JP2021066647A - ガラス組成物、ガラス粉末、封着材料、ガラスペースト、封着方法、封着パッケージおよび有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

ガラス組成物、ガラス粉末、封着材料、ガラスペースト、封着方法、封着パッケージおよび有機エレクトロルミネセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】封着材料に用いた場合に接着強度や強度に優れ、更に低温封着性を有する封着材料を得ることができるガラス組成物及びガラス粉末を提供する。
【解決手段】実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%含有するガラス組成物。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス組成物、ガラス粉末、封着材料、ガラスペースト封着方法、封着パッケージ及び有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Display:OELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の平板型ディスプレイ装置(FPD)は、1対のガラス基板が封着されたガラスパッケージにより発光素子が封止された構造を有する。また、液晶表示装置(LCD)は、1対のガラス基板間に液晶が封止された構造を有する。さらに、有機薄膜太陽電池や色素増感型太陽電池等の太陽電池は、1対のガラス基板間に太陽電池素子(光電変換素子)が封止された構造を有する。
この中でも有機ELディスプレイは、水分との接触で有機EL素子の発光特性が著しく劣化することから、有機EL素子を外気から厳密に遮断する必要がある。また、有機EL素子は高温に曝されると損傷することから封止方法が極めて重要である。
そこで、有機ELディスプレイの封止方法としてガラス粉末を封着材料に使用し、局所加熱により封止する方法が有力視されている。ガラス粉末とはガラス組成物を粉砕して得られるガラス粉末であり、一般的にはこれと有機ビヒクルを混合してペースト化して用いる。このペーストを一方のガラス基板にスクリーン印刷もしくはディスペンス等で塗布し、焼き付けて仮焼成層とする。次に他方のガラス基板を重ね合わせて、仮焼成層に対するレーザ等を用いた局所加熱によりガラス粉末を溶融させて封着させる。
このように、封着材料に使用されるガラス組成物として、例えば、特許文献1には有機ELディスプレイの封止に用いられるTeO−ZnO−B系のガラス組成物が記載されている。また、特許文献2では、V−ZnO−TeO系のガラス組成物が開示されている。
特許第6357937号公報 特許第6022070号公報
近年、ディスプレイパネルの形状多様化等に伴い、封着されたディスプレイパネルに対して封着部やその周辺で、切断や研磨といった加工を施す場合がある。しかし、このような加工を施す場合、封着部において剥離が生じやすく、したがって歩留りが低下するという問題がある。当該問題の解決のため、封着強度の向上が求められている。
ガラス粉末を用いた封着材料による封着強度は、主に、封着材料とガラス基板との接着強度(以下単に「接着強度」ともいう)、封着材料自体の強度、封着材料内に蓄積された熱応力(残留応力)の大きさによって左右される。
特に、接着強度は、封着材料とガラス基板との反応に左右されるため、当該接着強度を大きくするには、封着材料中にガラス基板との反応性の高い成分を含有させることが好ましい。
また、熱応力は、主に加熱された封着材料がガラス転移点付近から室温まで冷却される過程で蓄積されるため、熱応力を抑制するためには、ガラス転移点が比較的低く、低温で封着できる、すなわち、低温封着性を有する封着材料を使用することが好ましい。
したがって、基板との反応性を有し、強度が高く、低温封着性を有する封着材料が望まれている。
しかし、特許文献1に記載のガラス組成物は、ガラス転移点が概ね350℃以上と高い。したがって、当該ガラス組成物を含む封着材料は、封着後の残留応力が大きく、封着強度が不十分である。
また、特許文献2に記載のガラス組成物は、ガラス転移点は比較的低いが、基板との反応性や強度が十分でなく、したがって、封着強度が不十分である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、封着材料に用いた場合に接着強度や強度に優れ、更に低温封着性を有する封着材料を得ることができるガラス組成物及びガラス粉末を提供することを目的とする。
また、本発明は当該ガラス粉末を含有する封着材料及びガラスペースト、これらを使用する封着方法、並びに、当該ガラス組成物を含有する封着層を有する封着パッケージ及び有機エレクトロルミネセンス素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、ガラス組成が特定の範囲であるガラス組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の構成のガラス組成物、ガラス粉末、封着材料、ガラスペースト、封着方法、封着パッケージおよび有機エレクトロルミネセンス素子を提供する。
[1]実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%含有するガラス組成物。
[2]酸化物基準のモル%表示で、Vを15.0〜45.0%、TeOを16.0〜40.0%、ZnOを10.0〜40.0%、かつBiを1.0〜15.0%含有する前記[1]に記載のガラス組成物。
[3]酸化物基準のモル%表示で、Vを20.0〜40.0%、TeOを18.0〜35.0%、ZnOを15.0〜35.0%、かつBiを1.5〜10.0%含有する前記[1]又は[2]に記載のガラス組成物。
[4]酸化物基準のモル%表示で、Vを25.0〜35.0%、TeOを20.0〜30.0%、ZnOを20.0〜30.0%、かつBiを2.0〜7.0%含有する前記[1]〜[3]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[5]さらに、酸化物基準のモル%表示で、CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)が1.0〜10.0%であり、かつBを0.5〜10.0%含有する前記[1]〜[4]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[6]さらに、酸化物基準のモル%表示で、CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)が2.0〜8.0%であり、かつBを1.0〜7.5%含有する前記[1]〜[5]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[7]さらに、酸化物基準のモル%表示で、CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)が4.0〜7.5%であり、かつBを1.5〜5.0%含有する前記[1]〜[6]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[8]前記CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)に対するCuOの含有量の比{CuO/(CuO+Fe+MnO)}が30%以上である前記[5]〜[7]