JP2020202711A - 電力変換装置、制御方法、及び車両 - Google Patents

電力変換装置、制御方法、及び車両 Download PDF

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Abstract

【課題】入力電圧が変動した場合であっても、十分なリプル低減効果を得て、一定の電圧出力を可能にする電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置250は、入力電圧Vinを所定の直流電圧に調整して出力する電圧調整回路と、電圧調整回路の出力を受けるように接続された、インターリーブ動作を行う電力変換回路264と、を含む。電圧調整回路に、電圧調整用の昇圧チョッパ回路262が用いられる。昇圧チョッパ回路262は電力変換回路264への入力電圧を適切な電圧に維持する。電力変換回路264は、並列に接続された2つのDC‐DCコンバータ300及び302を含む。DC‐DCコンバータ300及び302は、180度の位相差を持つように駆動される。【選択図】図5

Description

この開示は、電力変換装置、制御方法、及び車両に関する。
直流電力の電圧を変換する電力変換装置として、並列に接続された複数のDC−DC変換部(DC−DCコンバータ)を備えた電力変換装置が提案されている。こうした構成をとる目的は、変換の対象となる直流電力の低電圧化及び大電流化に伴う変換効率の低下を防ぐためである。
一般に、電力変換装置においては、出力のリプル電流によって、出力の平滑化に用いられるコンデンサにおける実効電流が大きくなり、電力の損失が生ずる。並列に接続された複数のDC−DC変換部を含む電力変換装置においてそうした電力損失を低減化するための技術が後掲の特許文献1において提案されている。
特許文献1に開示された電力変換装置は、並列接続された2つのDC−DC変換部と、これらDC−DC変換部のスイッチング素子に対するPWM制御のための駆動信号の位相差が180°となるように、DC−DC変換部をインターリーブ制御する制御部とを含む。
2つのDC−DC変換部内の各スイッチング素子のデューティ サイクル(Duty Cycle:デューティ比。以下単に「デューティ」という。)が50%で、互いの位相差が180°となるようにこれらがインターリーブ動作することにより、それらの出力に含まれるリプル電流が相殺される。その結果、その合計である電力変換装置の出力リプル電流が抑制され、リプル電流による電力損失が防止できる。
特開2015−56912号公報
しかし、上記の電力変換装置の場合、何らかの要因によって制御部によりデューティ比が変化すると、十分なリプル低減効果が得られず、出力電圧を一定に保つことができなくなる恐れがある。例えば入力電圧が変化すると、出力電圧を一定に保つためにDC−DC変換部の内部のスイッチング素子のデューティが変化する。スイッチング素子のデューティが50%からはずれると、電力変換装置の出力のリプル電流が変化し、平滑化のためのコンデンサの実効電流も変化する。そのために、条件によってはリプル電流の低減効果が少なくなり、電力の損失が発生する可能性がある。さらに、電力変換装置の出力のリプル成分が、電力の提供を受ける装置に対するノイズとなる可能性もある。そのような可能性は避けることが好ましい。
そこで、この開示は、入力電圧が変動しても、十分なリプル低減効果を維持できる電力変換装置及びその制御方法、並びにそうした電力変換装置を搭載した車両を提供することを目的とする。
この開示の第1の局面に係る電力変換装置は、入力電圧を所定の直流電圧に調整して出力する電圧調整回路と、電圧調整回路の出力を受けるように接続され、インターリーブ動作を行う電力変換回路とを含む。
この開示の第2の局面に係る制御方法は、インターリーブ動作を行う電力変換回路を含む電力変換装置の制御方法であって、入力電圧を所定の直流電圧に調整するステップと、所定の直流電圧を電力変換回路に入力するステップと、入力された所定の直流電圧を変換して出力するよう電力変換装置をインターリーブ制御するステップとを含む。
この開示の第3の局面に係る車両は、蓄電装置と、蓄電装置から電力が供給される、上記第1の局面に係る電力変換装置と、電力変換装置で変換された電力が供給される負荷とを含む。
この開示によれば、入力電圧が変動しても、十分なリプル低減効果を維持できる電力変換装置及びその制御方法、並びにそうした電力変換装置を搭載した車両を提供できる。
図1は、従来の電力変換装置の一例を示す回路図である。 図2は、デューティと出力リプル電流振幅との関係を示す図である。 図3は、デューティ=0.5の時に、各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流、及び、出力リプル電流の時間的変化を示す図である。 図4は、デューティ=0.7の時に、各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流、及び、出力リプル電流の時間的変化を示す図である。 図5は、この開示に係る電力変換装置の一例を示す回路図である。 図6は、図5に示すDC−DCコンバータを説明する回路図である。 図7は、この開示に係る他の電力変換装置の一例を示す回路図である。 図8は、図7に示すDC−DCコンバータを説明する回路図である。 図9は、この開示に係るさらに他の電力変換装置の一例を示す回路図である。 図10は、図9に示すDC−DCコンバータを説明する回路図である。 図11は、この開示に係るさらに他の電力変換装置の一例を示す回路図である。 図12は、図11に示すDC−DCコンバータを説明する回路図である。 図13は、この開示に係るさらに他の電力変換装置の一例を示す回路図である。 図14は、図13に示すような3つのDC−DCコンバータを用いた3相インターリーブ構成において、デューティ=2/3の時に、各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流、及び、出力リプル電流の時間的変化を示す図である。 図15は、図13に示すような3つのDC−DCコンバータを用いた3相インターリーブ構成において、デューティ=0.6の時に、各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流、及び、出力リプル電流の時間的変化を示す図である。 図16は、4つのDC−DCコンバータを用いた4相インターリーブ構成において、デューティ=3/4の時に、各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流、及び、出力リプル電流の時間的変化を示す図である。 図17は、4つのDC−DCコンバータを用いた3相インターリーブ構成において、デューティ=0.6の時に、各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流、及び、出力リプル電流の時間的変化を示す図である。 図18は、この開示の各実施形態に係る電力変換装置を搭載する、この開示の第1の実施形態に係る車両の概略構成を模式的に示す図である。
