JP2021066764A - エポキシ樹脂およびそれを含む硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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一輝 上田
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一輝 上田
保田 亮二
Ryoji Yasuda
亮二 保田
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Abstract

【課題】靭性と耐水性を兼備した柔軟性エポキシ樹脂を提供すること。【解決手段】全塩素が0〜900ppmであることを特徴とする下記式(1)で表されるエポキシ樹脂が、上記課題を解決する。【化1】(nは1〜20の自然数を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂およびそれを含有する樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、硬化性、機械物性および電気特性に優れていることから、接着剤、塗料、土木建築材料、電気電子部品の絶縁材料、炭素繊維強化複合材料等の様々な分野で使用されている。常温又は熱硬化型のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂が一般的である。
エポキシ樹脂は、様々な化学構造と優れた性能を有する樹脂である。しかし、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代表されるエポキシ樹脂は柔軟性に乏しく、傷や亀裂を起点にクラックが進展しやすく容易に破壊される。また、近年需要が伸びている半導体封止材料分野におけるアンダーフィル材やフレキシブル配線基板用途においては、長期信頼性の観点から、柔軟性を有し、尚且つ靭性や耐水性に優れるエポキシ樹脂が要求されている。
柔軟性に優れるエポキシ樹脂としては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルやポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの様に分子内にエーテル結合を有するエポキシ樹脂などが知られている(非特許文献1、2)。
また、エポキシ樹脂自体の柔軟性を改良する目的で、フェノール類化合物をネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルで変性した長鎖のエポキシ樹脂が提案されている(特許文献1)。このエポキシ樹脂は柔軟性に優れた硬化物が得られるものの、靭性と耐水性を向上させるため、更なる開発が望まれていた。
総説 エポキシ樹脂 第1巻 基礎編I、P299−300 入門 エポキシ樹脂、P113−115
特開2007−023134号公報
したがって本発明の課題は、靭性と耐水性を兼備した柔軟性エポキシ樹脂を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、全塩素が0〜900ppmの式(1)で表されるエポキシ樹脂が、上記課題を解決することを見出した。
Figure 2021066764
(nは1〜20の自然数を示す。)
本発明により、靭性と耐水性を兼備した柔軟性エポキシ樹脂硬化物を得ることが出来る。そのため、本発明のエポキシ樹脂は、電気電子材料や車載材料を中心としたアンダーフィル材やフレキシブル配線基板等の広範な用途で使用できる。
以下に本発明を実施するための形態をより詳細に説明するが、本発明の範囲は、この実施形態に限定するものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で変更等が加えられた形態も本発明に属する。なお、範囲を表す表記の「〜」は、上限と下限を含むものである。
本発明は、全塩素0〜900ppmであることを特徴とする下記式(1)で表されるエポキシ樹脂である。
Figure 2021066764
(nは1〜20の自然数を示す。)
本発明におけるエポキシ樹脂の全塩素は、硬化後の機械物性や耐水性の観点から、0〜900ppm以下であり、0〜500ppmであることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、硬化後の機械物性、耐水性、硬化性の観点から、300〜500g/eqが好ましく、300〜400g/eqが特に好ましい。
本発明の式(1)で表されるエポキシ樹脂は、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルとビスフェノールAを反応させて得られるものであることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂の原料となるネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの純度は、硬化後の機械物性の観点から、80重量%以上であることが好ましい。なお、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの純度は、ガスクロマトグラフ(GC)法にて、主成分純度99%以上のネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを用いた絶対検量線法より、得られるピーク面積値から定量される値である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の(A)成分における式(1)で表される化合物の配合割合は、硬化物の機械物性や耐水性の観点から、50〜100重量%であることが好ましく、70〜100重量%であることがより好ましい。
(A)成分には、式(1)以外のエポキシ樹脂を含有しても良く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールF−アルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性 3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、反応性希釈剤であるアルキルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o−クレジルグリシジルエーテル、m,p−クレジルグリシジルエーテル、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、反応性希釈剤はエポキシ樹脂の粘度を調整するために用いられる。
(B)成分の硬化剤は特に限定されず、種々のものが使用可能であり、例えば、酸無水物系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始が挙げられ、潜在性硬化剤としてはジシアンジアミド、アミンアダクトなどが挙げられる。
