JP2021070825A - 樹脂組成物、フィルム及び多層構造体 - Google Patents

樹脂組成物、フィルム及び多層構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】高湿度下に長時間暴露した場合でもガスバリア性、特に酸素バリア性に優れる樹脂組成物を提供する【解決手段】親水性樹脂と金属化合物を含む樹脂組成物であって、下記条件(A)を満足する樹脂組成物とする。条件(A):上記樹脂組成物を10重量%水溶液あるいは水分散液とし、得られる流延フィルムを23℃、80%RHの条件下、1週間静置し、処理前の水の接触角(°)をα、処理後の水の接触角(°)をβとしたとき、下記式(1)を満たす。(β−α)≧10 ・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、高湿度下に長時間暴露した場合でも高いガスバリア性を有するフィルムを得ることができる樹脂組成物に関するものである。
ポリビニルアルコール系樹脂等の親水性樹脂は、強度、透明性、ガスバリア性等に優れていることから、フィルム状に成形して、各種包装材料、特に酸素による劣化の抑制が必要な食品、薬品類等の包装材料として広く用いられている。
しかしながら、親水性樹脂は、水酸基を多く有することから湿度による影響を大きく受けやすく、高湿度環境下ではガスバリア性が著しく低下する。
ガスバリア性を向上させたフィルムとして、例えば、特許文献1では、平均粒径500nm以下の水難溶性無機微粒子と、水溶性または水分散性の高分子化合物を含み、上記水難溶性無機微粒子が、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ジルコニウム、銀、錫から選ばれる一種以上を必須成分とする無機化合物またはそれらの塩類と、有機酸、無機酸及びそれらの塩類から選ばれる一種以上の化合物とを反応して合成されるイオン結晶であるガスバリアフィルム用材料が開示されている。
また、特許文献2では、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解物、塩化錫の少なくとも一つと、一般式(R1Si(OR23)n(但し、R1は有機官能基、R2はCH3、C25、またはC24OCH3)で表される化合物とを含むガスバリア層形成用組成物が開示されている。
さらに、特許文献3では、基材フィルムまたはこれを含む積層体の表面に、亜鉛イオンと、金属アルコキシド及びその加水分解物の少なくとも一方と、水溶性高分子とを含む塗膜を形成する工程と、上記表面上にガスバリア層を形成する工程とを含むガスバリア積層体の製造方法が開示されている。
特開2002−338821号公報 特開2016−221864号公報 特開2018−089567号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3で開示されているガスバリアフィルムは、高湿度下におけるガスバリア性が充分ではなく、さらなる改善が求められている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、高湿度下に長時間暴露した場合でもガスバリア性、特に酸素バリア性に優れる樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者らは、親水性樹脂と特定の金属化合物とを含有する樹脂組成物を、コーティングフィルムとすることにより、高湿度下に長時間暴露した場合でもガスバリア性に優れることを見出した。
すなわち、本発明は、親水性樹脂と金属化合物を含む樹脂組成物であって、下記条件(A)を満足する樹脂組成物を第1の要旨とする。
条件(A):
上記樹脂組成物を10重量%水溶液あるいは水分散液とし、得られる流延フィルムを23℃、80%RHの条件下、1週間静置し、処理前の水の接触角(°)をα、処理後の水の接触角(°)をβとしたとき、下記式(1)を満たす。
(β−α)≧10 ・・・(1)
また、本発明は、上記第1の要旨の樹脂組成物を含有するフィルムを第2の要旨とし、上記第2の要旨のフィルムからなる層を少なくとも一層有する多層構造体を第3の要旨とするものである。
本発明の樹脂組成物は、親水性樹脂と金属化合物を含む樹脂組成物であって、上記条件(A)を満足するものである。そのため、この樹脂組成物を含有するフィルムは、高湿度下に長時間暴露した場合でもガスバリア性、特には酸素バリア性に優れたものとなる。
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、親水性樹脂、及び金属化合物を含有するものである。以下、各構成成分について説明する。
<親水性樹脂>
本発明で用いる親水性樹脂の具体例としては、例えば、ビニルアルコール系樹脂、多糖類、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂等の水溶性樹脂が挙げられる。上記の親水性樹脂は、単独でもしくは2種以上を併用してもよい。
また、上記親水性樹脂は、例えば、フィルムとした場合に下記のような特性を有することが好ましい。
上記親水性樹脂を用いて、厚み30μmのフィルムを調製し、25℃の水に2時間、静置浸漬した際の面積変化率が105%以上である。なお、上記面積変化率は、下記式により求めることができる。