[この開示の実施の形態の説明]
以下の説明及び図面では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。なお、以下の開示の少なくとも一部を任意に組合せても良い。
(1)この開示の第1の局面に係る電力変換装置は、入力電圧を所定の直流電圧に調整して出力する電圧調整回路と、電圧調整回路の出力を受けるように接続された、インターリーブ構成を持つ電力変換回路とを含む。
インターリーブ方式の電力変換回路に入力される電圧を、電圧調整回路において所定の電圧にあらかじめ調整しておくことにより、入力電圧が変動しても、十分なリプル低減効果を得て、一定の電圧出力を得ることができる。その結果、出力のリプル成分による電力損失及びノイズの発生を低減できる。
(2)好ましくは、電力変換回路は、互いに並列に接続された複数のDC−DCコンバータを持ち、複数のDC−DCコンバータを、所定の位相差を持ち、かつあらかじめ定められたデューティ比の駆動信号でそれぞれ動作させる制御部をさらに含む。
複数のDC−DCコンバータがインターリーブ回路を構成するように並列接続し、それらを所定の位相差を持ち、かつ固定されたデューティ比の駆動信号で動作させることにより、電力変換回路において各DC−DCコンバータの出力に発生するリプル電流を相殺させることができる。そのため出力リプル電流を実質的に0にして、出力電圧を一定に保つことができる。その結果、出力のリプル成分による電力損失及びノイズの発生を低減できる。
(3)より好ましくは、制御部はさらに、入力電圧の変動に対して、電力変換回路に入力される電圧が一定となるよう電圧調整回路を制御する。
電力変換回路への入力電圧が一定となるため、電力変換回路のスイッチング素子をデューティが一定の駆動信号で駆動できる。電力変換回路を構成する複数のDC−DCコンバータのリプル成分を容易に相殺でき、出力電圧を一定にできる。その結果、リプル成分による電力損失とノイズの発生を予防できる。
(4)さらに好ましくは、電力変換回路は変圧器を含み、制御部は、変圧器の巻数比、電力変換回路の出力電圧、及び複数のDC−DCコンバータを駆動するデューティ比に基づいて算出される電圧を所定の直流電圧として出力するよう電圧調整回路を制御する。
(5)より好ましくは、電力変換回路は、互いに並列に接続された2個のDC−DCコンバータを持ち、制御部は、2個のDC−DCコンバータを180度±5度の範囲内の位相差で動作させる。
2個のDC−DCコンバータへの入力電圧を電圧調整回路により一定とし、これらDC−DCコンバータが180度±5度の範囲内の位相差を持って動作するようなインターリーブ構成を採用する。2個のDC−DCコンバータへの入力電圧を一定とすることで、それらの内部のスイッチング素子のデューティを適切な値に設定して互いの出力のリプル電流を相殺させることができる。その結果、電力変換回路の出力のリプル成分による電力損失及びノイズの発生を防止できる。
(6)さらに好ましくは、制御部は2個のDC−DCコンバータの双方を、0.5±0.05のデューティ比の駆動信号で駆動する。
2つのDC−DCコンバータを含む電力変換回路において、DC−DCコンバータへの入力電圧を電圧調整回路により一定とし、これらDC−DCコンバータが180度の位相差を持って動作するようなインターリーブ構成を採用する。2個のDC−DCコンバータへの入力電圧を一定とすることで、それらの内部のスイッチング素子のデューティを0.5を中心とする所定の範囲に設定して駆動することにより、互いの出力のリプル成分による電力損失及びノイズの発生を防止できる。電力変換回路においてそれぞれのDC−DCコンバータを効率よく動作させ、関連する回路へのノイズの悪影響を防止できる。
(7)さらに好ましくは、制御部は、インターリーブの相数をnとした場合に、複数のDC−DCコンバータを、m/n、ただしmは1からn−1の範囲の整数、のデューティ比の駆動信号でそれぞれ動作させる。
n相でインターリーブ動作する複数のDC−DCコンバータをいずれもm/nのデューティ比で動作させることにより、DC−DCコンバータの出力のリプル成分を容易に相殺させることができる。その結果、複数のDC−DCコンバータの出力のリプル成分による電力損失及びノイズの発生を防止できる。
(8)好ましくは、所定の位相差は、360度を複数のDC−DCコンバータの数で除算した値を基準として定められた位相差である。
複数のDC−DCコンバータの位相差をこのように定めることにより、DC−DCコンバータの出力のリプル成分をこれらの間で相殺させることができる。その結果、複数のDC−DCコンバータの出力のリプル成分による電力損失及びノイズの発生を防止できる。
(9)より好ましくは、所定の位相差は、360度を複数のDC−DCコンバータの数で除算した値を基準とし、その±5度の範囲内の位相差である。このように基準を中心とした所定範囲内の位相差を用いることで、複数のDC−DCコンバータの出力のリプル成分の発生を抑制し、電力損失及びノイズの発生を防止できる。
(10)さらに好ましくは、電圧調整回路はチョッパ回路を含む。
チョッパ回路という単純な構成の回路を複数のDC−DCコンバータの前段に配置することで、DC−DCコンバータ内のスイッチング素子をあらかじめ定めたデューティ比で動作させることができる。そのため、DC−DCコンバータを互いの出力のりブル成分が相殺されるように効率よく動作させられる。その結果、電力変換回路の出力からリプル成分を排除でき、電力損失及びノイズの発生を防止できる。
(11)本発明の第2の局面に係る制御方法は、インターリーブ動作を行う電力変換回路を含む電力変換装置の制御方法であって、入力電圧を所定の直流電圧に調整するステップと、所定の直流電圧を電力変換回路に入力するステップと、入力された所定の直流電圧を変換して出力するよう電力変換装置をインターリーブ制御するステップとを含む。
