JP2021071485A - 溶接シーム検査チェーン - Google Patents

Abstract

【課題】２つのプラスチック管の溶接シームを超音波を用いて検査する超音波センサを取り付ける調整可能な溶接シーム検査チェーンを提供する。【解決手段】溶接シーム検査チェーン１は、互いにフック係合して溶接シーム検査チェーン１を形成する。チェーンを個別に延長可能または短縮可能な複数の標準チェーン部材と、超音波センサを取り付けるセンサ取付け部４と、溶接シーム検査チェーン１の長さを微調節する調節ユニット５とを有しており、標準チェーン部材２は、一方の側にフックを有し反対の側にフック受容部７を有しており、これにより個々のチェーン部材が互いにフック係合可能になっている。【選択図】図１

Description

本発明は、端面側で互いに溶接された２つのプラスチック管の溶接シームを超音波を用いて検査する溶接シーム検査チェーンであって、互いにフック係合して溶接シーム検査チェーンを形成する、チェーンを個別に延長可能または短縮可能な複数の標準チェーン部材と、超音波センサを取り付けるセンサホルダと、溶接シーム検査チェーンの長さを微調節する調節ユニットとを有する、溶接シーム検査チェーンに関する。チェーンを用いて超音波センサに導管の周りを回らせ、管自体を回転させることなくかつ管を破壊することなく、全周の溶接シームを超音波によって検査する。

超音波による検査対象の非破壊検査は従来技術であり、例えば航空機製造等の多くの分野において使用される。この方法は、主に金属材料に適用される。なぜなら、金属材料は良好な音波伝導性を有しているからである。超音波検査は、検査対象を破壊すること無しには認識し得ないであろう内外の欠陥の発見に用いられることが望ましい。

米国特許第５８２４９０８号明細書には、超音波に基づき材料内の欠陥を認識することができるような検査方法が開示されている。しかしながら、開示されたこの方法には、板にのみ適用可能であり、かつ材料の構造変化がなくある程度の均質性を有する材料にのみ適用可能であるという欠点がある。

中国特許出願公開第１１００３１５４９号明細書には、互いに溶接された管の溶接シームを検査する装置が開示されている。この実施形態における欠点は、互いにねじ締結される複数の個別部品を有しており、これにより、管に対するチェーンの取付けに手間がかかると共に、複数のローラに基づきチェーンが汚れやすくなっており、保守整備に極めて手間がかかるという点にある。

本発明の課題は、溶接されたプラスチック導管において溶接シームを検査する超音波検査装置または超音波検査装置の送信器および受信器の簡単な取付けを可能にすると共に、小さな手間で異なる管直径に適合させることができ、かつ保守整備が簡単な溶接シーム検査チェーンを提案することにある。

この課題は、本発明に基づき、標準チェーン部材が、一方の側にフックを有し反対の側にフック受容部を有しており、これにより個々のチェーン部材が互いにフック係合可能になっていることにより、解決される。

端面側で互いに溶接された２つのプラスチック管の溶接シームを、超音波を用いて検査する、本発明による溶接シーム検査チェーンは、複数の標準チェーン部材を有している。これらの標準チェーン部材は互いにフック係合して、溶接シーム検査チェーンを形成している。溶接シーム検査チェーンにおいて標準チェーン部材を追加または除去することにより、チェーンは個別に延長可能または短縮可能であり、これにより、異なる複数の管直径に使用可能である。溶接シーム検査チェーンは、超音波センサまたは超音波センサの送信器および受信器を取り付けるセンサ取付け部を有している。溶接シーム検査チェーンの長さを微調節するために、本発明による溶接シーム検査チェーンは、調節ユニットを有している。互いにフック係合する標準チェーン部材は、一方の側にフックを有し反対の側にフック受容部を有している。フックとフック受容部とを用いた結合に基づき、標準チェーン部材を互いに結合することまたは互いから外すことが簡単であり、これはチェーン長さの迅速な適合を可能にする。

標準チェーン部材が３Ｄプリント部品として、好適にはポリマから製造されていると有利であることが判った。もちろん別の製造法も考えられ、この場合、標準チェーン部材は好適にはプラスチックから成る。

好適には、標準チェーン部材はフック受容部の側に支持面を有しており、支持面は、溶接された管の外周面に直接に支持されるように、アール部として形成されている。これにより、標準チェーン部材と管外周面との間には線状の支持面のみが生じることになるため、チェーンは管の寸法に関係無く簡単に回され、外径に良好に当接するようになっている。

標準チェーン部材が一体に形成されており、かつ溶接された管の外周面に直接に当接していると有利であることが判った。一体に形成された標準チェーン部材およびアール部として形成された支持面に基づき、別個のローラを省くことができる。好適には、標準チェーン部材はフック受容部の側に、好適には２つの支柱を備えたフォーク状の構成を有している。

