JP2021066581A - シート搬送装置、シート処理装置及び画像形成システム - Google Patents

シート搬送装置、シート処理装置及び画像形成システム Download PDF

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逸人 渡邉
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Abstract

【課題】重ね合わせるシート同士の位置関係を適切な範囲に収める。【解決手段】シート搬送装置は、シートが1枚ずつ搬送される第1搬送路と、第1搬送路から受け取った複数枚のシートを重ねてシート束を形成するスタック手段と、スタック手段によって形成されたシート束が搬送される第2搬送路と、スタック手段に送られるシートの搬送方向の長さに関する情報を取得する第1取得手段と、スタック手段によって形成されたシート束の搬送方向の長さに関する情報を取得する第2取得手段と、スタック手段によりシート束を形成するスタック動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、スタック動作を実行した際に第1取得手段及び第2取得手段が取得した情報に基づいて、スタック動作においてスタック手段がシートを重ねる際の搬送方向におけるシートの端部同士の位置関係を補正する。【選択図】図12

Description

本発明は、シートを搬送するシート搬送装置、シートを処理するシート処理装置及びシートに画像を形成する画像形成システムに関する。
レーザビームプリンタを例とする画像形成装置やそのオプション装置に用いられるシート搬送装置には、1枚ずつ搬送されてくるシートを重ね合わせてシート束を形成するスタック機構を備えたものがある。例えば、綴じ処理やソート処理等の処理を施すシート処理装置において、画像形成装置から受け取ったシートを処理部に送る前に重ねながら一時的に保持することで、処理部による処理の完了を待機するバッファ装置がある。
特許文献1には、画像形成装置から受け取った用紙を綴じるステイプラを備えた綴じ部と、ステイプラで綴じる全ての用紙を予め重ね合わせた後に綴じ部に搬送するプレスタック部と、を有する後処理装置が記載されている。
特開2013−139335号公報
しかしながら、スタック機構を構成する部材の製造公差やシートを搬送する搬送ローラの摩耗等の種々の要因により、スタック機構によって重ねられたシート束を構成するシートの端部同士の位置関係が設計上の値からずれる場合がある。
そこで、本発明は、重ね合わせるシート同士の位置関係を適切な範囲に収めることが可能なシート搬送装置、シート処理装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シートが1枚ずつ搬送される第1搬送路と、前記第1搬送路から受け取った複数枚のシートを重ねてシート束を形成するスタック手段と、前記スタック手段によって形成されたシート束が搬送される第2搬送路と、前記スタック手段に送られるシートの搬送方向の長さに関する情報を取得する第1取得手段と、前記スタック手段によって形成されたシート束の前記搬送方向の長さに関する情報を取得する第2取得手段と、前記スタック手段によりシート束を形成するスタック動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記スタック動作を実行した際に前記第1取得手段及び前記第2取得手段が取得した情報に基づいて、前記スタック動作により前記スタック手段がシート束を形成する際の前記搬送方向におけるシートの端部同士の位置関係を補正する、ことを特徴とするシート搬送装置である。
本発明によれば、重ね合わせるシート同士の位置関係を適切な範囲に収めることが可能となる。
実施例1に係る画像形成システムの概略図。 実施例1に係るバッファ部の概略図。 実施例1に係るバッファ動作を説明するための図(a〜d)。 実施例1に係るバッファ動作を説明するための図(a〜d)。 実施例1に係る入口ローラの動作シーケンスを表すフローチャート。 実施例1に係るバッファ前ローラの動作シーケンスを表すフローチャート。 実施例1に係る反転ローラの動作シーケンスを表すフローチャート。 実施例1に係る内排出ローラの動作シーケンスを表すフローチャート。 実施例1に係るバッファされたシート間の突出量と綴じ処理部の整合動作との関係を説明するための図(a〜e)。 実施例1に係る画像形成システムのハードウェア構成を示す図。 実施例1に係る画像形成システムの機能ブロック図。 実施例1に係るバッファ動作における先端突出量の算出方法を表すフローチャート。 バッファ動作により形成されるシート束の長さとシート束を構成するシートの長さとの関係を表す模式図。 実施例2に係る内排出ローラの動作シーケンスを表すフローチャート。 実施例2に係る画像形成システムの機能ブロック図。 実施例2に係る内排出ローラの搬送速度を表すグラフ(a〜c)。 変形例に係る後処理装置の概略図。
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は実施例1に係る画像形成システム1Sの概略図である。本実施例の画像形成システム1Sは、画像形成装置1、画像読取装置2、原稿送り装置3及び後処理装置4によって構成される。画像形成システム1Sは、記録材であるシートに画像を形成し、必要に応じて後処理装置4によってシートに処理を施して出力する。以下、各装置の簡単な動作を説明した後、後処理装置4について詳細な説明を行う。
原稿送り装置3は、原稿トレイ18に載置された原稿を画像読取部16、19に搬送する。画像読取部16、19はそれぞれ原稿面から画像情報を読み取るイメージセンサであり、1度の原稿搬送で原稿の両面の読み取りが行われる。画像情報を読み取られた原稿は原稿排出部20に排出される。また、画像読取装置2は駆動装置17により画像読取部16を往復移動させることで、原稿台ガラスにセットされた静止原稿(ブックレット原稿などの原稿送り装置3が使用できない原稿を含む)から画像情報を読み取ることができる。
画像形成装置1は、直接転写方式の画像形成部1Bを備えた電子写真装置である。画像形成部1Bは、感光ドラム9を備えたカートリッジ8と、カートリッジ8の上方に配置されたレーザスキャナユニット15と、を備えている。画像形成動作を行う場合、回転する感光ドラム9の表面が帯電させられ、レーザスキャナユニット15が画像情報に基づいて感光ドラム9を露光することでドラム表面に静電潜像を書き込む。感光ドラム9に担持された静電潜像は帯電したトナー粒子によってトナー像に現像され、感光ドラム9と転写ローラ10とが対向する転写部にトナー像が搬送される。画像形成装置1の制御回路は、画像読取部16,19によって読み取られた画像情報又は外部のコンピュータからネットワークを介して受信した画像情報に基づいて画像形成部1Bによる画像形成動作を実施する。
画像形成装置1には、記録材としてのシートを1枚ずつ所定の間隔で給送する給送装置6を複数備えている。給送装置6から給送されたシートはレジストレーションローラ7にて斜行を補正された後に転写部に搬送され、転写部において、感光ドラム9に担持されたトナー像を転写される。シート搬送方向における転写部の下流には定着ユニット11が配置されている。定着ユニット11は、シートを挟持して搬送する回転体対と、トナー像を加熱するためのハロゲンランプ等の発熱体とを有し、シート上のトナー像を加熱及び加圧することで画像の定着処理を行う。
画像形成されたシートを画像形成装置1の外部に排出する場合、定着ユニット11を通過したシートは水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。両面印刷において第1面の画像形成が終了したシートの場合、定着ユニット11を通過したシートは反転ローラ12に受け渡され、反転ローラ12によってスイッチバック搬送され、再搬送部13を介して再びレジストレーションローラ7に搬送される。そして、再び転写部及び定着ユニット11を通過することで第2面に画像を形成された後、水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。
上記の画像形成部1Bはシートに画像を形成する画像形成手段の一例であり、感光体に形成したトナー像を中間転写体を介してシートに転写する中間転写方式の電子写真ユニットを用いてもよい。また、インクジェット方式やオフセット印刷方式の印刷ユニットを画像形成手段として用いてもよい。
(後処理装置)
後処理装置4は、シートに綴じ処理を施す綴じ処理部4Aを有し、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施して成果物としてのシート束を排出する。また、後処理装置4は、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施さずに単に排出することもできる。
後処理装置4には、シートを搬送する搬送路として受入パス81、内排出パス82、第1排出パス83及び第2排出パス84が設けられており、シートを排出する排出先として上排出トレイ25及び下排出トレイ37が設けられている。受入パス81は画像形成装置1からシートを受け取って搬送する本実施例の第1搬送路であり、内排出パス82は綴じ処理部4Aへ向けてシートを搬送する本実施例の第2搬送路である。第1排出パス83はシートを上排出トレイ25に排出する搬送路であり、第2排出パス84はシートを下排出トレイ37に排出する搬送路である。
受入パス81には、入口ローラ21、バッファ前ローラ22及び入口センサ27が配置されている。第1排出パス83には反転搬送手段としての反転ローラ24が配置されている。内排出パス82には、内排出ローラ26、中間搬送ローラ28、蹴り出しローラ29及び中間積載前センサ38が配置されている。第2排出パス84には束排出ローラ36が配置されている。入口センサ27及び中間積載前センサ38は、いずれも、シート処理装置内の搬送路における所定の検知位置でシートの通過を検知するシート検知手段の例である。本実施例では、入口センサ27を、バッファ部4Bによって重ねられるシートの搬送方向の長さに関する情報を取得する第1取得手段として用いる。また、中間積載前センサ38を、バッファ部4Bによって形成されたシート束の搬送方向の長さに関する情報を取得する第2取得手段として用いる。
入口センサ27及び中間積載前センサ38としては、搬送パスへ向けて光を照射する発光部と、シートからの反射光を検知する受光部とを有する光学センサを用いることができる。入口センサ27は、第1搬送路上の第1検知位置におけるシートの有無に応じて出力信号が変化する第1センサの一例であり、中間積載前センサ38は、第2搬送路上の第2検知位置におけるシートの有無に応じて出力信号が変化する第2センサの一例である。
以下、後処理装置4におけるシートの搬送経路を説明する。ただし、反転ローラ24を含むバッファ部4Bによるバッファ動作、及び綴じ処理部4Aの詳細な構成及びその動作については後述する。
画像形成装置1の水平搬送部14から排出されるシートは、入口ローラ21によって受け取られ、受入パス81を通ってバッファ前ローラ22へ向けて搬送される。入口センサ27は、入口ローラ21とバッファ前ローラ22との間の検知位置においてシートを検知する。バッファ前ローラ22は、入口ローラ21から受け取ったシートを第1排出パス83へ向けて搬送する。
なお、入口センサ27がシートの後端の通過を検知した後の所定のタイミングで、バッファ前ローラ22はシートの搬送速度を水平搬送部14における搬送速度より速い速度まで加速する。また、入口ローラ21によるシートの搬送速度を水平搬送部14よりも大きく設定し、バッファ前ローラ22よりも上流の入口ローラ21で搬送速度を加速してもよい。この場合、水平搬送部14の搬送ローラとこれを駆動するモータとの間にワンウェイクラッチを設置し、入口ローラ21によってシートが引っ張られたとしても搬送ローラが空転するように構成すると好適である。
シートの排出先が上排出トレイ25の場合、反転ローラ24はバッファ前ローラ22から受け取ったシートを上排出トレイ25に排出する。この場合、シート後端がバッファ前ローラ22を通過した後の所定のタイミングで反転ローラ24は所定の排出速度まで減速する。
シートの排出先が下排出トレイ37の場合、反転ローラ24はバッファ前ローラ22から受け取ったシートのスイッチバック搬送を行ってシートを内排出パス82に搬送する。反転ローラ24によるシートの排出方向において反転ローラ24よりも上流側で受入パス81及び内排出パス82が第1排出パス83から分岐する分岐部には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、反転ローラ24によってスイッチバックされたシートが受入パス81に逆流することを規制する機能を有する。
