JP2021066895A - 成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の成膜レートを維持したまま、応力が所定値以内の酸化アルミニウム膜を効率よく成膜することができる成膜方法を提供する。【解決手段】本発明の成膜方法は、真空チャンバ1内に設けたステージ5に被成膜物Sをセットし、真空雰囲気中の真空チャンバ内に希ガス及び酸素含有の反応ガスまたは希ガスのみを導入し、真空チャンバ内に予めセットされたアルミニウム製または酸化アルミニウム製のターゲット21,22に所定電力を投入してターゲットをスパッタリングすることで被成膜物の表面に酸化アルミニウム膜を成膜し、そして、ステージに被成膜物を順次搬送して複数の被成膜物に対して連続成膜を実施する場合、一の被成膜物に成膜するときのステージの温度を初期温度とし、それ以降の被成膜物に対して成膜する場合にその成膜開始当初のステージの温度を、初期温度を基準とする所定範囲内の温度に制御する工程を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、スパッタリング法により被成膜物の表面に酸化アルミニウム膜を成膜する成膜方法に関し、より詳しくは、複数の被成膜物に対して連続成膜を実施するためのものに関する。
酸化アルミニウム膜は、表示装置や半導体装置にて薄膜トランジスタなどの素子の保護膜(パッシベーション膜)や絶縁膜として従来から用いられる場合がある。このような酸化アルミニウム膜の成膜にはスパッタリング法によるものが知られ(例えば、特許文献1、2参照)、その中でも、所謂反応性スパッタリング法が一般に利用されている。この場合、ターゲットとしてアルミニウム製のものを用い、このターゲットが予めセットされた真空チャンバ内の所定位置に、ガラス基板等の被成膜物を搬送してセットする。そして、真空雰囲気中の真空チャンバ内に放電用の希ガスと酸素等の反応ガスとを導入し、ターゲットに例えば負の電位を持った所定電力を投入してターゲットをスパッタリングする。これにより、ターゲットから飛散したアルミニウム原子と酸素との反応生成物が被成膜物に付着、堆積して被成膜物表面に酸化アルミニウム膜が成膜される。
酸化アルミニウム膜のスパッタリングによる成膜時、被成膜物を加熱したりまたは冷却したりすることなく、成膜を行うことが一般であり、このようにして成膜された酸化アルミニウム膜は、非晶質なものとなることが一般に知られている。他方で、酸化アルミニウム膜の用途によっては、成膜済みの酸化アルミニウム膜に対して例えば500℃の加熱温度でアニール処理が施され、結晶質のアルミニウム膜に改質することも従来から行われている。
ところで、上記表示装置や半導体装置の製造工程においては、例えば、所謂枚葉式のスパッタリング装置を用いて複数の被成膜物に対して連続成膜が実施される場合がある。即ち、スパッタリング装置の真空チャンバ内にはステージが設けられていて、真空雰囲気中でこのステージに一の被成膜物をセットした後、この被成膜物に対して上記のようにしてスパッタリング法による成膜が実施される。成膜後には、成膜済みの被成膜物がステージから真空チャンバ外に取り出され、次の被成膜物が真空雰囲気の真空チャンバ内に搬入されてステージにセットされ、その後に成膜が実施される。このような一連の操作が繰り返されて、例えばターゲットのライフエンドまで複数の被成膜物に対する成膜が実施される(即ち、連続成膜)。
ここで、上記のようにして連続成膜を実施する間、成膜時のスパッタ条件(例えば、ターゲットへの投入電力、真空チャンバ内の圧力やスパッタ時間)を同等に設定していても、成膜レート(被成膜物表面における単位時間あたりの膜厚)が徐々に低下していくことが判明した。そこで、本願発明者らは鋭意研究を重ね、成膜される酸化アルミニウム膜の膜質の変化に起因して成膜レートの低下を招来し、このような酸化アルミニウム膜の膜質の変化は、ステージの温度変化に起因していることを知見するのに至った。
