JP2021067456A - X線画像生成方法、x線装置および構造物の製造方法 - Google Patents

X線画像生成方法、x線装置および構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置構造を複雑にすることなく散乱像を取得可能にする。【解決手段】X線画像生成方法は、X線源から出射したX線を被測定物に照射する照射段階と、被測定物を透過したX線のX線強度分布を検出器により検出する検出段階と、少なくとも3つの異なる測定条件のそれぞれにおいて検出されたX線強度分布に基づいて、散乱像を取得する取得段階と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、X線画像生成方法、X線装置および構造物の製造方法に関する。
従来から、位相格子と吸収格子とを相対的に移動させながら複数枚のモアレ画像を撮影し、画像処理においてそれらのモアレ画像を再構成することで位相画像や吸収画像や散乱画像等を生成するX線タルボ撮影装置が知られている(たとえば特許文献1)。しかしながら、位相格子や吸収格子を備える必要があるため、装置構造が複雑になりコストアップにつながるという問題がある。
特開2017−104202号公報
第1の態様によれば、X線画像生成方法は、X線源から出射したX線を被測定物に照射する照射段階と、前記被測定物を透過したX線のX線強度分布を検出器により検出する検出段階と、少なくとも3つの異なる測定条件のそれぞれにおいて検出された前記X線強度分布に基づいて、散乱像を取得する取得段階と、を含む。
第2の態様によれば、X線装置は、X線を出射するX線源と、前記X線源から出射されて被測定物を透過したX線強度分布を検出する検出器と、少なくとも3つの異なる測定条件のそれぞれにおいて検出された前記X線強度分布に基づいて散乱像を取得する取得部と、を備える。
第3の態様によれば、構造物の製造方法は、構造物の形状に関する設計情報を作成し、前記設計情報に基づいて前記構造物を作成し、作成された前記構造物の形状を、第2の態様のX線装置を用いて計測して形状情報を取得し、前記取得された前記形状情報と前記設計情報とを比較する。
一実施の形態によるX線装置の要部構成を模式的に示すブロック図である。 一実施の形態によるX線装置の動作を説明するフローチャートである。 一実施の形態による構造物製造システムの構成を模式的に示すブロック図である。 一実施の形態による構造物製造システムが実行する処理を説明するフローチャートである。
図面を参照しながら、一実施の形態によるX線装置について説明する。X線装置は、被測定物にX線を照射して、被測定物を透過したX線を検出することにより、被測定物の内部情報(たとえば内部構造)等を被測定物を破壊することなく取得する。X線装置は、例えば、生体を被測定物として、生化学や医療等に用いることができる。
図1は本実施の形態によるX線装置100の構成の一例を示す図である。なお、説明の都合上、X軸、Y軸、Z軸からなる座標系を図示の通りに設定する。
X線装置100は、筐体1、X線源2、載置部3、検出器4および制御装置5を備えている。筐体1の内部には、X線源2と、載置部3と、検出器4とが収容される。筐体1は、X線が筐体1の外部に漏洩しないようにするため、X線遮蔽材料を含む。なお、X線遮蔽材料として鉛を含む。
X線源2は、制御装置5による制御に応じて、図1に示す出射点Pを頂点としてZ軸に平行な光軸Zrに沿って、Z軸+方向へ向けてX線を放射する。この出射点Pは後述するX線源2の内部を伝搬する電子線の焦点位置と一致する。すなわち、光軸Zrは、X線源2の電子線の焦点位置である出射点Pと、後述する検出器4の撮像領域の中心とを結ぶ軸である。なお、X線源2から放射するX線は、円錐状に拡がるX線(いわゆるコーンビーム)、扇状のX線(いわゆるファンビーム)、および直線状のX線(いあわゆるペンシルビーム)のいずれでもよい。なお、ファンビームおよびペンシルビームを用いる場合は、被測定物S全体を検査するために、ビームと被測定物Sとを相対的に移動させるスキャン動作を行う必要がある。X線源2は、たとえば約50eVの超軟X線、約0.1〜2keVの軟X線、約2〜20keVのX線および約20〜数MeVの硬X線の少なくとも1つを照射する。