面積変化率(%)=浸漬後のフィルム面積/浸漬前のフィルム面積×100
以下、具体的な親水性樹脂について、詳述する。
[ビニルアルコール系樹脂]
上記ビニルアルコール系樹脂は、通常、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(エチレン含有量20〜60モル%)として知られている樹脂を除くものであり、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と称する)系樹脂等が挙げられる。
上記PVA系樹脂は、通常、未変性PVA樹脂であることが好ましいが、変性PVA系樹脂を用いてもよい。
上記未変性PVA樹脂は、通常、ビニルエステル系モノマーを重合し、さらにそれをケン化することにより製造することができる。
また、上記変性PVA系樹脂は、ビニルエステル系モノマーと他の不飽和単量体との重合体をケン化したり、未変性PVA樹脂を後変性したりすることにより製造することができる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、トリフロロ酢酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられる。なかでも、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルであり、殊に好ましくは酢酸ビニルである。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
上記他の不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノまたはジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。なお、上記「(メタ)アリル」とは、アリルあるいはメタリルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートを、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルをそれぞれ意味するものである。
上記PVA系樹脂は、公知の任意の重合法、ケン化法及び後変性方法により得ることができる。
なお、上記他の不飽和単量体の導入量及び後変性による変性量はモノマーの種類によって適宜設定されるが、通常は15モル%以下、特には10モル%以下であり、導入量及び変性量が多すぎると、PVA系樹脂の結晶性が低下し、フィルムとした際のガスバリア性が低下する傾向がある。
上記PVA系樹脂の平均ケン化度は、通常70〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜99.99モル%である。平均ケン化度が70モル%より小さいと、高湿度下での酸素透過度が大きくなる傾向がある。なお、上記の平均ケン化度は、JIS K 6726に準拠して測定される。
上記PVA系樹脂の平均重合度は、通常100〜4,000であり、好ましくは200〜3,000、特に好ましくは250〜2,500である。かかる平均重合度が低すぎるとフィルム強度等の機械的物性が低下する傾向があり、高すぎると水溶液化が困難になる等、取り扱いが難しくなる傾向がある。なお、上記平均重合度は、JIS K 6726に準拠して測定される。
また、PVA系樹脂としては、変性種、変性量、平均ケン化度、平均重合度等の異なる2種以上のものを併用してもよい。
[多糖類]
上記多糖類としては、例えば、澱粉、セルロース等が挙げられる。
上記澱粉としては、例えば、とうもろこし澱粉、馬鈴薯澱粉等の天然澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋澱粉、グラフト化澱粉、焙焼デキストリン、酵素変性デキストリン、アルファ化澱粉、酸化澱粉等の変性澱粉等が挙げられる。
上記セルロースとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、カチオン化セルロース等や、そのナトリウム塩等の金属塩が挙げられる。
[アクリル系樹脂]
上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、及びそのナトリウム塩等の金属塩等が挙げられる。
[ポリエーテル系樹脂]
上記ポリエーテル系樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記親水性樹脂のなかでも、高湿度下における酸素バリア性に優れる点から、ビニルアルコール系樹脂、多糖類が好ましく、より好ましくはPVA系樹脂、変性澱粉であり、特には溶性澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、最も好ましくは未変性PVA樹脂である。
上記親水性樹脂は、本発明の樹脂組成物の主成分であることが好ましく、樹脂組成物全体に対する親水性樹脂の含有量は、通常80重量%以上、好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。なお、上限は通常99.99重量%である。
<金属化合物>
本発明で用いる金属化合物は、特定の構造単位が特定の面間隔で層状となっている構造を有するものである。例えば、金属種としてZn等を含む層状化合物等の金属含有層状化合物が挙げられる。
