JP2021075928A - 門柱耐震補強装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はダム門柱のダム軸方向の耐震性能を向上する構造として、門柱の高さの異なるA、B2点間の地震時水平変位差を極力小さなロスでダンパーに伝達させる制震ブレース及び周辺架構を門柱間に設置、または門柱側面から設置する構造を提供する。【解決手段】本発明は、ダム16内に設けられた門柱1の間に設けられる門柱耐震補強装置であり、門柱1に接続した柱7の上部に、上弦材5と下弦材4及び上弦材5と下弦材4を繋ぐ柱上部で形成された枠体内にトラス状に連結した連結部材で構成されたトラス架構2を柱間に掛け渡して取り付け、該トラス架構2の下部と柱脚部間に制震ブレース3を連結して門柱耐震補強装置を構成してなることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、門柱耐震補強装置に係り、特にダム内に設けられた水門柱耐震補強装置に関するものである。
近年の大地震を契機として大規模地震時における土木構造物の安全性の確保に対する社会的要請が高まり、当該建設地点で将来にわたって考えられる地震動のうち最大級のものとして設定した検討用地震動に対して耐震性能を照査する方法を示す指針案が出されている。
かかる指針案に基づき既存のダムの耐震性能照査を行う中で、洪水吐き主ゲート部門柱(以下、ダム門柱)のダム軸方向の耐震性能が満足されず補強が必要となる場合がある。
ダム門柱は洪水吐き主ゲート部に複数本独立して設置されているもので、耐震補強装置を設置することで、大地震時の水平変形を抑えることが出来る。
しかしながら、補強部材の温度差伸縮の影響や、付加される剛性の影響で、補強箇所以外の既存門柱部分に損傷が増加しないことも考慮しなければならない。
また、耐震補強工事が長期化しないよう河川の水流に影響しない補強部材配置の検討も望まれている。
ダム門柱はダム軸方向に向かい複数本が独立して配置されている。ここで、ダム門柱のダム軸方向の耐震性能を向上する方法として一般的に考えられる従来技術1があり、過去に実績のある技術として下記従来技術2乃至3がある。
従来技術1
図1に示すように門柱間にわたり鉄骨ブレースを設置し水平耐力を増加させて補強する方法。鉄骨ブレースは河川の流水が達しない上部門柱に配置する。
従来技術2
門柱周りに補強鉄筋を配置しコンクリートを増打ちすることにより門柱の曲げ耐力とせん断耐力を増加させて補強を行う方法(RC巻立て補強工法)。
従来技術3
図2に示すように門柱頂部間に高減衰ダンパーを介して特殊な支承を用いて主桁を接続することにより、大地震による門柱相互の水平変形差を高減衰ダンパーに伝え、発生する減衰力でエネルギーを吸収して門柱の変形を抑えると共に、主桁と門柱をラーメン架構化して主桁と門柱頂部間に発生する曲げ抵抗力により門柱の変形を抑える方法。ダンパーを介しているため、主桁の温度変化による伸縮の影響がない。主桁及びダンパーは河川の流水が達しない門柱頂部に配置する。
特開2012−255330号公報
しかしながら、前記従来技術には以下の様な課題があった。
すなわち、従来技術1においては、門柱間にわたり設置する鉄骨ブレースの温度変化による伸縮で、既存門柱に応力が生じ損傷する可能性が指摘されていた。また、鉄骨ブレースで上部門柱に剛性と耐力を付加し大地震時の変形を抑える代わりに、下部門柱の変形が進み応力が大きくなることで損傷する可能性も指摘されていた。
また、従来技術2では、RC巻立て補強工法では、河川流水に接する箇所の工事がある場合、渇水期のみの工事となり、工期が長期化するとの指摘があった。
