JP2021075242A - クローラ用芯金及び弾性クローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】クローラ用芯金の引き起こしを抑制することにより、転輪との当たりによる弾性体の損傷を回避することが可能なクローラ用芯金及び弾性クローラを提供する。【解決手段】芯金32の引き起こしに伴って芯金基体33の長手方向への傾きと短手方向への傾きが生じ、このうち芯金基体33の短手方向の傾きにより、その芯金基体33の芯金突起34から突出する短手方向突起部37又はストッパ38と隣接する芯金基体33の芯金突起34から突出するストッパ38又は短手方向突起部37とが互いに当接し、それ以上の上記芯金基体33の傾き挙動が規制される。【選択図】図4

Description

本発明は、クローラ用芯金及び弾性クローラ、特に弾性クローラの無端帯状の弾性体の周方向に所定の間隔で配設されるクローラ用芯金及び弾性クローラに関する。
弾性クローラは、例えばゴム製の無限軌道帯であり、最初に農業機器の足廻り部品として開発されて以来、活発な研究・開発が行われ、現在では様々の用途に普及拡大し、その構成・種類も多岐に亘っている。弾性クローラの主要部は、無端帯状の弾性体からなり、この無端帯状の弾性体の内周部には、弾性体を補強するための芯金がその弾性体の周方向に所定の間隔をあけて配設される。この芯金は、弾性体の幅方向に伸長する芯金基体を有する。この芯金基体は、弾性体の幅方向に伸長する長手方向と、弾性体の周方向に一致する短手方向を有する略板状であり、長手方向の双方に翼部が延出形成される。この芯金基体が弾性体の内部に埋設されることも多い。したがって、芯金基体の長手方向は弾性体の幅方向に一致し、芯金基体の短手方向は弾性体の周方向に一致する。
また、この芯金基体には、弾性体の内周側に突出して、例えば弾性クローラの駆動輪を構成するスプロケットと噛合する芯金突起が設けられることも多い。芯金基体の厚さ方向は、上記長手方向及び短手方向の双方と直交し、弾性体の厚さ方向に一致する。したがって、上記芯金突起は、芯金基体から芯金基体の厚さ方向に向けて突設される。また、弾性クローラを案内するための転輪が上記芯金突起の突出方向先端部に当接しながら転動する場合もある。
例えば、下記特許文献1では、クローラ用芯金の芯金基体から上記短手方向に向けて複数の長手方向規制突起部が突設されている。これら長手方向規制突起部は、隣接する芯金間で長手方向規制突起部同士が弾性体の幅方向に重合する。したがって、例えば、芯金基体が弾性体の幅方向に移動する際、隣接する芯金基体の長手方向規制突起部と互いに当接して、その移動を規制し、もって隣り合う芯金同士の弾性体幅方向への相対変位、いわゆる横ずれを防止するようにしている。なお、上記弾性体の周方向に連続するスチールコードなどの補強コードは、一般に、芯金基体よりも弾性体の外周側の位置で弾性体内に埋設される。
特開2012−224161号公報
ところで、例えば、弾性クローラが石などに乗り上げ、特に弾性体の幅方向一方の外側部分のみが内周側に押し上げられるなど、弾性体の幅方向の一方の外側部分が局所的に内周側に変位する場合には、上記長手方向規制突起部は、その変位を規制することができない。そして、このような場合には、芯金基体よりも弾性体の外周側に配置される補強コードに引っ張られるようにしてクローラ用芯金が回転し、これにより芯金基体が主として長手方向に傾くと共に短手方向にも傾き、結果として芯金突起の突出方向先端部が弾性体の内周側に突出すると共に、その先端部が弾性体の幅方向内側に位置ずれする。このように、芯金突起の突出方向先端部が弾性体の内周側に突出し且つ弾性体の幅方向内側に位置ずれした状態で、その芯金突起に転輪が接近すると、この転輪と芯金突起の突出方向先端部が当たり、芯金突起を覆っている弾性体が損傷するおそれがある。なお、芯金基体が長手方向及び短手方向の双方に傾斜した状態をクローラ用芯金の引き起こしと称する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に、クローラ用芯金の引き起こしを抑制することができ、これにより転輪との当たりによる弾性体の損傷を回避することが可能なクローラ用芯金及び弾性クローラを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のクローラ用芯金は、