インターリーブ方式の電力変換回路に入力される電圧を所定の電圧にあらかじめ調整しておくことにより、入力電圧が変動しても、十分なリプル低減効果を得て、一定の出力電圧を得ることができる。その結果、出力のリプル成分による電力損失及びノイズの発生を低減できる。
(12)この開示の第2の局面に係る車両は、(1)〜(11)のいずれかに記載の電力変換装置を搭載した車両である。
車両に上記した電力変換装置が搭載されていることにより、電力変換に伴う電力損失及びノイズの発生を防ぎながら、各種機器に必要な電圧を一定に保って供給でき、車両に搭載されたほかの機器へのノイズによる悪影響を防止できる。
[この開示の詳細]
本開示の電力変換装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
(従来の電力変換装置)
この開示の電力変換装置についての理解の前提として、従来の電力変換装置について説明する。
図1は、特許文献1に記載された従来の電力変換装置100を示す回路図である。電力変換装置100は、入力と出力との間に並列接続された2つのDC−DCコンバータ114及び116を含む。
DC−DCコンバータ114、116の各々は、直流電源110の両端子の間に接続されたコンデンサ112と、トランス142と、トランス142の一次側に接続されたスイッチング回路部140と、トランス142の二次側に接続された整流回路部144とを含む。整流回路部144の出力側には、コイル(チョークコイル)が接続されている。
DC−DCコンバータ114及び116の出力のプラス側は互いに接続され、マイナス側も互いに出力されて電力変換装置100の出力となる。DC−DCコンバータ114及び116の出力の接続ノードと接地電位との間にはコンデンサ118が接続され、さらにこの接続ノードと出力端子126の間には、コイル120が設けられ、出力端子126と接地電位との間には平滑コンデンサ122が設けられている。
スイッチング回路部140は、4つのスイッチング素子を用いたフルブリッジ型のスイッチング回路である。DC−DCコンバータ114及び116の各々のスイッチング回路部140の4つのスイッチング素子を所定の位相差をもってPWM制御することにより、DC−DCコンバータ114及び116はインターリーブ動作する。
2つのDC−DCコンバータ114及び116の出力に含まれるリプル電流はそれぞれのデューティによって決定され、2つのリプル電流の合計によって電力変換装置100の出力リプル電流振幅が決定される。そのため、スイッチング回路部140の中のスイッチング素子のデューティをいずれも50%に固定し、DC−DCコンバータ114及び116のスイッチング素子の駆動信号が180°の位相差を持つように各スイッチング素子を駆動することにより、DC−DCコンバータ114及び116がインターリーブ動作する。その結果、双方の出力リプル電流振幅が相殺され、リプル電流の合計が0となる。したがって出力端子126からの出力電圧を一定に保ち、出力電流のリプル成分を実質的に0に維持し、平滑コンデンサにおける実効電流による電力損失をなくすことができる。
しかし、図1に示した電力変換装置では、出力電圧を固定値で動作させる場合、直流電源110からの入力電圧が変動すると、出力電圧を一定に保つために制御部がデューティを変化させる。これにより、出力リプル電流振幅が変化することがある。
以下、この出力リプル電流振幅の変化について説明する。図2は、このデューティと出力リプル電流振幅との関係を示す図である。図2において、横軸はデューティ、縦軸は出力リプル電流振幅である。図において実線により示されるグラフ200はインターリーブ制御しない単一のDC−DCコンバータによる単相動作におけるデューティに対する出力リプル電流振幅の変化を示す。図において破線により示されるグラフ202は2つのDC−DCコンバータを互いに180度の位相差を持ってインターリーブ制御した2相インターリーブ動作時における、デューティに対する出力リプル電流振幅の変化を示す。なお、図2においては、DC−DCコンバータの出力電圧は固定とし、入力電圧を可変とする場合を想定している。
図3及び図4は、それぞれ、2相インターリーブにおいて、デューティ=0.5(50%)のとき(図2の領域210)、及びデューティ=0.7(70%)のとき(図2の領域212)に、各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流、及び、出力リプル電流の時間的変化をそれぞれ示す。図3及び図4において、横軸は時間を、縦軸はリプル電流振幅を、それぞれ示す。
図3を参照して、デューティ=0.5の時には、2つのDC−DCコンバータの動作が180°の位相差を持つため、両者の波形がリプル電流振幅=0となる線を中心に対称となる。以下の説明では、2つのDC−DCコンバータのうちの一方を第1のDC−DCコンバータ、他方を第2のDC−DCコンバータとする。すると、第1のDC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流I1(図中の実線)と、第2のDC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流I2(図中の破線)とが実質的に完全に相殺され、合計である出力リプル電流I’(一点鎖線のグラフ220)が0となる。
これに対して、図4を参照して、デューティ=0.7の時には、第1のDC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流I1と、第2のDC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流I2の形状が対称とならない。そのため、リプル電流のかなりの部分が相殺されず、合計である出力リプル電流I’(グラフ222)がリプルを含む。その結果、出力平滑コンデンサでの電力損失が発生する。
このように、従来の電力変換装置の場合、入力電圧が変動すると、デューティが変化して出力リプル電流が変化する。そのため、十分なリプル低減効果が得られず、出力電圧を一定に保つことができなくなる。その結果、電力損失及びノイズが生ずる恐れがある。
(第1の実施の形態)
次に、第1の実施の形態に係る電力変換装置について具体的に説明する。