上記構造単位は、金属、ヒドロキシ配位子、ヒドロキシ配位子以外のアニオン性配位子を含み、下記の化学式(1)で表される。
a(OH)bn- (2a-b)/n・・・(1)
(上記Mは金属種、Aは価数がn−のヒドロキシ配位子以外のアニオン性配位子を表す。ただし、AとしてO(オキソ配位子)は除く。nは1以上の整数であり、またa,bは0より大きい数字であり、a/b=0.1〜10を満たす。)
上記化学式(1)において、Mとしては、例えば、Na、K、Ca、Mg、Si、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等が挙げられる。これらの金属種は、単独でもしくは2種以上含有してもよい。なかでも、高湿度下における酸素バリア性に優れる点から、Al、Si、Mg、Ni、Co、Znが好ましく、Ni、Co、Znが特に好ましく、Znが殊に好ましい。
また、上記化学式(1)において、Aとしては、例えば、RO(アルコキシ配位子)、ROCO(カルボン酸配位子)、CO3、NO3、SO3、PO4、BO3、F、Br、Cl等が挙げられる(Rはアルキル鎖であり、Cm2m+1;m=1〜20という化学式で一般的に表される。ただし、本発明の効果を阻害しない限り、アルキル鎖はOH基等の官能基を有していても構わない)。ただし、AとしてO(オキソ配位子)は除く。これらのアニオン性配位子は、単独でもしくは2種類以上含有してもよい。なかでも、親水性樹脂との相互作用の観点から、NO3、Cl、RO、ROCOが好ましく、ROCOが特に好ましく、そのなかでもCH3OCOが殊に好ましい。
本発明で用いる金属化合物は水分子を含んでいてもよい。
また、上記金属化合物は、CuKα線を用いて広角X線回折で測定した時に、通常2θ=2〜15°にX線回折の主ピークを有する。さらには、2θ=2〜9°に主ピークを有することが好ましく、2θ=3〜8°に主ピークを有することが特に好ましい。
なお、上記広角X線回折は、下記の条件で測定されるものである。
[測定条件]
・使用機器:D8 DISCOVER(ブルカージャパン社製)
・デテクター:二次元検出器 VANTEC−500(ブルカージャパン社製)
・電圧:50kV
・電流:100mA
・カメラ長:100mm
・測定方法:反射法
・積算時間:30分間
・波長:CuKα線(Kα1、Kα2は分離せず)
・デテクター位置:2θ=10°
・X線入射角:θ=0.3°
・2θ方向一次元化の条件:2θ=0〜35°、方位角(chi)=−95〜−85° ・方位角方向一次元化:方位角(chi)=−180〜0°
方位角方向に一次元化する際は、2θ=2〜15°の範囲で最も回折強度の強いピークが含まれるように1.0°の範囲で方位角方向に一次元化する。このとき、方位角−180〜0°の範囲にピークが観測された場合は、2θ=2〜15°の範囲で回折ピークが観測されたと判断する。例えば、2θ=6.8°に回折ピークが観測された場合は、2θ=6.0〜7.0°の範囲で方位角方向に一次元化したとき、方位角=−180〜0°の範囲でピークが観測されば、2θ=2〜15°の範囲に回折ピークが観測されたと判断すればよい。
上記金属化合物の層間距離(層と層との距離)は、親水性樹脂の分子や水分子との相互作用の点から、0.01〜50nmであることが好ましく、0.1〜30nmであることがより好ましい。上記金属化合物の層間距離は、X線回折法で分析した際の2θ=2〜15°の範囲における最も強度が強いピークの回折位置をもとに、Braggの式から算出することができる。
上記金属化合物から剥離した層状の構造単位の分子量は、親水性樹脂の分子レベルで相互作用が可能である点から、100〜10,000であることが好ましく、200〜2,000であることが特に好ましい。
また、上記層状の構造単位は、親水性樹脂の分子との相互作用の点からが親水性であることが好ましい。
さらに、上記層状の構造単位は、20℃、90%RHの環境下で1,000時間静置しても分解しないことが好ましい。
上記金属化合物の具体例としては、例えば、金属種としてZnを含む金属層状化合物が挙げられる。なかでも、高湿度下における酸素バリア性に優れる点から、化学式〔Zn5(OH)8(CH3CO22・2H2O〕で表されるZn含有層状化合物が好ましい。
本発明においては、金属化合物と親水性樹脂とが相互作用して、親水性樹脂の極性が高くなることで、高湿度下での酸素バリア性に優れるという効果が得られるものと推測される。
本発明の樹脂組成物における金属化合物の金属換算含有量は、親水性樹脂100重量部に対して、通常0.01〜20重量部であり、好ましくは0.1〜18重量部、特に好ましくは0.2〜15重量部である。金属化合物の含有量が少なすぎると、高湿度下における酸素バリア性が低下する傾向があり、金属化合物の含有量が高すぎると、フィルム等にする場合に白化し透明性が低下する傾向がある。
なお、樹脂組成物が金属種の異なる金属化合物を複数含有する場合は、樹脂組成物に含まれる全ての金属化合物の合計量を含有量とする。
また、上記金属化合物の含有量は、ICP−MSを用いた標準添加法により求めることができる。
上記金属化合物は、例えば、(I)金属含有化合物を塩基下で反応させる方法、(II)金属含有化合物を加熱して反応させる方法等により得ることができる。
上記の各方法で用いる金属含有化合物としては、例えば、有機酸金属塩、無機金属塩等が挙げられる。
