JP2021069231A - 電気自動車のモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本明細書は、インバータが出力する三相交流の周波数の6倍の周波数を有するノイズを低減する。【解決手段】本明細書が開示するモータ駆動装置は、バッテリ、燃料電池、インバータ、平滑コンデンサ、第1/第2電圧コンバータ、コントローラを備える。コントローラは、インバータが出力する三相交流の周波数の6倍の周波数の交流成分であって三相交流の各相の振幅ピークに対して逆相となる交流成分を含んでいる目標電流を生成し、第2電圧コンバータの出力電流が目標電流に追従するように第2電圧コンバータの電圧比を調整する。コントローラは、第1電圧コンバータの低電圧端の電圧と高電圧端の電圧の比が目標電圧比に追従するように第1電圧コンバータを制御する。【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、電気自動車のモータ駆動装置に関する。特に、電源としてバッテリと燃料電池と、直流電力を走行用のモータを駆動するための三相交流電力に変換するインバータを備えている電気自動車において、インバータが出力する三相交流に起因するノイズを抑制する技術に関する。
電気自動車は、直流電力をモータ駆動に適した周波数の交流電力に変換するインバータを備える。インバータの直流端には平滑コンデンサが接続されている。インバータはスイッチング素子の動作により、直流電力を交流電力に変換する。インバータのスイッチング動作に起因するノイズ(リプル)が平滑コンデンサに出入りすると、平滑コンデンサが発熱する。そこで、インバータのスイッチング動作に起因するノイズを抑制する技術が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたモータ駆動装置は、バッテリの出力電力の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、昇圧後の直流電力を三相交流に変換する2個のインバータを備えている。特許文献1の技術は、2個のインバータのスイッチング素子に対する駆動信号を生成するのに用いるキャリア波の位相または周波数を調整して、スイッチング動作に伴うノイズを相殺する。
特開2004−187468号公報
インバータが発するノイズはスイッチング動作に伴うものだけではない。インバータが出力する三相交流に起因してもノイズが発生する。そのようなノイズは、インバータが出力する三相交流の周波数の6倍の周波数(6次ノイズ)を有している。本明細書は、インバータの6次ノイズを抑制する技術を提供する。特に、走行用のモータの電源としてバッテリと燃料電池を備える電気自動車の構造に適したノイズ抑制技術を提供する。
本明細書は、電気自動車のモータ駆動装置を開示する。本明細書が開示するモータ駆動装置は、バッテリ、燃料電池、インバータ、平滑コンデンサ、第1/第2電圧コンバータ、コントローラを備えている。インバータは、直流端に入力される直流を、走行用のモータを駆動する三相交流に変換する。平滑コンデンサは、インバータの直流端の正極と負極の間に接続されている。第1電圧コンバータは、バッテリと直流端との間に接続されており、バッテリの電圧を昇圧してインバータに供給する昇圧機能と、インバータが出力する回生電力の電圧を降圧してバッテリに供給する降圧機能を備えている。第2電圧コンバータは、燃料電池と直流端との間に接続されており、燃料電池の電圧を昇圧してインバータに供給する。
コントローラは、インバータが出力する三相交流の周波数の6倍の周波数の交流成分であって三相交流の各相の振幅ピークと逆相の交流成分を含んでいる目標電流を生成する。そして、コントローラは、第2電圧コンバータの出力電流が目標電流に追従するように第2電圧コンバータの電圧比を調整する。本明細書が開示するモータ駆動装置では、燃料電池の出力電圧を昇圧してインバータへ供給する第2電圧コンバータを目標電流に基づいて制御する。インバータが発生する6次ノイズをキャンセルするように、目標電流を生成する。一方、コントローラは、第1電圧コンバータに対しては、バッテリ側の電圧(低電圧端の電圧)とインバータ側の電圧(高電圧端の電圧)の比が目標電圧比に追従するように制御する。第1電圧コンバータで6次ノイズをキャンセルするが、その反動で第1電圧コンバータの出力電圧が変動してしまう。そこで、コントローラは、第1電圧コンバータの出力電圧が目標電圧(目標電圧比×バッテリの電圧)に追従するように制御する。