長手方向及び短手方向を有し、該長手方向の双方に延出する翼部を備えた板状の芯金基体と、前記芯金基体から該長手方向及び前記短手方向の双方と直交する厚さ方向に突出する芯金突起と、前記芯金突起に形成され、前記短手方向に突出する短手方向突起部と、前記短手方向突起部の突出方向と反対側の短手方向に前記芯金突起から突出するストッパとを備える。
この構成によれば、例えば、弾性体が石などに乗り上げて幅方向の一方の外側部分のみが弾性体の内周側に押し上げられてクローラ用芯金に引き起こしが生じようとすると、この引き起こしに伴って芯金基体の長手方向への傾きと短手方向への傾きが生じ、このうち芯金基体の短手方向の傾きにより、その芯金基体の芯金突起から突出する短手方向突起部又はストッパと隣接する芯金基体の芯金突起から突出するストッパ又は短手方向突起部とが互いに当接し、上記芯金基体の傾き挙動が規制される。したがって、上記短手方向突起部とストッパとの当接以後のクローラ用芯金の引き起こしが抑制され、これにより転輪と芯金突起との当たりが回避され、その当たりによる弾性体の損傷も回避される。
また、本発明の他の構成は、前記短手方向に突出する長手方向規制突起部が前記芯金基体に形成され、前記長手方向規制突起部が別の芯金基体に形成された別の長手方向規制突起部と前記長手方向から見て互いに重合するようにそれらの芯金基体が短手方向に並べて配置される場合に、前記ストッパの突出方向先端部の前記短手方向における位置は、前記翼部の短手方向の先端部の位置より該短手方向の先方側で且つ前記長手方向規制突起部の重合領域よりも短手方向の手前側である。
この構成によれば、芯金基体から突出される長手方向規制突起部により、上記特許文献1と同様に、隣り合う芯金基体同士の長手方向への移動を規制することができると共に、上記短手方向突起部とストッパとの当接によるクローラ用芯金の引き起こし抑制効果を確保しながら、ストッパの先端部が隣り合う芯金基体の長手方向規制突起部の重合領域に掛からないように、隣り合う芯金基体同士間の短手方向の間隔を適切に広げることができる。そして、その結果、弾性クローラの巻き掛け作業が阻害されることがない。
また、更なる本発明の構成は、前記ストッパの前記芯金基体側の端部の前記厚さ方向における位置は、前記長手方向規制突起部における前記芯金突起の突出方向側端部から該長手方向規制突起部の前記厚さ方向の寸法分だけ該厚さ方向に離れた位置よりも前記芯金基体側で且つ該芯金基体よりも前記芯金突起の突出方向側である。
この構成によれば、芯金基体に設けられた長手方向規制突起部と芯金突起から突出するストッパとの間の隙間を隣り合う芯金基体に設けられた長手方向規制突起部が長手方向に通過して抜けてしまうのを防止することができ、これにより長手方向規制突起部による隣り合う芯金基体同士の上記長手方向移動規制効果を確保することができる。
また、更なる本発明の構成は、前記ストッパの前記芯金基体と反対側の端部の前記厚さ方向における位置は、前記芯金突起の突出方向先端部よりも厚さ方向の手前側である。
この構成によれば、芯金突起の突出方向先端部にストッパを突設する場合に比して、ストッパの突出寸度を抑えながら上記短手方向突起部との当接による引き起こし抑制効果を確保できることから、クローラ用芯金の重量増加を抑制することができる。また、クローラ用芯金が弾性体に配設された弾性クローラの巻き掛け時に、ストッパ部分が邪魔にならない。また、転輪が芯金突起上を転動する場合にあって隣り合う芯金基体同士が短手方向に離間するような場合に、隣り合う芯金突起間への転輪の落ち込みを隣り合う芯金基体に設けられたストッパと短手方向突起部とで規制することができる。
