JP2021066582A - シート排出装置、シート処理装置及び画像形成システム - Google Patents

シート排出装置、シート処理装置及び画像形成システム Download PDF

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史樹 乾
阿形 淳
Atsushi Agata
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Abstract

【課題】シートをより適切な姿勢で排出することを可能とする。【解決手段】シート排出装置は、シートを挟持して搬送するニップ部を有し、シートを排出する排出手段と、排出手段によって排出されるシートの、鉛直方向における下側の面を案内するガイド手段と、排出手段によって排出されたシートが積載される積載部と、ニップ部におけるシートの幅方向に見たとき、水平方向に対するニップ部からシートが送り出される排出角度及びガイド手段の角度が変化するように、排出手段及びガイド手段を回動させる回動手段と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、シートを排出するシート排出装置、シートを処理するシート処理装置及びシートに画像を形成する画像形成システムに関する。
シートに綴じ処理等の処理を施すシート処理装置は、処理後のシート(綴じられたシート束を含む)を排出ローラ等の排出手段に挟持して排出し、排出トレイ等の積載部に積載するシート排出装置を備えている。このようなシート排出装置において、排出ローラがシートを送り出すときの排出角度は、排出動作の安定性や排出トレイにおけるシートの整列性に影響を与える。例えば、水平方向に対する排出角度が大きすぎる場合、シートの後端部が排出ローラのニップ部を覆うようにもたれて排出不良を引き起こしたり、排出ローラを抜けたシートが排出トレイに落下する距離が大きくなって整列性が乱れたりする懸念がある。特許文献1には、複写機の排出ローラが水平方向に対して概ね30度傾斜した角度でシートを排出する様子が描かれている。
特開平9−48545号公報
ところで、排出ローラの付近におけるシートの搬送経路は種々の理由で制限される場合があるため、搬送経路に沿った排出角度でシートを排出すると、排出動作の安定性や排出トレイにおけるシートの整列性が低下する場合がある。これに対し、例えば搬送経路に対して排出ローラを角度をつけて配置すると、排出ローラに挟持されたシートが湾曲した状態となることで搬送抵抗が増大し、搬送不良やローラの擦り跡が生じる懸念があった。
そこで、本発明は、シートをより適切な姿勢で排出することが可能なシート排出装置並びにこれを備えたシート処理装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シートを挟持して搬送するニップ部を有し、シートを排出する排出手段と、前記排出手段によって排出されるシートの、鉛直方向における下側の面を案内するガイド手段と、前記排出手段によって排出されたシートが積載される積載部と、前記ニップ部におけるシートの幅方向に見たとき、水平方向に対する前記ニップ部からシートが送り出される排出角度及び前記ガイド手段の角度が変化するように、前記排出手段及び前記ガイド手段を回動させる回動手段と、を備える、ことを特徴とするシート排出装置である。
本発明によれば、シートをより適切な姿勢で排出することが可能となる。
実施例1に係る画像形成システムの概略図。 実施例1に係る後処理装置の一部を示す概略図。 実施例1に係る束排出ユニットについて説明するための図(a、b)。 実施例1に係るガイド手段の構成例について説明するための図(a、b)。 実施例1に係るガイド手段の構成例について説明するための図(a、b)。 実施例1に係る束排出ユニットの動作を表す図(a〜d)。 実施例1に係るガイド手段の作用を説明するための図(a〜c)。 実施例1に係る画像形成システムのブロック図。 実施例1に係る後処理装置の制御方法を表すフローチャート。 実施例2に係る束排出ユニットについて説明するための図(a、b)。 実施例3に係る束排出ユニットの動作を表す図(a、b)。 実施例3に係る束排出ユニットの動作について説明するための図(a〜e)。
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は実施例1に係る画像形成システム1Sの概略図である。本実施例の画像形成システム1Sは、画像形成装置1、画像読取装置2、原稿送り装置3及び後処理装置4によって構成される。画像形成システム1Sは、記録材であるシートに画像を形成し、必要に応じて後処理装置4によってシートに処理を施して出力する。以下、各装置の簡単な動作を説明した後、後処理装置4について詳細な説明を行う。
原稿送り装置3は、原稿トレイ18に載置された原稿を画像読取部16、19に搬送する。画像読取部16、19はそれぞれ原稿面から画像情報を読み取るイメージセンサであり、1度の原稿搬送で原稿の両面の読み取りが行われる。画像情報を読み取られた原稿は原稿排出部20に排出される。また、画像読取装置2は駆動装置17により画像読取部16を往復移動させることで、原稿台ガラスにセットされた静止原稿(ブックレット原稿などの原稿送り装置3が使用できない原稿を含む)から画像情報を読み取ることができる。
画像形成装置1は、直接転写方式の画像形成部1Bを備えた電子写真装置である。画像形成部1Bは、感光ドラム9を備えたカートリッジ8と、カートリッジ8の上方に配置されたレーザスキャナユニット15と、を備えている。画像形成動作を行う場合、回転する感光ドラム9の表面が帯電させられ、レーザスキャナユニット15が画像情報に基づいて感光ドラム9を露光することでドラム表面に静電潜像を書き込む。感光ドラム9に担持された静電潜像は帯電したトナー粒子によってトナー像に現像され、感光ドラム9と転写ローラ10とが対向する転写部にトナー像が搬送される。画像形成装置1の制御回路は、画像読取部16,19によって読み取られた画像情報又は外部のコンピュータからネットワークを介して受信した画像情報に基づいて画像形成部1Bによる画像形成動作を実施する。
画像形成装置1には、記録材としてのシートを1枚ずつ所定の間隔で給送する給送装置6を複数備えている。給送装置6から給送されたシートはレジストレーションローラ7にて斜行を補正された後に転写部に搬送され、転写部において、感光ドラム9に担持されたトナー像を転写される。シート搬送方向における転写部の下流には定着ユニット11が配置されている。定着ユニット11は、シートを挟持して搬送する回転体対と、トナー像を加熱するためのハロゲンランプ等の発熱体とを有し、シート上のトナー像を加熱及び加圧することで画像の定着処理を行う。
画像形成されたシートを画像形成装置1の外部に排出する場合、定着ユニット11を通過したシートは水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。両面印刷において第1面の画像形成が終了したシートの場合、定着ユニット11を通過したシートは反転ローラ12に受け渡され、反転ローラ12によってスイッチバック搬送され、再搬送部13を介して再びレジストレーションローラ7に搬送される。そして、再び転写部及び定着ユニット11を通過することで第2面に画像を形成された後、水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。
上記の画像形成部1Bはシートに画像を形成する画像形成手段の一例であり、感光体に形成したトナー像を中間転写体を介してシートに転写する中間転写方式の電子写真ユニットを用いてもよい。また、インクジェット方式やオフセット印刷方式の印刷ユニットを画像形成手段として用いてもよい。
(後処理装置)
後処理装置4は、シートに綴じ処理を施す綴じ処理部4Aを有し、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施して成果物としてのシート束を排出する。また、後処理装置4は、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施さずに単に排出することもできる。
後処理装置4には、シートを搬送する搬送路として受入パス81、内排出パス82、上排出パス83及び下排出パス84が設けられており、シートを排出する排出先として上排出トレイ25及び下排出トレイ37が設けられている。受入パス81は画像形成装置1からシートを受け取って搬送する本実施例の第1搬送路であり、内排出パス82は綴じ処理部4Aへ向けてシートを搬送する本実施例の第2搬送路である。上排出パス83はシートを上排出トレイ25に排出する搬送路であり、下排出パス84はシートを下排出トレイ37に排出する搬送路である。