本明細書が開示する技術は、第1電圧コンバータがいわゆる双方向DC−DCコンバータであることを利用する。すなわち、第2電圧コンバータを目標電流で制御することで6次ノイズをキャンセルし、第1電圧コンバータを目標電圧で制御することで、第2電圧コンバータの挙動に伴う電圧変動も抑制する。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例のモータ駆動装置を含む電気自動車の電力系の回路図である。 6次ノイズを説明する図である。 6次ノイズと目標電流と第2電圧コンバータの出力電圧の関係を示す図である。 第2電圧コンバータの変形例の回路図である。
図面を参照して実施例のモータ駆動装置2を説明する。モータ駆動装置2は、電気自動車100に搭載されている。図1に、モータ駆動装置2を含む電気自動車100の回路図を示す。
電気自動車100は、走行用の三相交流式のモータ70で走行する。モータ駆動装置2は、2種類の電源(バッテリ10と燃料電池20)を備えており、それら2個の電源の直流電力からモータ70を駆動するための三相交流電力を生成する。
走行用のモータ70の目標出力は運転者のアクセルワークに応じて機敏に変化する。一方、燃料電池20の出力応答の時定数は、モータ70の目標出力に変化に比べて長い。そこで、モータ駆動装置2では、モータ70の目標出力の変動の高帯域成分をバッテリ10で補う。モータ70の目標出力が急激に下がり、燃料電池20の出力電力が余るときには余剰の電力はバッテリ10の充電に使われる。
また、運転者がブレーキを踏んだとき、モータ70で発電する。発電で得た電力(回生電力)もバッテリ10で吸収する(すなわちバッテリ10を充電する)。
上記の電力収支を実現するため、モータ駆動装置2は、バッテリ10とインバータ30の間には、双方向DC−DCコンバータである第1電圧コンバータ40を備えており、燃料電池20とインバータ30の間には昇圧コンバータである第2電圧コンバータ50を備えている。
インバータ30について説明する。インバータ30は、直流端30a、30bに入力された直流電力を三相交流電力に変換するデバイスである。インバータ30は、6個のトランジスタ31と6個のダイオード32を備えている。6個のトランジスタ31は、2個ずつ直列に接続されており、3組の直列接続が直流端30a、30bの間に並列に接続されている。各トランジスタ31にダイオード32が逆並列に接続されている。
6個のトランジスタ31はコントローラ60によって制御される。図1の破線矢印線は信号線を表しているが、コントローラ60からトランジスタ31への信号線は図示を省略した。コントローラ60が6個のトランジスタ31を適宜にオンオフすると、2個のトランジスタの直列接続の中点から交流が出力される。よく知られているように、モータ70を駆動する三相交流は、互いに120度の位相がずれた3種類の交流で構成される。コントローラ60は、アクセル開度と車速から、モータ70の目標出力を決定し、その目標出力が実現されるように6個のトランジスタ31を駆動する。モータ70の目標出力には、インバータ30が出力する三相交流の周波数(目標周波数)が含まれる。インバータ30の交流端には三相各相の出力電流を計測する電流センサ4が備えられており、コントローラ60は、インバータ30の出力交流を電流センサ4によって取得し、取得した出力交流に基づいてトランジスタ31をフィードバック制御する。
モータ70は、運転者がブレーキを踏んだときには逆駆動されて発電する。インバータ30は、モータ70が発電した交流電力を直流電力に変換することもある。モータ70の逆駆動によって得られる電力は回生電力と呼ばれる。直流に変換された回生電力は直流端30a、30bから出力される。
第1電圧コンバータ40について説明する。第1電圧コンバータ40は、バッテリ10とインバータ30の間に接続されている。低電圧端48a、48bがバッテリ10に接続されており、高電圧端49a、49bがインバータ30の直流端30a、30bに接続されている。
第1電圧コンバータ40は、2個のトランジスタ43a、43b、2個のダイオード44、リアクトル42、フィルタコンデンサ41を備えている。フィルタコンデンサ41は、低電圧端の正極48aと負極48bの間に接続されている。2個のトランジスタ43a、43bは、高電圧端の正極49aと49bの間に直列に接続されている。トランジスタ43a、43bのそれぞれにダイオード44が逆並列に接続されている。リアクトル42の一端は低電圧端の正極48aに接続されており、他端は、2個のトランジスタ43a、43bの直列接続の中点に接続されている。