載置部3は、被測定物Sが載置される載置台31と、X軸移動部32、Y軸移動部33、Z軸移動部34からなるマニピュレータ部35とを備え、X線源2よりもZ軸+側に設けられている。X軸移動部32、Y軸移動部33およびZ軸移動部34は、制御装置5により制御されて、載置台31をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向にそれぞれ移動させる。Z軸移動部34は、制御装置5により制御されて、X線源2から被測定物Sまでの距離が、撮影される画像における被測定物Sの拡大率に応じた距離となるように載置台31をZ軸方向に移動させる。
検出器4は、公知のシンチレーション物質を含むシンチレータ部、光電子増倍管、CCD等の受光部等によって構成され、X線源2から出射され、載置台31上に載置された被測定物Sを透過した透過X線を含むX線を受光する。検出器4は、受光したX線のエネルギーを光エネルギーに変換した後、当該光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気信号として出力する。なお、検出器4は、入射するX線のエネルギーを光エネルギーに変換することなく電気信号に変換して出力してもよい。また、検出器4は、複数の画素を有しており、それらの画素は2次元的に配列されている。これにより、X線源2から放射され、被測定物Sを通過したX線の2次元的な強度分布データを一括して取得できる。従って、1回の撮影で被測定物Sの全体の投影像を取得することができる。
制御装置5は、マイクロプロセッサやその周辺回路等を有しており、不図示の記憶媒体(たとえばフラッシュメモリ等)に予め記憶されている制御プログラムを読み込んで実行することにより、X線装置100の各部を制御する。制御装置5は、X線源2の動作を制御するX線制御部51、マニピュレータ部35の駆動動作を制御する載置台制御部52、検出器4から出力された電気信号に基づいて被測定物Sを透過したX線強度分布データを取得する取得部54、および取得部54が取得したX線強度分布データに基づいて画像を生成する画像生成部53を有する。取得部54は、異なるZ軸方向の少なくとも3つの異なる位置において被測定物Sを照射して得られた強度分布に基づいて、被測定物の吸収像、位相像、散乱像を取得する。吸収像は、X線が被測定物Sを透過したときに被測定物Sに吸収されることにより生じたX線強度の変化すなわち被測定物SでのX線吸収を生じさせる量(減弱係数μ)を画像化したものである。位相像は、X線が被測定物Sを透過したときにX線の位相が変化することにより生じたX線強度の変化すなわち被測定物SでのX線屈折を生じさせる量(位相変化量φ)を画像化したものである。散乱像は、X線が被測定物Sを透過したときに被測定物Sで散乱することにより生じたX線強度の変化すなわち被測定物SでのX線散乱を生じさせる量(相互コヒーレンス関数γ)を画像化したものである。
以下、本実施の形態のX線装置100が行う処理について説明する。
X線源2から出射し被測定物Sを照射の一部は、被測定物Sの周囲や内部構造の境界等で屈折や散乱をする。被測定物Sを透過して検出器4に入射したX線には、上記の屈折や散乱による影響を含んでいる。すなわち、屈折や散乱による影響を含むX線は、被測定物Sの微細な構造に関する情報を含んでいる。被測定物Sの内部でX線が屈折や散乱することにより、検出器4に入射したX線にはボケが生じる。本実施の形態のX線装置100は、散乱(ボケ)の程度に基づいて、被測定物Sで散乱したX線の散乱像(ダークフィールド・イメージ)を生成するための処理を行う。
本実施の形態では、X線装置100は、異なる3つの測定条件のそれぞれにて、被測定物SにX線を照射して検出器4によりX線強度分布データを取得する。なお、3を超える測定条件にてX線を照射してX線強度分布データを取得してもよい。
本実施の形態においては、X線装置100は、測定条件として、X線源2と被測定物Sと検出器4との位置関係を異ならせ、それぞれの位置関係ごとにX線を照射してX線強度分布データを取得する。被測定物Sと検出器4との間の距離である検出距離の違いにより、検出器4におけるX線強度分布に含まれる散乱の程度が異なる。すなわち、被測定物Sから検出器4までのZ方向の検出距離が異なる3つの位置(照射位置)のそれぞれにて取得された強度分布においては、検出距離に応じて散乱の程度が異なり、検出距離が大きくなるほど散乱が大きくなる(すなわち、検出器4におけるボケの程度が大きくなる)。なお、検出距離を異ならせるためには、被測定物SをZ方向に移動させてもよいし、検出器4をZ方向に移動させてもよいし、被測定物Sおよび検出器4の両方をZ方向に移動させてもよい。検出器4を移動させる場合には、X線源2も共に移動させてよい。また、検出器4における検出状態すなわち検出器4の検出面におけるX線の強度分布を異ならせるために、被測定物SとX線源2との間の距離を異ならせることにより位置関係を異ならせてもよい。この場合、被測定物SをZ方向に移動させてもよいし、X線源2をZ方向に移動させてもよいし、被測定物SおよびX線源2をZ方向に移動させてもよい。X線源2を移動させる場合には、検出器4も共に移動させてよい。