受入パス81には、入口ローラ21、バッファ前ローラ22及び入口センサ27が配置されている。上排出パス83には反転搬送手段としての反転ローラ24が配置されている。内排出パス82には、内排出ローラ26、中間搬送ローラ28、蹴り出しローラ29及び中間積載前センサ38が配置されている。下排出パス84には束排出ローラ36が配置されている。入口センサ27及び中間積載前センサ38は、いずれも、シート処理装置内の搬送路における所定の検知位置でシートの通過を検知するシート検知手段の例である。
入口センサ27及び中間積載前センサ38としては、搬送パスへ向けて光を照射する発光部と、シートからの反射光を検知する受光部とを有する光学センサを用いることができる。入口センサ27は、第1搬送路上の第1検知位置におけるシートの有無に応じて出力信号が変化する第1センサの一例であり、中間積載前センサ38は、第2搬送路上の第2検知位置におけるシートの有無に応じて出力信号が変化する第2センサの一例である。
以下、後処理装置4におけるシートの搬送経路を説明する。
画像形成装置1の水平搬送部14から排出されるシートは、入口ローラ21によって受け取られ、受入パス81を通ってバッファ前ローラ22へ向けて搬送される。入口センサ27は、入口ローラ21とバッファ前ローラ22との間の検知位置においてシートを検知する。バッファ前ローラ22は、入口ローラ21から受け取ったシートを上排出パス83へ向けて搬送する。
なお、入口センサ27がシートの後端の通過を検知した後の所定のタイミングで、バッファ前ローラ22はシートの搬送速度を水平搬送部14における搬送速度より速い速度まで加速する。また、入口ローラ21によるシートの搬送速度を水平搬送部14よりも大きく設定し、バッファ前ローラ22よりも上流の入口ローラ21で搬送速度を加速してもよい。この場合、水平搬送部14の搬送ローラとこれを駆動するモータとの間にワンウェイクラッチを設置し、入口ローラ21によってシートが引っ張られたとしても搬送ローラが空転するように構成すると好適である。
シートの排出先が上排出トレイ25の場合、反転ローラ24はバッファ前ローラ22から受け取ったシートを上排出トレイ25に排出する。この場合、シート後端がバッファ前ローラ22を通過した後の所定のタイミングで反転ローラ24は所定の排出速度まで減速する。
シートの排出先が下排出トレイ37の場合、反転ローラ24はバッファ前ローラ22から受け取ったシートのスイッチバック搬送を行ってシートを内排出パス82に搬送する。反転ローラ24によるシートの排出方向において反転ローラ24よりも上流側で受入パス81及び内排出パス82が上排出パス83から分岐する分岐部には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、反転ローラ24によってスイッチバックされたシートが受入パス81に逆流することを規制する機能を有する。
バッファ部4Bでは、綴じ処理部4Aにおいて前の部のシート束に対する綴じ処理が完了するまでの間、次の部のシート束を構成する所定枚数のシートを積み重ねながら待機させるバッファ動作が行われる。具体的に、反転ローラ24は、プランジャソレノイド45(図8)によって当接及び離間を行うことが可能に構成されている。また、内排出ローラ26は、反転ローラ24と同じく正転及び逆転が可能なローラ対である。
バッファ動作を行う場合、反転ローラ24はバッファ前ローラ22から受け取った先行シートをスイッチバックさせて内排出ローラ26に受け渡した後、離間させられる。その後、バッファ前ローラ22から反転ローラ24に後続シートが送り込まれるタイミングに合わせて内排出ローラ26が先行シートを反転ローラ24に向けて逆送する。そして、反転ローラ24が再び当接状態となることで、先行シート及び後続シートが重ね合わせられた状態のバッファシート束が挟持される。また、このようなバッファシート束を再び内排出ローラ26に挟持させた状態で新たな後続シートを受け入れることにより、バッファ部4Bは3枚以上のシートを重ね合わせてバッファすることが可能である。
このようなバッファ動作を行うことにより、画像形成システムは、画像形成装置1の生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)を落とすことなく、綴じ処理を含む画像形成ジョブを実行することが可能となる。なお、バッファ動作が必要ない場合は、内排出ローラ26に受け渡されたシートはそのまま内排出パス82を綴じ処理部4Aに向けて搬送される。
内排出パス82に配置された内排出ローラ26、中間搬送ローラ28及び蹴り出しローラ29は、反転ローラ24から受け取ったシートを順に受け渡しながら綴じ処理部4Aへ向けて搬送する。中間積載前センサ38は、中間搬送ローラ28よりも下流かつ蹴り出しローラ29よりも上流の検知位置でシートを検知する。
綴じ処理部4Aは、本実施例の綴じ手段であるステイプラ51と、中間積載部70を構成する中間積載上ガイド31及び中間積載下ガイド32と、縦整合基準板39と、縦整合ローラ33と、束排出ガイド34と、ガイド駆動部35と、を備えている。綴じ処理部4Aは、内排出パス82から排出されて中間積載部70に積載された複数枚のシートに対してステイプラ51によって綴じ処理を施し、綴じられたシート束を形成する。また、綴じ処理部4Aは、画像形成ジョブの設定によっては、綴じ処理を行わずにシートを排出することもできる。
内排出パス82を介して綴じ処理部4Aに送られるシートは、蹴り出しローラ29によって中間積載部70に排出される。蹴り出しローラ29の付近に設けられた束押さえフラグ30は、中間積載部70に排出された先行シートの後端部を上方から押さえて、蹴り出しローラ29が次に排出する後続シートの先端部が先行シートの後端部に衝突することを防ぐ。
本実施例の移動部材である縦整合ローラ33は、中間積載下ガイド32の上方に配置されている。縦整合ローラ33は、蹴り出しローラ29によるシートの排出方向に沿った方向である縦整合方向(図1の右下方向)にシートを移動させることで、シートを縦整合基準板39に当接させて整合する。また、縦整合基準板39に突き当てられたシートは、不図示のジョガーによって横整合方向(縦整合方向に垂直な方向)に移動して横整合基準板に突き当てられることで整合される。
なお、縦整合ローラ33は合成ゴムもしくはエラストマー樹脂等の弾性材料で成形され、外周面が所定の摩擦係数になるように調整されたローラ部を有する。ローラ部は中間積載上ガイド31に回転可能に支持される軸部に支持されており、ギア部を含む駆動伝達装置により、1回転ずつ間欠回転するように駆動される。縦整合ローラ33の外周部であるローラ部は、軸部の軸方向から見て非円形の所謂半月ローラである。中間積載部70にシートが排出される前の待機状態において、縦整合ローラ33は中間積載上ガイド31からローラ部が露出しないような回転角度で保持される。また、縦整合ローラ33が1回転する間に、中間積載上ガイド31に設けられた開口部からローラ部が一時的に露出して、中間積載下ガイド32に積載されたシートの最上位シートの上面に接触して搬送力を付与する。縦整合ローラ33のシートに対する接触圧は、シートが縦整合基準板39に突き当たった後は縦整合ローラ33がスリップするように調整されている。
中間積載部70には可撓性のシート部材である押さえガイド56が配置されている。押さえガイド56は、中間積載下ガイド32に当接するように配置され、中間積載部に積載されたシートの上面を所定の加圧力で押圧する。
本実施例の規制部材である縦整合基準板39は、蹴り出しローラ29によるシートの排出方向に関して縦整合ローラ33よりも下流に設けられている。縦整合基準板39は、シートの端部に当接する規制部として、中間積載下ガイド32の上面から上方に突出する基準壁を有する。
ステイプラ51は、中間積載部70に積載されて整合された複数枚のシートの所定位置に綴じ処理を施す。本実施例のステイプラ51は、シート幅方向において中間積載部70の一方側において、縦整合方向に移動可能に設けられている。また、中間積載下ガイド32は、長辺送り方向(縦整合方向が長辺方向となり、シート幅方向が短辺方向となる搬送方向)に搬送されてくるA4サイズのシートを積載可能な広さを有している。従って、ステイプラ51は、中間積載部70に積載されたシート束の角部を綴じるコーナー綴じだけでなく、シート束に対して移動しながらシート束の長辺に沿った複数位置を綴じる長辺綴じ動作を行うことができる。なお、ステイプラ51は、針を用いてシートを綴じるものに限らず、針無し綴じ方式(例えば、凹凸面の間にシートを挟むことでシート同士を圧着させるものや、シートの一部をU字状にカットして折り曲げるものがある)を用いてもよい。
2つの縦整合基準板39の間には、処理済みのシートを中間積載部70から押し出す押出手段として、束排出ガイド34が配置されている。束排出ガイド34はガイド駆動部35に取り付けられ、縦整合方向とは反対の方向(シート束の排出方向)に移動可能である。また、中間積載下ガイド32には、束排出ガイド34の移動を案内するスライド溝が形成されている。ステイプラ51によって綴じられたシート束は、束排出ガイド34により、第3搬送路としての下排出パス84に押し出される。