トランジスタ43a、43bもコントローラ60によって制御される。モータ70の目標出力には、電圧(目標電圧)が含まれており、コントローラ60は、バッテリ10の電圧と目標電圧から第1電圧コンバータ40の目標電圧比を決定する。コントローラ60は、低電圧端の正極48aと負極48bの間の電圧(バッテリ10の側の電圧)と高電圧端の正極49aと負極49bの間の電圧(インバータ30の側の電圧)の比が目標電圧比に追従するようにトランジスタ43a、43bを制御する。
第1電圧コンバータ40は、低電圧端48a、48bから高電圧端49a、49bへ向けて電圧を昇圧する昇圧機能と、高電圧端49a、49bから低電圧端48a、48bへ向けて電圧を降圧する降圧機能の両方を有する双方向DC−DCコンバータである。すなわち、第1電圧コンバータ40は、バッテリ10の出力電力の電圧を昇圧してインバータ30に供給することができる。また、第1電圧コンバータ40は、インバータ30から供給される回生電力の電圧を降圧してバッテリ10へ供給することができる。
高電圧端の正極49aの側に接続されたトランジスタ43aが降圧動作に関与し、負極49bの側に接続されたトランジスタ43bが昇圧動作に関与する。トランジスタ43a、43bは、所定のデューティ比を有するPWM信号(Pulse Width Modulation信号)で駆動される。コントローラ60は、目標電圧比に基づいてトランジスタ43bのデューティ比を決定する。コントローラ60は、トランジスタ43bに対する駆動信号の相補信号(すなわち、信号のHIGHレベルとLOWレベルを反転させた信号)を生成し、それをトランジスタ43aに対する駆動信号にする。
トランジスタ43a、43bのそれぞれに与える駆動信号を相補的な信号とすることで、低電圧端48a、48bと高電圧端49a、49bの電圧バランスに応じて昇圧動作と降圧動作が受動的に切り替えられる。すなわち、低電圧端48a、48bに対する高電圧端49a、49bの電圧の比(実際の電圧比)が目標電圧よりも低い場合は昇圧動作が実現され、バッテリ10の電力の電圧が昇圧されてインバータ30へ供給される。インバータ30は供給された直流電力を交流電力に変換してモータ70へ送る。すなわち、バッテリ10からモータ70へ電力が供給され、モータ70がトルクを出力する。
一方、インバータ30から回生電力が出力されると、実際の電圧比が目標電圧比を上回る。そうすると、降圧動作が実現し、回生電力の電圧が降圧されてバッテリ10へ供給される。すなわち、回生電力でバッテリ10が充電される。
第2電圧コンバータ50について説明する。第2電圧コンバータ50は、燃料電池20とインバータ30の間に接続されている。低電圧端58a、58bが燃料電池20に接続されており、高電圧端59a、59bがインバータ30の直流端30a、30bに接続されている。第2電圧コンバータ50は、燃料電池20が出力する電力の電圧を昇圧してインバータ30へ供給する昇圧コンバータである。
第2電圧コンバータ50は、トランジスタ53、ツェナーダイオード54、リアクトル52、フィルタコンデンサ51を備えている。フィルタコンデンサ51は、低電圧端の正極58aと負極58bの間に接続されている。リアクトル52の一端が低電圧端の正極58aに接続されており、他端はツェナーダイオード54のアノードに接続されている。ツェナーダイオード54のカソードは高電圧端の正極59aに接続されている。リアクトル52とツェナーダイオード54の直列接続の中点と高電圧端の負極59bの間にトランジスタ53が接続されている。高電圧端の負極59bと低電圧端の負極58bは直接に接続されている。
トランジスタ53もコントローラ60によって制御される。第2電圧コンバータ50は昇圧コンバータであり、トランジスタ53をオンオフするタイミング(デューティ比)を変えることで、昇圧比が変化する。先に述べたように、コントローラ60は、第1電圧コンバータ40の実際の電圧比が目標電圧比に追従するようにトランジスタ43a、43bを制御する。第2電圧コンバータ50の場合、出力電流を計測する電流センサ5を備えており、コントローラ60は、第2電圧コンバータ50の目標電流を定め、第2電圧コンバータ50の出力電流が目標電流に追従するように、トランジスタ53を制御する。ツェナーダイオード54は、高電圧端の正極59aから低電圧端の正極58aへ電流が逆流することを阻止するために挿入されている。
