JP2021074723A - プレス成形方法 - Google Patents

プレス成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021074723A
JP2021074723A JP2019200485A JP2019200485A JP2021074723A JP 2021074723 A JP2021074723 A JP 2021074723A JP 2019200485 A JP2019200485 A JP 2019200485A JP 2019200485 A JP2019200485 A JP 2019200485A JP 2021074723 A JP2021074723 A JP 2021074723A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
press
molding
molded product
longitudinal direction
curvature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019200485A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7103331B2 (ja
Inventor
簑手 徹
Toru Minote
徹 簑手
裕樹 荻原
Hiroki Ogiwara
裕樹 荻原
亮伸 石渡
Akinobu Ishiwatari
亮伸 石渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2019200485A priority Critical patent/JP7103331B2/ja
Publication of JP2021074723A publication Critical patent/JP2021074723A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7103331B2 publication Critical patent/JP7103331B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品に曲げ成形によりプレス成形するプレス成形方法を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形方法は、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品1を曲げ成形によりプレス成形するものであって、ブランク19を、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品21に曲げ成形する第1成形工程と、中間成形品21を、成形下死点における長手方向に沿った湾曲の曲率半径R2が中間成形品21のスプリングバック後における湾曲の曲率半径R1よりも小さいプレス成形品1に曲げ成形する第2成形工程と、を備え、第2成形工程は、長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する段差部9aをプレス成形品1の湾曲内側のフランジ部9の長手方向両端部に形成することを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、プレス成形方法に関し、特に、平面視で長手方向に沿って湾曲する断面ハット形状のプレス成形品のプレス成形方法に関する。
一般に、プレス成形品のプレス成形過程において生じるしわ対策としては、プレス成形過程における材料流入を抑制するために、例えば絞り成形においてはダイとブランクホルダーとでブランクを挟持するクッション圧を増加させて成形する技術や、非特許文献1に開示されているように、材料流入に伴ってブランクの板厚が増加する部位にビードなどの形状を設ける技術が適用されている。
薄鋼板成形技術研究会編、プレス成形難易ハンドブック第4版、「第5章 面形状精度不良と成形難易評価」、pp.244−247、日刊工業新聞社、(2017)
図4(a)に示すような、天板部43と、天板部43から連続する縦壁部45及び縦壁部47と、縦壁部45及び縦壁部47のそれぞれから連続するフランジ部49及びフランジ部51とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品41は、そのプレス成形過程において湾曲の内側にあるフランジ部49の長手方向中央に向かって材料が流入して幅方向先端部にしわが発生しやすいという問題がある。
このようなプレス成形品41のしわ発生を抑制するために、前述のとおり、ダイとブランクホルダーとによりブランクにおけるフランジ部に相当する部位を挟持するクッション圧を増加させてドロー成形することで、湾曲内側のフランジ部49における材料流入を抑制してしわの発生を抑制することができるといった効果がある。しかしながら、その反面、プレス成形品41における湾曲内側のパンチ肩R部44に割れが発生するという課題があった。そのため、ドロー成形ではなく曲げ成形によりしわを抑制しつつプレス成形品をプレス成形することが望まれていた。
