JP2021070125A - 埋め栓離脱器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブジョイントのチューブ挿入口に固定された埋め栓を容易に離脱する。【解決手段】チューブジョイントのチューブ挿入口に固定された埋め栓を該チューブジョイントから離脱させる埋め栓離脱器具であって、先端部と、把持部と、を備え、該先端部は、埋め栓の頭部を支持する頭部支持面と、該頭部支持面とは反対側に位置しチューブジョイントの開放スリーブを押圧する開放スリーブ押圧面と、先端部の先端側に開口し、該頭部支持面から該開放スリーブ押圧面に至るスライド溝と、を備え、該頭部支持面と該開放スリーブ押圧面とは、該先端部の該先端側から基端側に向かって互いに離れており、該チューブジョイントに挿入された該埋め栓の首部を該先端側から該スライド溝に進入させ該基端側に向かって移動させると、該頭部支持面で該埋め栓の該頭部を支持しつつ該開放スリーブ押圧面で該開放スリーブを押圧して該埋め栓を該チューブジョイントから離脱できる。【選択図】図1

Description

本発明は、チューブの端部に接続されるチューブジョイントが備えるチューブ挿入口にチューブに代えて挿入される埋め栓を該チューブジョイントから離脱させる際に使用される埋め栓離脱器具に関する。
例えば、電子機器に搭載される半導体デバイスチップを製造する際に使用される各種の加工装置では、空気や水等の流体が流れる移動経路となるチューブが張り巡らされる。チューブ同士を接続する際には、チューブジョイントが使用される。例えば、チューブジョイントは筒状の本体(ボディ)を有し、該本体の端部にはチューブが挿入されるチューブ挿入口が設けられる。
チューブ挿入口には、流体の漏れを防止しつつチューブの端部を固定できる機構が設けられる。例えば、チューブ挿入口の内壁には、該チューブ挿入口に挿入されたチューブの外周面を一周して該チューブに密着する環状のパッキンが設けられている。該チューブ挿入口にチューブを挿入したときに該パッキンの挿通孔に該チューブが通され、該チューブが強固に固定される。
また、チューブ挿入口には、チューブに代えて該チューブ挿入口を閉塞するための埋め栓と呼ばれる部材が挿入されることがある。埋め栓は、チューブと同様の外径を有し、チューブと同様にチューブジョイントに固定される栓である。埋め栓は、例えば、加工装置のメンテンナンス時等にチューブが外されたチューブジョイントからの流体の流出を防止するために、また、チューブジョイントの内部の保護のために使用される。
チューブジョイントからチューブ等を離脱させる際に該パッキンの固定力を低減させるために、チューブジョイントのチューブ挿入口には開放スリーブが設けられる。開放スリーブは、チューブ挿入口の内径よりも僅かに小さな外径を有するとともにチューブの外径よりも大きい内径を有する筒状の部材であり、チューブの挿入方向に沿ってスライド可能にチューブ挿入口の内部に収容されている。そして、開放スリーブの一端は、チューブ挿入口の外部に僅かに突出している。
チューブジョイントからチューブまたは埋め栓を離脱させる際には、作業者は、一方の手で開放スリーブの該一端をチューブ挿入口に向けて押し込みパッキンを押圧することでチューブ等の固定力を低減させる。そして、該作業者は、他方の手でチューブ等を持ち、該チューブ等をチューブ挿入口から引き抜く。
ここで、チューブジョイントは、作業者が容易に手の届く範囲に配設されるとは限らない。例えば、加工装置の内部の奥の入り組んだ領域にチューブジョイントが配設される場合、該領域まで作業者が両手を差し入れて作業する必要があり、チューブ等を該チューブジョイントに脱着するのは容易ではない。その上、加工装置の内部の構造物等に手が衝突する等して作業者が怪我をするおそれもある。そこで、チューブ等のチューブジョイントへの脱着作業を補助するチューブ脱着器具(治具)が使用される(特許文献1参照)。
特開平10−94973号公報
該チューブ脱着器具は、チューブを保持するためのチューブ保持具と、チューブジョイントの開放スリーブを押圧する押圧力付与具と、を有し、両者が支点部にて回動可能に連結されている。該チューブ脱着器具を使用すると、埋め栓もチューブと同様にチューブジョイントから脱着できる。該チューブ脱着器具を使用してチューブジョイントから埋め栓を離脱させる際には、まず、該チューブ保持具で埋め栓を保持する。次に、該押圧力付与具で開放スリーブを押圧する。