即ち、ステージは、一般にステンレスやアルミニウム等の金属製であり、上記のように連続成膜を実施する間、プラズマからの輻射熱でステージも加熱され、成膜される被成膜物の数が増えるのに従い昇温していく。すると、例えばステージが室温(例えば、25℃)であるときには、被成膜物に成膜される酸化アルミニウム膜は、その厚さ方向略全体に亘って非晶質なもの(層)となっている一方で、ステージの温度が所定の範囲を超えて室温から(例えば、100℃に)昇温した状態で、このステージに被成膜物をセットし、当該被成膜物に対して酸化アルミニウム膜を成膜すると、被成膜物表面から所定の高さ位置までは非晶質な層となるが、そこから膜表面までは微結晶質な層となり、その結果、所定のスパッタ条件で成膜したときの全体的な膜厚が少なくなることで成膜レートの低下を招来していることを知見するのに至った。このことは、ステージの温度が高くなるのに従い(例えば、150℃)、微結晶質な層の厚さが次第に増加することでより顕著になる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであり、所定の成膜レートを維持したまま酸化アルミニウム膜を連続成膜することができる成膜方法を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の成膜方法は、真空チャンバ内に設けたステージに被成膜物をセットし、真空雰囲気中の真空チャンバ内に希ガス及び酸素含有の反応ガスまたは希ガスのみを導入し、真空チャンバ内に予めセットされたアルミニウム製または酸化アルミニウム製のターゲットに所定電力を投入してターゲットをスパッタリングすることで被成膜物の表面に酸化アルミニウム膜を成膜し、そして、ステージに被成膜物を順次搬送して複数の被成膜物に対して連続成膜を実施する場合、一の被成膜物に成膜するときのステージの温度を初期温度とし、それ以降の被成膜物に対して成膜する場合にその成膜開始当初のステージの温度を、初期温度を基準とする所定範囲内の温度に制御する工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、室温の真空チャンバ内を真空引きして連続成膜を開始するような場合、最初に成膜を行う被成膜物を一の被成膜物とし、一の被成膜物に成膜するときのステージの温度を初期温度として設定する。そして、一の被成膜物以降にステージにセットされて成膜される被成膜物に対して成膜する場合、その成膜開始当初のステージの温度を、初期温度を基準とする所定範囲内の温度に制御することで、その制御温度に応じて、酸化アルミニウム膜中にて微結晶質な層となる部分の厚さを略一定にできることで、成膜レートを略同等に維持することができる。
本発明においては、前記初期温度を150℃以下の温度とし、前記所定範囲内の温度を±10℃とすることが好ましい。これによれば、厚さ方向略全体に亘って微結晶な層とすることなく、また、成膜回数の増加に伴い微結晶な層の厚さを大きくなることが抑制され、所定の成膜レートを維持することができる。なお、前記初期温度を室温(25℃)とし、前記所定範囲内の温度を±10℃とすれば、厚さ方向全体に亘って非晶質な膜とできより好ましい。
以下、図面を参照して、ターゲットをアルミニウム製、被成膜物を矩形のガラス基板(以下、基板Sという)とし、反応性スパッタリングにより酸化アルミニウム膜を成膜する場合を例に本発明の実施形態の成膜方法を説明する。
図1を参照して、SMは、本発明の成膜方法を実施することができるマグネトロン方式のスパッタリング装置である。スパッタリング装置SMは成膜室11を画成する真空チャンバ1を備える。以下においては、「上」、「下」といった方向を示す用語は、図1に示すスパッタリング装置SMの姿勢を基準にする。真空チャンバ1の底壁には排気口12が開設され、排気口12には、ロータリーポンプ、ドライポンプ、ターボ分子ポンプなどで構成される真空排気手段Pからの排気管13が接続され、成膜室11内を真空引きして所定圧力(例えば、1×10−6Pa)に保持できるようになっている。
