JP2021075344A - 乗客コンベアの速度制御システム及び速度制御方法 - Google Patents

乗客コンベアの速度制御システム及び速度制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、降り口に発生する滞留状況に応じて速度変化を乗客に可及的に意識させることのない速度変化を行なうことで、滞留状況を積極的に緩和、解消させることのできる乗客コンベアの速度制御システム及び速度制御方法を提供する。【解決手段】本発明の乗客コンベアの速度制御システム30は、踏み段11とハンドレール12を循環駆動させるモーター17と、降り口21aに設置され、前記降り口における乗客50の移動を検知する滞留検知センサー40と、前記滞留検知センサーの検知結果に基づいて、前記降り口における乗客の滞留状況を判定する滞留状況判定手段32と、前記滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を発する速度指令生成手段33と、前記速度指令生成手段が受信した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御するインバーター制御手段34と、を具える。【選択図】図7

Description

本発明は、降り口における乗客の滞留状況に応じて運行速度を制御することのできる乗客コンベアの速度制御システム及び速度制御方法に関するものである。
エスカレーターや動く歩道のような乗客コンベアでは、降り口に乗客を検知する滞留検知センサーを具え、当該滞留検知センサーが降り口における乗客の滞留を検知すると、エスカレーターの速度(モーターの回転速度)を減じるものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1のエスカレーターでは、センサーが一定時間継続して降り口に乗客を検知することで滞留と判断してエスカレーターの速度を減じ、さらにその状態が継続した場合には、エスカレーターを停止するようにしている。
特開2013−170041号公報
特許文献1では、滞留の判断は、センサーが一定時間乗客を継続して検知することであり、滞留継続時間が所定の閾値以上となったときにエスカレーターの速度を定格速度の半分まで減じている。滞留継続時間が所定の閾値以上となってから、一度にエスカレーターの速度を半分まで減じる制御であるため、安全性を考慮して速度を減じる前に乗客へのアナウンスを必要とする。また、減速量も大きいから、その速度変化に乗客が不快に感じることがある。
事前にアナウンスが必要となることで、降り口における滞留の発生からエスカレーターの減速開始までにタイムラグが発生し、迅速な滞留解消に対応することができないことがある。また、滞留状況によっては、頻繁にエスカレーターの速度が変更されて、サービス性を大きく損なうことが懸念される。
本発明は、降り口に発生する滞留状況に応じて速度変化を乗客に可及的に意識させることのない速度変化を行なうことで、滞留状況を積極的に緩和、解消させることのできる乗客コンベアの速度制御システム及び速度制御方法を提供することを目的とする。
本発明の乗客コンベアの速度制御システムは、
踏み段とハンドレールを循環駆動させるモーターと、
降り口に設置され、前記降り口における乗客の移動を検知する滞留検知センサーと、
前記滞留検知センサーの検知結果に基づいて、前記降り口における乗客の滞留状況を判定する滞留状況判定手段と、
前記滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を発する速度指令生成手段と、
前記速度指令生成手段が受信した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御するインバーター制御手段と、
を具える。
前記滞留状況判定手段は、前記乗客の滞留状況を連続的に逐次に判断し、
前記速度指令生成手段は、連続的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を連続的に変化させ、
前記インバーター制御手段は、連続的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御することが望ましい。
前記滞留状況判定手段は、前記乗客の滞留状況を段階的に判断し、
前記速度指令生成手段は、段階的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を段階的に変化させ、
前記インバーター制御手段は、段階的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御することもできる。
前記滞留検知センサーは、エリア型センサーであって、前記降り口に存在する乗客の位置を検知し、
前記滞留状況判定手段は、検知された前記乗客の位置の移動速度に基づいて、滞留状況を判定する構成とすることができる。