内排出パス82に配置された内排出ローラ26、中間搬送ローラ28及び蹴り出しローラ29は、反転ローラ24から受け取ったシートを順に受け渡しながら綴じ処理部4Aへ向けて搬送する。中間積載前センサ38は、中間搬送ローラ28よりも下流かつ蹴り出しローラ29よりも上流の検知位置でシートを検知する。
綴じ処理部4Aは、本実施例の綴じ手段であるステイプラ51と、中間積載部71を構成する中間上ガイド31及び中間下ガイド32と、縦整合基準板39と、縦整合ローラ33と、束排出ガイド34と、ガイド駆動部35と、を備えている。綴じ処理部4Aは、内排出パス82から排出されて中間積載部71に積載された複数枚のシートに対してステイプラ51によって綴じ処理を施し、綴じられたシート束を形成する。また、綴じ処理部4Aは、画像形成ジョブの設定によっては、綴じ処理を行わずにシートを排出することもできる。
内排出パス82を介して綴じ処理部4Aに送られるシートは、蹴り出しローラ29によって中間積載部71に排出される。蹴り出しローラ29の付近に設けられた束押さえフラグ30は、中間積載部71に排出された先行シートの後端部を上方から押さえて、蹴り出しローラ29が次に排出する後続シートの先端部が先行シートの後端部に衝突することを防ぐ。
本実施例の移動手段である縦整合ローラ33は、中間下ガイド32の上方に配置されている。縦整合ローラ33は、蹴り出しローラ29によるシートの排出方向に沿った方向である縦整合方向(図1の右下方向)にシートを移動させることで、シートを縦整合基準板39に当接させる。
なお、縦整合ローラ33は合成ゴムもしくはエラストマー樹脂等の弾性材料で成形され、外周面が所定の摩擦係数になるように調整されたローラ部を有する。ローラ部は中間上ガイド31に回転可能に支持される軸部に支持されており、ギア部を含む駆動伝達装置により、1回転ずつ間欠回転するように駆動される。縦整合ローラ33の外周部であるローラ部は、軸部の軸方向から見て非円形の所謂半月ローラである。中間積載部71にシートが排出される前の待機状態において、縦整合ローラ33は中間上ガイド31からローラ部が露出しないような回転角度で保持される。また、縦整合ローラ33が1回転する間に、中間上ガイド31に設けられた開口部からローラ部が一時的に露出して、中間下ガイド32に積載されたシートの最上位シートの上面に接触して搬送力を付与する。縦整合ローラ33のシートに対する接触圧は、シートが縦整合基準板39に突き当たった後は縦整合ローラ33がスリップするように調整されている。
中間積載部71には可撓性のシート部材である押さえガイド56が配置されている。押さえガイド56は、中間下ガイド32に当接するように配置され、中間積載部に積載されたシートの上面を所定の加圧力で押圧する。
本実施例の規制部材である縦整合基準板39は、蹴り出しローラ29によるシート排出方向に関して縦整合ローラ33よりも下流に設けられている。縦整合基準板39は、シートの端部に当接する規制部として、中間下ガイド32の上面から上方に突出する基準壁を有する。
ステイプラ51は、中間積載部71に積載されて整合された複数枚のシートの所定位置に綴じ処理を施す。本実施例のステイプラ51は、シート幅方向において中間積載部71の一方側において、縦整合方向に移動可能に設けられている。また、中間下ガイド32は、長辺送り方向(縦整合方向が長辺方向となり、シート幅方向が短辺方向となる搬送方向)に搬送されてくるA4サイズのシートを積載可能な広さを有している。従って、ステイプラ51は、中間積載部71に積載されたシート束の角部を綴じるコーナー綴じだけでなく、シート束に対して移動しながらシート束の長辺に沿った複数位置を綴じる長辺綴じ動作を行うことができる。なお、ステイプラ51は、針を用いてシートを綴じるものに限らず、針無し綴じ方式(例えば、凹凸面の間にシートを挟むことでシート同士を圧着させるものや、シートの一部をU字状にカットして折り曲げるものがある)を用いてもよい。
2つの縦整合基準板39の間には、処理済みのシートを中間積載部71から押し出す押出手段として、束排出ガイド34が配置されている。束排出ガイド34はガイド駆動部35に取り付けられ、縦整合方向とは反対の束排出方向に移動可能である。また、中間下ガイド32には、束排出ガイド34の移動を案内するスライド溝が形成されている。ステイプラ51によって綴じられたシート束は、第3搬送路としての第2排出パス84を介して束排出ローラ36に受け渡され、排出手段としての束排出ローラ36によって下排出トレイ37に排出される。
上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、いずれも後処理装置4の筐体に対して上下に移動可能である。後処理装置4は、上排出トレイ25及び下排出トレイ37におけるシートの上面位置(シートの積載高さ)を検知するシート面検知センサを備えており、いずれかのセンサがシートを検知すると、対応するトレイをA2,B2方向に下降させる。また、上排出トレイ25又は下排出トレイ37のシートが取り除かれたことをシート面検知センサによって検知すると、そのトレイをA1,B1方向に下降させる。従って、上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、積載されたシートの上面を一定に保つように昇降制御される。
(バッファ動作)
次に、図2〜図4を用いてバッファ動作の詳細な説明を行う。図2はバッファ部4Bの概略図、図3及び図4の各図はバッファ動作の様子を示している。
図2に示すように、本実施例のスタック手段であるバッファ部4Bは、反転ローラ24、逆流防止弁23及び内排出ローラ26を含んでいる。また、受入パス81に配置される入口ローラ21、バッファ前ローラ22及び入口センサ27もバッファ動作に関与する。バッファ前ローラ22は本実施例の第1ローラ対であり、反転ローラ24は本実施例の第2ローラ対である。内排出ローラ26は本実施例の第3ローラ対であり、中間搬送ローラ28は本実施例の第4ローラ対である。
以下、入口ローラ21とバッファ前ローラ22との間のシート搬送路(受入パス81の一部)を形成する搬送ガイドを「入口上ガイド40」及び「入口下ガイド41」とする。また、内排出ローラ26と中間搬送ローラ28との間のシート搬送路(内排出パス82の一部)を形成する搬送ガイドを「内排出上ガイド46」及び「内排出下ガイド47」とする。さらに、バッファ前ローラ22と反転ローラ24との間で、入口上ガイド40と同じ側からシートを案内する搬送ガイドを「反転上ガイド42」とする。また、反転ローラ24と内排出ローラ26との間で、内排出下ガイド47と同じ側からシートを案内する搬送ガイドを「反転下ガイド43」とする。
入口ローラ21が搬送するシートは、入口上ガイド40及び入口下ガイド41によってバッファ前ローラ22に案内される。入口上ガイド40には入口センサ27が配置されている。入口センサ27としては、受入パス81へ向けて赤外光を照射し、シートからの反射光を検出することで検知位置におけるシートの有無を判定する反射式フォトセンサを用いることができる。この場合、入口下ガイド41の入口センサ27に対向する部分には、シートが通過していない場合に赤外光が反射しないように、入口センサ27のスポット光の直径以上の大きさの穴を設ける。
バッファ前ローラ22の下流であって、第1排出パス83に対して受入パス81及び内排出パス82が分岐する部分には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、内排出上ガイド46に対して回転軸23aを介して回転可能に支持されている。また、逆流防止弁23は、不図示のバネにより、回転軸23aの軸方向(シートの幅方向)から見て逆流防止弁23の先端部が反転上ガイド42と重なる位置(図2の位置)へ向けてC2方向(図中時計回り方向)に常時付勢されている。また、上記のバネのバネ定数は、バッファ前ローラ22から送り出されるシートが逆流防止弁23に当接した際に、バネの付勢力に抗して逆流防止弁23がC1方向(図中反時計回り方向)に回動する程度の大きさに設定されている。従って、逆流防止弁23は、バッファ前ローラ22から反転ローラ24へ向かって搬送されるシートの通過を許容する。その一方で、受入パス81におけるシートの後端が逆流防止弁23を通過すると、逆流防止弁23はC2方向に回動して、反転ローラ24からバッファ前ローラ22にシートが逆流することを規制する。
反転ローラ24は、反転上ローラ24a及び反転下ローラ24bによって構成される。本実施例では、反転上ローラ24a及び反転下ローラ24bの両方に駆動力が入力され、また、反転上ローラ24a及び反転下ローラ24bの回転は常時同期している。
反転ローラ24は、プランジャソレノイド45によって当接及び離間を行うことが可能に構成されている。具体的には、反転上ローラ24aのローラ軸に離間レバー44の一端が接続され、離間レバー44は反転上ガイド42に対してレバー支点軸44aを中心に回転可能に支持されている。離間レバー44の他端に設けられたソレノイド接続軸44bは、プランジャソレノイド45のプランジャに連結されている。
プランジャソレノイド45が通電されると、磁力によってプランジャがD1方向に引き付けられて離間レバー44がE1方向に回転し、反転ローラ24は離間状態(ローラ対のニップ部が開いた状態)となる。プランジャソレノイド45への通電が停止すると、反転上ローラ24aのローラ軸に接続された加圧バネ48の付勢力によって反転上ローラ24aが反転下ローラ24bに当接し、反転ローラ24は当接状態(ニップ部が閉じた状態)となる。このとき、反転上ローラ24aの移動に伴って離間レバー44はE2方向に回転し、プランジャソレノイド45のプランジャはD2方向へ移動する。
内排出ローラ26は、内排出パス82におけるシートの搬送方向において反転ローラ24に隣り合うローラ対であって、正転及び逆転が可能なローラ対である。つまり、内排出ローラ26は、反転ローラ24から綴じ処理部4Aに向かう第1方向(内排出パス82の順送方向)、及び、綴じ処理部4Aから反転ローラ24に向かう第2方向(逆送方向)のいずれにもシートを搬送可能である。
なお、内排出ローラ26の下流に位置する中間搬送ローラ28(図1)は、内排出ローラ26からシートを受け取って搬送するローラ対である。内排出ローラ26と異なり、中間搬送ローラ28は内排出パス82における順送方向及び逆送方向のうちで順送方向にのみシートを搬送する。中間積載前センサ38は、順送方向において中間搬送ローラ28よりも下流に設けられている。また、中間積載前センサ38としては、入口センサ27と同様の反射式フォトセンサを用いることができる。例えば、内排出上ガイド46及び内排出下ガイド47の中間積載前センサ38に対向する位置に中間積載前センサ38のスポット径以上の穴を設けておき、当該位置にシートがある場合に受光部が反射光を検出するように構成すればよい。
次に、図3及び図4を用いてバッファ部4Bのバッファ動作について詳細な説明を行う。バッファ動作は、綴じ処理部4Aにおいて前の部のシート束に対する綴じ処理が完了するまでの間、次の部のシート束を構成する所定枚数のシートをバッファ部4Bで待機させる動作である。バッファ動作を行うことにより、画像形成システムは、画像形成装置1の生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)を落とすことなく、綴じ処理を含む画像形成ジョブを実行することが可能となる。
以下、シートを区別するため、画像形成装置1から後処理装置4に受け渡される順番に、「シートS1」、「シートS2」、「シートS3」とする。また、シート搬送方向におけるシートの両端の内、入口ローラ21を先に通過するものを「第1端」とし、入口ローラ21を後から通過するものを「第2端」とする。また、画像形成装置1の水平搬送部14におけるシートの搬送速度をV1とし、後処理装置4の内部で搬送速度を加速した後の搬送速度をV2とする。
図3(a)は、受入パス81におけるシートS1の後端(第2端S1b)が入口センサ27の検知位置を通過した時点の様子を表している。入口センサ27がシートS1の第2端S1bの通過を検知すると、バッファ前ローラ22及び反転ローラ24はシートS1を速度V1から速度V2まで加速させる。このようにシートS1を加速することで後続するシートS2との間隔が広がり、反転ローラ24による反転動作(スイッチバック)に必要なシート間隔が確保される。図3(a)の時点では、反転ローラ24は反転前の回転方向R1に回転し、シートS1を上排出トレイ25に向かう方向に搬送している。
図3(b)は、受入パス81におけるシートS1の後端(第2端S1b)が逆流防止弁23を抜けた時点の様子を表している。反転ローラ24は、シートS1の後端(第2端S1b)が逆流防止弁23を抜けた後の所定のタイミングで回転を一時停止する。所定のタイミングは、入口センサ27がシートS1の後端(第2端S1b)の通過を検知したタイミングからの経過時間に基づいて決定される。