また、X線装置100は、測定条件として位置関係を異ならせるものに限定されない。たとえば、X線装置100は、測定条件として、X線を出射させるX線源2の出力に関する条件を異ならせてよい。この場合、X線制御部51は、たとえば、X線源2の内部を伝搬する電子線の加速電圧や、X線源2のパワーや、出射点Pにおける電子線のスポット径を異ならせることができる。これにより、X線装置100は、X線源2の出力に関する条件を、少なくとも3つ異ならせて設定し、それぞれの条件にてX線の強度分布データを取得することができる。
以下の説明においては、検出距離が相対的に小さい照射位置から、検出距離が相対的に大きくなる順に、第1照射位置、第2照射位置、第3照射位置と呼ぶ。第1照射位置、第2照射位置および第3照射位置の位置関係や間隔は、被測定物Sによらず一定の値でもよいし、被測定物Sの材質や大きさに基づいて異なる値でもよい。第1照射位置、第2照射位置、第3照射位置におけるX線強度分布データを、それぞれ第1強度分布データ、第2強度分布データ、第3強度分布データと呼ぶ。第2強度分布データに含まれるボケ(散乱)の程度は第1強度分布データに含まれるボケ(散乱)の程度よりも大きく、第3強度分布データに含まれるボケ(散乱)の程度は第2強度分布データに含まれるボケ(散乱)の程度よりも大きい。取得部54は、第1強度分布データ、第2強度分布データ、および第3強度分布データに基づいて、X線の吸収像および位相像に加えて、散乱像を取得する。
本実施の形態では、取得部54は、一例として、以下の式(1)を用いて散乱像を取得する。
Figure 2021067456
なお、Mは被測定物Sの投影倍率(幾何倍率)、Iimgは検出面における強度分布、Iobjは被測定物面における強度分布、γは被測定物Sにおける散乱の影響を含む相互コヒーレンス関数、φは被測定物Sにおける位相変調量、zは検出器4から被測定物SまでのZ方向の検出距離を表す。また、(ξ、η)は被測定物面における座標である。
式(1)は、検出器4の入射面上におけるX線ビームの複素振幅Uimg(x、y、z)(ここで、x、yは検出面の座標)を停留位相法を用いて幾何光学近似した以下の式(2)に基づく。
Figure 2021067456
ここで、式(2)におけるΓは、被測定物Sにおける散乱の影響を表す複素振幅であり、Uobjは被測定物面におけるX線ビームの複素振幅である。なお、式(2)の(ξ0、η0)は被測定物面における停留位相法の停留点である。また、a,b,cは被測定物Sにおける位相変調量φの2階微分を含む項であり、λは入射X線の波長を表し、Sは被測定物面から検出面までの距離で決まる幾何光路長を表す。iは虚数単位である。
式(2)のうち、位相変調量φの2階微分以上の項を無視するように近似し、(ξ0、η0)を(ξ、η)と表し、
img(Mξ、Mη、z)=<Uimg×Uimg >=<|Uimg
γ(ξ、η)=<Γ×Γ>=<|Γ|
とする。ここで、記号<>は<>内の関数の平均処理を表し、被測定物S内にある散乱媒質の影響により、複素振幅Γ内の位相が空間的に揺らぐため平均をとる。これにより、関数Γ内に含まれる、X線スポット径や画素サイズで決まる空間分解能よりも細かな位相揺らぎについて平均を取ることで、吸収像や位相像では見えない被測定物Sの細かな構造を可視化することができる。また、記号*はその複素振幅の複素共役を表す。
これにより、式(1)が導かれる。すなわち、式(1)は、X線の吸収μ、位相変調量φに加えて散乱像を表す相互コヒーレンス関数γを含む強度輸送方程式に改良されたものである。