作業者は片手で該チューブ着脱器具を使用できるため、該チューブ着脱器具を使用すると加工装置の内部の入り組んだ領域における作業が容易となる。ただし、押圧力付与具で開放スリーブを押圧する際には、チューブ保持具で埋め栓を保持できていることを確認する必要がある。埋め栓が適切に保持されていない状態では十分な力で開放スリーブを押圧できない。開放スリーブの押圧が不十分な状態で埋め栓をチューブジョイントから離脱させようとすると、埋め栓を固定するパッキンや該埋め栓に無理な力がかかる。
ところが、チューブ保持具による埋め栓の保持状態が加工装置の内部の構造物に遮られて確認できない場合がある。また、作業スペースが狭い場合、該保持状態を維持しつつ開放スリーブの押圧するのは容易ではない。よって、該チューブ脱着器具を使用しても、チューブジョイントからの埋め栓の離脱には課題が残る。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、チューブジョイントのチューブ挿入口に固定された埋め栓を容易に離脱できる埋め栓離脱器具を提供することである。
本発明の一態様によると、チューブの先端が挿入されるチューブ挿入口と、該チューブ挿入口に収容され該チューブの挿入方向に沿って押圧することで該チューブ挿入口に挿入され固定された該チューブを開放できる開放スリーブと、を備えるチューブジョイントの該チューブ挿入口にチューブに代えて挿入され固定された埋め栓であり、該チューブ挿入口に挿入される円柱状の閉塞部と、一端が該閉塞部に接続し該閉塞部よりも細い首部と、該首部の他端に接続し該首部よりも太い頭部と、を含む該埋め栓を該チューブジョイントから離脱させる埋め栓離脱器具であって、先端部と、該先端部に連結されて持ち手となる把持部と、を備え、該先端部は、該頭部を支持する頭部支持面と、該頭部支持面とは反対側に位置し該開放スリーブを押圧する開放スリーブ押圧面と、該先端部の先端側に開口し、該頭部支持面から該開放スリーブ押圧面に至るスライド溝と、を備え、該頭部支持面と該開放スリーブ押圧面とは、該先端部の該先端側から基端側に向かって互いに離れており、該先端部の該スライド溝は、該頭部支持面に接続する第1の端部において該埋め栓の該頭部の幅よりも小さく該首部の幅よりも大きい第1の幅を有し、該開放スリーブ押圧面に接続する第2の端部において該チューブジョイントの該開放スリーブの幅よりも小さく該埋め栓の該閉塞部の幅よりも大きい第2の幅を有し、該チューブジョイントに挿入された該埋め栓の該首部を該先端側から該スライド溝に進入させ該基端側に向かって移動させると、該頭部支持面で該埋め栓の該頭部を支持しつつ該開放スリーブ押圧面で該開放スリーブを押圧して該埋め栓を該チューブジョイントから離脱できることを特徴とする埋め栓離脱器具が提供される。
好ましくは、該スライド溝は、該首部の幅よりも大きく該閉塞部の幅よりも小さい第3の幅を有する第1の部分と、該閉塞部の幅よりも大きい第4の幅を有し該第1の部分よりも該開放スリーブ押圧面に近い第2の部分と、を有し、該スライド溝では、該埋め栓の該閉塞部を該首部側から支持する一対の閉塞部支持面が該第1の部分と該第2の部分とを接続する領域を挟むように露出しており、該頭部支持面と該閉塞部支持面とは、該先端部の該先端側から該基端側に向かって互いに離れており、該埋め栓の該頭部を該頭部支持面で支持するとともに該埋め栓の該閉塞部を該閉塞部支持面で支持した状態で該埋め栓を保持できる。
また、好ましくは、該先端部は、該先端側から該基端側に向かって該頭部支持面が内側となるように湾曲している。
本発明の一態様に係る埋め栓離脱器具は、埋め栓の首部が進入できるスライド溝が形成された先端部を有する。該先端部は、先端側から基端側に向かって頭部支持面と開放スリーブ押圧面とが互いに離れる形状を有する。チューブジョイントのチューブ挿入口に固定された埋め栓を離脱させる際には、先端部の先端側からスライド溝に埋め栓の首部を進入させる。そして、該頭部支持面と埋め栓の頭部とが接触するとともに該開放スリーブ押圧面とチューブジョイントの開放スリーブとが接触する。
