JP2021076601A - ロードセル用の回動防止手段 - Google Patents

Abstract

【課題】廉価に製造可能な、ロードセル用の回動防止手段を提供する。
【解決手段】ロードセル用の回動防止手段１は、上側のセンタリング用金属薄板２、詰め部材３および下側のセンタリング用薄板４を有し、上側のセンタリング用薄板２は、開口部７を有し、開口部７には少なくとも１つの係止突起６が配置されていることを特徴とする回動防止手段。
【選択図】図１

Description

本発明は、ロードセル用の回動防止手段に関する。

背景技術
ロードセル、例えば道路車両に使用するための振り子式ロードセルは、一般にひずみゲージが接着された、以下でロードセル本体と呼ぶ測定部材から成っている。

ロードセル本体は、高剛性の金属材料、一般に鋼から製造されており、ロードセルヘッド、ロードセル脚部およびその間に配置されたボデーを有している。ロードセル本体の表面の適当な箇所、大抵は実質的に円筒形のボデーに、ひずみゲージが配置されている。これらのひずみゲージ、一般にコンスタンタンひずみゲージまたはカルマひずみゲージは、通常電気的に、フルホイートストンブリッジとして接続されている。

ひずみゲージを水もしくは湿気または汚れから保護するために、ロードセル本体の周りには別個のケーシングが配置されていてよい。このケーシングにはさらに、調整室が取り付けられており、調整室内には、ロードセルの電気的な調整用、例えばゼロ点、特性値、温度特性等の設定用の電子機器および場合により信号処理装置が位置している。この調整室もやはり、電子構成部品を湿気および汚れから保護するために用いられる。

ロードセルヘッドおよびロードセル脚部の端面からボデー内へ、特にウェブもしくはダイヤフラムに向かって的確な荷重導入を達成するためには、ロードセル本体の長手方向軸線を中心として回転対称に延在する複数のアンダカット部が設けられており、これらのアンダカット部により、ロードセルヘッドはボデーから、ボデーはロードセル脚部からそれぞれ段付けされている。

これらのロードセルにおいて問題なのは、計量されるべき計量具の動き、例えば荷重の付加または除去により、使用されるロードセル本体の高さ方向軸線を中心とした回動が生じる場合がある、という点である。ロードセル本体は、ケーブルにより、上位の制御装置に電気的に接続されており、この場合、ロードセル本体が回動すると、ケーブルがロードセル本体の周りに巻き付き、最終的に裂断する恐れがある。さらに、ロードセル本体のこのような回動は、測定誤差を招く恐れがあり、特に再現性誤差を高めてしまう。

国際公開第２００５０２４３５７号に開示された機械的な回動防止手段の場合、ロードセル脚部の周面が、少なくとも１つの実質的に鉛直な溝を有しており、この溝は、下部プレートに設けられた突出した部材と、ロードセルの取付け状態においてそれぞれ協働することができるようになっている。

この構成における欠点は、突出した部材が一体に製造されており、これにより、相応にフライス切削加工せねばならない、という点にある。さらにこの部材は、測定誤差および／または再現性誤差が生じないようにするために、高剛性の鋼から製造されねばならない。このことは、このような回動防止手段の製造価格を大幅に上昇させる。

概要
本発明の課題は、廉価に製造可能な、冒頭で述べた形式の回動防止手段を提供することにある。

この課題は、冒頭で述べた形式のロードセルにおいて、本発明に基づき、回動防止手段が、上側のセンタリング用薄板、詰め部材および下側のセンタリング用薄板を有していることにより解決される。回動防止手段が複数部分から成ることに基づき、個々の部分が廉価に製造され得ると共に、モジュール式に使用可能である。よって、ロードセルを、より小型または大型のロードセルに交換する際には、例えば上側のセンタリング用薄板だけを交換すればよい。

１つの別の構成では、上側のセンタリング用薄板は、開口部を有している。好適には開口部内に、特に開口部の内側の周縁部に、係止突起が配置されている。開口部は、ロードセル脚部を受容するために用いられる。ロードセル脚部は、開口部を挿し通され、詰め部材に支持される。好適には、ロードセル脚部は開口部を有しており、開口部内に、上側のセンタリング用薄板の係止突起が係合する。これにより、ロードセルの回動が防止される。

１つの別の構成では、詰め部材は、上側のセンタリング用金属薄板の開口部と少なくとも同じ直径を有している。このことは、ロードセル脚部が詰め部材の全面に直立する、ということを保証する。