排出手段としての束排出ローラ36は、ニップ状態(当接状態)と離間状態とを切り替え可能なローラ対である。また、詳しくは後述するように、束排出ローラ36は、下排出パス84を構成するガイドと共に、束排出ユニット100の一部として構成されている。束排出ガイド34によってシート束が押し出されるとき、束排出ローラ36は予め離間状態とされている。そして、押し出し方向(シート束の排出方向)におけるシート束の先端が束排出ローラ36に到達すると、束排出ローラ36はニップ状態に切り替えられ、束排出ガイド34は停止する。
束排出ローラ36は、束排出ガイド34から受け取ったシート束を挟持して排出方向(図中左上方)に搬送し、後処理装置4の筐体外に排出する。このとき、後述するように、束排出ユニット100の回動によって束排出ローラ36の排出角度及びその近傍のガイド部材の角度が変更される。束排出ローラ36から排出されたシート束は、積載部としての下排出トレイ37に積載される。言い換えると、排出手段としての束排出ローラ36及び積載部としての下排出トレイ37を備える後処理装置4は、シートを排出するシート排出装置の一例である。
上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、いずれも後処理装置4の筐体に対して上下に移動可能である。後処理装置4は、上排出トレイ25及び下排出トレイ37におけるシートの上面位置(シートの積載高さ)を検知するシート面検知センサを備えており、いずれかのセンサがシートを検知すると、対応するトレイをA2,B2方向に下降させる。また、上排出トレイ25又は下排出トレイ37のシートが取り除かれたことをシート面検知センサによって検知すると、そのトレイをA1,B1方向に下降させる。従って、上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、積載されたシートの上面を一定に保つように昇降制御される。
束排出ローラ36を第1排出手段とするとき、反転ローラ24は本実施例の第2排出手段である。また、下排出トレイを第1積載部とするとき、上排出トレイ25は本実施例の第2積載部である。
(束排出ユニット)
ここで束排出ユニット100及びその周辺構成の詳細な説明を行う。図2は、束排出ユニット100の近傍の構成を示す後処理装置4の概略図である。束排出ユニット100は、束排出ローラ36、搬送下ガイド40、搬送上ガイド42及び排出下支えガイド41を備えている。
搬送下ガイド40は、上述の中間積載部70を構成する中間積載下ガイド32と共に、綴じ処理部4Aから束排出ローラ36に搬送されるシート束の鉛直方向における下側の面(以下、単に下面とする)を案内するガイドである。搬送下ガイド40は、束排出ローラ36のニップ部よりも排出方向の上流で、束排出ローラ36が排出するシートの下面を案内する上流ガイドの一例である。搬送上ガイド42は、綴じ処理部4Aから束排出ローラ36に搬送されるシート束の鉛直方向における上側の面(以下、単に上面とする)を案内するガイドである。搬送下ガイド40及び搬送上ガイド42は、中間積載部70から束排出ガイド34によって送り出されるシート束を束排出ローラ36に円滑に受け渡すための搬送路である下排出パス84を形成している。
束排出ローラ36は、束排出上ローラ36a及び束排出下ローラ36bからなるローラ対であり、束排出上ローラ36a及び束排出下ローラ36bのニップ部においてシート束を挟持して搬送することでシート束を排出する。また、束排出ローラ36は、シート束をスムースに受入れ可能とするためにニップ状態(当接状態)と離間状態とを切り替え可能に構成されている。具体的には、束排出上ローラ36aのローラ軸は束排出下ローラ36bに対して離間方向(E1方向)及び接近方向(E2方向)に移動可能である。束排出上ローラ36aは、束排出ローラ駆動モータM11(図8)によって駆動されてニップ状態の位置(図2の実線位置)と離間状態の位置(破線位置)とに移動する。ニップ状態において、束排出上ローラ36aは、不図示のバネによって束排出下ローラ36bに押し付けられるように構成されている。
排出下支えガイド41は、束排出ローラ36のニップ部から送り出されるシート束の下面を案内するガイドである。シートの幅方向(束排出ローラ36の軸線方向)に見て、排出下支えガイド41の少なくとも一部は、束排出ローラ36によるシート束の排出方向に関して束排出ローラ36のニップ位置よりも下流に位置する。ここで、シートの幅方向に見てとは、束排出ローラ36の軸線方向から見た断面図又は側面図における部材間の位置関係を表す。
本実施例の排出下支えガイド41は、搬送下ガイド40に対してスライド移動することで伸縮可能に構成されている。排出下支えガイド41は、束排出ローラ36が排出するシート束のうち束排出ローラ36のニップ部から送り出された部分を支持することが可能なガイドである。つまり、排出下支えガイド41は、束排出ローラ36のニップ部よりも排出方向の下流で、束排出ローラ36が排出するシートの下面を案内する下流ガイドの一例である。
下排出トレイ37は、水平方向Hrに関する束排出ローラ36の排出方向下流側(図中左方)に向かって鉛直方向の上方に傾斜した角度で配置されている。ただし、下排出トレイ37の角度とは、シートの幅方向に見た状態で、下排出トレイ37がシートの下面に接触して支持することが可能な領域の、水平方向Hrに対する平均の角度を指すものとする。同様に、上排出トレイ25も、水平方向Hrに関する反転ローラ24の排出方向下流側(図中左方)に向かって鉛直方向の上方に傾斜した角度で配置されている。
後処理装置4の筐体400は、水平方向Hrに関する束排出ローラ36の排出方向下流側の側面401に、積載壁43を有している。積載壁43は、下排出トレイ37に排出されたシート束の排出方向上流端に当接するストッパーとして、即ち、下排出トレイ37に排出されたシートの整合基準壁として機能する。
図2に示すように、束排出ローラ36によるシート束の排出が始まる前の状態において、中間積載部70から束排出ローラ36のニップ部に至るシートの搬送路は略直線状に配置されている。言い換えると、シートの幅方向から見て、中間積載下ガイド32の上面と搬送下ガイド40の上面とが、排出方向に沿って略同一直線上に並んでいる。この搬送路の水平面S(後処理装置4の接地面)に対する傾斜角度をθとし、束排出ガイド34の初期位置(綴じ処理直後の位置)から束排出ローラ36のニップ位置までの距離をLLとする。
このとき、シートの幅方向から見た後処理装置4の筐体400の占有幅を表す装置幅Hは、LL・cosθ<Hを満たす大きさとする。例えば、装置幅Hは、LL・cosθに装置の外装分の厚みを足した寸法とする。このような装置幅Hを確保すれば、綴じ処理部4Aにおいて綴じられたシート束を、可能な限り湾曲させることなく中間積載部70から束排出ローラ36に受け渡すことが可能となる。特に、本実施例では、綴じ処理部4Aにおいて最大で50枚程度のシートを綴じることが可能である。このような枚数が多い(つまり剛性が高い)シート束を排出する場合には、シート束の排出経路を可能な限り直線状に構成することが排出不良を低減する観点から好ましい。
また、搬送路の傾斜角度θは、40度以上60度以下の範囲に設定すると好適である。これにより、装置幅Hを抑制して後処理装置4の小サイズ化を図ることが可能となる。この傾斜角度θは、下排出トレイ37の積載面の平均の角度よりも大きい。言い換えると、本実施例において、上流ガイドとしての搬送下ガイド40の平均の角度は、積載部としての下排出トレイ37の平均の角度よりも大きい。
特に、本実施例では、上述した通り中間積載部70にA4サイズのシートを長辺送り方向で積載することが可能であり、ステイプラ51(図1)がシートの長辺(幅方向の端部)に沿って複数位置を綴じる長辺綴じ動作を実行可能に構成されている。つまり、ステイプラ51は、図2における中間積載下ガイド32の上面に沿った方向に往復移動可能である。このような構成において傾斜角度θを上記範囲に設定することで、後処理装置4の小サイズ化を図ることが可能である。
なお、図2に示す構成例では、搬送路の傾斜角度θと、シート束の排出を始める前の束排出ローラ36の水平面Sに対する排出角度とが略一致しているが、これらの角度を必ずしも一致させる必要はない。例えば、シート束の湾曲の程度が小さく、シート束の搬送抵抗が束排出ローラ36による排出の障害とならない程度であれば、搬送路の傾斜角度θと束排出ローラ36の排出角度とが異なっていてもよい。
(束排出ユニットの構成)