また、更なる本発明の構成は、前記ストッパは、突出方向先方に向けて先細りの円錐台断面形状であり且つ突出方向先端部の平面部の周囲が面取りされている。
この構成によれば、ストッパの強度を確保しながら、上記短手方向突起部との当接時に短手方向突起部に過剰な応力が作用することを回避することができる。
また、上記諸問題を解決するための本発明の弾性クローラは、請求項1乃至5の何れか1項に記載のクローラ用芯金の前記芯金基体を無端帯状の弾性体の内周側に埋設して構成される弾性クローラであって、前記弾性体内には、該弾性体の周方向に連続する補強コードが埋設され、該補強コードは、前記芯金基体よりも前記弾性体の外周側に配設される。
この構成によれば、上記クローラ芯金の引き起こしに伴う芯金基体の長手方向への傾き及び短手方向への傾き挙動は、補強コードが弾性体の外周側に埋設されているために生じるものであるから、クローラ芯金の引き起こし時に上記短手方向突起部とストッパとが確実に当接し、それ以後のクローラ用芯金の引き起こしを確実に抑制することができ、これにより転輪と芯金突起との当たりが回避され、その当たりによる弾性体の損傷も回避される。
以上説明したように、本発明によれば、弾性体の局所的な内周側への移動に伴ってクローラ用芯金に引き起こしが生じようとすると、隣接するクローラ用芯金の短手方向突起部とストッパとが互いに当接して双方の変位が規制され、これにより短手方向突起部とストッパとの当接以後のクローラ用芯金の引き起こしが抑制されるので、転輪と芯金突起との当たりが回避され、その当たりによる弾性体の損傷も回避される。
本発明の弾性クローラの一実施の形態を示す機体取付状態の正面図である。 図1の弾性クローラに用いられたクローラ用芯金の斜視図である。 図2のクローラ用芯金の弾性体内の配置を示す正面図である。 図1の弾性クローラに変形が生じて図2に示すクローラ用芯金に引き起こしが生じた状態を示す斜視図である。 図2のクローラ用芯金の他の作用を説明する正面図である。 従来の弾性クローラに変形が生じてクローラ用芯金に引き起こしが生じた状態を示す斜視図である。
以下に、本発明のクローラ用芯金及び弾性クローラの一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態の弾性クローラ10をフレーム(機体)12に取付けた状態の正面図である。この実施の形態の弾性クローラ10は、例えばミニショベルや油圧ショベルなどの建設機械の足廻り部品として用いられるゴム製の無限軌道帯である。この弾性クローラ10は、駆動輪14及び遊動輪16を両端(進行方向前後端)として巻き掛けられている。
駆動輪14は、例えば歯車型のスプロケットであり、図示しない駆動源によって回転駆動される。この駆動輪14は、スプロケット本体部14aを回転軸14bで図示しない駆動源に連結して構成されている。また、遊動輪16は、円板状本体部16aを回転軸16bで回転自在に支持して構成されている。駆動輪14と遊動輪16の間の下部、つまり移動路面側には、複数の、図では3つの転輪18が配置されている。この転輪18は、円板状本体部18aに回転軸18bを貫通する形態で構成されている。なお、弾性クローラ10の主要部である無端帯状の弾性体28の外周面には、弾性体28の略幅方向に伸長するラグ42が周方向に等間隔で突出形成されているのであるが、図1では、その一部分のみを図示し、全体の外形を二点鎖線で示している。なお、ラグの設けられていない弾性クローラもある。
無限軌道帯である弾性クローラ10の主要部は、無端帯状のゴム製の弾性体28によって構成されている。この無端帯状の弾性体28内には、外周面側の位置において、上記特許文献1と同様に、弾性体28の周方向に連続する多数のスチールコード(補強コード)24が互いに平行に埋設されている。図3では、スチールコード24は、一点鎖線で概略的に示す。また、弾性体28の内周面側には、図2に示すような芯金32が、弾性体28の周方向に所定の間隔をあけて配置されている。図2は、図1の弾性クローラ10に用いられた芯金32の斜視図、図3は、弾性体28内における芯金32の配置を示す正面図である。なお、以下の図面では、弾性体28の表示を省略している。この芯金32は、弾性クローラ10の剛性を確保するためのものであり、弾性体28の幅方向に伸長する芯金基体33は、弾性体28の内周面側に埋設される。この芯金基体33は、弾性体28の幅方向に長手で、且つ弾性体28の周方向に短手な板状である。また、板状の芯金基体33の長手方向及び短手方向の双方と直交する厚さ方向は、図1に示す弾性体28の厚さ方向に一致する。