１つの別の構成では、下側のセンタリング用薄板は、開口部を有している。特に、下側のセンタリング用薄板の開口部は、上側のセンタリング用薄板の開口部と少なくとも同じ直径を有している。下側のセンタリング用薄板は、詰め部材のセンタリングおよび位置固定に用いられる。詰め部材が、上側のセンタリング用薄板および下側のセンタリング用薄板と同じ直径を有している場合、詰め部材は、好適には段部を有しており、この段部において詰め部材は、下側のセンタリング用薄板の開口部よりも小さな直径を有している。換言すると、詰め部材は、上側のセンタリング用薄板の方を向いた側に、上側のセンタリング用薄板の開口部と少なくとも同じ直径を有していてよく、かつ下側のセンタリング用薄板の方を向いた反対側には、最大で下側のセンタリング用薄板の直径を有していてよい。これにより詰め部材は、下側のセンタリング用薄板によりセンタリングされかつ位置固定される。特に詰め部材は、形状結合式に下側のセンタリング用薄板に位置固定される。択一的に、下側のセンタリング用薄板の開口部は、上側のセンタリング用薄板の開口部よりも大きな直径を有していてもよい。この場合、詰め部材は、上側のセンタリング用薄板の開口部と同じ直径を有していてよい。つまり、下側のセンタリング用薄板の開口部は常に、詰め部材の直径よりも大きくなっているもしくは下側のセンタリング用薄板の開口部は常に、詰め部材の、下側のセンタリング用薄板の方を向いた側の直径よりも大きくなっている。

１つの別の構成では、詰め部材は、上側のセンタリング用薄板および／または下側のセンタリング用薄板よりも高い強度を有している。これにより、上側のセンタリング用薄板および／または下側のセンタリング用薄板は、比較的低い強度を有する材料、特に鋼またはプラスチックから製造され得る。例えば、上側のセンタリング用薄板および／または下側のセンタリング用薄板用には、３００ＭＰａ〜１０００ＭＰａ、好適には５００ＭＰａ〜７００ＭＰａの引張強さおよび２５０未満の硬さＨＢを有する耐食性の鋼が使用され得る。詰め部材は、７５０ＭＰａ〜１５００ＭＰａ、好適には８００ＭＰａ〜１３００ＭＰａの引張強さおよび４００未満の硬さＨＢを有する耐食性の鋼から製造されていてよい。ただし詰め部材の引張強さおよび硬さは常に、上側のセンタリング用薄板および下側のセンタリング用薄板の引張強さおよび硬さよりも大きくなっている。さらに詰め部材は、ロードセル脚部よりも高い引張強さおよび高い硬さを有する材料から成っている。上側のセンタリング用薄板および／または下側のセンタリング用薄板は、ロードセル脚部よりも低い引張強さおよび硬さを有している。これにより、回動防止手段を廉価に製造することができる。これとは対照的に、従来技術から周知の回動防止手段は、相応して高価値の鋼から一体に製造もしくはフライス切削加工されている。

１つの別の構成では、上側のセンタリング用薄板と下側のセンタリング用薄板との間には、少なくとも１つのスペーサが配置されている。好適には、上側のセンタリング用薄板と下側のセンタリング用薄板との間には、上側のセンタリング用薄板および／または下側のセンタリング用薄板と同じ材料から製造された２つのスペーサが配置されている。スペーサは、円筒形の幾何学形状を有しており、この場合、スペーサの内部には貫通孔が配置されている。

１つの別の構成では、上側のセンタリング用薄板と詰め部材との間には、ギャップが存在している。ギャップは、汚れ、特に例えば上側のセンタリング用薄板もしくはロードセルから詰め部材に流入する水等の液体を流出させることができるようにするために用いられる。これにより、この領域は容易に清浄することができるようになっており、とりわけ衛生的な回動防止手段が提供されることになる。

１つの別の構成では、上側のセンタリング用薄板と、下側のセンタリング用薄板とは、少なくとも１つの摩擦結合式の結合手段により、互いに結合されている。このために上側のセンタリング用薄板は、好適にはその外周に少なくとも１つの開いた溝を有しており、この場合、開いた溝は、特にＵ字形の幾何学形状を有している。上側のセンタリング用薄板と下側のセンタリング用薄板との間には、少なくとも１つのスペーサ、好適には少なくとも２つのスペーサが挿入される。次いで上側のセンタリング用薄板は、少なくとも１つのスペーサ内の貫通孔を挿し通される少なくとも１つのねじにより、下側のセンタリング用薄板と結合され、この場合、下側のセンタリング用薄板は、好適には少なくとも１つの貫通孔を有しており、この貫通孔にはねじを挿し通して固定領域と結合することができるようになっている。つまり、上側のセンタリング用薄板と下側のセンタリング用薄板との間で摩擦結合式の結合、特にねじ締結が行われ、この場合、少なくとも１つのねじが、回動防止手段を固定領域、特にベースプレートに摩擦結合式に結合すると共に、上側のセンタリング用薄板と下側のセンタリング用薄板とを位置固定する。これにより、少なくとも１つのねじ、特に２つのねじにより、回動防止手段全体が固定領域に結合され、回動防止手段が組み立てられる。

