまたは複数の処理チャンバと、
    制御部と、
    を備え、
    前記処理チャンバは、内部に処理ガスを供給するためのガス供給部を有し、
    前記制御部は、
    a)前記エッチングをするように構成された処理チャンバ内の載置台上に載置された被処理体を部分的にエッチングし、凹部を形成する工程と、
    b)前記凹部の側壁に、前記凹部の深さ方向に沿って厚さの異なる膜を形成する工程と、
    を含み、
    前記b)は、
    b−1)前記膜を形成するように構成された処理チャンバ内に第1反応物を供給し、前記凹部の側壁に前記第1反応物を吸着させる工程と、
    b−2)前記膜を形成するように構成された処理チャンバ内に第2反応物を供給し、前記第1反応物と前記第2反応物とを反応させて膜を形成する工程と、
    を含む、基板処理方法を各部に実行させる、
    基板処理装置。
  24. 前記エッチングするように構成された処理チャンバは、前記膜を形成するように構成された処理チャンバと同じ処理チャンバであり、
    前記a)および前記b)を同じ処理チャンバで行う、
    請求項23に記載の基板処理装置。
  25. 前記エッチングをするように構成された処理チャンバは、前記膜を形成するように構成された処理チャンバとは異なる処理チャンバであり、
    前記制御部は、
    h)前記エッチングするように構成された処理チャンバと、前記膜を形成するように構成された処理チャンバとの間で前記基板を搬送する工程
    をさらに含む、基板処理方法を各部に実行させる、請求項23に記載の基板処理装置。
JP2020024686A 2019-02-28 2020-02-17 基板処理方法および基板処理装置 Active JP7422557B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW109105385A TWI843810B (zh) 2019-02-28 2020-02-20 基板處理方法及基板處理裝置
CN202010106983.2A CN111627806A (zh) 2019-02-28 2020-02-21 基片处理方法和基片处理装置
US16/804,807 US11450537B2 (en) 2019-02-28 2020-02-28 Substrate processing method and substrate processing apparatus
KR1020200025379A KR20200105449A (ko) 2019-02-28 2020-02-28 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
US17/887,061 US11961746B2 (en) 2019-02-28 2022-08-12 Substrate processing method and substrate processing apparatus
JP2024004437A JP2024045236A (ja) 2019-02-28 2024-01-16 プラズマ処理装置および基板処理装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019036708 2019-02-28
JP2019036708 2019-02-28
JP2019203918 2019-11-11
JP2019203918 2019-11-11

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024004437A Division JP2024045236A (ja) 2019-02-28 2024-01-16 プラズマ処理装置および基板処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021077843A true JP2021077843A (ja) 2021-05-20
JP7422557B2 JP7422557B2 (ja) 2024-01-26

Family

ID=75898249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020024686A Active JP7422557B2 (ja) 2019-02-28 2020-02-17 基板処理方法および基板処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7422557B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021103727A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法および基板処理装置
WO2023127817A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法及びプラズマ処理装置
WO2023234214A1 (ja) * 2022-06-01 2023-12-07 東京エレクトロン株式会社 エッチング方法及びプラズマ処理装置
WO2023238903A1 (ja) * 2022-06-10 2023-12-14 東京エレクトロン株式会社 エッチング方法およびプラズマ処理装置
CN117352383A (zh) * 2023-12-06 2024-01-05 合肥晶合集成电路股份有限公司 沟槽的制备方法
WO2024062995A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法及び基板処理装置
WO2024075539A1 (ja) * 2022-10-04 2024-04-11 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法及び基板処理装置
WO2024117072A1 (ja) * 2022-11-30 2024-06-06 株式会社Screenホールディングス 半導体素子形成方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03267372A (ja) * 1990-03-19 1991-11-28 Hitachi Ltd 連続成膜方法
JP2006222208A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP2008060566A (ja) * 2006-08-22 2008-03-13 Lam Res Corp プラズマエッチング性能強化方法
JP2012043993A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Denso Corp 半導体装置の製造方法
JP2012124322A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Elpida Memory Inc 半導体記憶装置の製造方法
US20160163561A1 (en) * 2014-12-04 2016-06-09 Lam Research Corporation Technique to deposit sidewall passivation for high aspect ratio cylinder etch
JP2017041628A (ja) * 2015-08-17 2017-02-23 エーエスエム アイピー ホールディング ビー.ブイ. サセプタ、基板処理装置
US20170076945A1 (en) * 2015-09-01 2017-03-16 Lam Research Corporation Mask shrink layer for high aspect ratio dielectric etch
US20170178920A1 (en) * 2014-12-04 2017-06-22 Lam Research Corporation Technique to tune sidewall passivation deposition conformality for high aspect ratio cylinder etch
JP2017174939A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 Sppテクノロジーズ株式会社 炭化珪素半導体素子の製造方法
WO2017217132A1 (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 ソニー株式会社 半導体装置、及び、半導体装置の製造方法
JP2018046216A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理方法
WO2019027811A1 (en) * 2017-08-02 2019-02-07 Lam Research Corporation SELECTIVE HIGH ASPECT RATIO LATERAL ENGRAVING USING CYCLIC PASSIVATION AND CYCLIC ENGRAVING

