JP2021065888A - 押出用金型およびそれを用いた押出形材の製造方法とルーフレール - Google Patents

押出用金型およびそれを用いた押出形材の製造方法とルーフレール Download PDF

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秀彰 福増
晴久 竹下
Haruhisa Takeshita
晴久 竹下
土屋 雅彦
Masahiko Tsuchiya
雅彦 土屋
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Abstract

【課題】本発明は、押出用金型とそれを用いた押出形材の製造方法およびルーフレールの提供を目的とする。【解決手段】本発明の押出用金型は、アルミニウム合金製の押出形材の押出に用いられる押出用金型であって、1つ以上のベアリング突部を有する雄型と、前記ベアリング突部を挿入するベアリング孔を有し前記ベアリング孔内にダイス孔を画成する雌型を備え、前記雄型において前記ベアリング突部の周囲に前記ベアリング突部の周囲を囲むように素材ビレット導入用の複数のエントリーポートが形成され、前記ベアリング突部を取り囲んで隣接する複数のエントリーポートどうしの各境界部にブリッジ部が形成され、前記ブリッジ部において前記素材ビレットの導入側にブリッジ基部が形成され、該ブリッジ基部より前記素材ビレットの流れ方向下流側に向かうにつれて徐々に肉厚を小さくするブリッジ後端部あるいはアール部が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、押出用金型およびそれを用いた押出形材の製造方法とルーフレールに関する。
アルミニウム合金からなる押出形材を用いて自動車等の車両用のルーフレールを構成する場合がある。このアルミニウム合金からなるルーフレール用形材において、意匠面を2つ以上の曲面もしくは平面から構成し、2つ以上の曲面もしくは平面の間の稜線を際立たせることによって意匠性を高めようとする要求がある。
本出願人は先に押出加工用ダイスとして、以下の特許文献1に開示するように、ダイホルダに組み込まれる組立ダイスであって、ダイホルダの支持孔において素材ビレットに面する側の開口部に支持孔の開口部面積を拡張する段部を設けた組立ダイスを提供した。
また、押出加工用ダイスとして、溶着材料を複数のエントリーポートで分流し、これらエントリーポートを通過させて合流し、溶着させた後にダイス孔から押し出して中空部材を形成するダイスとして以下の特許文献2に記載の押出ダイスが知られている。
特開2011−230184号公報 特許第3698927号公報
特許文献1に記載の段部の設置により、支持孔の開口部面積を拡張することで、素材ビレットのダイス孔への導入推進を図り、押出に必要な圧力を低減し、押出性向上を図ることができた。
また、本願出願人は押出ダイスを備えた金型の研究開発を進めており、前述のルーフレールを製造するための金型の研究と開発も進めている。
例えば、前述のルーフレール用形材において稜線を構成するR形状を小さくすることで稜線を際立たせることはできるが、R形状を小さくすると押出金型の該当部分を構成する部位の摩耗が進みやすく、押出金型の寿命が短くなるという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みなされたものであり、R形状が小さくない場合であっても稜線を際立たせた高い意匠性を有する押出製品を得ることができ、金型としての寿命を延ばすことができる押出用金型とルーフレールの製造方法およびルーフレールの提供を目的とする。
(1)本発明の押出用金型は、アルミニウム合金製の押出形材の押出に用いられる押出用金型であって、1つ以上の角部を有する1つ以上のベアリング突部を有する雄型と、前記ベアリング突部を挿入するベアリング孔を有し前記ベアリング孔内にダイス孔を画成可能な雌型を備え、前記雄型において前記ベアリング突部の周囲に前記ベアリング突部の周囲を囲むように素材ビレット導入用の複数のエントリーポートが形成され、前記ベアリング突部を取り囲んで隣接する複数のエントリーポートどうしの各境界部にブリッジ部が形成され、前記ブリッジ部において前記素材ビレットの導入側にブリッジ基部が形成され、該ブリッジ基部より前記素材ビレットの流れ方向下流側に向かうにつれて徐々に肉厚を小さくするブリッジ後端部あるいはアール部が形成され、前記ブリッジ後端部あるいは前記アール部の延在方向一端が前記ベアリング突部の角部基端側に延在され、前記ブリッジ後端部の開き角度が60°以上180°以下であることを特徴とする。
(2)本発明の押出用金型において、前記ダイス孔のいずれかの部位が、前記押出形材の意匠面形成用の部位であり、前記ブリッジ後端部あるいは前記アール部の延在方向一端が前記意匠面形成用の部位を避けて、前記ベアリング突部側面の角部基端側に延在された構成を採用できる。
(3)本発明の押出用金型において、前記ダイス孔のいずれかの部位が、前記押出形材の凸面状意匠面形成用の部位であり、前記ブリッジ後端部あるいは前記アール部の延在方向一端が前記凸面状意匠面の形成用突部基端側に延在された構成を採用できる。
(4)本発明の押出形材の製造方法は、(1)〜(3)のいずれかに記載の押出用金型と、アルミニウム合金からなる素材ビレットを用い、520℃以上540℃以下の押出ビレットを押し出して押出形材を製造することを特徴とする。
(5)本発明の押出形材の製造方法において、2以上の平面、もしくは2以上の曲面からなる意匠面とそれらの平面もしくは曲面の接続部となる角部を備えた周壁からなるルーフレールとしての押出形材であって、押出時に形成された押出溶着部が前記意匠面を避けた角部に形成されたルーフレールとしての押出形材を製造するに際し、(4)に記載の押出形材の製造方法を実施することができる。
(6)本発明のルーフレールは、2以上の平面、もしくは2以上の曲面からなる意匠面とそれらの平面もしくは曲面の接続部となる角部を備えた周壁からなる押出形材のルーフレールであって、押出時に形成された押出溶着部が前記意匠面を避けた角部に形成されたことを特徴とする。