真空チャンバ1の下部には、アルミニウム製(例えば、純度99.999%)のターゲット21,22と磁石ユニット31,32とで構成される2個のカソードユニットCuが設けられている。各ターゲット21,22は、同一の略直方体形状に夫々形成されたものであり、その下面には、スパッタリングによる成膜中、当該ターゲット21,22を冷却する銅製のバッキングプレート22がインジウムなどのボンディング材(図示せず)を介して夫々接合されている。そして、バッキングプレート22に接合した状態で各ターゲット21,22が真空チャンバ1の下部内面に真空シール兼用の絶縁体23を介して設置される。この場合、各ターゲット21,22は、成膜室11の左右方向に所定の間隔を置いて、かつ、未使用時のターゲット21,22の上面が、後述の基板Sに平行な同一平面内に位置するようになっている。各ターゲット21,22には、交流電源Psからの出力Pkが夫々接続され、交流電源Psにより各ターゲット21,22間に所定周波数(例えば、1kHz〜100kHz)の交流電力が投入されるようになっている。
各バッキングプレート22の下方(真空チャンバ1の外側)に位置させて夫々配置された磁石ユニット31,32は同一の形態を有し、磁石ユニット31,32は、バッキングプレート22に平行に設けられ、磁性材料製の平板から構成される支持板31(ヨーク)を備える。支持板31上には、当該支持板31の中心線上に位置させて配置した中央磁石32と、この中央磁石32の周囲を囲うように、支持板31の上面外周に沿って環状に配置した周辺磁石33とがターゲット21,22側の極性をかえて設けられている。この場合、例えば、中央磁石32の同磁化に換算したときの体積をその周囲を囲う周辺磁石33の同磁化に換算したときの体積の和(周辺磁石:中央磁石:周辺磁石=1:2:1(図1参照))程度になるように設計される。これにより、各ターゲット21,22の上方で釣り合ったトンネル状の漏洩磁場(図示せず)が夫々形成される。中央磁石32及び周辺磁石33は、ネオジム磁石等の公知のものであり、これらの中央磁石及び周辺磁石は一体のものでも、または、所定体積の磁石片を複数列設して構成してもよい。なお、例えばターゲット21,22の利用効率を高めるために、磁石ユニット31,32に駆動手段(図示せず)を接続し、スパッタリングによる成膜中、上下方向または左右方向の少なくとも一方向に所定のストロークで往復動させるようにしてもよい。
真空チャンバ1の側壁には、ガス供給口14a,14bが開設され、ガス供給口14a,14bにはガス管41a,41bが夫々接続されている。ガス管41a,41bには、マスフローコントローラ42a,42bが介設され、図示省略のアルゴン等の希ガスのガス源と、酸素ガスやオゾン等の酸素含有の反応ガスのガス源とに夫々連通し、成膜室11内に流量制御された希ガスと反応ガスとを夫々導入できるようにしている。また、真空チャンバ1の上壁には、スパッタリング法による成膜時、上面に基板Sがセットされる保持手段としてのステージ5が設けられている。ステージ5は、ステンレス等の金属製で、基板Sの輪郭に対応する矩形の上面を持つように四角柱状に形成されたものである。なお、その下面には、特に図示して説明しないが、メカクランプや静電チャック等の機構が備えられ、成膜面としての下面を解放した状態で基板Sを保持できるようになっている。そして、真空チャンバ1は、図示省略の真空搬送ロボットを設置した搬送チャンバ6にゲートバルブ61を介して連接されている(所謂クラスターツール)。そして、真空搬送ロボットにより、搬送チャンバ6を経由して、成膜前の基板Sを真空チャンバ1に搬送して、ステージ5にセットし、及び、成膜済みの基板Sを真空チャンバ1外に取り出すことができるようになっている。なお、真空搬送ロボットや真空雰囲気中での基板Sの搬送自体は公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
上記スパッタリング装置SMによりターゲット21,22をスパッタリングして基板S表面に反応性スパッタリングにより酸化アルミニウム膜を成膜する場合、図外の真空搬送ロボットにより、搬送チャンバ6を経由してステージ5に基板Sをセットし、成膜室11を所定圧力まで真空引きする。成膜室11が所定圧力に達すると、マスフローコントローラ42a,42bを制御して希ガス及び反応ガスを導入し、交流電源Psによりターゲット21,22に負の電位を持った所定電力を投入する。これにより、ターゲット21,22と基板Sとの間の空間にレーストラック状に高密度のプラズマが発生する。そして、プラズマ中の希ガスのイオンでターゲット21,22がスパッタされる。これにより、ターゲット21,22から飛散したアルミニウム原子と酸素との反応生成物が基板S表面に付着、堆積して酸化アルミニウム膜が成膜される。