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03267372A (ja) * 1990-03-19 1991-11-28 Hitachi Ltd 連続成膜方法
JP2006222208A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP2008060566A (ja) * 2006-08-22 2008-03-13 Lam Res Corp プラズマエッチング性能強化方法
JP2012043993A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Denso Corp 半導体装置の製造方法
JP2012124322A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Elpida Memory Inc 半導体記憶装置の製造方法
US20170178920A1 (en) * 2014-12-04 2017-06-22 Lam Research Corporation Technique to tune sidewall passivation deposition conformality for high aspect ratio cylinder etch
US20160163561A1 (en) * 2014-12-04 2016-06-09 Lam Research Corporation Technique to deposit sidewall passivation for high aspect ratio cylinder etch
JP2017041628A (ja) * 2015-08-17 2017-02-23 エーエスエム アイピー ホールディング ビー.ブイ. サセプタ、基板処理装置
US20170076945A1 (en) * 2015-09-01 2017-03-16 Lam Research Corporation Mask shrink layer for high aspect ratio dielectric etch
JP2017174939A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 Sppテクノロジーズ株式会社 炭化珪素半導体素子の製造方法
WO2017217132A1 (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 ソニー株式会社 半導体装置、及び、半導体装置の製造方法
JP2018046216A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理方法
WO2019027811A1 (en) * 2017-08-02 2019-02-07 Lam Research Corporation SELECTIVE HIGH ASPECT RATIO LATERAL ENGRAVING USING CYCLIC PASSIVATION AND CYCLIC ENGRAVING

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021103727A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法および基板処理装置
JP7365895B2 (ja) 2019-12-25 2023-10-20 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法および基板処理装置
WO2023127817A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法及びプラズマ処理装置
WO2023234214A1 (ja) * 2022-06-01 2023-12-07 東京エレクトロン株式会社 エッチング方法及びプラズマ処理装置
WO2023238903A1 (ja) * 2022-06-10 2023-12-14 東京エレクトロン株式会社 エッチング方法およびプラズマ処理装置
WO2024062995A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法及び基板処理装置
WO2024075539A1 (ja) * 2022-10-04 2024-04-11 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法及び基板処理装置
WO2024117072A1 (ja) * 2022-11-30 2024-06-06 株式会社Screenホールディングス 半導体素子形成方法
CN117352383A (zh) * 2023-12-06 2024-01-05 合肥晶合集成电路股份有限公司 沟槽的制备方法
CN117352383B (zh) * 2023-12-06 2024-04-05 合肥晶合集成电路股份有限公司 沟槽的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7422557B2 (ja) 2024-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7422557B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
US11450537B2 (en) Substrate processing method and substrate processing apparatus
KR102305317B1 (ko) 실리콘 질화물의 선택적 에칭
US10475659B2 (en) Method of processing target object
JP6568822B2 (ja) エッチング方法
US9607811B2 (en) Workpiece processing method
JP2019029652A (ja) 負バイアスを用いてpealdによって膜を堆積する方法
US9911607B2 (en) Method of processing target object
KR20170077841A (ko) 원자층 식각을 포함하는 연속 공정
JP6529357B2 (ja) エッチング方法
TW201529898A (zh) 用於高深寬比溝槽的均等鎢蝕刻
JP6289996B2 (ja) 被エッチング層をエッチングする方法
JP6454492B2 (ja) 多層膜をエッチングする方法
JP6504989B2 (ja) エッチング方法
TWI766866B (zh) 蝕刻方法
US20210202233A1 (en) Substrate processing method and substrate processing apparatus
KR102362446B1 (ko) 에칭 방법
JP2022116000A (ja) 空隙を形成するためのシステム及び方法
WO2018110150A1 (ja) 成膜装置及び成膜方法
TWI780185B (zh) 處理被處理體之方法
TWI843810B (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
TW202036671A (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
CN115485819A (zh) 用于选择性金属化合物移除的系统及方法
KR102678853B1 (ko) 피처리체를 처리하는 방법
US20240162043A1 (en) Sidewall Inorganic Passivation for Dielectric Etching Via Surface Modification

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7422557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150