本発明の押出用金型は、複数のエントリーポートからブリッジ部を介しダイス孔に素材ビレットを圧入して押出形材を製造するに際し、ブリッジ部の後端側に素材ビレットの流れ方向下流側に向けて徐々に肉厚を小さくするブリッジ後端部かアール部を設けたので、これらを介し合流させた素材ビレットをダイス孔に圧入できる。そして、ブリッジ後端部かアール部の延在方向一端をベアリング突部の角部基端側に配置したので、合流した素材ビレットどうしが形成する押出溶着部を押出形材の角部に形成できる。このような素材ビレットの流れを利用し押出成形することにより、押出形材の角部に稜線を際立たせるために適切な金属組織を得ることができ、角部のRを過度に小さくしなくとも稜線の際立った押出形材を提供できる。
また、押出形材の角部を成形するためのベアリング突部角部のRを過度に小さくする必要が無くなるので、押出用金型において前述の角部を形成するための該当部分の摩耗を抑制でき、押出用金型の寿命を長くすることができる。
前記ブリッジ後端部の開き角度を60°以上180°以下とすることにより、押出形材の角部稜線を際立たせるために望ましい押出溶着部金属組織を得ることができる。
本発明に係る押出形材の製造方法によれば、前述の押出用金型を用いて520℃以上540℃以下の押出ビレットを押し出すことにより、角部稜線を際立たせるために望ましい押出溶着部金属組織を備えた押出形材を製造することができる。
本発明に係るルーフレールであるならば、平面もしくは曲面を有する意匠面どうしの角部に押出溶着部を設け、意匠面どうしの角部に稜線を際立たせるように平均結晶粒径の異なる金属組織の境界を設けたルーフレールを提供できる。
本発明の一実施形態に係る自動車用ルーフレールの一例を示す斜視図である。 同ルーフレールの主要部を構成する第1形態のアルミニウム合金形材を示す横断面図である。 同ルーフレールの主要部を構成する第2形態のアルミニウム合金形材を示す横断面図である。 同ルーフレールの主要部を構成する第3形態のアルミニウム合金形材を示す横断面図である。 アルミニウム合金形材を押出成形するための押出成形金型の一構造例を示す断面図と該押出成形金型により形成されたアルミニウム合金形材の一例を示す横断面図である。 図5に示す押出成形金型に設けられるバックプレートとボディとコア部材の一例を示す斜視図である。 図7(A)は図5に示す押出成形金型に設けられるコア部材の一例を示す正面図、図7(B)は前記コア部材に設けられるブリッジ部を示す部分断面図である。 図5に示す押出成形金型に設けられるボディの一例を示す斜視図である。
以下、添付図面に基づき、本発明に係る押出用金型の第1実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかり易くするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は自動車(車両)1のルーフパネル2においてその幅方向両側に沿って自動車1の前後方向に個々にルーフレール3が取り付けられた状態を示している。これらのルーフレール3は、個々の両端部にそれぞれレッグ部4が取り付けられている。
レッグ部4はルーフレール3をルーフパネル2に取り付けるための脚部に相当し、ボルトなどの固定金具によりルーフパネル2に取り付けられている。
本形態においては、ルーフレール3が、例えば、図2に示す横断面形状を有する押出形材7からなる。この押出形材7は、中空の横断面4辺形状の形材であって、いずれも平坦な板状の第1の周壁7Aと、第2の周壁7Bと、第3の周壁7Cと、第4の周壁7Dとからなる。
図2に横断面を示す如く、第1の周壁7Aと第2の周壁7Bは約60°の角度をなして接続され、第2の周壁7Bと第3の周壁7Cは約125°程度の角度をなして接続され、第3の周壁7Cと第4の周壁7Dは約60°の角度をなして接続されている。押出形材7において第1の周壁7Aと第2の周壁7Bの境界部分にRの大きい丸角部7aが形成され、第2の周壁7Bと第3の周壁7Cとの間に小さなRを有する角部7aが形成されている。第3の周壁7Cと第4の周壁7Dとの間に角部7aが形成され、第4の周壁7Dと第1の周壁7Aとの間に大きなRを有する角部7aが形成されている。
ルーフレール3において、例えば、第1の周壁7Aの外面と第2の周壁7Dの外面が意匠面として構成されている。
図3はルーフレールの第2形態を示すもので、この第2形態では、ルーフレール3が、図3に示す横断面形状を有する押出形材8からなる。この押出形材8は、中空の横断面4角形状(台形状)の形材であって、平坦な板状の第1の周壁8Aと、平坦な板状の第2の周壁8Bと、平坦な板状の第3の周壁8Cと、僅かな凸曲面を有する第4の周壁8Dとからなる。
押出形材8において第1の周壁8Aと、第2の周壁8Bと、第3の周壁8Cと、第4の周壁8Dの各境界部分にはR部からなる角部8aが形成され、各周壁どうしの境界部分は角部8aを介し滑らかに接続されている。
押出形材8において第1の周壁8Aの外面と第2の周壁8Dの外面が意匠面として構成されている。なお、意匠面は凸曲面に限るものではなく、一例として凸型折曲面、凸型湾曲面など、適宜形状を含む凸面状を採用できる。
図4はルーフレールの第3形態を示すもので、この第3形態では、ルーフレール3が、図4に示す横断面形状を有する押出形材9からなる。この押出形材9は、中空の横断面略5角形状の形材であって、平坦な板状の第1の周壁9Aと、平坦な板状の第2の周壁9Bと、平坦な板状の第3の周壁9Cと、僅かな凸曲面状の第4の周壁9Dと、平坦な板状の第5の周壁9Eからなる。
押出形材9において第1の周壁9Aと、第2の周壁9Bと、第3の周壁9Cと、第4の周壁9Dと第5の周壁9Eの各境界部分にはR部からなる角部9aが形成され、各周壁どうしの境界部分は角部9aを介し滑らかに接続されている。
押出形材9において第1の周壁9Aの外面と第4の周壁9Dの外面と第5の周壁9Eの外面が意匠面として構成されている。
図2〜図4に示す押出形材7、8、9などに代表される押出形材を押出成形するための押出加工装置の一例を図5に示す。