取得部54は、第1、第2および第3強度分布データを式(1)に用いて、X線の吸収像、位相像、および散乱像を取得する。本実施の形態においては一例として、取得部54は、Poisson方程式の形に式(1)を変形してから吸収像、位相像、および散乱像を求める。上記の式(1)の左辺を、検出器4におけるX線の強度分布F(ξ、η、z)を適用して、F=F(ξ、η、z)とする。なお、iは1〜3までの整数であり、Fは第1照射位置において検出器4により検出された第1強度分布、Fは第2照射位置において検出器4により検出された第2強度分布、Fは第3照射位置において検出器4により検出された第3強度分布である。
ここで、第1強度分布Fは、被測定物Sを実質的に検出器4に接した状態、すなわちz=0(あるいはz≒0)の状態で取得されたものと仮定する。被測定物Sが検出器4に接した状態においては、被測定物SによるX線の散乱は実質的にないと見なし、これをPoisson方程式の初期条件とする。すなわち、F=Iobj(ξ、η)でγ(ξ、η)=1とする。取得部54は、この初期条件に基づいて、吸収像をμとして式(3)により算出する。
μ=−logF ・・・(3)
これにより吸収像が得られる。
位相像を示すφは上記の初期条件と以下の式(4)で定義される補助関数Gとを用いて、以下の式(5)により表される。また、散乱像を示すγは上記の初期条件と以下の式(6)で定義される補助関数Hとを用いて、以下の式(7)により表される。
Figure 2021067456
取得部54は、上記の式(4)〜(7)に対して境界条件を適宜適用して、値が収束するまで繰り返し演算を行うことにより、φおよびγを算出する。なお、境界条件は、たとえば被測定物Sのサイズにより決定してもよいし、被測定物Sの領域でφとγとをゼロとするものでもよい。取得部54は、算出したφを位相像として取得し、算出したγを散乱像として取得する。画像生成部53は、取得部54により取得された散乱像から、たとえば表示モニタ(不図示)に表示可能な表示用の画像を生成する。
図2に示すフローチャートを参照しながら、X線装置100の動作について説明する。図2に示すフローチャートの各処理は制御装置5でプログラムを実行して行われる。このプログラムは、メモリ(不図示)に格納されており、制御装置5により起動され、実行される。
ステップS1では、載置台制御部52はマニピュレータ部35を制御して載置台31を移動させ、被測定物Sの位置を第1照射位置に設定し、X線制御部51は、X線を被測定物Sへ向けて出射させ、検出器4から第1強度分布に基づく検出信号を出力させてステップS2へ進む。ステップS2では、載置台制御部52はマニピュレータ部35を制御して載置台31を移動させ、被測定物Sの位置を第2照射位置に設定し、X線制御部51はX線を被測定物Sへ向けて出射させ、検出器4から第2強度分布に基づく検出信号を出力させてステップS3へ進む。ステップS3では、載置台制御部52はマニピュレータ部35を制御して載置台31を移動させ、被測定物Sの位置を第3照射位置に設定し、X線制御部51はX線を被測定物Sへ向けて出射させ、検出器4から第3強度分布に基づく検出信号を出力させてステップS4へ進む。なお、ステップS1〜3は、この順序で処理を行うものに限定されず、どのような順序で処理を行ってもよい。すなわち、3通りの照射位置において検出器4からの検出信号が得られればよく、ステップS1〜ステップS3を行う順序は問わない。
ステップS4では、取得部54は、第1、第2および第3強度分布に基づくそれぞれの検出信号を用いて、上述した式(3)〜(7)から吸収μ、位相φ、散乱γの各分布を算出してステップS5へ進む。ステップS5では、ステップS4で算出された吸収μ、位相φ、散乱γの各分布に基づいて、それぞれ吸収像、位相像、散乱像の画像信号を生成して出力し、処理を終了する。
上記では、吸収像、位相像および散乱像の算出を容易にするために、第1強度分布Fを、被測定物Sを実質的に検出器4に接した状態、すなわちz=0(あるいはz≒0)の状態で取得するものと仮定して説明を行った。すなわち、検出距離が実質的にゼロである場合を含む3つの検出距離の場合について、検出器4により検出されたそれぞれの強度分布を式(1)に用いて吸収像、位相像および散乱像の算出を行う旨説明した。しかし、検出距離が実質的にゼロである場合を含まずに少なくとも3つの検出距離を設定した場合であっても、検出器4により検出されたそれぞれの強度分布を式(1)に用いて吸収像、位相像および散乱像の算出を行うことができることは言うまでもない。
図面を参照して、本発明の実施の形態による構造物製造システムを説明する。本実施の形態の構造物製造システムは、たとえば自動車のドア部分、エンジン部分、ギア部分および回路基板を備える電子部品等の成型品を作成する。