前記滞留検知センサーは、前記降り口の左右に配置することが望ましい。
また、本発明の乗客コンベアの速度制御方法は、
降り口における乗客の移動を検知する滞留検知ステップ、
前記検知された結果に基づいて前記降り口における乗客の滞留状況を判定する滞留状況判定ステップ、
前記判定された前記乗客の滞留状況に基づいて、踏み段とハンドレールを回転させるモーターの速度指令を生成する速度指令生成ステップ、
前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御するインバーター制御ステップと、
を具える。
前記滞留状況判定ステップは、前記乗客の滞留状況を連続的に逐次判断し、
前記速度指令生成ステップは、連続的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を連続的に変化させ、
前記インバーター制御ステップは、連続的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御することが望ましい。
前記滞留状況判定ステップは、前記乗客の滞留状況を段階的に判断し、
前記速度指令生成ステップは、段階的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を段階的に変化させ、
前記インバーター制御ステップは、段階的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御することもできる。
本発明の乗客コンベアの速度制御システム及び速度制御方法によれば、降り口における乗客の滞留状況に応じて、モーターの回転速度をインバーター制御している。モーターの回転速度は、滞留検知センサーにより検知された乗客の滞留状況に応じて連続的に又は段階的に変化させることができるから、滞留発生から減速開始までのタイムラグを小さくすることができ、迅速に滞留解消を行なうことができる。また、モーターの回転速度を連続的に又は段階的に変化させることにより、エスカレーターの運行速度の変化量は小さくて済み、乗客はエスカレーターの速度変化をほとんど意識することはないから、乗客の不快感を低減でき、さらに、速度変化が小さいから乗客へのアナウンスなども不要とすることができる。
図1は、本発明を適用できるエスカレーターの概略構成図である。 図2は、降り口近傍の斜視図である。 図3は、本発明のエスカレーターの速度制御システムの一実施形態を示すブロック図である。 図4は、降り口近傍の平面模式図である。 図5は、降り口近傍の滞留検知センサーの距離データの一例を示している。 図6は、本発明のエスカレーターの速度制御方法の一実施例を示すフローチャートである。 図7は、(a)は降り口の滞留状況(移動速度V)の変化を示すグラフ、(b)はエスカレーターの運行速度Vcを示すグラフである。
図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、乗客コンベアとしてエスカレーター10を例に挙げるが、乗客コンベアは、所謂動く歩道などであっても構わない。
本発明の一実施形態に係るエスカレーター10は、図1に示すように、昇降口となる上階側階床20と下階側階床21の間で踏み段11をハンドレール12と共に循環させて構成される。エスカレーター10の骨組みを形成するトラス13には、上下にスプロケット14,15を具え、これらスプロケット14,15間に踏み段11を多数連結して循環させるステップチェーン16が掛けられている。一方のスプロケット14は、モーター17に減速機18を介して動力伝達可能に連携されている。また、トラス13には、図示しないレールが上下の階床間に配設されており、踏み段11は、ステップチェーン16に牽引されて図示しないレール上を走行する。
本実施形態では、エスカレーター10は下り運転するものとし、乗り口20aを上階側階床20、降り口21aを下階側階床21として説明するが、上り運転であってもよく、この場合、上階側階床20が降り口になる。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係るエスカレーター10は、降り口21a近傍に滞留検知センサー40を配備している。滞留検知センサー40として、ToF(Time of Flight)センサーの如きエリア型センサーを例示できる。ToFセンサーは、レーザー光の投光部と受光部を回転させながら、投光部から発せられたレーザー光が物体に反射して受光部に戻ってくるまでの時間とその回転角度から物体までの距離と位置を測定するセンサーである。なお、滞留検知センサー40は、ToFセンサーに限定されるものではない。
本実施形態では、図2に示すように、内デッキボード19の端縁を通常よりも長く形成し、突出した内デッキボード19の下面に滞留検知センサー40を配置している。これにより、滞留検知センサー40は、乗客の足元近傍の高さを平面スキャンすることができる。なお、滞留検知センサー40の設置位置は、これに限定されるものではなく、スカートガードやニューエルカバーに設置、或いは、別途ポールを降り口21aに立設して滞留検知センサー40を装着することもできる。望ましくは、滞留検知センサーは、図4に符号40,40’で示すように、降り口21aの左右に配置する。
