JP2021066087A - 意匠紙シート及び発泡性紙製容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高坪量の原紙を用いた場合であっても、透明な模様部と、不透明な非模様部のコントラストが大きい意匠紙シート、発泡性紙製容器及び意匠紙シートの製造方法の提供。【解決手段】発泡性紙製品に用いる意匠紙シートであって、少なくとも、原紙層、意匠層及び発泡層をこの順で備え、前記原紙層を構成する原紙の坪量は、100g/m2以上250g/m2以下であり、前記意匠層は、少なくとも透明な模様部と、不透明な非模様部とを有し、前記透明な模様部は、摂氏20℃で可塑性の固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素を含み、前記透明な模様部の光沢度は前記不透明な非模様部の光沢度よりも大きい、意匠紙シート。【選択図】なし

Description

本発明は、意匠紙シート及び発泡性紙製容器に関する。
飲料やスープ等の飲食品を提供するため、発泡性紙製容器が用いられている。発泡性紙製容器には、原紙の片面に低密度ポリエチレン、反対側の片面に高密度又は中密度ポリエチレンをラミネート加工し、オーブンで加熱し、発泡させることにより製造した発泡性紙製品が用いられる。
飲食品の購買意欲を向上させる観点から、発泡性紙製容器に意匠性を付与することは重要である。
例えば、一部が透明な模様部を有する発泡性紙製容器は、収容された飲食品が透けて見えるために意匠性が向上すると考えられる。透明な模様部と、不透明な非模様部のコントラストが大きいほど、意匠性が向上する。
紙の一部を透明化する製法は種々知られている。
例えば特許文献1には、セルロース繊維を用いて抄造した坪量が10〜100g/mの基紙の少なくとも片面に、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂の中から選ばれる1種類以上の樹脂を主成分とする樹脂組成物層を0.1〜20g/m形成し、不透明度20%以下であることを特徴とする封筒窓用透明紙が記載されている。
特許文献2には、所定部位に、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂の群から選ばれる透明化剤を30〜50g/m含浸させ、用紙の少なくとも片面の所定部位を透明化処理して用紙に一体化した透明窓部を有する封筒用用紙であって、坪量が50〜100g/m、密度が0.60〜0.80g/mであり、透明窓部の不透明度が20%以下、光沢度30%以上であることを特徴とする窓付き封筒用用紙が記載されている。
特開平11−61696号公報 特開2007−262599号公報
上述のように、紙を流動性パラフィン等の透明化剤で処理した透明紙は知られている。
しかし、特許文献1〜2に記載の方法では坪量が100g/m以上の高坪量原紙に対しては高い透明度を付与することは困難であった。
また、例えば、(非発泡面としてのPEラミネート層)/(原紙)/(部分印刷用のインキ層および透明性付与物質層)/(発泡面としてのPEラミネート層)の基材構成の意匠紙シートを製造する場合を例に挙げる。この場合、加熱によりPEラミネート層を発泡させ、さらに発泡層に光沢を部分的に付与するために、発泡層の外面に部分的に光沢を付与する物質(ニス等)を塗布する必要がある。しかしながら、この方法では、技術上と経済上の問題点がある。
技術上の問題点としては、透明性付与と光沢度付与の物質が共に透明である場合、透明性付与部分と光沢度付与部分の位置を合わせる(見当)精度が低くなる。
この場合には、まず有色のインキの印刷が必要となる。その有色インキでトンボ(見当合わせのためのマーク)を印刷し、そのトンボに対して、透明性付与の物質を印刷する際の見当を合わせる。しかし、透明な物質では有色インキの場合と比較して、見当合わせの精度が低くなる(例えば有色インキの場合±0.5mm、透明な物質の場合±1mm)。発泡層に光沢度付与の物質を印刷する際の見当合わせにおいても、同様に見当合わせの精度が低くなる。
有色インキ/透明性付与物質の見当合わせの精度が低く、有色インキ/光沢度付与物質の見当合わせの精度も低いことにより、透明性付与物質/光沢度付与物質の見当は更に精度が低くなる(位置のばらつきが2倍程度となる)。
経済上の問題点としては、印刷を2回行う必要がある。2回の印刷とは、PEラミネートされる前の原紙の状態で透明性付与物質を印刷(1回目)、両面PEラミネート後に発泡させた後にも光沢度付与物質を印刷(2回目)である。
経済上の観点からは、1回の印刷で、透明性付与と光沢度付与を行うことができれば、見当精度と製造費用の点で有利であるため好ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、高坪量の原紙を用いた場合であっても、透明な模様部と、不透明な非模様部のコントラストが大きい意匠紙シート及び発泡性紙製容器を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[10]を包含する。