また、非特許文献1に開示されているように、プレス成形過程においてしわが発生しやすい部位にしわ取り形状としてのビードを形成する技術は、プレス成形品の製品形状の変更を伴うものであるため、しわ発生の対策として適用することができない場合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、製品形状の変更を要せずに割れを防止しつつしわの発生を抑制して曲げ成形により、平面視で長手方向に沿って湾曲する断面ハット形状のプレス成形品をプレス成形するプレス成形方法を提案することを目的とする。
(1)本発明に係るプレス成形方法は、
天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品を曲げ成形により2工程でプレス成形するものであって、
ブランクを、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品に曲げ成形する第1成形工程と、
該中間成形品を、成形下死点における前記長手方向に沿った湾曲の曲率半径が前記中間成形品のスプリングバック後における前記湾曲の曲率半径よりも小さい前記プレス成形品に曲げ成形する第2成形工程と、を備え、
該第2成形工程は、前記中間成形品の湾曲内側のフランジ部において長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する形状である拘束形状部を前記プレス成形品の湾曲内側のフランジ部の長手方向両端部に形成する、ことを特徴とするものである。
(2)本発明に係るプレス成形方法は、
天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品を曲げ成形により2工程でプレス成形するものであって、
ブランクを、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品に曲げ成形する第1成形工程と、
該中間成形品を、成形下死点における前記長手方向に沿った湾曲の曲率半径が前記中間成形品のスプリングバック後における前記湾曲の曲率半径よりも小さい前記プレス成形品に曲げ成形する第2成形工程と、を備え、
該第2成形工程は、前記中間成形品の湾曲内側のフランジ部において長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する形状である拘束形状部を前記プレス成形品の天板部及び湾曲内側のフランジ部それぞれの長手方向両端部に形成する、ことを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、
前記第2成形工程において形成する拘束形状部は、プレス成形方向に段差状に凹んだ段差部であることを特徴とするものである。
(4)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、
前記第2成形工程において形成する拘束形状部は、前記プレス成形品の湾曲から所定角度の方向に延在する凸状又は凹状のビード部であることを特徴するものである。
本発明によれば、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品を曲げ成形するに際し、ブランクを、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品に曲げ成形する第1成形工程と、該中間成形品を、成形下死点における前記長手方向に沿った湾曲の曲率半径が前記中間成形品のスプリングバック後における前記湾曲の曲率半径よりも小さい前記プレス成形品に曲げ成形する第2成形工程と、を備え、該第2成形工程は、前記中間成形品の湾曲内側のフランジ部において長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する形状である拘束形状部を前記プレス成形品の湾曲内側のフランジ部の長手方向両端部に形成することにより、湾曲内側のフランジ部を湾曲の外側に押し広げようとする力が働くとともに、前記湾曲内側のフランジ部の長手方向中央に向かう材料の流入を拘束しつつ長手方向両端に向かう張力が付与されることで、該湾曲内側のフランジ部における圧縮応力を緩和し、しわの発生を抑制してプレス成形品を曲げ成形によりプレス成形することができる。