図5に示す押出加工装置Aは、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる素材ビレットBを収容する収容部11を備えた肉厚筒形容器であるコンテナ12と、このコンテナ12の一側に設けられて収容部11の素材ビレットBを押出自在に設けられたステム(加圧手段)13と、コンテナ12に対しステム13の設置側と反対側に設けられたそれぞれ円盤状のコア部材(雄型)15とボディ(雌型)16とバックプレート17を主体として構成されている。
図6にコア部材15とボディ16とバックプレート17を重ねて配置した状態を示し、図7にコア部材15においてボディ16側に向けられる一面を正面視した状態を示す。
図7に示すようにコア部材15は円盤状の基体14からなり、この基体14の一面側の中心を挟む位置に離間して2本の雄側のベアリング突部20が突設されている。基体14の中心部であってベアリング突部20、20の間に基体14を厚さ方向に貫通するように丸孔状の第1のエントリーポート21が形成され、図7に示す右側のベアリング突部20の周囲に第1のエントリーポート21とともにベアリング突部20を取り囲む位置に第2のエントリーポート22と第3のエントリーポート23が形成されている。
第2のエントリーポート22と第3のエントリーポート23は、いずれも平面視角を丸くした角丸三角型の透孔であり、基体14をその厚さ方向に貫通している。
また、図7に示す左側のベアリング突部20の周囲にも第1のエントリーポート21とともにベアリング突部20を取り囲む位置に第4のエントリーポート28と第5のエントリーポート29が形成されている。
第4のエントリーポート28と第5のエントリーポート29は、いずれも平面視角を丸くした角丸三角型の透孔であり、基体14をその厚さ方向に貫通している。
第1のエントリーポート21において、基体14の一面側開口部全内周縁に第1のエントリーポート21の流路断面積を拡張するためのテーパ面21aが形成されている。第1のエントリーポート21は高温の素材ビレットBが流れる流路の一部となるため、第1のエントリーポート21を通過した素材ビレットBはこのテーパ面21aに沿って拡がりつつボディ16側に向いて流れる。
第2のエントリーポート22において、基体14の一面側の開口周縁部であってベアリング突部20側に第2のエントリーポート22の流路断面積を拡張するためのテーパ面22aが形成されている。第2のエントリーポート22は高温の素材ビレットBが流れる流路の一部となるため、第2のエントリーポート22を通過した素材ビレットBはこのテーパ面22aに沿って拡がりつつボディ16側に向いて流れる。
第3のエントリーポート23において、基体14の一面側の開口周縁部であってベアリング突部20側に第3のエントリーポート23の流路断面積を拡張するためのテーパ面23aが形成されている。第3のエントリーポート23は高温の素材ビレットBが流れる流路の一部となるため、第3のエントリーポート23を通過した素材ビレットBはこのテーパ面23aに沿って拡がりつつボディ16側に向いて流れる。
図7に示すようにテーパ面21aとテーパ面22aとテーパ面23aがベアリング突部20の周囲を取り囲むように形成されている。このため、ベアリング突部20の周囲には、第1のエントリーポート21と第2のエントリーポート22との間に位置するように第1のブリッジ部25が形成され、第2のエントリーポート22と第3のエントリーポート23との間に第2のブリッジ部26が形成され、第3のエントリーポート23と第1のエントリーポート21との間に第3のブリッジ部27が形成されている。
第1のブリッジ部25と第2のブリッジ部26と第3のブリッジ部27は大略ベアリング突部20の周回りに120°間隔で放射状に配置されている。
図7に示すコア部材15においてベアリング突部20を形成した側の一面(表面)がボディ16側の面となるので、コア部材15の反対側の面(裏面)側がコンテナ12側に向けられる面であり、コンテナ12側から供給される素材ビレットBはコア部材15の裏面側から表面側にエントリーポート21、22、23、28、29を介して流される。
第1のブリッジ部25においてコア部材15の裏面側の部分にブリッジ基部25aが形成され、ブリッジ基部25aにおいてコア部材15の表面側の部分にはテーパ面21aとテーパ面22aにより画成されるブリッジ後端部25bが形成されている。
第2のブリッジ部26においてコア部材15の裏面側の部分にブリッジ基部26aが形成され、ブリッジ基部26aにおいてコア部材15の表面側の部分にはテーパ面22aとテーパ面23aにより画成されるブリッジ後端部26bが形成されている。
第3のブリッジ部27においてコア部材15の裏面側の部分にブリッジ基部27aが形成され、ブリッジ基部27aにおいてコア部材15の表面側の部分にテーパ面23aとテーパ面21aにより画成されるブリッジ後端部27bが形成されている。
第1のブリッジ部25と第2のブリッジ部26と第3のブリッジ部27は、図7に示すように右側のベアリング突部20とその周辺部分を平面視した場合、ベアリング突部20の基端部周辺を取り囲むように配置されている。
従って、一定の幅を有して延在されているブリッジ後端部25bとブリッジ後端部26bとブリッジ後端部27bは、この形態ではベアリング突部20の基端部周回りに大略120°間隔で放射状に配置されている。
図7に示す形態において、ベアリング突部20は第1のエントリーポート21側と第2のエントリーポート22側にかけて延在する凸曲面状の第1の側面20aとこの第1の側面20aの反対側に位置して第1の側面20aの端縁に連続する平面状の第2の側面20bと第3の側面20cとを有している。ベアリング突部20の先端面は平坦面に仕上げられている。
ベアリング突部20の第1の側面20aにおいてその幅方向中央部の突出した丸角部20dに対し、その基端部側にブリッジ後端部25bの一端部が配置されている。また、ベアリング突部20の第1の側面20aと第2の側面20bとの交差部分である角部20eに対し、その基端部側にブリッジ後端部26bの一端部が配置され、ベアリング突部20の第3の側面20cと第1の側面20aとの交差部分である角部20fに対し、その基端部側にブリッジ後端部27bの一端部が配置されている。