[1]発泡性紙製品に用いる意匠紙シートであって、少なくとも、原紙層、意匠層及び発泡層をこの順で備え、前記原紙層を構成する原紙の坪量は、100g/m以上250g/m以下であり、前記意匠層は、少なくとも透明な模様部と、不透明な非模様部とを有し、前記透明な模様部は、摂氏20℃で可塑性の固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素を含み、前記透明な模様部の光沢度は前記不透明な非模様部の光沢度よりも大きい、意匠紙シート。
[2]さらに非発泡層を備え、少なくとも非発泡層、原紙層、意匠層及び発泡層をこの順で備える、[1]に記載の意匠紙シート。
[3]前記透明な模様部の光沢度は、不透明な非模様部の光沢度よりも5%以上高い、[1]又は[2]に記載の意匠紙シート。
[4]前記透明な模様部の不透明度は、前記不透明な非模様部の不透明度よりも2%以上低い、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の意匠紙シート。
[5]前記固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素は、重量平均分子量が400以上1000以下である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の意匠紙シート。
[6]前記固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素の含有量は、2g/m以上40g/m以下である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の意匠紙シート。
[7]前記透明な模様部は摂氏20℃で流動性を有する流動性パラフィンを含有する、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の意匠紙シート。
[8]前記流動性パラフィンの重量平均分子量は、200以上600以下である、[7]に記載の意匠紙シート。
[9]前記流動性パラフィンの含有量は、2g/m以上50g/m以下である、[7]又は[8]に記載の意匠紙シート。
[10][1]〜[9]のいずれか1つに記載の意匠紙シートを備える、発泡性紙製容器。
本発明によれば、高坪量の原紙を用いた場合であっても、透明な模様部と、不透明な非模様部のコントラストが大きい意匠紙シート及び発泡性紙製容器を提供することができる。
本明細書において、「不透明度」は、JIS P8149の方法を一部変更した、下記の方法により測定する。計算方法は下記(式1)の通りとする。
Op=(100×R)/R (式1)
(式(1)中、Op:不透明度(%)、R:単一シート視感反射率(%)、R:固有視感反射率(%)である。)
単一シート視感反射率は、黒色筒を裏当てした単一シートの視感反射率である。
固有視感反射率は、白色板を裏当てした単一シートの視感反射率である。
「不透明度」とは、光を遮断する割合を意味し、その値が小さいほどより透けて見える。
本明細書において、「光沢度」は、JIS P8142の方法により測定した値とする。
<意匠紙シート>
本実施形態は、発泡性紙製品に用いる意匠紙シートである。本実施形態の意匠紙シートは、少なくとも原紙層、意匠層及び発泡層をこの順で備える。また、本実施形態の意匠紙シートは、さらに非発泡層を備え、少なくとも非発泡層、原紙層、意匠層及び発泡層をこの順で備えることが好ましい。
本実施形態において、意匠層は少なくとも透明な模様部と、不透明な非模様部とを有する。透明な模様部の光沢度は、不透明な非模様部の光沢度よりも大きい。
紙の主成分であるセルロースの屈折率は1.49であり、空気の屈折率は1.00である。紙層内に微細な空隙があるため、セルロースと空気の界面で光が複雑に屈折することにより、屈折率の差から紙が白く不透明に見える。紙層内の空隙をセルロースと同等の屈折率の物質で満たせば、屈折率の差が小さくなり、紙の透明度を高くすることができる。
本実施形態においては、摂氏20℃で可塑性の固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素を原紙に塗工し、紙層中の空隙を満たすことにより、セルロースと空隙中の空気との屈折率の差を小さくでき、透明度が高い部分を形成できる。
本実施形態において「半固形状のパラフィン炭化水素」とは、例えば、摂氏20℃で力を加えることにより変形できる可塑性を有する性状をいう。以降において、「摂氏20℃で可塑性の固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素」を「固形状パラフィン」と略記する場合がある。固形状パラフィンは、印刷箇所の外に流動して滲み出さない状態であればよい。
本実施形態の意匠紙シートは、模様部と非模様部とを有する。模様は、模様部を形成する透明部と、非模様部を形成する不透明部の明度のコントラストによって形成される。模様部は、少なくとも透明部を有し、透明部のみからなってもよく、透明部と色彩部との組み合わせであってもよい。