さらに、従来技術3では、門柱周囲にダム本体などの剛強な支持点が無く門柱のみの場合、補強が難しい場合があった。一般的にダム門柱は同形状のものが複数配置されており、図2に示すように門柱が各々同程度の剛性と質量である場合、地震動に対し同様の揺れが生じ、門柱相互間の水平変形差はあまり生じず、ダンパーの性能が十分に発揮されない。また、接合する主桁はスパンが大きく通常の断面ではラーメン架構の剛性が小さいことと、主桁を接続する特殊な支承部の曲げ耐力が小さいことが予想されることから、主桁と門柱をラーメン化することにより門柱の水平変形を抑える効果は小さい。上記2点から、耐震性能を向上することが難しい場合があると指摘されていた。
本発明は前記従来の課題を解決すべく創案されたものであり、ダム門柱のダム軸方向の耐震性能を向上する構造として図3に示すように、門柱の高さの異なるA、B2点間の地震時水平変位差を極力小さなロスでダンパーに伝達させる制震ブレース及び周辺架構を門柱間に設置、または門柱側面から設置する構造を発明したものである。
一般的に上記水平変位差は小さく、伝達時変位ロスの影響が大きいため図3の(a)に示すようにトグル制震ブレースなどいわゆる増幅機構つき制震ブレースを用いることで変位を増幅させてダンパーに伝えることにより、ダンパーの効率を高めることができる。また、効率が落ちるが、条件により図3の(b)に示すように、汎用の制震ブレースを採用することも出来、水門柱のダム軸方向の耐震性能を向上させる水門柱耐震補強装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、
ダム内に設けられた門柱の間に設けられる門柱耐震補強装置であり、
門柱に接続した柱の上部に、上弦材と下弦材及び上弦材と下弦材を繋ぐ柱上部で形成された枠体内にトラス状に連結した連結部材で構成されたトラス架構を柱間に掛け渡して取り付け、該トラス架構の下部と柱脚部間に制震ブレースを連結して門柱耐震補強装置を構成してなり、
前記上弦材部柱頂部及び柱脚部の門柱への取り付けは、モルタルを介して接続し、下弦材の門柱への接続は、下弦材と前記柱との接続部を跨いで固着具を下弦材上に配置し、該固着具によって下弦材を長手方向へ揺動可能に接合した、
ことを特徴とし、
または、
ダム内に設けられた門柱の間に設けられる門柱耐震補強装置であり、
門柱に接続した柱の上部に、上弦材と下弦材及び上弦材と下弦材を繋ぐ柱上部で形成された枠体内にトラス状に連結した連結部材で構成されたトラス架構を柱間に掛け渡して取り付け、該トラス架構の下部と柱脚部間には、トグル制震ブレースを連結して門柱耐震補強装置を構成してなり、
前記上弦材部柱頂部及び柱脚部の門柱への取り付けについては、図21にその一例が示されている。すなわち、モルタルを介して接続し、下弦材部柱の門柱への接続は、下弦材と前記柱との接続部を跨いで固着具を下弦材上に配置し、該固着具によって下弦材を長手方向へ揺動可能に接合し、
前記トグル制震ブレースは、ダンパーと第1腕部と第2腕部とを有し、ダンパーは前記下弦材と柱との接続部に取り付けられ、他端は第1腕部と第2腕部の他端に接続され、第1腕部の基端は柱脚部に取り付けられた、
ことを特徴とし、
または、
前記制震ブレースは、門柱間の片側のみまたは両側に一対取り付けられた、
ことを特徴とし、
または、
柱とトラス架構と制震ブレースが取り付けられた門柱に隣接する門柱間には、前記トラス架構を構成する上弦材位置の柱に接続された軸力伝達部材が取り付けられた、
ことを特徴とし、
または、
ダムに設けられた複数の門柱の間には、適宜トラス架構と制震ブレースまたは軸力伝達部材を取り付けない門柱間を設けた、
ことを特徴とするものである。
すなわち、伝達時変位ロスを小さくする方法として、元々小さい変位に変位ロスが生じるとその影響する割合が大きいものとなる。そこで、周辺架構の鉛直変形を小さくすることとする。これは、トラス架構の設置で対応する。次に、高さの異なる2点間の水平変位差を大きくすることとする。これは、2点間の距離を大きくすることで対応する。トラスの高さで調整するものとする。トグル制震ブレースの大きさは限界があるからである。