束排出ユニット100の詳しい構成を説明する。図2に示すように、本実施例の束排出ユニット100は、束排出下ローラ36bの回転軸線を中心にして、C1方向及びその反対のC2方向に回動することができる。このとき、束排出ユニット100を構成する搬送下ガイド40、搬送上ガイド42、排出下支えガイド41及び束排出上ローラ36aが、束排出下ローラ36bを中心として一体的に回動する。なお、図2は、束排出ユニット100がホームポジション(束排出ローラ36がシート束を中間積載部70から受け入れるときの位置)にある状態を示している。
図3(a、b)は束排出ユニット100の支持構成を表している。束排出ユニット100のユニット枠体101,101は、ローラの軸線方向(シートの幅方向)における搬送下ガイド40の両側に設けられている。ユニット枠体101,101は、搬送下ガイド40並びに不図示の搬送上ガイド42及び束排出上ローラ36aを支持しており、ローラ軸受102,102を介して束排出下ローラ36bのローラ軸36cを回転可能に支持している。また、本実施例に排出下支えガイド41は、搬送下ガイド40に支持されている。
ユニット枠体101,101は、後処理装置4の枠体に取り付けられた本体軸受201によって回動可能に支持されている。具体的には、各ユニット枠体101に支持部材104が固定され、支持部材104にユニット回動支軸106が取り付けられ、ユニット回動支軸106が本体軸受201に回動可能に嵌合している。この本体軸受201の軸線は、ローラ軸受102の軸線と同一直線上に並んでいる。これにより、束排出ユニット100は、束排出下ローラ36bと同軸の軸線を中心にして回動可能な構成となっている。
また、ユニット回動支軸106にはユニット回動ギア105が取り付けられている。ユニット回動支軸106の外周部から突出するキーとユニット回動ギア105に設けられたキー溝とを嵌合させる等の方法で、ユニット回動ギア105はユニット回動支軸106と相対回転不能に連結されている。このユニット回動ギア105には、後処理装置4の枠体に支持される不図示の駆動ギアが噛み合っている。そして、後処理装置4に設けられた駆動源としての束排出ユニット回動モータM13がギア列等の駆動伝達機構を介して駆動ギアを回転させ、駆動ギアがユニット回動ギア105を回転させることで、束排出ユニット100が回動する。束排出ユニット回動モータM13、ユニット回動ギア105及びこれらの間で駆動力を伝達する駆動伝達機構は、束排出ローラ36、搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41を回動させて姿勢を変更する本実施例の回動手段として機能する。
なお、束排出ユニット回動モータM13とは別に、束排出ローラ36を回転させるための駆動源及び束排出ローラ36を当接及び離間させるための駆動源として、束排出ローラ駆動モータM11(図8)が設けられている。束排出ローラ駆動モータM11は、正転及び逆転が可能なモータであり、振り子ギアを介して束排出ローラ36の駆動軸と束排出ローラ36を当接及び離間させる離間機構とに連結されている。従って、束排出ローラ駆動モータM11は、回転方向を変更することにより、束排出ローラ36を回転駆動する動作状態と束排出ローラ36をニップ状態と離間状態との間で切り替える動作状態とを切り替えることが可能である。なお、束排出ローラ36を当接及び離間させる離間機構としては、束排出上ローラ36aのローラ軸を軸線方向に交差する方向に押圧するカム機構等、公知の機構を用いることができる。
図4及び図5は、本実施例におけるガイド手段である搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41を表している。図中、束排出ローラ36の位置を示すために、束排出下ローラ36bの回転軸線を表す仮想線を図示している。
図4(a)は、排出下支えガイド41が搬送下ガイド40に対してD1方向に伸びることで束排出ローラ36よりも排出方向の下流に展開した状態(第1状態)を表している。図4(b)は、排出下支えガイド41がD2方向に縮むことで搬送下ガイド40に格納された状態(第2状態)を表している。第1状態において、排出下支えガイド41は、排出中のシート束のうち束排出ローラ36のニップ部から送り出された部分を支持することができる。一方、第2状態になると、排出下支えガイド41は、シート束の後端が束排出ローラ36のニップ部を抜けた際にシート束が下排出トレイ37に落下することを許容する。
排出下支えガイド41は、排出方向に伸びる複数のガイド板41aを有し、これらのガイド板41aがシートの幅方向に略一定の間隔で並んで構成されている。搬送下ガイド40の上面には、排出方向に伸びる溝形状であるスリット40aが設けられており、排出下支えガイド41を構成する各ガイド板41aは対応するスリット40aに嵌め込まれている。
図5(a)は排出下支えガイド41及び搬送下ガイド40を下側から見た斜視図であり、図5(b)は排出下支えガイド41のみを図5(a)と同じ角度から見た斜視図である。
図5(a)、(b)に示すように、排出下支えガイド41はラックアンドピニオン機構により搬送下ガイド40に対してスライド可能に構成されている。具体的には、排出下支えガイド41は、スライド方向であるD1方向及びD2方向に沿って延びるラック部112を有している。ラック部112及び複数のガイド板41aは、搬送下ガイド40の下側で支持部113によって互いに連結されている。搬送下ガイド40に設けられたピニオン軸40bには、ラック部112に噛み合うピニオンギア111が取り付けられている。
束排出ユニット100には、排出下支えガイド41を駆動する駆動源として、ガイド伸縮モータM12(図8)が設けられている。そして、ガイド伸縮モータM12が正転及び逆転してピニオンギア111を回転させることで、排出下支えガイド41が搬送下ガイド40に対してD1方向及びD2方向にスライド移動する。
(束排出ユニット)
以上の構成を備えた束排出ユニット100の動作について、図6(a〜d)を用いて説明する。
図6(a)は、綴じ処理部4Aにおいて綴じられた状態のシート束SBが、束排出ガイド34によって束排出ローラ36に向けて押し出されて、離間状態であった束排出ローラ36がニップ状態に切り替わった後の状態を表している。この時点では、中間積載下ガイド32、搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41の姿勢は、上述の傾斜角度θで維持されている。また、束排出ローラ36は、これらのガイドの傾斜角度θに略一致する排出角度(本実施例の第1角度)でシート束SBをニップ部から送り出している。
このような、直線状の搬送路に沿ってシート束SBを案内しながらシート束SBの排出を行うことで、シート束SBが受ける搬送抵抗の低減を図っている。このことは、排出不良(ジャム)の発生を抑制して排出動作の安定性を向上できる利点がある。また、束排出ローラ36がシート束SBに対してスリップしにくくなるため、成果物としてのシート束SBにローラの擦れ跡が残る可能性を低減できる。特に、本実施例では上述した通り最大で50枚程度のシートを長辺綴じした剛性の高いシート束SBを排出することから、このような利点が相対的に大きくなる。
ところで、束排出ローラ36のニップ部から第1角度に沿って引いた直線は上排出トレイ25に交差することから、束排出ローラ36が第1角度でシート束SBの排出を継続すると、シート束SBの先端が上排出トレイ25の底部25aに衝突する可能性がある。この場合、シート束先端の角折れ、コバ傷、衝突音、排出不良(ジャム)等が発生する懸念がある。また、仮に正常に排出されたとしても、束排出ローラ36からシート束後端が抜けた後にシート束が下排出トレイ37まで落下する落下高さRが大きくなる。そのため、下排出トレイ37におけるシート束の整列性の低下や、シート束の後端部が積載壁43に衝突することによる衝突音やコバ傷の発生が懸念される。これに対し、上排出トレイ25をより高い位置に配置すると、装置が高さ方向に大型化してしまう。
そこで、図6(b)に示すように、排出方向におけるシート束の後端が中間積載上ガイド31の端部31aを超えた直後のタイミングで、束排出ユニット100をC2方向に(つまり水平面に対する束排出ローラ36の排出角度が小さくなる方向に)回動させる。ただし、中間積載上ガイド31の端部31aとは、シート束SBの排出方向における下流端を指す。また、ここでは束排出ユニット100がC2方向への回動を開始する前に排出下支えガイド41のD1方向への展開が完了しているものとするが、回動開始時点では排出下支えガイド41が展開途中であってもよい。
束排出ユニット100がC2方向に回動することで、水平面に対する束排出ローラ36の排出角度は、第1角度よりも水平に近い第2角度に変化する。この第2角度の大きさは、下排出トレイ37の平均の角度と同程度か、若干それよりも大きな値に設定される。束排出ローラ36から第2角度で排出されるシート束SBの先端と上排出トレイ25の底部25aとの間には空間Cが確保されるため、シート束SBの先端が上排出トレイ25の底部25aに衝突することは回避される。