埋め栓の首部をスライド溝にさらに進入させると、埋め栓の頭部で支えられた該先端部がチューブジョイントの開放スリーブを押圧する。すると、チューブジョイントに固定された埋め栓が開放されるとともに、該頭部が逆に該先端部に押し返される。そのため、埋め栓離脱器具により埋め栓がチューブジョイントから離脱される。
このように、本発明の一態様に係る埋め栓離脱器具は、先端部のスライド溝に埋め栓の首部を進入させるだけで埋め栓を離脱できるため、作業が極めて容易である。その上、埋め栓を離脱させる力は開放スリーブに押圧力がかかるときに該埋め栓にかかるため、埋め栓をチューブジョイントに固定する力が維持された状態で埋め栓に無理な力がかかることがない。そのため、チューブジョイントのパッキンや埋め栓を破損させることがない。
したがって、本発明により、チューブジョイントのチューブ挿入口に固定された埋め栓を容易に離脱できる埋め栓離脱器具が提供される。
図1(A)は、埋め栓離脱器具の一例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、該一例に係る埋め栓離脱器具を模式的に示す側面図である。 図2(A)は、チューブジョイントを模式的に示す側面図であり、図2(B)は、埋め栓を模式的に示す側面図であり、図2(C)は、チューブジョイントのチューブ挿入口に挿入される埋め栓を模式的に示す斜視図である。 チューブジョイントに固定された埋め栓を埋め栓離脱器具で離脱させる様子を模式的に示す側面図である。 チューブジョイントに固定された埋め栓を埋め栓離脱器具で離脱させる様子を模式的に示す側面図である。 チューブジョイントに固定された埋め栓を埋め栓離脱器具で離脱させる様子を模式的に示す側面図である。 図6(A)は、埋め栓離脱器具の他の一例を模式的に示す正面図であり、図6(B)は、該他の一例に係る埋め栓離脱器具を模式的に示す側面図であり、図6(C)は、該他の一例に係る埋め栓離脱器具を模式的に示す斜視図である。 チューブジョイントに固定された埋め栓を埋め栓離脱器具で離脱させる様子を模式的に示す側面図である。 チューブジョイントに固定された埋め栓を埋め栓離脱器具で離脱させる様子を模式的に示す側面図である。 チューブジョイントに固定された埋め栓を埋め栓離脱器具で離脱させる様子を模式的に示す側面図である。 チューブジョイントに固定された埋め栓を埋め栓離脱器具で離脱させる様子を模式的に示す側面図である。
本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る埋め栓離脱器具は、チューブジョイントのチューブ挿入口に挿入され固定された埋め栓を該チューブジョイントから離脱させる際に使用される。まず、チューブジョイントについて説明する。図2(A)は、チューブジョイント1を模式的に示す側面図であり、図2(C)には、チューブジョイント1を模式的に示す斜視図が含まれている。
チューブジョイント1は、例えば、半導体ウェーハの製造工場に設置された加工装置の内部において、空気や水等の流体が流れる移動経路となるチューブ同士を接続するために使用される。チューブジョイント1は筒状の本体(ボディ)3を有し、該本体3の端部にはチューブの先端が挿入されるチューブ挿入口7が設けられる。チューブジョイント1の主要な部材は、例えば、樹脂または金属等で形成される。
チューブ挿入口7には、流体の漏れを防止しつつチューブの先端を固定できる機構が設けられる。例えば、チューブ挿入口7の内壁には、該チューブ挿入口7に挿入されたチューブの外周面を一周して該チューブに密着する環状のパッキン(不図示)が設けられている。該チューブ挿入口7にチューブを挿入したときに該パッキンの挿通孔に該チューブが通され、該チューブが強固に固定される。
チューブ挿入口7には、該チューブ挿入口7に固定されたチューブを開放する開放スリーブ5が設けられる。開放スリーブ5は、チューブ挿入口7の内径よりも僅かに小さな外径を有するとともにチューブの外径よりも大きい内径を有する筒状の部材である。そして、開放スリーブ5は、チューブの挿入方向に沿ってスライド可能にチューブ挿入口7の内部に収容されている。開放スリーブ5の一端は、チューブ挿入口7の外部に僅かに突出している。