図3(c)は、反転ローラ24が反転後の回転方向である回転方向R2に回転を開始し、シートS1を内排出ローラ26に受け渡した後の様子を表している。内排出ローラ26は、回転方向R3に回転している状態でシートS1を受け取り、内排出パス82における順送方向にシートS1を搬送する。また、内排出パス82におけるシートS1の先端(第2端S1b)が逆流防止弁23の位置を通過した後に、受入パス81におけるシートS2の先端(第1端S2a)が逆流防止弁23に到達する。そのため、シートS1及びシートS2は搬送パスの分岐部においてすれ違うように搬送される。
図3(d)は、内排出パス82におけるシートS1の先端(第2端S1b)が内排出ローラ26から所定量搬送されて、内排出ローラ26が一時的に停止した時点の様子を表す。図3(c)に示す時点の後、受入パス81におけるシートS2の先端(第1端S2a)が反転ローラ24に到達する前にプランジャソレノイド45が通電される。これにより反転上ローラ24aがE1方向に移動し、反転ローラ24は離間している。シートS1は停止状態の内排出ローラ26によって保持されており、シートS1の一部は離間状態の反転ローラ24の間に位置している。そのため、バッファ前ローラ22によって受入パス81から第1排出パス83に送り込まれるシートS2は、シートS1の上を滑るようにして搬送される。なお、シートS2についても、入口センサ27がシートS2の後端(第2端S2b)の通過を検知した後にバッファ前ローラ22によって速度V1から速度V2まで加速されている。
図4(a)は、内排出ローラ26がシートS1の逆送方向への搬送を開始した後の状態を表している。内排出ローラ26は、所定のタイミング(後述の逆送開始タイミングT)で回転方向R4に回転を開始し、シートS1を反転ローラ24に向かう逆送方向に搬送する。内排出ローラ26の目標速度は、本実施例では逆送方向への駆動開始時点からバッファ前ローラ22と同じく速度V2に設定されているものとする。シートS1とシートS2の速度が略等しく(相対速度が略零に)なった後のタイミングで、プランジャソレノイド45への通電は停止される。これによって反転上ローラ24aがE2方向に移動して反転ローラ24が再び当接状態となり、シートS1とシートS2が重ねられた状態で反転ローラ24に挟持される。また、反転ローラ24は、内排出ローラ26に同期して回転方向R1の回転を開始しており、離間状態から当接状態に切替わるまでに、バッファ前ローラ22及び内排出ローラ26と等しい周速(速度V2)となるように制御される。
図4(b)は、受入パス81におけるシートS2の後端(第2端S2b)が逆流防止弁23を抜けた後の様子を表している。反転ローラ24は、シートS2の後端(第2端S2b)が逆流防止弁23を抜けた後の所定のタイミングで回転を一時停止する。このとき、重ねられた状態のシートS1,S2はいずれも移動を停止するが、シートS1の第2端S1bは、シートS2の第2端S2bに比べて、内排出パス82の順送方向に所定の先端突出量(ずらし量)kだけ突出している。
後述するように、この先端突出量kは、図4(a)を用いて説明したように内排出ローラ26がシートS1の逆送方向への搬送を開始タイミングを制御することで補正可能である。
図4(c)は、反転ローラ24が回転方向R2に回転を開始し、重ねられた状態のシートS1、S2を内排出ローラ26に受け渡した後の様子を表している。内排出ローラ26は、回転方向R3に回転している状態でシートS1、S2を受け取り、内排出パス82における順送方向にシートS1,S2を搬送する。シートS1,S2は、重ねられた状態のまま内排出パス82を介して綴じ処理部4Aに向かって搬送される。
なお、内排出パス82におけるシートS2の先端(第2端S2b)が逆流防止弁23の位置を通過した後に、3枚目のシートS3の受入パス81における先端(第1端S3a)が逆流防止弁23に到達する。そのため、シートS2及びシートS3は搬送パスの分岐部においてすれ違うように搬送される。また、シートS2が内排出ローラ26に挟持された後に反転上ローラ24aはE1方向に移動し、後続のシートS3を受け入れる準備として反転ローラ24は再び離間状態となる。
図4(d)は、反転ローラ24が離間状態から当接状態に切替わった後の様子を表している。反転ローラ24は、シートS2の第1端S2aが反転ローラ24から離脱した後に離間状態から当接状態に切替わり、シートS3を挟持する。この後、反転ローラ24がシートS3の反転動作を行い、シートS1,S2に続いてシートS3が内排出パス82を介して綴じ処理部4Aに搬送される。
このように、本実施例のスタック手段であるバッファ部4Bは、第1搬送路に搬入された第1シートを第1ローラ対及び第2ローラ対を介して第3ローラ対に挟持する。その後、第1ローラ対により第2シートを搬送すると共に第3ローラ対により第1シートを第2方向に搬送することで、第1シート及び第2シートからなるシート束を第2ローラ対に挟持する。このようなスタック動作により、バッファ部4Bは少なくとも2枚のシートを重ねてシート束を形成する。
(3枚以上のシートをバッファする場合)
以上の図3(a)〜図4(d)では2枚のシートS1,S2をバッファする動作について説明したが、本実施例のバッファ部4Bは3枚以上のシートをバッファすることも可能である。この場合、内排出ローラ26は図4(c)に示すようにシートS1,S2を挟持している状態で停止し、3枚目のシートS3(第3シート)の第2端が入口センサ27によって検知された後の所定のタイミングでシートS1,S2を逆送方向に搬送する。そして、内排出ローラ26の搬送速度がバッファ前ローラ22の搬送速度に同期した後に反転ローラ24が当接状態となることで、反転ローラ24は重ねられた状態の3枚のシートS1,S2,S3を挟持する。このとき、内排出ローラ26が所定のタイミングでシートS1,S2の逆送を開始することにより、2枚目のシートS2の第2端は3枚目のシートの第2端に対して順送方向に所定の先端突出量kだけ突出した状態となる。
即ち、スタック手段としてのバッファ部4Bは、第1シート及び第2シートからなるシート束を第3ローラ対に挟持した後、第1ローラ対により第3シートを搬送すると共に第3ローラ対によりシート束を第2方向に搬送する。そして、第1シート、第2シート及び第3シートからなるシート束を第2ローラ対に挟持する。このように、バッファ部4Bは3枚のシートを積み重ねるスタック動作を実行可能である。
また、反転ローラ24の開閉と内排出ローラ26の反転を適切な順序で繰り返すことにより、バッファ部4Bは例えば最大で5枚のシートをバッファすることが可能である。このように3枚以上のシートを重ねるバッファ機能を有することにより、後処理装置4は画像形成装置1の生産性を低下させることなくシートを処理することが可能となり、画像形成システム全体の生産性向上に貢献する。
(ローラの駆動制御)
次に、図3及び図4を用いて説明した動作を実現する制御構成について説明する。まず、本実施例のハードウェア構成について、図10を用いて説明する。
図10は、図1で示した画像形成システム1Sにおけるハードウェア構成について、主に後処理装置4の構成に関して示した図である。画像形成システム1Sは、画像形成装置1及び後処理装置4を統括制御するビデオコントローラ601と、画像形成装置1を制御するエンジン制御部602と、後処理装置4を制御する主制御部603と、を備えている。ビデオコントローラ601からエンジン制御部602への命令、及びビデオコントローラ601から主制御部603への命令は、それぞれシリアルコマンド信号線605、605を介したシリアル通信で送信される。また、エンジン制御部602からビデオコントローラ601へのステータスデータ、及び主制御部603からビデオコントローラ601へのステータスデータは、シリアルステータス信号線を介したシリアル通信で送信される。
画像形成動作を行うにあたり、ビデオコントローラ601は、エンジン制御部602及び主制御部603に対してシリアルコマンドを送信すると共に、エンジン制御部602及び主制御部603から受信したステータスデータの内容を確認する。このように、複数の装置が接続されて動作する画像形成システム1Sにおいて、ビデオコントローラ601が各装置の制御や状態を管理し、各装置間の動作の整合性を保つ。
本実施例の制御手段である後処理装置4の主制御部603は、CPU608、RAM609、ROM610、通信手段611、システムタイマー612、及びI/Oポート613を有している。CPU608は、プログラムを実行することで後処理装置4の各種動作を制御する。RAM609は、後処理装置4の動作に必要となる制御データを一時的に記憶する記憶領域及びCPU608がプログラムを実行する際の作業領域を提供する。ROM610は、プログラムや後処理装置4の動作に必要となるテーブル等の制御データを記憶する不揮発性の記憶装置である。ROM610は、後処理装置4及びこれを含む画像形成システム1Sを特定の方法に従って制御するための制御プログラムを格納した非一過性かつコンピュータで読み取り可能な記憶媒体の例である。
通信手段611は、ビデオコントローラ601との交信処理を行う。システムタイマー612は、各種制御に必要なタイミングを生成する。I/Oポート613は、主制御部603が後処理装置4の各種ユニットへ制御信号を出力し、各種ユニットからの信号を受け付けるインターフェースである。主制御部603は、以上の各要素がバス614を介して相互に通信可能に接続された制御回路である。
入口センサ入力回路615は入口センサ27の出力信号を受け付けて主制御部603に伝達し、中間積載前センサ入力回路616は中間積載前センサ38の出力信号を受け付けて主制御部603に伝達する。入口モータ駆動回路618、バッファ前モータ駆動回路619及び排出反転モータ駆動回路620は、主制御部603から受信した制御信号に基づいて、それぞれ入口モータ641、バッファ前モータ642及び排出反転モータ643を駆動する。同様に、内排出モータ駆動回路621及びプランジャソレノイド駆動回路623は、主制御部603から受信した制御信号に基づいて、それぞれ内排出モータ644及びプランジャソレノイド45を駆動する。
また、ビデオコントローラ601は、画像形成システム1Sのユーザインタフェースである操作部650に接続されている。操作部650は、ユーザに情報を提示する液晶パネル等の表示部652と、ユーザによる入力操作を受け付ける物理ボタン及び液晶パネルのタッチパネル機能部等の入力部651とを備える。ビデオコントローラ601は、操作部650と通信を行って表示部652の表示内容を制御し、また、入力部651を介してユーザが入力した情報を受け取る。入力部651を介してユーザが入力可能な設定項目にはて、画像形成装置1の各給送装置6(図1)にセットされたシートの種類やサイズがある。
次に、本実施例の機能ブロックについて、図11を用いて説明する。主制御部603は、通信手段611、システムタイマー612、バッファ制御手段701、センサ制御手段720、モータ制御手段721、ソレノイド制御手段722の各機能部で構成される。
センサ制御手段720は、図10のセンサ入力回路(615,616)を介して入口センサ27及び中間積載前センサ38の検知結果を取得し、バッファ制御手段701に入力する手段である。モータ制御手段721は、図10の各駆動回路(618〜621)を介して各モータ(641〜644)の駆動を制御する手段である。ソレノイド制御手段722は、図10のプランジャソレノイド駆動回路623を介してプランジャソレノイド45の駆動を制御する手段である。
なお、入口モータ641の駆動対象は入口ローラ21であり、バッファ前モータ642の駆動対象はバッファ前ローラ22である。排出反転モータ643の駆動対象は反転ローラ24であり、内排出モータ644の駆動対象は内排出ローラ26である。また、プランジャソレノイド45の駆動対象は、離間レバー44である。
バッファ制御手段701は、センサ制御手段720からの入力に基づいてモータ制御手段721及びソレノイド制御手段722を制御することで、バッファ部4Bによるバッファ動作を制御する手段である。即ち、バッファ制御手段701は、入口モータ641、バッファ前モータ642、排出反転モータ643、内排出モータ644及びプランジャソレノイド45の駆動を制御することで、図3及び図4を用いて説明したバッファ動作を実現する。バッファ制御手段701は、CPU608が実行するプログラムの機能として実装される。
バッファ制御手段701は、タイミング管理手段703、逆送指示手段704及び先端位置補正手段709によって構成される。さらに先端位置補正手段709は、搬送量算出手段706、センサ検知結果記憶手段705及びタイミング算出手段702によって構成される。