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[9]前記CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)に対するCuOの含有量の比{CuO/(CuO+Fe+MnO)}が50%以上である前記[5]〜[8]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[10]前記CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)に対するCuOの含有量の比{CuO/(CuO+Fe+MnO)}が70%以上である前記[5]〜[9]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[11]酸化物基準のモル%表示で、(V/TeO)で表される含有量の比が0.5〜2.5である前記[1]〜[10]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[12]酸化物基準のモル%表示で、(V/TeO)で表される含有量の比が1.0〜2.0である前記[1]〜[11]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[13]酸化物基準のモル%表示で、VとTeOとZnOの含有量の合計(V+TeO+ZnO)が78.0〜89.0%であり、かつ、AlとNbの含有量の合計(Al+Nb)が5.0〜11.0%である前記[1]〜[12]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[14]酸化物基準のモル%表示で、VとTeOとZnOの含有量の合計(V+TeO+ZnO)が79.0〜88.0%であり、かつ、AlとNbの含有量の合計(Al+Nb)が6.0〜10.0%である前記[1]〜[13]のいずれか1に記載のガラス組成物。
[15]累積粒度分布における体積基準の50%粒径が0.1μm以上100μm以下であり、前記[1]〜[14]のいずれか1に記載のガラス組成物からなる、ガラス粉末。
[16]前記[15]に記載のガラス粉末と、低膨張充填材およびレーザ吸収物質の少なくともいずれか一方とを含有する封着材料。
[17]前記[15]に記載のガラス粉末と、有機ビヒクルとを含有するガラスペースト。
[18]さらに低膨張充填材およびレーザ吸収物質の少なくともいずれか一方を含有する前記[17]に記載のガラスペースト。
[19]前記[15]に記載のガラス粉末、前記[16]に記載の封着材料または前記[17]もしくは[18]に記載のガラスペーストを使用し、前記ガラス粉末、前記封着材料または前記ガラスペーストにレーザ光を照射して加熱することで基板同士を封着する封着方法。
[20]第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着する封着層と、を有する封着パッケージであって、前記封着層は、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%を含有するガラス組成物を含む封着パッケージ。
[21]基板と、前記基板上に積層された陽極と有機薄膜層と陰極とを有する積層構造体と、前記積層構造体の外表面側を覆って前記基板上に載置されたガラス部材と、前記基板と前記ガラス部材とを接着する封着層と、を備え、前記封着層は、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%を含有するガラス組成物を含む有機エレクトロルミネセンス素子。
[22]前記封着層は、組成の異なる複数のガラスを含有する前記[21]に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
本発明のガラス組成物は、封着材料に用いた場合に接着強度や強度に優れ、更に低温封着性を有する封着材料を得ることができる。
図1は、ガラス粉末混合物を仮焼成して得られる仮焼成層の概念図である。 図2は、ガラス粉末混合物をレーザ照射等で加熱して得られる封着層の概念図である。 図3は、封着パッケージの一実施形態を示す正面図である。 図4は、図3に示す封着パッケージのA−A線断面図である。 図5Aは、封着パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図5Bは、封着パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図5Cは、封着パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図5Dは、封着パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図6は、図3に示す封着パッケージの製造に用いられる第1の基板の平面図である。 図7は、図6に示す第1の基板のB−B線断面図である。 図8は、図3に示す封着パッケージの製造に用いられる第2の基板の平面図である 図9は、図8に示す第2の基板のC−C線断面図である。 図10は、封着パッケージの一例である有機エレクトロルミネセンス素子の概念図である。 図11は、実施例の強度評価用試験片の製造に用いられるガラス基板の平面図である。 図12は、図11に示すガラス基板のD−D線断面図である。 図13は、実施例の強度評価用試験片を示す断面図である 図14は、両面に支持基板が設けられた強度評価用試験片の平面図である。 図15は、図14に示す支持基板が設けられた強度評価用試験片のE−E線断面図である。 図16は、剥離強度の測定方法を示す図である。 図17は、片面に支持基板が設けられた強度評価用試験片の平面図である。 図18は、図17に示す支持基板が設けられた強度評価用試験片のF−F線断面図である。 図19は、落球強度の測定方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
<ガラス組成物>
本実施形態のガラス組成物は、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%含有することを特徴とする。
次に、本実施形態のガラス組成物の各成分について説明する。以下の説明において、特に断りのない限り、ガラス組成物の各成分の含有量における「%」の表示は、酸化物基準、すなわち酸化物換算のモル%表示である。本明細書において、数値範囲を表す「〜」は、上下限を含む意味で使用される。
封着材料に用いられるガラス組成物がアルカリ金属酸化物を含有すると、封着時や、封着後において封着材料が高温にさらされた際に、ガラス基板などの被封着材にアルカリ成分が拡散し、被封着部材が劣化する。したがって、本実施形態のガラス組成物は実質的にアルカリ金属酸化物を含有しない。なお、実質的に含有しないとは、不可避的な不純物以外には含有しないという意味、即ち、意図的には添加されていないという意味である。したがって、本実施形態のガラス組成物は、不可避不純物としてのアルカリ金属酸化物を微量含有し得る。本実施形態のガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有量は、1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。
なお、本明細書においてアルカリ金属酸化物とは、LiO、NaO及びKOを意味するものとする。また、ppmとは質量ppmを意味する。