模様としては、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、絵柄模様、幾何学図形、文字、記号などがある。
本実施形態の意匠紙シートは、前記透明な模様部の光沢度は、不透明な非模様部の光沢度よりも5%以上高いことが好ましく、7%以上高いことがより好ましく、9%以上高いことが特に好ましい。
本実施形態の意匠紙シートは、前記透明な模様部の不透明度は、前記不透明な非模様部の不透明度よりも2%以上低いことが好ましく、4%以上低いことがより好ましく、6%以上低いことが特に好ましい。
以下、意匠紙シートを構成する各層構成についてそれぞれ説明する。
≪非発泡層及び発泡層≫
[発泡熱可塑性樹脂層]
本実施形態の意匠紙シートにおいて、発泡層は熱可塑性樹脂層を加熱し、発泡させることにより形成する。すなわち、発泡層は発泡した熱可塑性樹脂層(発泡熱可塑性樹脂層)である。非発泡層は、未発泡の熱可塑性樹脂層である。発泡熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、押出しラミネートが可能で且つ発泡可能であれば特に限定されず、結晶性樹脂、非結晶性樹脂のどちらの熱可塑性樹脂も使用することができる。
結晶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、PPS樹脂等を挙げることができる。非結晶性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、変性PPE、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂の融点としては、80℃以上120℃以下程度が好ましい。また、これらの熱可塑性樹脂は単一の樹脂を単層で使用しても、複数の樹脂を複層で使用してもよいが、発泡性の点から単層であることが好ましい。
中でも、発泡熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、ラミネート適性、発泡性に優れることからポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、大きくは直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンに区分される。
密度としては、直鎖状低密度ポリエチレンは888kg/m以上910kg/m以下、低密度ポリエチレンは910kg/m以上925kg/m以下、中密度ポリエチレンは925kg/m以上940kg/m以下、さらに高密度ポリエチレンは940kg/m以上970kg/m以下である。
融点としては、直鎖状低密度ポリエチレンは55℃以上120℃以下、低密度ポリエチレンは105℃以上120℃以下、中密度ポリエチレンは120℃以上125℃以下、さらに高密度ポリエチレンは125℃以上135℃以下である。
発泡層(発泡熱可塑性樹脂層)の厚さとしては、所望の断熱性又は意匠性のうち少なくともいずれかを付与するのに十分な厚さであればよく特に限定されないが、例えば、0mmを超え4mm以下であればよく、0.01mmを超以上1mm以下であればよい。
[非発泡熱可塑性樹脂層]
本実施形態の意匠紙シートにおいて、発泡効率を高めるために、胴部材の発泡熱可塑性樹脂層を有する壁面の反対壁面側を、発泡熱可塑性樹脂層よりも融点の高い熱可塑性樹脂からなるとともに加熱処理した際に発泡しない熱可塑性樹脂層(非発泡熱可塑性樹脂層)、或いはアルミ箔等で被覆することが好ましい。
紙基材の片面が、非ラミネート、又は塗工層により被覆されていない状態だと、加熱処理の際にこの未被覆面から紙中の水分が大気中に蒸散してしまい、十分確実に発泡させることが難しくなる。従って、このような被覆層を設けることにより、紙中の水分を効率良く発泡に寄与させることができる。なお、当該原材料シートを発泡性紙製容器として使用する場合、これらの非発泡熱可塑性樹脂層やアルミ箔等は、胴部材の内壁面側に存在すると、充填液体等が紙中へ浸透することを防止でき好ましい。
本実施形態の意匠紙シートの非発泡熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂は、発泡熱可塑性樹脂層と同一であっても異なっていてもよい。同一の場合は、密度に差を持たせることにより融点に差を生じさせることができる。例えば、両者の熱可塑性樹脂としてポリエチレンを選択する場合、発泡熱可塑性樹脂層は低密度ポリエチレンとし、非発泡熱可塑性樹脂層は中密度又は高密度ポリエチレンとする。発泡熱可塑性樹脂層と非発泡熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂における融点の差は5℃以上あることが好ましく、非発泡熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂の融点としては、加熱の際に融解せず蒸発水分の拡散を防止できればよく特に限定されないが、125℃以上が好ましい。