搬送量算出手段706は、入口モータ641、バッファ前モータ642、排出反転モータ643及び内排出モータ644の駆動量から、入口ローラ21、バッファ前ローラ22、反転ローラ24及び内排出ローラ26の搬送量を算出する手段である。本実施例においてこれらの各モータはステッピングモータを用いており、搬送量算出手段706は駆動回路(618〜620)が発した駆動パルスに基づいて各モータの回転量を示すステップ数をカウントしている。一方、ROM610には各モータの1ステップに対応する各ローラの搬送距離の設計値が格納されている。本実施例の搬送量算出手段706は、具体的には各モータのステップ数と、これに対応する1ステップ分の搬送距離の設計値とを乗算することで、各ローラのシート搬送量を計算する。
センサ検知結果記憶手段705は、センサ制御手段720を通じて入口センサ27から受信した検知信号に基づいて算出されるシートの実長検知結果(後述の最終シート長)を記憶する手段である。センサ検知結果記憶手段705は、同じくセンサ制御手段720を通じて中間積載前センサ38から受信した検知信号に基づいて算出される、バッファ動作後のシート束の実長検知結果(後述のシート束全長)を記憶する手段でもある。
タイミング算出手段702は、ビデオコントローラ601から指示された搬送速度情報、センサ検知結果記憶手段705に記憶したシートの実長情報及びシート束の実長情報からバッファ動作における逆送開始タイミングTを算出する手段である。逆送開始タイミングTとは、内排出ローラ26がシートを挟持して一時停止している図3(d)の状態から、図4(a)に示すように内排出モータ644が内排出ローラ26を逆送方向に沿った回転方向R4に駆動し始めるタイミングである。
タイミング管理手段703は、センサ制御手段720から受信した入口センサ27の信号情報を元に、バッファ動作中の制御タイミングを逆送指示手段704に通知する手段である。バッファ動作中の制御タイミングとは、例えば入口センサ27をシートの先端又は後端が通過したタイミング等、バッファ動作の進行を管理する上で基準となるタイミングである。
逆送指示手段704は、タイミング管理手段703から通知された制御タイミングに基づき、タイミング算出手段702が算出した逆送開始タイミングTに合わせてモータ制御手段721に対して内排出モータ644の駆動を指示する手段である。本実施例では、この逆送指示手段704による指示のタイミングが、既に実行されたバッファ動作におけるシート及びシート束の実長検知結果に基づいて補正されることで、バッファ動作により形成されるシート束におけるシート間の突出量が制御される。
以下、各ローラの動作シーケンスについて、図5〜図8のフローチャートに沿って説明する。フローチャートの各工程は、フィニッシャ制御部400のCPU401がメモリ402から読み出したプログラムを実行することで処理される。また、各動作シーケンスは、フィニッシャ制御部400が、下排出トレイ37をシートの排出先とする画像形成ジョブの実行を開始したことを表す通知をビデオコントローラ601から受け取った場合に開始される。
なお、以下の説明において、ローラの回転開始及び停止、並びに回転速度の変更とは、CPU401が各モータ(M1〜M5)の駆動回路に対して回転速度や回転方向を指令する信号を送る処理を指している。また、「起動タイマー」や「停止タイマー」等は、タイマー403が、予め設定されている待機時間に基づいて、所定のイベントの発生時刻を基準として対象とする処理の実行タイミングをカウントダウンする機能を指す。
(入口ローラの動作シーケンス)
まず、図5を用いて、入口ローラ21の動作シーケンスを説明する。
S101では、入口ローラ21を目標速度V1で回転開始させる。S102では、入口センサ27が受入パス81におけるシート後端の通過を検知したか否かを判定しながら待機する。入口センサ27がシート後端の通過を検知すると、S103では搬送中のシートが最終シートか否かを判定し、最終シートではない場合、S102に戻って処理を継続する。S103で搬送中のシートが最終シートであった場合、S104で入口ローラ21の回転を停止して動作シーケンスを終了する。
(バッファ前ローラの動作シーケンス)
次に、図6を用いて、バッファ前ローラ22の動作シーケンスを説明する。
S201では、バッファ前ローラ22を目標速度V1で回転開始させる。S202では、入口センサ27が受入パス81におけるシート後端の通過を検知したか否かを判定しながら待機する。入口センサ27がシート後端の通過を検知すると、S203でバッファ前ローラ22を目標速度V2まで加速させる処理を開始すると共に、減速タイマーをセットする。
・減速タイマーの終了時刻は、シート後端がバッファ前ローラ22を通過する時刻又はそれ以降のタイミングとなるように設定される。
S204では、減速タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S205でバッファ前ローラ22を目標速度V1まで減速させる処理を開始する。S206では搬送中のシートが最終シートか否かを判定し、最終シートではない場合、S202に戻って処理を継続する。S206で搬送中のシートが最終シートであった場合、S207でバッファ前ローラ22の回転を停止して動作シーケンスを終了する。
(反転ローラの動作シーケンス)
次に、図7を用いて、反転ローラ24の動作シーケンスを説明する。
S301では、搬送中のシートがバッファ動作の対象になっているか否かを判定し、バッファ対象の場合はS302に進み、バッファ対象でない場合はS321に進む。バッファ動作の対象になるシートとは、綴じ処理部4Aにおいて複数部のシート束を形成する画像形成ジョブを実行する場合に、前の部のシート束に対する綴じ処理が完了する前に画像形成装置1から後処理装置4に受け渡される次の部のシートである。バッファ動作の対象となるシートの枚数は、ビデオコントローラ601から通知される画像形成ジョブの内容(特に、画像形成装置1からシートが排出される間隔や、搬送方向におけるシートの長さ及びプロセス速度)に応じて予め定められている。
S302〜S320は、バッファ対象のシートに対する動作の内容を表している。S302では、搬送中のシートが1枚目のシートか否かを判定し、1枚目のシートである場合はS303に進み、1枚目のシートでない場合はS307に進む。
S303では、反転ローラ24を目標速度V1、かつ、反転前の回転方向R1に回転開始させ、また、反転ローラ24をニップ部を形成する当接状態とする。S304では、入口センサ27が受入パス81におけるシート後端の通過を検知したか否かを判定しながら待機する。入口センサ27がシート後端の通過を検知すると、S305で反転ローラ24を目標速度V2まで加速させる処理を開始し、S306で各種タイマーをセットする。
・反転タイマーの終了時刻は、シートの第2端が逆流防止弁23通過した後でかつ反転ローラを通過する前のタイミングとなるように設定される。
・離間タイマーの終了時刻は、反転ローラ24により反転されたシートの先端(シートの第2端)が内排出ローラ26に到達した後のタイミングとなるように設定される。
・停止タイマーの終了時刻は、内排出ローラ26の停止(図8のS408)と同期するように設定される。
S306の後は、搬送中のシートが1枚目のシートでない場合の処理と合流し、S313に進む。
S307では、入口センサ27が受入パス81におけるシート後端の通過を検知したか否かを判定しながら待機する。入口センサ27がシート後端の通過を検知すると、S308で各種タイマーをセットする。
・起動タイマーの終了時刻は、内排出ローラ26によるシートの逆送開始(図8のS411)と同期するように設定される。
・ニップタイマーの終了時刻は、下記のS310で回転を開始した反転ローラ24の周速が速度V2に到達した後のタイミングとなるように設定される。
・反転タイマーの終了時刻は、受入パス81におけるシートの後端が逆流防止弁23通過した後でかつ反転ローラを通過する前のタイミングとなるように設定される。
・離間タイマーの終了時刻は、反転ローラ24により反転されたシートの先端(シートの第2端)が内排出ローラ26に到達した後のタイミングとなるように設定される。
・停止タイマーの終了時刻は、内排出ローラ26の停止(図8のS419)と同期するように設定される。
S309では、起動タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。ここで反転ローラ24が離間状態で待機している間に、搬送中のシートが反転ローラ24に到達し、内排出ローラ26によって挟持されているシートに重なる(図3(d))。カウントダウンが終了すると、S310で反転ローラ24を目標速度V1、かつ、反転前の回転方向R1に回転開始させる。このとき、逆送開始タイミングTで駆動開始される内排出ローラ26に同期して反転ローラ24の回転が開始する。S311では、ニップタイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S312でプランジャソレノイドへの通電を停止し、反転ローラ24を当接させる(図4(a))。このとき、反転ローラ24が内排出ローラ26と等しい周速で回転している状態で反転ローラ24が離間状態から当接状態に切替わる。S312の後は、搬送中のシートが1枚目のシートである場合の処理と合流し、S313に進む。
S313では、反転タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S314で反転ローラ24を一時停止させ(図4(b))、回転方向を反転前の回転方向R1から反転後の回転方向R2に切替えて、目標速度V2で再起動する。S315では、バッファ動作を継続するか(次に搬送するシートもバッファ動作の対象であるか否か)を判定し、継続の場合はS316に進む。S316では、離間タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S317でプランジャソレノイドへの通電を停止し、反転ローラ24を離間させる(図4(c))。S318では、停止タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S319で反転ローラを停止させる。S320では搬送中のシートが最終シートか否かを判定し、最終シートではない場合、S301に戻って処理を継続する。S320で搬送中のシートが最終シートであった場合、動作シーケンスを終了する。一方、S315でバッファ動作を継続しないと判定した場合、S331で停止タイマーが終了するまで待った後に、S332で停止タイマーを再セットする。再セットされた停止タイマーの終了時刻は、内排出パス82におけるシートの後端が反転ローラ24を抜けた後のタイミングに設定される。S332の後は、S318に合流して上述の処理が行われる。
S321〜S329は、バッファ対象でないシートに対する動作を表している。この場合、反転ローラ24を当接状態としたまま、反転ローラ24によるシートの反転搬送が行われる。即ち、S321では、反転ローラ24を目標速度V1、かつ、反転前の回転方向R1に回転開始させ、また、反転ローラ24をニップ部を形成する当接状態とする。S322では、入口センサ27が受入パス81におけるシート後端の通過を検知したか否かを判定しながら待機する。入口センサ27がシート後端の通過を検知すると、S323で反転ローラ24を目標速度V2まで加速させる処理を開始し、S324で各種タイマーをセットする。
・反転タイマーの終了時刻は、シートの第2端が逆流防止弁23通過した後でかつ反転ローラを通過する前のタイミングとなるように設定される。
・停止タイマーの終了時刻は、内排出パス82におけるシート後端が反転ローラ24を通過した後のタイミングとなるように設定される。
S325では、反転タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S326で反転ローラ24を一時停止させ、回転方向を反転前の回転方向R1から反転後の回転方向R2に切替えて、目標速度V2で再起動する。S327では、停止タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S328で反転ローラを停止させる。S329では搬送中のシートが最終シートか否かを判定し、最終シートではない場合、S301に戻って処理を継続する。S329で搬送中のシートが最終シートであった場合、動作シーケンスを終了する。
(内排出ローラの動作シーケンス)
次に、図8を用いて、内排出ローラ26の動作シーケンスを説明する。
S401では、入口センサ27が受入パス81におけるシート後端の通過を検知したか否かを判定しながら待機する。入口センサ27がシート後端の通過を検知すると、S402で、搬送中のシートがバッファ動作の対象になっているか否かを判定し、バッファ対象の場合はS403に進み、バッファ対象でない場合はS421に進む。S403では、搬送中のシートが綴じ処理部4Aで処理するシート束の1枚目のシートか否かを判定し、1枚目のシートである場合はS404に進み、1枚目のシートでない場合はS409に進む。