上記有機酸金属塩を構成する有機酸としては、例えば、酢酸等の1価のカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸等の2価のカルボン酸、クエン酸、エチレンジアミン4酢酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上を併用してもよい。また、有機酸金属塩は、水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
上記有機酸金属塩としては、高湿度下での酸素バリア性に優れる点から、1価のカルボン酸金属塩が好ましく、特に好ましくは酢酸金属塩であり、殊に好ましくは酢酸亜鉛またはその水和物である。
上記無機金属塩としては、例えば、金属のフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、オキソ酸等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上を併用してもよい。また、無機金属塩は、水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
上記無機金属塩としては、高湿度下での酸素バリア性に優れる点から、金属の塩化物、オキソ酸が好ましく、特に好ましくは塩化亜鉛や硝酸亜鉛またはそれらの水和物である。 以下、各方法について詳述する。
[(I)の方法]
上記(I)の方法は、金属含有化合物を塩基下で反応させる方法である。
上記(I)の方法で用いる塩基としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。なかでも、金属含有化合物との反応性に優れることから、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
上記金属含有化合物と塩基との反応においては、通常、溶液中で金属含有化合物と、塩基とを混合して反応させればよい。また、親水性樹脂を上記溶液に溶解あるいは分散させておくことが、作業性の点から好ましい。
上記金属含有化合物と塩基とを混合させる方法は、特に限定されないが、例えば、金属含有化合物を溶解させた溶液と、塩基を溶解させた溶液とを混合する方法、金属含有化合物を分散させたスラリー液と、塩基を溶解させた溶液とを混合する方法等が挙げられる。なかでも、反応効率の点から、金属含有化合物を溶解させた溶液と、塩基を溶解させた溶液とを混合する方法が好ましい。さらには、金属含有化合物として有機酸金属塩を用いる場合は、塩基を溶解させた溶液に、有機酸金属塩を溶解させた溶液を添加し混合する方法が好ましく、無機金属塩を用いる場合は、無機金属塩を溶解させた溶液に、塩基を溶解させた溶液を添加し混合する方法が好ましい。
上記金属含有化合物及び塩基を溶解させる溶媒としては、金属含有化合物及び塩基を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の炭素数1〜5の低級アルコールが挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。なかでも、後処理が容易な点から水が好ましい。
上記金属含有化合物を溶解させた溶液における金属含有化合物の濃度は、通常0.5〜3mol/L、好ましくは1〜2mol/Lである。
また、塩基を溶媒に溶解させた溶液における塩基の濃度は、通常0.01〜100mol/L、好ましくは0.1〜30mol/L、特に好ましくは1〜10mol/Lである。
金属含有化合物及び塩基の濃度が上記範囲よりも低すぎると、反応が充分に進行しない傾向がある。また、金属含有化合物及び塩基の濃度が上記範囲よりも高すぎると、副反応が起きる傾向がある。
上記金属含有化合物と塩基とのモル比率(金属含有化合物:塩基)は、通常0.5:2〜2:0.5であり、好ましくは0.8:1.5〜1.5:0.8であり、特に好ましくは0.9:1.2〜1:1である。モル比率が上記範囲外であると、反応が充分に進行しない傾向がある。
また、金属含有化合物と塩基とを反応させる際のpHは、通常4〜9であり、好ましくは5〜8である。pHが上記範囲よりも低すぎる場合は、反応が充分に進行しない傾向がある。またpHが上記範囲よりも高すぎる場合は、生成した金属含有化合物が分解してしまう傾向がある。なお、pHの調整は、金属含有化合物を溶解させた溶液と、塩基を溶解させた溶液の用いる量によって行う。
上記反応における反応温度は、通常15〜60℃、好ましくは20〜40℃である。反応温度が低すぎると、反応が充分に進行しない傾向があり、反応温度が高すぎると、金属含有化合物が熱により分解し、目的とする金属化合物が得られない傾向がある。
また、反応時間は、通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間であり、反応時の圧力は、常圧で行えばよい。
[(II)の方法]
上記(II)の方法は、金属含有化合物を加熱して反応させる方法である。
上記(II)の方法は、通常、金属含有化合物を溶解させた溶液を撹拌しながら加熱することにより行われる。また、親水性樹脂を上記溶液に溶解あるいは分散させておくことが、作業性の点から好ましい。
金属含有化合物を溶解させる溶媒としては、上記(I)の方法で列挙した溶媒を用いることができる。なかでも、水、アルコール類が好ましく、水が特に好ましい。