は、ガラス形成酸化物であり、ガラスのネットワークを形成するとともに、低軟化成分として必須である。また、レーザ吸収成分としても有効である。一方、Vの含有量が多いと、耐水性が低下し、またガラス製造時にガラス安定性が低下してガラスが失透しやすくなるおそれがある。また、Vの含有量が少なすぎると、ガラス転移点が上昇し低温封着性が悪化するおそれがある。したがって、Vの含有量は10.0〜50.0%とする。Vの含有量は15.0%以上が好ましく、20.0%以上がより好ましく、25.0%以上がさらに好ましく、また、45.0%以下が好ましく、40.0%以下がより好ましく、35.0%以下がさらに好ましい。
TeOは、ガラス酸化物であり、ガラスネットワークを形成するとともに、低軟化成分として必須である。一方、TeOの含有量が多いと、熱膨張係数が大きくなる。また少なすぎると、ガラス転移点が上昇し低温封着性が悪化するおそれがあり、また封着焼成時に結晶化しやすくなる。したがって、TeOの含有量は14.5〜45.0%とする。TeOの含有量は16.0%以上が好ましく、18.0%以上がより好ましく、20.0%以上がさらに好ましく、また、40.0%以下が好ましく、35.0%以下がより好ましく、30.0%以下がさらに好ましい。
ZnOは、熱膨張係数を低下させる成分として必須である。一方、ZnOの含有量が多いと、ガラス製造時にガラス安定性が低下してガラスが失透しやすくなるおそれがある。また少なすぎると、熱膨張係数が大きくなる。したがって、ZnOの含有量は5.0〜45.0%とする。ZnOの含有量は10.0%以上が好ましく、15.0%以上がより好ましく、20.0%以上がさらに好ましく、また、40.0%以下が好ましく、35.0%以下がより好ましく、30.0%以下がさらに好ましい。
Biは封着時にガラス基板と反応しやすく、反応層を形成することで接着強度を向上させる成分である。したがって、Biは本実施形態のガラス組成物にとって重要かつ必須な成分である。Biの含有量が少ないと、接着強度の向上の効果を十分に得ることができない。一方、Biの含有量が多いと、ガラス転移点が高くなり低温封着性を損なうおそれがある。その上、過度にガラス基板と反応し、ガラス基板中のSiO等の高融点成分をガラス組成物中に取り込むことで、固着点が上がり、封着後の封着材料の残留応力が大きくなるおそれがある。
本発明者らは、V−TeO−ZnO系のガラスに対するBiの添加量を検討し、低温封着性を維持したまま接着強度を向上することができるBiの適切な含有量を見出した。当該知見に基づき、本実施形態のガラス組成物においてBiの含有量は0.5〜20.0%とする。また、Biの含有量は1.0%以上が好ましく、1.5%以上がより好ましく、2.0%以上がさらに好ましく、また、15.0%以下が好ましく、10.0%以下がより好ましく、7.0%以下が更に好ましい。
とTeOとの含有量の比(V/TeO)が0.5〜2.5であると、上記Biを必須な成分として含む本ガラス組成物において、封着焼成時の結晶化を抑制でき、ガラスが安定化するため好ましく、(V/TeO)は1.0以上がより好ましく、また、2.0以下がより好ましい。
CuOは必須ではないが、熱膨張係数を低下させる効果を有する成分であり、また耐水性を向上させる効果があるため、含有させることが好ましい。さらにレーザ吸収成分としても有効である。そのため、CuOを含有させることで、ガラスペースト作製時に、レーザ吸収を目的として含有させる顔料の添加量を減らし、代わりに低膨張フィラーを多く含有させることができるため、より熱膨張係数が低いガラスペーストの製造が可能になる。一方、CuOの含有量が多いと、封着焼成時に結晶化しやすくなる。したがって、CuOの含有量は、レーザ吸収の効果を十分得るためには1.0%以上が好ましく、2.0%以上がより好ましく、5.0%以上がさらに好ましい。また、ガラスの結晶化を回避するために、CuOの含有量は10.0%以下が好ましく、8.0%以下がより好ましく、7.5%以下がさらに好ましい。
Feは必須ではないが、レーザ吸収成分としても有効であるため、含有させてもよい。Feを含有させることで、ガラスペースト作製時に、レーザ吸収を目的として含有させる顔料の添加量を減らし、代わりに低膨張フィラーを多く含有させることができるため、より熱膨張係数が低いガラスペーストの作製が可能になる。一方で、Feの含有量が多いと焼成封着時にガラスが結晶化しやすくなり、さらに、ガラスの軟化点が上がり、低温封着性が悪くなる。したがって、Feの含有量は7.0%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましく、2.0%以下がさらに好ましい。また、レーザ吸収の効果を得るために、Feの含有量は1.0%以上が好ましい。ただし、CuOが含まれていれば、Feを含有していなくても上記効果を得ることができる。
MnOは必須ではないが、レーザ吸収成分として有効な成分であるため、含有させてもよい。MnOを含有させることで、ガラスペースト作製時に、レーザ吸収を目的として含有させる顔料の添加量を減らし、代わりに低膨張フィラーを多く含有させることができるため、より熱膨張係数が低いガラスペーストの作製が可能になる。一方で、MnOの含有量が多いと、焼成封着時にガラスが結晶化しやすくなる。したがって、MnOの含有量は7.0%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましく、2.0%以下がさらに好ましい。また、レーザ吸収の効果を得るために、MnOの含有量は1.0%以上が好ましい。ただし、CuOやFeが含まれていれば、MnOを含有していなくても上記効果を得ることができる。
レーザの吸収を得るためには、CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)が、1.0%以上が好ましく、2.0%以上がより好ましく、4.0%以上がさらに好ましく、5.0%以上がよりさらに好ましい。また、レーザ焼成封着時のガラスの結晶化を回避するためには、前記CuOとFeとMnOの含有量の合計が10.0%以下が好ましく、8.0%以下がより好ましく、7.5%以下がさらに好ましい。
CuO、Fe及びMnOはいずれもレーザ吸収成分として有効な成分であるが、かかるレーザ吸収の効果と、ガラスの結晶化回避のバランスから、CuOを多く含むことが好ましい。具体的には、前記CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)に対するCuOの含有量の比{CuO/(CuO+Fe+MnO)}が30%以上であれば、ガラスの低温封着性が維持され、さらに、ガラスの結晶化を回避できるため好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
は必須ではないが、ガラス酸化物であり、ガラスネットワークを形成し、ガラス安定性が向上する成分であるため、含有させることが好ましい。一方、Bの含有量が多いと、逆にガラスが不安定になり、封着焼成時に結晶化しやすくなる。したがって、Bの含有量はガラスを安定化させるために0.5%以上が好ましく、1.0%以上がより好ましく、1.5%以上がさらに好ましい。また、Bが過剰に含有されることによるガラスの結晶化を回避するために、10.0%以下が好ましく、7.5%以下がより好ましく、5.0%以下がさらに好ましい。
BaOは必須ではないが、ガラスを安定化させるために有効な成分であり、本実施形態のガラス組成物に含有させてもよく、含有させる場合の含有量は2.0%以上が好ましい。一方、ガラス転移点や熱膨張係数を適切な範囲に保つためには、本実施形態のガラス組成物にBaOを含有させる場合の含有量は10.0%以下が好ましく、8.0%以下がより好ましい。