本発明の実施の形態に係るプレス成形方法を説明する図である((a)成形対象とするプレス成形品の斜視図、(b)プレス成形品の湾曲内側のフランジ部に発生するしわを抑制することができる理由の説明図、(c)(i)第1成形工程で曲げ成形される中間成形品の平面図、(c)(ii)第2成形工程で曲げ成形されるプレス成形品の平面図)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法において、(a)第1成形工程で用いる第1の金型、(b)第2成形工程で用いる第2の金型、を示す図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法において、第2成形工程で用いる第2の金型のダイの一例として具体的な形状を示す図である。 本発明で成形対象とするプレス成形品のプレス成形過程において発生するしわと、該しわの発生を抑制する手段について説明する図である((a)しわ発生、(b)しわ発生の抑制)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法において、拘束形状部の他の例としてビード部を形成したプレス成形品を示す図である((a)平面図、(b)斜視図)。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法の他の態様を説明する図である((a)プレス成形品の斜視図、(b)プレス成形品とダイ及びパンチのB−B断面図、(c)(i)第1成形工程で曲げ成形された中間成形品の平面図、(c)(ii)第2成形工程で曲げ成形されたプレス成形品の平面図)。 実施例において、比較例に係るプレス成形品の成形下死点における周方向の板厚平均応力分布の結果を示す図である((a)成形に用いた金型、(b)周方向の板厚平均応力分布)。 実施例において、発明例に係るプレス成形品の成形下死点における周方向の板厚平均応力分布の結果を示す図である。
本発明は、図1(a)に一例として示すように、天板部3と、天板部3から連続する縦壁部5及び縦壁部7と、縦壁部5及び縦壁部7のそれぞれから連続するフランジ部9及びフランジ部11とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品1を成形対象とする。プレス成形品1において、縦壁部5及びフランジ部9は湾曲の内側にあり、縦壁部7及びフランジ部11は湾曲の外側にある。
本発明の実施の形態に係るプレス成形方法は、図1(a)に例示するプレス成形品1を、曲げ成形によりプレス成形するものであって、図2(a)に一例として示すダイ15とパンチ17とを備えてなる第1の金型13を用いて、ブランク19を、断面ハット形状であり平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品21(図2(b))に曲げ成形する第1成形工程と、図2(b)に一例として示すダイ35とパンチ37とを備えてなる第2の金型33を用いて、中間成形品21をプレス成形品1に曲げ成形する第2成形工程と、を備えたものである。
以下、上記の各工程について説明する。なお、以下の説明において、中間成形品21及びプレス成形品1の湾曲の曲率半径は、図1(c)に示すように、長手方向に沿って湾曲する天板部3及び天板部23の幅方向中央を通る曲線(図1(c)(i)及び(ii)中の一点鎖線)の曲率半径としている。
<第1成形工程>
第1成形工程は、図2(a)に示すダイ15とパンチ17とを備えてなる第1の金型13を用いて、ブランク19を、図1(c)(i)に示すように、天板部23と、天板部23から連続する縦壁部25及び縦壁部27と、縦壁部25及び縦壁部27のそれぞれから連続するフランジ部29及びフランジ部31とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品21に曲げ成形する工程である。
そして、第1成形工程は、中間成形品21を第1の金型13から離型してスプリングバックした後の長手方向に沿った湾曲の曲率半径R1(図1(c)(i))が、第2成形工程において成形下死点まで曲げ成形したプレス成形品1の長手方向に沿った湾曲の曲率半径R2(図1(c)(ii))よりも大きくなるように、中間成形品21を曲げ成形する。
中間成形品21のスプリングバックした後の湾曲の曲率半径R1は、例えば、プレス成形実験や有限要素法等によるCAE解析(プレス成形解析及びスプリングバック解析)により求めることにより、第1成形工程における成形下死点での湾曲の曲率半径を適宜設定することができる。
<第2成形工程>
第2成形工程は、図1(b)及び図2(b)に示すダイ35とパンチ37とを備えてなる第2の金型33を用いて、第1成形工程で曲げ成形され離型したた中間成形品21を、成形下死点における長手方向に沿った湾曲の曲率半径R2(図1(c)(ii))が、中間成形品21の離型後のスプリングバック後における湾曲の曲率半径R1(図1(c)(ii))よりも小さいプレス成形品1に曲げ成形する工程である。
さらに、第2成形工程は、中間成形品21の湾曲内側のフランジ部29において長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する形状である拘束形状部として段差部9aをプレス成形品1の湾曲内側のフランジ部9の長手方向両端部に形成する。
なお、図1(b)は、図1(a)に示す湾曲内側のフランジ部9の中央ライン(一点鎖線)に沿ったA−A断面形状である。