第2電圧コンバータ50の目標電流は、モータ70の目標出力から定まる。コントローラ60は、モータ70の目標出力(目標電力)を目標電圧と目標電流に分け、目標電圧から第1電圧コンバータ40の目標電圧比を定め、目標電流に基づいて第2電圧コンバータ50を制御する。なお、目標電流には直流成分と交流成分を含んでいる。目標電流の直流成分は、モータ70の目標出力から定まる。目標電流の交流成分については後述する。
コントローラ60は、第2電圧コンバータ50の出力電流(電流センサ5の計測値)が目標電流に追従するようにトランジスタ53を制御する。具体的には、電流センサ5の計測値が目標電流よりも低ければ、トランジスタ53への駆動信号のデューティ比を大きくする。逆に、電流センサ5の計測値が目標電流よりも高ければ、トランジスタ53への駆動信号のデューティ比を小さくする。
ところで、燃料電池20は、水素と酸素の反応により電力を生成する。それゆえ、燃料電池20の出力電流の応答速度はモータ70に要求される応答速度よりも低い。別言すれば、燃料電池20の出力の応答帯域は、モータ70に要求される応答帯域よりも低い。一方、バッテリ10の出力は、モータ70に要求される応答速度で変化することができる。そこで、モータ駆動装置2では、モータ70の目標出力のうち、低周波成分は燃料電池20で賄い、高周波成分はバッテリ10で補完する。
先に述べたように、バッテリ10に接続されている第1電圧コンバータ40は双方向DC−DC電圧コンバータである。燃料電池20の出力電流がモータ70の目標出力から定まる目標電流に満たない場合は、第1電圧コンバータ40が昇圧動作を行い、バッテリ10から電力が供給される。燃料電池20の出力電流がモータ70の目標出力から定まる目標電流を上回る場合は、第1電圧コンバータ40が降圧動作を行い、余剰の電力でバッテリ10が充電される。第2電圧コンバータ50のトランジスタ53を目標電流に基づいて制御し、第1電圧コンバータ40のトランジスタ43a、43bを目標電圧比に基づいて制御することで、第1電圧コンバータ40は、燃料電池20の出力電流を補完するように昇圧と降圧が受動的に切り替わる。
ここから、6次ノイズの抑制について説明する。インバータ30の直流端の正極30aと負極30bの間には、平滑コンデンサ3が接続されている。平滑コンデンサ3は、インバータ30に供給される電力の電圧/電流を一定に保つ役割を担う。別言すれば、平滑コンデンサ3は、インバータ30(および、第1電圧コンバータ40、第2電圧コンバータ50)のトランジスタが発するノイズに起因する電圧/電流の脈動を抑える。
平滑コンデンサ3に出入りする電流の脈動が大きいと、平滑コンデンサ3が発熱する。実施例のモータ駆動装置2では、第2電圧コンバータ50を使って平滑コンデンサ3に出入りする脈動電流(ノイズ)を抑える。モータ駆動装置2では、第2電圧コンバータ50が目標電流を実現するように制御されるという特徴を活用してノイズを抑える。そして、第2電圧コンバータ50がノイズを抑える反動で生じる電圧変動を、第1電圧コンバータ40を目標電圧比が実現するように制御することで抑える。
平滑コンデンサ3に出入りする脈動電流を抑制するメカニズムについて説明する前に、平滑コンデンサ3に出入りするノイズ電流について説明する。
インバータ30は、出力交流の周波数の6倍の周波数の脈動電流(6次ノイズ)を発生する。図2を参照しつつ6次ノイズが発生する理由を説明する。
図2(A)は、インバータ30が出力する三相交流を位相で表したグラフである。理解を助けるため、図2では、正弦波を三角波で模式的に表してある。図2の横軸は位相を示しており、縦軸は電流を示している。U相、V相、W相それぞれ相互の位相差は120度である。
ノイズ電流は振幅のピークで表れるので、各相の波のボトムもノイズ電流のピークとなる。それゆえ、ノイズ電流の波は、図2(A)の縦軸のマイナス側をプラス側に折り返したグラフとなる(図2(B))。図2(C)は、図2(B)のノイズ電流の成分だけを示したグラフである。ノイズ電流の1周期は、インバータ30の出力交流における60度の位相に相当する。すなわち、ノイズ電流の周期は出力交流の周期の1/6となる。別言すれば、ノイズ電流の周波数は、インバータ30の出力交流の周波数の6倍となる。図3(C)に示す電流波形が6次ノイズである。