本発明における酸無水物系硬化剤の具体例としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート等が挙げられる。これらの中でも、配合樹脂組成物の取り扱いの作業性や硬化後の特性、汎用性等を考慮すると、常温で液状であるメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物が好ましい。
酸無水物系硬化剤の含有量は(A)成分のエポキシ基1当量に対して、0.5〜1.5当量の範囲であることが好ましく、硬化性や硬化物の物性を考慮すると0.7〜1.1当量の範囲であることがより好ましい。
酸無水物系硬化剤を使用する場合、必要に応じて硬化促進剤を併用してもよい。
硬化促進剤として使用できる化合物としては特に限定されないが、具体的には、トリフェニルベンジルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類とその第四級塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル]エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾリン2,3−ジヒドロ−1−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−(4,3,0)−ノネン−5等の超強塩基性の有機化合物、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の有機カルボン酸金属塩、ベンゾイルアセトン亜鉛キレート、ジベンゾイルメタン亜鉛キレート、アセト酢酸エチル亜鉛キレート等の金属−有機キレート化合物等の公知の化合物が挙げられる。これら促進剤は硬化に要する時間やポットライフなど樹脂組成物に対する要求に対して適切に選択される。
硬化促進剤の配合割合は、(A)成分100重量部に対して0〜1重量部であることが好ましく、好ましくは0.3〜0.7重量部であることがより好ましい。
本発明におけるポリフェノール系硬化剤の具体例としては、各種フェノールを原料とするフェノールノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、テルペン骨格含有フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。上記で使用される各種フェノールとしてはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールZ、ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ナフトール類等が挙げられる。
ポリフェノール系硬化剤の配合割合は、(A)成分のエポキシ基1当量に対して、硬化性や硬化物の物性を考慮すると0.5〜1.5当量の範囲であることが好ましく、0.8〜1.2当量の範囲であることがより好ましい。
本発明におけるアミン系硬化剤は常温型および加熱型硬化剤ともに使用できる。本発明におけるアミン系硬化剤の具体例としては、ポリアミノアミド、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシブチレンジアミン、ポリオキシペンチレンジアミン、ポリオキシエチレントリアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシブチレントリアミン、ポリオキシペンチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ラロミンC−260等の脂肪族アミンや、4,4−ジアミノ−3,3−メチルジフェニルメタン、ジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、N−アミノエチルピペラジン等の芳香族アミンが挙げられる。また、これらの変性物、例えばMXDA変性物、IPDA変性物等を用いても良い。
アミン系硬化剤の配合割合は、(A)成分のエポキシ基1当量に対して、硬化性や硬化物の物性を考慮すると0.5〜1.5当量の範囲であることが好ましく、0.8〜1.2当量の範囲であることがより好ましい。
カチオン重合開始剤としては、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウムなどから選ばれる少なくとも1種のカチオンと、BF、PF、SbF等から選ばれる少なくとも1種のアニオンから構成されるオニウム塩等が挙げられる。このようなカチオン重合開始剤は、1種を単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
芳香族スルホニウム塩系のカチオン重合開始剤の具体例としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムテトラフルオロボレート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩系のカチオン重合開始剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
芳香族ジアゾニウム塩系のカチオン重合開始剤の具体例としては、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
芳香族アンモニウム塩系のカチオン重合開始剤の具体例としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
カチオン重合開始剤の配合割合は、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、硬化性や硬化物の物性を考慮すると0.1〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.5〜6重量部の範囲であることがより好ましい。
カチオン重合開始剤を使用する場合、必要に応じてラジカル重合開始剤を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物及びオキシムエステル系化合物等を好ましいものとして例示することができる。アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、ベンジル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。オキシムエステル系化合物としては、例えば、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の配合割合は、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、硬化性や硬化物の物性を考慮すると0.1〜5重量部の範囲であることが好ましく、0.5〜3重量部の範囲であることがより好ましい。