なお、束排出ユニット100がC2方向への回動を開始するタイミングは、シート束SBの後端が中間積載上ガイドの端部31aを超えてから、シート束SBの後端が束排出ローラ36のニップ部を抜けるまでの範囲で変更可能である。ただし、本実施例では可能な限り早いタイミングで束排出ユニット100の回動を開始するようにしている。この回同動作のタイミングを早くすることによって、シート束先端が下排出トレイ37に到達する前に束排出ユニット100の回動を完了させることができる。また、シート束SBを
構成するシートの枚数が多く、かつ、シート坪量が大きい場合など、シート束SBの重量が重いときは、束排出ユニット100を回動させる際にシート束SBが負荷となる。本実施例のタイミングであれば、搬送下ガイド40がシート束SBを支えた状態で束排出ユニット100が回動するため、シート束SBの姿勢が乱れにくく、束排出ユニット100の回転をスムースに実施することができる。
図6(c)は、シート束SBの後端が束排出ローラ36のニップ部を抜け出た直後の様子を表している。この時点までに、排出下支えガイド41はD2方向に移動して搬送下ガイド40に格納された状態となっている。そのため、シート束SBの後端が束排出ローラ36のニップ部を抜けると、シート束SBは下排出トレイ37に落下してトレイ上に積載される。
ここで、排出動作の開始時に比べて束排出ローラ36の排出角度は水平に近くなっていることから、シート束SBが下排出トレイ37に落下するときの落下高さRRは、排出角度を変更しない場合の落下高さR(図6(a))に比べて小さくなる。従って、下排出トレイ37におけるシート束の整列性の低下や、シート束の後端部が積載壁43に衝突することによる衝突音やコバ傷の発生といった事態が発生する可能性は低減される。
図6(d)は、シート束SBの排出が終わった後、束排出ユニット100を初期状態に戻した様子を表している。即ち、束排出ユニット100が束排出下ローラ36bを中心にC1方向に回動してホームポジションに移動すると共に、束排出上ローラ36aが束排出下ローラ36bから離間する。また、束排出ガイド34は、シート束SBを押し出す前の位置に復帰する。この後、中間積載部70に所定枚数のシートが積載されて綴じ処理が行われることで次のシート束が形成されると、束排出ガイド34がシート束を束排出ローラ36に向けて押し出すことで、次のシート束の排出動作が開始される。
(排出下支えガイドの作用)
次に排出下支えガイド41の機能について、図7を用いて説明する。図7(a)は、本実施例から排出下支えガイド41を省略した他は本実施例と同様の構成を備えた変形例を表している。
前述した通り、束排出上ローラ36aが不図示のバネによって束排出下ローラ36bに押し付けられることで、シート束SBを挟持するためのニップ圧が確保される。ところで、束排出ローラ36によって排出される途中のシート束SBは、束排出下ローラ36bの外周面を支点にして自重によって重力方向へ回転しようとする。特に、坪量の重い紙やLGL・LGR等の比較的サイズが大きな紙を用いる場合、或いはシート束として綴じられるシート枚数が多い場合等、シート束SBが重くなるほど、この回転力は大きくなる。
このようなシート束SBのモーメントが生じると、バネ付勢されている束排出上ローラ36aは、シート束SBのモーメントに耐え切れずに持ち上げられて点線で示した位置に逃げてしまう可能性がある。すると、束排出ローラ36はシート束SBを十分に挟持することができず、シート束SBに対してスリップしてしまい、排出不良が生じやすくなる。一方、このような事態を避けるために束排出上ローラ36aを付勢しているバネの付勢力を強くすると、ニップ圧が高くなりすぎてシート束SBの画像やシート自体にローラマークが残りやすくなる。
これに対し、本実施例では、図7(b)に示すように排出下支えガイド41を設けて、束排出ローラ36から送り出されるシート束SBの重量を排出下支えガイド41によって支える構成としている。これにより、図7(a)の状態で生じていたモーメントが大幅に低減されるため、バネの付勢力を適切な大きさに保ちつつ、束排出ローラ36が安定してシート束SBを挟持して搬送することが可能となる。言い換えると、本実施例におけるガイド手段の一部である排出下支えガイド41は、排出手段としての束排出ローラ36の下流側でシートの下面を案内することで、束排出ローラ36が安定して排出動作を実施することを助ける作用を有する。
また、排出下支えガイド41を設けたことで、図7(c)に示すように、新たに排出されるシート束SB2の先端が下排出トレイ37に積載されているシート束SB1の上面に着地する時期を遅らせることができる。即ち、排出下支えガイド41がない場合に比べて、シート束SB2の先端がシート束SB1の上面に着地するまでの到達距離Jを大きくすることができる。ただし、到達距離Jは、下排出トレイ37に沿った方向に関して、積載壁43から、シート束SB2の先端がシート束SB1の上面に着地する地点までの距離の平均値である。到達距離Jが大きくなれば、新たに排出されるシート束SB2が既に積載されているシート束SB1と擦れてシート束SB1を押し出す作用が働く期間が短くなるため、シート束SB1の位置が乱されにくい。
これらの機能を有する本実施例の排出下支えガイド41は、束排出ユニット100の一部として、束排出ローラ36と一体的に回動する。従って、上述したように装置の小サイズ化を図りつつ、排出動作の安定性やシートの整列性を向上可能な構成に、上記の機能を備えた排出下支えガイド41を組み込むことができる。
(排出動作のフローチャート)
以上説明した後処理装置4におけるシート束の排出動作を実現する制御構成について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、本実施例に係る画像形成システム1Sの構成を表すブロック図である。画像形成装置1にはプリンタ制御部110が搭載され、後処理装置4にはフィニッシャ制御部410が搭載されている。プリンタ制御部110及びフィニッシャ制御部410は、通信インタフェースを介して互いに接続され、協働して画像形成システム1Sの動作を制御する。
プリンタ制御部110は、中央処理装置(CPU)115と、メモリ116とを有する。CPU115は、メモリ116に格納されたプログラムを読み出して実行し、画像形成装置1を統括制御する。例えば、CPU115は、画像形成部1Bに画像形成動作を実行させる処理や、画像読取装置2に読取動作を実行させて画像情報を取得する処理を実行する。メモリ116は、読取専用メモリ(ROM)のような不揮発性の記憶媒体及びランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性の記憶媒体を含み、プログラム及びデータの保管場所となると共にCPU115がプログラムを実行する際の作業スペースとなる。メモリ116は、画像形成装置を制御するためのプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体の例である。
プリンタ制御部110は、外部インタフェース(I/F)114を介してパーソナルコンピュータ又は携帯型情報機器等の外部機器に接続され、画像形成システム1Sに対する画像形成ジョブの実行指令等を受け付ける。また、プリンタ制御部110は、画像形成システム1Sのユーザインタフェースである操作表示部103に接続されている。操作表示部103は、ユーザに情報を提示する液晶パネル等の表示装置と、ユーザによる入力操作を受け付ける物理ボタン及び液晶パネルのタッチパネル機能部等の入力装置とを備える。プリンタ制御部110は、操作表示部103と通信を行うことにより、表示装置の表示内容を制御し、入力装置を介して入力された情報を受け取る。
フィニッシャ制御部410は、中央処理装置(CPU)411と、メモリ412と、タイマー413とを有する。CPU411は、メモリ412に格納されたプログラムを読み出して実行し、後処理装置4を統括制御する。メモリ412は、読取専用メモリ(ROM)のような不揮発性の記憶媒体及びランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性の記憶媒体を含み、プログラム及びデータの保管場所となると共にCPU411がプログラムを実行する際の作業スペースとなる。メモリ412は、後処理装置を制御するためのプログラムを格納した非一過性の記憶媒体の例である。
タイマー413は、計時機能を有する回路要素であり、RTC機能を有する集積回路や、CPU411が実行するプログラムのモジュールとして実装される。なお、タイマー413に限らず、プリンタ制御部110及びフィニッシャ制御部410が備える各機能は、ASIC等の独立したハードウェアとして制御部の回路上に実装してもよく、プログラムの機能単位としてソフトウェア的に実装してもよい。また、以下で説明するフィニッシャ制御部410の機能の一部又は全部を、プリンタ制御部110が担うようにすることもできる。