チューブは、開放スリーブ5の貫通孔に挿入されることでチューブ挿入口7に挿入され固定される。固定されたチューブをチューブジョイント1から離脱させる際には、作業者は、一方の手で開放スリーブ5の突出した該一端をチューブ挿入口7に向けて押し込み、パッキンを押圧してチューブを固定する固定力を低減させる。そして、該作業者は、他方の手でチューブを持ち、該チューブをチューブ挿入口7から引き抜く。
チューブ挿入口7には、チューブに代えて該チューブ挿入口7を閉塞するための埋め栓11が挿入されることがある。埋め栓11は、チューブと同様にチューブジョイント1に固定される栓である。埋め栓11は、例えば、加工装置のメンテンナンス時等にチューブが外されたチューブジョイント1からの流体の流出を防止するために、また、チューブジョイント1の内部の保護のために使用される。埋め栓11は、例えば、樹脂または金属等により形成される。
図2(B)は、埋め栓11を模式的に示す側面図であり、図2(C)には、埋め栓11を模式的に示す斜視図が含まれている。埋め栓11は、チューブジョイント1のチューブ挿入口7に挿入される円柱状の閉塞部13と、一端が該閉塞部13に接続し該閉塞部13よりも細い首部15と、該首部15の他端に接続し該首部15よりも太い頭部17と、を含む。
チューブをチューブ挿入口7に挿入する場合と同様に、埋め栓11の閉塞部13をチューブジョイント1のチューブ挿入口7に挿入すると該埋め栓11が固定される。図2(C)は、チューブ挿入口7に埋め栓11が挿入される様子を模式的に示す斜視図である。また、チューブをチューブ挿入口7から離脱させる場合と同様に、埋め栓11が挿入され固定されているチューブ挿入口7の周囲で開放スリーブ5を押圧すると、埋め栓11の固定が解除されて埋め栓11を離脱できる。
ここで、チューブジョイント1は、作業者が容易に手の届く範囲に配設されるとは限らない。例えば、加工装置の内部の奥の入り組んだ領域にチューブジョイント1が配設される場合、該領域まで作業者が両手を差し入れて作業する必要があり、埋め栓11をチューブジョイント1から離脱させるのは容易ではない。その上、加工装置の内部の構造物等に手が衝突する等して作業者が怪我をするおそれもある。
本実施形態に係る埋め栓離脱器具は、埋め栓11をチューブジョイント1から離脱させる際に使用される。本実施形態に係る埋め栓離脱器具を使用すると、加工装置の内部の入り組んだ領域にチューブジョイント1が配設されていてもチューブ挿入口7に固定された埋め栓11を容易に離脱できる。以下、本実施形態に係る埋め栓離脱器具について説明する。
図1(A)は、埋め栓離脱器具2の一例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、埋め栓離脱器具2を模式的に示す側面図である。埋め栓離脱器具2は、チューブジョイント1の開放スリーブ5を押圧するとともに埋め栓11の頭部17を支持できる先端部4と、先端部4の基端側4bに連結された把持部6と、を備える。
把持部6は、埋め栓離脱器具2を使用して埋め栓11をチューブジョイント1から離脱させる作業者が手で持つ持ち手となる。基本的に該作業者は一方の手で把持部6を握り、埋め栓離脱器具2を移動させる。作業者は、その他の動作をする必要がないため、埋め栓離脱器具2の使用手順は極めて単純となる。
埋め栓離脱器具2の先端部4は、埋め栓11の頭部17を支持する頭部支持面8と、該頭部支持面8とは反対側に位置しチューブジョイント1の開放スリーブ5を押圧する開放スリーブ押圧面10と、を備える。さらに、先端部4には、該先端部4の先端側4aに開口し、頭部支持面8から開放スリーブ押圧面10に至るスライド溝12と、を備える。そして、頭部支持面8と開放スリーブ押圧面10とは、先端部4の先端側4aから基端側4bに向かって互いに離れている。
スライド溝12は、頭部支持面8に接続する第1の端部12aにおいて埋め栓11の頭部17の幅よりも小さく首部15の幅よりも大きい第1の幅14を有する。さらに、スライド溝12は、開放スリーブ押圧面10に接続する第2の端部12bにおいてチューブジョイント1の開放スリーブ5の幅よりも小さく埋め栓11の閉塞部13の幅よりも大きい第2の幅16を有する。