次に、変位ロスを見込んだ伝達変位は小さいことに対する対応策として、トグル制震ブレースで伝達変位を増幅させダンパーの効率を上げる。また、補強架は補強架構の柱の頂部(A部)と脚部(B部)で門柱に接合する。またトラス下弦材位置(C部)で補強架構面外のみ拘束する振れ止めでつなげる。トラス架構は原則として柱の頂部と中間部に取り付ける。制震ブレースはトラス下弦材と柱脚部間に取り付けたものである。
本発明によれば、門柱の高さの異なるA、B2点間の地震時水平変位差を極力小さなロスでダンパーに伝達させる制震ブレース及び周辺架構を門柱間に設置、または門柱側面から設置する構造にすることで、一般的に上記水平変位差は小さく、伝達時変位ロスの影響が大きいため図3の(a)に示すようにトグル制震ブレースを用い変位を増幅させてダンパーに伝えることにより、ダンパーの効率を高めることができ、また、効率が落ちるが、条件により図3の(b)に示すように、汎用の制震ブレースを採用することも出来、もってダム軸方向の耐震性能を向上させることが出来る。
すなわち、一般的に上記水平変位差は小さく、伝達ロスの影響大となる。よって、トラス架構設置で鉛直変形によるロスを小さくする。トラス架構設置で上弦材位置の水平変位を小さなロスで下弦材以下の制振装置に伝える。また、制振装置に伝達する変位は、前記制震装置にトグル制震ブレースを使うことで増幅してダンパーに伝えることができ、ダンパーの効率を上げることができる。なお、効率が落ちるが、汎用の制震ブレースを採用することもできる。
従来技術1の概略構成説明図である。 従来技術3の概略構成説明図である。 門柱の補強位置及びトグル制震ブレースと凡用制震ブレースの概念を説明する説明図である。 本発明による実施例の構成を説明する構成説明図である。 制震ブレース周辺架構の鉛直変形を説明する説明図である。 制震装置周辺架構の動きを説明する説明図である。 制震装置ブレースの配置例を説明する説明図である。 門柱上部の破壊を説明する説明図である。 点検歩廊を設けた状態の構成説明図である。 耐震補強装置の取り付け状況を説明する説明図である。 耐震補強装置取り付け後の応力状況を説明する説明図である。 門柱への耐震補強装置の取り付け状態を説明する説明図(1)である。 門柱への耐震補強装置の取り付け状態を説明する説明図(2)である。 図12のA部拡大部である。 図12のD部拡大部である。 図12のB部拡大部(1)である。 図12のB部拡大部(2)である。 図12のC部拡大部(1)である。 図12のC部拡大部(2)である。 図12のC部拡大部(3)である。 上弦材位置柱と門柱との間接接合状態を説明する説明図である。 本発明の他の実施例を説明する説明図である。 本発明の他の実施例を説明する説明図である。
本発明は、ダム16内に設けられた門柱1の間に設置される門柱耐震補強装置である。そして、本発明の門柱耐震補強装置は、門柱1の上下方向に向かい取り付けられる柱7と、門柱1の柱7間に掛け渡して取り付けられるトラス架構2とその下方にトラス架構2と連結され、取り付けられるトグル式などの制震ブレース3を有して構成される。
すなわち、門柱1に取り付けた柱7の上部に、上弦材5と下弦材4及び上弦材5と下弦材4の端部を繋ぐ柱7の上部で形成された枠体内にトラス状に連結した連結部材13を有して構成されたトラス架構2を柱7間に掛け渡して取り付けられ、該トラス架構2の下方にはトグル制震ブレースなどの制震ブレース3を連結して門柱耐震補強装置を構成したものである。