≪原紙層≫
本実施形態において、原紙層を構成する原紙の坪量は、100g/m以上250g/m以下である。
本実施形態に用いる原紙としては、木材より得られた化学パルプ、機械パルプを主体とし、これにケナフ、竹等の非木材パルプを必要に応じて配合して得られる紙基材が挙げられる。製造方法は特に限定されず、公知の抄紙工程により抄造して得た紙基材が使用できる。
本実施形態においては、化学パルプを使用することが好ましい。化学パルプを使用すると、機械パルプを使用する場合と比較して、紙基材の密度を高く調整しやすい。また、長時間太陽光に曝された場合、又は長時間高温で保管された場合であっても、紙基材の黄変を抑制できる。さらに、製造される意匠性シートの強度を高くすることができる。これにより、例えば発泡性紙製容器の成形工程のうち、トップカールを付与する際に破断しにくくなる。
本実施形態において、化学パルプの配合率は80重量%以上が好ましく、90重量%以上が更に好ましく、95重量%以上が最も好ましい。
本実施形態において、原紙が高密度の場合には、塗工液が原紙の内部に浸透しにくく、塗工後に通過するガイドロールを汚す為に好ましくない。塗工適性(ガイドロール汚れ)を考慮すると、原紙の密度は0.9g/cm以下であることが好ましい。
また、原紙の密度が低すぎると、原紙内部の空隙の比率が大きくなる傾向にある。そうすると、原紙内部の空隙を埋めて透明にするため、炭化水素の塗工量を増やす必要がある。このため、原紙の密度は0.7g/cm以上であることが好ましく、0.75g/cm以上がより好ましく、0.8g/cm以上であることが特に好ましい。
加熱発泡工程では、紙基材の水分が蒸発して熱可塑性樹脂層を外側に押し広げることにより発泡する。紙基材の密度が0.7g/cm以上であると、紙基材の端面から水蒸気が逃げにくく、同じ坪量で密度の低い紙基材と比較して発泡厚さが大きくなるため好ましい。
低密度紙基材は高密度紙基材と同じ発泡厚を得るために、坪量を大きくする必要がある。このため材料の使用量が多くなりやすい。一方、紙基材の密度が0.7g/cm以上の場合、材料を多く使う必要がなく、コスト面でも優れている。
紙基材の含有水分は、後述する低融点熱可塑性樹脂層の必要な発泡量を確保するとともに過発泡の発生を防ぐため5〜9重量%であることが好ましく、6〜8重量%が好ましい。含有水分が9重量%以下の場合、紙基材に含まれる水分が加熱により蒸発して、軟化した熱可塑性樹脂層が水蒸気で紙基材の外側に過剰に押し出されて発泡する確率を効果的に抑制できる。そのため、本実施形態によれば、発泡部がブリスター状になり外観が悪化することを効果的に抑制できる。
紙基材を製造するパルプの濾水度(CSF)は、200mL〜500mLであることが好ましく、300mL〜450mLであることがより好ましい。
500mL以下の場合、紙基材内部を水蒸気が透過し難く、紙基材の端面から水蒸気が逃げ難くなるので、発泡厚さが大きくなるため好ましい。濾水度が200mL以上の場合、パルプを叩解して濾水度を下げるための消費電力が大きくならずコスト面で優れている。またパルプ叩解能力増強のための設備対応を緩和することができる。
≪意匠層≫
意匠層は、少なくとも透明な模様部と、不透明な非模様部とを有する。これらの模様は、固形状パラフィン、流動性パラフィン、インキによる印刷により形成される。
坪量100g/mを超える高坪量の原紙は、紙厚が大きいため公知の透明化剤は浸透しにくい。
一方、原紙層内に存在する空隙を埋めるためには、一定量の透明化剤を浸透させる必要がある。
本実施形態においては、固形状パラフィンを使用することで、高坪量の原紙にパラフィンが浸透し、空隙を埋めることで透明化を達成できる。
・固形状パラフィン
本実施形態において用いる、摂氏20℃で可塑性の固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素について説明する。
固形状パラフィンは、塗工部分の境界を越えて滲みが広がりにくく、所望の模様を所望の範囲に描くことができる。
固形状パラフィンは、重量平均分子量が400以上1000以下であることが好ましく、500以上700以下であることがより好ましい。
重量平均分子量が大きいと粘度が高くなるため、一定の粘度範囲で塗工するためには、溶剤を多量に添加する必要がある。溶剤の添加量が増えると固形分としての塗工量が減るので、固形分塗工量を増やして透明性を高める目的には好ましくない。
固形炭化水素は、固形である範囲で、可能な限り分子量が低いことが好ましい。そのことにより、粘度調整のための溶剤添加量が減らし、塗工量を高めることが可能である。
本実施形態において好適に使用できる固形状パラフィンとしては、大和化学工業社製の「クラリテンDC」が挙げられる。「クラリテンDC」は、固形パラフィン(脂環族飽和炭化水素)(52%)を石油系溶剤に溶かし、粘度500cps程度としたものである。