S404では、S401で入口センサ27がシート後端の通過を検知したタイミングに基づいて各種タイマーをセットする。
・起動タイマーの終了時刻は、反転ローラ24によって反転されたシートが内排出ローラ26に到達する前に内排出ローラ26が目標速度V2まで加速できるようなタイミングに設定される。例えば、起動タイマーの終了時刻は、反転ローラ24の反転開始に同期したタイミングとする。
・停止タイマーの終了時刻は、内排出パス82におけるシート先端が反転ローラ24を通過して所定距離搬送されたタイミングとなるように設定される。
S405では、起動タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S406で内排出ローラ26を目標速度V2、かつ、内排出パス82における順送方向に沿った回転方向R3に回転開始させる。S407では、停止タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S408で内排出ローラ26を停止させ、S401に戻る。S408で内排出ローラ26を停止させるタイミングは、図7のS319で反転ローラ24を停止させるタイミングと同期している。また、S408で内排出ローラ26を停止させることで、バッファ対象である1枚目のシートが内排出ローラ26に保持された状態で停止する(図3(d))。
S409〜S418は、バッファ対象のシート(1枚目を除く)を搬送する際の動作の内容を表している。ただし、S409〜S413の実行中に内排出ローラ26が接触するのは搬送中のシートではなく、内排出ローラ26に保持された状態のシート(バッファ中のシート)であることに注意する。例えば、図3(d)〜図4(c)において2枚目のシートS2を「搬送中のシート」として内排出ローラ26が動作するとき、図4(b)と図4(c)の間でシートS2の第2端S2aが内排出ローラ26に到達するまでは、内排出ローラ26は、実際にはバッファ中のシートである1枚目のシートS1を移動させている。
S409では、S401で入口センサ27がシート後端の通過を検知したタイミングに基づいて各種タイマーをセットする。
・起動タイマーの終了時刻は、タイミング算出手段702が算出した逆送開始タイミングTに基づいてセットされる。即ち、起動タイマーの終了時刻は、下記のS411で逆送方向に搬送開始されるバッファ中のシート(先行シート)が、搬送中のシート(後続シート)に対して、所定の先端突出量kで突出した状態となるように設定される。
・反転タイマーの終了時刻は、反転ローラ24が反転後の回転方向R2に回転を開始するタイミング(図7のS314)と同期するように設定される。
・停止タイマーの終了時刻は、搬送中のシートの第2端(複数枚のシートを内排出ローラ26に保持させてバッファするときは、最上位のシートの第2端)が内排出ローラ26を通過して所定距離搬送されたタイミングとなるように設定される。
S410では、起動タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S411で内排出ローラ26を目標速度V2、かつ、内排出パス82における逆送方向に沿った回転方向R4に回転開始させる。これにより、逆送開始タイミングTでバッファ中のシートが逆送方向に搬送開始され、バッファ前ローラ22から送り込まれる搬送中のシートと所定の先端突出量kで重ねられた状態となる(図4(a、b))。また、内排出ローラ26が逆送方向にシートを搬送する搬送速度(V2)は、バッファ前ローラ22が反転ローラ24にシートを送り込む搬送速度に等しい。
S412では、反転タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S413で内排出ローラ26を一時停止させ、内排出ローラ26の回転方向を反転させて(R4→R3)搬送方向を逆送方向から順送方向に切替えて、目標速度V2で再起動する。この内排出ローラ26の反転動作は、反転ローラ24の反転動作(図7のS314)と同期して行われる。これにより、搬送中のシートとバッファ中のシートとが重ねられた状態で反転ローラ24から内排出ローラ26に受け渡される(図4(c))。
S414では、停止タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S415でバッファ動作を継続するか否か(次に内排出ローラ26に到達するシートもバッファ対象であるか否か)を判定する。バッファ動作を継続する場合、停止タイマーの終了に基づいてS416で内排出ローラ26を停止させ、S401に戻って処理を継続する。この場合、次のシートについてS409〜S414の処理が繰り返されることで、バッファ部において3枚以上のシートが重ねられた状態となる。バッファ動作を継続しない場合、S417で停止タイマーを再セットして内排出ローラ26の回転を継続させる。再セットされた停止タイマーの終了時刻は、内排出パス82におけるシートの後端(搬送中のシートの第1端)が内排出ローラ26を通過した後のタイミングとなるように設定される。この場合、S418で停止タイマーのカウントダウンを行いながら待機し、カウントダウンが終了すると、S419で内排出ローラ26を停止させる。S420では搬送中のシートが最終シートか否かを判定し、最終シートではない場合はS401に戻って処理を継続し、最終シートであった場合は動作シーケンスを終了する。
S421〜S423は、バッファ対象でないシートに対する動作を表している。この場合、内排出ローラ26は反転ローラ24から受け取ったシートを逆送方向に搬送することなく、単純に綴じ処理部4Aに向かって順送方向に搬送する。即ち、S421では、S401で入口センサ27がシート後端の通過を検知したタイミングに基づいて各種タイマーをセットする。
・起動タイマーの終了時刻は、反転ローラ24によって反転されたシートが内排出ローラ26に到達する前に内排出ローラ26が目標速度V2まで加速できるようなタイミングに設定される。
・停止タイマーの終了時刻は、内排出パス82におけるシート後端が内排出ローラ26を通過した後のタイミングとなるように設定される。
S422では起動タイマーのカウントダウンを行いながら待機し、カウントダウンが終了すると、S423で内排出ローラ26を目標速度V2、かつ、内排出パス82における順送方向に沿った回転方向R3に回転開始させる。その後、S418で停止タイマーのカウントダウンを行いながら待機し、カウントダウンが終了すると、S419で内排出ローラ26を停止させる。S420では搬送中のシートが最終シートか否かを判定し、最終シートではない場合はS401に戻って処理を継続し、最終シートであった場合は動作シーケンスを終了する。
(バッファされたシート束の先端突出量)
次に、バッファ動作でシートを重ね合わせた際の先端突出量kについて説明する。
図9(a)に示すように、バッファ動作における先端突出量kは、シート束SBの中で互いに重なり合う2枚のシートのうち、中間積載部71において下側のシートが上側のシートよりも縦整合方向X1に突出する距離を表している。ただし、縦整合方向X1は、縦整合ローラ33がシートの上面に接触して回転することでシートを縦整合基準板39に当接させるときのシートの移動方向である。本実施例における縦整合方向X1は、蹴り出しローラ29(図1)が中間積載部71にシートを排出するときの排出方向である。
図9(a)〜(c)は、バッファ動作におけるシート間の先端突出量kが狙いの突出量(設計上の突出量)ktに一致している場合の、中間積載部71における整合動作の様子を表している。この場合、縦整合ローラ33を回転させると、図9(b)に示すようにまず縦整合ローラ33はシートS1の上面に接触してシートS1を搬送し、縦整合方向X1の先端が縦整合基準板39に突き当たることでシートS1が整合される。さらに縦整合ローラ33を回転させると、図9(c)に示すように今度は縦整合ローラ33がシートS2の上面に接触してシートS2を搬送し、縦整合方向X1の先端が縦整合基準板39に突き当たることでシートS2も整合される。
このような動作を実現するため、狙いの突出量ktは、縦整合ローラ33から縦整合基準板39までの距離k0よりも大きな値に設定すると好適である。ただし、縦整合ローラ33から縦整合基準板39までの距離とは、縦整合ローラ33のシート接触位置から縦整合基準板39の基準壁との間の縦整合方向X1の距離を指す。また、縦整合ローラ33のシート接触位置とは、縦整合ローラ33のローラ部がシートに搬送力を付与する作用点とみなせる縦整合方向X1の位置であり、本実施例では、縦整合ローラ33の回転軸線の位置と等しいものとする。
なお、縦整合ローラ33から縦整合基準板39までの距離k0を例えば20mmとするとき、狙いの突出量ktを35mm程度とすると好適である。また、狙いの突出量ktは、シートの材質や環境条件を例とするジョブの実行条件に応じて変更してもよい。例えば、シートに表面処理が施されていてシート同士が滑りにくい場合、或いは環境湿度が高いことでシート同士が滑りにくい場合に、狙いの突出量ktを通常より小さく設定することが考えられる。
また、バッファ動作により3枚以上のシートからなるシート束を形成する場合、シート束内で互いに重なり合う任意の2枚のシート間の先端突出量kを、いずれも狙いの突出量ktを目標にして制御するものとする。これにより、図9(c)に示す状態からさらに縦整合ローラ33を回転させることで、3枚目以降のシートを1枚ずつ縦整合基準板39に突き当てて整合することが可能となる。
しかしながら、バッファ動作によって形成された実際のシート束における先端突出量kは、種々の要因により狙いの突出量ktからずれてしまう場合がある。例えば、バッファ部4Bがバッファ動作を繰り返すうちに、ローラの摩耗やローラへの紙粉の付着等の要因で入口ローラ21、バッファ前ローラ22、反転ローラ24及び内排出ローラ26の外径や表面の摩擦係数が変化する。この場合、各ローラの搬送効率の低下(モータが各ローラを回転させた量に対して各ローラが実際にシートを搬送した距離の比が低下すること)が生じる。
ローラの搬送効率が設計上の値から変化した状態でバッファ動作を実行すると、図3及び図4を用いた一連の動作におけるシートの移動速度も想定値からずれていることになる。このような搬送効率の変動を無視してバッファ動作を実行すると、先端突出量kが設計上の狙いの突出量ktとは異なっている状態でシート束が形成されてしまう。
即ち、スタック手段によって形成されたシート束において、搬送方向におけるシート同士の端部位置の位置関係が、設計上の位置からずれた状態となる。このようなシート同士の位置ずれは、シート搬送装置及びこれを備えたシート処理装置又は画像形成システムにおいて、生産性や成果物の品質に影響を与える可能性がある。
例えば、“先端突出量k<狙いの突出量kt”である場合、図9(d、e)に示すように、縦整合ローラ33による整合精度が低下する可能性がある。図9(d)では、先端突出量kが狙いの突出量ktよりも小さい状態のシート束SBが中間積載部71に排出された様子を表している。この状態で縦整合ローラ33が回転すると、縦整合ローラ33のローラ部はシートS1ではなくシートS2に当接してしまう。すると、図9(e)のようにシートS2の先端がシートS1の先端を追い越して、縦整合基準板39に突き当たった状態となってしまい、シートS1、S2の先端位置が揃わない状態となる。
縦整合ローラ33のシートに対する接触圧は、接触しているシートが縦整合基準板39へ突き当たった後はシート上をスリップするような大きさに調整されている。そのため、図9(e)の状態から縦整合ローラ33が再度回転したとしても、通常、シートS1、S2は図9(e)に示した位置に留まって先端位置が揃わないままとなる。このような状況は、図9(d)のように実際の先端突出量kが縦整合ローラ33から縦整合基準板39までの距離k0よりも小さくなった場合(k<k0)に生じやすくなる。
また、反対に“先端突出量k>狙いの突出量kt”となった場合、バッファされたシート束の搬送方向の全長が設計上の長さよりも長くなる。その結果、シート束がバッファ部4Bを占有している期間が長くなることで、後続シートとの搬送間隔を確保するために対応が必要となる。例えば、後続のシートの後処理装置4への突入を遅らせる、もしくは後処理装置内部での搬送速度を遅くするなどの対応が必要となってしまい、後処理装置4としての生産性が落ちてしまう。
なお、後処理装置4の累積使用期間が増加するにつれて先端突出量kが狙いの突出量ktからずれていく場合の典型的なケースの1つとして、バッファ前ローラ22の摩耗の進行が挙げられる。本実施例では、バッファ部4Bにおけるシートの搬送間隔を確保するためにバッファ前ローラ22の搬送速度を加速しており(図3(c、d)参照)、このことがバッファ前ローラ22の摩耗を促進する要因となるためである。バッファ前ローラ22が摩耗すると、後続シート(図3、図4ではシートS2)の移動量が少なくなって先端突出量kが不足し、図9(d、e)で示したような整合不良が生じやすくなる。