後処理装置4には、上述の入口センサ27、中間積載前センサ38、プランジャソレノイド45、ステイプラ51に加えて、シートを搬送するための駆動源又は綴じ処理部4Aの駆動源となる複数のモータ(M1〜M13)が搭載されている。この内、入口モータM1は入口ローラ21を回転駆動する。バッファ前モータM2はバッファ前ローラ22を回転駆動する。反転モータM3は反転ローラ24を回転駆動する。内排出モータM4は内排出ローラ26を回転駆動する。蹴り出しモータM5は、蹴り出しローラ29を回転駆動する。なお、上記の各ローラはそれぞれ独立したモータ(M1〜M5)によって駆動されるものとして説明したが、以下の説明に沿って各ローラの駆動状態を適切に制御可能な構成であれば、複数のローラを共通のモータによって制御することも可能である。
また、主に綴じ処理部4Aの動作に関与する駆動源として、後処理装置4は縦整合モータM6、ジョガー駆動モータ(横整合モータ)M7、ステイプラ移動モータM8、綴じモータM9、ガイド駆動モータM10及び束排出ローラ駆動モータM11を備えている。縦整合モータM6は、縦整合ローラ33を1回転ずつ間欠動作させる駆動力を供給する。ジョガー駆動モータM7は、横整合ジョガー58をシート幅方向に移動させる。ステイプラ移動モータM8は、ステイプラ51を縦整合方向及びその反対の方向に移動させる。綴じモータM9は、ステイプラ51にシート束を綴じる動作を行わせる。ガイド駆動モータM10は、ガイド駆動部35を駆動して束排出ガイド34をシート束の排出方向及び縦整合方向にスライド移動させる。
束排出ローラ駆動モータM11は、回転方向に応じて、束排出ローラ36を回転駆動し、又は束排出ローラ36をニップ状態と離間状態とに切り替えるための駆動力を供給する。ガイド伸縮モータM12は、図5を用いて説明したラックアンドピニオン機構を介して排出下支えガイド41を搬送下ガイド40に対して伸縮させる。束排出ユニット回動モータM13は、図3を用いて説明したユニット回動ギア105を介して束排出ユニット100を回動させる。
なお、駆動構成は図示したものに限定されることなく、例えば束排出ローラ36を回転駆動するモータと束排出ローラ36をニップ状態と離間状態とに切り替えるための駆動源(モータ又はプランジャソレノイド等)とを別個に設けてもよい。
図9はシート束の排出動作のシーケンス(束排出シーケンス)を表すフローチャートである。本シーケンスの各工程は、フィニッシャ制御部410のCPU411がメモリ412から読み出したプログラムを実行することで実施される。また、本シーケンスは、シートに対する綴じ処理の要求を含む画像形成ジョブの実行をプリンタ制御部110が開始し、その旨がプリンタ制御部110からフィニッシャ制御部410に通知された場合に開始される。
S101では、綴じ処理を行う所定枚数のシートが画像形成装置1から後処理装置4に受け渡されて中間積載部70に積載されるまで待機し、所定枚数の積載を確認するとS102に進む。S102では、ステイプラ51による綴じ処理を実行し、S103に進む。このとき、プリンタ制御部110からの通知に含まれるジョブの設定情報に基づいて、コーナー綴じ及び長辺綴じを含むいずれかのモードで綴じ処理が行われる。
綴じ処理が完了すると、S103では、束排出動作のタイミングを規定する各種タイマーをセットする。この内、ニップタイマーは、束排出動作の開始時点で離間状態となっている束排出ローラ36をニップ状態に切り替えるタイミングを規定する。ユニット回動タイマーは、束排出ユニット100をC2方向に回動開始させるタイミングを規定する。リセットタイマーは、束排出ユニット100及び束排出ガイド34を束排出シーケンスの実行前の状態に戻す処理の開始タイミングを規定する。
S103と略同時に、S104ではガイド駆動モータM10により束排出ガイド34を排出方向に移動開始させる。これにより、シート束が中間積載部70から束排出ローラ36に向かって移動し始める。
S105では、ニップタイマーのカウントダウンを行いながら待機し、カウントダウンが終了するとS106に進む。本実施例において、ニップタイマーの終了時刻は、排出方向におけるシート束の先端が離間状態の束排出ローラ36に到達する予定時刻に対して所定のマージン時間だけ遅れた時刻に設定されている。
S106では、束排出ローラ駆動モータM11により束排出ローラ36を離間状態からニップ状態に切り替えてS107に進む。S107では、束排出ローラ駆動モータM11により束排出ローラ36の回転駆動を開始してS108に進む。S107,S108の実行により、図6(a)に示すように束排出ローラ36がシート束SBを挟持した状態で回転し、束排出ガイド34に引き続いてシート束を排出方向に搬送する。このときの束排出ローラ36の排出角度は、中間積載下ガイド32及び搬送下ガイド40の傾斜角度θに略等しい第1角度である。
S108では、ユニット回動タイマーのカウントダウンを行いながら待機し、カウントダウンが終了するとS109に進む。本実施例において、ユニット回動タイマーの終了時刻は、排出方向におけるシート束の後端が中間積載上ガイド31の端部31a(図6(b))を通過する予定時刻に対して所定のマージン時間だけ遅れた時刻に設定されている。
S109では、束排出ユニット回動モータM13により、束排出ユニット100をC2方向に回動させ、S110に進む。S109の実行により、図6(b)に示すように束排出ローラ36、搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41が束排出下ローラ36bを中心にしてC2方向に回動する。これにより、束排出ローラ36の排出角度が第1角度よりも水平に近い第2角度に変更されると共に、搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41の姿勢も傾斜角度θからより水平に近い角度に変更される。
S110では、シート束の後端が束排出ローラ36のニップを通過する前に束排出下支えガイド41を格納してS111に進む。これにより、図6(c)に示すように束排出下支えガイド41が束排出ローラ36の上流側に退避するから、シート束SBの後端が束排出ローラ36のニップを抜けた時点でシート束SBは下排出トレイ37に落下して積載される。
S111では、リセットタイマーのカウントダウンを行いながら待機し、カウントダウンが終了するとS112に進む。本実施例において、リセットタイマーの終了時刻は、シート束の後端がニップ状態の束排出ローラ36を通過する予定時刻に対して所定のマージン時間だけ遅れた時刻に設定されている。
S112では、束排出ユニット回動モータM13により束排出ユニット100をC1方向に回動させ、束排出ローラ駆動モータM11により束排出ローラ36を離間状態に切り替え、さらにガイド伸縮モータM12により束排出下支えガイド41を展開させる。これにより、図6(d)に示すように束排出ユニット100及び束排出ガイド34が、次のシート束の排出に備えて束排出シーケンスの実行前の状態に復帰する。
(本実施例のまとめ)
このように、本実施例では、排出手段としての束排出ローラ36と、ガイド手段としての搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41との姿勢を変更することで、シートの排出角度やガイド手段の姿勢を変更可能な構成とした。これにより、排出手段に向けて送り込まれるシートの搬送経路によらず、より適切な姿勢でシートを排出することが可能となる。
より具体的に、本実施例では、排出動作の途中で排出角度が第1角度からより水平に近い第2角度に変化するように束排出ローラ36の姿勢が変更され、これに合わせて搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41の姿勢も変更される。このため、落下距離の低減による排出動作の安定性向上や下排出トレイ37における整列性向上といった利点を得ることができる。また、このような構成を、水平方向Hrに対して傾斜した中間積載部70と組み合わせることで、後処理装置4の装置幅の小サイズ化を図りつつ、上記の利点を得ることができる。
なお、本実施例では、搬送下ガイド40、排出下支えガイド41及び束排出ローラ36が同じユニット(束排出ユニット100)の一部として一体に回動する構成を説明したが、これらがそれぞれ独立に回転可能な構成としてもよい。即ち、回動手段が姿勢変更の対象となる部材毎に複数設けられていてもよい。また、上述した通り、本実施例では束排出ローラ36がステイプラ51によって綴じられたシート束を排出する際の排出動作を例に説明したが、束排出ローラ36の排出角度と搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41の姿勢とを変更する。