本実施形態において、固形状パラフィンの重量平均分子量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。「クラリテンDC」は、重量平均分子量が560であり、比重が0.87である。
本実施形態において、意匠紙シートの模様部が含有する固形状パラフィンの含有量は、2g/m以上40g/m以下であることが好ましく、5g/m以上35g/m以下がより好ましく、8g/m以上30g/m以下が特に好ましい。
・流動性パラフィン
本実施形態において、透明な模様部は摂氏20℃で流動性を有する流動性パラフィンを含有することが好ましい。以降において、「摂氏20℃で流動性を有する流動性パラフィン」を「流動性パラフィン」と略記する場合がある。
流動性パラフィンは、溶剤で希釈することなく、又は少量の溶剤希釈により粘度調整が可能である。このため、原紙の厚さ方向に浸透しやすく、紙層中の空隙に浸透しやすいため、高い透明化効果を得ることができる。
流動性パラフィンの構造は、直鎖型(ノルマルパラフィン)であるが、側鎖型(イソパラフィン)、環状型(単環シクロパラフィン)を含んでいてもよい。
本実施形態に用いる流動性パラフィンの重量平均分子量は、200以上600以下であることが好ましい。
本実施形態に用いる流動性パラフィンの重量平均分子量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
流動性パラフィンは重量平均分子量が大きいと粘度が高くなる。グラビア印刷において好ましい塗工液の粘度は、オリフィス径が約3mmのザーンカップを用いた粘度測定において、粘度秒数が13〜30秒であるものが好ましい。
流動性パラフィンの重量平均分子量が上記下限値未満であると粘度が低く、塗工部分の境界を越えて滲みが広がりやすい。
以下に、ザーンカップを用いた粘度測定方法について説明する。
粘度測定用のザーンカップとは、液体の粘度測定に用いられる計測器である。容量約43mLのカップの底部にオリフィス(穴)がある。カップは、ステンレス製のカップ部と長さ約300mmの柄部で構成されている。
ザーンカップには、下記の種類がある。
・オリフィス径が約2mm、測定粘度範囲が1〜30CPS
・オリフィス径が約3mm、測定粘度範囲が20〜150CPS
・オリフィス径が約4mm、測定粘度範囲が80〜500CPS
・オリフィス径が約5mm、測定粘度範囲が170〜900CPS
・オリフィス径が約6mm、測定粘度範囲が400〜2500CPS
・オリフィス径が約7mm、測定粘度範囲が950〜4500CPS
[粘度測定用のザーンカップを用いた測定方法]
粘度測定用のザーンカップを用いた測定は、下記の工程により実施できる。
(1)カップを液体の中に沈める。
(2)柄を素早く引き上げて、カップ底部が液面 から離れる瞬間にストップウォッチを始動する(スタート)。
(3)カップのオリフィスから液体が流れ落ち始める。
(4)液体がカップ底部のオリフィスから途切れると同時にストップウォッチを停止する(ストップ)。
(5)この流出秒数を読み取り粘度秒数とする。
本実施形態に用いることができる流動性パラフィンとしては、下記のものが挙げられる。
「ハイコールK230」重量平均分子量306 比重0.845、(オリフィス径が約3mmのザーンカップ15.4秒)
「ハイコールK160」重量平均分子量287 比重0.839、(オリフィス径が約3mmのザーンカップ13.0秒)
「ハイコールK350」重量平均分子量495 比重0.871(オリフィス径が約3mmのザーンカップ57.2秒)
本実施形態において、意匠紙シートの模様部が含有する流動性パラフィンの含有量は、2g/m以上50g/m以下であることが好ましく、5g/m以上45g/m以下がより好ましく、8g/m以上40g/m以下が特に好ましい。
(インキ)
本実施形態のインキ塗装に用いられるインキは、乾燥状態のインキ塗装部の構成に溶剤を加えたものである。すなわち、インキは、着色剤、バインダー樹脂、及び溶剤を含有する。
・着色剤
着色剤としては、無機系着色剤又は有機系着色剤が挙げられる。
無機系着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、カオリン、酸化クロム、シリカ、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)等が挙げられる。
着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から、白色着色剤には酸化チタンが好ましく、さらに、顔料表面が塩基性である酸化チタンがより好ましい。アルミニウムは粉末又はペースト状であるが、取扱い性及び安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィング又はノンリーフィングを使用するかは輝度感及び濃度の点から適宜選択される。
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、カオリンは体質顔料と呼ばれ、流動性、強度、光学的性質の改善のために増量剤として使用される。