上記加熱条件としては、溶液の温度を通常、20〜100℃、好ましくは50〜95℃、特に好ましくは70〜90℃で加熱すればよい。反応温度が低すぎると、反応が充分に進行しない傾向があり、反応温度が高すぎると、金属含有化合物が熱により分解し、目的とする金属化合物が得られない傾向がある。
また、反応時間は、通常0.1〜100時間、好ましくは0.5〜30時間、特に好ましくは1〜10時間であり、反応時の圧力は、常圧で行えばよい。
上記の各方法によって金属化合物が得られる。なかでも、作業性の点から(II)の方法が好ましい。
上記の各方法によって得られる金属化合物は、上述のように、前記化学式(1)で表される層状の構造単位が特定の面間隔で層状となっている構造を有する。そのため、金属化合物の周囲に親水性樹脂の分子や水分子が存在する場合、金属化合物の層と層とを剥離させ、この剥離した微細な層状の構造単位が親水性樹脂と分子レベルで相互作用する結果、優れた酸素バリア性が得られるものと推測される。
[その他の成分]
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に樹脂組成物に配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤等が含有されていてもよい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、親水性樹脂、金属化合物、必要に応じてその他の成分を混合することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、親水性樹脂と金属化合物を含み、下記条件(A)を満足するものである。
条件(A):
上記樹脂組成物を10重量%水溶液あるいは水分散液とし、得られる流延フィルムを23℃、80%RHの条件下、1週間静置する処理を行い、上記処理前の水の接触角(°)をα、上記処理後の水の接触角(°)をβとしたとき、下記式(1)を満たす。
(β−α)≧10 ・・・(1)
上記処理後の水の接触角と処理前の水の接触角との差(β−α)は、高湿度下におけるガスバリア性、特に酸素バリア性に優れる点から、10以上であり、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。上記水の接触角は、23℃及び50%RHの条件下、上記流延フィルム上に精製水2μLを滴下して、水滴を形成させ、接触角計(DropMaster 500:KYOWAINTERFACE SCIENCE社製)にて、水滴と流延フィルム表面との接触角を10回測定し平均値としたものである。
また、処理後の水の接触角は、高湿度下におけるガスバリア性、特に酸素バリア性に優れる点から、通常60°以上、好ましくは70°、特に好ましくは75°以上である。
<樹脂組成物を含有するフィルム>
本発明の樹脂組成物を含有するフィルムは、上記樹脂組成物を製膜することにより得られるものである。
上記フィルムを製膜する方法としては、例えば、本発明の樹脂組成物を含有する溶液(コーティング液)を用いる方法、本発明の樹脂組成物を含有するペレットを、押出機を用いて溶融成形する方法等が挙げられる。なかでも、樹脂組成物を含有する溶液(コーティング液)を用いる方法が好ましい。また、上記コーティング液を用いる場合の固形分濃度は、通常0.5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%である。
上記コーティング液の調製は、例えば、溶媒に全ての成分を一括で仕込んで混合する方法、一部の成分を溶媒に溶解させた溶液に、他の成分を添加し混合する方法等が挙げられる。なかでも、作業性の点から、親水性樹脂を溶媒に溶解させた溶液に、他の成分を添加して混合する方法が好ましい。
また、作業性の点からは、前述の金属化合物を得る方法(I)、(II)において、金属含有化合物を反応させる際に、溶媒中に親水性樹脂を溶解あるいは分散させ、反応後の溶液をコーティング液として用いることも好ましく、特に(II)の方法で金属化合物を得る場合に好ましい。
上記溶媒としては、前記金属化合物で挙げた溶媒を用いることができる。
上記製膜方法としては、例えば、溶融押出法やエンドレスベルト法、ドラム法、塗工法等の流延法による方法等の公知の方法を採用することができる。なかでも、流延法による方法が好ましい。
上記製膜方法で製膜後、例えば60〜105℃、0.5〜10分間加熱処理等により乾燥させることにより、樹脂組成物を含有するフィルムを得ることができる。また、上記フィルムは、必要に応じて一軸延伸や、二軸延伸等の延伸操作を行ってもよい。
上記フィルムは、単層構造フィルムとしてもよいし、多層構造体としてもよい。また、上記多層構造体は、上記フィルムからなる層を少なくとも一層有することが好ましい。さらに、上記多層構造体は、製膜したフィルムを積層してもよいし、他の基材樹脂と積層させてもよい。
本発明の樹脂組成物を含有するフィルムの厚みは、通常1〜200μm、好ましくは1〜100μm、特に好ましくは1〜50μmである。なお、上記製膜したフィルムが多層構造体である場合は、樹脂組成物を含有する全てのフィルムの厚みを合計したものを、フィルムの厚みとする。