好適には、標準チェーン部材の支持面は、標準チェーン部材に固定的にかつ統合されて配置されている。支持面が、フック受容部のフォーク状の側部に設けられた２つの支柱に配置されていると有利である。

本発明による溶接シーム検査チェーンの調節ユニットが、互いに対して摺動可能な２つの調節部材を有していると好適な実施形態であることが判った。好適には、調節部材は互いに内外で係合し合っており、ねじによって無段階に調節可能かつ係止可能である。

センサ取付け部がチェーン部材として形成されていると有利であることが判った。これにより、大きな手間をかけずにセンサ取付け部を、標準チェーン部材、調節ユニット、角度センサ用のホルダまたはチェーン部材の接続手段に相当する部材に配置することができる。

超音波センサを取り付けるための前進楔がセンサ取付け部に配置されており、前進楔がセンサホルダにおいて変位可能に配置されていると好適な実施形態であることが判った。好適には、センサ取付け部に２つの前進楔が配置されており、一方の前進楔は超音波センサの送信器を収容しており、他方の前進楔は受信器を収容している。

好適には、センサ取付け部に緊締システムが配置されており、この場合、緊締システムは、管の外周面に当接する前進楔に一定の押当て力を加える。緊締システムが、前進楔を管の周面に押し当てるばね弾性的な部材から形成され、ばね弾性的な部材は、好適にはセンサ取付け部における前進楔の位置決めにも用いられ、前進楔は、好適には変位可能に配置され得ると有利であることが判った。

前進楔が、外側ハウジングと内側部材とを有していると有利である。好適には、外側ハウジングと内側部材とは、異なる材料を有している。超音波検査において有利な材料はＰＴＦＥであることが判っているため、内側部材は、好適にはＰＴＦＥから製造されている。

好適には、本発明による溶接シーム検査チェーンは、角度センサを取り付けるためのホルダを有しており、ホルダはチェーン部材として形成されている。このこともやはり、溶接シーム検査チェーンもしくは標準チェーン部材またはチェーンに適合可能であるように相応に形成された別の部材への簡単な組込みを可能にする。

本発明の１つの実施例を図面に基づき説明する。本発明は、この実施例だけに限定されるものではない。

管に設けられた本発明による溶接シーム検査チェーンの一部を示す立体図である。 本発明による溶接シーム検査チェーンのセンサ取付け部の領域を示す平面図である。 互いにフック係合し合う２つの標準チェーン部材を示す立体図である。 本発明による溶接シーム検査チェーンの一部を示す立体図である。 下から見た、本発明による溶接シーム検査チェーンの一部を示す立体図である。 下から見たセンサ取付け部を示す立体図である。 センサ取付け部を示す立体図である。

図１に示す、突合せ溶接されたプラスチック管における溶接シームを検査する、本発明による溶接シーム検査チェーン１は、複数の標準チェーン部材２を有しており、これらの標準チェーン部材２は、フック係合のみによって互いに結合されている。各標準チェーン部材の係合および係合解除により、チェーンを任意に延長または短縮することができる。このために標準チェーン部材２は、一方の側にフック６を有し、他方の側にフック受容部７を有している。本発明による溶接シーム検査チェーン１は、同様に、超音波センサまたは超音波センサの送信器もしくは受信器の取付けに用いられる、センサ取付け部４も有している。溶接シーム検査チェーン１の長さを正確に調節するために、チェーン１は調節ユニット５を有している。

標準チェーン部材２は、フック受容部７の側に支持面９を有しており、支持面９は、標準チェーン部材２に統合されて配置されたアール部８によって形成される。管の外周面に直接に当接するアール部８に基づき、線状の支持面９のみが生じ、これにより、本発明によるチェーンは外周面に良好に当接することになり、簡単に周面の周りを回ることができるようになっている。支持面９は、一体の標準チェーン部材２に統合されて、ひいては固定されて配置されている。標準チェーン部材２に設けられたアール部８は、好適にはフック６を係合させるピン（図示せず）を設けるために、フック受容部７の側に突出する突出部を形成している。突出している突出部は、標準チェーン部材２を管２０の外周面から離間させるため、またはもっぱら支持面９でのみ外周面に当接させるためにも用いられる。

フック受容部７は、好適にはフォーク状に形成されかつ２つの支柱１２を有しており、これらの支柱１２の間にフック６が係合しており、ピン（図示せず）は支柱１２の間に延在しており、ピンは標準チェーン部材２に別個の部品としてまたは同様に統合されて配置されている。