エスカレーター10は、制御装置31によって制御される。図3は、本発明に係る制御に関連する要部構成のみを示すエスカレーター10の速度制御システム30のブロック図である。速度制御システム30は、滞留検知センサー40,40’の検知結果に基づいて、踏み段11及びハンドレール12を回転させるモーター17の回転速度を制御する制御装置31を具える。制御装置31は、滞留検知センサー40,40’からの検知結果を受けて、降り口21aにおける滞留状況を判定する滞留状況判定手段32と、判定された滞留状況に基づいてインバーター制御手段34にモーター17の速度指令を発する速度指令生成手段33を具える。インバーター制御手段34は、モーター17に供給される電源の電圧や周波数を変えてインバーター制御を行なう。滞留検知センサー40,40’からの検知結果に基づいて、モーター17の回転速度をインバーター制御することで、踏み段11とハンドレール12の速度、すなわち、エスカレーター10の速度Vcは可変制御される。
図4は、降り口21aを上方向から見た模式図である。降り口21aは、左右に配置された滞留検知センサー40,40’によって所定時間、たとえば25msec毎に平面スキャンされており、滞留検知センサー40,40’により検知可能な領域(図中点線で示す)に存在する物体(乗客50)を経時的に検知し続けることで、乗客50の移動や滞留を検知することができる。
図5は、ToFセンサーを滞留検知センサー40,40’として採用し、乗客50の足元近傍の高さを平面スキャンした1スキャン分の2次元座標系の検知結果を示す距離データの一例を示している。図中、水平方向とは、エスカレーター10の幅方向であり、奥行方向は乗客50がエスカレーター10の降り口21aから真っ直ぐ遠ざかる方向、すなわち、乗客50の進行方向を示し、滞留検知センサー40,40’の配置された手前側がエスカレーター10側である。図を参照すると、乗客50の足の輪郭を示す点の集合50a,50b,50cを3対確認することができる。滞留検知センサー40,40’の検知結果は、滞留状況判定手段32に送信される。
滞留状況判定手段32は、滞留検知センサー40,40’から送信された検知結果に基づいて、降り口21aにおける乗客50の滞留状況を判定する。たとえば、図5で示した距離データに対し、滞留状況判定手段32は、検知された物体(乗客50)の時系列的な変化や挙動に基づいて、降り口21aにおける乗客50の進行方向に対する移動速度Vを算出し、乗客50の滞留が発生しているかどうかを判定する。すなわち、滞留状況判定手段32は、乗客50の進行方向に対する移動速度Vが速い場合には滞留はゼロ、又は少ない状況と判定し、乗客50の移動速度Vが遅くなるにつれて滞留が大きくなっていると判定する。なお、滞留が発生する状況下では、降り口21aには、複数の乗客50が存在することになるので、滞留状況判定手段32は、検知された複数の物体(乗客50)の個々の移動速度を算出するのではなく、検知された複数の物体の全体の重心51の位置を算出し、その重心51の位置の進行方向に対する移動速度Vに基づいて滞留状況を判定することが望ましい。
そして、滞留状況判定手段32により判定された降り口21aの滞留状況に基づいて、速度指令生成手段33は、エスカレーター10の速度Vcが最適な運行速度となるように、モーター17の速度指令を生成し、インバーター制御手段34を通じてモーター17の回転速度を制御する。
たとえば、降り口21aにおける乗客50の移動速度Vが、エスカレーター10の定格速度Vr以上である場合には、滞留は発生していないから、速度指令生成手段33は、そのままエスカレーター10を定格速度Vrで運行するよう、速度指令を生成し、インバーター制御手段34に送信して、モーター17を回転駆動させる。一方、乗客50の移動速度Vが、定格速度Vrよりも小さくなった場合には、降り口21aにおける滞留発生が想定されるから、速度指令生成手段33は、当該移動速度Vに応じた運行速度Vcでエスカレーター10を運行するよう、速度指令を生成し、インバーター制御手段34に送信する。これにより、モーター17の回転速度は低下するから、降り口21aに到達する乗客50の数を減少させることができ、結果的に降り口21aにおける乗客50の滞留を防止できる。
なお、乗客50の移動速度Vに合わせてエスカレーター10の運行速度Vcを低下させた結果、降り口21aにおける滞留状況、すなわち、降り口21aにおける乗客50の移動速度Vが改善した場合には、当該移動速度Vに合わせてエスカレーター10の運行速度Vcが速くなるように、速度指令生成手段33は、モーター17の速度指令を生成し、送信すればよい。一方、エスカレーター10の運行速度Vcを低下させても、降り口21aにおける乗客50の移動速度Vが低下する場合には、当該移動速度Vに合わせて、さらにエスカレーター10の運行速度Vcを低下させるように、モーター17の速度指令を生成、送信し、降り口21aに到達する乗客50の数を減少させることで、滞留を解消するようにすればよい。