一方、有機系着色剤としては、一般のインキ、塗料及び記録剤等に使用されている有機顔料や染料を挙げることができる。例えば、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系等が挙げられる。
これら着色剤の含有量は、所望とするインキの色調等を考慮して適宜選択することができるが、一般的にインキの全重量を基準として、50重量%以下であればよく、前記上限値以下であることにより、必要な着肉濃度が得られる着色剤の含有量となる。
・溶剤
本実施形態においてインキ塗装に用いられるインキに含まれる溶剤としては、通常、印刷インキ用の溶剤として使用できる公知の化合物であればよい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素系有機溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系有機溶剤等が挙げられる。バインダー樹脂の溶解性や乾燥性等を考慮すると、上述の各種溶剤を混合して利用することが好ましい。
本実施形態において、インキの全質量を基準として、溶剤の含有量は、例えば、30質量%以上であればよい。
<用途>
本実施形態の意匠紙シートは、断熱性及び平滑な印刷表面を有する紙製品に用いられるものであって、具体的には、例えば、発泡性紙製カップ、発泡性紙製容器、パンフレット、ファンシーペーパー、包装紙、ポストカード、ブックカバー、ファイル、ノートの表紙、壁紙等に用いることができる。
<発泡性紙製容器>
本実施形態、上述の意匠紙シートを備える発泡性紙製容器を提供する。
本実施形態の発泡性紙製容器は、平滑な印刷表面を有し、手に熱さが伝わりにくく、実用上において優れた断熱性を有するものである。
本実施形態の発泡性紙製容器は、例えば、以下の方法によって製造することができる。
まず、巻き取りロールから意匠紙シートを繰り出す。
次いで、意匠紙シートから胴部材用ブランクを打ち抜き、常用のカップ成型機で容器の形に組み立てる。
ここで、発泡熱可塑性樹脂層は、胴部材の外壁面側及び内壁面側のどちらか片方又は両方に存在すればよく、断熱性、手触り、外観審美性等、所望に応じて適宜決定すればよい。
容器内部を発泡面とした場合、飲食の際に発泡樹脂が箸やフォーク等により傷付いて口の中に入り込むおそれがあるため、外壁面側になるように存在することが好ましい。
そこで、例えば、胴部材は発泡熱可塑性樹脂層が容器外側に、非発泡熱可塑性樹脂層が容器内側に向くようにして、組み立てる。これは紙中への液体等の浸透防止のためである。底板部材に用いられる熱可塑性樹脂は、胴部材と同じであっても異なっていてもよく、積層方法も押出しラミネート法の他、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の予めフィルム状にしたものと貼合する方法が適宜使用できる。
カップ麺等、湯を注入後しばらく放置するものは、容器底面からの放熱を防止する上で底部材にも発泡熱可塑性樹脂層を設けることが有効である。特に、屋外での用途や冬場や寒冷地では好ましい。また、蓋材も同様に発泡熱可塑性樹脂層を有するものを使用してもよい。
<意匠紙シートの製造方法>
本実施形態の意匠紙シートの製造方法は、印刷工程、固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素を塗工する工程、熱可塑性樹脂層形成工程、発泡工程をこの順で備えることが好ましい。
また、印刷工程、流動パラフィン炭化水素を塗工する工程、固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素を塗工する工程、熱可塑性樹脂層形成工程、発泡工程をこの順で備えることが好ましい。
[印刷工程]
坪量が100g/m以上250g/m以下の原紙の片面又は両面に、インキを塗布し、印刷層を形成する。
本工程で使用するインキとしては、上述の(インキ)に例示されたものと同様のものを使用すればよい。
インキを原紙の上に印刷する方法としては、特別な限定はなく、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、トナー印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
印刷工程により、不透明な非模様部と、見当合わせのマークを印刷できる。
[流動パラフィン炭化水素を塗工する工程]
流動パラフィン炭化水素を塗工し、透明な模様部を形成する。
流動パラフィンを原紙に塗工する方法は、流動パラフィン単独または溶剤と混合した溶液を、油性グラビア印刷により塗工する方法が挙げられる。
[固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素を塗工する工程]
摂氏20℃で可塑性の固形又は半固形のパラフィン炭化水素を塗工し、透明な模様部を形成する。