第1の実施の形態では、上記した出力リプル電流の変化を抑制するために、2つのDC−DCコンバータの前段に、入力電圧を所定の直流電圧に調整してこれらDC−DCコンバータに出力する電圧調整回路が設けられている。この実施の形態では、電圧調整回路に、電圧調整用の昇圧チョッパ回路が用いられている。この昇圧チョッパ回路によって各DC−DCコンバータに入力される電圧が変動してもDC−DCコンバータへの入力電圧を適切な電圧に維持する。一方で、各DC−DCコンバータ内のスイッチング回路のスイッチング素子を常時デューティ=0.5で、かつ2つのDC−DCコンバータ内のスイッチング素子の駆動信号が180度の位相差を持つように駆動する。
このようにすることで、入力電圧が変動した場合でも、昇圧チョッパにより2つのDC−DCコンバータへの入力電圧が調整されるため、各DC−DCコンバータ内のスイッチング素子のデューティを最も効率がよく、かつ互いのリプルが相殺される状態でインターリーブ動作させることができる。その結果、電力変換装置の出力電圧を常に一定に保ち、リプル電流も抑えて電力損失及びノイズの発生を抑制できる。
《構成》
図5は、第1の実施の形態に係る電力変換装置の一例を示す回路図である。図6は、図5に示すDC−DCコンバータ300及び302を説明する回路図である。なお、2つのDC−DCコンバータ300、302は、基本的に同じ構成であるため、図6には、DC−DCコンバータ300のみを示している。
図5を参照して、第1の実施の形態に係る電力変換装置250は、直流電源260に接続された電圧調整回路である昇圧チョッパ回路262と、昇圧チョッパ回路262の出力側に接続された電力変換回路264と、昇圧チョッパ回路262の出力側の電圧Vin´を検出するための電圧センサ218と、電圧センサ218の出力と、電力変換回路264の出力電圧Voutとを受けて、電力変換回路264の出力電圧Voutが一定となるように昇圧チョッパ回路262と電力変換回路264とを制御する制御部268とを含む。電力変換回路264の出力側には負荷266が接続されている。
電力変換回路264は、いずれも昇圧チョッパ回路262の出力に接続された入力を持つ、互いに並列に接続された2つのDC−DCコンバータ300及び302を含む。DC−DCコンバータ300及び302の各々の2つの出力線のうち、互いに対応する出力線は接続されて電力変換回路264の2つの出力となり、負荷266の両端にそれぞれ接続される。電力変換回路264はさらに、DC−DCコンバータ300及び302からの2本の出力線の間に接続された平滑コンデンサ304を含む。
昇圧チョッパ回路262は典型的な昇圧チョッパ回路であり、直流電源260の両端子の間に接続されたコンデンサ280と、昇圧チョッパ回路262の2本の出力線の間に接続されたコンデンサ290と、一端が直流電源260のプラス端子に接続されたコイル282と、コイル282の他端にドレイン電極が接続され、直流電源260のマイナス端子にソース電極が接続されたスイッチング素子であるMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)288と、コイル282の他端にソース電極が接続され、昇圧チョッパ回路262のプラス側の出力線にドレイン電極が接続されたスイッチング素子であるMOSFET284とを含む。制御部268はMOSFET284及び288をデューティ(D1)でPWM(Pulse Width Modulation)制御する。その際、制御部268は、昇圧チョッパ回路262への入力電圧の変動に対して、出力側の電圧Vin´が一定となるようデューティ(D1)を制御する。
前記したように、DC−DCコンバータ300及び302は同じ構成を持つ。図6を参照して、例えばDC−DCコンバータ300は、フルブリッジ式DC−DCコンバータであって、昇圧チョッパ回路262の出力端にそれぞれ接続される、プラス極性及びマイナス極性の2本の入力線の間に接続されたコンデンサと、この2本の入力線に接続されたフルブリッジ回路310と、フルブリッジ回路310内のスイッチング素子であるMOSFETの2つの接続ノードにそれぞれ接続された一次側巻線を持つトランス312と、トランス312の二次側巻線に接続された両波整流回路314とを含む。トランス312の巻数比はここでは1:N(固定値)であるものとする。
再び図5を参照して、制御部268は、昇圧チョッパ回路262への入力電圧Vinの変動に対して出力電圧Vin´が一定となるよう、Vin´の値にしたがって昇圧チョッパ回路262内のMOSFET284及び286の駆動信号のデューティD1を制御する。制御部268はまた、DC−DCコンバータ300及び302のスイッチング素子のデューティD2を0.5(50%)に固定している。この構成により、直流電源260からの入力電圧Vinが変動した場合でも、昇圧チョッパ回路262からの出力電圧Vin’が一定に保たれ、DC−DCコンバータ300及び302の各スイッチング素子のデューティD2を0.5に固定しても、DC−DCコンバータ300及び302の出力に含まれるリプル電流を実質的に相殺できる。そのため、平滑コンデンサ304における実効電流の値を低減しながら、Voutを一定に保つことができる。その結果、電力変換装置250の出力のリプル成分は実質的に0となる。リプル成分による電力損失を低減し、ノイズの発生を防止できる。
昇圧チョッパ回路262への入力電圧Vinとそのスイッチング素子のデューティ(D1)との間には以下の関係がある。
Vin´=Vin(1−D1)
また、電力変換回路264への入力電圧Vin´及びこれらの出力電圧Vout、これらの内部のスイッチング素子のデューティ(D2)、並びにトランス312の巻数比Nとの間には以下の関係がある。
Vout=Vin´*N*D2
したがって、この実施の形態では、電力変換装置250への入力電圧Vin及び出力電圧Vout、及びデューティD1及びD2の間の関係は以下のようになる。
Vout=Vin*N*D2/(1−D1)
以上の式から、逆にDC−DCコンバータ300及び302への入力電圧Vin´は以下の式により定められる。
Vin´=Vin(1−D1)
=Vout(1−D1)/(N*D2)*(1−D1)
=Vout/(N*D2)
リプル電流が0となるときのデューティD2=0.5を代入して
Vin´=2*Vout/N
このようにして所望の出力電圧Voutを得るための昇圧チョッパ回路262の出力電圧Vin´を定めることができ、さらにそのためのデューティD1を算出できる。
《動作》