上記基材樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン(ブロック及びランダム)共重合体、エチレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ環状オレフィン系樹脂(環状オレフィン構造を主鎖及び側鎖の少なくとも一方に有する重合体)等の(未変性)ポリオレフィン系樹脂や、これらのポリオレフィン類を不飽和カルボン酸またはそのエステルでグラフト変性した不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等の変性オレフィン系樹脂を含む広義のポリオレフィン系樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂(共重合ポリアミドも含む)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等のハロゲン化ポリオレフィン、芳香族または脂肪族ポリケトン類等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。また、これらの基材樹脂は、コロナ処理等の表面処理を行ってもよい。
本発明の樹脂組成物からなるフィルムは、高湿度下に長時間暴露した場合であっても優れたガスバリア性を有するものである。このような効果が得られる原理は明らかではないが、高湿度下に長時間暴露することによって、親水性樹脂の分子が可塑化し、フィルム中に分散していた金属化合物が、親水性樹脂と相互作用する、またはフィルムの表面に局在化するためと推測される。
なお、本発明において、「高湿度下に長時間暴露」とは、20±5℃、90±10%RHの環境に70時間以上暴露することを意味する。
また、上記高湿度下に長時間暴露した後のフィルムの酸素透過度は、80cc・3μm/m2・day・atm以下であることが好ましく、70cc・3μm/m2・day・atm以下であることがより好ましく、55cc・3μm/m2・day・atm以下であることがさらに好ましく、30cc・3μm/m2・day・atm以下であることが特に好ましい。なお、上記酸素透過度は、23℃、80%RHの環境下で測定したものであり、酸素透過度の下限は、通常0cc・3μm/m2・day・atmである。また、上記酸素透過度は、酸素透過度測定装置により求めることができる。
本発明の樹脂組成物を含有するフィルムは非常に透明性に優れており、その透明性は無機層状化合物やフィラーを含有させたフィルムより格段に優れるものである。具体的には、本発明の樹脂組成物を含有するフィルムは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.6%以下、さらにより好ましくは0.3%以下、特に好ましくは0.2%以下である。なお、上記ヘイズは、JIS K7361−1の規格に準拠して測定されるHAZE値であり、例えば、フィルムから50mm×50mmの試験片を10枚切り出し、ヘイズメーター(日本電色社製 NDH−4000)を用いて測定し、10枚の平均値をヘイズ(%)とする。
本発明の樹脂組成物及び、樹脂組成物からなるフィルムは、包装用材料として有用であり、特に食品や医薬品等の包装材料として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下「部」とあるのは、重量基準を意味する。
実施例に先立って、以下の親水性樹脂を用意した。
〔親水性樹脂〕
[PVA系樹脂]
・PVA1(未変性PVA樹脂、平均重合度300、平均ケン化度99モル%)
・PVA2(変性PVA樹脂、平均重合度450、平均ケン化度98モル%)
・PVA3(未変性PVA樹脂、平均重合度400、平均ケン化度88モル%)
[多糖類]
・澱粉(水溶性澱粉、富士フイルム和光純薬社製、澱粉(溶性))
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(三菱ケミカルフーズ社製、ヒプロメロースAW−4)
<実施例1>
900部の水にPVA1を100部及び酢酸Znを金属換算で1部加え、撹拌しながら90℃まで昇温させて、溶解させた。その後、90℃を維持しながら3時間撹拌した後、室温(23℃)まで冷却し、樹脂組成物の溶液を調製した。得られた樹脂組成物の溶液を、水を用いて固形分濃度10重量%に調整した後、流延法により製膜して、120℃で5分間、熱風乾燥機中で乾燥を行うことにより、樹脂組成物フィルム(厚み3μm)を得た。
また、上記樹脂組成物フィルムを厚みが30μm以上となるように積層し、前述の方法に従い広角X線回折を行った。その結果、2θ=6.2°に回折ピークが観測された。
<実施例2>
実施例1において、PVA1をPVA2に変更し、添加する酢酸Znの量を金属換算で5部となるようにした以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物フィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=6.2°に回折ピークが観測された。
<実施例3>
実施例2において、添加する酢酸Znの量を金属換算で10部となるようにした以外は、実施例2と同様にして、樹脂組成物フィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=6.2°に回折ピークが観測された。
<実施例4>