ブリッジ後端部25bを画成しているテーパ面21aとテーパ面22aとのなす角度(開き角)は60°に設定され、ブリッジ後端部25bの先端部は幅一定の平坦面が形成されている。ブリッジ後端部26bを画成しているテーパ面22aとテーパ面23aとのなす角度(開き角度)は60°に設定され、ブリッジ後端部26bの先端部には幅一定の平坦面が形成されている。ブリッジ後端部27bを画成しているテーパ面23aとテーパ面21aとのなす角度(開き角度)は60°に設定され、ブリッジ後端部27bの先端部には幅一定の平坦面が形成されている。これらの開き角度は60度に限らず、60°以上180°以下の範囲で任意の角度を選択することができる。
図7に示す右側のベアリング突部20は、コア部材15を図5または図6に示すようにボディ16に組み合わせた場合、ボディ16に形成されている後述のベアリング孔37に挿入され、ベアリング孔37の内側に図5に示すダイス孔38が画成される。
この実施形態においてダイス孔38は後述する横断面四辺形のルーフレール45を押出成形するために用いられるので、ベアリング孔37の内周部の4つのコーナー部37aの内側に4つのコーナー部を有するダイス孔38が形成される。
コンテナ12から供給される素材ビレットBはコア部材15の裏面側(コンテナ12側)から表面側(ボディ16側)にエントリーポート21、22、23を介して流れ、前述のダイス孔38に到達する。エントリーポート21、22、23を通過した素材ビレットBはベアリング突部20の周囲に形成されているブリッジ後端部25b、26b、27bに沿って流れ、ダイス孔38で合流して目的の形状のルーフレール45が押出成形される。この押出成形時の素材ビレットBの流れについては後に詳述する。
以上、図7に示すコア部材15の右側のベアリング突部20とその周囲の構造について説明したが、コア部材15の左側のベアリング突部20とその周囲の構造は右側の構造と左右対称の同等構造である。
左側のベアリング突部20も第1の側面20a、第2の側面20b、第3の側面20cを有し、その周囲に第1のエントリーポート21、第4のエントリーポート28、第5のエントリーポート29が設けられている。第4のエントリーポート28および第5のエントリーポート29は、第2のエントリーポート22および第3のエントリーポート23と同一形状で方向のみが異なるポートである。よって各部の構成について以下に簡略説明する。
第1のエントリーポート21と第4のエントリーポート28との間に第4のブリッジ部30が形成され、第4のエントリーポート28と第5のエントリーポート29との間に第5のブリッジ部31が形成され、第5のエントリーポート29と第1のエントリーポート21との間に第6のブリッジ部32が形成されている。
第4のブリッジ部30はブリッジ基部30aとブリッジ後端部30bからなり、第5のブリッジ部31はブリッジ基部31aとブリッジ後端部31bからなり、第6のブリッジ部32はブリッジ基部32aとブリッジ後端部32bからなる。
ブリッジ後端部30bはテーパ面21aとテーパ面28aにより画成され、ブリッジ後端部31bはテーパ面28aとテーパ面29aにより画成され、ブリッジ後端部32bはテーパ面21aとテーパ面29aにより画成されている。それぞれのテーパ部においてテーパ面同士がなす角度は60°以上180°以下に形成されている。ブリッジ後端部30b、31b、32bのそれぞれの先端には平坦面が形成されている。
図8は、図7に示すコア部材15が組み合わされるボディ16を示す。このボディ16は円盤状の基体35からなり、この基体35の一面側に素材ビレットBの流路を構成するための凹部型のチャンバ36が形成され、基体35の中央を挟む位置に2つのベアリング孔37が形成されている。これらベアリング孔37の形成位置はコア部材15に形成されているベアリング突部20の形成位置に対応されている。
即ち、図5、図6に示すようにコア部材15とボディ16を重ねて組み合わせた場合、ベアリング突部20がベアリング孔37の内側に挿入され、ベアリング孔37の内周面とベアリング突部20の外周面とからダイス孔38が画成される。
前記凹部型のチャンバ36は、図5、図6に示すようにコア部材15とボディ16を重ねて組み合わせた場合、第1〜第5のエントリーポート21〜29をチャンバ36の輪郭の内側に配置する大きさに形成されている。
以上説明の構成から、図5、図6に示すようにコア部材15とボディ16を重ねて組み合わせた場合、第1のエントリーポート21と第2のエントリーポート22からブリッジ後端部25bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れを生成できる。
同様に、第2のエントリーポート22と第3のエントリーポート23からブリッジ後端部26bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れを生成することができ、第3のエントリーポート23と第1のエントリーポート21からブリッジ後端部27bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れを生成できる。
また、第1のエントリーポート21と第4のエントリーポート28からブリッジ後端部30bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れを生成できる。
同様に、第4のエントリーポート28と第5のエントリーポート29からブリッジ後端部31bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れを生成することができ、第5のエントリーポート29と第1のエントリーポート21からブリッジ後端部32bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れを生成できる。
ボディ16に組み合わされているバックプレート17には、図5に示すようにダイス孔38から押し出されたルーフレール45を通過できるような大きさの通過孔46が形成されている。