上記した構成を有する電力変換装置250は以下のように動作する。昇圧チョッパ回路262へは、直流電源260から直流電圧Vinが供給される。制御部268は昇圧チョッパ回路262の中のスイッチング素子であるMOSFET284及び288をデューティD1で駆動する。昇圧チョッパ回路262は直流の出力電圧Vin´を電力変換回路264に与える。
制御部268は、電力変換回路264の中のDC−DCコンバータ300及び302について、それらのスイッチング素子の駆動信号の位相差を180度とし、デューティD2=0.5でこれらを駆動する。DC−DCコンバータ300及び302の出力のリプル成分は図3においてそれぞれ実線で示すリプル電流I1及び破線で示すリプル電流I2となる。その結果、両者の合計である出力リプル電流I´は図3において一点鎖線のグラフ220で示すようにリプル成分を全く含まないものとなる。
以上のようにこの実施の形態では、電力変換装置250の出力がリプル成分を含まない。電力変換回路の内部のスイッチング素子は最も効率がよいデューティで動作し、電力損失が防止できる。またリプル成分によるノイズの発生も防止できるという効果がある。
なお、この実施の形態においては、スイッチング素子としてMOSFETを使用している。しかし、スイッチング素子はMOSFETには限定されない。スイッチング素子として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他のパワー半導体デバイスを使用してもよい。またこの実施の形態では、2個のDC−DCコンバータを180度の位相差でデューティが0.5の2組の駆動信号でインターリーブ動作させている。しかし、デューティは厳密に0.5である必要はなく、例えば0.5±0.05の範囲内であってもリプル成分を十分に低減できる。
また、この実施の形態では、電力変換回路264の前段に昇圧チョッパ回路262を挿入し、それによって電力変換回路264への入力電圧を一定としている。電力変換回路の内部のスイッチング素子は一定のデューティの駆動信号で駆動されている。そのため、電力変換回路264からの出力のリプル成分を低減し電力損失を小さくでき、ノイズの発生を抑制できる。昇圧チョッパ回路という単純な回路を用いることで電力損失とノイズの抑制という効果を容易に得ることができる。ただし、後述するように電力変換回路264の前段に挿入する回路は昇圧チョッパ回路に限定されない。電力変換装置250への入力電圧の変動にかかわらず、電力変換回路264への入力電圧を一定にすることができる回路であればどのようなものでもよい。
(第2の実施の形態)
上記の第1の実施の形態では、電力変換装置の入力電圧として直流電圧を使用した。しかし、電力変換装置の入力電圧は直流電圧に限定されず、交流電圧を用いることもできる。
第2の実施の形態では、入力電圧に交流電圧を用いるために、電圧調整回路として、PFC回路(力率改善回路:Power Factor Correction)を用いる。PFC回路は実質的には昇圧チョッパ回路であって、交流電圧を整流回路により直流に変換して昇圧チョッパに供給するという構成を持つ。
図7は、第2の実施の形態に係る電力変換装置350の構成を示す回路図である。図7を参照して、電力変換装置350は、交流電源の交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路部360と、整流回路部360により変換された電圧を一定の直流電圧に昇圧する電圧調整回路である昇圧チョッパ回路262と、昇圧チョッパ回路262の出力する直流電圧を他の電圧に変換するための、2相インターリーブ構成を持つ電力変換回路364と、昇圧チョッパ回路262の電圧を測定するための電圧センサ368と、電圧センサ368の出力及び電力変換回路364の出力電圧にしたがって、昇圧チョッパ回路262の出力電圧が一定となるように昇圧チョッパ回路262内のスイッチング素子をPWM制御し、電力変換回路364内のスイッチングに対しては固定したデューティの駆動信号を与えることで電力変換回路364の出力電圧を一定に保つための制御部370とを含む。整流回路部360は、ダイオード整流回路を含む。電力変換回路364の出力には、負荷366が接続されている。
電力変換回路364は、第1の実施の形態に係るDC−DCコンバータ300及び302と同様、2相インターリーブ構成を形成するDC−DCコンバータ380及び382と、電力変換回路364の2本の出力線の間に接続された平滑コンデンサ384とを含む。
DC−DCコンバータ380及び382は同一の構成を持つ。図8は、DC−DCコンバータ380の回路図である。
図8を参照して、DC−DCコンバータ380は、第1の実施の形態に係るDC−DCコンバータ300と同様、フルブリッジDC−DCコンバータである。このDC−DCコンバータ380は、入力側のコンデンサ390、トランス394、トランス394の一次側に接続されたフルブリッジ回路392、及びトランス394の二次側に接続された全波整流回路396を含む。
再び図7を参照して、この第2の実施の形態に係る電力変換装置では、入力された交流電圧は、整流回路部360において直流電圧に変換される。変換された直流電圧は、制御部370の制御のもとで昇圧チョッパ回路262により一定の直流電圧に昇圧され、さらに電力変換回路364に与えられる。
この電力変換回路364のDC−DCコンバータ380及び382は、第1の実施の形態に係るDC−DCコンバータ300及び302と同様、固定したデューティ=0.5で動作し、第1の実施の形態と同様、それぞれ一定の電圧を出力する。双方の出力に含まれるリプル電流成分は互いに相殺される。その結果、電力変換回路364の出力にはリプル電流は含まれない。平滑コンデンサ384における実効電流の値は小さく、電力損失を低減できる。
(第3の実施の形態)
電圧調整回路は、昇圧チョッパ回路に限られない。電圧調整回路には、一定の直流電圧を出力するものである限り、降圧チョッパ回路又は昇降圧チョッパ回路等を用いてもよい。また、電力変換回路においてインターリーブ制御を行うDC−DCコンバータとして、LC出力構成をとる降圧チョッパを用いてもよい。