上記した滞留状況判定手段32は、乗客50の滞留状況、たとえば、移動速度Vを連続的に逐次判断し、当該連続的に判断された乗客50の滞留状況に基づいて、速度指令生成手段33は、連続的に変化する速度指令を生成し、インバーター制御手段34を通じて連続的にモーター17の回転速度を変化させることが望ましい。これにより、モーター17の回転速度は、滞留状況にリアルタイムに追従する変化、すなわち、滞留状況に応じて可変な閾値を持つ制御となり、その連続性からも、エスカレーター10の乗客50に速度変化をほとんど意識することなく、滞留の解消を図ることができる。
もちろん、滞留状況判定手段32は、段階的に滞留状況を判断し、当該段階的に判断された乗客50の滞留状況に基づいて、速度指令生成手段33は、段階的に変化する速度指令を生成し、インバーター制御手段34を通じて段階的にモーター17の回転速度を変化させることもできる。たとえば、エスカレーター10の定格速度Vrを30m/minとしたとき、25、20、15、10、0m/minの5段階の運行速度で制御することもできる。この段階数が多いほど、連続的に逐次変化する速度制御に近づけることができる。
本発明によれば、降り口21aにおける乗客50の滞留状況に応じて、モーター17の回転速度をインバーター制御し、エスカレーター10の運行速度Vcを制御している。モーター17の回転速度は、乗客50の滞留状況に応じて連続的に又は段階的に変化させることができるから、滞留発生から減速開始までのタイムラグを小さくすることができ、迅速に滞留解消を行なうことができる。また、エスカレーター10の運行速度Vcを連続的に又は段階的に変化させることにより、乗客は速度変化をほとんど意識することはなく、不快感を低減でき、さらに、速度変化が小さいからエスカレーター10の速度制御に対し、乗客50へのアナウンスなども不要とすることができる。
以下、本発明の一実施例についてフローチャート図6に沿って説明を行なう。実施例では、図1乃至図5に示したエスカレーター10に対し、幅1.5m、奥行き1mの降り口21aの左右にToFセンサーを滞留検知センサー40,40’として配置し、当該滞留検知センサー40,40’の検知結果に基づいて、モーター17の回転速度をインバーター制御するようにしている。
本実施例では、上記した降り口21aにおける物体(乗客50)の全体の重心51の移動速度Vだけでなく、降り口21aに占める物体の面積Aも参照しながら、モーター17のインバーター制御を行なう。この理由として、検知エリアに物体が存在していない場合、すなわち、物体の面積Aがゼロの場合には、降り口21aに乗客50はいないので滞留は発生していないが、乗客50の移動速度Vも検出されず、移動速度Vもゼロになってしまうからである。また、滞留検知センサー40,40’により検知された物体であっても、滞留に影響を与えない程度の面積を占める物体であれば、当該物体を無視して運用することで、エスカレーター10の無為な速度変更を抑えることができるからである。
表1は、降り口21aで検知される物体(乗客50)の重心51の移動速度V(降り口21aの滞留状況を示す)、物体の占有面積Aと、対応するエスカレーター10の運行速度Vcの関係を示すテーブルである。当該テーブルに基づいて、速度指令生成手段33は、モーター17の速度指令を生成し、インバーター制御手段34によりモーター17を制御する。
Figure 2021075344
然して、フローチャート図6のステップS1に示すように、エスカレーター10を定格速度Vr(=30m/min)に設定し、運行を行なう。具体的には、速度指令生成手段33が、エスカレーター10の運行速度Vcが定格速度Vrとなるようモーター17の速度指令を発し、インバーター制御手段34によってモーター17の回転を制御する。このとき、後述するタイマー値Tmはゼロにリセットする。この状態から、エスカレーター10の降り口21aの滞留状況を測定する(ステップS2〜S5)。
降り口21aの滞留状況は、降り口21aにおける物体(乗客50)の占める面積Aの計測(ステップS2)と、降り口21aにおける物体の重心51の移動速度Vの計測(ステップS4)を含んでいる。滞留検知センサー40,40’は、降り口21aの物体を検知し、滞留状況判定手段32に送信し、滞留状況判定手段32は検知結果に基づいて、降り口21aの混雑状況となる降り口21aにおける物体の占める面積Aを測定する(ステップS2)。なお、実際には、ステップS4に示す同時に物体の重心51の移動速度Vも計測される。