次に、チューブジョイント1のチューブ挿入口7に固定された埋め栓11を埋め栓離脱器具2で離脱させる方法について説明しつつ埋め栓離脱器具2の各部の機能についてさらに説明する。チューブ挿入口7に固定された埋め栓11を離脱させる際には、まず、埋め栓離脱器具2の先端部4のスライド溝12に先端側4aから埋め栓11の首部15を進入させる。
図3、図4、及び図5には、埋め栓離脱器具2によりチューブジョイント1のチューブ挿入口7に固定された埋め栓11が離脱される様子が模式的に示されている。図3、図4、及び図5では、埋め栓離脱器具2に隠れて外部から視認できない要素が破線で示されている。
図3には、第1段階における埋め栓11、チューブジョイント1、及び埋め栓離脱器具2が示されている。図4には、第2段階における埋め栓11、チューブジョイント1、及び埋め栓離脱器具2が示されている。図5には、第3段階における埋め栓11、チューブジョイント1、及び埋め栓離脱器具2が示されている。
図3、図4、及び図5では、説明の便宜のために埋め栓11及びチューブジョイント1が移動するように示されている。しかしながら、埋め栓11をチューブジョイント1から離脱させる際には、埋め栓11等と、埋め栓離脱器具2と、のどちらを移動させてもよく、両方を移動させてもよい。ただし、埋め栓離脱器具2の主要な使用態様では、作業者が埋め栓離脱器具2を先端側4aに向けて移動させることが想定される。
例えば、チューブジョイント1の埋め栓11とは反対側にチューブが固定されているか、本体(ボディ)3が加工装置の内部の構造物に固定される等の状況が想定される。そのため、首部15のスライド溝12への進入は、把持部6を持つ作業者による埋め栓離脱器具2の移動の結果によることが想定される。ただし、埋め栓離脱器具2の使用方法はこれに限定されない。
図3には、該第1段階として、チューブジョイント1に固定された埋め栓11の首部15が埋め栓離脱器具2のスライド溝12に進入し始める様子が示されている。スライド溝12の各部の幅が上述の幅であるため、首部15の進入がスライド溝12の内壁に阻まれることはない。
該第1段階では、先端部4の頭部支持面8が埋め栓11の頭部17の首部15側の面に対面するとともに、先端部4の開放スリーブ押圧面10がチューブジョイント1の開放スリーブ5に対面するように埋め栓離脱器具2の向きを調整する。そして、首部15を基端側4bに向けて相対的に移動させる。
図4には、第2段階として、埋め栓11の頭部17が頭部支持面8に当たるととともに開放スリーブ5が開放スリーブ押圧面10に当たる様子が示されている。このとき、埋め栓11の頭部17により埋め栓離脱器具2の先端部4が支持され、該先端部4が開放スリーブ5を押圧するようになる。すると、開放スリーブ5が本体(ボディ)3に押し込まれ、埋め栓11の閉塞部13の固定が解除される。
そして、すぐさま開放スリーブ5により先端部4が支持され、該先端部4が埋め栓11の頭部17を押圧するようになる。その結果、埋め栓11はチューブジョイント1から離脱する方向に移動する。その後、首部15を基端側4bに向けてさらに相対的に移動させる。
図5には、第3段階として、埋め栓11がさらに移動してチューブジョイント1から離脱する様子が示されている。埋め栓11が移動する間、チューブジョイント1の開放スリーブ5が常に先端部4の開放スリーブ押圧面10により押圧されるため、埋め栓11の閉塞部13の固定が解除され続ける。そして、閉塞部13がチューブ挿入口7から完全に抜け出たとき、埋め栓11の離脱が完了する。
その後、埋め栓11は、頭部支持面8により支持されて埋め栓離脱器具2に保持され続けるため、埋め栓離脱器具2を加工装置の内部のチューブジョイント1が配設された領域から取り出すと、埋め栓11を回収できる。
このように、本実施形態に係る埋め栓離脱器具2は、チューブジョイント1の開放スリーブ5を押圧して埋め栓11の閉塞部13の固定を解除するとともに該埋め栓11の頭部17を支持して該埋め栓11を該チューブジョイント1から離脱させる。すなわち、埋め栓離脱器具2を使用すると、首部15を先端側4aからスライド溝12に進入させ基端側4bに向かって移動させるように埋め栓離脱器具2及び埋め栓11を相対的に移動させるだけで埋め栓11を離脱できる。