AlおよびNbは必須ではないが、熱膨張係数を低下させる効果があり、また耐水性を向上させる効果があり、本実施形態のガラス組成物に含有させてもよい。本実施形態のガラス組成物にAlおよび/又はNbを含有させる場合の含有量は、それぞれ2.0%以上が好ましい。一方、ガラス転移点を適切な範囲に保つためには、本実施形態のガラス組成物にAlおよび/又はNbを含有させる場合の含有量は、それぞれ10.0%以下が好ましく、8.0%以下がより好ましい。
、TeOおよびZnOの含有量の合計(V+TeO+ZnO)が78.0〜89.0%であり、かつ、AlとNbの含有量の合計(Al+Nb)が5.0〜11.0%であると、耐水性とガラスの安定化を両立させやすいため好ましい。また、同様の理由から、(V+TeO+ZnO)は79.0%以上がより好ましく、また、88.0%以下がより好ましい。これに加えて、(Al+Nb)が6.0%以上がさらに好ましく、また、10.0%以下がさらに好ましい。
本実施形態のガラス組成物は、上記成分以外の成分(以下、「他の成分」という。)を本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。他の成分の合計の含有量は好ましくは10.0%以下である。
本実施形態のガラス組成物は、他の成分としてCaO、TiO、ZrO、CeO、La、CoO、MoO、Sb、WO、GeOなどを含有してもよい。
また、本実施形態のガラス組成物は環境に対する負荷を低減するために、実質的に鉛、すなわち、PbOを含有しないことが好ましい。
本実施形態のガラス組成物は、ガラス転移点(以下、「Tg」で示す。)が350℃以下であることが、低温封着性が良好となるため好ましい。Tgはより好ましくは330℃以下である。なお、ガラス組成物のTgは示差熱分析装置を用いて測定できる。
本実施形態のガラス組成物の製造方法は、特に限定されない。例えば、以下に示す方法で製造できる。
まず、原料混合物を準備する。原料は、通常の酸化物系のガラスの製造に用いる原料であれば特に限定されず、酸化物や炭酸塩等を用いることができる。得られるガラス組成物の組成が上記の範囲となるように原料の種類および割合を適宜調整して原料混合物とする。
次に、原料混合物を公知の方法で加熱して溶融物を得る。加熱溶融する温度(溶融温度)は、1000〜1200℃が好ましく、1050℃以上がより好ましく、また、1150℃以下がより好ましい。加熱溶融する時間は、30〜90分が好ましい。
その後、溶融物を冷却し固化することにより、本実施形態のガラス組成物を得ることができる。冷却方法は特に限定されない。ロールアウトマシンやプレスマシンを使用してもよく、また、冷却液体への滴下等により急冷する方法をとることもできる。得られるガラス組成物は完全に非晶質である、すなわち結晶化度が0%であることが好ましい。ただし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、結晶化した部分を含んでいてもよい。
こうして得られる本実施形態のガラス組成物は、いかなる形態であってもよい。例えば、ブロック状、板状、薄い板状(フレーク状)、粉末状等であってもよい。
本実施形態のガラス組成物を封着材料として用いる場合には、ガラス組成物はガラス粉末であることが好ましい。なお、ガラス組成物の上記特性の評価をする際の形態についても、封着材料としての性能をみる観点から、ガラス粉末が好ましい。
<ガラス粉末>
本実施形態のガラス粉末は、本実施形態のガラス組成物からなるガラス粉末である。なお、本実施形態のガラス組成物からなるガラス粉末とは、ガラス粉末の平均組成が本実施形態のガラス組成物の組成と同様であることを意味する。すなわち、本実施形態のガラス粉末は、本実施形態のガラス組成物と同様の組成である1種の組成のガラス粉末からなってもよく、また、組成の異なる複数種のガラス粉末を、平均組成が本実施形態のガラス組成物と同じ組成となるように混合したガラス粉末であってもよい。なお、以下便宜的に、ガラス粉末の内、組成の異なる複数種のガラス粉末からなるガラス粉末のことを「ガラス粉末混合物」という。
本実施形態のガラス粉末の粒度は、用途に応じて適宜選択できる。本実施形態のガラス粉末の典型的な用途である封着材料の場合、ガラス粉末の粒度は0.1〜100μmが好ましい。
また、本実施形態のガラス粉末の粒度が大きいと、ペースト化して塗布や乾燥した際に、沈降分離しやすく、更に、得られる封着層の厚みが増加するという問題もある。したがって、本実施形態のガラス粉末をペースト化して使用する場合は、ガラス粉末の粒度は0.1〜5.0μmの範囲にするのが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0μmである。
なお、本明細書においては、「粒度」は、累積粒度分布における体積基準の50%粒径(D50)を意味し、具体的には、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布の累積粒度曲線において、その積算量が体積基準で50%を占めるときの粒径を意味する。
ガラス粉末は、例えば、ガラス組成物を粉砕して得られる。よって、ガラス粉末の粒度は、粉砕の条件により調整できる。粉砕の方法としては、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、媒体撹拌ミル(ビーズミル)、ジョークラッシャー、ロールクラッシャーなどが挙げられる。
特に5.0μm以下といった細かい粒度にする場合は、湿式粉砕を用いるのがよい。湿式粉砕は水もしくはアルコールのような溶媒中でアルミナやジルコニアからなるメディアもしくはビーズミルを用いて粉砕するものである。
ガラス粉末の粒度を調整するために、ガラス組成物の粉砕に加えて、必要に応じて篩等を用いて、分級を行ってもよい。
なお、ガラス粉末混合物を構成する組成の異なるガラス粉末のそれぞれの組成は特に限定されず、平均組成が先述の本実施形態のガラス組成物と同様になるように適切な種類のガラス粉末を混合して本実施形態のガラス粉末混合物とすることができる。ガラス粉末混合物は、2種の組成の異なるガラス粉末からなってもよく、3種以上の組成の異なるガラス粉末からなってもよい。
また、ガラス粉末混合物を含むガラスペーストを製造する際には、ガラス粉末を混合してガラス粉末混合物としてからペースト化してもよいし、組成の異なるガラス粉末を含む複数種のペーストを混合してもよい。
例えば、ベース成分であるV−TeO−ZnO系のガラス粉末にBi−ZnO−B系のガラス粉末を添加することで、本実施形態のガラス粉末混合物を得ることができる。なお、ベース成分とは、ガラス粉末混合物の全体積に対する含有量が50体積%以上であることを意味する。ガラス粉末混合物の全体積に対するV−TeO−ZnO系のガラス粉末の含有量は、より好ましくは70体積%以上であり、また、好ましくは99.9体積%以下である。
上記のガラス粉末混合物におけるベース成分であるV−TeO−ZnO系のガラスは、一般的にガラス転移点が低い。また、上記のガラス粉末混合物における添加成分であるBi−ZnO−B系のガラスは、一般的にはV−TeO−ZnO系のガラスと比較してガラス転移点が高いが、ガラス基板との反応性が高いBiを含有する。したがって、上記のガラス粉末混合物を用いて得られる封着材料は、高い封着強度を奏する。以下に、上記のガラス粉末混合物を用いて得られる封着材料による封着について、詳細に説明する。