この芯金基体33は、長手方向の双方に延出する翼部36を有する。また、芯金基体33には、長手方向中央部において、例えば図2、図3に示すような2つの芯金突起34が突出形成されている。この芯金突起34は、芯金基体33の長手方向、すなわち弾性体28の幅方向に並び且つ弾性体28の内周側に突出する2個一対の突起からなり、その突出方向先端部から短手方向、すなわち弾性体28の周方向に向けて短手方向突起部37が突出形成され、全体で鉤爪形状とされる。この実施の形態では、2個一対の芯金突起33のそれぞれからは、短手方向の逆向きに短手方向突起部37が突設されている。この短手方向突起部37を含む芯金突起34は、前述した歯車型の駆動輪14の歯と噛合するものであり、同時に図3に二点鎖線で示す転輪18の円板状本体部18aがその突出方向先端部に当接した状態で、それら転輪18が転動する。すなわち、この実施の形態では、転輪18は芯金突起34の突出方向先端部に乗るようにして転動する。なお、この実施の形態では、図3に二点鎖線で示すように、芯金突起34の外表面が弾性体28で薄く被覆されている。芯金突起が弾性体で被覆されない場合もある。
上記弾性クローラ10に用いられる弾性体28は、前述したスチールコード24や芯金基体33を内包するようにして全体にゴム材料で構成され、ラグ42は弾性体28と一体的に形成されている。このようなゴム材料としては、例えば耐候性に優れたエチレン−プロピレン−ジエンゴムを配合したゴム材料が適用可能である。また、ゴム材料の硬度、所謂ゴム硬度を規定する場合には、JIS K6253に定義されるデュロメータ硬さ試験に従い、タイプA試験機を用いて、20℃の室温条件下で測定された硬度を用いることができる。以下の説明では、弾性体28の幅方向をクローラ幅方向、弾性体28の周方向をクローラ周方向、弾性体28の厚さ方向をクローラ厚さ方向として用いる。したがって、クローラ幅方向は芯金基体33の長手方向に、クローラ周方向は同短手方向に、クローラ厚さ方向は同厚さ方向に一致する。また、弾性体28の外周をクローラ外周、弾性体28の内周をクローラ内周としても用いる。
この実施の形態では、芯金基体33の短手方向両端部のそれぞれから同短手方向外側、すなわちクローラ周方向に向けて、例えば略方形断面形状の長手方向規制突起部35が2つずつ突設されている。芯金基体33の短手方向一方の端部から突設される2つの長手方向規制突起部35は長手方向への間隔が小さく、他方の端部から突設される2つの長手方向規制突起部35は長手方向への間隔が大きい。更に、間隔が小さい2つの長手方向規制突起部35の長手方向外側面は突出方向先方に向けて互いに接近するテーパ面とされ、間隔が大きい2つの長手方向規制突起部35の長手方向内側面は突出方向先方に向けて互いに離間するテーパ面とされている。なお、長手方向規制突起部35の全体的な形状は上記に限定されるものではなく、例えばお互いに引っ掛かるように鉤形になっているものや、円柱形状に突出しているもの、厚さ方向から見たときに二股に分岐しているものなどが挙げられる。