成膜終了後には、図外の真空搬送ロボットにより成膜済みの基板Sがステージ5から真空チャンバ1外に取り出され、次の基板Sが真空チャンバ1内に搬入されてステージ5にセットされ、その後に成膜が実施される。このような一連の操作が繰り返されて、例えばターゲット21,22のライフエンドまで複数枚の基板Sに対する成膜が実施される(即ち、連続成膜)。
上記のようにして連続成膜を実施する間、成膜時のスパッタ条件(例えば、ターゲット21,22への投入電力、真空チャンバ1内の圧力やスパッタ時間)を同等に設定していても、成膜レート(基板表面における単位時間あたりの膜厚)が徐々に低下していくことが判明した。そこで、複数枚の基板表面に同等のスパッタ条件で夫々成膜した酸化アルミニウム膜を解析してみると、図2(a)に示すように、室温で成膜が行われた最初の基板S(以下「基板S1」という)表面に成膜された酸化アルミニウム膜AOは、その表層が極薄の微結晶質な層AO2となっているものの、その厚さ方向略全体に亘って非晶質な層AO1となっており、全体的な膜厚はt1となる。所定枚数の基板に成膜した後の基板S(以下「基板S2」という)表面に成膜された酸化アルミニウム膜AOは、基板S2表面から所定の高さ位置までは非晶質な層AO1となるが、そこから膜表面までは微結晶質な層AO2となり、全体的な膜厚は上記膜厚t1よりも小さいt2となる。さらに所定枚数の基板に成膜した後の基板S(以下「基板S3」という)表面に成膜された酸化アルミニウム膜AOは、微結晶質な層AO2の厚さが更に増加し、全体的な膜厚は上記膜厚t2よりも更に小さいt3となる。このように、成膜枚数の増加に従い、微結晶質な層AO2の厚さが次第に増加し、酸化アルミニウム膜AOの全体的な膜厚が次第に減少し、成膜レートの低下を招来していることが判明した。
ここで、基板Sがセットされるステージ5は、上記のように連続成膜を実施する間、プラズマからの輻射熱で加熱されることから、基板Sがセットされるステージ5表面の温度を図外の熱電対を用いて測定してみると、図2(b)に示すように、成膜される基板Sの枚数(成膜回数)が増えるのに従い、所定温度まではほぼ比例的に昇温していく。これから、連続成膜の際における各基板Sに対して成膜を開始するときのステージ5の温度(特に、基板Sがセットされるステージ5表面の温度)と、基板表面に成膜される酸化アルミニウム膜AOの膜質との間に相関があること、即ち、酸化アルミニウム膜AOの膜質の変化は、ステージ5の温度変化に起因していることを知見するのに至った。
そこで、上記スパッタリング装置SMにおいては、ステージ5に冷媒循環手段7が組み込まれている。冷媒循環手段7としては、ステージ5内部に形成した冷媒通路71と、冷媒通路71に冷却水等の冷媒を循環させるチラーユニット72とから構成されるものが利用できる。そして、例えば、ターゲット21,22交換後に、複数枚の基板Sに対して連続成膜を実施するような場合には、最初に成膜を行う基板Sに対して成膜するときのステージ5の温度を初期温度として設定する。そして、常時、ステージ5の温度を図外の熱電対等により測定し、これ以降にステージ5にセットされて成膜される基板Sに対して成膜する場合、その成膜開始当初のステージ5の温度を、初期温度を基準とする所定範囲内の温度に制御するようにした。これにより、その制御温度に応じて、酸化アルミニウム膜AO中にて微結晶質な層AO2となる部分の厚さを略一定にできることで、成膜レートを略同等に維持することができる。この場合、本実施形態のように、初期温度を、室温と同等以下の温度としておけば、基板表面に成膜される酸化アルミニウム膜AOがその厚さ方向略全体に亘って非晶質な層AO1となるため、高い成膜レートを維持した状態で複数の基板Sに対して酸化アルミニウム膜AOを連続成膜することができ、有利である。