図3は本実施の形態による構造物製造システム400の構成の一例を示すブロック図である。構造物製造システム400は、第1の実施の形態にて説明したX線装置100と、設計装置410と、成形装置420と、制御システム430と、リペア装置440とを備える。
設計装置410は、構造物の形状に関する設計情報を作成する際にユーザが用いる装置であって、設計情報を作成して記憶する設計処理を行う。設計情報は、構造物の各位置の座標を示す情報である。設計情報は成形装置420および後述する制御システム430に出力される。成形装置420は設計装置410により作成された設計情報を用いて構造物を作成、成形する成形処理を行う。この場合、成形装置420は、3Dプリンター技術で代表される積層加工、鋳造加工、鍛造加工および切削加工のうち少なくとも1つを行うものについても本発明の一態様に含まれる。
X線装置100は、成形装置420により成形された構造物の形状を測定する測定処理を行う。X線装置100は、構造物を測定した測定結果である構造物の座標を示す情報(以後、形状情報と呼ぶ)を制御システム430に出力する。制御システム430は、座標記憶部431と、検査部432とを備える。座標記憶部431は、上述した設計装置410により作成された設計情報を記憶する。
検査部432は、成形装置420により成形された構造物が設計装置410により作成された設計情報に従って成形されたか否かを判定する。換言すると、検査部432は、成形された構造物が良品か否かを判定する。この場合、検査部432は、座標記憶部431に記憶された設計情報を読み出して、設計情報とX線装置100から入力した形状情報とを比較する検査処理を行う。検査部432は、検査処理としてたとえば設計情報が示す座標と対応する形状情報が示す座標とを比較し、検査処理の結果、設計情報の座標と形状情報の座標とが一致している場合には設計情報に従って成形された良品であると判定する。設計情報の座標と対応する形状情報の座標とが一致していない場合には、検査部432は、座標の差分が所定範囲内であるか否かを判定し、所定範囲内であれば修復可能な不良品と判定する。
修復可能な不良品と判定した場合には、検査部432は、不良部位と修復量とを示すリペア情報をリペア装置440へ出力する。不良部位は設計情報の座標と一致していない形状情報の座標を有する部位であり、修復量は不良部位における設計情報の座標と形状情報の座標との差分である。リペア装置440は、入力したリペア情報に基づいて、構造物の不良部位を再加工するリペア処理を行う。リペア装置440は、リペア処理にて成形装置420が行う成形処理と同様の処理を再度行う。
図4に示すフローチャートを参照しながら、構造物製造システム400が行う処理について説明する。
ステップS31では、設計装置410はユーザによって構造物の設計を行う際に用いられ、設計処理により構造物の形状に関する設計情報を作成し記憶してステップS32へ進む。なお、設計装置410で作成された設計情報のみに限定されず、既に設計情報がある場合には、その設計情報を入力することで、設計情報を取得するものについても本発明の一態様に含まれる。ステップS32では、成形装置420は成形処理により、設計情報に基づいて構造物を作成、成形してステップS33へ進む。ステップS33においては、X線装置100は測定処理を行って、構造物の形状を計測し、形状情報を出力してステップS34へ進む。
ステップS34では、検査部432は、設計装置410により作成された設計情報とX線装置100により測定され、出力された形状情報とを比較する検査処理を行って、ステップS35へ進む。ステップS35では、検査処理の結果に基づいて、検査部432は成形装置420により成形された構造物が良品か否かを判定する。構造物が良品である場合、すなわち設計情報の座標と形状情報の座標との差が所定の範囲内の場合には、ステップS35が肯定判定されて処理を終了する。構造物が良品ではない場合、すなわち設計情報の座標と形状情報の座標とが一致しない場合や設計情報には無い座標が検出された場合には、ステップS35が否定判定されてステップS36へ進む。