また、ダイ35及びパンチ37は、図1(b)及び図2(b)に示すように、プレス成形品1の湾曲内側のフランジ部9を成形するフランジ成形部35a及びフランジ成形部37aと、フランジ成形部35a及びフランジ成形部37aそれぞれの長手方向両端部に設けられ、湾曲内側のフランジ部9の長手方向両端部に段差部9aを形成する段差形成部35b及び段差形成部37bと、を有するものである。本実施の形態において、段差形成部35b及び段差形成部37bにより形成される段差部9aは、プレス成形方向に段差状に凹んだものとする。
図3に、ダイ35の具体的な形状の一例を示す。
以下、本発明の実施の形態に係るプレス成形方法により、湾曲内側のフランジ部9におけるしわ発生を抑制してプレス成形品1を曲げ成形によりプレス成形することができる理由について説明する。
図4(a)に示すように、平面視で長手方向に沿って湾曲する断面ハット形状のプレス成形品41を従来の曲げ成形により1工程でプレス成形すると、湾曲の内側にあるフランジ部49の幅方向先端に相当する部位においては長手方向両端から中央に向かって材料が流入するため、フランジ部49の長手方向中央においては圧縮変形が生じてしわが発生する。
これに対し、本実施の形態に係るプレス成形方法においては、前述(図1(c))のとおり、第1成形工程と第2成形工程との2工程でプレス成形品1を曲げ成形するに際し、第1成形工程で曲げ成形する中間成形品21のスプリングバック後における湾曲の曲率半径R1が、第2成形工程で曲げ成形されるプレス成形品1の成形下死点における湾曲の曲率半径R2よりも大きくなるように第1成形工程で中間成形品21を曲げ成形することにより、第2成形工程での曲げ成形中に中間成形品21の曲率半径R1に戻ろうとし、湾曲内側のフランジ部9を湾曲の外側に押し広げようとする力が働く。
さらに、第2成形工程においてプレス成形品1の湾曲内側のフランジ部9を成形する際に、中間成形品21の湾曲内側のフランジ部29において長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する形状である拘束形状部として段差部9aを、ダイ35の段差形成部35bとパンチ37の段差形成部37bとによりフランジ部9の長手方向両端部に形成する(図2(b))。
このように、湾曲内側のフランジ部9の曲げ成形中に湾曲の外側に押し広げる力を働かせるとともに長手方向両端部に段差部9aを形成することにより、湾曲内側のフランジ部9の長手方向中央に向かう材料の流入を拘束しつつ長手方向両端に向かう張力が付与される。その結果、湾曲内側のフランジ部9における圧縮応力が緩和され、しわの発生を抑制してプレス成形品1を曲げ成形によりプレス成形することができる。
特に、第1成形工程で曲げ成形する中間成形品21は、平面視で長手方向に沿って湾曲する断面ハット形状であり、プレス成形品1と近い形状である。そのため、第2成形工程で中間成形品21をプレス成形品1に曲げ成形する過程においては、湾曲内側のフランジ部9に形成される段差部9aにより長手方向中央に向かう材料流入の拘束が効きやすく、しわ発生の防止効果が高くなる。
なお、第1成形工程で曲げ成形された中間成形品21がスプリングバックした後の湾曲の曲率半径R1と、第2成形工程で曲げ成形されたプレス成形品1の成形下死点における湾曲の曲率半径R2との差が大きいほど、第2成形工程において湾曲内側のフランジ部9を湾曲の外側に押し広げる力がより働き、圧縮応力を緩和する効果が大きくなる。
もっとも、スプリングバックした後の中間成形品21の湾曲の曲率半径R1が大きすぎると、第2成形工程において中間成形品21が第2の金型33に嵌らなくなり、曲げ成形することが困難となる場合がある。
そのため、第1成形工程での中間成形品21の成形下死点における湾曲の曲率半径を、第2成形工程でのプレス成形品1の成形下死点における湾曲の曲率半径R2よりも同程度又は小さくし、中間成形品21のスプリングバックした後の湾曲の曲率半径R1がプレス成形品1の成形下死点における湾曲の曲率半径R2よりも大きくなる程度となるようにすることが望ましい。
また、第2成形工程で段差部9aを形成する位置は、図1(a)に示すように、製品形状のプレス成形品1aの長手方向両端から外側とすればよい。そして、段差部9aが形成されたプレス成形品1に対し、段差部9aを含む長手方向端部側の部位1bを図1(a)に示す点線に沿って切除し、残りの長手方向中央側を採取することにより、湾曲内側のフランジ部9におけるしわが抑制された製品形状のプレス成形品1aを容易に得ることができる。
さらに、段差部9aのプレス成形方向における段差深さ等の具体的な形状に関しては、第2成形工程において、中間成形品21における湾曲内側のフランジ部29の長手方向両端部における材料の流入を拘束するとともに該長手方向の両端に向かう張力を付与し、第2成形工程においてフランジ部9のしわの発生を効果的に抑制することが可能となるように、適宜設定すればよい。
なお、上記の説明は、プレス成形品1における湾曲内側のフランジ部9の長手方向両端側に形成する拘束形状部として、図1(b)に示すような段差部9aを形成する場合についてのものであった。
もっとも、本発明に係るプレス成形方法は、拘束形状部の具体的な形状を段差部9aに限定するものではなく、中間成形品21における湾曲内側のフランジ部29において、長手方向の両端側から中央に向かう材料の流入を拘束するともに長手方向の両端に向かう張力を付与することができる形状であればよい。