次に、本実施形態に係る埋め栓離脱器具の変形例について説明する。図6(A)は、変形例に係る埋め栓離脱器具22を模式的に示す正面図であり、図6(B)は、埋め栓離脱器具22を模式的に示す側面図であり、図6(C)は、埋め栓離脱器具22を模式的に示す斜視図である。埋め栓離脱器具22は、先端側24aから基端側24bにかけてスライド溝32が形成された先端部24と、把持部26と、が一体化しており、両者に明確な境界はない。
各図に示す通り、上述の埋め栓離脱器具2と同様に、埋め栓離脱器具22においても頭部支持面28と、開放スリーブ押圧面30と、は互いに先端部24の反対側に位置し、先端側24aから基端側24bに向かって互いに離れている。そして、埋め栓離脱器具22の先端部24は、先端側24aから基端側24bに向かって頭部支持面28が内側となるように湾曲している。
そして、スライド溝32は、頭部支持面28に接続する第1の端部32aにおいて埋め栓11の頭部17の幅よりも小さく首部15の幅よりも大きい幅を有する。さらに、スライド溝32は、開放スリーブ押圧面30に接続する第2の端部32bにおいてチューブジョイント1の開放スリーブ5の幅よりも小さく埋め栓11の閉塞部13の幅よりも大きい幅を有する。
さらに、埋め栓離脱器具22では、スライド溝32は、頭部支持面28に近い第1の部分34と、開放スリーブ押圧面30に近い第2の部分36と、を有する。そして、第1の部分34は、埋め栓11の首部15の幅よりも大きく閉塞部13の幅よりも小さい第3の幅38を有する。また、第2の部分36は、閉塞部13の幅よりも大きい第4の幅40を有する。
そして、スライド溝32では、埋め栓11の閉塞部13を首部15側から支持する一対の閉塞部支持面42が第1の部分34と第2の部分36とを接続する領域を挟むように露出している。さらに、頭部支持面28と閉塞部支持面42とは、先端部24の先端側24aから基端側24bに向かって互いに離れている。
次に、チューブジョイント1のチューブ挿入口7に固定された埋め栓11を埋め栓離脱器具22で離脱させる方法について説明しつつ埋め栓離脱器具22の各部の機能についてさらに説明する。チューブ挿入口7に固定された埋め栓11を離脱させる際には、埋め栓離脱器具22の先端部24のスライド溝32に先端側24aから埋め栓11の首部15を進入させる。
図7、図8、図9、及び図10には、埋め栓離脱器具22によりチューブジョイント1のチューブ挿入口7に固定された埋め栓11が離脱される様子が模式的に示されている。図7、図8、図9、及び図10では、埋め栓離脱器具22に隠れて外部から視認できない要素が破線で示されている。
また、図7、図8、図9、及び図10では、説明の便宜のために埋め栓11及びチューブジョイント1が移動するように示されている。しかしながら、埋め栓11をチューブジョイント1から離脱させる際には、埋め栓11等と、埋め栓離脱器具22と、のどちらを移動させてもよく、両方を移動させてもよい。ただし、埋め栓離脱器具22の主要な使用態様では、作業者が埋め栓離脱器具22を先端側24aに向けて移動させつつ把持部26を傾けることが想定される。
図7には、第1段階として、チューブジョイント1に固定された埋め栓11の首部15が埋め栓離脱器具22のスライド溝32に進入し始める様子が示されている。スライド溝32の第1の部分34と第2の部分36とは、それぞれ、上述の第3の幅38及び第4の幅40を有するため、首部15の進入がスライド溝32の内壁に阻まれることはない。
該第1段階では、先端部24の頭部支持面28が埋め栓11の頭部17の首部15側の面に対面するとともに、先端部24の開放スリーブ押圧面30がチューブジョイント1の開放スリーブ5に対面するように埋め栓離脱器具22の向きを調整する。そして、首部15を基端側24bに向けて相対的に移動させる。
図8には、第2段階として、埋め栓11の頭部17が頭部支持面28に当たるととともに開放スリーブ5が開放スリーブ押圧面30に当たる様子が示されている。このとき、埋め栓11の頭部17により埋め栓離脱器具22の先端部24が支持され、該先端部24が開放スリーブ5を押圧するようになる。すると、開放スリーブ5が本体(ボディ)3に押し込まれ、埋め栓11の閉塞部13の固定が解除される。