ステップS36では、検査部432は構造物の不良部位が修復可能か否かを判定する。不良部位が修復可能ではない場合、すなわち不良部位における設計情報の座標と形状情報の座標との差分が所定範囲を超えている場合には、ステップS36が否定判定されて処理を終了する。不良部位が修復可能な場合、すなわち不良部位における設計情報の座標と形状情報の座標との差分が所定範囲内の場合には、ステップS36が肯定判定されてステップS37へ進む。この場合、検査部432はリペア装置440にリペア情報を出力する。ステップS37においては、リペア装置440は、入力したリペア情報に基づいて、構造物に対してリペア処理を行ってステップS33へ戻る。なお、上述したように、リペア装置440は、リペア処理にて成形装置420が行う成形処理と同様の処理を再度行う。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)取得部54は、少なくとも3つの異なる測定条件のそれぞれにおいて検出器4によって検出されたX線強度分布データに基づいて、散乱像を取得する。これにより、Hard-X-ray dark-field imaging using a grating interferometer (2008 Nature Publishing Group, p.134〜p.137)に開示の公知のタルボ干渉法やHard X-ray dark-field imaging with incoherent sample illumination (APPLIED PHYSICS LETTERS 104, 024106 (2014))に開示の公知のコーデッドアパーチャー方式やX-ray phase contrast tomography by tracking near field speckle (SCIENTIFIC REPORTS |5:8762| DOI: 10.1038/srep08762, p.1〜p.6)に開示のスペックルスキャニング方式等により散乱像を取得する場合と異なり、X線装置100に回折格子等を設けることなく散乱像を取得することができるので、装置構成が複雑になることを防ぐことができる。また、回折格子等を必要としないため、コストの上昇を抑制することができる。
(2)載置台制御部52は、被測定物Sから検出器4までの検出距離を変更し、被測定物SがX線により照射される照射位置を設定し、取得部54は、少なくとも3つの異なる照射位置ごとに検出器4によって検出されたX線強度分布データに基づいて、散乱像を取得する。これにより、回折格子等を設けることなく散乱像を取得できるので、装置構成の複雑化を防ぐことができ、コストの上昇を抑制することもできる。
(3)取得部54は、第1照射位置、第2照射位置および第3照射位置ごとに検出されたX線強度分布データの相互コヒーレンス関数に基づいて、散乱像を取得する。これにより、回折格子等を用いることなく散乱像を生成することができる。
(4)載置台制御部52は、第1照射位置で検出されたX線強度分布データは、被測定物Sによる散乱を実質的に含まないように、検出距離を設定する。これにより、第2、第3照射位置で検出されたX線強度分布データから散乱γを取得しやすくなり、散乱像の生成を可能にする。
(5)構造物製造システム400のX線装置100は、設計装置410の設計処理に基づいて成形装置420により作成された構造物の形状情報を取得する測定処理を行い、制御システム430の検査部432は、測定処理にて取得された形状情報と設計処理にて作成された設計情報とを比較する検査処理を行う。したがって、構造物の欠陥の検査や構造物の内部の情報を非破壊検査によって取得し、構造物が設計情報の通りに作成された良品であるか否かを判定できるので、構造物の品質管理に寄与する。
(6)リペア装置440は、検査処理の比較結果に基づいて、構造物に対して成形処理を再度行うリペア処理を行うようにした。したがって、構造物の不良部分が修復可能な場合には、再度成形処理と同様の処理を構造物に対して施すことができるので、設計情報に近い高品質の構造物の製造に寄与する。
上述した実施の形態を、以下のように変形できる。
(1)上述した実施形態においては、制御装置5は、画像生成部53を有するものとして説明したが、制御装置5が画像生成部53を有していなくてもよい。画像生成部53が、X線装置100とは別体の処理装置等に設けられ、取得部54で取得された散乱像を、たとえばネットワークや記憶媒体等を介して取得して、表示用の画像を生成してもよい。