また、本項では実際の先端突出量が設計上の狙い値(kt)に対して変動する要因の一例として、ローラの摩耗や紙粉等の付着による搬送効率の低下を挙げたが、他の要因でも先端突出量が変動しうる。例えば、ローラ等の製造公差の影響が挙げられる。また、シートの材質(坪量の違いによる剛性の差や表面処理の有無による摩擦係数の違い等)又は環境条件等の要因によっても、実際のシート束における先端突出量kが狙いの突出量ktからずれることが考えられる。このような場合も、先端突出量kが狙いの突出量ktからずれることで、中間積載部71における整合精度の低下や後処理装置4の生産性の低下といった影響が懸念される。
以上のことから、シートを重ね合わせた際のシート同士の位置関係を高い精度で制御することが望まれていた。
(内排出ローラの逆送開始タイミングの補正)
そこで、本実施例では、入口センサ27及び中間積載前センサ38を用いて実際の先端突出量kの変化を検出し、検出結果に基づいて、バッファ動作において内排出ローラ26による先行シートの逆送を開始させるタイミングを補正する。即ち、本実施例において、図8のS411で内排出ローラ26の逆送が開始されるタイミング(逆送開始タイミングT)は、以前に実施されたバッファ動作における入口センサ27及び中間積載前センサ38の検知結果に基づいて変更される。これにより、実際の先端突出量kを、狙いの突出量ktを含む適正な範囲内に維持することを図っている。
以下、内排出ローラ26の逆送開始タイミングTの決定方法を説明する。この決定方法は、図11に示す先端位置補正手段709が、センサ制御手段720を介して取得した入口センサ27及び中間積載前センサ38の検知結果に基づいて実行するものである。
前提として、後処理装置4が設置されてからバッファ動作を1回も行っていない初期状態において、内排出ローラ26の逆送開始タイミングTは初期値が設定されているものとする。この初期値は、バッファ部4Bに設けられた入口ローラ21、バッファ前ローラ22、反転ローラ24及び内排出ローラ26の各ローラの搬送効率が設計通りの値である場合に、シート間の先端突出量kが狙いの突出量ktとなる値とする。逆送開始タイミングTの初期値及び狙いの突出量ktは、例えばROM610に格納されているものとする。
図12のフローチャートは、逆送開始タイミングTを算出する前段階として、今回のバッファ動作によって形成されたシート束における先端突出量kを把握するために先端位置補正手段709が実行する処理を表している。本処理は、後処理装置4がバッファ部4Bによってバッファ動作を実行する度に、バッファ動作に並行して実施される。
まず、先端位置補正手段709は、バッファ対象のシート(バッファ動作によって形成されるシート束を構成するシート)の少なくとも1部について、シート1枚当たりの搬送方向の長さを、入口センサ27を用いて取得する。図示した制御例において、S501〜S505では、バッファ対象の最終シートについて搬送方向の長さを取得する手順を表している。
S501では、入口センサ27が新たに受入パス81に搬入されてきたシートの先端を検知するまで待機し、検知した場合はS502へ進み、検知していない場合はS501にループする。S502では、システムタイマー612を用いてシート長測定タイマーのカウントを開始してS503へ進む。S503では、入口センサ27がシートの後端を検知するまで待機し、検知した場合はS504へ進み、検知していない場合はS503にループする。S504ではシート長測定タイマーを停止し、タイマーカウント値に基づいて算出した長さを最終シート長としてセンサ検知結果記憶手段705に保存し、S505に進む。このとき、先端位置補正手段709は、ビデオコントローラ601(図11)から指示された搬送速度情報に基づき、入口センサ27の検知位置におけるシートの搬送速度(前述の速度V1)とタイマーカウント値とを乗算することで最終シート長を算出できる。S505では、搬送中のシートが最終シートか否かを判定し、そうである場合はS506へ進み、そうでない場合はS501に戻ってS501〜S505の処理を繰り返す。
続いて、先端位置補正手段709は、バッファ部4Bから内排出パス82を介して綴じ処理部4Aに送られるシート束の全長を、中間積載前センサ38を用いて取得する。S506では、中間積載前センサ38がシート束の先端(内排出パス82の順送方向における下流端)を検知するまで待機し、検知した場合はS507へ進み、検知していない場合はS506でループする。S507では、シート束長測定タイマーのカウントを開始してS508へ進む。S508では、中間積載前センサ38がシート束の後端を検知するまで待機し、検知した場合はS509へ進み、検知していない場合はS508でループする。S509ではシート束長測定タイマーを停止し、タイマーカウント値に基づいて算出した長さのシート束全長としてセンサ検知結果記憶手段705に保存し、S510に進む。このとき、先端位置補正手段709は、ビデオコントローラ601から指示された搬送速度情報に基づき、中間積載前センサ38の検知位置におけるシートの搬送速度(前述の速度V2)とタイマーカウント値とを乗算することでシート束長を算出できる。
S510では、センサ検知結果記憶手段705に保存されている最終シート長とシート束全長とに基づいて、今回のシート束における先端突出量kpを算出する。
S510における先端突出量の算出方法について、図13の模式図を用いて説明する。ここでは、例としてバッファ動作によって5枚のシートS1〜S5からなるシート束を形成した場合の算出方法を説明する。
図13において、5枚目のシートのシート長を「L5」とし、シート束の全長を「L」とし、シート間の先端突出量をk1,k2,k3,k4とする。ただし、先端突出量k1は、1枚目のシートS1の先端が2枚目のシートS2の先端に対して突出する距離であり、同様に、互いに重なり合うシートの組み合わせについて先端突出量k2,k3,k4が定義される。このとき、シート束全長L、最終シート長L5及び先端突出量k1〜k4の間には以下の関係が成り立つ。
式(1)
L=L5+k1+k2+k3+k4
この式(1)に対し、図12のS505で取得した最終シート長の値をL5に代入し、S509で取得したシート束全長の値をLに代入すれば、先端突出量k1〜k4の合計値が分かる。この合計値を次の式(2)のように(シート束枚数−1)で割った値を、このシート束における先端突出量kpとする。
式(2)
kp=(k1+k2+k3+k4)/(5−1)
以上のように、バッファ動作によってシート束が形成される度に、入口センサ27及び中間積載前センサ38の検知結果から、そのシート束での先端突出量kpを算出することができる。先端突出量kpは、後処理装置4の主制御部603が入口センサ27及び中間積載前センサ38の検知結果に基づいて算出した推定値であり、実際のシート束に少なくとも1つ存在する先端突出量の平均値を表している。
なお、今回は5枚のシートをバッファした場合の先端突出量kpの算出方法を示したが、シート束枚数によらずに同様の方法で先端突出量kpを算出可能である。即ち、中間積載前センサ38を用いて取得したシート束全長と入口センサ27を用いて取得したシート1枚当たりのシート長との差を、(シート束枚数−1)で除算したものを、当該シート束における先端突出量kpとする。また、シート1枚当たりの長さとしては、バッファ対象の最終シート以外の長さの検知結果を用いてもよく、バッファ対象の全てのシートの長さの平均値を用いてもよい。
タイミング算出手段702は、バッファ動作の実行時に算出された先端突出量kpの値に基づいて、駆動源である内排出ローラ26の逆送開始タイミングT(駆動開始タイミング)を補正する。即ち、狙いの突出量ktよりも先端突出量kpが小さく、その差が所定値以上であれば、逆送開始タイミングTを遅らせればよい。これにより、実際のシート束における先端突出量は増大する。反対に、狙いの突出量ktよりも先端突出量kpが大きく、その差が所定値以上であれば、逆送開始タイミングTを早めればよい。これにより、実際のシート束における先端突出量は減少する。
しかし、バッファ動作によって形成されるシート束の先端突出量は、前述の各ローラの搬送効率の低下によるもの以外にも、搬送途中でのシートの引っ掛かりや、センサの検知タイミングのばらつき、振動の影響など突発的な事象によって影響を受ける。そのため、毎回のバッファ動作の結果に基づいて逆送開始タイミングTを補正すると、逆送開始タイミングTが小刻みに変化して後処理装置4の挙動の安定性を損なう懸念がある。
そこで、本実施例では、複数回のバッファ動作で算出された先端突出量kpの平均(以後、先端突出量平均kaと表記する)を求め、その値に基づいて逆送開始タイミングTを補正することにより、突発的な変化の影響を少なくしている。具体的には、直近100回のバッファ動作で算出された先端突出量kの平均を先端突出量平均kaとする。なお、後処理装置4が累積で100回のバッファ動作を実行するまでは、逆送開始タイミングTとしては前述の初期値を用いることとする。
先端突出量平均kaは、必ずしも狙いの突出量ktと厳密に一致する値である必要はなく、狙いの突出量ktを基準として所定の範囲内に維持されていればよい。所定の範囲とは、スタック手段によってスタックされたシート束の利用目的に応じて適宜変更可能であるが、本実施例の場合は中間積載部71において縦整合ローラ33による整合動作が円滑に進むような範囲として設定される。具体的には、先端突出量平均kaが以下の不等式(3)で表される範囲にあれば、先端位置補正手段709は逆送開始タイミングTを補正する必要はないと判断する。ただし、Δa及びΔbは中間積載部71の寸法等に基づいて予め定めた所定の値とする。
式(3)
(kt−Δb)≦ka≦(kt+Δa)
式(3)が成り立たない先端突出量平均kaであった場合、逆送開始タイミングTの補正が必要となる。なお、kaの値が境界値である場合(ka=kt+Δa又はka=kt−Δb)にも以下で説明する逆送開始タイミングTの補正を行うようにしてもよい。
まず、ka>(kt+Δa)、つまり、狙いの突出量ktに対して実際の先端突出量平均kaが大きすぎる場合について説明する。これは、図4(a)の状態から(b)の状態に推移する際に、内排出ローラ26によって逆送される先行シート(S1)が、バッファ前ローラ22によって搬送される後続シート(S2)に対して適切な位置まで追いつけない場合である。この場合、タイミング算出手段702は、式(4)に従って逆送開始タイミングTを早める補正を行う。ただし、Δxは内排出ローラ26の単位時間当たりの搬送量から予め定めた所定の値とする。例えば、Δxは、内排出ローラ26の逆送開始(図8のS411)から反転ローラ24のニップ開始(図7のS312)までの期間における内排出ローラ26の搬送距離を1mm増加させる時間差として設定できる。
式(4)
(補正後のT)=(補正前のT)−Δx
反対にka<(kt−Δb)、つまり、狙いの突出量ktに対して実際の先端突出量平均kaが小さすぎる場合について説明する。これは、図4(a)の状態から(b)の状態に推移する際に、内排出ローラ26によって逆送される先行シート(S1)が、バッファ前ローラ22によって搬送される後続シート(S2)に対して早く移動しすぎている場合である。この場合、タイミング算出手段702は、式(5)に従って逆送開始タイミングTを遅くする補正を行う。ただし、Δyは内排出ローラ26の単位時間当たりの搬送量から予め定めた所定の値とする。例えば、Δyは、内排出ローラ26の逆送開始(図8のS411)から反転ローラ24のニップ開始(図7のS312)までの期間における内排出ローラ26の搬送距離を1mm減少させる時間差として設定できる。
式(5)
(補正後のT)=(補正前のT)+Δy
先端位置補正手段709は、バッファ動作が所定回数実施される度に、上記の方法で逆送開始タイミングTの補正の要否を判断し、必要な場合に補正を行う処理を実行するものとする。従って、本実施例で逆送開始タイミングTが更新されるのは、バッファ動作の累積回数が所定回数増えたタイミングである。この所定回数は、例えば1回に設定してバッファ動作を行う度に逆送開始タイミングTを更新可能な構成としてもよい。また、所定回数を100とすれば、先端突出量平均kaを構成するデータが全て入れ替わったタイミングで逆送開始タイミングTが更新される構成となる。
以上のように、本実施例の後処理装置4は、第1取得手段としての入口センサ27及び第2取得手段としての中間積載前センサ38の検知結果に基づいて、バッファ動作におけるシート同士の端部位置を補正する先端位置補正手段709を備えている。言い換えると、本実施例の制御手段は、スタック動作を実行した際に第1取得手段及び第2取得手段が取得した情報に基づいて、スタック動作によりスタック手段がシート束を形成する際の搬送方向におけるシートの端部同士の位置関係を補正する機能を有する。これにより、例えばローラの摩耗や紙粉の付着によって搬送効率が低下したとしても、スタック動作で重ねられるシート同士の端部位置の位置関係を適切な範囲に収めることができる。