固形状または半固形状のパラフィンを原紙に塗工する方法は、固形状または半固形状のパラフィンを溶剤に溶解した固形状または半固形状のパラフィン溶液を、油性グラビア印刷により塗工する方法が挙げられる。
[熱可塑性樹脂層形成工程]
原紙の片面又は両面に熱可塑性樹脂層を形成させる。
原紙の片面に熱可塑性樹脂層を形成させる場合には、前述した発泡熱可塑性樹脂層を形成する。
原紙の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合には、一方の面に前述した発泡熱可塑性樹脂層を形成し、他方の面に前述した非発泡熱可塑性樹脂層する。
熱可塑性樹脂層の形成方法としては、特別な限定はなく、例えば、押出しラミネート法、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の予めフィルム状にしたものと貼合する方法を適宜使用して積層すればよい。
中でも、熱可塑性樹脂層の形成方法としては、紙基材との密着性、発泡性等の点から、押出しラミネート法が好ましい。押出しラミネートは、例えば、紙基材の片面または両面に、Tダイから熱可塑性樹脂層を溶融樹脂膜の状態で押出し、クーリングロールとこれに対向するニップロールとの間で冷却しつつ圧着する方法である。
押出しラミネートにおいて、樹脂の溶融温度、積層速度等の操業条件は、用いる樹脂の種類や装置によって適宜設定すればよく特に限定されないが、一般に、例えば、溶融温度は200℃以上350℃以下、積層速度は50m/分以上200m/分以下である。また、ニップロールとしては硬度70度以上(JIS K−6253)のものを用い、線圧は15kgf/cm以上で押圧及び圧着を行うことが好ましい。
必要に応じて紙基材や熱可塑性樹脂の接着性を向上させるために、コロナ処理、オゾン処理等を行ってもよい。
熱可塑性樹脂層(加熱前の発泡熱可塑性樹脂層)の厚さとしては、加熱後に発泡層(発泡熱可塑性樹脂層)を形成させたときに、所望の断熱性を付与するのに十分な厚さであればよく特に限定されないが、例えば、20μm以上90μm以下であればよい。
また、加熱前の非発泡熱可塑性樹脂層の厚さについては、蒸発水分の飛散を防止するのに十分な厚さであればよく、例えば、20μm以上50μm以下である。
[発泡工程]
熱可塑性樹脂層を加熱処理して熱可塑性樹脂層を発泡させて、発泡層を形成する。
発泡性熱可塑性樹脂層、原紙層及び非発泡性熱可塑性樹脂層がこの順で積層した積層体を加熱すると、各層は下記のように作用する。
まず、原紙層に含まれる水分は水蒸気となり、発泡性熱可塑性樹脂層及び非発泡性熱可塑性樹脂層に圧力がかかる。
非発泡性熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は、発泡性熱可塑性樹脂層を構成する樹脂よりも融点が高いため、加熱された場合でも融解又は変形しない。一方で発泡性熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は加熱により融解し、水蒸気の圧力により発泡性熱可塑性樹脂層側の樹脂層が(原紙の外面側へ)膨らむことにより、(水蒸気の圧力が解放されて)発泡層が形成される。
また、原紙の片面に熱可塑性樹脂層に前述した発泡熱可塑性樹脂層を形成する場合には、他方の面に金属板を密着させて加熱発泡させることが好ましい。この場合、金属板に水蒸気の圧力がブロックされ、発泡性熱可塑性樹脂層側の樹脂層が(原紙の外面側へ)膨らむことにより、(水蒸気の)圧力が解放され、発泡層が形成される。
加熱温度及び加熱時間は使用する紙基材及び熱可塑性樹脂の種類に応じて変化し、使用する熱可塑性樹脂に対する最適な加熱温度と加熱時間の組み合わせは適宜決定することができるが、加熱温度は発泡する熱可塑性樹脂の融点よりもやや高い温度(融点+5℃以上30℃以下の範囲)が適し、一般的に、加熱温度は110℃以上200℃以下、加熱時間は1分間以上6分間以下である。加熱手段は特に限定されず、例えば、熱風、電熱、電子線等、任意の手段を使用できる。コンベヤによる搬送手段を備えたトンネル内で、熱風又は電熱等によって加熱すれば、安価に大量生産することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪実施例1≫
[意匠層形成工程]
ラミネート前の原紙に、大のスタンプ(面積:0.007961cm)で固形状パラフィン(大和化学工業社製、「クラリテンDC」)を溶剤に希釈した固形状パラフィン塗工液(固形状パラフィン濃度:46.7%)を塗工した。塗工量は下記表1に示す。塗工量の測定は、流動性パラフィン、固形状パラフィンの場合共に、塗工前の原紙重量と塗工、乾燥後の原紙重量の差と塗工面積から算出した。
[熱可塑性樹脂層形成工程]
坪量135g/m (厚さ185μm、密度0.73g/cm、化学パルプ100%、)の原紙の片面(固形パラフィン塗工面)に低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 銘柄名:ペトロセン213、密度0.918g/cm3、融点105℃)を厚さ35μmで、紙基材の反対面には中密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製 銘柄名:LC680、密度0.936g/cm3、融点118℃)を厚さ20μmで押出ラミネートした。