これらの長手方向規制突起部35は、例えば図4に示すように、長手方向への間隔が小さい2つの長手方向規制突起部35が、隣接する芯金基体33から突設されている長手方向への間隔が大きい2つの長手方向規制突起部35に挟まれるように配置される。したがって、隣接する芯金基体33から突設される長手方向規制突起部35は、互いに上記テーパ面同士が対向している。これら長手方向規制突起部35は、常時接触しているわけではなく、互いに近傍に存在している。したがって、例えば、弾性クローラ10の石などへの乗り上げによる弾性体28の変形に伴って、隣接する芯金基体33がクローラ幅方向(長手方向)に移動しようとすると、それら芯金基体33から突設されている長手方向規制突起部35のテーパ面同士が当接し、その芯金基体33の長手方向への移動が規制される。これにより、前述のように、芯金基体33、すなわち芯金32そのもののクローラ幅方向への移動、いわゆる横ずれが防止される。したがって、隣り合う芯金基体33に形成された互いに対向する長手方向規制突起部35は、図3に示すように、長手方向(クローラ幅方向)から見て、互いに重合する領域を有する。
更に、この実施の形態では、芯金突起34の上記短手方向突起部37が突設されている側と短手方向の反対側からストッパ38が突出形成されている。このストッパ38の形状そのものは何れも同じであり、図2に明示するように、突出方向に先細りの略円錐台断面を有し、その基端部は隅Rを介して芯金突起34と滑らかに連接され、その先端部の平面部の周囲はR面取りされている。R面取りに代えて、C面取りなどを採用することもできる。また、ストッパ38の形状は、円錐台形状に限定されるものではなく、円柱形状や四角柱形状などであってもよい。このストッパ38は、後述するように、芯金32が引き起こし状態となったときに、隣り合う芯金基体33の芯金突起34に突設された短手方向突起部37と当接して、それ以上の引き起こしを抑制するためのものである。その際、ストッパ38の基端部の外径を大きくすることで強度が確保され、ストッパ38の突出方向先端部の平面部が短手方向突起部37と当接することにより、短手方向突起部37に作用する応力を低減することが可能となる。なお、このストッパ38は、後述するように、周方向に隣り合う芯金32同士が捩れの関係になったときに、隣り合う芯金32の短手方向突起部37と当接する部位に設けられており、上記駆動輪14及び遊動輪16への弾性クローラ10の通常の巻き掛けでは、隣り合う芯金32の短手方向突起37とは当接しない。
このストッパ38の突出方向先端部の位置は、上記翼部36の短手方向の先端部の位置より同短手方向の先方側に設定されている。「先方側」とは、例えば、図2の各方向に示すように、各方向を示す矢印の先方側を意味し、「手前側」は、その矢印の手前側を意味する。また、同じく、このストッパ38の突出方向先端部の位置は、上記隣り合う芯金基体33の長手方向規制突起部35同士の重合領域よりも短手方向の手前側になるように芯金基体33が配置されている。後述するように、芯金32の引き起こしの際、このストッパ38の突出方向先端部は隣り合う芯金32の短手方向突起部37の突出方向先端部と当接しなければならないので、ストッパ38には、両者の当接に必要な突出寸度が求められる。一方、図4からの推察されるように、弾性クローラ10を駆動輪14及び遊動輪16に巻き掛ける際に弾性クローラ10はクローラ内周側に曲げられるので、隣り合う芯金基体34のストッパ38と短手方向突起部37が互いに接近する。このとき、ストッパ38と短手方向突起部37が当接してしまうと弾性クローラ10の巻き掛け作業が困難になるので、ストッパ38の突出方向先端部が隣り合う芯金32の長手方向規制突起部35同士の重合領域に及ばないように芯金基体33を離間して配置することにより、弾性クローラ10の巻き掛け作業時に隣り合う芯金32のストッパ38と短手方向突起部37が当接するのを回避することができ、弾性クローラ10の巻き掛け作業に支障を及ぼさない。