特に、本実施例の中間積載部71では、バッファ動作によって形成されたシート束に対し、縦整合ローラ33が1枚ずつ接触して整合動作を行う構成としている。このような構成において、シート束におけるシート間の先端突出量kを適切に維持することにより、図9(a〜e)を用いて説明したように、シート束を構成する各シートを縦整合基準板39により確実に当接させて整合精度を高めることができる。ひいては、ステイプラ51によって綴じされた最終成果物の品質を高めることにもつながる。
なお、本技術の代替構成として、例えばシート束の画像を読み取るイメージセンサを内排出パス82に配置し、読取画像に対してエッジ検出処理をかけることでシート束を構成するシート間の先端突出量kを求めることが考えられる。しかしながら、この構成ではエッジ検出の精度に影響を受ける他、イメージセンサを追加するコストや、後処理装置4の主制御部603にエッジ検出処理を実行可能な演算性能及び画像の記憶容量を確保するためのコストが発生する。これに対し、本実施例によれば、シート又はシート束の搬送動作を管理する上で通常用いられる2つのセンサを用いて先端突出量kをモニターすることができ、コスト面で有利である。
(変形例1)
上記実施例1では、バッファ対象のシート1枚当たりの長さを入口センサ27の検知結果に基づいて求めているが、他の方法でシート1枚当たりの長さを取得してもよい。例えば、操作部650を介して予め入力されているシートのサイズ情報に基づいて、今回の画像形成ジョブに用いられるシートの搬送方向の長さを取得してもよい。この場合における操作部650は、シートの搬送方向の長さに関する情報を取得する第1取得手段として機能する。
(変形例2)
第1取得手段としての入口センサ27及び第2取得手段としての中間積載前センサ38の検知位置は、図1及び図2で図示した位置から変更可能である。図2の破線で示すように入口センサ27よりも下流、かつ、受入パス81と内排出パス82の分岐部の付近にセンサ27Aを追加し、第1取得手段としてセンサ27Aを用いてもよい。第1取得手段として用いるセンサを反転ローラ24の近くに配置することで、後続シートが反転ローラ24に挟持されて先行シートと後続シートの位置関係が確定されるまでの搬送速度の変動幅を抑制し、シート同士の端部位置をより高い精度で制御できる。
同様に、中間積載前センサ38の配置を変更してもよい。ただし、中間積載前センサ38は、中間搬送ローラ28よりも下流に配置すると好適である。バッファ動作においてシート又はシート束を反転搬送する内排出ローラ26に比べて、シート又はシート束を一方向にのみ搬送する中間搬送ローラ28の方が摩耗しにくい。従って、実施例1の配置によれば、内排出ローラ26と中間搬送ローラ28との間に中間積載前センサ38を配置した場合に比べて、シート束全長の測定結果の精度向上を期待できるからである。
(変形例3)
実施例1におけるバッファ部4Bは複数枚のシートを重ねてシート束を形成するスタック手段の一例であり、他の機構からなるスタック手段を用いてもよい。例えば、図17に示すように、回転するドラム101にバッファ対象のシートを巻き付けることでシート束を形成するバッファ機構100が知られている。
このバッファ機構100は、ドラム101にシートを押し付ける複数のローラ102と、シートの搬送経路を切替える切替部材103,104と、を備えている。切替部材103,104が実線位置にあるときは、受入パス81を介して搬入される後続シートが、ドラム101に既に巻き付けられた先行シートの上に重なることで、ドラム101の外周にシート束が担持される。切替部材104が破線位置に移動すると、ドラム101に担持されたシート束が内排出パス82を介して綴じ処理部4Aに向けて搬送される。なお、切替部材103が破線位置に移動すると、ドラム101に担持されたシート束は第1排出パス83を介して上排出トレイ25に排出される。
ドラム式のバッファ機構100の場合、例えば、入口センサ27が後続シートの先端を検知したタイミングを基準にしてドラム101の回転を開始するタイミングや回転速度を変更することで、先行シートと後続シートの位置関係を補正することができる。従って、入口センサ27を用いて取得したシート1枚当たりの長さと、中間積載前センサ38を用いて取得したシート束の全長とに基づいてこれらの設定値を補正することにより、先端突出量kを適切な範囲に収めることができる。
(他の変形例)
上述の実施例1、2において、スタック手段の一例であるバッファ部4Bにおいて形成されたシート束は、その後、中間積載部71において縦整合ローラ33と縦整合基準板39で構成される整合機構によって整合されるものとして説明した。しかし、本技術は、スタック手段よりも下流でシート束を整合することを前提としないシート搬送装置にも適用可能である。
例えば、バッファ部4Bにおいてシート同士の位置が揃うように(狙いの突出量ktを0に設定して)シートを重ねてシート束を形成するようにしてもよい。この場合、中間積載部71ではシートを1枚ずつ整合することは行わずに、蹴り出しローラ29から排出されたシート束のもつ慣性やシート束の自重により各シートが縦整合基準板39に当接して整合される構成とすることが可能である。或いは、中間積載部71に積載されたシート束に対して、縦整合方向の上流側から整合部材を押し当てることで、整合部材と縦整合基準板39とによって各シートの位置を規制するようにしてもよい。また、バッファ部4Bにおいて狙いの突出量ktに合わせてシートを重ねたシート束を、後処理装置4の成果物として上排出トレイ25に排出可能な構成(処理手段による処理を行わない構成)としてもよい。
実施例1では、バッファ動作中の内排出モータ644の逆送開始タイミングTを変更することでシート間の先端突出量kを補正する方法を説明した。本実施例では、これに代えて、内排出モータ655の逆送開始後の駆動速度を変更することでシート間の先端突出量kを補正する方法について説明する。その他の実施例1と同様の構成及び作用を有する要素については、実施例1と共通の符号を付して説明を省略する。従って、本実施例でも、第1取得手段として入口センサ27を用いてバッファ対象のシート1枚当たりの長さを取得し、第2取得手段として中間積載前センサ38を用いてバッファされたシート束の全長を取得する。
図15は、本実施例の機能ブロックを表している。実施例1(図11)と比較した場合、本実施例の先端位置補正手段709は、内排出モータ644の駆動速度を選択する速度選択手段707を新たに備えている。速度選択手段707は、バッファ動作を実行した際に算出された先端突出量kpに基づいて内排出モータ644の駆動速度を選択する手段である。また、本実施例の逆送指示手段704は、タイミング管理手段703から通知される制御タイミングに加えて速度選択手段707から通知される駆動速度に従って、モータ制御手段721を介して内排出モータ644の駆動状態を制御する。
内排出モータ644の駆動速度を変更してシート間の先端突出量kを補正する仕組みについて説明する。図16の各図は、内排出ローラ26の動作シーケンス(図8)において逆送方向に沿った回転方向に駆動される期間(S411〜S413)における内排出モータ644の駆動速度を内排出ローラ26の搬送速度(周速)に換算して図示したものである。
図中、時刻T0は、図3(d)の内排出ローラ26が先行シートを挟持して停止している状態から、先行シートの逆送を開始(図8のS411)する時刻を表す。時刻T2は、図4(a)に示すように反転ローラ24がニップを開始して、バッファ前ローラ22から送られる後続シートと内排出ローラ26によって逆送される先行シートを挟持する時刻を表す。時刻T3は、図4(b)に示すように反転ローラ24の回転を停止させ、これに同期して内排出ローラ26も停止(図8のS413)させるための減速開始時刻を表す。
ここで、バッファ動作中、反転ローラ24は先行シートを内排出ローラ26に受け渡した後は離間状態となってニップが開放される(図7のS317)。そのため、時刻T0から時刻T2までの期間において、先行シート(図3及び図4ではシートS1)は、内排出ローラ26のみに挟持されている。そのため、当該期間中は内排出モータ644による内排出ローラ26の駆動速度を変更することで先行シートの移動量を調節することができる。
つまり、図16(a)に示すように、実施例1ではバッファ動作中における内排出ローラ26の逆送速度を速度V2に設定していたが、本実施例では図16(b、c)に示すように、速度V2より速い速度V3又は速度V2より遅い速度V4に設定可能である。言い換えると、本実施例における内排出ローラ26がシートを逆送する際の内排出ローラ26の駆動速度は、予め定められた複数の速度(V2,V3,V4)の中から選択可能である。ただし、反転ローラ24をニップさせる時刻T2までに、内排出ローラ26による先行シートの搬送速度がバッファ前ローラ22による後続シートの搬送速度と同じ速度V2に変更されるものとする。
図4(a)に示すように、反転ローラ24が当接状態によって反転ローラ24によりシートS1、S2(先行シート及び後続シート)が挟持されると、シートS1、S2の位置関係が固定され、その時点でシート間の先端突出量kが決定する。従って、速度V2より速い速度V3で先行シートを逆送すれば、時刻T2までの先行シートの移動量が多くなるから、後続シートに対する先行シートの先端突出量は小さくなる。これに対し、速度V2より遅い速度V4で先行シートを逆送すれば、時刻T2までの先行シートの移動量が少なくなるから、後続シートに対する先行シートの先端突出量は大きくなる。
このように、本実施例では、バッファ動作中に内排出ローラ26によって先行シートを逆送させる際の駆動速度を変更することで、バッファ動作によって形成されるシート束におけるシート間の先端突出量kを制御する。
(駆動速度の変更方法)
次に、先端突出量kを狙いの突出量ktに近づけるための駆動速度の変更方法を説明する。ただし、実施例1と同じ方法により、複数回のバッファ動作で算出された先端突出量kpの平均である先端突出量平均kaが、既に求められているものとして説明する。
また、先端突出量平均kaが狙いの突出量ktと厳密に一致していなくとも、狙いの突出量ktを基準とした所定範囲内に収まっていれば、中間積載部71における縦方向の整合動作には影響が生じないものとする。具体的には、先端突出量平均kaが以下の不等式(6)で表される範囲にあれば、先端位置補正手段709は逆送開始タイミングTを補正する必要はないと判断する。ただし、Δa及びΔbは中間積載部71の寸法等に基づいて予め定めた所定の値とする。
式(6)
(kt−Δb)≦ka≦(kt+Δa)
式(6)が成り立たない先端突出量平均kaであった場合、逆送開始タイミングTの補正が必要となる。なお、kaの値が境界値である場合(ka=kt+Δa又はka=kt−Δb)にも以下の補正を行うようにしてもよい。
まず、ka>(kt+Δa)、つまり、狙いの突出量ktに対して実際の先端突出量平均kaが大きすぎる場合について説明する。これは、図4(a)の状態から(b)の状態に推移する際に、内排出ローラ26によって逆送される先行シート(S1)が、バッファ前ローラ22によって搬送される後続シート(S2)に対して適切な位置まで追いつけない場合である。この場合、速度選択手段707は、内排出ローラ26が先行シートを逆送するときの搬送速度として、速度V2より早い速度V3を選択する。ただし、速度V3は、速度V2に比べて単位時間あたりの内排出ローラ26によるシートの搬送量がΔdだけ増加するような値に設定されている。
そして、式(7)に従って、内排出ローラ26を速度V3で駆動する期間の長さを規定する駆動時間T1が求められる。
式(7)
T1=(ka−kt)/Δd
反対に、ka<(kt−Δb)、つまり、狙いの突出量ktに対して実際の先端突出量平均kaが小さすぎる場合について説明する。これは、図4(a)の状態から(b)の状態に推移する際に、内排出ローラ26によって逆送される先行シート(S1)が、バッファ前ローラ22によって搬送される後続シート(S2)に対して早く移動しすぎている場合である。この場合、速度選択手段707は、内排出ローラ26が先行シートを逆送するときの搬送速度として、速度V2より遅い速度V4を選択する。ただし、速度V4は、速度V2に比べて単位時間あたりの内排出ローラ26によるシートの搬送量がΔdだけ減少するような値に設定されている。
そして、式(7)に従って、内排出ローラ26を速度V3で駆動する期間の長さを規定する駆動時間T1が求められる。
式(8)
T1=(kt−ka)/Δd
このように、本実施例では、バッファ動作の結果として取得される先端突出量平均kaと狙いの突出量ktとの差に基づいて、バッファ動作における内排出ローラ26の駆動速度及び駆動時間が変更される。