そして、すぐさま開放スリーブ5により先端部24が支持され、該先端部24が埋め栓11の頭部17を押圧するようになる。その結果、埋め栓11はチューブジョイント1から離脱する方向に移動する。そして、首部15を基端側24bに向けてさらに相対的に移動させる。
図9には、第3段階として、埋め栓11がさらに移動してチューブジョイント1から離脱する様子が示されている。埋め栓11が移動する間、チューブジョイント1の開放スリーブ5が常に先端部24の開放スリーブ押圧面30により押圧されるため、埋め栓11の閉塞部13の固定が解除され続ける。そして、閉塞部13がチューブ挿入口7から完全に抜け出たとき、埋め栓11の離脱が完了する。
図10には、第4段階として、埋め栓11をさらに移動させ、チューブジョイント1から完全に離脱された埋め栓11が埋め栓離脱器具22に保持される様子が示されている。埋め栓11は、頭部17が首部15側から頭部支持面28に支持されるとともに、閉塞部13が首部15側から閉塞部支持面42に支持される。換言すると、埋め栓11の頭部17及び閉塞部13により埋め栓離脱器具22の先端部24が挟持された状態となる。
埋め栓離脱器具22を加工装置の内部のチューブジョイント1が配設された位置から取り出すと、埋め栓11を回収できる。このとき、埋め栓11は、埋め栓離脱器具22に安定的に保持されるため、埋め栓11を安定的に移動できる。
ただし、埋め栓11がスライド溝32に対して移動して埋め栓11の安定的な保持が解けることも考えられる。しかしながら、埋め栓離脱器具22の先端部24の頭部支持面28が湾曲しているため、図6(C)に示す通り把持部26を横方向に傾ける等すると、頭部支持面28が先端側24aにかけて上り勾配となる。この上り勾配により埋め栓11の首部15のスライド溝32からの脱出が抑制されるため、埋め栓11の回収作業中の埋め栓11の落下を防止できる。
以上に説明する通り、埋め栓離脱器具2,22の先端部4,24は、チューブジョイント1の開放スリーブ5を押圧して埋め栓11の閉塞部13の固定を解除するとともに該埋め栓11の頭部17を支持して該埋め栓11を該チューブジョイント1から離脱できる。すなわち、本実施形態に係る埋め栓離脱器具2,22では、首部15を先端側4a,24aからスライド溝12,32に進入させ基端側4b,24bに向かって移動させるように埋め栓離脱器具2,22及び埋め栓11を移動させるだけで埋め栓11を離脱できる。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、両端にチューブ挿入口7を備えチューブ同士を接続するチューブジョイント1に固定された埋め栓11を離脱させる場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。
例えば、埋め栓11が固定されたチューブジョイント1は、チューブ同士を接続せず、加工装置の内部等においてチューブで構成される流体の流路の終端に設けられていてもよい。すなわち、本実施形態に係る埋め栓離脱器具2,22は、チューブを流れる流体の供給元または供給先が備える接続部として設けられたチューブジョイント1で使用されてもよい。この場合、チューブジョイント1は、1つまたは複数のチューブ挿入口7を備える。
また、上記実施形態では、埋め栓離脱器具2,22の先端部4,24の基端側4b,24bに把持部6,26が接続されている場合について説明したが、本発明の一態様に係る埋め栓離脱器具2,22はこれに限定されない。すなわち、把持部6,26は、先端部4,24の側面に接続されていてもよい。また、把持部6,26が湾曲を有していてもよい。把持部6,26は、予定された作業の内容に応じて構造及び形状が適宜決定される。
さらに、上記実施形態では、スライド溝32中に閉塞部支持面42が露出する埋め栓離脱器具22を使用してチューブジョイント1のチューブ挿入口7に固定された埋め栓11を離脱させる場合について説明した。しかしながら、埋め栓離脱器具22の用途はこれに限定されない。例えば、埋め栓離脱器具22を使用すると、埋め栓11をチューブジョイント1に運びチューブ挿入口7に閉塞部13を挿入することもできる。