物体の占める面積Aがゼロの場合(ステップS3のNO)、降り口21aに物体(乗客50)は存在せず、滞留は生じ得ないので、表1に示すように、エスカレーター10は定格速度Vrのまま、運行を続け、タイマー値Tmをリセットする(ステップS1)。一方、面積Aがゼロを超える、すなわち、降り口21aに何らかの物体が存在する場合には(ステップS3のYES)、当該物体の重心51の移動速度Vを計測する(ステップS4)。物体の重心51の移動速度Vは、進行方向成分(図5の奥行方向)のみを参照すればよく進行方向と直交する幅方向(図5の水平方向)の成分は、利用者が降り口21aを単に横切った可能性が高いため、移動速度Vには含めないことが望ましい。
計測された移動速度Vがエスカレーター10の定格速度Vr以上(Vr≦V)である場合には(ステップS5のNO)、降り口21aにおける滞留はないから、ステップS1に戻り、エスカレーター10の運行速度Vcを定格速度Vrとする。また、タイマー値Tmをリセットする。
移動速度Vがエスカレーター10の定格速度Vrよりも遅い場合(Vr>V:)、タイマー値Tmがゼロの場合には(ステップS6)、タイマーを始動し、タイマー値Tmをカウントアップする(ステップS7)。なお、すでに先のフローにてタイマー値Tmがカウントされており、Tm>0の場合にはステップS7をスキップしてステップS8に進む。
ステップS8では、タイマー値Tmが所定時間を超えているか否かを判定する。すなわち、ステップS2乃至S6をループし、面積A>0且つ移動速度Vが定格速度Vrよりも遅い状態(Vr>V)が、所定時間以上継続するまで、ループを繰り返す(ステップS8のNO)。なお、その間に、面積A、或いは、移動速度VがステップS3、S6の条件を満たさなくなった場合には(ステップS3のNO、ステップS5のNO)、ステップS1に戻る。
面積A>0且つ移動速度Vが定格速度Vrよりも遅い状態(Vr>V)が、所定時間以上継続すると(ステップS8のYES)、エスカレーター10の運行速度Vcが移動速度Vと一致するよう設定する(ステップS9)。具体的には、速度指令生成手段33は、エスカレーター10の運行速度Vcが移動速度Vとなるようにモーター17の速度指令を発し、インバーター制御手段34がモーター17の回転を制御する。
当該制御(Vc=V)は、面積A>0且つ移動速度Vが定格速度Vrよりも遅い状態(Vr>V)が続く間継続され(次に示すステップS10のYESを除く)、連続的に逐次判断される面積Aと乗客の重心51の移動速度Vに対し、運行速度Vcは移動速度Vに応じて連続的に変化し続ける。これにより、エスカレーター10の運行速度Vcは、物体の移動速度Vと一致することになり、降り口21aにおける滞留が増加することを防止できる。
しかしながら、移動速度Vが極めて遅い速度Vx(たとえばVcの1/3である10m/min)以下となった場合(ステップS10のYES)には、ステップS11に進む。ステップS10にてYESとなるのは、乗客50が降り口21aを塞ぐように倒れているなど、降り口21aに何らかの異常が発生していることにより大きな滞留が生じている可能性がある場合である。このような状況において、エスカレーター10を運行すると、滞留は解消されず、一層ひどくなる可能性がある。従って、本実施形態では、降り口21aに占める物体の面積Aを計測し(ステップS11)、その面積AがAq(たとえば降り口面積の1/2である0.75m)以上となった場合には(ステップS12のYES)、エスカレーター10の運行速度Vcがゼロとなるよう制御、すなわち、エスカレーター10を停止させる(ステップS13)。なお、面積AがAq未満であれば(ステップS12のNO)、たとえば、スピーカー等により降り口21aの乗客50に降り口21aから移動するよう注意喚起のアナウンス等を行なうことで滞留状況は改善される可能性があるから、本実施形態では、乗客50に対して降り口21aから退避する等の注意喚起を行ない(ステップS14)、ステップS2に戻るようにしている。
上記実施例のように、本発明のエスカレーター10の速度制御システム及び制御方法によれば、降り口21aの滞留状況に応じて、連続的にエスカレーター10の運行速度Vcを逐次変化するよう制御でき、降り口21aの滞留を解消することができる。
図7は、本発明の一発明例における、(a)降り口21aの滞留状況(移動速度V)と、(b)エスカレーター10の運行速度Vcの変化を夫々実線で示すグラフである。図を参照すると、降り口21aの滞留状況に応じて、エスカレーター10の運行速度Vcも連続的に逐次変化していることがわかる。
比較のために、降り口21aの移動速度Vが所定の滞留閾値(図7(a)の一点鎖線)以下の状態を所定時間以上続けたときに、運行速度Vcを定格速度Vrの1/2とする運用を行なったエスカレーター10の降り口21aの滞留状況(移動速度V)を比較例として図7(a)に点線、また、その結果制御されるエスカレーター10の運行速度Vcを図7(b)に点線で夫々示す。