また、搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41は、いずれも束排出ローラ36によって排出されるシート束の下面を支えることで排出動作の安定性向上や積載されたシート束の整列性向上に寄与する。従って、ガイド手段として、上流ガイドとしての搬送下ガイド40及び下流ガイドとしての排出下支えガイド41のいずれか一方のみを配置した構成であっても、ガイド手段としての機能が得られる。
次に、実施例2の束排出ユニット100Aについて図10を用いて説明する。本実施例の束排出ユニット100Aは、実施例1の束排出ユニット100と同様に、後処理装置4において綴じ処理部4Aを介して搬送されるシート又はシート束を排出するためのユニットである。本実施例では、実施例1と異なり、下流ガイドの他の一例としてシートの幅方向に移動する一対の支持部材である束排出ジョガー50を用いている。以下、実施例1と同様の構成及び作用を有する要素については、実施例1と共通の符号を付して説明を省略する。
本実施例の束排出ユニット100Aは、束排出ローラ36(図2)と、搬送下ガイド40と、搬送上ガイド42(図2)と、束排出ジョガー50と、を備えている。図10では、束排出ローラ36の位置を示すために、束排出下ローラ36bの回転軸線を表す仮想線を図示している。
束排出ジョガー50は、束排出ユニット100Aのユニット枠体によって支持され、束排出ローラ36及び搬送下ガイド40と共に、束排出下ローラ36bを中心にして回動する。束排出ジョガー50は、それぞれシートの幅方向に往復移動可能に構成される。即ち、一対のジョガー板50L、50Rは、幅方向に関して互いに接近及び離間する方向に相対移動可能である。また、各ジョガー板50L,50Rは、幅方向におけるシート束の両端部においてシート束の下面を支持する下面部50aを有している。
束排出ローラ36がシート束SBの排出を開始するとき、図10(a)に示すように束排出ジョガー50はシート束SBの幅に合わせた位置(閉位置)に予め位置決めされる。図10(a)の閉位置にある状態は、本実施例の下流ガイドである束排出ジョガー50の第1状態である。束排出ローラ36から送り出されるシート束SBの底面は、束排出ジョガー50の下面部50aによって支えられた状態となる。従って、実施例1の排出下支えガイド41と同様に、シート束SBの自重によって束排出上ローラ36aが持ち上げられて搬送不良が生じる可能性を低減できる。また、シート束SBの到達距離Jを大きくして下排出トレイ37におけるシートの整列性を向上可能である。
本実施例においても、束排出ローラ36がニップ状態に変更されてシート束SBを挟持した後に、束排出ユニット100AがC2方向に回動することで、束排出ローラ36の会出角度並びに搬送下ガイド40及び束排出ジョガー50の姿勢が変更される。これにより、実施例1と同様に、より適切な姿勢でシートを排出することが可能となる。
その後、シート束SBの排出を完了させるには、図10(b)に示すように、束排出ジョガー50を幅方向の外側の位置(開位置)に移動させて、下面部50aがシート束SBの下面から退避させる。これにより、シート束SBは束排出ジョガー50から落下して下排出トレイ37に積載される。図10(b)の開位置にある状態は、本実施例の下流ガイドである束排出ジョガー50の第2状態である。
次に、実施例3の後処理装置4について図11及び図12を用いて説明する。本実施例は、束排出ガイド34を用いてシート束を排出する実施例1の構成と異なり、中間ローラ60によって中間積載部70から束排出ローラ36に向けてシート束を搬送する。以下、実施例1と同様の構成及び作用を有する要素については、実施例1と共通の符号を付して説明を省略する。
図11(a)は、本実施例に係る後処理装置4の綴じ処理部4A及び束排出ユニット100を示す概略図である。綴じ処理部4Aには、中間積載部70に積載されたシート又はシート束を挟持して搬送可能な中間ローラ60が配置されている。中間ローラ60は、中間積載部70に所定枚数のシートが積載されて整列が終了し、さらにステイプラ51により綴じ処理を行われた後に回転することで、シート束SBを束排出ローラ36に向けて搬送する。また、中間ローラ60は、搬送下ガイド40や束排出ローラ36と共に、束排出ユニット100の一部として構成されている。
図11(a)は、中間ローラ60によるシート束SBの搬送が開始された後であって、排出方向におけるシート束SBの先端が離間状態の束排出ローラ36に到達する前の様子を表している。中間ローラ60は、排出方向に関して中間積載上ガイド31の端部31aよりも下流に配置されており、シート束SBの後端が中間積載上ガイド31の端部31aを超えた時点では、シート束SBの後端は中間ローラ60をまだ通過していない。
本実施例では、図11(a)のようにシート束SBの後端が中間積載上ガイド31の端部31aを超え、かつ、シート束SBが中間ローラ60に挟持されている状態で、図11(b)に示すように束排出ユニット100をC2方向に回動させる。このとき、束排出下ローラ36bを中心にして、搬送下ガイド40、搬送上ガイド42、排出下支えガイド41及び束排出上ローラ36aが、C2方向に回動する。また、本実施例では、これらに加えて中間ローラ60も束排出下ローラ36bを中心にしてC2方向に回動する。
束排出ユニット100がC2方向に回動することで、水平面に対する束排出ローラ36の排出角度は、中間積載下ガイド32の傾斜角度θに略一致する第1角度(図11(a))から、第1角度よりも水平に近い第2角度(図11(b))に変化する。これに伴って、ガイド手段としての搬送下ガイド40及び排出下支えガイド41の姿勢もC2方向に回動する。従って、実施例1と同様により適切な姿勢でシートを排出することが可能となり、排出動作の安定性向上やシートの整列性向上といった利点を得ることができる。
ここで、束排出ユニット100を回動させるタイミングと中間ローラ60の配置との関係について、図12を用いて説明する。
図12(a)〜(c)は、実施例3のように中間ローラ60を束排出ユニット100の一部とせず、中間積載部70に配置した変形例を表している。この変形例では、束排出ユニット100が回動したとしても、中間ローラ60は中間積載部70に対して同じ位置に留まる。また、シートの排出方向に関して、中間ローラ60のニップ部は中間積載上ガイド31の端部31aより上流側に位置する。そのため、図12(a、b)に示すように中間ローラ60がシート束SBを挟持している間は、シート束SBが中間ローラ60に拘束されているため、束排出ユニット100の回動を開始することはできない。図12(c)に示すようにシート束SBの後端が中間ローラ60を抜けて初めて、束排出ユニット100の回動が可能となる。
この変形例の構成でも、束排出ユニット100を回動させることで、束排出ローラ36の排出角度や搬送下ガイド40、排出下支えガイド41の姿勢を変更することができるため、実施例3と同様により適切な姿勢でシートを排出することが可能である。ただし、シート束SBが中間ローラ60を抜けるまでは束排出ユニット100の回動開始を待機する必要がある分、スループットの向上の面では改善の余地がある。
これに対して、図12(d)、(e)に示す実施例3の構成では、中間ローラ60は束排出ユニット100の一部として構成されており、束排出ローラ36と中間ローラ60との間の搬送下ガイド40と共に回動する。従って、図12(d)に示すようにシート束SBの後端が後処理装置4の枠体に対して固定されている中間積載上ガイド31の端部31aを超えた時点で、束排出ユニット100の回動を開始させることが可能である。
図12(a)と図12(d)を比較すると、束排出ローラ36を基準としたシート束SBの位置は同等であるが、シート束SBの拘束によって束排出ユニット100の回動が規制される変形例に対し、実施例3では束排出ユニット100の回動が可能である。このことから、実施例3の構成によれば、より早いタイミングで束排出ユニット100の回動を開始して、より早く回動を終了することができる。ゆえに、後処理装置4の高スループット化を図るためにシート束SBの排出速度を速い速度に設定したとしても、束排出ユニット100の回動を間に合わせることができる。
また、図12(e)に示すように、実施例3では、束排出ユニット100が回動している期間の少なくとも一部において、中間ローラ60及び束排出ローラ36の両方がシート束SBを挟持した状態となる。これにより、束排出ローラ36のみによってシート束SBが挟持される実施例1の構成に比べて、シート束SBの慣性等が作用した際にシート束SBの位置がずれることを抑制できる。
なお、束排出ユニット100の回動中に、シート束SBが厚み方向に動いた場合、搬送下ガイド40に配置されているセンサの検知信号が短い間隔で振動するチャタリングが生じる場合がある。例えば、搬送下ガイド40の上方に突出するフラグがシートに押圧されることで揺動したことを検知するフォトインタラプタをセンサとして用いる場合、シート束SBの下面がフラグに対して接触及び離間を繰り返すことでチャタリングが生じる。また、シート束SBがシート面の面内方向に動いた場合、束排出ローラ36のスリップ跡がシート束SBに残ったり、シート束SBの傾きや位置ずれが発生して下排出トレイ37における整列性が低下する懸念がある。