以上の効果を確認するために、図1に示すスパッタリング装置SMを用い、基板Sの表面に酸化アルミニウム膜AOを連続成膜する実験を行った。この場合のスパッタ条件として、基板Sが接するステージ5表面をアルミニウム製とした。また、ターゲット21,22と基板Sとの間の距離を210mm、交流電源Psによりターゲット21,22間に投入する電力を40kW、スパッタ時間を364秒に設定し、また、真空排気されている成膜室11内の圧力が1Paに保持されるように、マスフローコントローラ42a,42bを制御して希ガスとしてのアルゴンと酸素ガスとを9:2の流量比で導入した。この場合、初期温度を25℃とし、冷媒循環手段7により、各基板Sがステージ5にセットされて成膜が開始されるときのステージ5(好ましくは、基板Sが接するステージ5表面)の温度を25℃±10℃の範囲の温度に制御した(発明実験)。なお、比較実験として、ステージ5を加熱や冷却することなく、そのままの状態で複数枚の基板Sに対して連続成膜を行った(比較実験)。
図3は、発明実験及び比較実験での複数枚の基板Sへの成膜回数に対する成膜レートの変化を示すグラフである。これによれば、比較実験では、成膜回数の増加に従い、成膜レートが低下している。それに対して、発明実験では、成膜回数に関係なく、略一定の成膜レートで連続成膜できることが判る。なお、発明実験で夫々成膜した酸化アルミニウム膜の応力を測定したところ、略一定の値を示すことが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態では、ステージ5に基板Sを順次搬送することで連続成膜を実施するものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、成膜開始時に基板Sを保持する部品や要素の温度が変化するものであれば、本発明は広く適用することができる。
また、上記実施形態では、初期温度を室温としたものを例に説明したが、これに限定されるものではない。用途によっては、酸化アルミニウム膜として微結晶質であるものが要求されるような場合には、所定温度(例えば、150℃)に加熱された状態を初期温度とし、これ以降に成膜するときに、この初期温度を基準に温度制御するようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、室温を基準にステージ5の温度を制御するために冷媒循環手段7を備えるものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、冷却パネルやランプヒータ等を利用して、ステージ5の温度を制御することができる。また、上記実施形態では、チラーユニット72を適宜作動させて、その成膜開始当初のステージ5の温度を、初期温度を基準とする所定範囲内の温度に制御しているが、これに限定されるものではなく、基板Sに対して連続成膜を実施する間、チラーユニット72から冷媒通路71に冷媒を常時循環させることで、ステージ5の温度が初期温度を基準とする所定範囲内の温度に常時保持されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ターゲット21,22をアルミニウム製とし、反応性スパッタリング法により酸化アルミニウム膜を成膜する場合を例に説明したが、ターゲット21,22を酸化アルミニウム製とし、真空チャンバ1内に希ガスのみを導入し、スパッタリング法により酸化アルミニウム膜を成膜する場合にも本発明は適用することができる。
S…基板(被成膜物)、1…真空チャンバ、21,22…ターゲット、5…ステージ。
Claims (2)
- 真空チャンバ内に設けたステージに被成膜物をセットし、真空雰囲気中の真空チャンバ内に希ガス及び酸素含有の反応ガスまたは希ガスのみを導入し、真空チャンバ内に予めセットされたアルミニウム製または酸化アルミニウム製のターゲットに所定電力を投入してターゲットをスパッタリングすることで被成膜物の表面に酸化アルミニウム膜を成膜する成膜方法であって、ステージに被成膜物を順次搬送して複数の被成膜物に対して連続成膜を実施するためのものにおいて、
一の被成膜物に成膜するときのステージの温度を初期温度とし、それ以降の被成膜物に対して成膜する場合にその成膜開始当初のステージの温度を、初期温度を基準とする所定範囲内の温度に制御する工程を含むことを特徴とする成膜方法。 - 前記初期温度を150℃以下の温度とし、前記所定範囲内の温度を±10℃とすることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
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