ここで、前記上弦材5と柱7の頂部及び柱7の脚部の門柱1への取り付けについては図21にその一例が示されている。図21に示すように、柱7の頂部近傍においてH型鋼からなる上弦材5は水平方向に向かって配置される。そして、H型鋼のウエブ23は上下方向に向くよう配置される。よって、ウエブ23の一方側方向、すなわち門柱1側方向の凹部14にモルタル15が圧入され、該モルタル15を介して門柱1と上弦材5とが接合される。これにより柱7頂部は門柱1に連結される。
前記接合の一例を挙げれば、ウエブ23から門柱1側に向かっては例えばスタットボルト20が複1数本突設され、門柱1からウエブ23側に向かっては前記スタットボルト20の間に位置するようディスクシアキー等や、あと施工アンカー等で構成された突出部材21が突設される。
そして、スタットボルト20と突出部材21とは直接的に接合されてはおらず、モルタル15で接合した間接接合の状態としてある。
また、下弦材4の門柱1への接続は、下弦材4と門柱1に縦方向に延出して取り付けられた柱7との接続部を跨いで固着具10を下弦材4上に2つ配置し、該固着具10によって下弦材4の端部側を長手方向へ揺動可能に接合してある。
すなわち、下弦材4と門柱1に縦方向に延出して取り付けられた柱7との接部位置では、トラス架構2などの周辺架構は門柱1に接続されない。但し面外方向には拘束できる様に振れ止め(固着具10)を配置してある。
また、柱7とトラス架構2からなるトグル制震ブレース3の周辺架構は、上部門柱部8の上下方向に添わせて配置し取り付けた柱7の頂部で上部門柱部8の頂部に、柱7の脚部で下部門柱部9の頂部に接続するのである。
さらに、例えば、トグルの制震ブレース3は、ダンパー17と第1腕部18と第2腕部19とを有し、ダンパー17の基端は前記下弦材4と柱7との接続部24に取り付けられ、他端は第1腕部18と第2腕部19の他端に接続され、第1腕部18の基端は柱7の脚部に取り付けられて構成されている。そして、この制震ブレース3の取り付けに関しては、状況に応じて門柱1間の両側に一対取り付けても構わない。
尚、柱7とトラス架構2と制震ブレース3が取り付けられた門柱1間に隣接する門柱1間には、前記トラス架構2を構成する上弦材5に接続された直線状をなす軸力伝達部材6の取り付けだけでも構わない。この軸力伝達部材6の取り付けだけでも門柱1間の耐震が図れる場合がある。
また、ダム16に設けられた複数の門柱1のそれぞれの間には、適宜トラス架構2と制震ブレース3を取り付けない門柱1間を設ける場合がある。
いわゆる門柱1間において耐震補強装置の設置を間引きする門柱1間を設けるのである。
このように間引き部分を設け、補強架構をブロック分けすることにより門柱1間をつなぐ補強架構のうち、軸剛性を発揮する部材の温度差による伸縮で門柱1に生じる応力を軽減できるのである。
本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
図4に第1実施例を示す。図4に示すように、隣り合う門柱1間に接続した柱の上部にはトラス架構2が取り付けられる。
該トラス架構2は、前述したように、例えば上弦材5と下弦材4との間において補強部材となる連結部材13を三角形状につなぎ合わせて構成されている。
該トラス架構2の門柱1への取り付けは、図から理解されるように門柱1の表面部、例えば図4に示すように、門柱1の表面部におけるB点からA点までの長さ部分を取付面12として形成し、この取付面12に柱7を配置し、この柱7に上弦材5や下弦材4の端部側を接合して柱7の頂部と脚部で門柱1に取り付けることとしている。
すなわち、トラス架構2は、柱7を介して門柱1に取り付けられる。門柱1に取り付けられた柱7の頂部Aと脚部Bのみで門柱1に固定される。
そして、柱7の中間部(トラス下弦材位置)では面外のみ拘束する固着具10を配置してある。