例えば、本発明は、図5に示すような、天板部63と、天板部63から連続する縦壁部65及び縦壁部67と、縦壁部65及び縦壁部67のそれぞれから連続するフランジ部69及びフランジ部71とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品61のように、湾曲内側のフランジ部69の長手方向の両端側に、該湾曲に直交する方向に延在するビード部69aをダイ及びパンチ(図示なし)により形成するものであってもよい。また、図5に示すビード部69aは、前記湾曲の接線方向でなければ、所定角度(湾曲の接線方向となす角度)を有してもよく、所定角度は45°〜90°がよりよい。さらに、プレス成形方向に凹状に形成されたものであるが、拘束形状部として、プレス成形方向に凸状に形成した形成するものであってもよい。
上記の本実施の形態に係るプレス成形方法は、拘束形状部として段差部9aを湾曲内側のフランジ部9の長手方向両端部のみに形成するものであったが、本実施の形態に係るプレス成形方法の他の態様としては、前述と同様にブランク19を中間成形品21に曲げ成形する第1成形工程と(図2(a))、図6に示すように、ダイ95とパンチ97とを備えてなる第2の金型93を用いて、成形下死点における長手方向に沿った湾曲の曲率半径R2(図6(c)(ii))が中間成形品21のスプリングバック後における湾曲の曲率半径R1(図6(c)(i))よりも小さいプレス成形品81に曲げ成形する第2成形工程と、で曲げ成形するものであってもよい。
図6は、第2成形工程において、湾曲内側のフランジ部89の長手方向両端部に拘束形状部として段差部89aを形成するとともに天板部83の長手方向両端部に拘束形状部として段差部83aを、ダイ95及びパンチ97により形成する場合を例示したものである。そして、図6(b)は図6(a)の天板部83の中央ライン(一点鎖線)に沿った断面形状であり、ダイ95の天板成形部95aとパンチ97の天板成形部97aにより、天板部83の長手方向中央側が成形され、ダイ95の段差形成部95bとパンチ97の段差形成部97bにより、天板部83の長手方向両端部に段差部83aが形成されることを示している。
このように、本実施の形態の他の態様においても、スプリングバックした後の中間成形品21の湾曲の曲率半径R1を、プレス成形品81の成形下死点における湾曲の曲率半径R2よりも大きくすることにより、第2成形工程での曲げ成形中に中間成形品21の曲率半径R1に戻ろうとし、湾曲内側のフランジ部89を湾曲の外側に押し広げようとする力が働く。
さらに、第2成形工程において段差部89a及び段差部83aを形成することで、中間成形品21の湾曲内側のフランジ部29の長手方向端部から中央に向かう材料の流入が拘束されるとともに成形下死点の直前で長手方向両端に向かう張力が付与され、圧縮応力が緩和される。
その結果、湾曲の内側にあるフランジ部89におけるしわの発生を抑制してプレス成形品81をプレス成形することができる。
中間成形品21をプレス成形品81に曲げ成形する場合であっても、前述した本実施の形態と同様、第1成形工程での中間成形品21の成形下死点における湾曲の曲率半径を、第2成形工程でのプレス成形品81の成形下死点における湾曲の曲率半径よりも同程度又は小さくし、中間成形品21のスプリングバックした後の湾曲の曲率半径R1がプレス成形品1の成形下死点における湾曲の曲率半径R2よりも大きくなる程度となるようにすることが望ましい。
また、第2成形工程で段差部89a及び段差部83aを形成する位置は、図6(a)に示すように、製品形状のプレス成形品8aの長手方向両端から外側とすればよい。そして、図6(a)に示す点線に沿ってプレス成形品81の長手方向両端部側の部位81bを切除し、残りの長手方向中央側を採取することで、湾曲の内側となるフランジ部89のしわが抑制された製品形状のプレス成形品81aを容易に得ることができる。
なお、天板部83及びフランジ部89の長手方向両端側に形成する拘束形状部は、前述の本実施の形態に係るプレス成形方法と同様、プレス成形品の湾曲に直交する方向に延在してプレス成形方向に凸状又は凹状のビード部であってもよい。また、このビード部は前記プレス成形品の湾曲の接線方向でなければ所定角度(湾曲の接線方向となす角度)を有してもよく、所定角度は45°〜90°がよりよい。
本発明に係るプレス成形方法は、ブランクとして材料強度440MPa級〜1470MPa級の鋼板を用いて、平面視で長手方向に沿って湾曲する断面ハット形状のプレス成形品を曲げ成形によりプレス成形する場合に好ましく適用することができる。
さらに、上記の説明において成形対象としたプレス成形品は、長手方向の全長にわたって平面視で湾曲する断面ハット形状のものであるが、本発明は、平面視で長手方向に沿って湾曲する部位と、該湾曲する部位の長手方向の両端又は一端から直線状に延出する部位と、を有する断面ハット形状のプレス成形品を成形対象とするものであってもよい。