図9は、第3の実施の形態に係る電力変換装置450の回路図である。図9を参照して、この電力変換装置450は、直流電源に接続され、その電圧を一定の直流電圧に降圧する電圧調整回路である降圧チョッパ回路462と、降圧チョッパ回路462により出力される一定の直流電圧を他の直流電圧に変換し出力するための、2相インターリーブ構成を持つ電力変換回路464と、降圧チョッパ回路462の出力電圧を測定するための電圧センサ468と、電圧センサ468の出力及び電力変換回路464の出力電圧に基づき、降圧チョッパ回路462内のスイッチング素子の駆動信号のデューティを変化させることで降圧チョッパ回路462の出力が一定となるように制御するための制御部470とを含む。制御部470は、電力変換回路464内のスイッチング素子については、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様、デューティ=0.5に固定した制御信号で駆動する。
降圧チョッパ回路462は典型的な降圧チョッパ回路であって、直流電源460の両端子の間に接続されたコンデンサ480と、直流電源460のプラス端子に接続されたドレイン電極を持つMOSFET482と、直流電源460のマイナス端子に接続されたソース電極と、MOSFET482のソース電極に接続されたドレイン電極を持つMOSFET484と、MOSFET482及び484の接続ノードに接続された一端と、降圧チョッパ回路462の出力の一方に接続された他端とを持つコイル486と、降圧チョッパ回路462の2つの出力の間に接続されたコンデンサ488とを含む。
電力変換回路464は、インターリーブ構成となるように降圧チョッパ回路462の出力に接続されたDC−DCコンバータ500及び502と、電力変換回路464の2本の出力の間に接続された平滑コンデンサ504とを含む。電力変換回路464の出力には負荷466が接続される。
DC−DCコンバータ500及び502は同一構成を持つ。図10は、DC−DCコンバータ500の回路図である。
図10を参照して、このDC−DCコンバータ500は、トランスを持たない非絶縁型の降圧チョッパであり、降圧チョッパ回路462の出力のプラス側とマイナス側との間に接続されたコンデンサ510と、降圧チョッパ回路462の出力のプラス側に接続されたドレイン電極を持つMOSFET512と、降圧チョッパ回路462の出力のマイナス側に接続されたソース電極と、MOSFET512のソース電極に接続されたドレイン電極とを持つMOSFET514と、MOSFET512及び514の接続ノードに一端が接続され、他端がDC−DCコンバータ500の出力となるコイル506とを含む。
この電力変換装置450でも、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様、制御部470は電圧センサ468の出力と電力変換回路464の出力電圧とに基づいて降圧チョッパ回路462へのPWM制御の際のデューティを制御して電力変換回路464への入力電圧が一定の値となるようにする。一方で制御部470は、DC−DCコンバータ500及び502内のスイッチング素子のデューティは0.5に固定し、それらの位相差がDC−DCコンバータ500と502との間で180度となるようにこれらへの駆動信号を生成する。電力変換回路464内のDC−DCコンバータ500及び502による出力電圧は所定の一定値となる。この例でも、DC−DCコンバータ500及び502が上記したインターリーブ構成により動作することで、互いの出力が含むリプル電流成分が相殺され、電力変換装置450の出力は一定電圧となり、リプル電流成分は0となる。その結果、平滑コンデンサ504における実効電流値が小さくなり、電力損失の発生が防止できる。
(第4の実施の形態)
電力変換回路においてインターリーブ制御を行うDC−DCコンバータとしては、LC出力構成をとるフォワードコンバータを用いてもよい。この第4の実施の形態に係る電力変換装置はそのような構成を持つ。
図11は、この実施の形態に係る電力変換装置550の回路図である。この電力変換装置550は、図5に示す電力変換回路264に代えて、インターリーブ構成をとった2つのフォワードコンバータ570及び572を持つ電力変換回路564を採用したものである。フォワードコンバータ570及び572は同じ構成を持つ。
図12を参照して、フォワードコンバータ570は、昇圧チョッパ回路262のプラス側出力及びマイナス側出力の間に接続されたコンデンサ580と、昇圧チョッパ回路262のプラス側に一端が接続された一次側巻線を持つトランス582と、昇圧チョッパ回路262のマイナス側に接続されたソース電極と、トランス582の一次側巻線の他端に接続されたドレイン電極とを持つMOSFET584と、トランス582の二次側に接続された整流回路部586とを含む。
この実施の形態に係る電力変換装置550でも、制御部268が昇圧チョッパ回路262を制御して入力電圧を一定電圧に昇圧して電力変換回路564に与える。電力変換回路564のフォワードコンバータ570及びフォワードコンバータ572は制御部268による制御にしたがってインターリーブ動作する。その結果、両者の出力に含まれるリプル電流が相殺され、電力変換回路564の出力する電圧は一定で、かつリプル電流を含まないことになる。したがって、平滑コンデンサ304における実効電流が小さくなり、電力損失を防止できる。
(第5の実施の形態)
上記した各実施の形態においては、いずれも、2つのDC−DCコンバータを用いた2相インターリーブ構成における電力変換について説明した。しかし、3つ以上(一般にn個:nは3以上の自然数)のDC−DCコンバータを用いた3相以上のインターリーブ構成においても上記した各実施の形態の構成と同様の構成を採ることができる。すなわち、インターリーブしたDC−DCコンバータの前に、チョッパ回路のように入力電圧の電圧を一定の直流電圧に変換できる回路を設け、その回路をPWM制御により駆動する際の駆動信号のデューティを適切に制御する。こうした構成により、DC−DCコンバータへの入力電圧を一定化できる。並列接続されたDC−DCコンバータの出力に含まれるリプル電流が互いに相殺されて0となるようにこれらに与える駆動信号のデューティ及び位相差を定める。その結果、インターリーブしたDC−DCコンバータを含む電力変換回路の出力電圧を一定に保ち、その出力のリプル成分を0とすることができる。平滑コンデンサにおける実効電流を小さくでき、電力損失及びノイズの発生を防止できる。
具体的には、n個のDC−DCコンバータを用いたn相インターリーブ構成を持つ電力変換回路の場合、デューティをm/n(m=1、2、3、…、又はn−1)とし、位相差が360/n度となるように制御する。電力変換回路の出力リプル電流は各DC−DCコンバータにおいて発生するリプル電流の合計である。したがってこの構成により、電力変換回路の出力リプル電流を0にできる。なお、位相差は正確に360/n度である必要はなく、多少の幅を持たせてもよい。位相差が例えば360/n±5度の範囲内でもよい。