実施例1において、PVA1をヒドロキシプロピルメチルセルロースに変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物フィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=6.2°に回折ピークが観測された。
<実施例5>
実施例1において、PVA1を澱粉に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物フィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=6.2°に回折ピークが観測された。
<実施例6>
実施例1において、PVA1をPVA3に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物フィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=6.2°に回折ピークが観測された。
<比較例1>
実施例1において、酢酸Znを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、PVA1のフィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=2〜15°に回折ピークは観測されなかった。
<比較例2>
実施例2において、酢酸Znを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、PVA2のフィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=2〜15°に回折ピークは観測されなかった。
<比較例3>
実施例4において、酢酸Znを添加しなかったこと以外は、実施例4と同様にして、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=2〜15°に回折ピークは観測されなかった。
<比較例4>
実施例5において、酢酸Znを添加しなかったこと以外は、実施例5と同様にして、澱粉のフィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=2〜15°に回折ピークは観測されなかった。
<比較例5>
実施例6において、酢酸Znを添加しなかったこと以外は、実施例6と同様にして、PVA3のフィルム(厚み3μm)を得た。また、実施例1と同様に広角X線回折を行った。その結果、2θ=2〜15°に回折ピークは観測されなかった。
[接触角]
上記で得られた実施例1〜6、比較例1〜5のフィルムを23℃、50%RHの条件下で、フィルム上に精製水を2μL滴下し、水滴を形成させ、接触角計(DropMaster 500:KYOWAINTERFACE SCIENCE社製)にて水滴とフィルム表面との接触角を10回測定し、平均値を処理前の水の接触角(α)とした。また、これらのフィルムを23℃、80%RHの高湿度条件下に1週間静置した後の水の接触角(β)も上記と同様の方法で測定した。結果を後記表1に示す。
[酸素バリア性]
上記高湿度条件下に1週間静置した実施例1〜6、比較例1〜5のフィルムの酸素透過度を、酸素透過度測定装置(OX−TRAN100A、MOCON社製)を用いて、23℃、80%RHの条件下で測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2021070825
上記表1からわかるように、親水性樹脂と金属化合物を含有し、高湿度下に長時間処理した後の水の接触角(β)と処理前の水の接触角(α)との差が10以上である実施例1〜6は、高湿度下における酸素バリア性に優れるものであった。
一方、水の接触角(β)と(α)との差が10未満である比較例1〜5は、いずれも酸素バリア性に劣るものであった。
本発明の樹脂組成物は、高湿度下におけるガスバリア性、特に酸素バリア性に優れるため、包装用材料として有用であり、特に食品や医薬品等の包装材料として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 親水性樹脂と金属化合物を含む樹脂組成物であって、下記条件(A)を満足することを特徴とする樹脂組成物。
    条件(A):
    上記樹脂組成物を10重量%水溶液あるいは水分散液とし、得られる流延フィルムを23℃、80%RHの条件下、1週間静置し、処理前の水の接触角(°)をα、処理後の水の接触角(°)をβとしたとき、下記式(1)を満たす。
    (β−α)≧10 ・・・(1)
  2. 上記親水性樹脂が、ビニルアルコール系樹脂または多糖類であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 上記金属化合物の金属換算含有量が、親水性樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とするフィルム。
  5. 上記フィルムの23℃、80%RHの環境下における酸素透過度が、80cc・3μm/m2・day・atm以下であることを特徴とする請求項4記載のフィルム。
  6. 請求項4または5のフィルムからなる層を少なくとも一層有する多層構造体。
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