なお、図5では図面を見やすくするために、コンテナ12に収容されている素材ビレットBを表示し、第1のエントリーポート21とチャンバ36に流入されている素材ビレットBは表示を略し、ダイス孔38を通過している素材ビレットBと、押出形成されたルーフレール45を表示している。
「ルーフレールの製造方法」
以上説明のように構成された図5に示す押出加工装置Aを用いてルーフレール45を押出成形するには、コンテナ12内の素材ビレットBにステム13により圧力を印加する。
素材ビレットBとして具体的には、JIS A6063合金、JISA6N01合金などのJIS6000系のアルミニウム合金を用いることができ、押出成形時のビレット温度を520℃以上540℃以下に設定できる。
ステム13により圧力を受けた素材ビレットBは図7に示す第1〜第5のエントリーポート21、22、23、28、29に圧入される。
図7に示す右側のベアリング突部20の周りにおいては、第1〜第3のエントリーポート21〜23を介して圧入された素材ビレットBがベアリング突部20の周囲に形成されているブリッジ後端部25b、26b、27bに沿って流れ、ダイス孔38に到達する。
ここで、第1のエントリーポート21と第2のエントリーポート22を通過する素材ビレットBは、ブリッジ後端部25bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れとなる。
第2のエントリーポート22と第3のエントリーポート23を通過する素材ビレットBは、ブリッジ後端部26bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れとなる。
第3のエントリーポート23と第1のエントリーポート21を通過する素材ビレットBは、ブリッジ後端部27bを通過してダイス孔38に至る素材ビレットBの流れとなる。
これら素材ビレットBの3つの流れをダイス孔38に導入できる結果、3つの素材ビレットBの流れをダイス孔38において合流し、押し出しできる結果として、図5に示す円内に示す横断面形状のルーフレール45を押出成形できる。
図5に示す円内に、押出加工装置Aを用いて製造したルーフレール45の横断面の概形を示す。このルーフレール45は、ベアリング突部20の第1の側面20aに沿ってダイス孔38を通過した素材ビレットBにより押出形成された第1の凸曲面を有する第1の周壁45aを有する。
ルーフレール45は、更に、ベアリング突部20の第2の側面20bに沿ってダイス孔38を通過した素材ビレットBにより押出成形された第2の周壁45bと、ベアリング突部20の第3の側面20cに沿ってダイス孔38を通過した素材ビレットBにより押出成形された第3の周壁45cを有する。
ルーフレール45において第1の周壁45aの幅方向中央部に丸角部45dが形成され、第1の周壁45aと第2の周壁45bの境界部分に角部45eが形成され、第2の周壁45bと第3の周壁45cの境界部分に角部45fが形成され、第3の周壁45cと第1の周壁45aとの境界部分に角部45gが形成されている。
ルーフレール45を押出成形する場合、素材ビレットBの3つの流れが合流する境界位置の1つは、ベアリング突部20の第1の側面20aにおいてその幅方向中央部の突出した丸角部20dに対し、その角部基端側部分にブリッジ後端部25bの一端部が連続されている部分となる。
また、素材ビレットBの3つの流れが合流する境界位置の他の1つは、ベアリング突部20の第1の側面20aと第2の側面20bとの交差部分である角部20eに対し、その基端側部分にブリッジ後端部26bの一端部が連続されている部分となる。
更に、素材ビレット3の3つの流れが合流する境界位置の残りの1つは、ベアリング突部20の第3の側面20cと第1の側面20aとの交差部分である角部20fに対し、その基端側部分にのブリッジ後端部27bの一端部が連続されている部分となる。
これら3つの部分において合流した素材ビレットBをダイス孔38を介し押し出すことでルーフレール45を成形できる。図5〜図8に示す押出成形装置Aを用いてルーフレール45を押出成形する場合、通常、素材ビレットBの流れが合流する部分に、押出溶着部が生成する。
押出溶着部は目視では確認できない程度に形成される場合、顕微鏡でなくては見えない程度に形成される場合、部分的あるいは間欠的に形成される場合、ほとんど確認できない程度形成される場合、目視できる程度に形成される場合など、製造時の押出条件によって種々の形態で形成され得る。
図5に示す押出成形装置Aを用いてルーフレール45を押出成形した場合、押出溶着部が生成する可能性があるのは、ルーフレール45において、第1の周壁45aの丸角部45dの部分と、角部45eと、角部45gの部分となる。
上述の押出成形装置Aを用いて前述の条件でルーフレール45を製造することにより、丸角部45d、角部45e、45gのいずれに押出溶着部が形成されたとしても、これらの両側の周壁からこれら角部に生成される稜線部分を際立たせる金属組織を角部周囲に備えたルーフレール45を得ることができる。即ち、稜線部と非稜線部に平均結晶粒径の異なる金属組織を隣接させることができ、これにより稜線部を際立たせた意匠性の優れたルーフレール45を提供できる。一例として、稜線部における金属組織の平均結晶粒径と非稜線部における金属組織の平均結晶粒径の比率を1.5倍以上とすることが好ましい。即ち、(稜線部における金属組織の平均結晶粒径)/(非稜線部における金属組織の平均結晶粒径)≧1.5の関係を満足させる金属組織とすることが好ましい。
丸角部45dの部分はルーフレール45において第1の周壁45aを構成する2つの平面が所定曲率半径の凸曲面を描く稜線を構成するように凸部を形成する部分である。このため、この部分に仮に押出溶着部が生成していたとしても、外観上ほとんど目立つことがない。また、角部45eの部分においても第1の周壁45aと第2の周壁45bが稜線として交差する部分となるため、この部分に仮に押出溶着部が存在していたとしても、外観上ほとんど目立つことがない。角部45gに押出溶着部が存在している場合も同様にほとんど目立たない。