本発明における潜在性硬化剤としては、加熱により硬化作用を発揮する通常の硬化剤で、一般に80〜250℃の温度範囲で活性化するものが使用できる。潜在性硬化剤の具体例としては、ジシアンジアミド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体、メラミン誘導体等が挙げられる。
潜在性硬化剤の配合割合は、(A)成分100重量部に対して、硬化性や硬化物の物性を考慮すると3〜25重量部であることが好ましく、5〜10重量部の範囲であることがより好ましい。
本発明は、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤に限定されるものではなく、発明の効果を損なわない範囲で、着色剤、酸化防止剤、レベリング剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、無機充填剤、樹脂粒子、濡れ性改良剤、消泡剤、光安定剤、熱安定剤、添加剤である炭酸カルシウム、タルク、シリカ、硫酸バリウム等の無機フィラー等を併用することができる。
以下に具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また、実施例中の表の単位は特に断らない限り「重量部」とした。
<全塩素の測定>
下記で合成するエポキシ樹脂(a−1)又はエポキシ樹脂(b−1)0.1gを200ml共栓付三角フラスコに精秤し、1−ブタノール20mlを加え、120℃の油浴中で還流溶解した。さらに、金属ナトリウム1gを加え油浴中で1時間還流した。放冷後、純水20ml、硝酸5ml、アセトン64mLを加え、この溶液を電位差滴定装置を用いて生成したNaClを0.01mol/Lの硝酸銀水溶液で滴定することによって求めた。
<ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの純度の測定>
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの純度は、ガスクロマトグラフ(GC)法にて、以下の条件を用いて測定した。
(GC法)
装置:GC−2014((株)島津製作所製)
検出器:FID
カラム:DB−1[0.25mm(I.D.)×30m,df=0.25μm](アジレント・テクノロジー(株)製)
キャリアガス:He
温度プログラム:50℃→20℃/min→300℃
圧力:83.6KPa
カラム流量:1.00mL/min
線速度:25.4cm/sec(一定)
スプリット比:1:49
注入量:1.0μL
(合成例1)
攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を備えた四つ口フラスコに純度93重量%のネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量;111g/eq)120.0gとビスフェノールA61.7g、テトラブチルホスホニウムブロミド0.036gを仕込み、窒素ガスパージを施しながら150℃で6時間反応させ、エポキシ樹脂(a−1)を得た。エポキシ樹脂(a−1)の全塩素は410ppm、エポキシ当量は359g/eqであった。
(合成例2)
純度41重量%のネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量;145g/eq)の仕込み量を550g、ビスフェノールAの仕込み量を251g、テトラブチルホスホニウムブロミド0.2g、反応時間を5時間に変更した以外は合成例1と同操作を行い、エポキシ樹脂(b−1)を得た。エポキシ樹脂(b−1)の全塩素は42000ppm、エポキシ当量は440g/eqであった。
(実施例1)
合成例1で得られたエポキシ樹脂(a−1)100重量部、硬化剤としてポリアミノアミド26重量部、消泡剤としてシリコーン系消泡剤0.1重量部を2分間均一になるまで撹拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。この組成物を減圧下で脱泡した後、シリコーン製の鋳型に注型し、23℃で20時間、次いで80℃で5時間硬化し、硬化物を得た。
(比較例1)
エポキシ樹脂および硬化剤を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同操作を行い、エポキシ樹脂組成物および硬化物を得た。
以下に、実施例1および比較例1における評価方法を挙げる。
<引張試験(破断点伸び率/破壊エネルギー)>
エポキシ樹脂硬化物の引張試験をJIS K7161に準じて実施した。測定機器には、オートグラフAG−IS 1kN 卓上型((株)島津製作所製)を用い、引張速度10mm/minにて破断点伸び率および破壊エネルギーを測定した。破断点伸び率は、柔軟性の指標であり、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また、破壊エネルギーは、靭性の指標であり、10J以上であることが好ましく、30J以上であることがより好ましい。
<耐水試験(吸水率)>
エポキシ樹脂硬化物の耐水試験をJIS K7209に準じて実施した。但し、吸水温度は23℃、吸水時間は7日間とした。吸水率は、2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましい。
Figure 2021066764
本発明のエポキシ樹脂(a−1)を用いた実施例1は、エポキシ樹脂(b−1)を用いた比較例1と比較して、同等の破断点伸び率を有し、破壊エネルギーは約15倍高く、吸水率は約5割低下するものであった。これより、エポキシ樹脂(a−1)は、柔軟性に優れ、尚且つ、靭性と耐水性にも極めて優れたものであることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. 全塩素が0〜900ppmであることを特徴とする下記式(1)で表されるエポキシ樹脂。
    Figure 2021066764
    (nは1〜20の自然数を示す。)
  2. 純度が80重量%以上のネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルとビスフェノールAを反応させて得られる請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂(A)と酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤、ポリフェノール系硬化剤、潜在性硬化剤からなる群より選ばれる1種以上の硬化剤(B)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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