[発泡工程]
オーブンに入れ、120℃で2分間加熱し、発泡させた。
実施例1の発泡前後の不透明度及び光沢度を表1に記載する。
≪実施例2〜3≫
固形状パラフィンの塗工量を表1に記載する値に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、意匠紙シートを製造した。
≪比較例1≫
意匠層を形成しない以外は、実施例1と同様の方法により、意匠紙シートを製造した。
Figure 2021066087
≪実施例4≫
[熱可塑性樹脂層形成工程]
坪量215g/m (厚さ265μm、密度0.81g/cm、化学パルプ100%、)の原紙の片面に低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 銘柄名:ペトロセン213、密度0.918g/cm3、融点105℃)を厚さ35μmで、紙基材の反対面には中密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製 銘柄名:LC680、密度0.936g/cm3、融点118℃)を厚さ20μmで押出ラミネートした。
[意匠層形成工程]
原紙の反対面に、まず、小のスタンプ(面積:0.006054cm)で流動性パラフィン(カネダ株式会社製「ハイコールK350」重量平均分子量495)を溶剤に希釈した流動性パラフィン塗工液を塗工した。
次に、流動性パラフィンを塗工した範囲を含むように、大のスタンプ(面積:0.007961cm)で固形状パラフィン(大和化学工業社製、「クラリテンDC」)を溶剤に希釈した固形状パラフィン塗工液(固形状パラフィン濃度:46.7%)を塗工した。塗工量は下記表1に示す。塗工量の測定は、流動性パラフィン、固形状パラフィンの場合共に、塗工前の原紙重量と塗工、乾燥後の原紙重量の差と塗工面積から算出した。
[発泡工程]
意オーブンに入れ、120℃で2分間加熱し、発泡させた。
実施例4の発泡前後の不透明度及び光沢度を表2に記載する。
≪実施例5〜9≫
表2に示す条件に変更した以外は、実施例4と同様の方法により、意匠紙シートを製造した。
Figure 2021066087
上記結果に示したとおり、本発明を適用した実施例は、不透明度が低く、光沢度が高い模様部を形成できた。

Claims (10)

  1. 発泡性紙製品に用いる意匠紙シートであって、
    少なくとも、原紙層、意匠層及び発泡層をこの順で備え、
    前記原紙層を構成する原紙の坪量は、100g/m以上250g/m以下であり、
    前記意匠層は、少なくとも透明な模様部と、不透明な非模様部とを有し、
    前記透明な模様部は、摂氏20℃で可塑性の固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素を含み、
    前記透明な模様部の光沢度は前記不透明な非模様部の光沢度よりも大きい、意匠紙シート。
  2. さらに非発泡層を備え、少なくとも非発泡層、原紙層、意匠層及び発泡層をこの順で備える、請求項1に記載の意匠紙シート。
  3. 前記透明な模様部の光沢度は、不透明な非模様部の光沢度よりも5%以上高い、請求項1又は2に記載の意匠紙シート。
  4. 前記透明な模様部の不透明度は、前記不透明な非模様部の不透明度よりも2%以上低い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の意匠紙シート。
  5. 前記固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素は、重量平均分子量が400以上1000以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の意匠紙シート。
  6. 前記固形状又は半固形状のパラフィン炭化水素の含有量は、2g/m以上40g/m以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の意匠紙シート。
  7. 前記透明な模様部は摂氏20℃で流動性を有する流動性パラフィンを含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の意匠紙シート。
  8. 前記流動性パラフィンの重量平均分子量は、200以上600以下である、請求項7に記載の意匠紙シート。
  9. 前記流動性パラフィンの含有量は、2g/m以上50g/m以下である、請求項7又は8に記載の意匠紙シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の意匠紙シートを備える、発泡性紙製容器。
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