仮に、周壁を構成する平面部である周壁45b、45cや曲面部である周壁45aの広い面の一部分に押出溶着部を生成させると、押出溶着部が目視可能な大きさの場合、外観上目立ってしまうため、周壁を構成する平面部や曲面部が交差する角部45d、45e、45f、45gのいずれかに押出溶着部を生成させることで、押出溶着部が外観上目立たないルーフレール3を提供できる。
本願の方法で、周壁を構成する平面部やこれらが交差する角部の中で、特に意匠面を構成する平面もしくは曲面が交差する角部や凸部、すなわち図5の例であれば角部45d、45e、45gに押出溶着部を生成させることによって、稜線を際立たせた意匠性の優れたルーフレール45を提供できる。
例えば、ベアリング突部20の第1の側面20aはルーフレール45の凸曲面状の意匠面である第1の周壁45aの表面を構成するための部位であり、この第1の側面20aの中央の凸部がルーフレール45の丸角部45dを構成するための部位となる。従って、第1の側面20aの中央の凸部に対し、その基端側にブリッジ後端部25b、30bの一端部を配置している。
以上説明したように、素材ビレットBの流れが合流してダイス孔38に入る部分の位置を3つのブリッジ後端部25b、26b、27bで調節しているために、ブリッジ後端部25b、26b、27bのそれぞれの一端部をベアリング突部20の角部側の基端部かコーナー部側の基端部に配置することで、押出溶着部が生成されたとしても目立たない位置に押出溶着部を形成したルーフレール45を製造することができる。
ビレット温度を520℃より低くするとルーフレール45に生成する稜線部分を際立たせるための適切な押出溶着部の金属組織が得られない。ビレット温度を540℃より高くすると押出中にアルミニウム合金が局部溶融するおそれがあり、ルーフレールに必要な形状と強度が得られない。
なお、押出速度は、生産性を考慮して適切な条件を選択することができる。押出速度が低速になると生産性が低下する。押出速度を高速にすることにより、生産性が高まり、かつルーフレール45に生成する稜線部分を際立たせるための適切な押出溶着部の金属組織を得やすくなる。
一方、押出速度が速すぎると、押出に必要な荷重が大きくなり、一般的な押出プレスでは形成不可能となる。また、押出中にアルミニウム合金が局部溶融するおそれがあり、ルーフレールに必要な形状と強度が得られない。
押出成形装置Aを用いてルーフレール45を押出成形する場合、第1エントリーポート21〜第5エントリーポート23をそれぞれ通過する素材ビレットBは、開き角度を60°以上180°以下としたブリッジ後端部25b、26b、27bを通過してダイス孔38に至る。
このため、素材ビレットBをダイス孔38に流入させて合流する場合に好適な角度で流入している結果として適切な金属組織を有した押出溶着部を形成できる。
ブリッジ後端部25b、26b、27bの開き角度を仮に180°を超える角度とすると、押出時にブリッジ後端部25b、26b、27bの周りに過剰な素材ビレットBが補足される結果、過剰な素材ビレットBの分だけ歩留まりが悪化する。また、ブリッジ後端部25b、26b、27bの開き角度が180°を超える場合、ブリッジ後端部の断面積が低下し、構造強度が低下する。
押出加工装置Aにおいて、テーパ面で画成されるブリッジ後端部25b、26b、27bの代わりに、アール部を形成した場合も同様に、前述のJIS6000系のアルミニウム合金を用いて前述の押出温度で押出成形することにより、ブリッジ後端部25b、26b、27bを設けた場合と同等の効果が得られる。即ち、ルーフレール45において押出溶着部を丸角部45d、角部45e、45gに形成でき、これらの部分周りに稜線を際立たせるために好適な金属組織を形成できる。
例示のために、図7(B)に第1のブリッジ部25においてブリッジ後端部25bの代わりにアール部25eを設けた場合の断面構造を示す。ブリッジ基部25aの先端側にアール部25eが形成されている。
なお、アール部は、ブリッジ後端部25b、26b、27b、30b、31b、32bのいずれに対し適用しても良い。
以上説明したように押出成形装置Aを用いる製造方法によれば、複数のエントリーポート21〜29から各ブリッジ部を介しダイス孔38に素材ビレットBを圧入して押出形材としてルーフレール45を製造するに際し、ブリッジ部の後端側に素材ビレットBの流れ方向下流側に向けて徐々に肉厚を小さくするブリッジ後端部かアール部を設けたので、これらを介し合流させた素材ビレットBをダイス孔38に圧入して押出成形できる。
そして、ブリッジ後端部かアール部の延在方向一端をベアリング突部20の角部基端側に配置したので、合流した素材ビレットBどうしが形成する押出溶着部を押出形材45の角部に形成できる。このような素材ビレットBの流れを利用し押出成形することにより、押出形材45の丸角部45dあるいは角部45e、45gに稜線を際立たせるために適切な金属組織を得ることができ、角部45d、45e、45gのRを過度に小さくしなくとも稜線の際立った押出形材45を提供できる。
また、押出形材45の角部45d、45e、45gを成形するためのベアリング突部角部のRを過度に小さくする必要が無くなるので、押出用金型において前述の角部45d、45e、45gを比較的大きくしたとしても該当部分の摩耗を抑制でき、押出用金型の寿命を長くすることができる効果がある。
なお、ここまで押出加工装置Aの説明においては、図7の右側のベアリング突部20とその周囲の素材ビレットBの流れについて説明したが、図7の左側のベアリング突部20とその周囲の素材ビレットBの流れも同様であるので、押出加工装置Aは同時に2本の同一断面形状のルーフレール45を製造することができる。
図7の左側のベアリング突部20とその周囲の素材ビレットBの流れにより押出成形されるルーフレール45も先のルーフレール45と同等の優れた特徴を有する。
前述の形態では、図5に示す横断面形状のルーフレール45を製造する場合に、図7に示す構造のコア部材15を用いた。
これに替えて、図2〜図4に示す横断面形状のルーフレール7、8、9を製造する場合は、図7に示すコア部材15に形成するベアリング突部20の平面視形状と、図8に示すボディ16に形成するベアリング孔37の平面視形状を図2〜図4に示す横断面形状のルーフレール7、8、9にあわせて適宜変更して適用すれば良い。