まず、当該ガラス粉末混合物を用いた封着材料を仮焼成する際には、ベース成分であるV−TeO−ZnO系のガラスの軟化点より30〜60℃程度高い温度で加熱することが好ましい。このような温度で仮焼成すると、図1に示すように軟化したV−TeO−ZnO系ガラス101の中に、Bi−ZnO−B系ガラス102が点在している仮焼成層100aが得られる。
次いで、この仮焼成層100aをレーザ照射等で加熱して焼成する際には、仮焼成層100aが添加成分であるBi−ZnO−B系ガラスが十分に溶融する温度となるように加熱することが好ましい。このような温度で焼成すると、Bi−ZnO−B系ガラス102を含めた全体が溶融し、図2に示すように、ベース成分であるV−TeO−ZnO系ガラス101の部分と、添加成分であるBi−ZnO−B系ガラス102の部分とが混在する封着層100が得られると考えられる。
このような封着層100は、ベース成分であるV−TeO−ZnO系ガラスのガラス転移点が低いため、室温まで冷却された後の残留応力が小さく、また、添加成分に含まれるBiの高い反応性に起因して、接着強度にも優れる。したがって、このような封着層100は、封着強度に優れる。
なお、図2においてはV−TeO−ZnO系ガラス101の部分と、Bi−ZnO−B系ガラス102の部分とが明確に分離しているが、図2は模式的な図であり、必ずしも封着層100中においてこれらの部分の境界が明確であるとは限らない。仮焼成層100aをレーザ照射等で加熱してBi−ZnO−B系ガラス102を溶融させた際に、Bi−ZnO−B系ガラス102とV−TeO−ZnO系ガラス101の界面の付近ではこれらのガラスが混ざりあう。したがって、得られる封着層において、V−TeO−ZnO系ガラス101の部分はBi−ZnO−B系ガラスを含有する場合があり、Bi−ZnO−B系ガラス102の部分はV−TeO−ZnO系ガラスを含有する場合がある。
<ガラスペースト>
上記の本実施形態のガラス粉末を封着材料として用いる場合は、ガラス粉末をそのままの形態で用いてもよいが、封着方法に応じて、低膨張充填材および/またはレーザ吸収物質とともに混合した封着材料としてもよい。また、該ガラス粉末並びに該封着材料は、作業性を高める観点からは、ペースト化して用いることが好ましい。
本実施形態のガラスペーストは、本実施形態のガラス粉末または該ガラス粉末と低膨張充填材および/またはレーザ吸収物質とを混合した混合材料と、有機ビヒクルと、を含有する。以下、低膨張充填材、レーザ吸収物質、有機ビヒクルについて説明する。なお、かかる説明において、「封着材料又は混合材料」のことを、まとめて「混合材料」と表記する。
低膨張充填材はガラス組成物より低い熱膨張係数を有し、概ね−15〜45×10−7/℃程度の熱膨張係数を有する。低熱膨張充填材は、封着層の熱膨張係数を低下させる目的で添加される。
低膨張充填材としては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、珪酸ジルコニウム、コージェライト、リン酸ジルコニウム系化合物、ソーダライムガラス、および硼珪酸ガラスから選ばれる少なくとも1種が好ましい。リン酸ジルコニウム系化合物としては、(ZrO)、NaZr(PO、KZr(PO、Ca0.5Zr(PO、NbZr(PO、Zr(WO)(PO、これらの複合化合物等が挙げられる。
低膨張充填材の粒度は、0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0μmである。
低膨張充填材の含有量は、封着層の熱膨張係数が被封着材であるガラス基板の熱膨張係数に近づくように設定される。低膨張充填材の含有量は、混合材料の体積、即ち、ガラス粉末と、低膨張充填材と、レーザ吸収物質の体積の合計に対して1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、10体積%以上がさらに好ましい。一方、低膨張充填材の含有量が多すぎると、封着材料の溶融時の流動性が不良となるため、低膨張充填材の含有量は、混合材料の体積に対して50体積%以下が好ましく、45体積%以下がより好ましく、40体積%以下がさらに好ましい。
レーザ吸収物質としては、特に限定されないが、先述したCuO、Fe、MnOを構成するCu、Fe、Mnの他に、Cr、Ni等から選ばれる少なくとも1種の金属または該金属を含む酸化物等の化合物(無機顔料)等が挙げられる。また、レーザ吸収物質はこれら以外の顔料でもよい。
レーザ吸収物質の粒度は、0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0μmである。
レーザ吸収物質の含有量が少なすぎると、レーザ照射により封着材料を十分に溶融させることが困難になるおそれがある。したがって、レーザ吸収物質の含有量は、CuO、Fe及びMnOの含有量が先述した範囲を満たすことが好ましい。また、他のレーザ吸収物質を含む、レーザ吸収物質の合計の含有量が、混合材料の体積に対して0.1体積%以上が好ましく、1体積%以上がより好ましく、3体積%以上がさらに好ましい。一方、レーザ吸収物質の含有量が多すぎると、封着材料の溶融時の流動性が不良となり、これにより接着強度が低減する。したがって、レーザ吸収物質の含有量は、混合材料の体積に対して20体積%以下が好ましく、18体積%以下がより好ましく、15体積%以下がさらに好ましい。
有機ビヒクルとしては、例えば、溶剤にバインダ成分である樹脂を溶解したものが用いられる。
具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、オキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、プロピルセルロース、ニトロセルロース等の樹脂を、ターピネオール、テキサノール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解したものを有機ビヒクルとして使用することができる。
また、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロオキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂を、メチルエチルケトン、ターピネオール、テキサノール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解したものを有機ビヒクルとして使用することができる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
また、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート等のポリアルキレンカーボネートを、アセチルクエン酸トリエチル、プロピレングリコールジアセテート、コハク酸ジエチル、エチルカルビトールアセテート、トリアセチン、テキサノール、アジピン酸ジメチル、安息香酸エチル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルとトリエチレングリコールジメチルエーテルの混合物等の溶剤に溶解したものを有機ビヒクルとして使用することができる。
有機ビヒクルにおける樹脂と溶剤の割合は、特に制限されないが、有機ビヒクルの粘度がガラスペーストの粘度を調整できる粘度となるように選択される。有機ビヒクルにおける樹脂と溶剤の割合は、具体的には、樹脂:溶剤で示す質量比が、3:97〜30:70程度が好ましい。
ガラスペーストにおける混合材料と有機ビヒクルの割合は、求められるガラスペーストの粘度に応じて適宜調整される。具体的には、混合材料:有機ビヒクルで示す質量比が、65:35〜90:10程度が好ましい。ガラスペーストには、混合材料と有機ビヒクル以外に必要に応じて、かつ、本発明の目的に反しない限度において公知の添加剤を配合することができる。