図13に、この第5の実施の形態に係る電力変換装置650の回路ブロック図を示す。図13を参照して、この電力変換装置650は、図11に示す電力変換装置550の電力変換回路564を、3つのフォワードコンバータ570、572及び574を含む電力変換回路570で置き換え、図11の制御部268を、これら3つの電力変換回路570、572及び574をインターリーブ制御する制御部670に置き換えたものである。電力変換回路570、572及び574は、昇圧チョッパ回路262と平滑コンデンサ304との間に並列接続されている。
例えば、電力変換装置650のように3つのDC−DCコンバータを用いた3相インターリーブ構成の場合には、図14に示すように、位相を120度ずつずらし、デューティを例えば2/3に制御する。この構成により、第1〜第3のDC−DCコンバータの各々において発生するリプル電流I1〜I3の合計である出力リプル電流I’(グラフ700により示す。)が0となる。
一方、デューティが0.6の場合には、図15に示すように、第1〜第3のDC−DCコンバータの各々において発生するリプル電流I1〜I3の多くの部分が相殺されず、その合計である出力リプル電流(グラフ702により示す。)のリプル電流を低減できない。
4つのDC−DCコンバータを用いた4相インターリーブ構成の場合においても同様である。例えば、図16に示すように、位相を90度ずつずらし、デューティを3/4に制御することにより、第1〜第4のDC−DCコンバータの各々において発生するリプル電流I1〜I4が相殺され、その合計である出力リプル電流I’(グラフ720により示す。)が0となる。すなわち、出力のリプル成分が実質的に0となる。その結果、リプル成分による電力損失の発生、及びリプル成分がノイズとなることが防止できる。
一方、デューティが0.6の場合には、図17に示すように、第1〜第4のDC−DCコンバータの各々において発生するリプル電流I1〜I4の多くが相殺されず、その合計である出力リプル電流I’(グラフ722により示す。)のリプル電流を低減できない。
(第6の実施の形態)
《構成》
第6の実施形態に係る車両の概略構成を図18に示す。図18を参照して、この第6の実施形態に係る車両760は、車輪等の、車両としての基本的構成を備えた車体770と、車体770に設けられた高圧電源(例えば48〜300V)となる高圧電池780と、高圧電池780から供給される電力により動作し、車体770の駆動力を提供したり、車両760の制動時に車両760が失う運動エネルギーを電力に変換して高圧電池780に供給したりするための発電機/駆動モータ782と、高圧電池780から供給される高圧の直流電圧により作動する高圧作動ユニット784と、低圧(例えば12V)の電池788と、電池788から供給される低圧の電力により動作する補機790と、高圧電池780から供給される高圧の直流電力を12Vに降圧し、電池788及び補機790等に供給するための電力変換装置786とを含む。
電力変換装置786としては、第1の実施形態から第5の実施の形態において説明した電力変換装置のいずれでも用いることができる。すなわち、電力変換装置786は、n個(nは2以上の整数)のDC−DCコンバータと、これらn個のDC−DCコンバータに対するn相インターリーブ制御を行う制御部と、n個のDC−DCコンバータの前段に設けられ、DC−DCコンバータへの入力電圧を一定に維持する電圧調整回路とを含む。これらの構成については、第1の実施の形態から第5の実施の形態の説明で述べたのでここでは繰返さない。
《動作》
高圧電池780には高圧の電力が蓄積されており、発電機/駆動モータ782はこの電力を用いて車両760を駆動する。高圧作動ユニット784も同様に高圧電池780からの電力を用いて動作する。一方、電力変換装置786は高圧電池780からの高圧電力を例えば12Vに降圧し、電池788及び補機790に与える。電池788は補機790の消費電力が大きなときには電力を補機790に出力する。補機790の消費電力が小さなときには、電池788は電力変換装置786から与えられる電力を蓄積する。
電力変換装置786は、第1の実施形態から第5の実施の形態に係る電力変換装置100、250、350、450、及び550のいずれでもよい。電力変換装置786の電圧調整回路は、電力変換装置786への入力電圧の変動に対して出力電圧を調整し、n個のDC−DCコンバータへの入力電圧が一定となるようにする。n個のDC−DCコンバータは、制御部により出力電圧のリプルが最小となるようにインターリーブ制御される。n個のDC−DCコンバータへの入力電圧が電圧調整回路により一定に維持されており、それらの位相差が所定の値となるようにされているため、DC−DCコンバータの出力に発生するリプル電流は互いに相殺される。したがって、第1の実施形態から第5の実施の形態と同様、出力電圧の変動が少なく電力損失を低減できる。さらに、出力にノイズがのる可能性も小さく、補機790の動作及び電池788に与える悪影響も少ないという効果がある。
以上のようにこの開示に係る実施の形態によれば、電力変換装置の出力のリプル成分を低減できる。そのため、電力損失及びノイズの発生が防止できるという効果がある。しかしこの開示は上記した実施の形態には限定されない。電力変換回路の前段に設けられた電圧調整回路により、電力変換回路への入力電圧を一定の直流電圧に調整するものであればこの開示の技術範囲に含まれる。好ましくは、電圧調整回路の出力電圧は、電力変換装置からの出力のリプル成分が0となるように選ばれるべきであるが、多少の誤差が含まれるものであってもよい。計算による電圧調整回路の出力電圧を中心として、その±5%程度の範囲内の電圧を出力する電圧調整回路であればこの開示の技術範囲に含まれると考えるべきである。また、電圧調整回路及び電力変換回路内のMOSFET等のスイッチング素子を駆動するデューティも、上記した実施の形態のものと正確に一致することは必須ではなく、実質的に一致するものであればよい。例えばデューティの値が計算により理想的なものと比較して、その前後5%程度の範囲内で動作するものもまたこの開示の技術的範囲に含まれる。