このような直線状に延出する部位を有するプレス成形品を本発明に係るプレス成形方法により曲げ成形する場合であっても、第1成形工程において中間成形品を曲げ成形し、続く第2成形工程において、直線状に延出する部位におけるフランジ部及び/又は天板部であって製品形状よりも外側の部位に拘束形状部を形成すればよい。
本発明に係るプレス成形方法の作用効果について確認するためにCAE解析を行った。その結果について以下に説明する。
実施例では、図1(a)に示す平面視で長手方向に沿って湾曲する断面ハット形状のプレス成形品1を成形対象とし、プレス成形品1をプレス成形する過程のCAE解析を行った。当該CAE解析において、プレス成形に供するブランクは、板厚1.0mm、引張強度980MPa級の鋼板とした。
プレス成形品1の目標形状の寸法は、成形下死点において、天板部3の幅方向中央に沿った湾曲の曲率半径R2を270mm、天板部3の幅を30mm、成形高さ(プレス成形方向における縦壁部5及び縦壁部7の高さ)を40mm、フランジ部9及びフランジ部11のフランジ幅を40mmとした。
実施例では、本発明に係るプレス成形方法によりプレス成形品1をプレス成形したものを発明例とした。
発明例においては、まず、第1成形工程として、図2(a)に示すようにブランク19をダイ15及びパンチ17を備えてなる第1の金型13を用いて、中間成形品21を曲げ成形した。
続いて、第2成形工程として、図2(b)に示すようにダイ35及びパンチ37を備えてなる第2の金型33を用いて、中間成形品21をプレス成形品1に曲げ成形し、湾曲内側のフランジ部9の長手方向両端部に、プレス成形方向に凹状に凹んだ段差部9aを形成した。
発明例では、第1成形工程においてダイ15とパンチ17により曲げ成形される中間成形品21の成形下死点における湾曲の曲率半径を265mmとした。このとき、第1成形工程後のスプリングバックにより中間成形品21の湾曲の曲率半径R1は約290mmとなった。
そして、続く第2成形工程において中間成形品21を曲げ成形したプレス成形品1の成形下死点における湾曲の曲率半径R2を270mmとした。さらに、湾曲内側のフランジ部9の長手方向両端部に形成する段差部9aのプレス成形方向の段差深さを20mmとし、この段差部9aにより、中間成形品21の湾曲内側のフランジ部29の両端部は約20mmプレス成形方向に折り曲げられた。
発明例に係るCAE解析において、第1成形工程として、ブランク19を中間成形品21に曲げ成形する過程のプレス成形解析を行った。そして、中間成形品21のスプリングバック解析を行い、スプリングバック後の中間成形品21を求めた。
次に、第2成形工程として、スプリングバック解析により求めたスプリングバック後の中間成形品21をプレス成形品1に曲げ成形する過程のプレス成形解析を行った。
さらに、実施例では、比較対象として、図7(a)に示すように、従来のプレス成形方法として、ダイ55及びパンチ57を備えた金型53を用いて、ブランク59を、成形下死点における湾曲の曲率半径がR2であるプレス成形品41(図4参照)に1工程で曲げ成形する過程のCAE解析を行ったものを従来例とした。
成形下死点における周方向の板厚平均応力分布について、従来例に係るプレス成形品41の場合を図7(b)に、発明例に係るプレス成形品1の場合を図8に示す。ここで、図7(b)及び図8に示す応力は、正の値は引張応力を、負の値は圧縮応力を示す。
図7(b)及び図8より、従来例に係る湾曲内側のフランジ部49に比べると、発明例に係る湾曲内側のフランジ部9において圧縮応力が緩和されていることがわかる。
以上、本発明に係るプレス成形方法によれば、平面視で長手方向に沿って湾曲する断面ハット形状のプレス成形品を曲げ成形によりプレス成形するに際し、湾曲の内側にあるフランジ部における圧縮応力を緩和し、しわの発生を抑制できることが示唆された。
1 プレス成形品
1a プレス成形品(製品形状)
1b 部位(長手方向端部)
3 天板部
5 縦壁部
7 縦壁部
9 フランジ部(湾曲内側)
9a 段差部
11 フランジ部
13 第1の金型
15 ダイ
17 パンチ
19 ブランク
21 中間成形品
23 天板部
25 縦壁部
27 縦壁部
29 フランジ部(湾曲内側)
31 フランジ部
33 第2の金型
35 ダイ
35a フランジ成形部
35b 段差形成部
37 パンチ
37a フランジ成形部
37b 段差形成部
41 プレス成形品
43 天板部
44 パンチ肩R部
45 縦壁部
47 縦壁部
49 フランジ部(湾曲内側)
51 フランジ部
53 金型
55 ダイ
57 パンチ
59 ブランク
61 プレス成形品
63 天板部
65 縦壁部
67 縦壁部
69 フランジ部(湾曲内側)
69a ビード部(拘束形状部)
71 フランジ部
81 プレス成形品
81a プレス成形品(製品形状)
81b 部位(長手方向端部)
83 天板部
83a 段差部(拘束形状部)
85 縦壁部
87 縦壁部
89 フランジ部(湾曲内側)
91 フランジ部
93 第2の金型
95 ダイ
95a 天板成形部(長手方向中央部)
95b 段差形成部
97 パンチ
97a 天板成形部(長手方向中央部)