ガラスペーストの調整は、攪拌翼を備えた回転式の混合機、ロールミル、ボールミル等を用いた公知の方法により行われる。
<封着パッケージ>
次に、本実施形態のガラス組成物が適用される封着パッケージについて説明する。
図3、4は、封着パッケージの一実施形態を示す平面図および断面図である。図5A〜図5Dは、図3に示す封着パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。図6、7は、図3、4に示す封着パッケージの製造に用いられる第1の基板の平面図および断面図である。図8、9は、図3、4に示す封着パッケージの製造に用いられる第2の基板の平面図および断面図である。
封着パッケージ10は、OELD、PDP、LCD等のFPD、有機エレクトロルミネセンス(OEL)素子等の発光素子を使用した照明装置(OEL照明等)、あるいは色素増感型太陽電池のような太陽電池等を構成する。
すなわち、封着パッケージ10は、第1の基板11と、前記第1の基板に対向して配置される第2の基板12と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着する封着層15とを有する。また、当該封着層15は、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%を含有するガラス組成物を含む。
第1の基板11は、例えば、電子素子部13が主として設けられる素子基板である。第2の基板12は、例えば、封止に主として用いられる封止基板である。第1の基板11には、電子素子部13が設けられる。第1の基板11と第2の基板12とは互いに対向するように配置され、これらの間に枠状に配置された封着層15により接着されている。
第1の基板11、第2の基板12には、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板等が用いられる。ソーダライムガラス基板として、例えば、AS、PD200(いずれもAGC社製、商品名)、これらを化学強化したものが挙げられる。また、無アルカリガラス基板として、例えば、AN100(AGC社製、商品名)、EAGEL2000(コーニング社製、商品名)、EAGEL GX(コーニング社製、商品名)、JADE(コーニング社製、商品名)、#1737(コーニング社製、商品名)、OA−10(日本電気硝子社製、商品名)、テンパックス(ショット社製、商品名)等が挙げられる。
電子素子部13は、例えば、OELDやOEL照明であればOEL素子、PDPであればプラズマ発光素子、LCDであれば液晶表示素子、太陽電池であれば色素増感型太陽電池素子(色素増感型光電変換部素子)を有する。電子素子部13は、各種公知の構造を有することができ、図示される構造に限定されない。
図3、4の封着パッケージ10では、電子素子部13として、OEL素子、プラズマ発光素子等が第1の基板11に設けられている。電子素子部13が色素増感型太陽電池素子等の場合、図示しないが第1の基板11および第2の基板12のそれぞれの対向面に配線膜や電極膜等の素子膜が設けられる。
電子素子部13がOEL素子等の場合、第1の基板11と第2の基板12との間には一部空間が残存する。この空間は、このままの状態でもよいし、透明な樹脂等が充填されてもよい。透明樹脂は、第1の基板11および第2の基板12に接着してもよいし、接触するだけでもよい。
電子素子部13が色素増感型太陽電池素子等の場合、図示しないが第1の基板11と第2の基板12との間の全体に電子素子部13が配置される。なお、封止対象は、電子素子部13に限定されず、光電変換装置等でもよい。また、封着パッケージ10は、電子素子部13を有しない複層ガラスのような建材でもよい。
以下、封着パッケージの一例として、OELDを構成する有機エレクトロルミネセンス素子について図10を参照して詳細に説明する。
本実施形態のガラス組成物を用いて得られる有機エレクトロルミネセンス素子210は、基板211と、基板211上に積層された陽極213aと有機薄膜層213bと陰極213cとを有する積層構造体213と、積層構造体213の外表面側を覆って基板211上に載置されたガラス部材212と、基板211とガラス部材212とを接着する封着層215とを備える。また、当該封着層215は、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%を含有するガラス組成物を含む。
<封着パッケージの製造方法>
次に、上述した本実施形態のガラス組成物が適用される封着パッケージの製造方法の実施形態について説明する。
封着には上述したガラスペーストを用いる。ガラスペーストは、第2の基板12に枠状に塗布された後、乾燥されて塗布層となる。塗布方法として、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、ディスペンス法等が挙げられる。乾燥は、溶剤を除去するために実施され、通常は120℃以上の温度で10分以上行われる。塗布層に溶剤が残留すると、その後の仮焼成でバインダ成分が十分に除去されないおそれがある。
塗布層には仮焼成が行われて仮焼成層15aとされる(図8、図9)。仮焼成は、塗布層を封着材料に含まれるガラス組成物のガラス転移点以下の温度に加熱してバインダ成分を除去した後、封着材料に含まれるガラス組成物の軟化点以上の温度に加熱することにより行われる。
第1の基板11には、封着パッケージ10の仕様に応じて、電子素子部13が設けられる(図6、図7)。
次いで、仮焼成層15aが設けられた第2の基板12と、電子素子部13が設けられた第1の基板11とを、仮焼成層15aとが対向するように配置して積層する(図5A、図5B)。
その後、第2の基板12を通して仮焼成層15aにレーザ光16を照射して焼成を実施する(図5C)。レーザ光16は、枠状形状の仮焼成層15aに沿って走査しながら照射される。仮焼成層15aの全周にわたってレーザ光16が照射されることで、第1の基板11と第2の基板12との間に枠状の封着層15が形成される。なお、レーザ光16は、第1の基板11を通して仮焼成層15aに照射されてもよい。
レーザ光16の種類は、特に限定されるものではなく、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、HeNeレーザ等のレーザ光が使用される。レーザ光16の照射条件は、仮焼成層15aの厚さ、線幅、厚さ方向の断面積等に応じて選択される。レーザ光16の出力は、2〜150Wが好ましい。レーザ光の出力が2W未満であると、仮焼成層15aが溶融されないおそれがある。レーザ光の出力が150Wを超えると、第1の基板11、第2の基板12にクラック等が発生しやすくなる。レーザ光16の出力は、5〜120Wがより好ましい。
このようにして、第1の基板11と第2の基板12との間に封着層15によって電子素子部13が気密封止された封着パッケージ10が製造される(図5D)。
以上、レーザ光16の照射により焼成を行う方法について説明したが、焼成の方法は必ずしもレーザ光16の照射により行われる方法に限られない。焼成方法は、電子素子部13の耐熱性、封着パッケージ10の構成等に応じて他の方法を採用できる。例えば、電子素子部13の耐熱性が高い場合、または電子素子部13を有しない場合、レーザ光16の照射に代えて、図5Bに示すような組立体の全体を電気炉等の焼成炉内に配置して、仮焼成層15aを含めた組立体の全体を加熱して封着層15としてもよい。