まず、埋め栓離脱器具22のスライド溝32に埋め栓11を進入させ、埋め栓11の挿入対象となるチューブジョイント1のチューブ挿入口7に該埋め栓11の閉塞部13を進入させる。そして、埋め栓離脱器具22をチューブジョイント1に向けて移動させ、閉塞部支持面42で閉塞部13を埋め栓11の挿入方向に向けて押圧する。すると、閉塞部13がチューブ挿入口7に固定される。その後、埋め栓11をスライド溝32から脱出させる。この場合、閉塞部支持面42は、閉塞部押圧面として機能する。
上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 チューブジョイント
3 本体(ボディ)
5 開放スリーブ
7 チューブ挿入口
11 埋め栓
13 閉塞部
15 首部
17 頭部
2,22 埋め栓離脱器具
4,24 先端部
4a,24a 先端側
4b,24b 基端側
6,26 把持部
8,28 頭部支持面
10,30 開放スリーブ押圧面
12,32 スライド溝
12a,32a 第1の端部
12b,32b 第2の端部
14 第1の幅
16 第2の幅
34 第1の部分
36 第2の部分
38 第3の幅
40 第4の幅
42 閉塞部支持面

Claims (3)

  1. チューブの先端が挿入されるチューブ挿入口と、該チューブ挿入口に収容され該チューブの挿入方向に沿って押圧することで該チューブ挿入口に挿入され固定された該チューブを開放できる開放スリーブと、を備えるチューブジョイントの該チューブ挿入口にチューブに代えて挿入され固定された埋め栓であり、該チューブ挿入口に挿入される円柱状の閉塞部と、一端が該閉塞部に接続し該閉塞部よりも細い首部と、該首部の他端に接続し該首部よりも太い頭部と、を含む該埋め栓を該チューブジョイントから離脱させる埋め栓離脱器具であって、
    先端部と、
    該先端部に連結されて持ち手となる把持部と、を備え、
    該先端部は、
    該頭部を支持する頭部支持面と、
    該頭部支持面とは反対側に位置し該開放スリーブを押圧する開放スリーブ押圧面と、
    該先端部の先端側に開口し、該頭部支持面から該開放スリーブ押圧面に至るスライド溝と、を備え、
    該頭部支持面と該開放スリーブ押圧面とは、該先端部の該先端側から基端側に向かって互いに離れており、
    該先端部の該スライド溝は、
    該頭部支持面に接続する第1の端部において該埋め栓の該頭部の幅よりも小さく該首部の幅よりも大きい第1の幅を有し、
    該開放スリーブ押圧面に接続する第2の端部において該チューブジョイントの該開放スリーブの幅よりも小さく該埋め栓の該閉塞部の幅よりも大きい第2の幅を有し、
    該チューブジョイントに挿入された該埋め栓の該首部を該先端側から該スライド溝に進入させ該基端側に向かって移動させると、該頭部支持面で該埋め栓の該頭部を支持しつつ該開放スリーブ押圧面で該開放スリーブを押圧して該埋め栓を該チューブジョイントから離脱できることを特徴とする埋め栓離脱器具。
  2. 該スライド溝は、該首部の幅よりも大きく該閉塞部の幅よりも小さい第3の幅を有する第1の部分と、該閉塞部の幅よりも大きい第4の幅を有し該第1の部分よりも該開放スリーブ押圧面に近い第2の部分と、を有し、
    該スライド溝では、該埋め栓の該閉塞部を該首部側から支持する一対の閉塞部支持面が該第1の部分と該第2の部分とを接続する領域を挟むように露出しており、
    該頭部支持面と該閉塞部支持面とは、該先端部の該先端側から該基端側に向かって互いに離れており、
    該埋め栓の該頭部を該頭部支持面で支持するとともに該埋め栓の該閉塞部を該閉塞部支持面で支持した状態で該埋め栓を保持できることを特徴とする請求項1記載の埋め栓離脱器具。
  3. 該先端部は、該先端側から該基端側に向かって該頭部支持面が内側となるように湾曲していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の埋め栓離脱器具。
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