図4のA点については、図12及び図21に示すように、前述の通り、柱7の頂部近傍において、H型鋼からなる鉛直変上弦材5のウエブ23から一方向に向かって形成される凹部14にモルタル15を圧入し、該モルタル15を介して門柱1と上弦材5とを間接接合にして連結することにより柱7を門柱1に連結している。
また、柱7への下弦材4の取付部である図4のC点については、図12、図13、図18乃至図20に示すように、柱7近傍の下弦材4に2つの固着具10を用いて面外方向のみ門柱1に拘束することにより柱7を面外方向のみ拘束している。
ここで、上弦材5と下弦材4の長手方向端部側は上下方向に立設された例えばH型鋼からなる柱7と接続され、もって、前記トラス架構2は上弦材5、下弦材4及び門柱1の取付面12に配置された前記柱7によって長方形状に枠組みされてなり、該枠組みされた枠体内に三角形状に補強部材である連結部材13などを繋いで構成されるものとなる。
そして、下弦材4と前記柱7との接続部24(隅角部)を跨いで2つの前記固着具10を下弦材4上に配置し、この一対の固着具10によって下弦材4を面外方向のみ門柱1に拘束することにより柱7を面外方向のみ門柱に拘束するものとしている。
ところで、図18に示すように、固着具10には、下弦材7の長手方向に延びる長穴状のルーズホール11が設けられており、該ルーズホール11に耐震用のアンカー26を差し込んで門柱1に打ち込むことにより、トラス架構2の構面外方向の変形を拘束することが出来るが、構面内方向、すなわち下弦部材4の長手方向の変形を前記ルーズホール11により吸収できるものとしてある。
よって、下弦材4と柱7との接続部、すなわち、トラス架構2の隅角部は、直接門柱1には接合されておらず、モルタル15を介して当接されているだけとなっている(図13参照)。
尚、前記フラットにした門柱1の上下に延びる箇所、すなわち取付面12の箇所を上部門柱部8と称する。
上記説明したように隣り合う門柱1間に跨がる様にトラス架構2は取り付けられる。
なお、耐震を図るのは制震ブレース3のダンパー17であり、該ダンパー17の効率を上げるのがトグル制震ブレース3の構成となる。
そして、トグル制震ブレース3の力(反力)を支えるのが柱7とトラス架構2となる。その効果(減衰力)を門柱1に伝えるのが柱7の頂部と脚部での接合部となる。接合部Cは補強架構の座屈止めであり、面外地震力による反力を受ける支点となる。
次に、前記トラス架構2を取り付けた下部方向には、例えばトグル機構を用いた制震ブレース3が配置される。図4を参照して説明すると、制震ブレース3の下方端は柱7の脚部位置であるB点で接続され、他端は上方に設けられたトラス架構2の下弦材4に接続されている。
前記柱7、トラス架構2及び制震ブレース3の設置により、特に、上部門柱部8における頂部、すなわち図4で示すA点での水平変形を抑えることが出来、しかも、その反力は、柱及びトラス架構2及び制震ブレース3によって直接下部門柱部9に伝達させることが出来る。また、制震ブレース3を取り付けたことにより前記反力を比較的小さくすることが出来る。
ところで、門柱1間に掛け渡し取り付けた補強部材、すなわちトラス架構2または、軸力伝達材6の温度変化による伸縮の影響で、温度応力または温度応力と地震動との組合せ応力により、門柱1が損傷する場合が考えられる。
しかし、本発明による制震ブレース3及びトラス架構2などの補強架構を用いることにより、門柱1間に設置する補強架構のうち主に軸剛性を発揮する部材はトラス架構2を構成する上弦材5であり、門柱1との接続は、前述したように上部門柱部8の頂部A点である。
次に、ダム16に間隔をあけて配置されている複数個の門柱1において制震ブレース3及びトラス架構2などの耐震補強装置は、設置コストなどを考慮して、すべての門柱1間に配置しなくとも構わない。