例えば、図2に示すルーフレール7を製造する場合は、中空のルーフレール7の横断面において第1の周壁7Aと、第2の周壁7Bと、第3の周壁7Cと、第4の周壁7Dにより囲まれる空間部に隙間無く挿入可能な平面視形状のベアリング突部をコア部材15に設け、第1の周壁7Aと、第2の周壁7Bと、第3の周壁7Cと、第4の周壁7Dの外周を挿入可能な大きさのベアリング孔をボディ16に形成した押出加工装置を用いることができる。
図2に示す断面構造のルーフレール7を製造する場合、矢印Lで示す位置に対応するように図7(A)に示すブリッジ後端部25b、30bの一端側を配置することが重要である。
以上の構造の押出加工装置を用いることにより、例えば、図2に示す第1の周壁7Aと第4の周壁7Dが意匠面であり、矢印Lで示す位置に押出溶着部を形成したルーフレール7を得ることができる。
このルーフレール7であるならば、外面を意匠面とした第1の周壁7Aと第4の周壁7Dに対し、それらの境界部分の角部7aに押出溶着部を設けた構造を提供できる。換言すると、平面状の意匠面を有する第1の周壁7Aと第4の周壁7Dの境界である角部7aに押出溶着部を配置できる。
図3に示すルーフレール8を製造する場合は、中空のルーフレール8の横断面において第1の周壁8Aと、第2の周壁8Bと、第3の周壁8Cと、第4の周壁8Dにより囲まれる空間部に隙間無く挿入可能な平面視形状のベアリング突部をコア部材15に設け、第1の周壁8Aと、第2の周壁8Bと、第3の周壁8Cと、第4の周壁8Dの外周を挿入可能な大きさのベアリング孔をボディ16に形成した押出加工装置を用いることができる。
図3に示す断面構造のルーフレール8を製造する場合、矢印Mで示す位置に対応するように適用するブリッジ後端部の一端側を配置することが重要である。
この構造の押出加工装置を用いることにより、例えば、図3に示す第1の周壁8Aと第4の周壁8Dが意匠面であり、矢印Mで示す位置に押出溶着部を形成したルーフレール8を得ることができる。
この構造のルーフレール8であるならば、外面を意匠面とした第1の周壁8Aと第4の周壁8Dに対し、それらの境界部分の角部8aに押出溶着部を設けた構造を提供できる。換言すると、平面状の意匠面を有する第1の周壁8Aと凸曲面状の意匠面を有する第4の周壁8Dの境界である角部8aに押出溶着部を配置できる。
図4に示すルーフレール9を製造する場合は、中空のルーフレール9の横断面において第1の周壁9Aと、第2の周壁9Bと、第3の周壁9Cと、第4の周壁9Dと、第5の周壁9Eにより囲まれる空間部に隙間無く挿入可能な平面視形状のベアリング突部をコア部材15に設け、第1の周壁9Aと、第2の周壁9Bと、第3の周壁9Cと、第4の周壁9Dと第5の周壁9Eの外周を挿入可能な大きさのベアリング孔をボディ16に形成した押出加工装置を用いることができる。図4に示す断面構造のルーフレール8を製造する場合、矢印Nで示す位置に対応するように適用するブリッジ後端部の一端側を配置することが重要である。
この構造の押出加工装置を用いることにより、例えば、図4に示す第1の周壁9Aと第5の周壁9Eと第4の周壁9Dが意匠面であり、2つの矢印Nで示す角部9aに押出溶着部を形成したルーフレール9を得ることができる。
この構造のルーフレール9であるならば、外面を意匠面とした第1の周壁9Aと第5の周壁9Eと第4の周壁9Dに対し、それらの境界部分の角部9a、9aに押出溶着部を設けた構造を提供できる。換言すると、平面状の意匠面を有する第1の周壁9Aと平面状の意匠面を有する第5の周壁9Eの境界である角部9aに押出溶着部を配置でき、平面状の意匠面を有する第1の周壁9Eと凸曲面状の意匠面を有する第4の周壁9Dの境界である角部9aに押出溶着部を配置できる。
以上説明のように、ベアリング突部とベアリング孔の形状を適宜変更することにより図2に示す断面形状のルーフレール7、図3に示す断面形状のルーフレール8、あるいは、図4に示す断面形状のルーフレール9を押出成形できる。
しかし、本発明で適用できるのはこれらの例に限るものではなく、目的のルーフレールの断面形状に合わせたベアリング突部とベアリング孔の組み合わせを適宜適用することにより他の断面形状のルーフレールに広く対応することができる。
なお、図2〜図4に示すルーフレール7、8、9は自動車1などの車両に搭載するために長さ方向に微妙な曲率が付加されているが、押出加工で長さ方向に曲率は付加できないので、押出加工により直管状態の押出形材として製造した後、必要に応じて曲げ加工等を施して目的の曲率を有するルーフレールに加工することができる。
図5〜図8に示す構成の押出成形装置を用い、JISA6063合金を素材ビレットとして使用し、後述する表1に示すように、押出時の素材ビレット温度を510〜550℃に設定して図2に示す横断面形状のルーフレールを押出成形した。
ルーフレールの製品概形として、肉厚2mm、第1の周壁と第4の周壁の間の丸角部においてその内側の内角約130°、第1の周壁を構成する左右2つの壁部幅約30mm、第2の周壁幅約33mm、第3の周壁幅約30mm、第1の周壁と第3の周壁との境界におけるR部の曲率半径5mmに設定し、第1の周壁を構成する左右2つの壁部の境界におけるR部の曲率半径20mmに設定しこの横断面形状を押出可能なコア部材とボディを有する押出成形金型を用いて押出加工を行った。
図2に示す形状と類似形状のコア部材において、第1エントリーポートの内径105mm、第2エントリーポート〜第6エントリーポートのサイズ(135×80mm)、第1ブリッジ後端部〜第6ブリッジ後端部の長さを72mmに設定し、ブリッジ基部の厚さ50mmに設定している。
図5に示すコア部材において、ブリッジ後端部の形状として、ブリッジ後端部を画成するテーパ面どうしの開き角度として、以下の表1に示すように50°、60°、90°、180°のいずれかのコア部材を個々に作製し、使い分けて押出成形した。
また、以下の表1に示すように、押出時の素材ビレット温度を510℃、520℃、540℃、550℃の何れかに設定して押出成形した。
以上説明の条件にて押出成形を行い、図2に示す横断面形状のルーフレール用押出形材を成形し、成形品の表面を目視観察してルーフレール角部における稜線の明瞭度を評価した。