また、ストッパ38の芯金基体33と反対側の端部の厚さ方向における位置は、芯金突起34の突出方向先端部よりも厚さ方向手前側に設定されている。後述するように、芯金32の引き起こし時には、芯金基体33が長手方向に傾くと共に短手方向にも傾くので、芯金突起34の突出方向先端部にストッパ38を突設する場合には、ストッパ38の突出寸度を大きく(長く)して隣り合う芯金32の短手方向突起部37と早期に当接するか、又はストッパ38の厚さ方向の寸法を大きく(厚く)して短手方向突起部37と確実に当接するようにする必要があり、何れにしても芯金32の重量増につながる。これに対し、ストッパ38を芯金突起34の突出方向先端部よりも芯金基体33寄りに配置することで、ストッパ38の突出寸度を抑えながら隣り合う芯金32の短手方向突起部37と確実に当接させることができるので、両者の当接による引き起こし抑制効果を確保でき、しかも芯金32の重量増加を抑制することができる。また、弾性クローラ10の駆動輪14及び遊動輪16への巻き掛け時、ストッパ38が芯金基体33寄りにある分、ストッパ38が邪魔にならない。
また、ストッパ38の芯金基体33側の端部の厚さ方向における位置は、長手方向規制突起部35における芯金突起34の突出方向側の端部からその長手方向規制突起部35の厚さ方向の寸法分だけ厚さ方向に離れた位置よりも芯金基体33側で且つ芯金基体33よりも芯金突起34の突出方向側である。わかりやすく言えば、ストッパ38と長手方向規制突起部35の間の厚さ方向の隙間は、長手方向規制突起部35の厚さ方向の寸法よりも小さい。したがって、隣り合う芯金基体34同士が互いに厚さ方向に少し変位し、その状態で両者が長手方向に移動しても、一方の芯金32のストッパ38と長手方向規制突起部35の間の隙間を他方の芯金32の長手方向規制突起部35が通過することはできない。これにより、隣り合う芯金基体34同士が厚さ方向に変位した場合であっても、長手方向規制突起部35による横ずれ防止機能が確保される。なお、長手方向規制突起部35の厚さ方向の寸法とは、上記長手方向から見たときに、上記ストッパ38と厚さ方向に重なる部分における、一番、厚い部分の寸法を指す。
図4は、例えば、弾性クローラ10が石などに乗り上げ、弾性体28の幅方向一方の外側端部が内周側に押し上げられるように変位した状態をシミュレートした説明図であり、図4の最も右側の芯金32に大きな引き起こしが生じている。この引き起こしが最も大きな最右側の芯金32の左隣の芯金32も、その左隣の芯金32も引き起こしが生じているが、これは主としてスチールコード24に引きずられたものである。前述のように、芯金32に引き起こしが生じると、芯金基体33が長手方向に傾くと同時に短手方向にも傾く。これは、芯金基体33よりも弾性体28の外周面側に配置されたスチールコード24に起因する。周知のように、スチールコード24は、弾性体28が変形しても、伸びないか、又はほとんど伸びない。弾性体28が石などに乗り上げて芯金基体33の長手方向の一方の端部が持ち上げられるように変位すると、その長手方向への傾きに伴い、芯金基体33がスチールコード24に引っ張られるようにして短手方向に傾く。この傾き挙動は、弾性体28のクローラ内周側への最大変位の手前か先方で顕著となり、それらの領域では、図4に示すように、芯金基体33が捩れる。この捩れ挙動のうちの芯金基体33の短手方向への傾きにより、図4の最右側の芯金32とその左側の芯金32に見られるように、隣り合う芯金32のストッパ38と短手方向突起部37が当接し、それ以上の変位(傾き)が規制される。その結果、芯金32の引き起こし時にストッパ38と短手方向突起部37が当接した後は引き起こしが抑制される。
図6は、ストッパ38のない従来の芯金32に対し、図4と同様に引き起こしが生じた状態をシミュレートしたものである。ストッパ38のない従来の芯金32では、上記ストッパ38と短手方向突起部37の当接による引き起こし抑制効果がないので、図6の最右側の芯金32は、芯金突起34がクローラ内周側に大きく変位すると共にクローラ幅方向内側にも変位している。すなわち、図6の最右側の芯金32の芯金突起34は、それよりも図の左側の芯金32の芯金突起34に対して、クローラ幅方向内側にずれながらクローラ内周側に飛び出す。この実施の形態では、前述のように、芯金突起34の突出方向先端部に乗るようにして転輪18が転動するので、上記のようにクローラ幅方向にずれた芯金突起34がクローラ内周側に飛び出すと、その芯金突起34と転輪18が当たり、例えば、弾性体28の芯金突起34を覆っている部分が損傷するおそれがある。これに対し、芯金32の引き起こしを抑制する図4の芯金32では、芯金突起34の転輪18との当たりを回避することができるので、弾性体28の損傷も回避することができる。