(2)X線装置100において、被測定物Sが載置される載置台31がX軸移動部32と、Y軸移動部33と、Z軸移動部34とによってX軸、Y軸およびZ軸方向に移動されるものに限定されない。載置台31はX軸、Y軸およびZ軸方向に移動せず、X線源2および検出器4をX軸、Y軸およびZ軸方向に移動させることにより、被測定物Sに対してX線源2および検出器4を相対移動させる構成をX線装置100が有してもよい。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
2…X線源、4…検出器、5…制御装置、
52…載置台制御部、53…画像生成部、54…取得部、
100…X線装置、400…構造物製造システム、410…設計装置、
420…成形装置、430…制御システム、440…リペア装置

Claims (12)

  1. X線源から出射したX線を被測定物に照射する照射段階と、
    前記被測定物を透過したX線のX線強度分布を検出器で検出する検出段階と、
    少なくとも3つの異なる測定条件のそれぞれにおいて検出された前記X線強度分布に基づいて、散乱像を取得する取得段階と、を含むX線画像生成方法。
  2. 請求項1に記載のX線画像生成方法において、
    前記測定条件は、前記X線源と前記被測定物と前記検出器との位置関係を含み、
    前記取得段階は、少なくとも3つの前記位置関係のそれぞれにおいて検出された前記X線強度分布に基づいて散乱像を取得するX線画像生成方法。
  3. 請求項2に記載のX線画像生成方法において、
    少なくとも3つの前記位置関係のそれぞれにおいて、前記X線が前記被測定物を照射する照射位置が異なり、
    前記取得段階は、少なくとも3つの前記照射位置のそれぞれにおいて前記被測定物を透過した前記X線の前記X線強度分布に基づいて散乱像を取得するX線画像生成方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のX線画像生成方法において、
    前記散乱像は、前記測定条件ごとに検出された前記X線強度分布における相互コヒーレンス関数に基づいて取得される、X線画像生成方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のX線画像生成方法において、
    前記測定条件のうちの少なくとも一つの第1測定条件で検出された前記X線強度分布は、前記被測定物による散乱を実質的に含まない、X線画像生成方法。
  6. X線を出射するX線源と、
    前記X線源から出射されて被測定物を透過したX線強度分布を検出する検出器と、
    少なくとも3つの異なる測定条件のそれぞれにおいて検出された前記X線強度分布に基づいて散乱像を取得する取得部と、
    を備えるX線装置。
  7. 請求項6に記載のX線装置において、
    前記測定条件は、前記X線源と前記被測定物と前記検出器との位置関係を含み、
    前記取得部は、少なくとも3つの前記位置関係のそれぞれにおいて検出された前記X線強度分布に基づいて散乱像を取得する、X線装置。
  8. 請求項7に記載のX線装置において、
    少なくとも3つの前記位置関係のそれぞれにおいて、前記X線が前記被測定物を照射する照射位置が異なり、
    前記取得部は、少なくとも3つの前記照射位置のそれぞれにおいて前記被測定物を透過した前記X線の前記X線強度分布に基づいて散乱像を取得するX線装置。
  9. 請求項6から8のいずれか一項に記載のX線装置において、
    前記取得部は、前記検出器により異なる前記測定条件ごとに検出された前記X線強度分布における相互コヒーレンス関数に基づいて、前記散乱像を取得する、X線装置。
  10. 構造物の形状に関する設計情報を作成し、
    前記設計情報に基づいて前記構造物を作成し、
    作成された前記構造物の形状を、請求項6から9のいずれか一項に記載のX線装置を用いて計測して形状情報を取得し、
    前記取得された前記形状情報と前記設計情報とを比較する構造物の製造方法。
  11. 請求項10に記載の構造物の製造方法において、
    前記形状情報と前記設計情報との比較結果に基づいて実行され、前記構造物の再加工を行う構造物の製造方法。
  12. 請求項11に記載の構造物の製造方法において、
    前記構造物の再加工は、前記設計情報に基づいて前記構造物の作成を再度行う構造物の製造方法。
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