すなわち、ダム16に配置されている複数個の門柱1において制震ブレース3及びトラス架構2などの耐震補強装置を配置しない門柱1間を適切にブロック分けして選択することが出来る。換言すれば、いずれかの門柱1間において制震ブレース3及びトラス架構2などの耐震補強装置の設置を間引きするのである。そして、間引きした門柱1間には、上部門柱の頂部A点で軸力伝達部材6を掛け渡し、この軸力伝達部材6と隣の門柱1間に配置した補強架構(トラス架構2+柱7+制震ブレース3)に接続すればよい。さらに、軸力伝達部材6を掛け渡ししない門柱1間を設けることも考えられる。尚、前記耐震補強装置の間引きの数については現場ダムの各種状況を考慮して判断するものとなる。そして、前記の間引きにより、前記説明した温度応力の影響についてもさらなる軽減が期待できる。
次に、地震時に、図5に示す従来例の制震ブレース3及び周辺架構の耐震補強装置であると、該制震ブレース3及び周辺架構に生じる応力によって周辺架構に鉛直変形が生じる(図5参照)。すると、ダンパーに伝達する変位にロスが生じてしまう。
しかしながら、本発明による柱7、制震ブレース3及びトラス架構2等の補強架構を用いることにより上部に配置したトラス架構2が鉛直変形を抑え、変位ロスの発生を最小限に防ぐことが出来る(図6参照)。
図3に示すように地震動による門柱1の高さの異なるA、B2点間の水平変位差は、一般的に2点間の距離が長い程大きな変位差が得られる。本発明の柱7、制震ブレース3及びトラス架構2を用いることにより、制震ブレース3の大きさに制限がある場合でも、図6に示すように高さの異なる2点間距離を最大限確保できる上部門柱部8の頂部A点と下部門柱部9の頂部B点の、2点の水平変位差をロスなく制震ブレース3に伝達することが出来る。
地震動による構造物に生じる振動の大きさを耐震補強装置で抑える場合、耐震補強装置の効率をよくするためには、耐震補強装置の性能を調整することの他に、耐震補強装置の設置数を調整する必要性が求められる。発明した制震ブレース及び周辺架構を用いることにより、図7に示すように制震ブレースの基数を1基から複数基まで調整することが可能になる。
ところで、ダムの門柱1の様にスパン・高さが大きい構造物に柱7トラス架構2、制震ブレース3を設置する場合、柱7、トラス架構2、制震ブレース3など補強架構の各部材長が長くなるため、面外地震力に抵抗する様部材の断面を確保する必要がある。
本発明による柱7、トラス架構2、制震ブレース3などの補強架構を用いることにより、図4に示すように架構高さ中央部のトラス架構2の下弦材位置C点で、補強架構面内には拘束しないが、門柱1から構面外方向の変形を拘束する固着具10(振れ止め)を前記下弦材4の接合部材として門柱1に取り付けることにより、各部材の面外方向地震動による応力を軽減する効果が発揮でき、柱7、トラス架構2、制震ブレース3などの補強架構の部材断面が過大になることを防ぐことが可能となっている(図18乃至図20参照)。
次に、ダムの上部門柱部8の部分は水圧を直接支持しないことから、耐力(曲げ耐力、せん断耐力、軸耐力)が小さな断面としている場合がある。よって、制震ブレース3のみの装置の設置の場合、制震ブレース3の大きさに制限があり、当該上部門柱部8の中間部に制震ブレース3、すなわち補強架構の支持点を設けると、図8に示すように支持点の反力により上部門柱部8に生じる応力で、上部門柱部8が破壊してしまう場合がある。
しかしながら、本発明による柱7、トラス架構2などの補強架構を用い、制震ブレース3を配置することにより、図4に示すように上部門柱部8の頂部A点と下部門柱部9の頂部B点に支点を設置することが可能となり、たとえ耐力が小さな上部門柱部8であっても、該上部門柱部8が損傷することなく、上部架構の水平変形を抑えることが出来る。