標準チェーン部材２は、図３において良好に看取されるように一体に形成されており、好適にはプラスチックから、特に好適には３Ｄプリント法で製造されている。

図２では、本発明による溶接シーム検査チェーン１の、調節ユニット５等の別の要素が看取され、調節ユニット５は、好適には互いに摺動可能な２つの調節部材１０を有している。この場合は調節ねじ１３を用いて、チェーン１の長さを適宜に正確に調節することができる。溶接シームの検査が全周において行われることを保証するためには、チェーン１に角度センサ２１を設けることが有利である。この角度センサ２１をチェーン１に取り付けるために、１つのチェーン部材が角度センサ用のホルダ３として形成されており、かつ相応の取付け手段を有している。ホルダ３もセンサ取付け部４も調節ユニット５も、その端部では、標準チェーン部材２に簡単に適合可能であるように形成されている。なぜなら、ホルダ３、センサ取付け部４および調節ユニット５は同じ端部を有しており、ひいては適合性があるからである。図５には、下から見た本発明によるチェーン１が示されており、これにより、超音波センサの送信器および受信器を収容する複数の前進楔１１が良好に看取される。前進楔１１は、ガイド１５を介して変位可能にセンサ取付け部４内に配置されている。好適には、最適な超音波検査を実施できるようにするために、前進楔１１は、緊締システム１４を介して管２０の周面に押し当てられる。このために好適には、ばね部材が使用される（図示せず）。安全クリップ１６が、前進楔をセンサ取付け部４内に固定していると有利である。さらに、前進楔１１は、好適には互いに変位可能に配置されており、このことは、溶接シームのそれぞれ異なる幅を検査することを可能にし、この場合は無段変位または設定された複数のポジションを有する変位が想定されている。

前進楔１１は、外側ハウジング１７と内側部材１８とを有している。２つの部分から成る形状に基づき、内側部材が摩耗した場合の交換を簡単に実行することができる。なぜなら、内側部材は外側ハウジング１７内に簡単にクリッピングされているからである。さらに内側部材１８は、好適には超音波の伝達に好適なＰＴＦＥから成っている。さらに、外側ハウジング１７に形成された穴１９を介して空気が抜かれる。

１ 溶接シーム検査チェーン
２ 標準チェーン部材
３ 角度センサ用のホルダ
４ センサ取付け部
５ 調節ユニット
６ フック
７ フック受容部
８ アール部
９ 支持面
１０ 調節部材
１１ 前進楔
１２ 支柱 フック受容部
１３ 調節ねじ
１４ 緊締システム
１５ ガイド
１６ 安全クリップ
１７ 外側ハウジング
１８ 内側部材
１９ 穴
２０ 管
２１ 角度センサ

Claims (10)

1. 端面側で互いに溶接された２つのプラスチック管（２０）の溶接シームを、超音波を用いて検査する溶接シーム検査チェーン（１）であって、互いにフック係合して当該溶接シーム検査チェーンを形成する、当該チェーン（１）を個別に延長可能または短縮可能な複数の標準チェーン部材（２）と、超音波センサを取り付けるセンサ取付け部（４）と、当該溶接シーム検査チェーンの長さを微調節する調節ユニット（５）とを有する、溶接シーム検査チェーン（１）において、
   前記標準チェーン部材（２）は、一方の側にフック（６）を有し反対の側にフック受容部（７）を有しており、これにより個々の前記チェーン部材が互いにフック係合可能になっていることを特徴とする、溶接シーム検査チェーン（１）。
2. 前記標準チェーン部材（２）は、前記フック受容部（７）の側に支持面（９）を有しており、該支持面（９）は、アール部（８）として形成されており、かつ溶接された前記管（２０）の外周面に直接に当接する、請求項１記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
3. 前記標準チェーン部材（２）は、一体に形成されており、かつ溶接された前記管（２０）の外周面に直接に当接する、請求項１または２記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
4. 前記標準チェーン部材（２）の前記支持面は、前記チェーン部材に固定的にかつ統合されて配置されている、請求項２または３記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
5. 前記調節ユニット（５）は、互いに対して摺動可能な２つの調節部材（１０）を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
6. 前記センサ取付け部（４）は、チェーン部材として形成されている、請求項１から５までのいずれか１項記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
7. 前記センサ取付け部（４）に、前記超音波センサを取り付けるための前進楔（１１）が配置されており、該前進楔（１１）は、前記センサホルダ（４）において変位可能に配置されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
8. 前記センサ取付け部（４）に緊締システム（１４）が配置されており、該緊締システム（１４）は、前記管（２０）の外周面に当接する前記前進楔（１１）に一定の押当て力を加えるようになっている、請求項７記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
9. 前記前進楔（１１）は、外側ハウジング（１７）と内側部材（１８）とを有している、請求項７記載の溶接シーム検査チェーン（１）。
10. 角度センサを取り付けるためのホルダ（３）が当該溶接シーム検査チェーン（１）内に配置されており、前記ホルダ（３）はチェーン部材として形成されている、請求項１から９までのいずれか１項記載の溶接シーム検査チェーン（１）。

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