図2(C)に示した6次ノイズが平滑コンデンサ3に加わると、平滑コンデンサ3が発熱する。図2(C)に示した6次ノイズに対して逆相の電流を平滑コンデンサ3に供給できれば、6次ノイズが相殺され、平滑コンデンサ3の発熱を抑えられる。図2から理解されるように、図2(C)の6次ノイズに対して逆相となるのは、三相交流の周波数の6倍の周波数を有する交流成分であって、各相の振幅ピークに対して逆相となる交流成分である、と表現することができる。
実施例のモータ駆動装置2では、第2電圧コンバータ50が、目標値を電流で与える電流制御型であることに着目する。すなわち、コントローラ60は、インバータ30が出力する三相交流の周波数の6倍の周波数の交流成分であって三相交流の各相の振幅ピークに対して逆相となる交流成分を有する目標電流を生成する。なお、目標電流の直流成分は、先に述べたように、モータ70に要求される電力(目標電力)から決定される。そして、コントローラ60は、第2電圧コンバータ50の出力電流が目標電流に追従するように第2電圧コンバータ50の電圧比を調整する。
なお、インバータ30は、モータ70の目標出力に含まれる周波数(目標周波数)の交流を出力するように制御されるから、第2電圧コンバータ50の目標電流に含まれるべき交流成分の位相もインバータ30の目標周波数と同時に決定される。それゆえ、コントローラ60は、第2電圧コンバータ50のトランジスタ53に与える駆動信号(PWM信号)のデューティ比を目標電流の交流成分に応じて周期的に変化させることで、6次ノイズをキャンセルする交流成分を有する電流を第2電圧コンバータ50から出力させることができる。すなわち、コントローラ60は、第2電圧コンバータ50の出力電流が目標電流に追従するように第2電圧コンバータ50の電圧比を調整するのであるが、その制御はフィードフォワード的に実施されてもよい。別言すれば、コントローラ60は、第2電圧コンバータ50のトランジスタ53を駆動するPWM信号のデューティ比を目標電流の交流成分に基づいて周期的に変化させることで、6次ノイズをキャンセルする交流成分を含む電流を第2電圧コンバータ50から出力させることができる。
図3(A)に、6次ノイズと目標電流の関係を示し、図3(B)に、第2電圧コンバータ50の出力電圧の変化を示す。図3の横軸は時間を示している。図3(A)の縦軸は電流を示しており、図3(B)の縦軸は電圧を示している。グラフG1は6次ノイズを示しており、グラフG2は、第2電圧コンバータ50の目標電流を示している。目標電流(グラフG2)は、直流成分Idcと、振幅dIの交流成分を含んでいる。交流成分の周波数は6次ノイズと同じ、すなわち、インバータ30の出力交流の6倍の周波数である。直流成分Idcは、先に述べたように、モータ70の目標出力から決定される。
目標電流(グラフG2)を実現するため、コントローラ60は、6次ノイズと同じ周波数でデューティ比が周期的に変動する駆動信号(PWM信号)を生成し、第2電圧コンバータ50のトランジスタ53に供給する。そうすると、図3(B)のグラフG3に示すような電圧変動が第2電圧コンバータ50の高電圧端59a、59bに表れる。なお、先に述べたように、インバータ30が出力する三相交流の各相の振幅ピークに対して逆相となる交流成分を有するようにトランジスタ53の駆動信号が生成される。それゆえ、例えば時刻T1において、6次ノイズはボトムとなるが、目標電流の交流成分と電圧変動はピークとなる。電圧変動(グラフG3)の直流成分Vdcは、目標電流の直流成分Idcに対応した値となる。
なお、電圧変動の交流成分の振幅dV、目標電流の交流成分の振幅dIは、解析やシミュレーションの結果に基づいて予め定められる。
モータ70に与える三相交流の周波数は最大で概ね1[kHz]程度である。従って6次ノイズの周波数も最大で6[kHz]程度である。第2電圧コンバータ50で実現すべきで電圧変動も最大で6[kHz]程度である。デジタル回路理論では、回路のサンプリング周波数は、実現すべき信号の周波数の20倍程度以上であることが望まれる。従って、第2電圧コンバータ50のトランジスタ53には、120[kHz]程度以上の応答速度が要求される。トランジスタ53の駆動信号を生成するときに用いるキャリア信号の周波数は数[MHz]から数十[MHz]程度であるから、第2電圧コンバータ50は、6次ノイズをキャンセルするには十分な応答速度を有する。