97b 段差形成部

Claims (4)

  1. 天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品を曲げ成形により2工程でプレス成形するプレス成形方法であって、
    ブランクを、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品に曲げ成形する第1成形工程と、
    該中間成形品を、成形下死点における前記長手方向に沿った湾曲の曲率半径が前記中間成形品のスプリングバック後における前記湾曲の曲率半径よりも小さい前記プレス成形品に曲げ成形する第2成形工程と、を備え、
    該第2成形工程は、前記中間成形品の湾曲内側のフランジ部において長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する形状である拘束形状部を前記プレス成形品の湾曲内側のフランジ部の長手方向両端部に形成する、ことを特徴とするプレス成形方法。
  2. 天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有してなる断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品を曲げ成形により2工程でプレス成形するプレス成形方法であって、
    ブランクを、断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲する中間成形品に曲げ成形する第1成形工程と、
    該中間成形品を、成形下死点における前記長手方向に沿った湾曲の曲率半径が前記中間成形品のスプリングバック後における前記湾曲の曲率半径よりも小さい前記プレス成形品に曲げ成形する第2成形工程と、を備え、
    該第2成形工程は、前記中間成形品の湾曲内側のフランジ部において長手方向両端部から中央への材料の流入を拘束する形状である拘束形状部を前記プレス成形品の天板部及び湾曲内側のフランジ部それぞれの長手方向両端部に形成する、ことを特徴とするプレス成形方法。
  3. 前記第2成形工程において形成する拘束形状部は、プレス成形方向に段差状に凹んだ段差部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形方法。
  4. 前記第2成形工程において形成する拘束形状部は、前記プレス成形品の湾曲から所定角度の方向に延在する凸状又は凹状のビード部であることを特徴する請求項1又は2に記載のプレス成形方法。
JP2019200485A 2019-11-05 2019-11-05 プレス成形方法 Active JP7103331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019200485A JP7103331B2 (ja) 2019-11-05 2019-11-05 プレス成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019200485A JP7103331B2 (ja) 2019-11-05 2019-11-05 プレス成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021074723A true JP2021074723A (ja) 2021-05-20
JP7103331B2 JP7103331B2 (ja) 2022-07-20

Family

ID=75897215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019200485A Active JP7103331B2 (ja) 2019-11-05 2019-11-05 プレス成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7103331B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7156343B2 (ja) * 2020-07-29 2022-10-19 Jfeスチール株式会社 プレス成形方法及びプレス成形金型

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0576951A (ja) * 1991-09-18 1993-03-30 Toyota Motor Corp プレス成形方法
JP2006116554A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Nippon Steel Corp 形状凍結性に優れたプレス金型
JP2011235356A (ja) * 2010-04-13 2011-11-24 Nippon Steel Corp プレス成形金型及びプレス成形方法
JP2013035068A (ja) * 2010-05-19 2013-02-21 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp L字状形状を有する部品のプレス成形方法