尚、ダムの門柱1の様にスパン・高さが大きい構造物に制震ブレース3などを設置する場合、通常の点検、或いは地震動を受けた後の点検を行うための足場が必要になる。本発明による柱7、トラス架構2などの補強架構を用いることにより、門柱1の上部に設置したトラス架構2から部材を吊り下げることにより点検歩廊22を支える架構を構築することも出来る(図9参照)。すなわち、図6に示すように上部に設置したトラス架構2は地震動による形状の変形が殆ど生じないため、吊り下げる部材が水平形により損傷することを回避することが出来るからである。
尚、図22に示すように、トラス架構2を門柱1の中間位置に設置し、その上部にも制震ブレース3を設置すると共に、トラス架構2の下部に制震ブレース3を設置して本発明の耐震補強装置を構成しても構わない。そして、この耐震補強装置の動きは図23に示す動きとなる。
1 門柱
2 トラス架構
3 制震ブレース
4 下弦材
5 上弦材
6 軸力伝達部材
7 柱
8 上部門柱部
9 下部門柱部
10 固着具
11 ルーズホール
12 取付面
13 連結部材
14 凹部
15 モルタル
16 ダム
17 ダンパー
18 第1腕部
19 第2腕部
20 スタットボルト
21 突出部材
22 点検歩廊
23 ウエブ
24 接続部
25 第1腕下端接続部
26 アンカー

Claims (5)

  1. ダム内に立設された門柱の間に設けられる門柱耐震補強装置であり、
    門柱に接続した柱間に、上弦材と下弦材及び上弦材と下弦材を繋ぐ前記柱上部で形成された枠体内にトラス状に連結した連結部材で構成されたトラス架構を掛け渡して取り付け、該トラス架構の下部と柱の脚部間に制震ブレースを連結して門柱耐震補強装置を構成してなり、
    前記上弦材と柱の頂部及び柱の脚部の門柱への取り付けは、モルタルを介して接続し、下弦材と柱の門柱への接続は、下弦材と前記柱との接続部を跨いで固着具を下弦材上に配置し、該固着具によって下弦材を長手方向へ揺動可能に接合した、
    ことを特徴とする門柱耐震補強装置。
  2. ダム内に立設された門柱の間に設けられる門柱耐震補強装置であり、
    門柱に接続した柱間に、上弦材と下弦材及び上弦材と下弦材を繋ぐ前記柱上部で形成された枠体内にトラス状に連結した連結部材で構成されたトラス架構を掛け渡して取り付け、該トラス架構の下部と柱の脚部間に制震ブレースを連結して門柱耐震補強装置を構成してなり、
    前記上弦材と柱の頂部及び柱の脚部の門柱への取り付けは、モルタルを介して接続し、下弦材と柱の門柱への接続は、下弦材と前記柱との接続部を跨いで固着具を下弦材上に配置し、該固着具によって下弦材を長手方向へ揺動可能に接合し、
    前記制震ブレースは、ダンパーと第1腕部と第2腕部とを有し、ダンパーは前記下弦材と柱との接続部に取り付けられ、他端は第1腕部と第2腕部の他端に接続され、第1腕部の基端は柱の脚部に取り付けられた、
    ことを特徴とする門柱耐震補強装置。
  3. 前記制震ブレースは、門柱間の両側に一対取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の門柱耐震補強装置。
  4. トラス架構と制震ブレースが取り付けられた門柱に隣接する門柱間には、前記トラス架構を構成する上弦材に接続された軸力伝達部材が取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の門柱耐震補強装置。
  5. ダムに設けられた複数の門柱の間には、適宜トラス架構と制震ブレース及び軸力伝達部材を取り付けない門柱間を設けた、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の門柱耐震補強装置。

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