さらに上記実施の形態では、1組のDC−DCコンバータを単位としてそれらのリプル成分を防止する構成とした。しかしこの開示はそのような実施の形態には限定されない。問えば複数のDC−DCコンバータを複数個のグループに分け、各グループで別々にリプル成分を防止するような駆動をしてもよい。この場合、グループによってデューティを異ならせたり位相差を異ならせたりすることが可能になる。さらに、グループごとに別個の電圧調整回路をそれらの前段に設け、各グループに入力される直流電圧の値を別々にすることも可能である。
なお、上記実施の形態は、いずれも電力変換回路の前段に電圧調整回路を設けるものであった。この構成により、電力変換回路(電力変換装置)の出力からリプル成分を除去し、電力損失とノイズの発生との双方を防止できる。しかし、この開示の考え方はそうした実施の形態には限定されない。例えば電圧調整回路を電力変換回路の後段(電力変換回路と負荷との間)に設ける構成も考えられる。この場合には電力変換装置の出力(電圧調整回路の出力)にはリプル成分が残るため、負荷に供給される電源電圧からのノイズ低減という効果はそれほど得られない。しかし、電力変換回路と電圧調整回路との間のノイズが低減するという効果が得られる。したがって、電力変換回路と電圧調整回路とを結ぶ中間ノードから電源を他回路に供給するという構成が考えられる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この開示の範囲は、発明の詳細な説明の記載により示されるわけではなく、特許請求の範囲の各請求項によって示され、特許請求の範囲の文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
100、250、350、450、550、650、786 電力変換装置
110、260、460 直流電源
112、118、280、290、390、480、488、510、580 コンデンサ
114、116、300、302、380、382、500、502 DC−DCコンバータ
120、282、486、506 コイル
122、304、384、504 平滑コンデンサ
126 出力端子
140 スイッチング回路部
142、312、394、582 トランス
144、360、586 整流回路部
200、202、220、222、700、702、720、722 グラフ
210、212 領域
218、368、468 電圧センサ
262 昇圧チョッパ回路(電圧調整回路)
264、364、464、564、664 電力変換回路
266、366、466 負荷
268、370、470、670 制御部
284、286、288、482、484、512、514、584 MOSFET
310、392 フルブリッジ回路
314 両波整流回路
396 全波整流回路
462 降圧チョッパ回路(電圧調整回路)
570、572、574 フォワードコンバータ
760 車両
770 車体
780 高圧電池
782 発電機/駆動モータ
784 高圧作動ユニット
786 電力変換装置
788 電池
790 補機

Claims (12)

  1. 入力電圧を所定の直流電圧に調整して出力する電圧調整回路と、
    前記電圧調整回路の出力を受けるように接続され、インターリーブ動作を行う電力変換回路とを含む、電力変換装置。
  2. 前記電力変換回路は、互いに並列に接続された複数のDC−DCコンバータを持ち、
    前記複数のDC−DCコンバータを、所定の位相差を持ち、かつあらかじめ定められたデューティ比の駆動信号でそれぞれ動作させる制御部をさらに含む、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部はさらに、前記入力電圧の変動に対して、前記電力変換回路に入力される電圧が一定となるよう前記電圧調整回路を制御する、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換回路は変圧器を含み、
    前記制御部は、前記変圧器の巻数比、前記電力変換回路の出力電圧、及び前記複数のDC−DCコンバータを駆動するデューティ比に基づいて算出される電圧を前記所定の直流電圧として出力するよう前記電圧調整回路を制御する、請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記電力変換回路は、互いに並列に接続された2個の前記DC−DCコンバータを持ち、
    前記制御部は、前記2個の前記DC−DCコンバータを180±5度の範囲内の位相差で動作させる、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記2個のDC−DCコンバータの双方を0.5±0.05のデューティ比の駆動信号で駆動する、請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記制御部は、インターリーブの相数をnとした場合に、前記複数のDC−DCコンバータを、m/n、ただしmは1からn−1の範囲の整数、のデューティ比の駆動信号でそれぞれ動作させる、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記所定の位相差は、360度を前記複数のDC−DCコンバータの数で除算した値を基準として定められた位相差である、請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記所定の位相差は、360度を前記複数のDC−DCコンバータの数で除算した値を基準とし、その±5度の範囲内の位相差である、請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記電圧調整回路はチョッパ回路を含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. インターリーブ動作を行う電力変換回路を含む電力変換装置の制御方法であって、
    入力電圧を所定の直流電圧に調整するステップと、
    前記所定の直流電圧を前記電力変換回路に入力するステップと、
    入力された前記所定の直流電圧を変換して出力するよう前記電力変換装置をインターリーブ制御するステップとを含む、制御方法。
  12. 蓄電装置と、
    前記蓄電装置から電力が供給される請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置と、
    前記電力変換装置で変換された電力が供給される負荷とを含む、車両。
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