これに対し、実施例3では、束排出ユニット100の回動中に中間ローラ60及び束排出ローラ36の両方がシート束SBを挟持した状態となることで、これらの状況が発生することを抑制できる。
(その他の実施形態)
上記実施例1〜3では、シート処理装置の例として、画像形成装置1に直接連結される後処理装置4について説明した。しかしながら、本技術は、画像形成装置1から中間のユニット(例えば、胴内排出型の画像形成装置において排出空間に装着される中継搬送ユニット)を介してシートを受け取るシート処理装置にも適用可能である。また、シート処理装置及び画像形成装置を備えた画像形成システムとは、画像形成装置1及び後処理装置4の機能を有するモジュールが単一の筐体内に搭載されているものを含む。
また、ステイプラ51はシートを処理する処理手段の一例であり、例えば中間積載部において整合したシート束を綴じない状態で下排出トレイ37に排出するようにしてもよい。また、上記実施例における後処理装置4はシートを搬送するシート搬送装置の例示であり、画像形成装置において画像を形成されたシート(記録材)の処理を行うシート処理装置以外のシート搬送装置にも本技術は適用可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…画像形成装置/1S…画像形成システム/4…シート排出装置、シート処理装置/24…第2排出手段(反転ローラ)/25…第2積載部(上排出トレイ)/36…排出手段、第1排出手段(束排出ローラ)/37…積載部、第1積載部(下排出トレイ)/40…ガイド手段、上流ガイド(搬送下ガイド)/41…ガイド手段、下流ガイド(排出下支えガイド)/50…ガイド手段、下流ガイド(束排出ジョガー)/51…処理手段(ステイプラ)/70…中間積載部/100、100A…ユニット(束排出ユニット)/105、M13…回動手段(ユニット回動ギア、束排出ユニット回動モータ)

Claims (18)

  1. シートを挟持して搬送するニップ部を有し、シートを排出する排出手段と、
    前記排出手段によって排出されるシートの、鉛直方向における下側の面を案内するガイド手段と、
    前記排出手段によって排出されたシートが積載される積載部と、
    前記ニップ部におけるシートの幅方向に見たとき、水平方向に対する前記ニップ部からシートが送り出される排出角度及び前記ガイド手段の角度が変化するように、前記排出手段及び前記ガイド手段を回動させる回動手段と、を備える、
    ことを特徴とするシート排出装置。
  2. 前記回動手段は、前記排出手段によるシートの排出方向におけるシートの先端が前記ニップ部を通過してからシートの後端が前記ニップ部を通過するまでの間に、前記排出角度を、水平方向に関する前記排出方向の下流側に向かって鉛直方向の上方に傾斜した第1角度から、前記第1角度よりも水平に近い第2角度に変化させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
  3. 前記積載部は、水平方向に関する前記排出方向の下流側に向かって鉛直方向の上方に傾斜しており、
    水平方向に対する前記積載部の平均の角度は、前記第1角度よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート排出装置。
  4. 前記排出手段を第1排出手段とし、前記積載部を第1積載部とするとき、
    鉛直方向における前記第1積載部の上方に設けられた第2積載部と、
    前記第2積載部にシートを排出する第2排出手段と、をさらに備え、
    前記幅方向に見たとき、前記第2積載部は、前記第1排出手段の前記ニップ部を通り前記第1角度に延びる直線と交差する位置に設けられている、
    ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  5. 前記ガイド手段は、前記排出手段によるシートの排出方向に関して前記ニップ部の上流側で、前記排出手段によって排出されるシートの下側の面を案内する上流ガイドを含む、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  6. 前記排出角度が前記第1角度であるとき、前記上流ガイドは、水平方向に関する前記排出方向の下流側に向かって鉛直方向の上方に傾斜しており、かつ、水平方向に対する前記上流ガイドの平均の角度は、水平方向に対する前記積載部の平均の角度よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項5に記載のシート排出装置。
  7. 前記ガイド手段は、前記排出手段によるシートの排出方向に関して前記ニップ部の下流側で、前記排出手段によって排出されるシートの下側の面を案内する下流ガイドを含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  8. 前記下流ガイドは、前記排出方向におけるシートの先端が前記ニップ部を通過するときは、前記排出方向に関して前記ニップ部の下流側でシートの下側の面を支持する第1状態をとり、前記排出方向におけるシートの先端が前記ニップ部を通過した後に、前記排出手段から排出されたシートが前記積載部に落下することを許容する第2状態に変化する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート排出装置。
  9. 前記下流ガイドは、前記排出方向に沿ってスライドすることで前記第1状態と前記第2状態とに変化するように構成される、
    ことを特徴とする請求項8に記載のシート排出装置。
  10. 前記下流ガイドは、前記幅方向の両側でシートの下側の面を支持する一対の支持部材を含み、
    前記一対の支持部材は、前記幅方向に相対移動することで前記第1状態と前記第2状態とに変化する、
    ことを特徴とする請求項8に記載のシート排出装置。
  11. 前記排出手段及び前記ガイド手段は、前記シート排出装置の枠体により回動可能に支持されて前記回動手段によって回動されるユニットの一部である、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  12. 前記排出手段はローラ対であり、
    前記ユニットは、前記ローラ対の一方のローラの回転軸線を中心に回動する、
    ことを特徴とする請求項11に記載のシート排出装置。
  13. 前記ユニットは、前記排出手段へ向けてシートを搬送する中間ローラをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載のシート排出装置。
  14. シートが積載される中間積載部と、
    前記中間積載部に積載されたシートに処理を施す処理手段と、
    前記処理手段によって処理を施されたシートを排出する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシート排出装置と、を備える、
    ことを特徴とするシート処理装置。
  15. 前記積載部及び前記中間積載部は、いずれも、水平方向に関するシートの排出方向の下流側に向かって鉛直方向の上方に傾斜しており、
    水平方向に対する前記中間積載部の傾斜角度が、水平方向に対する前記積載部の傾斜角度よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項14に記載のシート処理装置。
  16. 前記処理手段は、前記中間積載部に積載された複数枚のシートを綴じる綴じ手段を含み、
    前記排出手段は、前記綴じ手段によって綴じられたシート束を排出する、
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載のシート処理装置。
  17. 前記綴じ手段は、前記中間積載部に積載された前記複数枚のシートに対して移動しながら前記複数枚のシートの前記幅方向の端部に綴じ処理を施すことが可能であり、
    前記積載部は、前記シート処理装置の筐体の外側に突出しており、
    前記中間積載部は、前記筐体内に配置されている、
    ことを特徴とする請求項16に記載のシート処理装置。
  18. シートに画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置によって画像を形成されたシートを処理する、請求項14乃至17のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成システム。
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