次に、本実施例における後処理装置4の各ローラの動作シーケンスについて説明する。ただし、入口ローラ21、バッファ前ローラ22及び反転ローラ24の動作シーケンスは実施例1と同一であるため説明を省略する。
図14は、本実施例における内排出ローラ26の動作シーケンスを表している。図8に示す実施例1における動作シーケンスと比べた場合、S609〜S611bにおいて内排出ローラ26の駆動速度及び駆動時間を制御していることが異なっている。S601〜S608及びS612〜S623における処理内容は、図8を用いて説明したS401〜S408及びS412〜S423と同様である。
S609では、S601で入口センサ27がシート後端の通過を検知したタイミングに基づいて各種タイマーをセットする。
・起動タイマーの終了時刻は、実施例1と異なり一定値がセットされる。
・変速タイマーの終了時刻は、内排出ローラ26の逆送速度が速度V3又は速度V4であるときは、タイミング算出手段702が式(7)又は式(8)に基づいて算出した駆動時間T1に基づいて定められる。内排出ローラ26の逆送速度が速度V2である場合は、内排出ローラ26の逆送速度は速度V2で一定であるため、変速タイマーは設定されない。
・反転タイマー及び停止タイマーの終了時刻の設定方法は実施例1と同様である。
S610では、起動タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると、S611で内排出ローラ26を目標速度V2,V3,V4のいずれか、かつ、内排出パス82における逆送方向に沿った回転方向R4に回転開始させる。
S611aでは、変速タイマーのカウントダウンを行いながら待機する。カウントダウンが終了すると(つまり逆送開始から駆動時間T1が経過すると)、S611bで内排出ローラ26の逆送速度をバッファ前ローラ22が反転ローラ24にシートを送り込む搬送速度に等しい速度V2まで変速させる。これにより、反転ローラ24において、内排出ローラ26から逆送される先行シートとバッファ前ローラ22から送り込まれる後続シートとが所定の先端突出量kで重ねられた状態となる(図4(a、b))。
なお、内排出ローラ26の逆送速度が最初から速度V2に設定されていた場合は、S611a,S611bはスキップされる。また、S612以降の処理は実施例1と同様であるため説明を省略する。
このように、本実施例では、バッファ動作における内排出ローラ26の逆送開始タイミングを変更することに代えて、逆送時の内排出ローラ26の駆動速度を変更することでシート間の先端突出量kを補正する。この方法によっても、例えばローラの摩耗や紙粉の付着によって搬送効率が低下したとしても、スタック手段としてのバッファ部4Bが形成するシート束においてシート同士の端部位置の位置関係を適切な範囲に収めることが可能となる。
なお、実施例1の方法と実施例2の方法を組み合わせて、内排出ローラ26の逆送開始タイミングT並びに逆送時の駆動速度及び駆動時間を制御することで先端突出量kを補正することも可能である。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、シート処理装置の例として、画像形成装置1に直接連結される後処理装置4について説明した。しかしながら、本技術は、画像形成装置1から中間のユニット(例えば、胴内排出型の画像形成装置において排出空間に装着される中継搬送ユニット)を介してシートを受け取るシート処理装置にも適用可能である。また、シート処理装置及び画像形成装置を備えた画像形成システムとは、画像形成装置1及び後処理装置4の機能を有するモジュールが単一の筐体内に搭載されているものを含む。
また、ステイプラ51はシートを処理する処理手段の一例であり、例えば中間積載部において整合したシート束を綴じない状態で下排出トレイ37に排出するようにしてもよい。また、上記実施例における後処理装置4はシートを搬送するシート搬送装置の例示であり、画像形成装置において画像を形成されたシート(記録材)の処理を行うシート処理装置以外のシート搬送装置にも本技術は適用可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…画像形成装置/1S…画像形成システム/4…シート処理装置、シート搬送装置(後処理装置)/4B、100…スタック手段(バッファ部、バッファ機構)/22…第1ローラ対(バッファ前ローラ)/24…第2ローラ対(反転ローラ)/26…第3ローラ対(内排出ローラ)/27…第1取得手段、第1センサ(入口センサ)/28…第4ローラ対(中間搬送ローラ)/33…移動手段(縦整合ローラ)/38…第2取得手段、第2センサ(中間積載前センサ)/39…規制部材(縦整合基準板)/51…処理手段、綴じ手段(ステイプラ)/71…積載部(中間積載部)/81…第1搬送路(受入パス)/82…第2搬送路(内排出パス)/603…制御手段(主制御部)/644…駆動源(内排出モータ)/650…第1取得手段(操作部)

Claims (14)

  1. シートが1枚ずつ搬送される第1搬送路と、
    前記第1搬送路から受け取った複数枚のシートを重ねてシート束を形成するスタック手段と、
    前記スタック手段によって形成されたシート束が搬送される第2搬送路と、
    前記スタック手段に送られるシートの搬送方向の長さに関する情報を取得する第1取得手段と、
    前記スタック手段によって形成されたシート束の前記搬送方向の長さに関する情報を取得する第2取得手段と、
    前記スタック手段によりシート束を形成するスタック動作を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記スタック動作を実行した際に前記第1取得手段及び前記第2取得手段が取得した情報に基づいて、前記スタック動作により前記スタック手段がシート束を形成する際の前記搬送方向におけるシートの端部同士の位置関係を補正する、
    ことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記スタック手段は、
    前記第1搬送路に配置され、シートを搬送する第1ローラ対と、
    前記第1ローラ対から受け取ったシートの搬送方向を反転させて前記第2搬送路に送りこむ第2ローラ対と、
    前記第2搬送路に配置され、前記第2ローラ対からシートを受け取るときの第1方向と、前記第2ローラ対へ向けてシートを搬送する第2方向とにシートを搬送可能な第3ローラ対と、
    を含み、前記第1搬送路に搬入された第1シートを前記第1ローラ対及び前記第2ローラ対を介して前記第3ローラ対に挟持した後、前記第1ローラ対により第2シートを搬送すると共に前記第3ローラ対により前記第1シートを前記第2方向に搬送することで、前記第1シート及び前記第2シートからなるシート束を前記第2ローラ対に挟持する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記第3ローラ対を駆動する駆動源を備え、
    前記制御手段は、前記駆動源に前記第3ローラ対を駆動させて前記第1シートを前記第2方向に搬送させる際の前記駆動源の駆動開始タイミングを変更することで、前記スタック動作により前記スタック手段がシート束を形成する際の前記搬送方向におけるシートの端部同士の位置関係を補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記第3ローラ対を駆動する駆動源を備え、
    前記制御手段は、前記駆動源に前記第3ローラ対を駆動させて前記第1シートを前記第2方向に搬送させる際の前記駆動源の駆動速度を変更することで、前記スタック動作により前記スタック手段がシート束を形成する際の前記搬送方向におけるシートの端部同士の位置関係を補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
  5. 前記スタック手段は、複数枚の先行シートを前記第3ローラ対に挟持した後、前記第1ローラ対により後続シートを搬送すると共に前記第3ローラ対により前記複数枚の先行シートを前記第2方向に搬送することで、3枚以上のシートからなるシート束を形成して前記第2ローラ対に挟持することが可能である、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  6. 前記第2搬送路において前記第3ローラ対よりも前記第1方向の下流に設けられ、シートを前記第1方向及び前記第2方向のうち前記第1方向にのみ搬送する第4ローラ対を備え、
    前記第2取得手段は、前記第1方向において前記第4ローラ対よりも下流の位置でシートの先端及び後端を検知することでシート束の長さを取得する、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  7. 前記制御手段は、前記スタック手段が形成したシート束において互いに重なり合うシート間の先端突出量を所定の範囲内に維持するように、前記スタック手段の動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  8. 前記制御手段は、1回の前記スタック動作を実行する度に、前記第1取得手段が取得したシートの長さと前記第2取得手段が取得したシート束の長さとに基づいて、当該スタック動作によって形成されたシート束における前記先端突出量の値を算出して記憶手段に記憶させ、所定回数の前記スタック動作を実行する間に前記記憶手段に記憶された前記先端突出量の値に基づいて、前記スタック動作により前記スタック手段がシート束を形成する際の前記搬送方向におけるシートの端部同士の位置関係を補正する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート搬送装置。
  9. 前記第1取得手段は、前記第1搬送路上の第1検知位置におけるシートの有無に応じて出力信号が変化する第1センサを含み、
    前記制御手段は、前記第1センサの出力信号を取得し、前記第1検知位置をシートの先端が通過してからシートの後端が通過するまでの経過時間に基づいて、前記スタック手段に送られるシートの長さを求める、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  10. 前記第2取得手段は、前記第2搬送路上の第2検知位置におけるシートの有無に応じて出力信号が変化する第2センサを含み、
    前記制御手段は、前記第2センサの出力信号を取得し、前記第2検知位置をシート束の先端が通過してからシート束の後端が通過するまでの経過時間に基づいて、前記スタック手段が形成したシート束の長さを求める、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
    前記スタック手段によって形成されたシート束を含む複数枚のシートが積載される積載部と、
    前記積載部に積載された複数枚のシートに処理を施す処理手段と、を備える、
    ことを特徴とするシート処理装置。
  12. 前記積載部に排出されたシートの上面に接触して、当該シートを前記第2搬送路から前記積載部に向けてシートが排出される際の排出方向の下流に向けて移動させる移動手段と、
    前記移動手段のシート接触位置よりも前記排出方向の下流に設けられ、前記積載部に積載されたシートの前記排出方向における先端に当接してシートの位置を規制する規制部と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記スタック手段によって形成されたシート束のうち、前記積載部に排出された状態において互いに重なり合う2枚のシートについて、下側のシートの先端が上側のシートの先端に比べて前記排出方向に突出する突出量が、前記移動手段のシート接触位置から前記規制部までの前記排出方向の距離よりも大きい状態が維持されるように、前記スタック動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項11に記載のシート処理装置。
  13. 前記処理手段は、前記積載部に積載された複数枚のシートを綴じる綴じ手段を含む、
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載のシート処理装置。
  14. シートに画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置からシートを搬送する請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置、又は、前記画像形成装置からシートを受け取って処理する請求項11乃至13のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成システム。
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