以上、本発明の封着パッケージの実施形態を一例を挙げて説明したが、本発明の封着パッケージはこれらに限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて、その構成を適宜変更できる。
以下、本発明について実施例を参照してさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。例1−1〜1−37、3−1〜3−5が実施例である。例2−1〜2−7は比較例であり、例2−1〜2−3及び例2−7はガラス粉末の混合により目的の平均組成とするために作製したガラス組成物である。なお、例3−1〜3−5はガラス粉末の混合により目的の組成を得たガラス粉末混合物である。また、例2−1および例2−4のガラス組成について比較例として強度評価を実施した。
[例1−1〜1−37、例2−1〜2−7]
(ガラス組成物(ガラス粉末)の製造)
表1〜表3のガラス組成の欄にモル%表示で示す組成となるように原料を調合して混合し、1050〜1150℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融して得られた溶融ガラスを、薄板状ガラスに成形した。
この薄板状ガラスを、回転ボールミルで粉砕し篩による分級を行って粒度0.5〜15μmの、例1−1〜1−37及び例2−1〜2−7のガラス粉末を得た。
[例3−1〜3−5]
(ガラス粉末混合物の製造)
例2−1〜2−3及び例2−7のガラス粉末を、表4に示す通りの体積比率で混合して、例3−1〜3−5のガラス粉末混合物を得た。例3−1〜3−5のガラス粉末混合物の平均組成は、表4に示す通りであった。なお、表4中、「ガラス2−1」とは例2−1のガラス粉末を意味するものであり、他の同様の記載についても同様の意味である。
得られた各例のガラス粉末(ガラス粉末混合物)に対して、以下の測定および評価を行った。(Tg、Ts)
各例のガラス粉末(ガラス粉末混合物)のガラス転移点(Tg、単位:℃)、軟化点(Ts、単位:℃)を、示差熱分析装置を用いて測定した。なお、ガラス粉末混合物については第1変曲点を記載した。得られた結果を表1〜表4に示した。
(熱膨張係数(α))
各ガラス粉末を直方体状に成形後、各ガラス粉末の軟化点にあわせて370℃〜480℃に10分保持する焼成を行って熱膨張測定用焼成体を得た。得られた熱膨張測定用焼成体を直径が5±0.5mm、長さが2±0.05cmの円柱形に加工した。加工した熱膨張測定用焼成体をRIGAKU社製、熱膨張計Thermoplus2システムTMA8310で昇温速度10℃/分の条件で加熱し、50〜250℃における熱膨張係数α(単位:10−7/℃)を算出した。得られた結果を表1〜表4に示した。なお、例2−5のガラス粉末については熱膨張測定用焼成体の加工が困難であったため記載していない。
(流動性評価)
5gのガラス粉末をプレス成形して直径が15mmであるサンプル(フローボタン)作製した。得られたフローボタンをガラス基板上に配置し、各ガラス粉末の軟化点にあわせて370℃〜480℃に10分保持する焼成を行って流動性評価用焼成体を得た。次に、得られた流動性評価用焼成体について、角度を4等分して4箇所の径を測定し、その4箇所径の平均値を算出しFB径(単位:mm)とした。これらの評価にて得られた各サンプルについて、以下の基準にしたがい、流動性を評価した。得られた結果を表1〜表4に示した。
<流動性の評価基準>
〇:FB径が18mm以上でかつ、光沢がある。
×:FB径が18mm未満、および/または、光沢がない。
Figure 2021066647
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Figure 2021066647
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[例4−1〜4−8]
(ガラスペーストの製造)
各例のガラス粉末(ガラス粉末混合物)、レーザ吸収物質(Fe−CuO−MnO)、および低膨張充填材(リン酸ジルコニウム)を表5に示すような割合(体積%)となるように調合した。前述したとおり、これを混合材料と呼ぶ。別途、エチルセルロース(樹脂)およびジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(溶剤)を表5に示すような割合(質量%)となるように調合して、有機ビヒクルを調製した。そして、混合材料と有機ビヒクルとを表5に示す質量割合で調合して、スクリーン印刷に適した粘度になるようにジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルで希釈し、例4−1〜4−8のガラスペーストを調製した。なお、レーザ吸収物質の粒度は0.8μm、低膨張充填材の粒度は0.9μmであった。
なお、表5中、「ガラス1−2」とは例1−2のガラス粉末を意味するものであり、他の同様の記載についても同様の意味である。
(強度評価用試験片の作製)
図11、12に示すように、無アルカリガラスであるAN100(AGC社製、25mm×25mm×厚さ0.5mm)からなるガラス基板32の表面に、上記ガラスペーストを400メッシュのスクリーンを用いて枠状に塗布し、120℃×10分の条件で乾燥し、さらに420℃〜480℃×10分の条件で仮焼成して、仮焼成層35aを形成した。なお、仮焼成層35aは、封着層35としたときに、幅が500μm程度、膜厚が4〜8μm程度となるようにした。
その後、ガラス基板31と、仮焼成層35aが設けられたガラス基板32とを、ガラス基板31と仮焼成層35aとが接触するように重ね合わせて組立体とした。さらに、この組立体に対して、ガラス基板32側から、波長940nm、スポット径1.6mmのレーザ光(半導体レーザ)を10mm/sの走査速度で照射して、仮焼成層35aを溶融および急冷固化した。これにより、図13に示すように、ガラス基板31に封着層35を介してガラス基板32が接着された強度評価用試験片30を作製した。
なお、レーザ光の出力は、封着度合を確認しながら5〜120Wの間で調整した。具体的には、封着層35の幅が仮焼成層35aの幅と同等になる条件とした。
(剥離強度の測定)
次に、図14、図15に示すように、強度評価用試験片30の両面に100mm×50mm×厚さ3.4mmの支持基板41、42を熱硬化性接着剤43により固定した。なお、支持基板41、42は、互いの長手方向が直交するように配置した。
その後、図16に示すように、上側の支持基板42の両端部を矢印44で示すように下側から支持しつつ、下側の支持基板41の両端部に矢印45で示すように上側から荷重を印加して、強度評価用試験片30の1対のガラス基板31、32が剥離したときの荷重を剥離強度として測定した。なお、測定には、ミネベア社製のTCM1000CRを用いた。剥離強度の測定結果を表5に示す。
(落球強度の測定)
次に、図17、図18に示すように、強度評価用試験片30の片面に100mm×100mm×厚さ3.4mmの支持基板46を熱硬化性接着剤43により固定した。
その後、図19に示すように、支持基板46の強度評価用試験片30が接着している範囲に向けて、強度評価用試験片30を接着していない側から重り球47を落とした。重り球47の質量および落下高さ48を変更し、その際の落下エネルギーを下記式(1)にて計算した。落下エネルギーを上げていき、強度評価用試験片30の1対のガラス基板31、32が剥離しない最大の落下エネルギーを落球強度として測定した。なお、上記の「強度評価用試験片30の1対のガラス基板31、32が剥離しない」とは、3回試験をした際に2回以上剥離しない場合を意味する。落球強度の測定結果を表5に示す。