前述と同等合金からなる意匠面に溶着部を持たないルーフレールを基準品に設定し、基準品に対して被評価品の稜線が明瞭であるかどうかを官能評価した。官能評価は、10人の評価者のうち8人以上が、基準品よりも稜線が明瞭であると判定した場合、稜線の明瞭性を「〇」と判定し、その他の場合は「×」と判定した。
本願の実施例1〜7において、丸角部の稜線部における金属組織は非稜線部における金属組織よりも平均結晶粒径が大きくなっていた。実施例1〜7の試料個々について、丸角部に対応する稜線部と非稜線部の結晶粒径をそれぞれ各試料の任意位置から5箇所抽出して個々に測定したところ、(稜線部における平均結晶粒径)/(非稜線部における平均結晶粒径)の比率は、すべての実施例において1.5以上であった。
Figure 2021065888
表1に示す実施例1〜7の結果が示すように、JIS6000系のアルミニウム合金の素材ビレットを用い、押出成形装置のコア部材に形成するブリッジ後端部の形状について、開き角度を60〜180°の範囲に設定するかR部を有するブリッジ後端部の形状を採用し、ビレット温度を520〜540℃の範囲に設定するならば、稜線の明瞭性に優れたルーフレールを局部溶解を生じさせることなく製造することができた。
これらに対し、比較例1に示すように、ブリッジ後端部の開き角度について50°に設定すると、稜線の明瞭性が低下し、比較例2に示すように、押出時の素材ビレット温度を510℃に設定すると、稜線の明瞭性が低下した。
比較例3、5に示すように、素材ビレットの温度を550℃に設定すると、局部溶解が起こり、比較例4に示すように、素材ビレットの温度を510℃に設定した場合、稜線の明確性が低下した。
このため、ブリッジ後端部の形状について、開き角度を60〜180°の範囲に設定するかR部を有するブリッジ後端部の形状を採用し、ビレット温度を520〜540℃の範囲とすることが望ましいことが分かった。
1…自動車(車両)、2…ルーフパネル、3…ルーフレール、4…レッグ部、
7…押出形材、7A、7B、7C、7D…周壁、7a…角部、
8…押出形材、8A、8B、8C、8D…周壁、8a…角部、
9…押出形材、9A、9B、9C、9D、9E…周壁、9a…角部、
A…押出成形装置、B…素材ビレット、12…コンテナ、13…ステム、
15…コア部材(雄型)、16…ボディ(雌型)、17…バックプレート、
20…ベアリング突部、
21…第1のエントリーポート、21a…テーパ面、
22…第2のエントリーポート、22a…テーパ面、
23…第3のエントリーポート、23a…テーパ面、
25…第1のブリッジ部、25a…ブリッジ基部、
25b…ブリッジ後端部、25e…アール部、
26…第2のブリッジ部、26a…ブリッジ基部、26b…ブリッジ後端部、
27…第3のブリッジ部、27a…ブリッジ基部、27b…ブリッジ後端部、
28…第4のエントリーポート、28a…テーパ面、
29…第5のエントリーポート、29a…テーパ面、
30…第4のブリッジ部、30a…ブリッジ基部、30b…ブリッジ後端部、
31…第5のブリッジ部、31a…ブリッジ基部、31b…ブリッジ後端部、
32…第6のブリッジ部、32a…ブリッジ基部、32b…ブリッジ後端部、
36…チャンバ、37…ベアリング孔、38…ダイス孔、
45…ルーフレール、45a、45b、45c…周壁、
45d…丸角部、45e、45g…角部。

Claims (6)

  1. アルミニウム合金製の押出形材の押出に用いられる押出用金型であって、1つ以上の角部を有する1つ以上のベアリング突部を有する雄型と、前記ベアリング突部を挿入するベアリング孔を有し前記ベアリング孔内にダイス孔を画成可能な雌型を備え、
    前記雄型において前記ベアリング突部の周囲に前記ベアリング突部の周囲を囲むように素材ビレット導入用の複数のエントリーポートが形成され、前記ベアリング突部を取り囲んで隣接する複数のエントリーポートどうしの各境界部にブリッジ部が形成され、
    前記ブリッジ部において前記素材ビレットの導入側にブリッジ基部が形成され、該ブリッジ基部より前記素材ビレットの流れ方向下流側に向かうにつれて徐々に肉厚を小さくするブリッジ後端部あるいはアール部が形成され、
    前記ブリッジ後端部あるいは前記アール部の延在方向一端が前記ベアリング突部の角部基端側に延在され、前記ブリッジ後端部の開き角度が60°以上180゜以下であることを特徴とする押出用金型。
  2. 前記ダイス孔のいずれかの部位が、前記押出形材の意匠面形成用の部位であり、前記ブリッジ後端部あるいは前記アール部の延在方向一端が前記意匠面形成用の部位を避けて、前記ベアリング突部側面の角部基端側に延在されたことを特徴とする請求項1に記載の押出用金型。
  3. 前記ダイス孔のいずれかの部位が、前記押出形材の凸面状意匠面形成用の部位であり、前記ブリッジ後端部あるいは前記アール部の延在方向一端が前記凸面状意匠面の形成用突部の基端側に延在されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の押出用金型。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の押出用金型と、アルミニウム合金からなる素材ビレットを用い、520℃以上540℃以下の押出ビレットを押し出して押出形材を製造することを特徴とする押出形材の製造方法。
  5. 2以上の平面、もしくは2以上の曲面からなる意匠面とそれらの平面もしくは曲面の接続部となる角部を備えた周壁からなるルーフレールとしての押出形材であって、押出時に形成された押出溶着部が前記意匠面を避けた角部に形成されたルーフレールとしての押出形材を製造するに際し、請求項4に記載の押出形材の製造方法を実施することを特徴とする押出形材の製造方法。
  6. 2以上の平面、もしくは2以上の曲面からなる意匠面とそれらの平面もしくは曲面の接続部となる角部を備えた周壁からなる押出形材のルーフレールであって、押出時に形成された押出溶着 部が前記意匠面を避けた角部に形成されたことを特徴とするルーフレール。
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