JP2017159305A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 新日鐵住金株式会社 湾曲部を有する部品を成形するプレス金型およびプレス成形方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5076951B2 (ja) 2008-02-14 2012-11-21 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気還流装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0576951A (ja) * 1991-09-18 1993-03-30 Toyota Motor Corp プレス成形方法
JP2006116554A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Nippon Steel Corp 形状凍結性に優れたプレス金型
JP2011235356A (ja) * 2010-04-13 2011-11-24 Nippon Steel Corp プレス成形金型及びプレス成形方法
JP2013035068A (ja) * 2010-05-19 2013-02-21 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp L字状形状を有する部品のプレス成形方法
JP2017159305A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 新日鐵住金株式会社 湾曲部を有する部品を成形するプレス金型およびプレス成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7103331B2 (ja) 2022-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101979528B1 (ko) 프레스 성형 방법 및 그 프레스 성형 방법을 사용한 부품의 제조 방법
JP4693475B2 (ja) プレス成形方法およびそれに用いる金型
KR101663433B1 (ko) 프레스 성형 금형 및 프레스 성형품의 제조 방법
KR102445975B1 (ko) 프레스 성형 방법
CN109562427B (zh) 冲压成型品的制造方法
KR101962557B1 (ko) 프레스 성형 방법 및 프레스 성형 금형
JP6512191B2 (ja) 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法
KR101854194B1 (ko) 프레스 성형 방법 및 프레스 성형품의 제조 방법
JP2008119736A (ja) プレス成形金型装置およびプレス成形方法
RU2692353C1 (ru) Способ производства штампованных изделий и производственная линия для них
JP2016030290A (ja) プレス成形方法
JP6662113B2 (ja) 湾曲部を有する部品を成形するプレス金型
JP6015784B2 (ja) 伸びフランジ成形部品の製造方法
CN108698105B (zh) 冲压成型品的制造方法
WO2016147703A1 (ja) プレス成形(press forming)方法及びプレス成形金型(tool of press forming)
JP7103331B2 (ja) プレス成形方法
KR102003631B1 (ko) 프레스 성형 방법 및 프레스 성형 금형
JP5855969B2 (ja) 金属板の曲げ加工方法
JP6202059B2 (ja) プレス成形方法
JP6708182B2 (ja) プレス成形品の製造方法
JP7037125B2 (ja) プレス成形方法
JP7103330B2 (ja) プレス成形方法
JP6330747B2 (ja) プレス成形金型及びプレス成形方法
JP2010005651A (ja) 金属製断面ハット型形状部材のプレス成形用金型およびプレス成形方法
KR20170081215A (ko) 프레스 성형 방법 및 그 방법을 사용한 부품의 제조 방법 그리고 프레스 성형 장치 및 그 장치를 사용하여 프레스 성형된 성형 부품

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210623

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220530

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7103331

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150