この他にも、この実施の形態の芯金32には、隣り合う芯金基体33の芯金突起34間への転輪18の落ち込みを防止できるという効果がある。図5は、例えば、弾性体28が石などに乗り上げてクローラ外周側に曲げられた、いわゆる逆曲げ状態を示している。このように弾性体28に逆曲げが生じると、隣り合う芯金基体33の芯金突起34の突出方向先端部同士が互いに離間してしまう。この実施の形態では、隣り合う芯金基体33の芯金突起34間の空間に向けて短手方向突起部37とストッパ38が対向するように突出しているので、これらによってその芯金突起34間の隙間に転輪18が落ち込むのを防止することができる。
このように、この実施の形態のクローラ用芯金及び弾性クローラでは、弾性体28が石などに乗り上げて幅方向の一方の外側部分のみがクローラ内周側に押し上げられて芯金32に引き起こしが生じようとすると、この引き起こしに伴って芯金基体33の長手方向への傾きと短手方向への傾きが生じ、このうち芯金基体33の短手方向の傾きにより、その芯金基体33の芯金突起34から突出する短手方向突起部37又はストッパ38と隣接する芯金基体33の芯金突起34から突出するストッパ38又は短手方向突起部37とが互いに当接し、上記芯金基体33の傾き挙動が規制される。したがって、上記短手方向突起部37とストッパ38との当接以後の芯金32の引き起こしが抑制され、これにより転輪18と芯金突起34との当たりが回避され、その当たりによる弾性体28の損傷も回避される。
また、ストッパ38の突出方向先端部の短手方向における位置を、翼部36の短手方向の先端部の位置より短手方向先方側で且つ長手方向規制突起部35の重合領域よりも短手方向手前側とした。図4から推察されるように、長手方向規制突起部35は、隣り合う芯金32のストッパ38と厚さ方向に重なるので、長手方向規制突起部35の厚さ方向の移動は隣り合う芯金32のストッパ38に邪魔され、長手方向に抜けない。したがって、芯金基体33から突出される長手方向規制突起部35により、隣り合う芯金32の長手方向への移動を規制することができると共に、上記短手方向突起部37とストッパ38との当接による芯金32の引き起こし抑制効果を確保しながら、ストッパ38の先端部が隣り合う芯金基体33の長手方向規制突起部35の重合領域に掛からないように、隣り合う芯金基体33同士間の短手方向の間隔を適切に広げることができる。そして、その結果、弾性クローラ10の巻き掛け作業が阻害されない。
また、ストッパ38の芯金基体33側の端部の厚さ方向における位置を、長手方向規制突起部35における芯金突起34の突出方向側端部から長手方向規制突起部35の厚さ方向の寸法分だけ厚さ方向に離れた位置よりも芯金基体33側で且つ芯金基体33よりも芯金突起34の突出方向側とした。したがって、芯金基体33に設けられた長手方向規制突起部35と芯金突起34から突出するストッパ38との間の隙間を隣り合う芯金基体33に設けられた長手方向規制突起部35が長手方向に通過して抜けてしまうのを防止することができ、これにより長手方向規制突起部35による隣り合う芯金32の上記長手方向移動規制効果を確保することができる。
また、ストッパ38の芯金基体33と反対側の端部の厚さ方向における位置を、芯金突起34の突出方向先端部よりも厚さ方向の手前側とした。これにより、芯金突起34の突出方向先端部にストッパ38を突設する場合に比して、ストッパ38の突出寸度を抑えながら上記短手方向突起部37との当接による芯金32の引き起こし抑制効果を確保できることから、芯金32の重量増加を抑制することができる。また、弾性クローラ10の巻き掛け時に、ストッパ38部分が邪魔にならない。また、転輪18が芯金突起34上を転動する場合にあって隣り合う芯金基体33同士が短手方向に離間するような場合に、隣り合う芯金突起34間への転輪18の落ち込みを隣り合う芯金32に設けられたストッパ38と短手方向突起部37とで規制することができる。