まず、図7(a)を参照し、降り口21aの滞留状況(移動速度V)を比較すると、発明例は、比較例に比べて移動速度Vの変化が滑らかであり、移動速度Vが滞留閾値以下となる時間も比較例に比べて短くできたことがわかる。すなわち、発明例により、降り口21aの滞留状況を可及的に改善できている。同様に、エスカレーター10の運行速度Vcの変化も乗客50に感じさせない程度に滑らかにできていることがわかる。一方、比較例は、急激に運行速度Vcが変化するから、乗客の安全のために事前にアナウンス等が必要となるから、滞留の発生から解消に時間が掛かっており、滞留時間が長くなっている。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
10 エスカレーター
17 モーター
21a 降り口
30 速度制御システム
31 制御装置
32 滞留状況判定手段
33 速度指令生成手段
34 インバーター制御手段
40 滞留検知センサー
50 乗客

Claims (8)

  1. 踏み段とハンドレールを循環駆動させるモーターと、
    降り口に設置され、前記降り口における乗客の移動を検知する滞留検知センサーと、
    前記滞留検知センサーの検知結果に基づいて、前記降り口における乗客の滞留状況を判定する滞留状況判定手段と、
    前記滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を発する速度指令生成手段と、
    前記速度指令生成手段が受信した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御するインバーター制御手段と、
    を具える、
    乗客コンベアの速度制御システム。
  2. 前記滞留状況判定手段は、前記乗客の滞留状況を連続的に逐次判断し、
    前記速度指令生成手段は、連続的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を連続的に変化させ、
    前記インバーター制御手段は、連続的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御する、
    請求項1に記載の乗客コンベアの速度制御システム。
  3. 前記滞留状況判定手段は、前記乗客の滞留状況を段階的に判断し、
    前記速度指令生成手段は、段階的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を段階的に変化させ、
    前記インバーター制御手段は、段階的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御する、
    請求項1に記載の乗客コンベアの速度制御システム。
  4. 前記滞留検知センサーは、エリア型センサーであって、前記降り口に存在する乗客の位置を検知し、
    前記滞留状況判定手段は、検知された前記乗客の位置の移動速度に基づいて、滞留状況を判定する、
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載の乗客コンベアの速度制御システム。
  5. 前記滞留検知センサーは、前記降り口の左右に配置される、
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の乗客コンベアの速度制御システム。
  6. 降り口における乗客の移動を検知する滞留検知ステップ、
    前記検知された結果に基づいて前記降り口における乗客の滞留状況を判定する滞留状況判定ステップ、
    前記判定された前記乗客の滞留状況に基づいて、踏み段とハンドレールを回転させるモーターの速度指令を生成する速度指令生成ステップ、
    前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御するインバーター制御ステップと、
    を具える、
    乗客コンベアの速度制御方法。
  7. 前記滞留状況判定ステップは、前記乗客の滞留状況を連続的に逐次判断し、
    前記速度指令生成ステップは、連続的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を連続的に変化させ、
    前記インバーター制御ステップは、連続的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御する、
    請求項6に記載の乗客コンベアの速度制御方法。
  8. 前記滞留状況判定ステップは、前記乗客の滞留状況を段階的に判断し、
    前記速度指令生成ステップは、段階的に判断された前記乗客の滞留状況に基づいて、前記モーターの速度指令を段階的に変化させ、
    前記インバーター制御ステップは、段階的に変化した前記速度指令に基づいて、前記モーターをインバーター制御する、
    請求項6に記載の乗客コンベアの速度制御方法。
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