(変形例)第2電圧コンバータ50の変形例を説明する。先に述べたように、第2電圧コンバータに要求される応答速度は120[kHz]程度であり、通常の電圧コンバータで十分に実現可能である。ただし、第2電圧コンバータが有するトランジスタの動作速度を抑えて負荷を軽減することは有効である。そこで、図4に示すように、第2電圧コンバータの変形例(第2電圧コンバータ150)として、複数の電圧コンバータ回路50a、50b、50c、50dが並列に接続されているタイプを採用してもよい。複数の電圧コンバータ回路50a−50dは、いずれも先の第2電圧コンバータ50と同様に、トランジスタ53、ツェナーダイオード54、リアクトル52を備えている。また、4個の電圧コンバータ回路50a−50dは、共用のフィルタコンデンサ51を備えている。
第2電圧コンバータ150は、低電圧端158a、158bが燃料電池20に接続され、高電圧端159a、159bがインバータ30の直流端30a、30bに接続される。第2電圧コンバータ150は、燃料電池20の出力電力の電圧を昇圧してインバータ30に供給することができる。
また、4個の電圧コンバータ回路50a−50dを有する第2電圧コンバータ150では、それぞれの電圧コンバータ回路50a−50dの目標電圧比を、6次ノイズの4周期に1回の割合で位相をずらして変化させる。そうすることで、6次ノイズをキャンセルする電流を出力することができる。すなわち、複数の電圧コンバータを並列に接続することで、第2電圧コンバータのトランジスタの応答帯域を下げることができる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。第1電圧コンバータ40は、2個のトランジスタ43a、43bの直列接続を含むチョッパタイプの双方向DC−DCコンバータである。第2電圧コンバータ50(150)も、トランジスタのオンオフによって電圧を昇圧するチョッパタイプの電圧コンバータである。電圧変換用のトランジスタは、パワートランジスタとも呼ばれる。
第2電圧コンバータの目標電流の直流成分と、第1電圧コンバータ40の目標電圧比は、モータ70の目標出力に基づいて決定される。モータ70の目標出力を目標電圧と目標電流に分解し、目標電圧とバッテリ10の出力電圧から目標電圧比が決定される。目標電流の直流成分は、モータ70の目標電流(三相交流)の実効電流値から決定される。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:モータ駆動装置 3:平滑コンデンサ 4、5:電流センサ 10:バッテリ 20:燃料電池 30:インバータ 31、43a、43b、53:トランジスタ 32、44:ダイオード 40:第1電圧コンバータ 41、51:フィルタコンデンサ 42、52:リアクトル 50、150:第2電圧コンバータ 50a−50d:電圧コンバータ回路 54:ツェナーダイオード 60:コントローラ 70:モータ 100:電気自動車

Claims (3)

  1. バッテリと、
    直流端に入力される直流を、走行用のモータを駆動する三相交流に変換するインバータと、
    前記直流端の正極と負極の間に接続されている平滑コンデンサと、
    前記バッテリと前記直流端との間に接続されており、前記バッテリの電圧を昇圧して前記インバータに供給する昇圧機能と、前記インバータが出力する回生電力の電圧を降圧して前記バッテリに供給する降圧機能を備えている第1電圧コンバータと、
    燃料電池と、
    前記燃料電池と前記直流端との間に接続されており、前記燃料電池の電圧を昇圧して前記インバータに供給する第2電圧コンバータと、
    コントローラと、
    を備えており、
    前記コントローラは、
    前記インバータが出力する前記三相交流の周波数の6倍の周波数の交流成分であって三相交流の各相の振幅ピークに対して逆相となる交流成分を含んでいる目標電流を生成し、
    第2電圧コンバータの出力電流が前記目標電流に追従するように第2電圧コンバータの電圧比を調整し、
    前記第1電圧コンバータの低電圧端の電圧と高電圧端の電圧の比が目標電圧比に追従するように前記第1電圧コンバータを制御する、
    電気自動車のモータ駆動装置。
  2. 前記第2電圧コンバータは、複数の電圧コンバータ回路が並列に接続されている多相型の電圧コンバータである、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記目標電圧比と前記目標電流の直流成分は、前記モータの目標出力に基づいて決定される、請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
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