以下に、本発明による装置の好適な実施例を図面に基づき説明する。
回動防止手段の概略図である。 ロードセルを備えた回動防止手段の横断面図である。

実施例の詳細な説明
図１には、回動防止手段１の概略図が示されている。回動防止手段１は、上側のセンタリング用の金属製の薄板２、詰め部材３および下側のセンタリング用の金属製の薄板４から成っている。上側のセンタリング用薄板２は開口部７を有しており、この場合、開口部７は円形の幾何学形状を有している。上側のセンタリング用薄板２の内側の周縁部５には２つの係止突起６が配置されており、これらの係止突起６は、上側のセンタリング用薄板２と一体に結合されておりかつ多角形の、特に四角形の幾何学形状を有している。係止突起６は、ロードセル脚部の切欠きに係合する。上側のセンタリング用薄板２の外側の周縁部９には、開いた溝１０が配置されている。開いた溝１０は、上側のセンタリング用薄板２と一体に結合されておりかつＵ字形の幾何学形状を有している。

詰め部材３は、上側のセンタリング用薄板２と下側のセンタリング用薄板４との間に配置されている。上側のセンタリング用薄板２と詰め部材との間には、ギャップ８が配置されている。ギャップ８を通り、流入した水が再び流出することができるようになっている。詰め部材３は、上側のセンタリング用薄板２および／または下側のセンタリング用薄板４よりも高い強度を有している。さらに詰め部材３は、上側のセンタリング用薄板２の開口部７よりも大きな直径を有している。

下側のセンタリング用薄板４は開口部１１を有しており、この場合、開口部１１は円形の幾何学形状を有している。開口部１１は、詰め部材３よりも大きな直径を有している。詰め部材３は、下側のセンタリング用薄板４により位置固定される。下側のセンタリング用薄板４の外側の周縁部１２にはもしくは外側の周縁部１２内には、貫通孔１３が配置されている。

上側のセンタリング用薄板２と下側のセンタリング用薄板４との間には、２つのスペーサ１４が配置されている。これらのスペーサにより、ギャップ８の高さが調節される。

回動防止手段１の組立てに際して、下側のセンタリング用薄板４、詰め部材３および上側のセンタリング用薄板２は互いに重ねられて配置され、上側のセンタリング用薄板２と下側のセンタリング用薄板４との間にスペーサ１４が配置される。次いで、ねじ１５が上側のセンタリング用薄板２の側からスペーサ１４内に挿入され、下側のセンタリング用薄板４の貫通孔１３に挿し通される。これにより、ねじ頭１６は上側のセンタリング用薄板２の上側に位置しかつねじ先端部１７は下側のセンタリング用薄板４の下側に位置することになる。ねじ１５のねじ先端部１７ならびに雄ねじ山は、固定領域、特にベースプレートに螺入される。固定領域は、例えばロードセルの取付けセットのベースプレートであってよい。次いで、ねじ１５が締め付けられ、これにより、上側のセンタリング用薄板２と下側のセンタリング用薄板４とは互いに摩擦結合式に結合されていることになる。

上側のセンタリング用薄板２に形成された、開いた溝１０は、構造体全体を取り外すこと無しに上側のセンタリング用薄板２を簡単に取り外すことができるようにするために用いられる。このためにはねじ１５が緩められてよく、開いた溝１０に基づき上側のセンタリング用薄板２を旋回させかつ／または引き抜いて外すことができる。このようにして、係止突起６が変形された場合または詰め部材３を交換する必要がある場合には、上側のセンタリング用薄板２を簡単に交換することができるようになっている。さらにこれにより、ねじ頭１６が上側のセンタリング用薄板２の開口部７に突入すること無しに、ねじ１５を側方に挿入することができる、という利点が生じる。これにより、ロードセル脚部がねじ頭１６にひっかかる、ということが回避される。

図２には、ロードセル１８が嵌め込まれた回動防止手段１が示されている。ロードセル１８は、好適にはロードセルヘッド２０、ロードセル脚部１９およびその間に配置されたボデー２１を有している。ロードセル本体の表面の適当な箇所、大抵は実質的に円筒形のボデー２１に、ひずみゲージが配置されている。ひずみゲージを水もしくは湿気または汚れから保護するために、ロードセル本体の周りには別個のケーシングが配置されていてよい。このケーシングにはさらに、調整室が取り付けられていてよく、調整室内には、ロードセル１８の電気的な調整用、例えばゼロ点、特性値、温度特性等の設定用の電子機器および場合により信号処理装置が位置している。この調整室もやはり、電子構成部品を湿気および汚れから保護するために用いられる。