落下エネルギー[mJ]=重り球の質量[g]×落下高さ[m]×重力加速度[m/s] ・・・(1)
Figure 2021066647
実施例である例1−2、例1−3、例3−1〜3−4のガラス粉末(ガラス粉末混合物)を用いて得られた例4−1〜4−6のガラスペーストは、いずれも剥離強度および落球強度ともに高い強度を示した。一方、比較例である、Biを含有しない例2−1および例2−4のガラス組成物を用いて得られた例4−7および例4−8のガラスペーストは例4−1〜4−6のガラスペーストと比較して落球強度が低かった。
10:封着パッケージ、11:第1の基板、12:第2の基板、13:電子素子部、15:封着層、15a:仮焼成層、16:レーザ光、30:強度評価用試験片、31:ガラス基板、32:ガラス基板、35:封着層、35a:仮焼成層、41:支持基板、42:支持基板、43:熱硬化性接着剤、46:支持基板、47:重り球、48:落下高さ、100:封着層、100a:仮焼成層、101:V−TeO−ZnO系ガラス、102:Bi−ZnO−B系ガラス、210:有機エレクトロルミネセンス素子、211:基板、212:ガラス部材、213:積層構造体、213a:陽極、213b:有機薄膜層、213c:陰極、215:封着層

Claims (22)

  1. 実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%含有するガラス組成物。
  2. 酸化物基準のモル%表示で、Vを15.0〜45.0%、TeOを16.0〜40.0%、ZnOを10.0〜40.0%、かつBiを1.0〜15.0%含有する請求項1に記載のガラス組成物。
  3. 酸化物基準のモル%表示で、Vを20.0〜40.0%、TeOを18.0〜35.0%、ZnOを15.0〜35.0%、かつBiを1.5〜10.0%含有する請求項1又は2に記載のガラス組成物。
  4. 酸化物基準のモル%表示で、Vを25.0〜35.0%、TeOを20.0〜30.0%、ZnOを20.0〜30.0%、かつBiを2.0〜7.0%含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  5. さらに、酸化物基準のモル%表示で、CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)が1.0〜10.0%であり、かつBを0.5〜10.0%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  6. さらに、酸化物基準のモル%表示で、CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)が2.0〜8.0%であり、かつBを1.0〜7.5%含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  7. さらに、酸化物基準のモル%表示で、CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)が4.0〜7.5%であり、かつBを1.5〜5.0%含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  8. 前記CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)に対するCuOの含有量の比{CuO/(CuO+Fe+MnO)}が30%以上である請求項5〜7のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  9. 前記CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)に対するCuOの含有量の比{CuO/(CuO+Fe+MnO)}が50%以上である請求項5〜8のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  10. 前記CuOとFeとMnOの含有量の合計(CuO+Fe+MnO)に対するCuOの含有量の比{CuO/(CuO+Fe+MnO)}が70%以上である請求項5〜9のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  11. 酸化物基準のモル%表示で、(V/TeO)で表される含有量の比が0.5〜2.5である請求項1〜10のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  12. 酸化物基準のモル%表示で、(V/TeO)で表される含有量の比が1.0〜2.0である請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  13. 酸化物基準のモル%表示で、VとTeOとZnOの含有量の合計(V+TeO+ZnO)が78.0〜89.0%であり、かつ、AlとNbの含有量の合計(Al+Nb)が5.0〜11.0%である請求項1〜12のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  14. 酸化物基準のモル%表示で、VとTeOとZnOの含有量の合計(V+TeO+ZnO)が79.0〜88.0%であり、かつ、AlとNbの含有量の合計(Al+Nb)が6.0〜10.0%である請求項1〜13のいずれか1項に記載のガラス組成物。
  15. 累積粒度分布における体積基準の50%粒径が0.1μm以上100μm以下であり、請求項1〜14のいずれか1項に記載のガラス組成物からなる、ガラス粉末。
  16. 請求項15に記載のガラス粉末と、低膨張充填材およびレーザ吸収物質の少なくともいずれか一方とを含有する封着材料。
  17. 請求項15に記載のガラス粉末と、有機ビヒクルとを含有するガラスペースト。
  18. さらに低膨張充填材およびレーザ吸収物質の少なくともいずれか一方を含有する請求項17に記載のガラスペースト。
  19. 請求項15に記載のガラス粉末、請求項16に記載の封着材料または請求項17もしくは18に記載のガラスペーストを使用し、前記ガラス粉末、前記封着材料または前記ガラスペーストにレーザ光を照射して加熱することで基板同士を封着する封着方法。
  20. 第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着する封着層と、を有する封着パッケージであって、
    前記封着層は、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%を含有するガラス組成物を含む封着パッケージ。
  21. 基板と、前記基板上に積層された陽極と有機薄膜層と陰極とを有する積層構造体と、前記積層構造体の外表面側を覆って前記基板上に載置されたガラス部材と、前記基板と前記ガラス部材とを接着する封着層と、を備え、
    前記封着層は、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10.0〜50.0%、TeOを14.5〜45.0%、ZnOを5.0〜45.0%、かつBiを0.5〜20.0%含有するガラス組成物を含む有機エレクトロルミネセンス素子。
  22. 前記封着層は、組成の異なる複数のガラスを含有する請求項21に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
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