また、突出方向先方に向けて先細りの円錐台断面形状のストッパ38とし、その突出方向先端部の平面部の周囲を面取りした。これにより、ストッパ38の強度を確保しながら、上記短手方向突起部37との当接時にその短手方向突起部37に過剰な応力が作用することを回避することができる。
また、弾性体28の周方向に連続するスチールコード24が弾性体28内に埋設され、そのスチールコード24を、芯金基体33よりも弾性体28の外周面側に配設した。上記芯金32の引き起こしに伴う芯金基体33の長手方向への傾き及び短手方向への傾き挙動は、スチールコード24が弾性体28の外周面側に埋設されているために生じるものであることから、芯金32の引き起こし時に上記短手方向突起部37とストッパ38とを確実に当接させることができ、それ以後の芯金32の引き起こしを確実に抑制することができ、これにより転輪18と芯金突起34との当たりが回避され、その当たりによる弾性体28の損傷も回避される。
以上、実施の形態に係るクローラ用芯金及び弾性クローラについて説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、ストッパ38を突出方向先方が先細りの円錐台断面形状としている。これは、ストッパ38増設に伴う重量増の抑制や生産性の面で有利であるが、前述のように、例えばストッパ38の形状を円柱状や角柱状とすることも可能である。
10 弾性クローラ
18 転輪
24 スチールコード(補強コード)
28 弾性体
32 芯金
33 芯金基体
34 芯金突起
35 長手方向規制突起部
36 翼部
37 短手方向突起部
38 ストッパ

Claims (6)

  1. 長手方向及び短手方向を有し、該長手方向の双方に延出する翼部を備えた板状の芯金基体と、
    前記芯金基体から該長手方向及び前記短手方向の双方と直交する厚さ方向に突出する芯金突起と、
    前記芯金突起に形成され、前記短手方向に突出する短手方向突起部と、
    前記短手方向突起部の突出方向と反対側の短手方向に前記芯金突起から突出するストッパとを備えるクローラ用芯金。
  2. 前記短手方向に突出する長手方向規制突起部が前記芯金基体に形成され、
    前記長手方向規制突起部が別の芯金基体に形成された別の長手方向規制突起部と前記長手方向から見て互いに重合するようにそれらの芯金基体が短手方向に並べて配置される場合に、
    前記ストッパの突出方向先端部の前記短手方向における位置は、前記翼部の短手方向の先端部の位置より該短手方向の先方側で且つ前記長手方向規制突起部の重合領域よりも短手方向の手前側である請求項1に記載のクローラ用芯金。
  3. 前記ストッパの前記芯金基体側の端部の前記厚さ方向における位置は、前記長手方向規制突起部における前記芯金突起の突出方向側端部から該長手方向規制突起部の前記厚さ方向の寸法分だけ該厚さ方向に離れた位置よりも前記芯金基体側で且つ該芯金基体よりも前記芯金突起の突出方向側である請求項2に記載のクローラ用芯金。
  4. 前記ストッパの前記芯金基体と反対側の端部の前記厚さ方向における位置は、前記芯金突起の突出方向先端部よりも厚さ方向の手前側である請求項1乃至3の何れか1項に記載のクローラ用芯金。
  5. 前記ストッパは、突出方向先方に向けて先細りの円錐台断面形状であり且つ突出方向先端部の平面部の周囲が面取りされている請求項1乃至4の何れか1項に記載のクローラ用芯金。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のクローラ用芯金の前記芯金基体を無端帯状の弾性体の内周側に埋設して構成される弾性クローラであって、前記弾性体内には、該弾性体の周方向に連続する補強コードが埋設され、該補強コードは、前記芯金基体よりも前記弾性体の外周側に配設される弾性クローラ。
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