ロードセルヘッド２０およびロードセル脚部１９の端面からボデー２１内へ、特にウェブもしくはダイヤフラムに向かって的確な荷重導入を達成するためには、ロードセル本体の長手方向軸線を中心として回転対称に延在する複数のアンダカット部２２が設けられており、これらのアンダカット部２２により、ロードセルヘッド２０はボデー２１から、ボデー２１はロードセル脚部１９からそれぞれ段付けされている。

ロードセル脚部１９は、少なくとも１つの切欠き２３、特に２つの切欠き２３を有しており、これらの切欠き２３には回動防止手段１の係止突起６が係合する。これにより、ロードセル１８の回動が防止される。係止突起６は、好適には上側のセンタリング用薄板２と同一の壁厚さを有している。ロードセル脚部１９は、詰め部材３に支持されている。

１ 回動防止手段
２ 上側のセンタリング用薄板
３ 詰め部材
４ 下側のセンタリング用薄板
５ 内側の周縁部
６ 係止突起
７ 上側のセンタリング用薄板の開口部
８ ギャップ
９ 上側のセンタリング用薄板の外側の周縁部
１０ 開いた溝
１１ 下側のセンタリング用薄板の開口部
１２ 下側のセンタリング用薄板の外側の周縁部
１３ 下側のセンタリング用薄板の貫通孔
１４ スペーサ
１５ ねじ
１６ ねじ頭
１７ ねじ先端部
１８ ロードセル
１９ ロードセル脚部
２０ ロードセルヘッド
２１ ボデー
２２ アンダカット部
２３ ロードセル脚部の切欠き

Claims (14)

1. 上側のセンタリング用薄板（２）、詰め部材（３）および下側のセンタリング用薄板（４）を備えることを特徴とする、ロードセルのロードセル脚部を収容する回動防止手段（１）。
2. 前記上側のセンタリング用薄板（２）は、開口部（７）を有していることを特徴とする請求項１記載の回動防止手段（１）。
3. 前記開口部（７）には少なくとも１つの係止突起（６）が配置されていることを特徴とする請求項２記載の回動防止手段（１）。
4. 前記詰め部材（３）は、前記上側のセンタリング用薄板（２）の前記開口部（７）と少なくとも同じ直径を有していることを特徴とする請求項２または３記載の回動防止手段（１）。
5. 前記下側のセンタリング用薄板（４）は、開口部（１１）を有していることを特徴とする請求項１から４までのいずれか１項記載の回動防止手段（１）。
6. 前記下側のセンタリング用薄板（４）の前記開口部（１１）は、前記上側のセンタリング用薄板（２）の前記開口部（７）と少なくとも同じ直径を有していることを特徴とする請求項５記載の回動防止手段（１）。
7. 前記下側のセンタリング用薄板（４）の前記開口部（１１）は、前記詰め部材（３）の直径よりも大きいことを特徴とする請求項５または６記載の回動防止手段（１）。
8. 前記詰め部材（３）は、前記上側のセンタリング用薄板（２）および／または前記下側のセンタリング用薄板（４）よりも高い強度を有していることを特徴とする請求項１から７までのいずれか１項記載の回動防止手段（１）。
9. 前記上側のセンタリング用薄板（２）と前記下側のセンタリング用薄板（４）との間には、少なくとも１つのスペーサ（１４）が配置されていることを特徴とする請求項１から８までのいずれか１項記載の回動防止手段（１）。
10. 前記上側のセンタリング用薄板（２）と前記詰め部材（３）との間にはギャップ（８）が存在していることを特徴とする請求項１から９までのいずれか１項記載の回動防止手段（１）。
11. 前記上側のセンタリング用薄板（２）および前記下側のセンタリング用薄板（４）は、少なくとも１つの摩擦結合式の結合手段により互いに結合されていることを特徴とする請求項１から１０までのいずれか１項記載の回動防止手段（１）。
12. 前記摩擦結合式の結合手段は、ねじ締結手段であり、少なくとも１つのねじ（１５）が、当該回動防止手段（１）を固定領域に結合すると共に、前記上側のセンタリング用薄板（２）と前記下側のセンタリング用薄板（４）とを位置固定することを特徴とする請求項１１記載の回動防止手段（１）。
13. 前記上側のセンタリング用薄板（２）は、その外周（９）に少なくとも１つの開いた溝（１０）を有していることを特徴とする請求項１から１２までのいずれか１項記載の回動防止手段（１）。
14. 前記開いた溝（１０）は、Ｕ字形の幾何学形状を有していることを特徴とする請求項１３記載の回動防止手段（１）。

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